確率論(担当:梶野) 2016年度第1クォーター・神戸大学理学研究科数学専攻博士前期課程
レポート試験
締め切り:
2016
年6
月8
日(水)17:00
提出先:数学専攻事務室(理学部
B
棟4
階B410
号室)以下の問題のうち,必須問題(問題
1.1
〜1.5
)の全てと選択問題(問題2.1
〜2.3
) のうちの1
題もしくは2
題に解答し,レポートとして提出すること.注意. 答案作成に際しては以下の点に注意すること:
学籍番号,氏名を忘れずに記入すること.
なるべくきれいな字で丁寧に書くこと.試験答案やレポートも「他人に読んでもらう文章」
なのだから,自分にしか読めないような雑な字で書くべきではない.
数学的内容の理解の為に他者と相談をするのは構わないが,レポートの作成にあたっては他 者の解答を写したりせず,自分の言葉で解答すること.明らかに他者のレポートを写したと 分かるレポートが発見された場合,写した者と写させた者,どちらのレポートも0点として 取り扱う.
以下で引用している「教科書」とは次の書籍である:
G. F. Lawler,Random Walk and the Heat Equation, American Mathematical Society, 2010.
1
必須問題:以下の問題1.1
〜1.5
の全てに解答せよ.問題1.1. .;F; /を測度空間とし,¹Anº1nD1Fとする.このとき次の不等式が成り立つことを 示せ:
[1 nD1
An
!
X1 nD1
.An/
(この性質を測度の(可算)劣加法性という).
以下の問題のために次の定義が必要である.
定義. .;F/を可測空間とし,f W!Œ 1;1とする.関数f が次の性質
「任意のa2Rに対し f 1 .a;1 2F」 を満たすとき,f はF-可測であるという.(f 1 .a;1
D ¹!2jf .!/ > aºに注意せよ.) 問題1.2. .;F/を可測空間とする.
(1)c2Œ 1;1とする.上で常に一定値cを取る定数関数c1 W!Œ 1;1はF-可測であ ることを示せ.
(2)Aとし,Aの指示関数(indicator function)1AW!Rを次で定める:
1A.!/WD
´1 .! 2A/;
0 .! 2nA/:
このとき,1AがF-可測であるためにはA2Fであることが必要十分であることを示せ.
問題1.3. .;F/と.S;B/を可測空間とし,写像X W!Sは次の性質
「任意のA2Bに対し X 1.A/2F」
を満たすとする.さらに関数f W S ! Œ 1;1は B-可測であるとする.このとき合成写像 f .X /WDf ıXW!Œ 1;1はF-可測であることを示せ.
問題1.4. U をR2の開集合とし,f WU !RはC2-級であるとする.このとき任意の.a; b/2U に対し次が成り立つことを示せ:
lim
h!0
f .aCh; b/Cf .a h; b/Cf .a; bCh/Cf .a; b h/ 4f .a; b/
h2 D @2f
@x2.a; b/C @2f
@y2.a; b/:
(ヒント:1変数関数のTaylorの定理を適用した後,@2f
@x2 と@2f
@y2 の.a; b/における連続性を用いる.) 問題1.5(教科書のExercise 1.11). AをZdの空でない有限集合とし,F W@A!R,gWA!Rと する.このときFeWA!Rで
Fej@ADF, かつ 任意のx2Aに対し .LF /.x/e D g.x/
を満たすものが唯1つ存在することを示し,Zd上の単純ランダムウォーク¹Snº1nD0によるeF の 表示式を与えよ.(ヒント:教科書のTheorem 1.5とTheorem 1.12を用いる.)
2
選択問題:以下の問題2.1
〜2.3
から1
題もしくは2
題を選んで解 答せよ.問題2.1(教科書のExercise 1.19). ¹ınº1nD1 . 1; 1/はP1
nD1jınj<1を満たすとし,各n2N に対しsnWD.1Cı1/ .1Cın/とおく.
(0) limn!1ınD0であることを示せ.
(1)数列¹snº1nD1はRにおいて収束し,その極限s1WDlimn!1snはs1> 0を満たすことを示せ.
(2)次を満たすN 2Nが存在することを示せ:nN であるような任意のn2Nに対し ˇˇ
ˇˇ1 sn
s1 ˇˇ ˇˇ2
X1 jDnC1
jıjj:
(ヒント:(1), (2)とも,(0)の主張に注意し,jxjが小さいとき1Cxが指数関数exにより近似で きることを利用して1Cıkたちの積をıkたちの和と結びつける.)
問題2.2(教科書のExample 1.10). 各j 2 ¹1; : : : ; dºに対しNj 2N,Nj 2とし,AZdを AWD®
.x1; : : : ; xd/2Zdˇˇ任意のj 2 ¹1; : : : ; dºに対し1xj Nj 1¯ で定める.各kND.k1; : : : ; kd/2Aに対しkNWA!Rとk 2Rを次で定める:
kN WDsin
k1x1
N1
sin
kdxd Nd
; kN WD 1 d
cos
k1 N1
C Ccos kd
Nd
:
(1)各kND.k1; : : : ; kd/2Aに対し,kNは固有値kNの,行列QAの固有関数であることを示せ.
(2).kN/kN2Aは互いに直交する関数からなるRAの基底であることを示せ.
問題2.3(教科書のExercise 1.22を少し修正). ¹Snº1nD0をZd上の単純ランダムウォークとする.
AをZdの空でない有限集合とし,Aの元の個数をN とする.TAWDmin¹n0jSn62Aºと定め る.このとき任意のx2Aと任意のk2Nに対し次が成り立つことを示せ:
PxŒTA > kN
1 1 2d
Nk
:
(ヒント:講義中で説明した,n2Nとx0; xn2Aに対して成り立つ次の等式を用いる:
Px0ŒSnDxn; TA > nDQAn.x0; xn/:)