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「キ ャ リア 教 育 」 資 料 集

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「キ ャ リア 教 育 」 資 料 集

文部科 学省・ 国立教育政策研 究所

研 究・報告 書・ 手 引編

国立教育政 策研究所

071210496

平 成18年3月

国立教育政策研 究所生徒指導研究セ ンター

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ま え が き

アメ リカの 「キャリア教 育(career  education)」につい ては、1971年(昭 和46年)、 全 米 中等 学 校長協 会年次大会 におい て、 当時 の連 邦教育 局 シ ドニー ・P・ マー ラン ド長官 が初等 中等教育 に 通ず る教育改革 の重 点施策 と して提 唱 した ことに出発点 があ るといわれ てい ます。 この 「 キャ リ ア教 育」は、 中学校 ・高等学校 進路指 導 の手 引 き 「 体験的 ・探 索的 な学 習 を重視 した進 路指導‑

啓発的経 験編‑」(昭 掬59年9月 旧文部 省)に お いて紹介 されてい ます が 、そ の後 の我が 国の 「 進 路指導 」の充実 ・改善 に少 なか らず影響 を与 え、ま た生か され てきた もの と思 います。

「 キャ リア教育」 が文部科 学行政 関連 の審議 会報 告等 で、文言 として初 めて登場 したのは 、中 央教育審議 会答 申 「 初等 中等教育 と高等教 育 との接続 の改善 につ いて(平 成11年12月)」 です。

そ の基 本テ ーマ は、学校種 間 にお け る接 続 だ けで はな く、「学校教育 と職 業生 活 との接続」 の 改 善 も視 野に入れ た もので あ り、学校教 育 にお いて接続 の改 善を図 るには、小学 校段階 か ら発達段 階 に応 じて 「 キ ャ リア教育 」 を実施 す る必 要が あ る と提 言 され ま した。

そ の後、 国立教育政 策研 究所 生徒指導 研 究セ ンター で は、 「 児童 生徒 の職業観 ・勤 労観 を育 む 教 育の推進 について」の調 査研 究 を行 い、平成14年H月 に報 告書 をま とめま した。この中では、

「 職業観 ・勤労観 」 を定義 し、その望 ま しさや 、育成 を図 ってい くこ との必 要性 につ いて言及 し てい ます。 また、子 どもた ちへ の指導 ・援助 の基本方 向 を検討 す る とともに、 旧文部省 の委託調 査研 究 「 職業教 育 ・進 路指導 に関す る基礎 的研 究」(平 成8、9年 度)等 の成 果 を参考 に して小

・中 ・高一貫 した系統 的学習 プ ログラム 「 職 業観 ・勤 労観 を育 む学習 プ ログ ラムの枠組 み(例)

‑職 業的(進 路)発 達 にか かわ る諸能 力 の育成 の視 点か ら‑」 を作成 しま した。

この よ うな中で、平成16年1月 、 「 キ ャ リア教育 の推 進 に関す る総合 的調査研 究協 力者会議」

か ら最終報告書 が、 また、同年2月 には 「 専門 高校 等 にお ける 『日本版 デ ュアル システム』 に関 す る調査研 究協力者 会議」か ら政 策提言 が公表 され るな ど、 日本 にお け る 「 キ ャ リア教育」 の推 進 に とって重要 な提言 が相次 い で出 され ま した。

また、 これ ら文部科 学省 関連 の協議 が進む一 方、 平成15年6月 、文 部科学 大 臣、厚 生労働 大 臣、経 済産業大 臣及 び経済財 政政策 担 当大臣か らな る 「 若 者 自立 ・挑 戦戦 略会 議」 にお いて、若 者 をめ ぐる様 々 な課題 を背 景 に、 「 若者 自立 ・挑 戦 プ ラン」 が取 りま とめ られ 、そ の 中で 「 キ ャ リア教 育」の推 進が重要 な柱 と して位置付 け られ ま した。また、政策 ・予算 に反 映す るため、「 若 者 の 自立 ・挑 戦の ためのア クシ ョンプ ラン」(平 成16年 叉2月)が 策定 され 、政府 の 「 経 済財政 運営 と構造 改革 に関す る基 本方 針」、 いわ ゆ る骨 太方針 に盛 り込 まれ ま した。 さ らに、本年1月 に 「 若者 の 自立 ・挑戦 のた めの アク シ ョンプ ラン」 の改訂版 が 、関係7閣 僚 に よ り取 りま とめ ら れた ところです。

本年1月 、文部科学 大 臣は 、 「どの子 どもに も豊 か な教育 を」与 え られ るよ うにす るこ とを理 念 として、今 後重点 的 に取 り組 むべ き関連施 策 を、 「 教 育改 革の ための 重点 行動 計画」 として と

りま とめま した。 この 中にお いて も、 「 キ ャ リア教 育」 の充 実が活力 あ る人材 を育て るた めの教 育 の一環 と して位 置付 け られ てい ます。 また 、 中央 教育審議 会初等 中等教育 分科会教 育課程部 会 にお け る学習指 導要領 改訂 に 向けた審議 にお い て も、 「キャ リア教育 」 に関連 した様 々な内容 が 取 り上 げ られ ています。

この よ うな 「 キ ャ リア教 育」 をめ ぐる動向 に鑑 み 、 この たび、 これ まで文部 科学省 、国立教 育 政 策研 究所 等 において 出 され た 関連 す る主 な研 究報 告書 ・手 引 き ・資料 等 を整 理 し、 「 キャ リア 教育 」資料集 として取 りま とめま した。今後 、各 教育委員 会、学校 等 にお いて 、「 キ ャ リア教育」

の研修や 具体的 に進 めてい く上で の参 考 として活用 され る こ とを期待 してい ます 。 平成18年3月

国立教育政策研究所生徒指導研究セ ンター長

惣 脇 宏

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目 次

中央教育審議 会答 申 「初等 中等教育 と高等教育 との接続の 改善 について」

(第6章)平 成11年12月

「児童生徒 の 職業観 ・勤労 観 を育 む教育 の推進 につ いて(調 査観究 報告 書)」

(本文 ・概 要)平 成14年11月 国立教 育政 策研究 所生徒 指導研 究 セ ンター

「 キ ャ リア教育 の推進 に関 す る総 合的調査 研究協 力者会議(報 告書)」

(本文 ・骨子)平 成お年 禮 月 文 部科学 省

「 専門高校等 にお ける 『日本版 デ ュアル シス テム』 の推進 に向 けて」

(本文 ・骨子)平 成総年2月(文 部科 学省委託)

専門高校等 における 『日本 版デュアル システム』 に関す る調査研究協 力者会議

「中学校 職場 体験 ガイ ド」

(本文)平 成17年11月 文部 科学省

関係資料

中学校 ・高等学校進路指導の手引 第15集

「 体験的 ・探索的な学習を重視 した進路指導‑啓 発的経験編‑』

(第6章)昭 租59年9月 文部省

2 職 業教育及び進路指導 に関する基礎的研究」(最 終報告) 平成10年3月 文部省委託研究

3 若 者 自 立 ・挑 戦 戦 略 会 議 関 係

(1)「 若 者 自 立 ・挑 戦 プ ラ ン 」 平 成15年6月

(2)「 若 者 の 自 立 ・挑 戦 の た め の ア ク シ ョ ン プ ラ ン」 平 成16年12月

(3)「 若 者 の 自 立 ・挑 戦 の た め の ア ク シ ョン プ ラ ン 」(改 訂)平 成18年1月

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Ⅰ中央教 育審 議 会 答 申 「初 等 中等 教 育 と高 等 教 育 との 接 続 の 改 善 につ いて 」 (第6章)

平 成11年12月

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初等中等教育と高等教育との接続の改善について

(答 申)

平 成11年12月16日

中 央 教 育 審 議 会

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第6章 学校 教育 と職 業生 活 との 接 続

新 規 学卒者 の フ リー ター 志 向 が広 が り,高 等 学校 卒業 者 で は,進 学 も就 職 も し て い ない こ とが明 らか な者 の 占め る割 合 が約9%に 達 し,ま た,新 規 学 卒者 の就 職 後3年 以 内 の離職 も,労 働省 の調 査 に よれ ば,新 規高 卒 者 で約47%,新 規 大 卒 者 で約32%に 達 してい る。 こ う した現象 は,経 済的 な状 況 や 労働 市 場 の変化 な ど

も深 く関係す るた め,ど う評価 す るか は難 しい問題 で あ る が,学 校 教 育 と職業 生 活 との接 続 に課 題が あ る こ とも確 かで あ る。

第1節 学校 教 育 と職 業生 活 の接 続 の 改善 の ため の具体 的方 策

学校 と社 会及 び学校 間 の 円滑 な接 続 を図 るた めの キ ャ リア 教育(望 ま しい職 業 観 ・勤労観 及 び職業 に 関す る知識 や 技 能 を身 に付 け させ る と ともに,自 己の個 性 を理解 し,主 体 的 に進 路 を選 択す る能力 ・態 度 を育 て る教 育)を 小 学校 段 階 か ら 発 達 段 階に応 じて実施 す る必 要 が あ る。 キ ャ リア教 育 の 実施 に 当た って は家庭 ・ 地 域 と連携 し,体 験 的 な学習 を重 視 す る と ともに,各 学校 ご とに 目標 を設 定 し, 教 育 課程 に位 置付 けて 計画 的 に行 う必 要 が あ る。 ま た,そ の 実施 状 況や 成 果 につ

い て絶 えず評価 を行 うこ とが重 要 で あ る。

同時 に,学 校教 育 におい て情 報活 用 能力 や外 国 語 の運 用 能 力 の育 成 等,社 会や 企業 か ら評価 され る付加 価値 を 自 ら育 成す るな ど,職 業 生 活 に結 び付 く学 習 も重 視 して い くべ きで ある。

こ うした観 点 に立 って,他 省 庁や 関係 団体 の協 力 も得 なが ら,在 学 中のイ ンタ ー ンシ ップの促進 等 に よる体験 的 活動 を重 視 してい く こ とや ,企 業 経 験者 に よ る キ ャ リア ア ドバ イザー の配 置,教 員 の カ ウ ンセ リン グ能 力 の 向上等 に よ る進 路 に 関す るガイ ダ ンス,カ ウ ンセ リング機 能 の 充実 を初等 中等 教 育及 び高 等教 育 にお いて進 めてい く必要 が あ る。 そ の際 生徒 等 の職 業適 性 や 興 味 ・関心 を適 切 に測 定す る方 法の研 究 ・開発 を進 めてい くこ とが求 め られ る。

また,専 門高 校,盲 学校 等 の専 攻科 の整 備 充実,各 大 学 ・学 部等 の教育 理 念や 専 門 分野等 の特 性 に応 じた専 門高 校 ・総合 学 科卒 業 生選 抜 や それ らの者 を対 象 と す る推 薦入 学 の拡大 な ど,専 門高 校 ・総合 学 科等 にお け る専 門教 育 の基礎 に立 ち, 一 層進 ん だ学 習 を希 望す る者 に対 す る進路 の整備 を更 に進 め る必 要 が あ る。

さ らに,高 度専 門職 業 人 の養 成 に特 化 した実 践的 な教 育 を行 う大学 院の 設置 の 促 進等,社 会 の 要請 に 的確 に対応 した 高度 な専 門的 能力 を有 す る職業 人 の養成 機 能 の 強化 を進 め る必 要 が あ る。

第2節 企業 等 にお ける採用 の改 善

これ まで の 中央教 育審 議会 答 申や 大 学審 議会 答 申で は,採 用側 に採 用 に 当た っ て形 式 的な学(校)歴 に と らわれ ない よ う呼 び掛 けて きた 。 大 学名 だ け に着 目 し た採用 を行 うこ とは,学(校)歴 社 会 の弊害 を助長 す る た め,当 然 避 け るべ き こ

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とで あ る が,採 用 に 当 た っ て は,個 人 の 能 力 ・知 識 ・技 術 や 資 質 に加 え,学 生 の 属 す る 大 学(研 究 科,学 部 ・学 科)の 教 育 目標,教 育 内 容,教 育 方 法 の特 色 を 考 慮 す る こ と が 望 ま れ る 。

採 用 側 は,採 用 に 当 た っ て 学 生 に 求 め る能 力 ・知 識 ・技 術 を 具 体 的 に 示 し,大 学 に お い て 当 該 能 力 等 を い か に 身 に 付 け させ,付 加 価 値 を高 め させ た か を 適 切 に 評 価 した 上 で 採 用 等 を 行 うべ き で あ る 。 この こ とが,大 学 の 教 育 の 質 の 改 善 に 向

け て の 努 力 を促 す こ と に な る と考 え られ る。

そ の 前 提 と して.大 学 に お い て は,学 生 の 能 力 ・知 識 ・技 術 を身 に 付 け ざせ る た め の 教 育 内 容,方 法 等 を 充 実 す る と と も に,成 績 評 価 基 準 を 明 示 した 上 で 厳 格 な 成 績 評 価 を 実 施 す べ き で あ る 。

第3節 生 涯 学 習 の視 点 に 立 った 高等 教 育 (1)社 会 人 の 学 習 機 会 の 拡 充

急速 に進 む情 報 化 や 国 際 化 の進 展 等 に伴 い,知 識,技 術 の 陳腐 化 が間 断な く進 み,人 々 は 絶 えず 学 習す る こ とが必 要 な状 況 に置 かれ 始 めて い る。

職業 を持 つ 社 会 人 の リカ レン ト教 育 や リフ レ ッシ ュ教 育 の需 要の高 ま り等 に対 応 し。 例 えば,大 学 にお い て は社会 人 特別 選抜 や夜 間部 ・昼夜 開講制 の実施,科

目等 履 修 生 の受 入 れ,通 信 教 育や 公 開講座 の 実施,編 入 学機 会 の拡 大等 ア クセ ス の拡 大 に努 め てい る ところ で あ る。 なお,大 学 入学 資 格 検 定 につい て,従 来,受 検 資格 が与 え られ て い な か った 者 の受 検 が可能 とな る よ う,資 格 要件 を緩 和 した

ところ で あ る。 今 後,雇 用 慣 行 の 変化 等 に よ り,他 の職 場 で も通用す る高 い技 術 や能 力 を身 に付 け る必 要性 が増 大 し,こ の よ うな社 会 人 の学 習 機会 に対 す る需 要 は 一層 高 ま る こ とが 予想 され る こ とか ら,高 等 教 育機 関 にお いて は,よ り一層 積 極 的 に社 会 人 の受 入 れ体 制 の拡 充 を図 る必 要が あ る。

具 体 的 に は,社 会 人 を対 象 とす る大 学 院 の履修 形態 や 修 業年 限等 に係 る制度 的 な弾力 化 や 高度 な専 門職業 人 の養成 を 目的 とす る専 門大 学院 の整備 充 実 を図 る こ と,及 び 専修 学 校 の コ ミュニ テ ィ ・カ レ ッジ機能 の 充実 を図 るこ とな どが求 め ら れ る。 ま た,放 送大 学 や 専修 学 校 にお いて,キ ャ リア 開発 のた めの学 習機 会 を拡 充す る こ とも重 要 で あ る。 な お,通 信制 大学 院 が制 度化 され た こ とに伴 い,高 度 な専 門性 を持 った 職業 入 養 成や 社 会 人 再教 育 のた めの機 会 提供 の拡 充 を図 るた め, 放 送 大 学 大 学 院 の 実現 へ の取組 が期 待 され る。 また,そ の 際に は,衛 星通 信や イ

ンター ネ ッ ト等 の マル チ メデ ィア を幅 広 く活用 した学 習機 会 の拡 充 を図 る こ とに 留 意 す る必 要が あ る。

(2)生 涯 学 習 の 成 果 の活 用

生 涯 学 習社 会 を築 い て い くた めに は,大 学 にお い て も様 々 な学習活 動 の成 果 が

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適 切 に評価 され る よ うにす る必 要 が あ る。 大 学 に おい て は,専 修 学校 で学 ん だ場 合や 文部省 認定 技 能審 査 に合格 した場 合 な ど,大 学外 で の学 習 の成 果 の うち一定 水 準 以上 の もの につ い て,大 学 の単位 と して認 定す る こ とが で き る こ と と され て い るが,今 後 は,ボ ラ ンテ ィア活 動や イ ンター ンシ ップ等 の学外 の 様 々な学 習成 果 を授業 科 目の 中 に位 置 付 け る こ と等 に よ って単 位 認定 が な され る よ う,各 大 学 にお け る一層 の取 組 が必 要 で あ る。

また,学 校外 に お け る学 習成果 と して の知 識,技 術 に対 す る客 観 的 評 価 や これ を証 明す る シス テ ム が構 築 され,大 学 の単 位 と して認定 され る こ と となれ ば,企 業 等 が学 歴 以外 で 人 材 を登 用 した り,活 用 した りす る際 の 手 掛 か りに な り,学

(校)歴 偏 重 と言 われ て きた風 潮 が是 正 され る こ とが期 待 され る。 この た め,生 涯学 習 の成 果 につ い て の様 々な評価 シス テ ム の促進 を図 り,各 大 学 にお いて そ の 活用 の促進 を図 る こ とが 重 要で あ る。

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Ⅱ 「児 童 生 徒 の 職 業 観 ・勤 労 観 を 育 む 教 育 の 推 進 に つ い て(調 査 研 究 報 告 書)」

(本 文 ・概 要)

平成14年11月 国立教育 政策研究 所生徒指導 研究セ ンター

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児 童生 徒 の職 業 観・ 勤 労観 を育 む教 育 の 推進 につ いて

(調 査 研 究 報 告 書)

平 成14年11月

国立 教育 政 策研 究 所 生 徒 指導 研 究 セ ンタ ー

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目 次

第1章 今、 なぜ 、 「 職 業観 ・勤労観 」 の育 成 が求 め られ るのか 第1節 子 どもた ちの進路 ・発達 をめ ぐる環境 の変化

1高 校 生の進 路状 況 の変化

2生 活体 験 ・社 会 体験 等の機 会 の喪失 3経 済的 な豊 か さの実現 と価値 観 の多様 化

第2節 子 ど もた ちの職 業観 ・勤労観 の現状 とその育成 をめ ぐる新 たな状 況 1子 どもたち の職 業観 ・勤 労観 の現状

2職 業観 ・勤 労観 の育 成 が不 可欠 な 「 時 代」

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1 7

9 11

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第2章 職 業観 ・勤 労観 を育 む教 育の意 義 第1節 職 業観 ・勤 労観 の定義

1職 業観 ・勤 労観 とは何 か

2「 望 ま し い 職 業 観 ・勤 労 観 」 と は 何 か

第2節 職業観 ・勤労観 の育成 に取 り組 む に 当た っての基 本的 な考 え方 1学 ぶ こ と ・働 く こ とへ の 意 欲 を 高 め る

2職 業観 ・勤 労観 の形成 過程 を支援 す る

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21 24 24 26

第3章 今 、進路 指導 の在 り方 の何 が問わ れ て いるか

第1節 学習指導要領 における進路指導の位置づ けの改善 1小 学校

2中 学校 、 高等学 校

第2節 進 路指導 の改 善 ・充実 に向けた 主な課題 1「 進 路指 導 」 に対す る正 しい認 識 の共 有 2指 導 内容 ・方法 等の 改善 ・工夫

3計 画的 ・組織 的 な進路 指導 の展 開

4産 業・経済社会の現実についての的確な情報提供

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第4章 職 業観 ・勤労観 を育 む進 路指導 をどの よ うに進め るか 第1節 職 業 的(進 路)発 達 と諸能力 の育成

1職 業 的(進 路)発 達段 階 と進 路指導 2学 校 段 階 にお け る職業 的(進 路)発 達課題

3職 業的(進 路)発 達段 階 を踏 ま えた諸 能力 と態 度 の育成 第2節 職 業観 ・勤 労観 を育 むた め の学習 プ ログ ラム の枠組 み(例)

1学 習 プ ログ ラムの枠組 み(例)の 構 造

2学 習 プ ログ ラム の枠組み(例)の 活 用 に当たって の留意点 3職 業観 ・勤 労観 を育 むた め の学習 プ ログ ラム の枠 組 み(例)

参考資料

参 考1小 学校(中 学年)に お ける係 活動 の展 開(例)

参 考2中 学校 にお け る職 場体 験活 動 を中心 と した展 開(例)

参考3高 等 学校 にお けるイ ン ター ンシ ップ を中心 と した展 開(例)

報告の概要

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第1章 今,な ぜ,「 職 業 観 ・勤 労 観 」 の 育 成 が 求 め ら れ る の か

今 臥 高校 生,大 学生 等 を悶 わず,フ リー ター志 向や モ ラ トリア ム傾 向 の拡 大 が見 られ, 一 部 に職 業的 アパ シー とい った状況 も見 られ る

。また,上 級 学校 へ の無 目的 ・不本 意 入学, 入 学後 の中途退 学や 怠 学等 な どの学 校 不適応 が増加 す る と ともに,就 職 後 の早 期離 転職 が 依 然 と して 高い水 準で推 移 してお り1),学 ぶ こと ・働 くこ とへ の意 欲 や態 度,職 業 観 ・勤 労観 の形成 をめ ぐって各 方 面か ら様 々な 課題 が指 摘 され てい る、

この よ うな背 景 に は,社 会 の変化や それ に伴 う子 ど もた ちの成長 ・発 達の 変化 な ど,様 々な要因 が考 え られ る。 特 に,近 年,経 済 ・産業 の構 造的 な転 換や 採 用 ・雇用 の 多様 化, 労働 市場 の流動 化 が急速 に進 む 一方,少 子化 に よ る若 年 人 口の減 少等 に よって,大 学等 上 級 学校 の 入学者 受 け入れ 枠 が実質 的 に大幅 に拡 大 す るな ど,若 者 の進 路 選択 をめ ぐる環境 は大 き く変 化 してお り,こ うした こ とが,職 業観 ・勤 労観 の形成 をは じめ とす る若 者 の 自 立 及び 学校 か ら職 業 生活へ の移 行 に かか る様 々な課 題 を,こ れ まで以 上 に大 き く顕 在化 さ せ てい るの では ないか と考 え られ る。

また,企 業 にお ける社 員 研修 や 人材 育成等 の在 り方 も変化 し,一 括 採 用 した新 規学 卒者 を育て てい こ うとす る姿勢 や体 制 が全体 と して弱 くな ってい る。 さ らに,終 身雇 用や 年功 序列 型 賃金 体系 等 が崩れ,学 校 を卒 業 し一度 就職 した後 にあ って も,生 涯 にわた っ て何 度 か職 業生 活 にかか る重 要な 選択 を迫 られ るとい った状 況が 次第 に拡 大 してい る。 こ う した 中 で職 業人 と して の資 質 の育成 につい て,学 校 教 育 に課 せ られ る部 分 が大 き くな って い る。

この よ うな時 代 を生 きて い く子 ど もた ちに 強 く求 め られ るの は,変 化 に流 され る こ とな く,自 立 した個人 と して 自 らの将 来 を主体 的 に切 り拓 いて い く力で あ り,そ の基盤 とな る 意 欲や態 度及 び これ らを根 本 にお い て支 え る職 業観 ・勤 労観 で あ る。 若 者 の進路 選択 と り わ け学校 か ら職 業 への移 行 が,量 的 に も質的 に も これ まで にない 困難 に直面 してい る今 日, 学校 教 育 にお い て,子 ど もた ち一人 一人 が望 ま しい職 業観 ・勤 労観 を しっか りと身 に付 け る こ とがで き るよ うにす る取 組 の充 実 ・改善 が強 く求 め られ て い る。

第1節 子 ど も た ち の 進 路 ・発 達 を め ぐ る 環 境 の 変 化 1高 校生の進路状況の変化

1)…P59資 料1「 新 規 学 卒 就 職 者 の 在 職 期 間別 離 職 率 の推 移 」 参 照

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中学 校 か ら高 等学 校 へ の進 学率 が97%に 達 し,ほ とん どの生 徒 の後 期 中等教 育機 関 へ の 進 学 が現 実 の もの とな った 現在,子 ど もたち の進路 選択 にお け る最 も大 きな分岐 点 とな っ てい るの が,高 等学 校 卒業段 階 で あ る。 した がって,若 者 の進 路意識 及 び進 路 を取 り巻 く 環 境 の変 化 は,こ の時 点 での進 路選 択等 の状況 と して端的 かつ集 約的 に表 れ て くる と考 え られ る。 事 実,こ の10年 足 らず の 間 に,高 校生 の進 路状 況 は,就 職率 の 下降,大 学等 へ の 進 学率及 び 無業 者 率 の上昇 とい う顕 著な変化 を示 してい る(図1)2)。

以 下,こ う した観 点 か ら,高 校 生 の進 路状況 の変化 とその背 景 を見てい きた い3)。

(1)進 学 をめ ぐる状 況

近年,高 等 学校 を卒業 した者 の うち,上 級 学校 に進 学す る者 の割 合 は急速 に高 ま ってい る。 平 成14年3月 卒 業者 で,そ の翌年 度 に上級学校 に進 学 した者 の割合(い わ ゆる現役進 学率)は,大 学 ・短期 大学,専 門 学校(専 修 学校専 門課程)を 合 わせ62.9%に 達 す る。 ま た,18歳 人 口(3年 前 の 中学校 卒 業者)に 占める高等 教育機 関進 学者 の割合 を見 ると,大 学 ・短期 大学 へ の進 学 者 は約5割,高 等 専門学校(第4年 次 在学 者),専 門学校 を含 めた 高 等教 育機 関全 体へ の進 学者 は実 に7割 余 りに及 んで い る4)。

この よ うな進 学 率 の上昇 の背 景 に は,家 庭 の経済的 な ゆ と りが増 した こ とや 高学 歴志 向

2)… 実 数 等 の 詳 細 は,P60資 料2参 照

3)… 長 期 の 推 移 及 び 大 学,短 期 大 学 卒 業 者 の状 況 は,P61〜P63の 資 料3〜5参 照 4)…P64資 料6「18歳 人 口 に 占 め る高 等 教 育 機 関 進 学 者 の割 合 」 参 照

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な ど と と も に,「 少 子 化 の 進 行,依 然 と して 増 加 す る 大 学 入 学 定 員,多 様 化 す る 選 抜 方 法, 推 薦 入 学 の 増 加 等 に よ り,客 観 的 に 見 れ ば,相 当 数 の 者 に と っ て は,大 学 受 験 は 既 に 必 ず

し も 『過 度 の 競 争 』 で は な く な っ て い る 」(中 央 教 育 審 議 会 答 申 「初 等 中 等 教 育 と 高 等 教 育 の 接 続 の 改 善 に つ い て 」(平 成11年12月))と い う状 況(図2)5)や,専 門 学 校 で は 実 質

的 に開放入学 制 を とって い る こ とな どが考 え られ る。

高 等教 育機 関へ の入学 が容易 にな っ てい る とい う事情 が,「 大学 に合 格す るた め 」 とい う学習 へ の動機 を低 下 させ た り,さ した る努力 を しな い まま,と りあ えず 入れ る大 学 に進 学 し,将 来の ことはそれ か ら考 え よ うとす る態 度 につ なが った りす る場 合 も考 え られ,大 学 等 で何 を学び たい の かは もちろん,学 ぶ こ とへ の意 欲 の乏 しい生徒 が,相 当数大 学 に入

って くる とい う状 況 を招 いて い る こ とも否 定で き ない。

一 方 ,生 徒 ・保護 者等 には,少 しで も 「よい大 学」 に入学 した方 がそ の後 の就職 や人生 に有利 で あ る とす る 「 学(校)歴 意識 」 が依然 と して根強 く,そ う した意識 が,偏 差値 に 大 き く依 存 した大学 選び や知 識詰 め込 み型 の受 験 準備 に偏 った学 習 を助 長 した り,受 験準 備 教 育 の低年齢 化 な どを招 いた りしてい る場 合 も少な くな い。 このた め,過 度 の受験 競争 は解 消 されて いな い との社 会 一般 の受 け止 め が存在 す るこ とも事 実 で あ る。進 学 にかかわ って,生 徒 ・保 護者 さらには学校 が 多様 な評価 軸 をもつ こ との難 しさを示す もの と言 えよ

う。

この よ うに,大 学 進学 をめ ぐって は,大 学 の入 学者 受 け入れ枠 の 実質 的 な大幅拡 大 と選 抜 方法 の多様 化が 同時 に起 こる中,大 学選 び の在 り方 や 目的 意識 等 の多様 化 が進 む と とも に,受 験 競争 に対す る態 度や 受 け止 め につ い て も相 反 す る方 向性 が 共存 す るな ど,事 態 は

5)…P65資 料7「 国公 私 立 大 学 推 薦 入 学 実 施 状 況 」 参 照

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混 沌 と して い る。

また,専 修 学校 専 門課程(専 門学 校)へ の進 学につ いて は,一 時 の よ うな急速 な伸 び は な くなっ た もの の,厳 しい雇用 情勢 の下 での実学 志向の 高 ま りな どを反映 して進 学率 は10 パ ーセ ン ト台 後 半 を維 持 してい る(図3)。 専 門学 校 は教育 分 野,履 修形 態 及び 入学 者 の 入 学動機 も極 めて多 様 で あ るこ とか ら,入 学 者 の実態 につ いて の全容 をつ かむ こ とは難 し いが,実 質的 に開放 入 学制 を とって い るこ とな どか ら,教 育分 野等 に よっては,明 確 な 目

的 意 識 を 持 た ず, 無 目 的 に 入 学 し て

く る 者 の 数 も 少 な く な い と 考 え ら れ る 。

し か し,そ の 一 方,近 年,大 学 に 進 学 す る よ り は, 実 践 的 ・専 門 的 な 技 術 や 資 格 を 身 に 付 け る こ とを 目指 し,専 門学校 に進 学す る者 が増加 して い る こと も報 告 されて い る。また, 大学 に在 籍 しな が ら,専 門学校 で学ぶ い わゆ るダブル ス クール の学 生 をは じめ,大 学 卒業 後,新 た に専 門学校 で学ぶ 者 も相 当の数 に上 ってい る。 専 門学校入 学者 の進路意識 ・目的 意 識 の2極 化 が進行 して い ると考 え られ る6)。

(2)就 職 を め ぐ る 状 況

高 等 学 校 卒 業 時 に 就 職 す る者 の 割 合 は 急 激 に 低 下 して い る 。 高 等 学 校 卒 業 者 数 が ピ ー ク を 迎 え た の は 平 成4年3月 で あ る 。 こ の 年33.1%で あ っ た 就 職 率 は,10年 後 の 平 成14年3 月 に は17.1%に ま で 下 降 し,就 職 者 の 実 数 で は,平 成4年3月 の 就 職 者58.4万 人 に 対 し, 平 成14年3月 に は21.8万 人 と4割 以 下 に 減 少 して い る(文 部 科 学 省 児 童 生 徒 課 調 べ)。 ま た,求 人 数 に つ い て も,同 様 に167.6万 人 か ら,平 成14年3月 に は24.1万 人 に ま で 激 減 す る と と も に(図4),職 種 ・企 業 規 模 等 の 面 で の 変 化 も 大 き く,生 徒 の 希 望 と 乖 離 して い

6)…P66〜P67資 料8〜11「 専 門 学 校 の 分 野 別 生 徒 数 の 推 移 」 等 参 照

4

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く とい う事 態 が 進 行 し て い る7)。

新 規 高 卒 者 の 就 職 を め ぐ る こ の よ うな 厳 し い 状 況 の 背 景 に は,長

引 く 不 況 とい う景 気 要 因 が あ る こ とは も ち ろ ん で あ る が,経 済 ・産 業 や 雇 用 及 び 労 働 市 場 等 の 構 造 的 変 化 とい う 大 きな要 因が あ る。 企 業 は低 コス ト化や 高い 付加 価値 を 目指 して,生 産拠 点 の海 外移 転, 製 造部 品 の海 外 調達,製 品の差別 化 や 多種 ・少 量生産,情 報通 信 関連 等の 産業 分野へ の転 換 な どを進 める とともに,経 営 の合 理化 ・効 率 化 を図 るた め,い わゆ る リス トラや雇 用調 整 を行 ってい る。 これ に伴 い,雇 用 の吸 収力 は,こ れ までの経 済 の発 展 ・成長 を リー ドし

て きた重厚 長大 型 の産 業分 野 か ら,情 報 ・通 信 関連 分野や サー ビス産 業 な どへ と移 りつっ あ る。

この よ うな動 きに呼応 して,企 業 の求 人 ニー ズや雇 用 ・採 用 形態 も大 き く変 化 して い る。

業務 の高度 化 に伴 って スペ シャ リス ト,即 戦 力 を求 め る傾 向が 強 ま り,採 用 が大学 等上級 学校 卒業者 ヘ シ フ トす ると と もに経験 者採 用,職 種別採 用,中 途 採 用,さ らには,ア ウ ト ソー シ ン グによ る人 材 の調 達 ・確 保 等が増 え,新 規学 卒者 一括 採 用 の比 重 が低 下 して きて い る。 一方,多 くの定型 的 業務 につ いて は,人 件費 節約 の ため正 規職 員 の 非正 規職 員(パ ー ト ・ア ルバイ トな ど)へ の代替 や 臨時的 ,一 時 的雇 用へ の切 り替 え が進 み,伝 統的 な高 卒者 の職 場 が縮小 して い る。

こ うした事情 に加 え,職 業 ・職 種 に対す る理 解や 認識,働 く こ とに対 す る意欲や 態 度, 我 慢 強 さや 責任感 を含 め職 業人 ・社会 人 と して 自覚や社 会的成 熟 に対 す る企 業等 の不満 や

マイ ナス評価 が重な り,新 規 高卒者 の就 職 を困難 に してい る と考 え られ る8)。

7)…P68資 料12・13「 新 規 高 卒 者 の 企 業 規 模 別 就 職 先 構成 比 の 推 移 」・「 新 規 高 卒 者 の 職 業 別 就 職 状 況 の 推 移 」 参 照

8)…P69資 料14「 高 卒 者 を採 用 して い た 企 業 が 採 用 を 中 止 した 理 由 」,資 料15「 新 規 高 等 学 校 卒 業

者 就 職 内 定 状 況 」 参 照

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(3)就 職 も 進 学 も し な い 者 を め ぐ る 状 況

学 校 基 本 調 査 で 高 等 学 校 卒 業 後 の 状 況 を 見 る と,平 成14年3月 の 高 卒 者131.5万 人 の 内, 進 学 者 に も 就 職 者 に も 属 さ な い 「 左 記 以 外 の 者 」(平 成10年 度 ま で は 「無 業 者 」 と 表 記) に 分 類 さ れ る 者 は,卒 業 者 全 体 の10.5%(13.8万 人)に 達 し,平 成4年3月 卒 業 者 の4.7%

(8.5万 人)以 降,著 しい 増 加 傾 向 を 示 し て い る9)。 ち な み に,「 左 記 以 外 の 者 」 に は, 家 事 手 伝 い を し て い る 者 や,外 国 の 高 等 学 校 等 に 入 学 した 者 が 含 ま れ る が,そ の 多 く は, 就 職 も進 学 も し な い(で き な い)で ア ル バ イ トや パ ー ト業 務 に 従 事 す る 者,い わ ゆ る ブ リ ー タ ー で あ る と 考 え ら れ る

そ の 中 に は,就 職 活 動 を 行 っ た に も か か わ らず 就 職 に 至 ら な か っ た 「 就 職 未 決 定 者 」 も 含 ま れ て い る 。 こ の 就 職 未 決 定 者 に つ い て は,平 成4年3月 卒 業 者 以 降,増 加 傾 向 に あ る が,卒 業 者 全 体 に 占 め る 割 合 で 見 れ ば,0.7〜2.6%台 で の 推 移(平 成4年3,月:12,193人, 平 成14年3月:34,521人(文 部 科 学 省 児 童 生 徒 課 調 べ))で あ り,「 左 記 以 外 の 者 」 の 急 上 昇 は,こ れ 以 外 の 者,つ ま り就 職 活 動 を 行 わ な か っ た 者 の 増 加 に よ る と い う こ と に な る 。

ま た,高 校 卒 業 時 に 就 職 も 進 学 も しな か っ た 者 が,在 学 中,卒 業 後 の 進 路 を ど の よ う に 考 え て い た か に つ い て は,文 部 科 学 省 「高 校 生 の 就 職 問 題 に 関 す る 検 討 会 議 報 告 」 に よ れ ば,「 就 職 を 希 望 して い た 」 生 徒 が 多 く,「 進 学 や 就 職 以 外 に や りた い こ と が あ っ た 」,「進 学 も 就 職 も した く な か っ た 」 と す る 生 徒 を 大 き く 上 回 っ て い る(図5)。

つ ま り,最 初 か ら 就 職 も進 学 も す る つ も り の な い 生 徒 は あ る 程 度 存 在 す る が,む し ろ, 多 数 を 占 め る の は,就 職 希 望 を も っ て い る に も か か わ らず,希 望 す る 職 業 ・職 種 等 の 求 人 が な い こ と な ど か ら,就 職 活 動 を 行 う前 に,早 々 と 就 職 を あ き ら め て い る 生 徒 達 だ と い う こ と で あ る 。 こ の こ と は,就 職 し な か っ た 理 由 に よ っ て も 裏 付 け られ る(図6)。

9)…P70資 料16「 無 業 者 率 と有 効 求 人 倍 率 の推 移 」 参 照

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(27)

2生 活体 験 ・社会体 験 等 の機会 の喪 失

現 在,多 くの子 ど もた ち は豊か な消費 文化 を享受 しなが ら,都 市化 の進 んだ地域 社会, 少 子化 の進 ん だ核家 族 の 中で 育 って きてい る。 そ のた め,家 庭 にお いて は,ご く限 られ た 人 間 関係や 役割 分担 しか経 験 で きず,地 域社 会 にお い ては,日 常 的 に仲 間 と切 磋琢 磨 した り異 な る世代 の他者 と交 流 した りす る機 会や,学 ぶ こ とや 働 くこ との 大切 さを 自然 に体 得 で き るよ うな場 が得 られ に くくな る とい う状 況が広 がって い る。

子 どもた ちが,人 間 と して成長 を遂 げてい くた めに は,様 々な生 活体 験 ・社 会体 験等 を 通 して,発 達課題 を適 時 に 達成 し,そ れ を累 積 して い くこ とが 大切 で あ るが,こ の よ うな 生 活環境 等 の激 しい 変化 が,次 第 に それ を困 難 に し,子 どもた ちの成長 ・発 達 に関 して, 様 々 な負 の影 響 を もた ら して い るので は ない か と危 惧 され てい る(図7)10)。

第1に,職 業観 ・勤労観 の基盤 の形 成 に関 して で あ る。今 の子 どもた ち は,消 費 文化 を

享受 す るこ とに は早 くか ら慣れ て い るが,生 産 等 の仕 事が行 われ る場 を見聞 し体験 す る機 会 が少 ない。 このた め,働 くこ との厳 しさや 喜 び を実感 し,そ の意 味 を学 ん 澄 り,成 就感

10)…P70.資 料17「 あ な た は,こ れ ま で に 次 の よ う な こ と を ど の く ら い し た こ 老 が あ り ま す か 。」

参 照

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や 自 己有 用感 を得 た りす る経 験 が 乏 しくな り,そ れ が 働 くこ とや 将 来 の職 業 に 対 す る関 心 ・意 欲 の 低 下 を 招 い て い る ので はな い か とい

うこ とで あ る。

第2に,社 会 性 の形 成 に関 して で あ る。 子 ど もた ち は,生 活 体 験

・社 会 体 験 を通 して ,集 団 の 中 の 自己 の位 置や 役割 を 自覚 しなが ら, 円 滑 な 人 間 関係 を築 くカ を養 い, 利 害 の 対 立 や ぶ つ か り合 い を経 験

す る中 で,思 い や りの心,我 慢 強 さ,規 範 意 識 ・ さ ら に は ・ 社 会 の 課題 に前 向 き に挑 戦 す る力 な どを

身に付けて い く。しかし,体験の場が失われたことによって,こうした対人関係能力や社会に適応していく資質・能力等を十分培うことができなくなったのではないかということ

8

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で あ る 。 こ の 点 に 関 し,生 活 体 験 ・自 然 体 験 が 豊 富 で お 手 伝 い を よ く す る 子 ど も ほ ど,「 道 徳 観 ・正 義 感 」 が 身 に つ い て い る 傾 向 が 見 られ る こ と が 報 告 さ れ て い る(図8)。

第3に,子 ど も た ち の 学 習 に 与 え る 影 響 で あ る 。 直 接 体 験 に よ る 感 動 や 実 感 は,そ の 後 の 学 習 へ 強 い 動 機 付 け と な る と と も に,学 校 で の 学 習 に よ っ て 得 た 抽 象 的 な 知 識 ・理 解 を 実 生 活 と 結 び つ け て よ り確 実 な も の に し,更 な る 新 し い 認 識 の 枠 組 み を 獲 得 し て い く と い う 重 要 な 意 味 を 持 っ て い る 。 こ の よ うな 意 味 を 持 つ 直 接 体 験 が 乏 し く な っ て い る こ と が, 生 き た 学 び の 成 立 を 困 難 に し,学 ん で も 学 ん で も そ れ が 身 に 付 か ず,自 分 を 支 え る 力 と な

っ て い か な い と い う 学 習 の 歪 み を 引 き 起 こ し て い る の で は な い か と い う こ と で あ る 。 こ の こ と に 関 連 し て,国 際 数 学 ・理 科 教 育 調 査 で は,数 学 や 理 科 が 「好 き 」,「 楽 し い 」 とす る 生 徒(中 学2年 生)や 「理 科 は 生 活 の 中 で 大 切 」,「 将 来,科 学 を 使 う仕 事 が し た い 」 と す る 生 徒 の 割 合 が,国 際 的 に 見 て 最 低 レベ ル に あ る こ と が 報 告 され た が11),こ れ に つ い て も,上 記 の よ う な 視 点 か ら,学 習 過 程 に お け る 体 験 や 体 験 的 学 習 の 必 要 性 が 指 摘 さ れ て い る 。

生 活 体 験,社 会 体 験 の 機 会 の 喪 失 が 及 ぼ す 影 響 に つ い て は,こ う し た こ と 以 外 に も,例 え ば,モ ノ へ の 関 心 が 高 ま る 一 方,人 間(他 者)へ の 関 心 や 愛 着,信 頼 感 を 希 薄 化 させ た

り,マ ス メ デ ィ ア 等 を 通 じ て 得 られ る 間 接 情 報 や 仮 想 の 現 実 を 現 実 だ と 錯 覚 して,自 分 の 生 活 して い る 世 界 が ど ん な と こ ろ か 実 感 で き な く させ た り し て い る の で は な い か と い う指 摘 も な さ れ て い る 。

こ の よ うに,生 活 環 境 の 変 化 は,子 ど も た ち の 成 長 ・発 達 に 様 々 な 影 響 を 及 ぼ し,従 来 な ら 自 然 に 達 成 さ れ て い た 各 時 期 の 発 達 課 題 が 十 分 達 成 され な く な り,そ の こ とが,学 ぶ こ と,働 く こ と へ の 意 欲 ・態 度 な ど の 形 成 に 大 き な 影 を 落 と し て い る と 考 え られ る の で あ る 。

3経 済的 な豊 か さの実現 と価 値観 の多様 化

今 日の経 済的 な 「 豊 か さ」 は,生 活 の安 定 や利 便性 の 向上,モ ノや サ ー ビスの多様 化, 余 暇 時間 の増加 等 を もた らす ととも に,職 業 生活,社 会生 活,個 人 生活 等,生 活 の全 て の 場 面 にお ける選 択 の幅 を拡 大 させ,人 々は生 きがいや 生活 の快適 さ,暖 か な心 の交流 な ど

を求 めて,自 分 な りの ライ フス タイル を選 ぶ ことが可能 にな った。

11)…P71資 料18「 児 童 生 徒 の 学 力 に つ い て 」 参 照

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こ れ に 伴 っ て,人 々 の 価 値 観 も多 様 化 し,職 業 選 択 の 在 り方 も,か つ て,多 く の 人 々 が 共 有 し た 「 貧 し さ を 克 服 す る た め 」,「 安 定 し た 生 活 の た め 」 と い っ た 経 済 的 理 由 に よ る も の か ら,自 分 な り の 生 き が い や 働 き が い を 加 味 し た も の へ,主 体 性 や 創 造 性 を 発 揮 で き る も の へ とそ の 比 重 が 移 り つ つ あ る 。 ま た,職 業 ・職 種 の 多 様 化,融 合 化,専 門 化 が 著 し

く進 展 し,人 々 の 前 に は,か つ て な い 幅 広 い 選 択 肢 が 用 意 され 自 己 の 可 能 性 に 挑 戦 す る 道 が 開 か れ て き て い る 。

こ う し た 変 化 が,望 ま しい 変 化 で あ る と す る こ と に は お そ ら く論 を 待 た な い で あ ろ う。

しか し,こ の 変 化 は,同 時 に,一 人 一 人 が,自 分 は ど の よ うな 生 き 方 を す る の か,何 の た め に 働 く の か な ど に つ い て 自 分 自 身 で 探 究 し,自 分 な りの 確 固 と した 選 択 基 準 や 選 択 す る 技 術 を 身 に 付 け な け れ ば な ら な く な っ た と い う こ と を 意 味 して い る 。 各 人 の 人 生 観 や 職 業 観 ・勤 労 観 の 在 り方 が 厳 し く 間 わ れ る 時 代 を 迎 え た わ け で あ る 。

こ う し た 状 況 下 で の 生 き 方 の 選 択 は,成 人 の 場 合 で も決 し て 易 しい も の で は な い 。 ま し て,青 年 期 に あ る 子 ど も た ち は,「 人 生 観 ・価 値 観 の 確 立 」 と い う発 達 課 題 の 達 成 に 加 え,

「豊 か さ 」 と 「多 様 化 」 の 中 で の 選 択 基 準 ・技 術 の 獲 得 と い う新 た な 負 荷 を 負 う こ と に な り,生 き 方 を 選 択 す る た め の 心 理 的 圧 迫 や 葛 藤 は か つ て の 青 年 に は な い 強 い も の と な っ て い る と 考 え ら れ る 。 こ の こ と が,モ ラ ト リア ム 化 や フ リー タ ー 志 向 の 一 因 と な っ て い る 可 能 性 が あ る こ と に も 十 分 留 意 して お く 必 要 が あ る 。

ま た,少 子 化 や 家 庭 の 経 済 的 ゆ と りの 増 大,親 の 養 育 態 度 の 変 化 等 に よ り,学 校 卒 業 後 も 親 の 保 護 の 下 で の 生 活 が 容 易 に な っ た こ と な ど か ら,家 族 へ の 経 済 的 依 存 状 況 の 長 期 化 と い う現 象 が 広 が り,そ れ が,上 記 の モ ラ ト リア ム 化 や フ リー タ ー 志 向,あ る い は 安 易 な 離 転 職 を 招 く一 因 と な っ て,学 校 か ら職 業 生 活 の 移 行 に 様 々 な 課 題 を 投 げ か け て い る こ と に も 留 意 し て お き た い 。

10

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第2節 子 どもたち の職 業観 ・勤 労 観 の現 状 とそ の 育成 をめ ぐる 新た な 状況

1子 どもたちの 職業観 ・勤 労観 の現 状

子 どもた ちの職 業観 ・勤労観 や進 路意識 の実態 につ いて は,こ れ まで様 々 な調 査や 論議 が行 われ てい る。以 下,そ の主 な もの を見て い きたい。

(1)学 校 企業へ のア ンケー 一ト等か ら

「 高 校 生の就 職問題 に関す る検討 会議 報 告 書」(平 成13年2月)に よれ ば,ホ ー ムル ー ム担任 教員 の8割 余 りが,最 近 の生徒 の就 職 に対 す る意識 や 態度 につ い て,「 働 く意義や 目的 の理 解 が不 足 し,自 分 が就 きた い職 業 が 明確 化 され てい ない生徒 が増 えて い る」 と思 って お り,「 就職 に取 り組 む真剣 さや社 会 人 にな る とい う意識 が希 薄 に なって い る」,「ブ

リー ター志望 の生徒 が増 えてい る」 とす る割 合 もそれ ぞれ77%,65%に 上 って い る(図9)。

また,同 報 告書 で は,最 近 の高校 生 の就 業 行動 につ いて,「 自分 の就 きた い職 業 を見い

だせ な い生徒 や 自分 で志 望 す る事 業所 等 を選 択 で きず に学校 まかせ 教 師 ま かせ にす る生

徒,さ らに は,自 分 の進 路 に対 し希 望 を持 って いな い生徒 が少 な くな い とい った 問題 が顕

在 化 してい る。一 方,職 種や企 業,勤 務 条件 な どへ の こだわ りが 強 く,自 分 の希 望が満 た

され なけれ ば定職 に就 か な くて も よい とす る とい う生 徒や,一 度 の受験 の失 敗 で就職 を あ

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き ら め て し ま う生 徒 が 少 な く な い と い っ た 状 況 も 生 じて い る。」 と指 摘 して い る 。

一 方 ,企 業 の 高 校 教 育 に 対 す る 要 望 に つ い て は,第 一 に 「意 欲 ・態 度,勤 労 観 ・職 業 観 」

が あ げ られ,次 い で,「 責 任 感,忍 耐 強 く 取 り組 む 態 度 」,「 協 調 性 ・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 」 等 が 多 く な っ て い る(図10)。

企 業 に 対 す る 調 査 と し て は, こ の ほ か,高 卒 採 用 者 に 対 す る 企 業 の 満 足 度 等 に つ い て,

「読 み ・書 き ・聞 く ・計 算 な ど の 基 礎 学 力 」 や 「勤 労 観 ・ 職 業 観 」 等 の9項 目 に 分 け て 調 査 し た 「高 校 新 卒 者 の 採 用

に 関 す る 調 査(平 成13年2月)」

(日 本 経 営 者 団 体 連 盟 東 京 経 営 者 協 会)が あ る 。 こ れ に よ れ ば,不 満 ・や や 不 満 とす る 割 合 は,「 職 業 観 ・勤 労 観 」 が 最 も 高 く,「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 」,「 基 本 的 な 生 活 態 度,言 葉 づ か い,マ ナ ー 」 が こ れ に 次 い で い る(図11) 。

これ ら二つ の結 果 を 併 せ る と,企 業 は採 用 に 当た っ て,社 会 人 ・ 職 業人 と して の基 本 的 な 資質 ・能 力,職 業観

・勤 労観 を重視 してい るに もか か わ らず,そ の満 足 度 は極 め て低 い

とい う実 態 が見 えて く る わ け で ・ 働 く こ とへ の 意 欲 や態度.職 業 観 ・勤 労 観 の未 成 熟 な ど と い っ た 昨 今の 指 摘 を 裏 付 け る もの とな って い る。

(2)子 どもた ち 自身 へ のア ンケー ト結 果 等か ら.

一 方 ,若 者 の 職 業 観 ・勤 労 観,特 に,就 業 へ の 意 欲 は 明 確 に 低 下 して い る と は 言 え な い

1.2

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とす る指 摘 もあ る。 厚 生労働 省 の 「 若年者 就 業 実態調 査」 に基 づ いて復 元構 成 され た 「 卒 業 も しくは 中退後,す ぐに は正社 員 とな らなか った理 由」によれ ば,「 就職 口が な か った」

とす る割合 は大 き く増 加 して い るが,「 正 社員 と して の仕事 に就 く気 がな か った」 割合 に は増加 傾 向 は見 られ ず,ま た,「 希 望 す る条 件 に 合わ なか った ので 就職 しな か っ た」割 合 も,大 き く増加 す る傾 向は見 られ ない。フ リー ター 志 向や 離転職 等 の動 き な どにつ い て も, 新 規 学卒者 の 労働 市 場 の著 しい悪 化が若 者 に魅 力 あ る仕事や職 場 を提 供 で きな くな った こ

と が 要 因 で あ る の に,そ れ を 職 業 意 識 の 低 下 で あ る と 錯 誤 して い る と 指 摘 し て い る(図12)。 ま た,既 に 見 た と お り,就 職 も 進 学 もせ ず に 高 等 学 校 を 卒 業 し て い く 者 の 多 く が,就 職 を 希 望 し て い た と い うデ ー タ も あ る(図5)。

ア 職 業 に 求 め る も の

5年 に1度 実 施 され る 「世 界 青 年 意 識 調 査 」 で は,「 人 が 働 く の は ど の よ う な 目 的 だ と 思 う か 」 に つ い て 調 査 し て い る 。 こ れ に よ る と,「 収 入 を 得 る こ と 」(約6割)が 最 も 高 く,「 仕 事 を 通 じて 自 分 を 生 か す こ と」(約3割),「 社 会 人 と し て の 義 務 を 果 た す こ と」(約 1割)と な っ て お り,そ れ ぞ れ の 割 合 は,他 国 で は そ の 時 々 に 相 当 変 化 して い る に も か か わ らず,我 が 国 で は 過 去20年 間 大 き く 変 化 す る こ と な く推 移 し て い る(図13)12)。

こ の 結 果 を 見 る 限 り,我 が 国 の 若 者 の 意 識 は,む し ろ 変 化 し て い な い こ と に 特 色 が あ る 。 国 民 性 の 違 い に よ る と こ ろ も 大 き い と考 え られ る が,こ れ だ け 激 し く社 会 が 変 化 し て い る に も か か わ らず,我 が 国 の 回 答 状 況 だ け が 変 化 しな い の は な ぜ か と い う 疑 問 が 残 る こ と も 確 か で あ る 。 こ の 点 に つ い て,例 え ば,子 ど も た ち が 職 業 生 活 や 職 業 の 世 界 の 現 実 を どれ ほ ど つ か ん で い る か,働 く こ と を 自 己 の 生 き 方 の 問 題 と し て 考 え て い る か と い う問 題 意 識

12)…P72資 料19「 働 く 目 的 」 参 照

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を もって この 結果 を受 け止 め る とともに,家 庭,学 校,地 域 にお いて,そ うした場 や機 会, 情 報 の 提供 な どが十 分行 われて きた か ど うか を改 めて検討 す るこ とも必 要であ ろ う。 旧文 部 省 の 「 中 学校 にお け る進 路 指導 に関す る総 合的 実態調 査(平 成11年3月)」 で は,生 徒 自身 の 「 将 来 の仕 事 を選 ぶ 上で特 に重 視 したい と思 う事柄 」 につい て調 査 してい る。 これ を見 ると,前 回 調 査 時 も高 か った 「自分 の能 力適性 が生 かせ る こ と」,「自分 の興 味や 好 み にあ ってい る こ と」が,前 回 に比べ いずれ も6ポ イ ン ト程度 上昇 し約6割 とな ってい る。

また,割 合 こそ そ う高 くない が,「 社 会 や 人 に ため に役 立 ち,貢 献で き るこ と」 が17.3%

14

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と7ポ イ ン ト余 り増 加 して い る(図14)。

職 業 ・職 種 を 選 択 す る 上 で,自 己 の 能 力 ・適 性,興 味 や 好 み を 重 視 す る 傾 向 が あ る こ と に つ い て は,企 業 関 係 者 か ら も,近 年 の 新 入 社 員 に は,や り た い 仕 事 や 「 職 」 へ の こ だ わ り が 強 く な っ て き て い る こ と が 指 摘 され,ま た,会 社 選 択 の 理 由 に つ い て も,「 自 分 の 能 力 ・個 性 が 生 か せ る か ら 」,「 技 術 が 覚 え ら れ る か ら 」,「 仕 事 が お も し ろ い か ら」 な ど が 増 加 して い る こ と が 報 告 さ れ て お り,上 記 の 動 き と 符 合 す る も の で あ ろ う 樹 。

イ 職 業 に つ い て の 意 識 等

日本 労 働 研 究 機 構 が 実 施 した 「中 学 生,高 校 生 の 職 業 認 知 」 の 実 態 に 関 す る 研 究 で は, 140余 り の 職 業 名 を あ げ,そ れ ぞ れ に つ い て,中 高 生 が 「イ メ ー ジ で き な い 」,「 知 り た い 」,「 や っ て み た い 」 か ど うか を 「は い‑い い え 」 で 回 答 した 結 果 を ラ ン キ ン グ 表 に 示 して い る 。 こ の う ち 「 や っ て み た い 」 と す る 職 業 を 見 る と,男 女 差 は 存 在 す る も の の, マ ス メ デ ィ ア を 通 じ て 目 に す る 職 業 が 多 い と い う点 で は 共 通 し て お り ,特 に,「 コ ン ピ ュ ー タ 」 関 連 や 「フ ァ ッ シ ヨ ン 」 関 連 の カ タ カ ナ 表 記 に よ る 職 業 名 が 多 く あ げ られ て い る

「警 察 官 」 や 「美 容 師 」,「 幼 稚 園 教 員 」 の よ う に,子 ど も た ち が 身 近 に 接 し た り,従 来 か ら 一 貫 して 憧 れ と な っ た り して い る 職 業 も 見 られ る が,全 体 と して,こ の 結 果 は,中 高 生 の 職 業 情 報 を 得 て い く ル ー トに お い て,い か に マ ス メ デ ィ ア の 影 響 が 大 き い か を 端 的 に 示 し て い る(図15)。

ま た,高 校2年 生 の 将 来 の 職 業 生 活 へ の 意 識 等 に 関 す る 調 査 で は,大 半 の 生 徒 は 将 来 の 目標 と す る職 業 は 持 っ て い る が,そ の 割 に は,自 己 の 能 力 ・適 性 を 理 解 し て い る 者 や 希 望

13)…P72資 料20「 会 社 の 選 択 理 由 」 参 照

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す る職 業 につい ての知 識や 情 報 を持 つ 者 は少 な く,職 業選択 に関す る情 報 の調 べ 方 を知 っ て い る者,最 近 の産業 ・職 業 につ い ての知識 を持つ 者 は さらに少 ない とい う状 況 が示 され て い る(図16)。

このほ か,自 己の適 性及 び職 業 に関す る知識 ・理 解 に かかわ る実情 につ い ては,中 学校 卒 業者 が,学 校 の進 路指 導 にお いて 「 在校 時 に指 導 して欲 しか った事柄 」 の第1に 「自分 の 個性 や 適性 を考 え る学 習」 をあ げて い る(「 中学 校 にお け る進路 指 導 に関 す る総 合的 実 態 調 査」)(図17)。 ま た,高 等学 校 卒業 者 は 「 進 路指 導 へ の要望 」 の第1に 「自分 が何 に

向 い て い る か を 知 る た め の 学 習 」 を,ま た,就 職 者,未 就 職 者 が と も に,「 高 校 時 代 に も

っ とや っ て お け ば よ か っ た と 思 う事 柄 」 と し て,「 自 分 が や り た い 職 業,自 分 に 向 い て い

る 職 業 を 見 つ け る 」 を 第1に あ げ て い る(「 高 校 生 の 就 職 問 題 に 関 す る 検 討 会 議 」)(図18,

図19)。 こ の よ う に,自 己 の 適 性 及 び 職 業 に 関 す る 知 識 ・理 解 は,子 ど も た ち 自 身 が そ の

不 十 分 さ を 強 く感 じ て い る 課 題 で も あ る 。

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これ ら各種 の調査 結 果等 か ら見 えて くるのは,情 報化 等が進 む激 しい時 代 の変化 の 中で, 子 ど もた ち は,自 己実現 や 「 や りたい こ と」,職 業 ・職 種等 へ の こだわ りを強 めて はい る もの の,自 己 の能 力 ・適性 及 び職 業 の実際 な どつい て不十分 に しか把 握 で きな い状 況 に置 かれ てい る実態 であ ろ う。 そ の こ とが,社 会全 体 の不 透明 さや 閉塞感 の 増幅 と相ま って,

自己 の生 き方 と将 来 の職 業 とを関連 づ けて考 え るこ とを難 しく し.たり,将 来 のイ メー ジを 描 き に く く した り して い る ことは想像 に難 くない。 子 どもた ちの職 業観 ・勤労観 に対 す る, 大 人 社会 か らのマ イナ ス評 価 が大勢 を 占め るの も・ この よ ラな実態 がそ の背景 に あ るか ら で は な い か と 考 え られ る 。

2 .職 業観 ・勤労 観 の育 成が 不 可欠 な「時代」若者の職業観・勤労観の未成熟等については,過去から様々に指摘されてきた古くて新

し い 課題で ある。 しか し,今日 の状況は,過去とはその様相を一変している。経済が継続 的 に成 長 を続け,労 働 力 の確 保 が優 先 された 時代 には,企 業 か ら職 業観 ・勤 労観 が 六 き く

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問 題 に され る こ とは 少 な か っ た 。 「 貧 しさ を 克 服 す る た め 」,「安 定 した 生 活 の た め 」 に職 を求 め る多 くの若 者 に は,有 り余 る求人が 用意 され,何 らかの職業 に就 くこ とが 可能 で あ っ た。 企業 は,職 業 上必 要 な知識 ・技 術 は入 社後 の教 育訓練 で習得 させ る こ とを前提 に, 学卒 者 の採 用 につい て,潜 在的 能 力や性 格 ・意欲,勤 勉 さ,学 歴,学 業 成績 な どを重視 し, これ に呼応 して,多 くの生 徒 ・学生 は学 業そ の他 の活 動 に励 んで きた。 また,社 会 には子 ど もた ちが 自然 に職 業や 勤 労 にか か わ る様 々な 体験等 を得 る場 が あった。 そ うした時代 背 景 の 中で,学 校 にお い て,職 業観 ・勤 労観 の育成 に多 くの力 を注 がな くて も,学 校 か ら職 業 生活 へ の移 行 が概 ね 円滑 に行 われ てい た ので あ る。

しか し,そ うした状 況 は確 実 に変 わ りつつ あ る。 企 業等 の求 め る人材 につい ては,意 欲 や態 度,勤 労観 ・職 業観,責 任 感,忍 耐強 く取 り組 む態 度 等の基 本的 資質(図10)に 加 え, 職 業人 と して何 がで き るか,何 に意欲 を燃 や す か,さ らには高 度な対 人 関係能 力 とい った 点 が強 調 され て い る。 また,終 身雇 用や 年功 型 賃金 の 見直 し等 に象徴 され る よ うに,雇 用 の在 り方 も激 しく揺 れ 動 き,個 人 と企 業 との新 た な関係 づ く りが様 々 に模 索 され てい る.

加 えて,若 者 の前 に は職 業 ・職 種 に 関す る情 報 が あふ れ,「 豊 か さ」 を背 景 に若 者 自身 の 生 きが いや働 きが い に対す る志 向 は一層 高 ま って きて い る。

この よ うに多様性 ・流動 性 が増 す 社会 は,自 己実現 の 可能 性 やチ ャ ン スが広 が る と同時 に,個 人の生 き方が厳 しく問 われ る社 会 であ る。 そ う した社会 で強 く求 め られ るの は,働

く こ とへ の意 欲や進 路 を探 索 ・選 択 して い くカ で あ り,そ の基 盤 とな る職 業観 ・勤 労観 で あ る。 その意 味 で,職 業観 ・勤労観 は,単 に生 き方 や進 路選 択 の基準 と してだ けで な く,

自立 した個 人 と して他 者 と協働 して生 きてい くた め,全 て の子 どもた ちが身 に付 けてお か な けば な らない最低 限 のカ と もい うべ き性 格 を もってい る。また,そ の 育成 を図 る取組 は, 社会 や企 業 が求 め る人材 を養 成す る とい った役 割 を超 えて,子 ど もた ち 自身 の よ って立っ

と ころ,生 き る基盤 を形成 す る とい う極 めて重 要 な役割 を担 ってい る。

一 人一人 が 自分な りの職 業観 ・勤 労観 を持 つ こ とが 不 可欠 な時代 を迎 え,子 どもの頃か

ら,職 業観 ・勤 労観 や そ の基盤 を育 ててい く こ とが極 め て重要 にな って い る。 しか し,同

時 に,か つ てな く職 業観 ・勤 労観 を 育て る こ とが難 しい状 況が あ る こと も事 実で あ る。 こ

の こ とを 十 分 理 解 し,子 ど もた ち の 職 業 観 ・勤 労 観 を め ぐ る課 題 を,決 して,子 ど も た ち

自身 の 責任 のみ に帰す べ き もの と して捉 え るので は な く,時 代 の変化 が もた らす根 深 い課

題 と して捉 え,家 庭,学 校,地 域 の連携 を深 め,大 人社 会 が一 体 とな っ てそ の育成 に取 り

組 む こ とが求 め られ る。

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第2章 職 業 観 ・勤 労 観 を 育 む 教 育 の 意 義 第1節 職 業 観 ・勤 労 観 の 定 義

「 職 業観 ・勤 労観 とは何 か

職 業観 」 は,人 それ ぞれ の職 業 に対す る価値 的 な理解 で あ り,人 が生 きてい く上 での 職 業 の 果 たす 意 義や 役 割 につ いて の認 識 であ る。 「 職業観 」 は,人 が職 業そ して職 業 を通 じて の生 き方 を選 択す るに 当た っての基 準 とな り,ま た,選 択 した職 業 に よ りよ く適応 す る た め の基 盤 ともな るべ き もので あ る(平 成4年 「 文部 省進 路指 導 資料 」)。 こ こでい う 「 価 値 的 な理 解」 とは,世 の中 には どん な職 業 があ り,そ れ ぞれ の職 業 では どの よ うな 仕 事 を し,ど ん な専 門 的 な資質 ・能 力 が必要 な のかな どについ ての知識 ・理解 を も とに, 自分 は どの職 業 に どん な働 きが いや 誇 りを見 いだそ うとす るの か,あ るいは,生 きて い く 上 で職 業 に どの よ うな意 味づ け を与 えてい くか とい うことであ る。

「 勤 労観 」 も同様 に,勤 労に対す る価 値 的 な理解 ・認 識 であ る。職業 と して の仕 事や 勤 め だ けで な く,ボ ラ ンテ ィア活動,家 事や 手伝 い,そ の他 の役 割遂 行 な どを含む,働 くこ とそ の もの に対す る個 人 の 見方や 考 え方,価 値観 で あ り,個 人 が働 くこ ととどの よ うに向 き合 って生 きて い くか とい う姿勢や構 え を規定す る基準 とな る もので あ る。

「 職 業 観 」,「勤 労観 」 を含 め,一 般 に,「 ○ ○観 」 は,外 界 とのか か わ りを通 して個 人 の 内面 に形 成 され る もので あ って,対 象 とす る事柄(こ の場合 は職 業や 勤 労)を,自 己 に 引 きつ け 自分 自身 の問題 と して考 え る ところに成 立す ると され る。 このた め,思 索す るこ とに よっ て形 成 され る見方 ・考 え方 と して,静 的で固 定的 ・不変 的な もの と捉 え られ が ち で あ るが,そ の 見方 や 考 え方 は外 界 とのかか わ り方や 姿勢 ・態 度 を含 んでお り,外 界 とか か わ る力 さ らには 自己 を変革 して い く能 動性 を持 ってい る。

例 えば,職 業 にか かわ る新 たな発 見や 人 との 出会 いな どを通 して,そ の都 度,「職 業観」

も変 容 してい く。そ こに は,そ の 出会 い を意 味 あ るもの と して 受 け止 め る土壌 と しての 「 職 業 観 」 が あ り,そ の土壌 と しての 「 職 業観 」 が,発 見や 出会 い を受 けて 自らを変容 させ,

そ の後 の 外 界 へ のか か わ り方 を変 えてい く とい う一連 の過 程 が存在 す るので あ る。

「 職 業観 」 と 「 勤 労 観 」 は,「 働 くこ と」 を共 通項 と してつ な が ってい る。勤 労 体験 を 通 して職 業 生活 や職 業 を通 して生 き るこ とに対 す る理解 が深 ま り,逆 に個 々の職 業 を体 験 す る こ とを通 して 勤 労 の意義 につ い ての理 解 が深 まってい くとい うよ うに,互 い に不即 不 離 の 関係 に あ る。 この た め,通 常,「 職 業 観 ・勤 労観 」 と して 一体 的 に取 り扱 われ る場 合

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が 多 い 。 た だ,そ の 場 合 に お い て も,「 職 業 観 」 に は,様 々 な 職 業 の 世 界 及 び 職 業 倫 理 な ど に つ い て の 理 解 や 認 識 な ど,「 勤 労 観 」 に は な い 独 自 の 要 素 が 含 ま れ る こ と,一 方,「 勤 労 観 」 で は,「 職 業 観 」 に 比 べ て 役 割 遂 行 へ の 意 欲 や 勤 勉 さ,責 任 感 な ど と い っ た 情 意 面 が 重 視 され る な ど の 違 い が あ る こ と を 踏 ま え て お き た い 。 学 校 に お い て 実 際 に 体 験 活 動 等 を 展 開 す る に 当 た っ て は,こ う した 相 違 に 留 意 し,子 ど も た ち の 発 達 段 階,学 習 活 動 の ね ら い に 応 じ,「 職 業 観 」,「 勤 労 観 」 の い ず れ に 重 点 を お く か を 明 確 に し て 実 施 す る 必 要 が あ る 場 合 も 出 て く る と 考 え ら れ る か ら で あ る 。

い ず れ に し て も,「 職 業 観 ・勤 労 観 」 は,職 業 や 働 く こ と を 通 し て ど の よ う に 生 き て い く の か,あ る い は,労 働 と 余 暇,仕 事 と 趣 味 な ど と の 対 比 の 中 で,職 業 や 勤 労 を どれ ほ ど 重 視 し て い く か,人 生 や 生 活 の 目標 の 中 に そ れ ら を ど う組 み 込 ん で い く か な ど,個 々 人 の

「 生 き 方 」の 選 択 決 定 及 び そ の 後 の 行 動 の 在 り方 に 極 め て 大 き な 影 響 を 及 ぼ す も の で あ る 。 以 上 の 考 察 を 踏 ま え,「 職 業 観 ・勤 労 観 」 を 以 下 の よ うに ま と め て お き た い 。

「 職 業観 ・勤 労観 」 は,職 業や 勤労 につい て の知識 ・理 解及 びそ れ らが 人生 で果 た す 意義 や役 割 につい ての個 々人 の認 識 で あ り,職 業 ・勤 労 に対 す る見 方 ・考 え方,態 度等 を内容 とす る価 値観 で あ る。 そ の意 味で,職 業 ・勤 労 を媒 体 と した人 生観 と もい

うべ き もので あって,人 が職 業や 勤労 を通 して どの よ うな生 き方 を選択 す るかの基 準 とな り,ま た,そ の 後 の生活 に よ りよ く適応 す るた めの 基盤 とな る もの であ る。

2「 望 ま し い 職 業 観 ・勤 労 観 」 と は 何 か

職 業 観 ・勤 労 観 の 形 成 を 支 援 し て い く 上 で 重 要 な の は,正 し い と さ れ る 一 律 の 「 職 業 観

・勤 労 観 」 を 教 え 込 む こ と で は な く ,生 徒 一 人 一 人 が 働 く意 義 や 目的 を 探 究 し,自 分 な り の 職 業 観 ・勤 労 観 を 形 成 ・確 立 し て い く 過 程 へ の 指 導 ・援 助 を ど の よ う に 行 う か で あ る 。 人 は そ れ ぞ れ 自 己 の 置 か れ た 状 況 を 引 き 受 け な が ら,何 に 重 き を お い て 生 き て い く か と い う 自 分 の 「 生 き 方 」 と 深 く か か わ っ て 職 業 観 ・勤 労 観 」 を 形 成 し て い く 。「生 き 方 」 が 人 に よ っ て 様 々 で あ る よ う に,「 職 業 観 ・勤 労 観 」 も 人 に よ っ て 様 々 で あ っ て 然 る べ き だ か ら で あ る 。

と は い え,今 日,社 会 が 大 き く 変 化 す る 中 で,最 近 の 若 者 の 「 職 業 観 ・勤 労 観 」 に,あ

る 種 の 危 う さが あ る こ と を 指 摘 す る 声 は 少 な く な い 。 例 え ば,安 易 な 離 転 職,仕 事 に 対 す

る 責 任 感 の 低 下,あ る い は,や り た い こ と に 過 剰 に こ だ わ っ た り,努 力 す る こ と を 忌 避 し

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