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巻 頭 言 副支部長

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Academic year: 2021

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北海道の雪氷 No.38(2019)

Annual Report on Snow and Ice Studies in Hokkaido

-1-

Copyright©2019 公益社団法人日本雪氷学会北海道支部

Hokkaido Blanch of the Japanese Society of Snow and Ice

巻 頭 言

副支部長 北海道教育大学教授

尾関俊浩

日本雪氷学会北海道支部は,今年で創立

60

周年を迎えました.人に例えるならば還暦を 迎えたこととなり,雪氷研究の歴史を積み重ねてきた先人たちの精進に感謝申し上げます.

また,今年は

30

年ちょっと続いた平成が終わり,年号が令和へと改まりました.すなわ ち,北海道支部はこの

60

年の前半は昭和の時代,後半は平成の時代に活動してきたことに なります.平成の終わりに向けて,世間では平成を振り返る様々な特集が組まれました.

その中で,平成は多くの自然災害に見舞われた時代だったとまとめられることが多かった ように思います.確かに未曾有の津波被害とそれに伴う原子力発電所の事故を出した東日 本大震災を筆頭に,阪神・淡路大震災,中越地震,熊本地震などの大きな地震に日本全国 が見舞われました.北海道でも昨年の胆振東部地震とそれに伴うブラックアウトにより雪 氷研究大会

2018(札幌)が中止・紙面開催となったことは記憶に新しいところです.他に

も釧路沖地震,北海道南西沖地震など大きな地震災害に見舞われました.火山の噴火では,

平成

3

年の雲仙岳,平成

26

年の御嶽山で多くの死者を出しました.一方,平成

12

年の有 珠山噴火では噴火前に迅速な避難ができたことにより一名の死者も出さないで済んだのは 自然災害対策の成功の一事例でしょう.その他にも全国で発生した洪水被害や発達した台 風による災害など,自然災害への対処が喫緊の社会的問題ともなっています.

翻って雪氷災害を見ると,平成に入ったばかりの頃は全国的に暖冬寡雪の年が続き雪害 が減少したことから,雪氷災害科学の役割も様変わりするのではないかと思われていまし た.ところが平成の後半に入ると,平成

18

年豪雪以降,平成

23

年,

24

年,

25

年,

26

年,

28

年,

30

年と毎年のようにどこかの地域が大雪に見舞われ,雪氷災害が起きています.雪 害対策が講じられた現在でも,大雪のみならず吹雪,雪崩,着雪等による災害の発生はな くなりません.我々雪氷研究者が研究を通して社会貢献をできる場面は今後もたくさんあ ることでしょう.

目を転じると,平成に入った頃から地球温暖化現象が科学的な研究対象から,社会的,

政治的なインパクトを持つようになってきました.北極海の夏季海氷面積は減少を続け,

21

世紀中頃(最近の報告ではもっと早く)には夏に海氷が消失すると予測されています.

またグリーンランド氷床の融解・減少も取りざたされています.地球規模の雪氷の変化の 中で,北海道支部会員の研究の対象も,北極圏または南極大陸の雪氷研究が多く行われ,

支部の研究発表会で成果が発表されております.このような現代的で地球科学的なトピッ クスが支部の活動の中に見られることは,新しい活力に繋がっているものと思われます.

これからの北海道支部が,一周回ってまた新しくスタートする心づもりで,会員皆様に より新たな歴史を積み重ねていくことを祈念いたします.

参照

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