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日本機械学会「コンクリート製原子炉格納容器規格

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資料15−4−2

日本機械学会「コンクリート製原子炉格納容器規格

(JSME S NE1-2003)」に関する技術評価書(案)

平成 17 年 6 月 21 日

原子力安全・保安院

独立行政法人 原子力安全基盤機構

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目 次

1. はじめに ... 1 2. 「コンクリート製原子炉格納容器規格」の検討に係る基本的な考え方 ... 2 2.1 検討の基本方針 ... 2 2.2 技術的妥当性に関する検討手順 ... 3 3. 「CCV規格」策定プロセス ... 6 4. 「CCV規格」の技術的妥当性 ... 8 4.1 「CCV規格」と「告示452号」との比較及び相違点 ... 8 4.2 主要な相違点に関する技術的妥当性の検討 ... 10 4.3 技術評価のまとめ ... 16 5. 「CCV規格」適用に当たっての条件と課題 ... 17 5.1 「CCV規格」の位置付け ... 17 5.2 「CCV規格」の課題 ... 17 添付資料 リスト 添付資料−1 日本機械学会「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な 変更点とその根拠・理由 添付資料−2 「告示452号」からの主な変更・追加内容の補足説明 添付資料−3 「CCV規格」と「ASME規格」(Sec. Ⅲ Div. 2)との項目対応 添付資料−4 図面・用語集

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1.はじめに 原子力発電施設の技術基準の性能規定化と民間規格の活用については、平成 14 年 7 月 総合エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子炉安全小委員会においてその基本的方針 が示されており、また、本年 3 月には、同小委において技術基準の具体的な見直しのあり 方について中間とりまとめがとりまとめられ、現在原子力安全・保安院(以下「保安院」 という。)において、技術基準改正作業中である。 学協会規格の規制における活用のための仕組みとしては、技術基準を性能規定化すると ともに、学協会規格について、規制当局として規制上の要求を充足するものか否かの技術 評価を行うこととしている。 技術評価における確認事項及び手続きは以下のとおりである。*1 (保安院による技術評価における確認事項)*2 ① 規格の策定プロセスが公正、公平、公開を重視したものであること (偏りのないメンバー構成、議事の公開、公衆審査の実施、策定手続きの文書化及 び公開など) ② 技術基準や法令上の要求事項で要求される性能との項目・範囲において対応が取れ ること(規制の要求範囲との整合性) ③ 技術基準や法令上の要求事項で要求される性能を達成するための必要な技術的事 項について具体的な手法や仕様が示されること。 ④ 民間規格に示される具体的な手法や仕様について、その技術的妥当性が証明されて いること。 (技術評価の手続き) 技術評価の手続きは、関係審議会(原子炉安全小委員会及び関係WG等)の意見を聴い て規制当局が技術評価を行い、その結果を技術評価書としてパブリックコメントを求めた 上でとりまとめを行い、公開する。 その後、行政手続法に基づく審査基準や行政文書により、当該民間規格の規制上の取り 扱いを明確にする仕組みとする。その際には、技術評価の結果に基づき、当該民間規格の 活用に際しての条件などを付すことがある。 *1 平成 16 年 6 月原子炉安全小委員会資料 *2 技術基準の仕様規定として事実上適用している学協会規格については、以下の観点から 再度技術評価を実施する(平成 17 年 3 月原子炉安全小委員会報告書) ① 改正された技術基準(省令 62 号)との対応関係の整理 ② 他規格(JIS 等)との整合性の確保 ③ 今後の学協会規格改訂に当たって見直しが望まれる事項 1

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また、日本機械学会「コンクリート製原子炉格納容器規格(JSME S NE1-2003)」(以 下「CCV 規格」*3という。)については、技術基準の性能規定化の中で廃止が予定される 「コンクリート製原子炉格納容器に関する構造等の技術基準(平成 2 年通商産業省告示第 452 号)」(以下「告示 452 号」という。)に代わりうる学協会規格であり、その技術評 価を早急に行う必要がある。 本技術評価書は上記考えに基づき、保安院と原子力安全基盤機構とが共同で、「CCV 規格」について技術的検討を行い、基準評価WGの審議を経てとりまとめたものである。 2.「コンクリート製原子炉格納容器規格」の検討に係わる基本的考え方 2.1 検討の基本方針 技術評価における確認事項に基づき検討を行い、具体的には以下の基本方針によった。 【「CCV 規格」策定プロセスに関する検討】 ① 規格の策定プロセスが公正、公平、公開を重視したものであること (偏りのないメンバー構成、議事の公開、公衆審査の実施、策定手続きの文書化及び 公開など) 策定機関である日本機械学会の規格策定手続要領、「CCV 規格」の策定手続きについて、 公正、公平、公開を重視したものであるか否かにつき検討を行う。 【「CCV 規格」の規定内容に関する検討】 ② 技術基準や法令上の要求事項で要求される性能との項目・範囲において対応が取れる こと(規制の要求範囲との整合性) ③ 技術基準や法令上の要求事項で要求される性能を達成するための必要な技術的事項 について具体的な手法や仕様が示されること。 ④ 民間規格に示される具体的な手法や仕様について、その技術的妥当性が証明されてい ること。 「告示 452 号」は現在性能規定化等の観点から見直し作業が行われている原子力発電施 設の技術基準の該当部分の要求事項を満たすことから、「告示 452 号」及び「CCV 規格」

*3 CCV=Concrete Containment Vessel(コンクリート製格納容器)

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の要求事項の内容を相互に比較し、相違点が認められた項目についてはその妥当性を確認 することにより、上記②∼④の条件を満たすものと判断することとした。 具体的には、以下の事項について確認を行った。 ・ CCV を構成するコンクリート部及び鋼製内張り部等の区分に対して規定された項 目が、「CCV 規格」と「告示 452 号」との間で対応していること ・ 「CCV 規格」の各項目で規定されている手法や仕様が「告示 452 号」と同程度の 具体性を有していること ・ 各項目の規定内容が「告示 452 号」と技術的に同等であるか否かを分析し、同等 である部分については妥当であるとする。*4 また、「告示 452 号」と異なっている 場合には、その技術的妥当性が証明されているか否かを検討する。その際、「CCV 規格」では、国内の関連基規準・規格における最新情報を取り込んでいることから、 「告示 452 号」とは異なる部分があるが、これらについては、上記の基規準類・ 規格の最新版との比較検討を行い、その技術的根拠を明確にした上で、規定内容が 「告示 452 号」と同等以上であれば、基本的に、技術的妥当性が確認されている ものと判断することとした。また、「CCV 規格」独自の規定内容については、技術 的根拠を調査しその妥当性を検討することとした。なお、規格の国際整合性につい ては、米国機械学会(ASME)の Boiler&Pressure Vessel Code Section III Division 2 Code for Concrete Containments(以下、「ASME Sec. III Div. 2」と 呼ぶ)の引用等の考え方が「CCV 規格」で踏襲されているかどうかを確認すると ともに、ASME Sec. III Div. 2 の最新版における CCV の要求事項に関わる改定の有 無を確認することとした。 2.2 技術的妥当性に関する検討手順 本基本方針に基づく検討は、図 1 に示すにように、「告示 452 号」の各要求事項に「CCV 規格」が対応しているか否か比較し、相違点を抽出した上で、以下の6つのステップに分 けて行った。 ① 相違点についての根拠(理由)を調査し、当該箇所が技術的なものか否かについ て検討する。技術的内容でないと判断された事項については、内容を確認した上 で適用を認める。具体的には、規格の構成あるいは編集に伴った変更や SI 化等記 載方法の変更である。 ② 相違点が技術的内容であると判断された場合のうち、「告示 452 号」が引用してい る「告示 501 号」の条文に対応する「設計・建設規格」の規定を引用している内 *4 「CCV 規格」と「告示 452 号」の対応関係についての比較検討結果は添付資料−1の とおりとなる。技術基準の改訂案は、仕様規定である「告示 452 号」の要求の性能要 求部分を規定したものであり、対応を前提にしても問題がないと考えた。 3

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容については、「設計・建設規格」の技術評価が平成 15 年 7 月に終了しているこ とから、その引用内容を確認した上で、技術的に妥当と判断する。また、規格と しての利便性に配慮して、「告示 501 号」に対応する「設計・建設規格」の該当 規定内容を「CCV 規格」内に新規に追加している部分がある場合は、追加内容を 確認した上で、妥当性を判断する。 ③ 「告示 452 号」の解説(以下、「告示解説」と呼ぶ)に補足されている情報などを 規定として明文化した内容である場合、または、工事計画認可(以下、「工認」と 呼ぶ)あるいは特殊設計施設認可(以下、「特認」と呼ぶ)といった過去の審査等 における実績を反映した規定内容である場合には、妥当と判断する。 ④ 「告示 452 号」の基となった建築基準法・同施行令及び関連告示類、日本建築学 会(AIJ)「鉄筋コンクリート構造計算規準」(以下、「RC 規準」と呼ぶ)、「プレ ストレストコンクリート設計施工規準」(以下、「PC 規準」と呼ぶ)、「鋼構造設 計規準」(以下、「S 規準」と呼ぶ)、「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5N 原 子力発電所施設における鉄筋コンクリート工事」(以下、「JASS 5N」と呼ぶ)、 日本工業規格(JIS)等の基規準・規格の改正・改定を反映したものであるかを確 認する。これらのいずれかに該当する場合には、CCV への適用性を確認した上で 技術的に妥当と判断する。 ⑤ 上記①から④のいずれにも該当しない事項、すなわち、国内外における試験研究 成果の反映等の最新知見を取り込んだものについては、その根拠となる成果が公 開されており、かつ、それを基に技術的検討がなされたものであるか等を考慮し、 技術的に妥当か否かを判断する。 ⑥ ①から⑤のいずれにも該当しないものについては、当該箇所の例示基準としての 適用は行わず、追加的要件を課すものとする。 4

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5 図1 技 術 的 検 討 手 順 見直しされた省令 62 号案第 9 条案と「CCV 規格」の対応の確認(対応表を作成) 「告示 452 号」の各要求事項との相違点を抽出(技術的項目毎の対応表を作成) 相違点及びその根拠を明確にする 要求事項が追加または 削除されているもの 要 求 事 項 の 内 容 が 変 更されているもの 要求事項の内容が同 一のもの ¾ 告示解説の明文化か ¾ 工認、特認等の過去の実 績があるか NO YES ¾ CCV への適用 性の確認 ¾ 最新版 JIS の反映か ¾ 「告示 452 号」の基となった 基規準の最新版の反映か NO YES NO YES ¾ 国内外における試験研究成果 など最新知見の反映か ¾ 試験研究成果は公開か ¾ 公開情報に基づく技術的な検 討がなされたか NO YES 技術的内容に相違は ないか YES NO ¾ 「告示 501 号」から「設 計・建設規格」への引用 元の変更か ¾ 「設計・建設規格」の取 り込みか NO YES 当該個所の適用を除外 妥当と判断し適用を認める

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3.「CCV 規格」策定プロセス 「CCV 規格」は、日本機械学会に設置された発電用設備規格委員会、同原子力専門委員 会及びその下部のコンクリート製格納容器規格分科会(CCV 分科会)により、規格案が審 議され、公衆審査手続きを経て策定されている。 CCV 分科会(2002 年 9 月発足):8 回審議 (2002/10/09、10/30、12/2、12/18、2003/1/22、3/4、5/13、7/18) 原子力専門委員会(1997 年 11 月発足):実質 2 回審議 2002/11/25(第 25 回) (策定方針、検討日程等の承認) 2003/02/03(第 26 回) 規格案の審議 2003/04/25(第 27 回) 規格案の審議。規格案としての書面投票を挙手で決議 2003/07/25(第 29 回) (英文名称の承認) 発電用設備規格委員会(1997 年 10 月発足):実質 2 回審議 2002/12/03(第 23 回) (審議状況、策定スケジュール等の報告) 2003/03/12(第 24 回) 規格案の審議 2003/06/11(第 25 回) 規格案の審議。規格案としての書面投票を挙手で決議 (原子力専門委員会での書面投票可決が前提) 2003/09/10(第 26 回) (公衆審査計画の承認、英文名称の承認) 2003/12/03(第 27 回) (販売計画案等の承認) 公衆審査 2003 年 9 月 12 日∼2003 年 11 月 11 日(公衆審査における意見はなし) (日本機械学会規約) 日本機械学会における規格策定手続きは、発電用設備規格委員会規約、同専門委員会運 営規約に規定されており、公正、公平、公開の観点から以下の規定が設けられている。 ・委員会の構成(ともに規約第 3 条) 発電用設備規格委員会及び同専門委員会は委員 30 名以内(専門委員会は 25 名以内)で 構成し、委員は、特定の業種*5から最低 5 業種が含まれ、かつ同一業種からの委員が委員 総数の3分の1以下と規定している。ただし、専門委員会委員長等については例外とされ ている。 なお、分科会にあっては、委員会構成に関する要件はない。 ・決議の手順(ともに規約第 8 条) 規格の制定、改訂、廃止に当たっては、書面投票が要求され、具体的な手順が規定され ている。 * 電気機械器具製造業、電力事業、建設業、鉄鋼・非鉄金属製造業、学術研究機関、保険 業、関係官庁、学識経験者、非営利団体、その他の 10 業種。ただし、発電用設備規格委 員会にあっては、専門委員会委員長等は含まれない。 5 6

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投票成立= 委員総数の5分の4以上の投票 投票期限= 原則 30 日以内(60 日まで延長可能) 1次投票による成立= 意見付反対票がなく、投票数の3分の2以上の賛成票 2次投票による成立= 反対意見が取り消された場合、又は、挙手による出席者数3分 の2以上の承認を得て、2次投票の結果3分の2以上の賛成 なお、分科会にあっては、委員総数の2分の1以上の出席をもって成立し、決議は挙手 により出席委員の過半数の賛成により可決となる。 ・公開性 委員会の開催日時はあらかじめ公表し、オブザーバの参加を認める。(ともに第 7 条) 審議内容は、発電用設備規格委員会は委員会議事録として公表(第 8 条)、専門委員会 等は、追跡可能な様式で記録し要求がある場合にこれを公表(第 8 条)する。 発電用設備規格委員会は、規格の制定等に当たって、2 ヶ月間の公衆審査を実施する。 一般公衆から意見があった場合には、文書等によりその対応を含め公表し、提案者に委員 会の対応を連絡するとともに、審議結果を文書等により公開する。(第 8 条) (「CCV 規格」策定に当たっての委員会構成・審議内容等の公開) ・委員会構成 CCV 分科会 原子力専門委 発電用設備規格委 電気機器製造業 4 4 5 電力事業 4 4 5 建設業 5 0 0 鉄鋼・非鉄業 0 1 2 学術研究機関 0 5 5 保険業 0 0 1 関係官庁 0 1 1 学識経験者 4 5 7 非営利団体 0 2 3 17 22 29 (結審時の委員構成) ・審議内容等の公開 公衆審査を 2003 年 9 月 12 日から 2003 年 11 月 11 日まで実施している。 審議内容については、日本機械学会ホームページにおいて、上記の各委員会の審議内容 が公開されていることが確認された。 7

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(「CCV 規格」策定プロセスの評価) 「CCV 規格」策定プロセスについては、規約により手続き等が明確化されており、また、 「CCV 規格」も当該規約に基づき、委員会構成・公開等が重視されていることが確認され た。 4.「CCV 規格」の技術的妥当性 4.1 「CCV 規格」と「告示 452 号」との比較及び相違点 「CCV 規格」は、「告示 452 号」に相当する民間規格として策定されたものであること から、まず、「CCV 規格」と「告示 452 号」における規定項目について相互比較を行った。 「告示 452 号」との相違点については、表 1 に示す5つの分類に沿って調査を行い、それ ぞれの技術的妥当性を確認した。 表 1 「告示 452 号」との相違点に関する根拠の分類 根拠の分類 具体的内容 ① 記載の適正化 ・単位の SI 化 ・用語、記号・符号の定義の統一 ・編集上の変更 ② 「設計・建設規格」の引用等 ・「設計・建設規格」からの引用 (「告示 501 号」からの引用元の変更) ・「設計・建設規格」からの読み替え規定の 明確化(CVE-3650) ③ 運用実績の反映 ・告示解説における補足説明の明文化(条文 化) ・工認や特認の実績等の反映 ④ 「告示 452 号」の基となった基規準・ 規格の最新版の反映 ・最新版 JIS の読み込み ・建築基準法・同施行令(平成 12 年改正) ・建設省告示(平成 12 年)および国土交通 省告示(平成 13 年) ・日本建築学会の RC 規準(1999)、PC 規準 (1998)、S 規準(2002)、JASS 5N(2001) ⑤ 国内外の研究成果の最新知見の反映 ・NUPEC の耐震実証試験成果の取り込み (注1)ここでいう最新版とは「CCV 規格」の策定当時のものをいう。 (注2)NUPEC:(財)原子力発電技術機構 「CCV 規格」と「告示 452 号」との条項の対応とその変更・追加内容を整理(添付資 料−1)した結果、項目上の対応が取れていることが確認された。さらに、④及び⑤に分 類される事項(表 2)については、必要な技術的事項の具体的な手法や仕様が示されてい るか、その具体的手法や仕様の技術的妥当性があるかについて詳細な検討を行った。 8

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表 2 「CCV 規格」と「告示 452 号」の相違点が④及び⑤に分類される事項 「CCV 規格」 規格番号 タイトル 変更・追加内容 根拠 CVE-3320 <1> 解析に用いる材料定数 告示解説[1]の明文化 (「解析に用いる材料定数」[2],[3]の具体的な値を追 加, RC 規準(1999)及び PC 規準(1998)の 改定を反映) ③,④ CVE-3414 <2> コンクリートの許容せ ん断応力度 建設省告示第1450号(平成12年)に基づいて許容 せん断応力度の式を変更 建築基準法上、許容せん断応力度は設計基準強度 Fc に応じ、Fc/30 かつ 0.49+Fc/100 以下と規定さ れるが、「CCV 規格」では Fc=21N/mm2以上の 設計基準強度を用いるので、同等の許容値となる 0.49 +Fc/100 のみを許容せん断応力度の式として 採用 ④ 建築基準法施行令(平成 12 年改正)に基づいて 許容応力度を変更 ④ CVE-3421 <3> <4> 鉄筋の許容引張応力度 および許容圧縮応力度 RC 規準(1999)に準拠し太径鉄筋 D51 の許容応 力度を変更 ④ CVE-3422 <5> 鉄筋の面外せん断力に 対する許容引張応力度 建築基準法施行令(平成 12 年改正)に基づいて 許容応力度を変更 ④ CVE-3512.2 <6> 荷重状態 IV 国内の研究成果の最新知見の反映 (プレストレストコクリートに関する近年の技 術的知見(NUPEC)[4],[5],[6]の反映:耐力評価式の 係数の変更) ⑤ CVE-3516 <7> 緊張材の定着部におけ るコンクリートの許容 支圧応力度 PC 規準(1998)の改定に伴う許容支圧応力度の 評価式の変更[7] ,[8] CVE-3542 <8> 鉄筋の定着および継手 定着及び継手長さの具体的な算定方法について, RC 規準(1999)の改定内容を踏まえて,森田ら の報告[9]の割裂強度式に基づき変更 ③,④ 細骨材及び粗骨材の反応性試験として、JASS 5N (2001)に準拠し、化学法(JIS A1145(2001)) の適用も可 ④ 別表1 <9> <11> コンクリートに用いる 骨材 骨材の反応性試験により、無害でないと判定され た場合の扱いを、JASS5 N(2001)に準拠し記載 ④ JIS A6201(1999)の改正に伴い、コンクリート 用フライアッシュの適用を、建築構造物に適用可 能な I 種と II 種に限定 ④ 別表2 <12> <13> コンクリートに用いる 混和材料 JIS A6204(2000)の改正に伴い、コンクリート 用化学混和剤として、高い減水性と良好なスラン プ維持機能を有する高性能 AE 減水剤の使用を可 ④ 別表3 <10> コンクリートの品質 「反応性」の具体的試験方法(JASS 5N(2001) を参照)を明記 ④ 9

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4.2 主要な相違点に関する技術的妥当性の検討 「CCV 規格」における「告示 452 号」からの変更点と追加規定であって、表 1 の「④ 「告示 452 号」の基となった基規準・規格の最新版の反映」及び「⑤国内外の研究成果の 最新知見の反映」に分類される事項についての技術評価の概要を以下に示す。 なお、これらの変更・追加箇所の根拠・理由の説明資料を添付資料−2に示す。 a.コンクリート部 <1> CVE-3320「解析に用いる材料定数」 解析に用いる材料定数については、告示解説における内容を AIJ の RC 規準(1999) や PC 規準(1998)の材料定数(ヤング係数、ポアソン比等)を反映させて条文化して いる。これらは、「告示 452 号」の策定において参考とした基規準・規格の最新版を反 映したものであり、これまでの研究実績を含めて確認した上で、妥当と判断した。 <2> CVE-3414「コンクリートの許容せん断応力度」 荷重状態 I 及び荷重状態 II におけるコンクリートの許容せん断応力度は、「告示 452 号」では AIJ の RC 規準(1988)を引用していたが、「CCV 規格」では、AIJ の RC 規 準(1999)とも同等となる建設省告示第 1450 号(平成 12 年)に準拠している。これ は、「告示 452 号」の策定において参考とした基規準・規格の最新版を反映したもので あり、妥当であると判断した。 <3> CVE-3421「鉄筋の許容引張応力度及び許容圧縮応力度」 鉄筋の許容引張応力度及び許容圧縮応力度は、SI 化に伴い数値を見直した建築基準 法・同施行令第 90 条及び建設省告示第 2464 号(平成 12 年)に準拠している。また、 高強度鉄筋(SD490)については、国土交通省告示第 1024 号(平成 13 年)に準拠して いる。これは、「告示 452 号」の策定において参考とした基規準・規格の最新版を反映 したものであることから、妥当であると判断した。 <4> CVE-3421「鉄筋の許容引張応力度及び許容圧縮応力度」(太径鉄筋 D51) AIJ の RC 規準(1999)では、研究成果の蓄積及び使用実績に基づいて太径鉄筋 D51 を適用範囲とし、D51 の許容応力度を D51 未満の鉄筋の許容応力度と同様とした。「CCV 規格」では、これと整合させて D51 の許容応力度を変更している。これは、「告示 452 号」の策定において参考とした基規準・規格の最新版を反映したものであることから、 妥当であると判断した。 10

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<5> CVE-3422「鉄筋の面外せん断力に対する許容引張応力度」 鉄筋の面外せん断力に対する許容引張応力度は、SI 化により数値を見直した建築基準 法施行令第 90 条及び建設省告示第 2464 号(平成 12 年)に準拠している。このうち、 建築基準法・同施行令第 90 条の短期(荷重状態 III に相当)における異形鉄筋の許容応 力度の上限が、基準強度(最大 390 N/mm2)になったことから、「CCV 規格」において も荷重状態 III における許容引張応力度を整合させた。これは、「告示 452 号」の策定に おいて参考とした基規準・規格の最新版を反映したものであることから、妥当であると 判断した。 <6> CVE-3512.2「シェル部の面内せん断応力度」 シェル部の面内せん断応力度の評価式のうち、荷重状態 IV におけるプレストレストコ ンクリートの耐力式の上限値を「告示 452 号」の 3.5 Fc(kgf/cm2)から 1.25 Fc(N/mm2) に見直している(ここで、Fc:コンクリートの設計基準強度、1.25 Fc(N/mm2):「告 示 452 号」で用いられている従来単位系の 4.0 Fc(kgf/cm2)に相当)。これは、「告示 452 号」の施行後の実験的研究成果を追加して再評価を行ったことによるものである。 図 2 は、鉄筋コンクリートとプレストレストコンクリートを対象とした面内せん断に 関する実験結果で「告示 452 号」制定時に参照した実験値並びに「告示 452 号」施行後 に行われた実験値及び耐力評価式との関係を示した図である。この図からわかるように、 「告示 452 号」制定時におけるコンクリート強度に基づく面内せん断耐力の上限値は、 鉄筋コンクリートとプレストレストコンクリートの種別に拘わらず、両者の「実験結果 ( 図 中 ● と ○ ) の 下 側 ( 下 限 )」 に 基 づ き 、 同 じ 値 の 3.5 Fc (kgf/cm2) ( 図 中 1.10 Fc(N/mm2)の線に相当)に制限していた。 しかしながら、プレストレストコンクリートは、プレストレス力による膜圧縮力が大 きいため、鉄筋コンクリートに比べて面内せん断耐力が大きくなる傾向にある。特に、 近年、NUPEC により実施された大型振動台を用いた耐震実証試験(プレストレス力に よる平均圧縮応力度比

σ

p Fc(プレストレス力による平均圧縮応力度σpとコンクリー トの設計基準強度の平方根 Fcの比)は円周方向1.29、子午線方向0.84)によれば、プ レストレストコンクリートの面内せん断耐力は「告示 452 号」の 1.10 Fc(N/mm2)を大 きく上回る結果であった。なお、この図に示されているプレストレストコンクリート試 験体のプレストレス力による平均圧縮応力度比σp Fc は円周方向 0.23∼1.32 の範囲、 子午線方向0.32∼1.89の範囲となっている。 11

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[係数の換算値] ・SI:1.25(従来単位:4.0) ・SI:1.10(従来単位:3.5) 0 0.5 1 1.5 2 2.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 [凡例] ●:RC (静的加力試験) ○:PC (静的加力試験) ■:RC (振動台試験) □:PC (振動台試験)

(

pt⋅fy

)

ave./ Fc 25 1. Fc u/ = 荷重状態Ⅳ:τ 10 1. 25 1 4 3 . Fc u/ = × 荷重状態Ⅲ:τ 10 1 4 3 ×. 25 1 2 1 . Fc u/ = × 荷重状態Ⅰ,Ⅱ:τ 10 1 2 1 × . ( ) :コンクリート強度 :鉄筋の降伏点強度 :主筋の鉄筋比 :シェルの全断面積 :終局面内せん断力 / 記号の説明 c y t u u u F fp A Q / A Q 2 ] [ = τ NUPEC 試験結果(RCCV) NUPEC 試験結果(PCCV) NUPEC 試験結果(鉄筋コンクリート) NUPEC 試験結果(プレストレストコンクリート) 試験体の範囲: 平均圧縮応力度比σp Fc 円周方向:0.23∼1.32の範囲、 子午線方向:0.32∼1.89の範囲 図 2 面内せん断応力度の実験結果と評価式との比較 以上のことを受けて、「CCV 規格」では、プレストレストコンクリートの耐力式の上 限値は、「実験結果(図中○と□)の下側」となるように 1.25 Fc(N/mm2)の値を採用し ている。なお、ここで参照している「告示 452 号」施行後の実験値とは、NUPEC の耐 震実証試験成果であり、実証試験委員会等(注1)において専門家による技術的検討がなされ、 その成果が公開(注2)されている。 (注 1)原子力施設耐震評価の学識者、専門家で構成される耐震信頼性実証試験実施委員 会(委員長;柴田 碧東大名誉教授)及び原子力建築構造物関連の学識者、専門家 で構成される同 CCV 耐震分科会(主査;秋山 宏日大教授)。 (注 2)成果報告書を平成 12 年 4 月に公開。 これらより、シェル部の面内せん断応力度の評価式における上限値の見直しは、国内 の研究成果の最新知見を取り込んだものであり、技術的根拠に照らして妥当と判断した。 ただし、これらの試験結果は、プレストレストコンクリート試験体のテンドンの張力 によって生じるプレストレス力による平均圧縮応力度比σp Fcが円周方向 0.23∼1.32 の範囲、子午線方向0.32∼1.89の範囲における試験体に対する試験結果である。したが って、ここで示した式の適用にあたっては、プレストレストコンクリート製原子炉格納 容器のプレストレス力による平均圧縮応力度比σp Fcを上記の値と比較することが望ま しい。 <7> CVE-3516「緊張材の定着部におけるコンクリートの許容支圧応力度」 緊張材の定着部におけるコンクリートの許容支圧応力度は、「告示 452 号」では、PC 規準(1975)に準拠して 0.45Fc としている。PC 規準(1998)では、これを改定して 0.6Fc としている。「CCV 規格」では、これまでの研究実績を含めて確認し、許容支圧 12

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応力度を 0.6Fc としている。「CCV 規格」における緊張材の定着部におけるコンクリー トの許容支圧応力度の 0.6Fc は、「告示 452 号」の策定において参考とした基規準・規 格の最新版を反映したものであることから、妥当であると判断した。 <8> CVE-3542「鉄筋の定着および継手」 鉄筋の定着および継手長さについて、RC 規準(1999)の内容を踏まえて森田の報告 に示される式をもとに定めている。「告示 452 号」で引用していた AIJ の RC 規準(1988) が 1999 年に改定され、定着および継手に関わる内容が全面的に見直されたことを踏ま えて、「告示 452 号」においても参照していた付着割裂破壊を考慮した国内の研究成果 の原式を参考に、RC 規準(1999)にも整合した鉄筋の定着および継手の規定としてい る。これらより、定着長さおよび継手長さに関する規定は、「告示 452 号」の策定にお いて参考とした基規準・規格の最新版を反映したものであり、また、公開された文献に 示される国内の研究成果に基づくものであることから、その技術的根拠に照らして妥当 と判断した。 b.別表 <9> 別表 1「コンクリートに用いる骨材」(反応性試験方法に化学法を追加) 別表 1 のコンクリートに用いる骨材のうち、反応性に関する試験方法に、JASS 5N (2001)に準拠して、モルタルバー法に加え、一般建築物や原子力施設において多くの 実績がある化学法も適用可能としている。これは「告示 452 号」の策定においても参考 とした基規準・規格の最新版を反映したものであり、使用実績も積んでいることから妥 当と判断した。 <10> 別表 3「コンクリートの品質」(反応性に関わる具体的な試験方法) 別表 3 のコンクリートの品質のうち、反応性に関わる具体的な試験方法として、JASS 5N(2001)の「JASS 5N T-603 コンクリートの反応性試験方法」(コンクリートバ ー法)を明記している。このコンクリートバー法は、実際に使用される材料・調合によ り製作されたコンクリート供試体を用いたアルカリシリカ反応性試験であり、化学法や モルタルバー法に比べ、実際の使用状態に近い条件下での反応性試験を行うことができ る試験方法である。また、無害な骨材を使用する場合であってもコンクリートとしての 反応性に対する安全性や無害でないと判定された骨材を使用する場合の反応性抑制対策 の効果を確認できるという意味を持っている。 以上のことより、これは「告示 452 号」の策定においても参考とした基規準・規格の 13

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最新版を反映したものであり、コンクリートバー法は反応性を確認する有効な試験方法 であることから、妥当と判断した。 <11> 別表 1「コンクリートに用いる骨材」(無害でないと判定された場合の扱い) 別表 1 の備考に、骨材の反応性試験において無害でないと判定された場合、骨材の使 用の可否は、別表 3「コンクリートの品質」における反応性の判定結果によって決めて もよいとしている。これは JASS 5N(2001)の考え方を反映したものである。 JASS 5N では、図 3 のアルカリ骨材反応性の検討手順に示すように、骨材のアルカリ シリカ反応性試験(化学法又はモルタルバー法)を行い、そこで無害でないと判定され た場合には、適切な抑制対策(例えば、コンクリート中のアルカリ総量の抑制又は抑制 効果のある混合セメントの使用)を講じ、さらにコンクリートの反応性試験(コンクリ ートバー法)によって、有害な膨張を示さないことが確認できれば、当該骨材は使用で きるとしている。 以上より、本項は「告示 452 号」の策定においても参考とした基規準・規格の最新版 を反映したものであり、アルカリシリカ反応性に対し、骨材とコンクリートでの 2 段階 で確認する慎重な対応をとっていること、及びコンクリートバー法で反応性抑制対策の 効果を確認できることから、妥当と判断した。 14

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NO NO NO YES YES YES JASS 5N 特有のチェック (CCV 規格も同様) コンクリート中のアルカリ総量 の抑制又は抑制効果のある混合 セメントの使用等 骨材のアルカリシリカ反応性試験 (化学法又はモルタルバー法) 無害か コンクリートの反応性試験 (コンクリートバー法) 有害な膨張を 示さないか END 調 合 START 骨材の変更 変更可能か 抑制対策注) 注) 抑制対策の例 ①コンクリート中のアルカリ総量の抑制 ・アルカリ量が表示されたポルトランドセメント等を使用 ・コンクリート中のアルカリ総量:Na2O 換算で 3.0 kg/m3以下 ②抑制効果のある混合セメント等の使用 ・下記のいずれかを使用 高炉セメント(B 種又は C 種)、フライアッシュセメント(B 種又は C 種)、混和材をポルトラン ドセメントに混入した結合材でアルカリ骨材抑制効果の確認されたもの(試験が必要) 図 3 JASS5 N によるアルカリ骨材反応性の検討手順 <12> 別表 2「コンクリートに用いる混和材料」(コンクリート用フライアッシュ) 別表 2 のコンクリートに用いる混和材料のうち、コンクリート用フライアッシュの使 用は、JASS 5N(2001)を反映して I 種及び II 種に限定している。JIS A6201(1999) の改正では、コンクリート用フライアッシュは 4 種類(I 種∼IV 種)に等級化された。「CCV 規格」では、これらの種類のうち、建築構造物以外(例:建材ブロック、ダム等)の使

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用を目的とした III 種及び IV 種を、CCV の使用から除外し、旧 JIS 相当品の II 種とより 高性能な I 種のみを適用可能としている。これは、「告示 452 号」の策定においても参考 とした基規準・規格の最新版を反映したものであり、「告示 452 号」と同等以上の品質 を確保するための反映であることから妥当と判断した。 <13> 別表 2「コンクリートに用いる混和材料」(高性能 AE 減水剤の追加) 別表 2 のコンクリートに用いる混和材料のうち、コンクリート用化学混和剤に高性能 AE 減水剤の使用を追加して認めている。これは JIS A6204(2000)の改正を反映した ものであり、高性能 AE 減水剤は、他の減水剤に比べ、高い減水性と良好なスランプ保 持機能を有しており、コンクリートの品質を高めるために使用され、一般建築物及び原 子力施設での使用実績も多い。以上の追加は、「告示 452 号」と同等以上の品質を確保 するための反映であることから、妥当と判断した。 「告示 452 号」からの主要変更点は以上のとおりであるが、検討方針で述べたとおり、 国際的な整合性、最新知見の反映を考慮して、米国機械学会(ASME)の対応規格との要 求項目に関する比較検討をあわせて行ったが、現時点としては、ASME との整合性の観点 から追加すべき事項はないとの結論に至った。(添付資料−3) 4.3 技術評価のまとめ 「CCV 規格」における各々の技術的項目について、「告示 452 号」の規定内容と比較検 討を行い、相違点のうち、保安院として原子力発電所への適用について判断していない事 項に対して技術的妥当性を確認した。 具体的な事項としては、建築学会等の基規準・規格類の最新版の反映、試験結果の反映 であるが、ともに、技術的根拠の検証、さらに原子力発電所への適用に問題がないかにつ いて検討し、その技術的妥当性の確認を行った。 なお、プレストレストコンクリート製原子炉格納容器については、「告示 452 号」にお いてもプレストレス力を課す構造により定義しているが、特に面内せん断応力度に関する 試験研究の結果を反映するに当たっては、その試験体のプレストレス力の範囲を考慮する ことが望ましい。 16

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5.「CCV 規格」適用に当たっての条件と課題 5.1 「CCV 規格」の位置付け 「CCV 規格」は、「原子力発電施設に関する技術基準」(省令 62 号)の性能規定化にあ わせて廃止される「告示 452 号」に対応する仕様規定であり、規制の明確化のためにも、 「省令 62 号」の審査基準の中で明確に位置付けることとする。 また、性能規定化に伴う「省令 62 号」の改正(施行)までの間は、最新知見を反映し た「CCV 規格」を適用することが可能となるよう、「省令 62 号」の第3条に基づく特殊な 設計による認可の例示基準として扱うべきものとする。「CCV 規格」に基づく特殊な設計 による認可申請があった場合には、その審査に際して、保安院は、改めて「CCV 規格」の 技術的妥当性を審査するのではなく、当該申請の「CCV 規格」との適合性を審査すること となる。 5.2 「CCV 規格」の課題 (適用に当たっての課題) 保安院として、プレストレストコンクリート製原子炉格納容器の設計において、面内せ ん断応力度に関する試験研究の結果を反映する場合には、試験体の範囲を考慮し、プレス トレス力による平均圧縮応力度比σp Fcを、円周方向0.23以上、子午線方向0.32以上と する条件を課すこととする。 (自然条件による荷重の考え方) 「CCV 規格」では、「告示452号」と同様に積雪荷重及び風荷重については建築基準 法・同施行令に基づき設定することとされているが、関係機関において設備に応じた自然 荷重の設定が可能となるよう検討が進められており、今後、CCV のみならず原子炉建屋も 含めた荷重全般に係る取扱いを、保安院として明確にすることが重要である。 (日本機械学会への要望事項) 本技術評価においては、プレストレス力の一定要件を明確化したが、今後の「CCV 規格」 の見直しにおいても同追加要件が適切に反映されることが望まれる。 また、今後においては、日本建築学会等の規準類の見直し、安全研究の成果等を反映し て、本「CCV 規格」が最新の知見を踏まえたより合理的かつ安全なものとなるよう適切な 見直しが行われること、供用期間中の CCV の維持に関する諸規定が規格に反映されるこ とが期待される。 なお、「CCV 規格」に関する規格策定の問題のみではないが、規格策定時における議論 の公開に関しては、既存の規格基準類の変更点に関する議論、特に反対意見とそれに対す 17

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る回答等が公開されていることが、規制当局としての技術評価を迅速に行う観点からも望

まれる。分科会においては、関連事業者を中心とした委員構成となって規格策定が

行なわれているが、今後は、保安院、原子力安全基盤機構が分科会レベルから参画し規制 の立場で貢献することとする。

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参考文献(表 2 参照) [1] 電力新報社:解説「原子力設備の技術基準」、1993 年 [2] 国土交通省建築研究所、建築研究報告「鉄筋コンクリート造建築物の超軽量・超高層化 技術の開発」、2001 年 [3] 日本コンクリート工学協会、「コンクリート便覧」(第二版)、技報堂出版、1996 年 [4] 佐藤邦彦 他、「コンクリート製原子炉格納容器耐震実証試験 (Ⅰ.PCCV 耐震実証試験)」 (その 7)~(その 10)、日本建築学会大会学術講演梗概集 21541~21544 (pp.1081~1088)、 1998 年 [5] 高橋敏夫 他、「コンクリート製原子炉格納容器耐震実証試験 (Ⅱ.RCCV 耐震実証試験)」 (その 2)、(その 3)、日本建築学会大会学術講演梗概集 21547, 21548 (pp.1093~1096)、 1998 年 [6] 柴慶治 他、「コンクリート製原子炉格納容器耐震実証試験 (Ⅱ.RCCV 耐震実証試験)」 (その 15)、日本建築学会大会学術講演梗概集 21549 (pp.1097~1098)、2000 年 [7] 日本建築学会シンポジウム、「プレストレスト(鉄筋)コンクリート部材の設計法−現 状と将来−」、日本建築学会、2000 年 [8] 小阪義夫 他、「コンクリートの支圧強度と供試体寸法との関係」、セメント技術年報、 1967 年 [9] 森田司郎 他、「異形鉄筋の付着割裂強度に関する研究 第 1 報、第 2 報」、日本建築学 会論文報告集 第 319 号、pp.47~55、1982 年、第 324 号、pp.45~53、1983 年 添付資料リスト 添付資料―1日本機械学会「CCV 規格」と「告示 452 号」の対応と「告示 452 号」からの 主な変更点とその根拠・理由 添付資料―2「告示 452 号」からの主要な変更・追加内容の補足説明 添付資料―3「CCV 規格」と「ASME 規格」(Sec. III Div. 2)との項目対比 添付資料−4 図面・用語集

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 1 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-1000 総則 総則 − − CVE-1100 適用範囲 1 適用範囲 設計・建設規格(JSME S NC1-2001)との関係の 明記 ①,② CVE-1200 用語の定義 2 定義 − − CVE-1210 使用する用語 2 1 設計・建設規格との関係の明記 ①,② CVE-1220 部位に関する用語 2 2 一∼ 七 「底部」の定義を追加 ①,③ CVE-3120 用語の定義 2 2 八∼ 十三 「応力」,「応力度」の定義を追加 ① CVE-2000 材料 − − CVE-2100 一般事項 − − CVE-2200 コンクリート 3 コンクリート 変更なし − CVE-2210 コンクリートに用 いる材料 3 − − CVE-2211 セメント 3 1 一 変更なし − CVE-2212 骨材 3 1 二 変更なし (JIS改正およびJASS 5N(2001)改定内容を別表 1に反映) (④) CVE-2213 水 3 1 三 変更なし − CVE-2214 混和材料 3 1 四 変更なし(JIS改正内容を別表2に反映) (④)

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 2 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-2220 コンクリートの品 質 3 2 変更なし (JIS改正およびJASS 5N(2001)改定内容を別表 3に反映) (④) CVE-2300 鉄筋 4 鉄筋 変更なし − CVE-2400 緊張材,定着具お よび防せい材 5 緊張材及び定着具 − − CVE-2410 緊張材 5 1 一 変更なし − CVE-2420 定着具 5 1 二 変更なし − CVE-2430 防せい材 告示解説[1]の明文化 (「防せい材の品質」を追加、「試験法としてJIS K 0102(1998)による他、ASME Sec. III Dev. 2 (2001)の方法を用いてもよい)旨の明確化) ③ CVE-3000 設計 − − CVE-3100 一般事項 − − CVE-3110 コンクリート製原 子炉格納容器の設 計 6 コンクリート部の構造 の規格 変更なし − CVE-3130 記号の定義 規格中で使用される記号を一括して記載 ① CVE-3200 荷重および荷重の 組合せ − −

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 3 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3210 コンクリート部に 作用する荷重 7 コンクリート部に作用 する荷重 変更なし 設計・建設規格(JSME S NC1-2001)における MC容器の試験圧力(PHT-2512)の内容を別表4に 反映 (②) CVE-3300 コンクリート部の 解析手法 − − CVE-3310 構造解析手法 告示解説[1]の明文化 (「構造解析手法に関する考え方」を追加) ③ CVE-3320 解析に用いる材料 定数 告示解説[1]の明文化 (「解析に用いる材料定数」の具体的な値を追加, RC規準(1999)及びPC規準(1998)の改定を反映, 参考文献:[2],[3]) ③,④ (1) CVE-3330 熱応力の扱い 告示解説[1]の明文化 (「熱応力の扱いに関する考え方」を追加) ③ CVE-3411 コンクリートの設 計基準強度 8 コンクリートの設計基 準強度 変更なし − CVE-3412 温度制限値 告示解説[1]の明文化 (「コンクリートの温度制限値」を追加) ③ CVE-3400 コンクリート部の 許容応力度 9 許容応力度 − − CVE-3410 コンクリート − −

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 4 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3413 コンクリートの許 容圧縮応力度 9 1 一 変更なし − CVE-3414 コンクリートの許 容せん断応力度 9 1 二 建設省告示第1450号(平成12年)に基づいて許容せ ん断応力度の式を変更 建築基準法上、許容せん断応力度は、設計基準強 度Fcに応じ、Fc/30かつ0.49+Fc/100以下と規定さ れるが、CCV規格ではFc=21N/mm2以上の設計基 準強度を用いるので、同等の許容値となる0.49 +Fc/100のみを許容せん断応力度の式として採用 ④ (2) CVE-3420 鉄筋 − − 建築基準法施行令(平成12年改正)に基づいて許 容応力度を変更 ④ (3) CVE-3421 鉄筋の許容引張応 力度および許容圧 縮応力度 9 1 三 RC規準(1999)に準拠し太径鉄筋D51の許容応力 度を変更 ④ (4) CVE-3422 鉄筋の面外せん断 力に対する許容引 張応力度 9 1 四 建築基準法施行令(平成12年改正)に基づいて許 容応力度を変更 ④ (5) CVE-3500 コンクリート部の 設計 − − CVE-3510 シェル部 10 シェル部 − −

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 5 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3511 シェル部の膜力お よび曲げモーメン ト 告示解説[1]の明文化 (「等価膜力」に関する考え方を追記) ③ CVE-3511.1 荷重状態I,荷重状 態 II お よ び 荷 重 状 態III 10 1 一 告示解説[1]の明文化 (「荷重状態I∼IIIにおいて生じるシェル部の応力 度の計算仮定」を追記) ③ CVE-3511.2 荷重状態IV 10 1 二,三 告示解説[1]の明文化 (「荷重状態IVにおいて生じるシェル部のひずみ の計算仮定」を追記) ③ CVE-3511.3 荷重状態IVにおい て生じる膜力 10 1 四 変更なし − CVE-3512 シェル部の面内せ ん断応力度 − − CVE-3512.1 荷重状態I,荷重状 態 II お よ び 荷 重 状 態III 10 1 五 変更なし −

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 6 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* 式中の符号の定義を統一 (引張の符号を正(+)として統一) ① CVE-3512.2 荷重状態IV 10 1 六 国内の研究成果の最新知見の反映 (プレストレストコクリートに関する近年の技術 的知見(NUPEC)[4],[5],[6]の反映:耐力評価式の係 数の変更) ⑤ (6) CVE-3513 シェル部の面外せ ん断応力度 − − CVE-3513.1 荷重状態I,荷重状 態 II お よ び 荷 重 状 態III 10 1 七 変更なし − CVE-3513.2 荷重状態IV 10 1 八 変更なし − CVE-3514 シェル部の基部の 面外せん断応力度 − − CVE-3514.1 荷重状態I,荷重状 態 II お よ び 荷 重 状 態III 10 1 九 変更なし − CVE-3514.2 荷重状態IV 10 1 十 変更なし − CVE-3515 プレストレストコ ンクリートの膜力 による引張応力度 10 1 十一 変更なし −

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 7 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3516 緊張材の定着部に おけるコンクリー トの許容支圧応力 度 10 1 十二 PC規準(1998)の改定に伴う許容支圧応力度の評 価式の変更(参考文献:[8],[9]) ④ (7) CVE-3517 緊張材の引張応力 度 10 1 十三 変更なし − CVE-3520 トップスラブ部お よび底部 11 トップスラブ部及び底 部 − − CVE-3521 トップスラブ部お よび底部における 軸力および曲げモ ーメント − − CVE-3521.1 荷重状態I,荷重状 態 II お よ び 荷 重 状 態III 11 1 一 告示解説[1]の明文化 (「荷重状態I∼IIIにおいて生じるトップスラブ部 及び底部の応力度の計算仮定」の追記) ③ CVE-3521.2 荷重状態IV 11 1 二,三 告示解説[1]の明文化 (「荷重状態IVにおいて生じるトップスラブ部及 び底部のひずみの計算仮定」の追記) ③ CVE-3522 トップスラブ部お よび底部の面外せ ん断力 11 1 四 変更なし −

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 8 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3530 貫通部等 12 貫通部等 − − CVE-3531 貫通部の応力 12 告示解説[1]の明文化 (「平均応力の算定方法」に関する考え方の追記) ③ CVE-3532 貫通部の構造の検 討 告示解説[1]の明文化 (「構造の検討方法」に関する考え方の追記) ③ CVE-3533 貫通部以外の構造 の検討 告示解説[1]の明文化 (「貫通部以外の応力集中箇所についての構造の 検討方法」に関する考え方の追加) ③ CVE-3540 配筋詳細 − − CVE-3541 最小鉄筋比および 鉄筋の配置 13 最小鉄筋比および鉄筋 の配置 − − CVE-3541.1 シェル部およびト ップスラブ部の主 筋の最小鉄筋比 13 1 一,二 変更なし − CVE-3541.2 底部の主筋の最小 鉄筋比 13 2 変更なし − CVE-3541.3 シェル部の胴にお ける幅止め筋の鉄 筋比 13 3 告示解説[1]の明文化 (プレストレストコンクリートに対する幅止め筋 の算定式を追記) ③

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 9 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3541.4 シェル部の胴にお ける幅止め筋の間 隔 13 4 変更なし − CVE-3550 プレストレスシス テム 13 5 − − CVE-3551 緊張材の配置 13 5 変更なし − CVE-3542 鉄筋の定着および 継手 14 鉄筋の定着及び継手 CVE-3542.1 鉄筋の定着 14 1 CVE-3542.2 鉄筋の継手 14 1~3 定着及び継手長さの具体的な算定方法について, RC規準(1999)の改定内容を踏まえて,森田らの 報告[7]の割裂強度式に基づき変更 ③,④ (8) CVE-3543 鉄筋のかぶり厚さ およびあき 15 1,2 鉄筋のかぶり厚さ及び あき 変更なし − CVE-3552 プレストレス損失 告示解説[1]の明文化 (「プレストレス損失の要因」に関する考え方の 追記) ③ CVE-3553 シースのかぶり厚 さおよびあき 16 1,2 シースのかぶり厚さ及 びあき 変更なし − CVE-2500 ライナプレート, ライナアンカ等 17 ライナプレート,ライナ アンカ等の材料 「使用する材料」に関する規定の引用元を「設計・ 建設規格」に変更 ②

(31)

添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 10 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3600 ライナプレート, ライナアンカ等の 設計 18 ライナプレート,ライナ アンカ等の構造の規格 「許容応力度および許容荷重」に関する規定の引

用元をCVE-3220, CVE-3610 ~ CVE-3650に変更 ②

CVE-3220 ライナプレート, ライナアンカ等に 作用する荷重 19 ライナプレート,ライナ アンカ等に作用する荷 重 変更なし − CVE-3610 ライナプレート 20 ライナプレート 変更なし − CVE-3611 強制ひずみ荷重に 対するライナプレ ートの許容値 20 1 一 変更なし − CVE-3612 機械的荷重に対す るライナプレート の許容値 20 1 二 変更なし − CVE-3612.1 貫通部スリーブお よび附属物が取り 付くライナプレー トの許容応力度お よび許容荷重 20 1 二の イ 「許容応力度および許容荷重」に関する規定の引 用元をCVE-3650に変更 ②

(32)

添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 11 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3612.2 附属物がライナプ レートを貫通して 取り付けられない 場合の附属物の取 り付け部分におけ るライナプレート の板厚方向の引張 荷重に対する許容 応力度および許容 荷重 20 1 二の ロ 「許容応力度および許容荷重」に関する規定の引 用元をCVE-3650に変更 ② CVE-3613 コンクリート部が 強度を負担しない 圧力または機械的 荷重に対するライ ナプレートの許容 値 20 1 三 「許容応力度」に関する規定の引用元を「設計・ 建設規格」に変更 ② CVE-3614 ライナプレートの 疲労解析 20 1 四 「許容値」に関する規定の引用元を「設計・建設 規格」に変更 ② CVE-3620 ライナアンカ 21 ライナアンカ 変更なし −

(33)

添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 12 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3621 機械的荷重に対す るライナアンカの 許容値 21 1 一 変更なし − CVE-3622 強制ひずみ荷重に 対するライナアン カの許容値 21 1 二 変更なし − CVE-3623 ライナアンカの評 価 21 1 三 「許容応力度および許容荷重」に関する規定の引 用元をCVE-3650に変更 ② CVE-3630 貫通部スリーブお よび附属物 22 貫通部スリーブ及び附 属物 「許容応力度および許容荷重」に関する規定の引 用元をCVE-3650に変更 ② CVE-3640 貫通部アンカ 23 貫通部アンカ 変更なし − CVE-3641 貫通部アンカの許 容荷重 23 1 一 「許容荷重」に関する規定の引用元をCVE-3621 に変更 ② CVE-3642 貫通部アンカの許 容応力度および許 容荷重 23 1 二 「 許 容 応 力 度 お よ び 許 容 荷 重 」 の 引 用 元 を CVE-3650に変更 CVE-3650 ライナプレート, ライナアンカ等の 機械的荷重に対す る評価 「告示501号」第88条(第3項、第4項)に対応す る「設計・建設規格」の規定内容(SSB-3000:ク ラス1支持構造物)を荷重状態に応じてCVE-3650 として新規に規定化 ②

(34)

添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 13 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-2600 ナックルおよび胴 アンカ 24 ナックル及び胴アンカ の材料 変更なし − CVE-2610 ナックル 24 1 「使用する材料」に関する規定の引用元を「設計・ 建設規格」に変更 ② CVE-2620 胴アンカ(その1) 24 2 「使用する材料」に関する規定の引用元を「設計・ 建設規格」に変更 ② CVE-2630 胴アンカ(その2) 24 3 「使用する材料」に関する規定の引用元を「設計・ 建設規格」に変更 ② CVE-3700 ナックルおよび胴 アンカの設計 25 ナックルの構造の規格 変更なし − CVE-3710 ナックル 「構造」に関する規定の引用元を「設計・建設規 格」に変更 ② CVE-3720 胴アンカ 26 胴アンカの構造の規格 「構造」に関する規定の引用元を CVE-3650,CVE-3721,CVE-3722に変更 ② CVE-3721 設計条件により生 じる一次応力に対 する胴アンカの許 容値 26 1 一 「許容値」に関する規定の引用元をCVE-3650に変 更 ②

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添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 14 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* CVE-3722 試験状態において 生じる一次応力に 対する胴アンカの 許容値 26 1 二 「許容値」に関する規定の引用元をCVE-3650に変 更 ② 細骨材及び粗骨材の反応性試験として、JASS 5N (2001)に準拠し、化学法(JIS A1145(2001)) の適用も可 (9) 骨材の反応性試験により、無害でないと判定され た場合の扱いを、JASS5 N(2001)に準拠し記載 ④ (10) 別表1 コンクリートに用 いる骨材 別表 第1 コンクリートに用いる 骨材 告示解説の「細骨材及び粗骨材の定義」、「微粒 分量試験によって失われる量に関する砕石粉の場 合の扱い」及び「細骨材の塩化物試験方法として、 JASS5(2003)の方法でもよい旨」を追記 ③ JIS A6201(1999)の改正に伴い、コンクリート 用フライアッシュの適用を、建築構造物に適用可 能なⅠ種とⅡ種に限定 (12) 別表2 コンクリートに用 いる混和材料 別表 第2 コンクリートに用いる 混和材料 JIS A6204(2000)の改正に伴い、コンクリート 用化学混和剤として、高い減水性と良好なスラン プ維持機能を有する高性能AE減水剤の使用を可 ④ (13)

(36)

添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

添付資 料− 1− 15 CCV規格 告示452号 規格番号 タイトル 条 項 号 タイトル 変更・追加内容 根拠* 「反応性」の具体的試験方法(JASS 5N(2001) を参照)を明記 ④ (11) 別表3 コンクリートの品 質 別表 第3 コンクリートの品質 JASS 5N(2001)の改定に準拠し、「養生温度補正 強度」の定義に変更 ① 試験圧力を日本機械学会の設計・建設規格のMC容 器(PHT-2512)に準拠し、試験圧力を最高使用圧 力の1.125倍から1.1倍に変更 ② 別表4 コンクリート部に 作用する荷重 別表 第4 コンクリート部に作用 する荷重 告示解説[1]の明文化 (「異常時荷重の扱い」及び「ジェット力を考慮 する原子炉」の追記) ③ 別表5 ライナプレート, ライナアンカ等に 作用する荷重 別表 第5 ライナプレート,ライナ アンカ等に作用する荷 重 変更なし −

(37)

添付資料−1:「CCV規格」と「告示452号」の対応と「告示452号」からの主な変更点とその根拠・理由

根拠の分類 具体的内容 ① 記載の適正化 ・単位の SI 化 ・用語、記号・符号の定義の統一 ・編集上の変更 ② 「設計・建設規格」の引用等 ・「設計・建設規格」からの引用 (「告示 501 号」からの引用元の変更) ・「設計・建設規格」からの読み替え規定の明確化(CVE-3650) ③ 運用実績の反映 ・告示解説 [1]における補足説明の明文化(条文化) ・工認や特認の実績等の反映 ④ 「告示 452 号」の基となった基規準・規格の 最新版の反映 ・最新版 JIS の読み込み ・建築基準法・同施行令(平成 12 年改正) ・建設省告示(平成 12 年)および国土交通省告示(平成 13 年) ・日本建築学会の RC 規準(1999)、PC 規準(1998)、S 規準(2002)、JASS 5N(2001) ⑤ 国内外の研究成果の最新知見の反映 ・NUPEC の耐震実証試験成果[4],[5],[6]の取り込み 添付資 料− 1− 16 [参考文献] [1] 電力新報社:解説「原子力設備の技術基準」、1993 年 [2] 国土交通省建築研究所、建築研究報告「鉄筋コンクリート造建築物の超軽量・超高層化技術の開発」、2001 年 [3] 日本コンクリート工学協会、「コンクリート便覧」(第二版)、技報堂出版、1996 年 [4] 佐藤邦彦 他、「コンクリート製原子炉格納容器耐震実証試験 (Ⅰ.PCCV 耐震実証試験)」(その 7)~(その 10)、日本建築学会大会学術講演梗概集 21541~21544 (pp. 1081~ 1088)、 1998 年 [5] 高橋敏夫 他、「コンクリート製原子炉格納容器耐震実証試験 (Ⅱ.RCCV 耐震実証試験)」(その 2)、(その 3)、日本建築学会大会学術講演梗概集 21547, 21548 (pp. 1093~ 1096)、 1998 年 [6] 柴慶治 他、「コンクリート製原子炉格納容器耐震実証試験 (Ⅱ.RCCV 耐震実証試験)」(その 15)、日本建築学会大会学術講演梗概集 21549 (pp. 1097~ 1098)、2000 年 [7] 森田司郎 他、「異形鉄筋の付着割裂強度に関する研究 第 1 報、第 2 報」、日本建築学会論文報告集 第 319 号、pp. 47~ 55、1982 年、第 324 号、pp. 45~ 53、1983 年 [8] 日本建築学会シンポジウム、「プレストレスト(鉄筋)コンクリート部材の設計法−現状と将来−」、日本建築学会、2000 年 [9] 小阪義夫 他、「コンクリートの支圧強度と供試体寸法との関係」、セメント技術年報、1967 年

(38)

添付資料−2 「告示 452 号」からの主な変更・追加内容の補足説明

添付資料−1 に示す変更・追加箇所のうち、根拠欄の④及び⑤に関わる箇所(④:「告示 452 号」の基となった基規準・規格の最新版の 反映、⑤:国内外の研究成果の最新知見の反映)を抽出。 項目(1) CVE-3320 解析に用いる材料定数 ... 添付資料-2-2 項目(2) CVE-3414 コンクリートの許容せん断応力度 ... 添付資料-2-4 項目(3) CVE-3421 鉄筋の許容引張応力度および許容圧縮応力度(許容応力度の値) ... 添付資料-2-6 添付資 料− 2− 1 項目(4) CVE-3421 鉄筋の許容引張応力度および許容圧縮応力度(太径鉄筋 D51 の許容応力度の見直し) ... 添付資料-2-8 項目(5) CVE-3422 鉄筋の面外せん断力に対する許容引張応力度 ... 添付資料 2-10 項目(6) CVE-3512.2 荷重状態 IV(におけるシェル部の面内せん断応力度) ... 添付資料-2-12 項目(7) CVE-3516 緊張材の定着部におけるコンクリートの許容支圧応力度 ... 添付資料-2-15 項目(8) CVE-3542 鉄筋の定着および継手 ... 添付資料-2-17 項目(9) 別表 1 コンクリートに用いる骨材(アルカリシリカ反応性試験方法に化学法の追加) ... 添付資料-2-23 項目(10) 別表 3 コンクリートの品質(反応性の試験方法) ... 添付資料-2-24 項目(11) 別表 1 コンクリートに用いる骨材(反応性試験において無害でないと判定された場合の扱い) ... 添付資料-2-26 項目(12) 別表 2 コンクリートに用いる混和材料(コンクリート用フライアッシュの種別を限定) ... 添付資料-2-28 項目(13) 別表 2 コンクリートに用いる混和材料(高性能 AE 減水剤の使用を可) ... 添付資料-2-31

(39)

項目(1) 「CCV 規格」における「告示 452 号」からの変更・追加箇所の根拠・理由の補足説明 CVE-3320 解析に用いる材料定数 通商産業省告示第452 号 (平成2 年 10 月 22 日) 発電用原子力設備規格 コンクリート製原子炉格納容器規格(JSME S NE1-2003) 変更・追加 第10 条(シェル部)解説3項 (2)解説に用いる材料定数は,一般的に次の表の値が用いられる。 表 10.1 材料定数 材 料 ヤング係数(kg/cm2) ポアソン比 線膨張係数 (1/℃) 鉄 筋 2.1×106 ― 1×10-5 PC 鋼材 2.0×106 ― 1×10-5 コンクリート 1/6 1×10-5 (備考)1.

γ

:コンクリートの単位体積重量(t/m3 2.Fc:コンクリートの設計基準強度(kg/cm2) CVE-3320 解析に用いる材料定数 解析に用いる材料定数は,表CVE-3320-1 に示す値を用いるもの とする。 表 CVE-3320-1 材料定数 材 料 ヤング係数(N/mm2) ポアソン比 線膨張係数 (1/℃) 鉄 筋 2.05×105 ― 1×10-5 緊張材 (PC 鋼材) 2.00×105 ― 1×10-5 コンクリート 0.2 1×10-5 (備考)1.

γ

:コンクリートの気乾単位体積重量(kN/m3 2.Fc:コンクリートの設計基準強度(N/mm2) 根拠・理由 ・ 告示解説(10 条)の「材料定数」に関する記述を掲載している。ただし、RC 規 準(1999)及び PC 規準(1998)に準拠しているもので、これらの規準の改定を 反映している。 ・ 鉄筋のヤング係数はRC 規準(1999)によっているが、「告示 452 号」に示される値 をSI 化し、丸めた値となっている。 ・ PC 鋼材のヤング係数は PC 規準(1998)によっているが、PC 規準に規定される PC 鋼材であれば一般に 190∼210kN/mm2(1860∼2060t/cm2)の範囲にあるため、平 均的な値として200kN/mm2を採用している。 ・ コンクリートのヤング係数は RC 規準(1999)によっているが、従来の RC 規準式 (表10.1 中の式)では、高強度ではヤング係数を過大に評価する傾向にあるため、 コンクリートの高い範囲で適用性のよいRC 規準(1999)式(表 CVE-3320-1 中の 式)を採用している。 ・ コンクリートのポアソン比は RC 規準(1999)によっているが、普通コンクリート 0.18∼0.20、高強度コンクリート 0.20∼0.23 の平均的な値として 0.20 を採用して いる。 200 / 3 . 2 10 1 . 2 5 . 1 5 Fc ×       × × γ 3 1 2 4 60 24 10 35 . 3       ×       × × γ Fc RC 規準(1999)より抜粋 添付資 料− 2− 2

表 2  「CCV 規格」と「告示 452 号」の相違点が④ 及び⑤ に分類される事項  「CCV 規格」  規格番号  タイトル  変更・追加内容  根拠 CVE-3320  <1>  解析に用いる材料定数 告示解説 [1] の明文化 ( 「解析に用いる材料定数」 [2],[3] の具体的な値を追 加, RC 規準(1999)及び PC 規準(1998)の 改定を反映)  ③,④ CVE-3414  <2>  コンクリートの許容せん断応力度  建設省告示第1450号(平成12年)に基づいて許容せん断応力度

参照

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