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(1)

最終処分場の廃止基準 と今後の課題

廃止基準の施行から21年目に考えること

廃棄物資源循環学会埋立部会2019/9/20

福岡大学 柳瀬龍二

1

(2)

2

1.最終処分場の廃止に関する背景と課題

(1)閉鎖後の処分場の廃止の目的

・閉鎖後の長期間に亘る維持管理の継続性

・非生産性となった処分場の維持管理コストの削減

(2)法的な廃止基準の適応性

・平成10年6月の法施行から21年を経過

・処分場の「廃止の判定」の調査手法と評価判定手法が不確立

(3)廃止の現状

現実的には、一般廃棄物及び産業廃棄物最終処分場の廃止が許可されている

「廃止の許可」=都道府県・政令市等が判定する。

廃止判定に参考にした情報(LAS研究会等の調査ほか)

・廃棄物最終処分場廃止基準の調査評価手法(廃棄物学会埋立部会H14.3)

・廃棄物最終処分場安定化監視マニュアル(環境省H4.3)

・2010改訂版廃棄物最終処分場整備の計画・設計・管理要領(全都清)

・一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を 定める命令の運用に伴う留意事項について(H10/7/16環水企300号

・生衛発1148号)

一方で、廃止が許可された処分場の具体的な事例の情報が少ない

(3)

3

管理型

安定型

遮断型

最終処分場

14

47

1

0 10 20 30 40 50

廃止した処分場数

2.廃止に関するアンケート調査から

(全産連の2017年アンケート調査より)

12

40 20

20 8

29 0

22 13

29

安定型(n=25) 管理型(n=7)

~1万

~5万

~10万

~20万

~50万

3廃止した処分埋立容量(m) 50万~

0 10 20 30 40 50

廃止した処分場割合(%)

0 5 10 15 20

廃止した処分場割合(%)

埋立終了から廃止期間(年) ~5

6~10 11~15 16~20 21~25 26~

18 4

1 1 1 0

廃止した安定型処分 場の閉鎖期間(n=25)

埋立終了から廃止期間(年) ~5

6~10 11~15 16~20 21~25 26~

29 58

14 0

0 0

廃止した管理型処分 場の閉鎖期間(n=6)

0 10 20 30 40 50 60 廃止した処分場割合(%)

(4)

4

0 20 40 60 80

最終処分場数割合(%)

0回 1回/年 2回/年 6回/年 6回以上

分析頻度

0

75

25

0 0 0

21

1

14

65 78

22 0

0

0 温度(n=23)

埋立ガス(n=12) 浸出水(n=34)

0 10 20 30 40 50 60 1ヶ所

2ヶ所 3ヶ所 4ヶ所 5ヶ所以上

測定箇所数

58 27

8 0

8

46

35

15

0 4

最終処分場数割合(%)

温度測定(n=23) ガス測定n=26) 測定箇所数

~1年

~2年

~3年

~4年

~5年

~10年 10年~

自治から許諾期間

0 10 20 30 40 50

最終処分場数割合(%)

41 15

13 2

20 7

3

廃止までの許諾年数

9 7

61 28

8 3

0 20 40 60 80

最終処分場数割合(%)

1回 2回 3回 5回

~10回 10回以上

自治との協議回数

廃止までの自治体との協議回数

許可自治体 施設所在 地自治体 地域住民 学識経験者 その他

廃止協議対象者

0 20 40 60 80

最終処分場数割合(%)

75 15

10 0 0

廃止協議の対象者

(5)

5

項 目 対 応 LSA研究会資料参考

浸 出 水

測定位置

浸出水集排水管出口or浸出水調整設備or水処理施設の原水槽(70%)

→浸出水集水管出口(23%)、原水(12%)、

水質基準

個別の維持管理基準を適合(72%)

個別の維持管理基準があっても、基準省令(別表第一)や

条例等に適合すること(14%)

採水不可 の場合

事例無しのため特に基準無し(44%)、事例で判断(17%)、

採水できないため廃止できない(16%)

保有水の検査なしで廃止できる(7%)

周辺モニタリング結果を参考(1%)

3.1浸出水

廃止された事例

・放流水先の規制基準が緩和 → 維持管理基準が不満足から満足へ

・申請した最終処分場建設計画書に明記 埋立期間中:維持管理基準を適用

埋立閉鎖後:法的基準(排水基準)を適用

・維持管理基準の緩和(事例:旭川市)→地元との協議、ミニアセス等

・浸出水・余水が採水できない → 基準を適用しない

3.「廃止」の判定への対応(例)と課題

(6)

BOD

(%)

COD

(%)

SS

(%)

TN

(%)

134 120 135 66

<5 1.5 0.8 2.2 3.0

5 9.0 1.7 6.7 13.6

5-10 0.7 0 0 1.5

10 46.3 32.5 59.3 57.6

15 1.5 4.2 0.7 1.5

20 27.6 29.2 11.9 10.6

25 0 2.5 3.0 0

30 9.7 12.5 8.1 4.5

30< 3.7 16.7 8.1 6.1

3 3 1 1

600 100 300 150

60 90 60 60

排水基準 (mg/L)

  埋立開始年:1975~2011 設定濃度

(mg/L) 施設数

項目

Min (mg/L) Max (mg/L)

6

一般廃棄物最終処分場の主な放流水基準例

(約200施設のパンフより)

パターン

BOD-COD-SS 割合(%)

5-10-5 6.0 5-10-10 3.6 5-0-10 2.4 10-10-5 2.4 10-10-10 27.7 10-10-20 2.4 10-15-10 4.8 10-20-10 19.3 20-20-10 7.2 20-20-20 6.0 20-30<- 18.1

施設数と概要:135施設(CS:11,海面:1 ,下水放流:7 ,無放流:2)

pH:5.8-8.6(施設の84%)

COD(埋立開始年):低濃度化 SS:DXN対策と関連を検討

調査結果:設定した維持管理基準→廃止できない処分場が多数ある

⇒最終処分場計画時の維持管理基準設定の緩和が必要

(7)

7

項 目 対 応

温 度

測定位置

(平面・

深度)

(平面)

特に定めていない(68%)、面積(2,000~3,000m2)に1ヶ所(2%)

埋立地全体で代表2ヶ所以上(1%)、全ての竪型ガス抜き管で測定(2%)

(深度)

特に定めていない(87%)、1m毎に1ヶ所(4%)

測定頻度

特に定めていない(87%)、4回/年(4%)、2回/年(2%)

非異常

特に定めていない(84%)、周辺の地中温度20℃未満(9%)

廃止された事例

・浸出水集水ピット内で、採水直後の浸出水の水温を代用

浸出水採水時の水温(計量証明書に記載データを採用

測定手法 課 題

①廃棄物層の温度測定 測定位置(平面・深度)、測定頻度

②ガス抜き管内・ボーリング孔内温度測定 測定位置(平面・深度)、測定頻度

③浸出水の水温と周辺地下水の水温の比較 測定頻度

④埋立地内の熱流出量からの推定 測定頻度、月別情報(浸出水水温、浸出水量)

3.2埋立地の温度

(8)

(1)廃棄物層温度測定例(安定型処分場)

廃止基準への評価 ( 11年間の測定結果)例

設置ヶ所 :4ヶ所(8,9,10,11層目) 廃棄物層厚:5m/1ヶ所

安定型処分場

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

各層埋立終了からの経過年数

10層目 11層目 9層目

8層目

外気温

0 10 20 30 40 50

()

<廃止に対する温度の評価:廃止基準7(温度に関する事項)>

対応:「埋立地内部温度が周辺の地中との温度差が摂氏20℃未満」

→周辺の地中10m以深の温度(事例が少ない)

→地下水の水温(17℃前後)=地中温度と同等と判断

同処分場の15m以深の廃棄物層温度(現時点):

8層目(GLから20m)=26℃、9層(GLから15m)=21℃

廃棄物層温度と地下水の温度差=4~9℃<20℃

温度に関する廃止条件を満足 8

(9)

深度0m~10m(変動が大きい)→外気の影響

深度10~15m付近が60℃~65℃

保有水の水温は45℃前後で高い

(2)ボーリング孔内の温度測定例(管理型処分場)

深度0m~8m→外気の影響

保有水の水温20℃前後

9

廃棄物層厚が厚い場合(約30m) 廃棄物層厚が薄い場合(約10m)

0 10 20 30 40 50 60 70

孔内温度(℃)

伏谷埋立地

2015/12/12 2015/08/21 2014/12/20 2014/09/12 2014/01/30 2013/08/19 2013/02/09 2012/07/09 2012/01/07 2011/07/13 2011/01/082010/08/07 2010/01/06 0

5

10

15

20

25

30

(m)

中田埋立地

2015/12/12 2015/08/21 2014/12/20 2014/09/12 2014/01/30 2013/08/19 2013/02/09 2012/07/09 2012/01/07 2011/07/13 2011/01/082010/08/07 2010/01/06

0 10 20 30 40 50 60 70

孔内温度(℃) 0

5

10

15

20

25

30

(m)

保有水水温

保有水水温

温度は廃棄物層厚が薄い場合は評価できない

(10)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42

経過年数 44 46 48 50 52 54

5 10 15 20 25 30 35 40 45

水温(

旧蒲田埋立地 新蒲田埋立地 久山埋立地

武節ヶ浦FG地区 武節ヶ浦CDE地区 武節ヶ浦B地区 武節ヶ浦A地区 伏谷埋立地 中田埋立地

浸出水水温

(3)浸出水水温と

地下水水温を用いた場合

周辺土壌温度≒地下水の温度と判断

・地下水水温(15~17℃前後)+20℃

・浸出水水温<37℃⇒基準を満足 但し、最近の埋立地の浸出水水温は

季節変動に連動←底部集排水管の影響

(4)浸出水へ流出した

熱量を用いた場合

・浸出水の水温と水量、水の比熱より 累積熱量を試算

・累積熱量の増加:埋立地内で発熱中 累積熱量の未増加:発熱が終了

・武節ヶ浦全区画で未増加

⇒埋立地内で発熱が終了し安定と評価

S埋立地 K埋立地

H埋立地 G埋立地 C埋立地

B埋立地

A埋立地

F埋立地

N埋立地

16 14 12 10 8 6 4 2 0

経過年数

24 22 20

18 26 28 30

(GJ)

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000

埋立中

分解中

安定化

(11)

11

項 目 対 応

ガ ス

測定方法

ガス抜き管で測定(77%)、安定化監視マニュアル参照(8%)

底部集排水管と接続していない測定孔で測定(ボーリング孔)(7%)

モニタリング孔で大気の影響のない深度(8%)

測定位置

面積(1,000~2,000m2)に1ヶ所(20%)

埋立区画ごとに1ヶ所(20%)

埋立地全体で代表2ヶ所以上(20%)

測定頻度

特に定めていない(80%)、12回/年(毎月)測定(1%)、3回/年(7%)

ガス質

特に定めていない(77%)

定めている(16%):ガス温度,ガス流量,CH4,CO2,H2S.NH3,O2

ガス量

特に定めていない(88%)

流量計で流量が確認されないこと。(例:1ℓ/分以下)

確認された場合はガス流量の最大値が埋立終了後2年以上に亘って増加しない こと

3.3発生ガス

廃止された事例

・浸出水集水ピットからのガス発生量で評価

上部開口部(3点)より1m深さに熱線式気体流速計を挿入して測定し、

管断面積より流量を算出

・埋立地表面の立ち枯れによる表面土壌中のガス質

(12)

G2 G1

G3 G4 G5

G6 G8 G9

G10 G7

G11 G13

G23 G24 G22 G21

G20 G19

G14 G15 G16

G17

G25

G26 G27 G18

G28 G12

底部集排 水管出口

空気流入速度と外気温の関係(どのくらい空気が流入??)

0 1 2 3

(m/S)

5 10 15 20 25 30 35

流入温度(℃)

y=-0.115x+3.4 r=0.92

伏谷埋立地集水管出口

10/5

8/7 4/28

2/4

12/22

12/18

11/25

8/21

10/5 8/7 4/28

2/4 12/22 12/18 11/258/21

冬場:1.8~2.2m/s

→ 約13.6万m3/日 夏場:0.2m/s前後

→ 約 1.4万m3/日

残渣物主体の埋立地

12

G2 G9 G18 G19 G26 G28

2003/5

2004/3 2003/12 2003/11 2003/10 2003/8 2003/7

0.60 1.00

- - - - - - -

- - - 0.07 0.36 0.76 0.90

0.63 1.02 0.23 0.51 0.46 0.38 0.62

0.63 0.97 0.67 0.11 0.10 0.41

1.05 0.56 - - - -

- - - 0.24 0.12 0.32

- -

- - - - G22

1.05 1.25 各 ガス抜き管の 流速 ( 単位;m/s)

(13)

集水管からの空気流入量の推定

<2003/11/25>

集水管流速:

1.65m/s×φ1m=1.295m3/s ガス抜き管:

①G2:0.67m/s×φ0.3m=0.047m3/s G1,2,3,5,8を対象→0.08m3/s(連結)

②G9: 0.23m/s×φ0.3m=0.016m3/s G4,6,7,9,12は集水管に未連結→対象外

③G11: 0.97m/s×φ0.3m=0.068m3/s G10,11,13,18,19,20,21,28

を対象→0.544m3/s

④G25,26,27,14,15,16,17は無視

竪型ガス抜き管からの排出割合

0.779(m/s)/1.295(m/s)=0.602

<2003/12/22>

集水管流速:

1.90m/s×φ1m=1.492m3/s ガス抜き管:

①G2:0.97m/s×φ0.3m=0.069m3/s

G1,2,3,5,8を対象→0.345m3/s(連結)

②G9: 1.02m/s×φ0.3m=0.072m3/s G4,6,7,9,12は集水管に未連結→対象外

③G28: 0.56m/s×φ0.3m=0.040m3/s G10,11,13,18,19,20,21→0.28m3/s

④G22:1.25m/s×φ0.3m=0.088m3/s G22,23,24を対象→0.264m3/s

⑤G25,26,27,14,15,16,17は無視

竪型ガス抜き管からの排出割合

0.889(m/s)/1.492(m/s)=0.596

(14)

底部集排水管とガス抜き管の連結の有無による深度別温度変化

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40 50 60

(m) 〈G2〉

温度(℃)

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40 50 60

(m) 〈G9〉

温度(℃)

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40 50 60

〈G18〉

(m)

温度(℃)

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40 50 60

〈G19〉

(m)

温度(℃)

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40 50 60

〈G26〉

(m)

温度(℃)

0 5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40 50 60

〈G22〉

(m)

温度(℃) 0

5 10 15 20 25 30 35

0 10 20 30 40 50 60

〈G28

(m)

温度(℃) G22 G2

0 G2

8 G1

8 G1

9 G2

6 G2

G9

底部集排水管に接続 底部集排水管に未接続 Bor.

1

03/5/24 03/7/5 03/8/21 03/10/16 03/11/25 03/12/22 04/3/5

底部集排水管と連結有(G2,G18,G22)、連結無し(G9,G19,G28)

①ガス抜き管内の温度

<連結有>

温度変化が小さい

<連結無>

温度変化が大きい

②空気流入によるガス 量への影響

<連結有>

・ガス量が多い

・季節変動を受ける

<連結無>

・ガス量が少ない?

・季節変動を受けない

ガスの評価

測定方法・測定位置・測定頻度・ガス質・ガス量→再度検討する必要がある

参照

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