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病気と障害, そして健康

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(1)

特 別 講 演

病気

障害

そ し

健康

* *

 

1

病 気と障 害

そ し て 健康

新 しい モデルを求め て

こ れ は1983年に出版 さ れ た 小冊 子の表題 で あ 歓

その内 容 俵

1

〕を要 約し

1970

年 代か ら

80

年 代 初 頭の時 代 背 景

それ か ら現

に 至 る

2D

間の

病気

康 」

をめぐる主 要 な 論 点 を 紹 介 する

過 去20年 を 振 り返る と

こ の 間の変 化は わ ずか であ り

時 代の趨 勢は ゆっ く りと推 移 してい る こ とに気づ く

現 代 医 療

問 題

 

1983

わ が 国 は世 界

の長 寿 国であ り

21世 紀に は超 高

社 会 を迎 える こと

医療 費の膨 張 がクロ

ズ アップ されてい た

問 題の根 底には

病 気と障 害との混 同

医 療を支え る 医学 が純 粋 な 自 然 科 学とな り

人々 の受 診 行 動を支 配して いる病

1:

illness

〕の通俗モデル (

folk

 modeD と医 師が対 象とする疾 病

disease

)の 医 学モ デル (medical  model

モ デル ;

dis

ease model 〕との乖 離 が あっ た

通 俗モ デルで は

病は好 まし くない

取 り除 き

正 すべき ものとして治 療の対 象になる。 そ の よ う な価 値観 や信 念か ら

人々は 行動 する

医学モデルは 疾 病の科 学 的研 究を本 来の目的と す る

治 療 技 術 も科学 的仮説 の検 証 を経て展 開する

し か し

人々 の抱い て いる価 値 観や社

会文

化的

景へ の配慮な し で は

医 療は通 俗モデルへ の対 応が で き ない

医 学 は

に よっ て生じ る人々の困惑

人 間 とし て 社 会 的に機 能することへ の制 約

心身の苦痛とい う心 理的反 応 など

自然 科学が対 象と して扱えない問題を残し た ま ま

の 本 質

普 遍 性 を 追 求して いる

医 療へ の困 惑 を 除 くため に

医療は 通俗モデルを 包 括 的に取 り込 むこと が必 要であろう2,

患 者 と病 気

らの領 域 を通じて

多種 多 様の集 団や制 度 が 構 造 的に関 連して い る

そ こ で 人々が 相 互 に 行 為 す る と き

何らかの立場や資 格 があ り

それに対 応し た行 動 様 式が期 待さ れ てい る

個 人の立 場や地 位に応 じた

定のパ

ンとな り

組 織 化 さ れている 行 動 様 式を

割とい

Parsons は

病者 役割

〔sick rele〕 とい 概 念を提 示して いる15 }

者になり

療行 為

内に 人 る

ことで

人々は病 者 役 割に従っ て

冂常の義 務 を免 除 され

師の指示 に従い

速や か に 回復 する ように努 力 する ことが求め ら れ る が

そ の状 態に なっ たこと に対し て

個 人の

任はない

慢 性 疾 患に よ

身 機 能

さ れ てい る

Kutner

は 障害 者 役 割 (

disabled

 role)という概 念 を提 唱 した6)。

こ こ で 障害と は

長期間 に わ た る身体 的 あるい は精 神 的 な 機 能 障 害のた め

日常生活で役 割 行 動の遂行が 不 可 能 な 状 態 をい う

障 害 者 役 割は

自分の障 害に対して忍 耐 強 く打ち勝ち

障 害に 適 応し

機 能 障害 が ない 身 体 機 能によっ て機 能 的 制 限 を代 償し

ある程 度ま で仕

社会的

に は

活動性

を 高め ることであ るc   臨 床 医 学は

疾 病 を 医学モデルに従って説 明 する。 モ デ ルと は

現実の見 方

解 釈や 理解の仕 方 を含んだ統 合 的シ ステム で あ る

医 学モデ,レは [病 囚

病理

発 測 の図 式 で 疾 病 概念を 表11e}   通 俗モ デル の論 点 は

社 会 学 的ア プロ

とく に役 割 論の 導人 に よっ て 明 ら か に な る

病人とは病 気 〔sickness :1を 患っ てい る 人 を意味 す る が

こ こでい う病 気と は身体の具合が悪い とい うこと で あ り

医 学モデルに従っ た意 味での疾 病で は ない

人々 は 具 合 が 悪い とい う 感 じ で

病 気 と 判 断 す る

 

患 者 と は受 診 してい る病 人であり

医 師に よ る医療 行 為の枠 内にい る

社 会には政 治 や 教 育 や 医 療 な どの機 能 的領 域 が あ り

そ れ

 Sickness

 Disabitity and  Ilcalth

東 北 文 化 学 園 大 学 大 学 院健 康社 会シス テム研 究 科   〔〒9818551 宮 城 県仙 台 市 青 葉 区 国 見 6451

  Ryuichi Nakamura

 MD

 PhD:Tohoku Bunka

Gakuen University

  Graduute Schoul

 IleatLh und  ET−

iro”i[!e”t Scienuじ

  キ

ド :病 気

障 害

健 康 病 気と障害

そ し て健 康 :しい モデ Jレを求め て

                         

海哩島社二

 

1983

1

章  現 代 医療の問 題  長寿 国日本

医療 費 問題

病 気と障 害

科 学と し ての医 学 第

2

章   患 者 と 病気   患 者と は

疾 病 行 動

病 者と障 害 者の役 割

医 学か ら み た   病 気 第

3

章  疾 病 観 の 歴史的変遷   病 気の原始 的モデル

経 験か ら科 学へ

存 在 論とバ ラン ス

 論

的モ デルの誕生

万能で ない

モデル

精 神   科領 域 での混 乱 第4章  新しい モ デ ルを求めて  二つ の流れ 生物 心理社 会 的モ デ ル

障 害というと ら え方 第

5

章   慢 性 疾 患の諸 問 題   医 学 的モデル の限 界  慢 性 疾 患の自然 経 過

予 防とい う考

 

現 実 的な

応の道

につ い ての

え 方

障 害 と   偏 見の問 題 第6

章  

人間 行 動の発 達 的 変 化  リハ ビリ テ

シ ョン で の試み 運 動 行 動の階 層 性

運 動 行   動の発達

人 間 活 動 と環 境

生 活 時 間 とい う 見方 お わりに

(2)

構 成してい る

多 くの急 性 疾 患は

医 学モ デ ル に従っ て征 服さ れ

境 代 医療に おける医 学モデル の信 頼 性は高い

し か し

慢 性 疾 患 が 生 み だ す 諸 問 題 の 解 決 に は

本質的 に 異 な るモデルが 必要で あろう。 そ うであれ ば

医 学 華 命な しでは

現 代 医 療の 諸 問 題 は解 決 しない

医 学モデルの確 ウ:が 臓 器 別の研 究 と診療

の並蔵 細 分 化を 生 み だ し た

そ れ につ れて

臓器 別の分 業 化が医 療 内部に確立 し

医 療の需 要と供 給シ ス テ ム

さ らには 制 度の検 討が頻 繁に行われ る ようになっ て い る

疾 病 観 の 歴 史 的 変 遷  歴史 的に み る と

病 気とい う 爵葉が何を意 味す るの か

どの よ うな 状 態 を指 すのか

どのよ うな

k

寸応 (治 療 :1 が 行 われるの か は

い ろい ろ と 変 化 し てい る

占代 人 や 原 始 人 に とっ て

病 気は自 然や超 白然

神や 悪魔に よっ て個人 に降り懸か る災難

個 人 を 支配 して死 に至ら しめるもの である

加 持 祈 祷や お守 り な ど

魔術や

教 儀 式が治療の巾 心 的役 割 を担

てい る 〔原始 モ デ ル :primitive  mode1 }。古 代ギ リ シャで は

ア ス ク レベ イ オ ン神 殿 を中 心にして医 療が行わ れ た。 神は薬 草を与える聖職 者の手 を経て働 くとさ れ

薬 を 指 示 する聖 職 音が 医師と して機 能し てい た

次 第に

医師は病気に伴 う形や色な どの類 似か ら

病 気を 個 人別の 出 来事と し て で は な く

そ こ に 現 れ た 普 遍 化

L

た 特 徴 を と らえるよ うになる

医 学の科 学へ の出 発 点である

マ 時代の医 学は

ガ レ ノスに よっ て大 成 された

ガレ ノ ス は健

痛が なく

H

H

能が

障害

さ れ てい ない状 態と考 えた

心 身 機 能に障 害があれ ば

病 気である

n

中世の西 洋 医 学 は

科 学 として はあ ま り発 展し な か

ルネッサ ン ス に 人 り

ベサ リ ウス の解 剖 学

ハ ア ベ

の血 液 循 環の発 見な ど によっ て

ガ レ ノス の体 系が崩壊す るttl7 世 紀

シ デ ナムは

医学の

H

的 は 病 気 を治 すだけで な く

病 気につ いて の知 識 を 追

する こと とし て

病 気 を分 析し て説 明 する ことに努め

植物 分 類 学の ように病 気を分 類し た

こ こか ら

病 気を 臨床的 に 個 別の実 体と して扱う 立場が 生 ま れ た

これ は 現代へ き継が れ

症 状 (symptom 〕 や徴 候 〔sign 〕 を 記 号として

それ らの紐 み合わ せ か ら疾 病 を 診 断 する症 候 学となっ た

18世 紀

モ ル ガニ が 死後解 剖の肉眼所見 と 生

の臨

床 観察

と を 関係づ け

病 理 学が始 まる. 症 候群 は病理所 見で説 明さ れ

概 念が

立 し た

現代医学の誕生である

191

U二紀には ヴ ィル ヒ ョ ウが病 理 所 見 を 臓 器レ ベ ルだ け で なく

細 胞レ ベ ル に拡 大して

臨床 所 見 と 対 比 し た

疾 病 概 念 の 確 lli

で 際L

t

っ たこと は

疾 病の原 因のい つ か を見いだ し たこ と で あ る

コ レラ や 結

な どσ)絅 菌の発 見

ホル モ ン異 常 や 栄 養 障 害

遺 伝の影 響 など が明らか になっ た

こ う して医 学モ デ ルが 完 成 した。 医 学は医 科 学とな :

明 ら か な理 学 的所 見の存 在が疾 病の本 質 とみな さ れてい る

し か し

椿 神 科 領域 で は

患 者の多 くは その訴 えや行動に み ら れ る 止常か らの逸 脱

す な わ ち 症 状 や 徴 候 に よっ て 診 断 さ れ

治 療が行わ れて い る

精 神 障 害の多 くは

病理学に 還 元 し て説 明 するこ とができてい ない

新 しいモ

ル を 求 め て 問 題 解 決へ けて の い くつ かの試み が あ る

人 間 は 生 物 で あ :

各 人に心理的 自己が あ り

社 会の

員であ る

医 学モ デ ル で は

これ らすべての側 面 を覆うこと は で き ない

牛 物 的

心 理的

社 会 的存 在と し ての 人 間 を 統 合 し て と ら え るモ デルが 求 め ら れ た

Enget

が 提案し た 「生物

心 理

社 会モ デ ル

L

/お よ び世 界保 健 機 関が試 案として提 川 した 「国 際 障 害 分 類 」ZO

す な わ ち 障害モ デル を検

し よう

 Erlgclは

1

助け を求めて い る人が病 気か健 康かを 判 断 して

も し病 気 なら ば

どの よう な病 気か を分 析し

治療の合 理 的プ ロ グラムを決め

健 康 を回復

維 持さ せ るのが 歴 史1杓 に み た 医 師の機 能で あっ た」と し て

生 物

心 理

社 会モ デル の 必 要 性 を説い てい る

患 者の訴え が 生活 問 魂に起 困す るのなら

それ を援 助す るのに適 切 な 制 度 や 機 関 を紹 介すべ であ り

医 師に 必 要 と さ れ る知 識や技 能には

社 会学や心 理 学や牛物 学 が 含 ま れ る と 指 摘 し てい る

国際 障 害 分類 は

個人の心身 機 能や能 力 や社 会 的存 在に

疾 病が及ぼす 影 響 を検 討 してい る

医 学モ デ ルに続け て障 害モ デ ,レを用い れ ば

の 人 問 と し ての側 面 が 明ら か に な ると想

し たの で あ る

 そ の ほ か に

障 害との関 連で は社 会 学 領 域 や 障 害 者 団 体にお ける問 題 息 識がある。 1950年 代

障 害 児 教 育や障 害 児 療 育の

分野で は

impairment

handi

〔ap あ るい は

Lmpairment

disability

の対比 で

機 能 障 害と 障 害 が 記 述 さ れ

概 念 や 用 語 に 混 乱 が あ

った

現在の障 害 (

disability

)概 念に至 る 三つ の 流 れの発生であ駄

あ ま り紹 介 され てい ない障 害モデルに社 会 学 者

Nugi

の モデルがある 17,

ttt

⊥9

60年 代に

Nagi

ア メ リ カ の社 会 保

障 害

保 険プロ グラ ム のた め

L

活 動 的 病理

 

機 能 障 害

機 能 的 制 限

障 害 ]の概 念 枠 絹み を提 案 した

機 能 障 書: qmpairme ロt) は解 剖 学 的

生理 学

11

(Jあ るい は知的

情 緒

FI

J 異 常や欠損である

機 能 的 制限

Cfunctional

 

limL

ation 〕 は

レベ ル の パ フ

t

マ ン ス の 制 限

障 害 (

disability

)は役 割 遂 行や社 会 文 化 的

物 理 的 環 境にお けるパ フ ォ

マ ン ス の制 約で ある

当時

損 害 補僧の問 題や年 金用の障 害 判 定の基

くのプロ グラ ムは機 能 障 害を尺 度に して いた が

種々 の問 題を 生 じて いた

これ は社 会 問題の解 決とい う視 点で提 案さ れ た障 害モ デ ル である

他 方

イギリ ス の WODd は

国 際 疾 病 分 類 を 拡 張 して

.一

疾 病 /変 調 機 能 障 害   能 力 低  社 会 的

1

の図式を

1975

の 国際疾病 分類

9

回 改 正 に提 案し

こ れ が 1980

に世界 保 健

関の国 際 障 害 分 類 〔試 案〕となる。 こ こ で は活 動 的 病 理 過 程は 医 学モ デ ル の 疾 病   変調 〔

dis

ease

disorder

) に代わっ てい る

機 能 障 害は

Nagi

モデルと 同 じ で あ り

能力低 卜

disabilily

} は

iF

常 と み な さ れ る 仕 方 で 活 動 す る 能丿

J

の 制 限 あ るい は 欠損と さ れ

パ フ t

マ ン ス で は な く

能 力を取 り ヒげ てい る。 社 会 的 不 利

Chandicap

)は Nagi モ デ ル の障 害に類 似 する。 Wα)dモ デ ルは医 学モ デ ル の 延長である

二つ の障 害モデルは出 発 点の問 題意識 が相 違し て い る

前 者は社 会 学か ら

後 者は 医 学 か らの視 点で あ る

 

t/

3

の 概 念 枠 組 み は 障 害 者 団 体 に よ る もので

イ ギ リス の差 別 に 反 対 す る身 体障害者 連

h

川PIAS〕 や障 害 者イン タ

ナ ショナ ル [

IDPP

の定義であ る

表現 に 多 少の相 違 は あ るが

今では 世 界に広 まってい る

DPI

の定 義は

機 能不全 1:

impairment

; と障 害 〔

disability

)を 分 けてい る

機 能 不 全は 「身 体 的

精 神 的 あ るい は 感覚

r

白 機 能 障害に よ る 機能的 制 限 〔i

unCLional

limitation

:1

障 害 は 「物理 的

社会 的バ リア に よっ て他 者と

(3)

同 じレ ベ ルでコ ミュ ニ テ ィ の

r

均 的 な生活に参 加 する機 会の喪 失 あ るい は制約

1

である

障 害 を個 人の状 態 濛と して では なく

差 別 や 偏 見のよ う な社 会心 理 的 な態 度あ るい は構 成 主 義の立場 か ら社 会構 造の問 題とする

い わ ゆ る 社会モデルである

問 題 は

正義 あるい は 公 正 とは何 かである

機 能 障 害のある 人々に 対し て

社 会は どのよ うにあるべ き かの問 題と もい る。 Wasserman は 機 能 障害に か か わ る 正 義 につ い て

「有 力なア プ ロ

チは

止義 を1直に分 配の 用 語で理解 する19

社 会に お け る 個 人の資 産

機 会や福 祉のパ タ

ン である

こ の ア プロ

チ は

機 能障 害を機 能 的 制限 と して 扱う傾向があ り

そ れ が種々 の 分 配に対 する要 求を 生みだ し てい る

2

の ア プ ロ

チ は

機 能 障 害 を抑 圧 され た 礼 会 集 団の印として扱い

抑 圧 的で 差別 的 な態 度や実践の排 除 を機 能 障 害に対す る 正義と みなす

と記 して いる

c

慢 性 疾 患

諸 問 題

 

1

疾患 と障 害 とは切 り離せない

H.

と は

状 態が良 くも 悪 くもな らす

長 引 くことである

現代の多 くの疾 病は慢 性で あ り

急性 感 染 症のような意味での治癒は 望 めず

人々は病 気 のま まで生 活 していか な けれ ばならない

人々に とっ ての問題 は

病貳だ けでな く

そ れに伴 う変 化

生 活の 質 (

QOD

で ある

慢性疾 患 と 呼 ば れ てい る もの の くは

その原 因解 明に はい ろ い ろな困 難が あ り

未解決 で あ る

原 閃 論 で は

多くの 要図の複 合 が 想 定 され

その理解は統 計 的な解 釈であ る

医学 研究では

疫 学 的 手法 が 中心になる

慢 性 疾 患に対して

医学 は疾 病の白然経過 を観

することか ら出 発しな けれ ばならない 状 況に あ る

慢 性 疾 患に共通する自然経 過 を示 す

D

感受 性 のあ る 段 階であ り

まだ病 気で はない状 態

病 気の発牛 し や す い 条 件

危 険因 ∫

〔risk 

faCLur

:1 る。 危 険 因 子の除 去が 人々 の健 康 維 持 に 急 務 と さ れ

環 境 汚 染の問 題 解決

生 活習慣 の変 化が求め ら れ る

C2

} 自覚症 状 は な くて も

身 体 に 病 理 学 的 変 化 が生じた段 階であ る

臨 床 的に は異 常が な く て も

病 理 解 剖で は 異

常所

見が見い ださ れ る

健 康 診 査に よ る 早期 発 見

の 指

や 運動 療 法 を通 じて

病 理 過 保の進 行 防IEに努め る

3

〕 自覚症状や 臨床 徴 候が 現 れ

的 に疾 病 と 診 断され

臨 床 検 査の籵 果 からも

医 学モデル0)

病 因

発 現

の 関 係 が 確 、;くす る

4

)機 能 的 制限あるい は能 力低 下へ と展 開 す る

疾病は 永 続 的 で 不 叮逆な病理 学 的 過程に よっ て生じたもの が慢 性疾 患の特徴 で あ る た め

医 療 の 日 標 は 予 防 に な る

予 防 と は疾 病の発症 以前に

そ れ を抑制 してし ま うこ と で あ る

慢 性 疾 患の自然 経 過につ い て理解が 進 む につ れ て

全 経 過 あ るい は

段 階におい て進 行 を 食い止 める

進 行を遅 くす る努 力が予 防である

 

健 康 (hcalrh〕の 出 来を 理解 する た め

ギ リ シャ神 話の 神々 を紹 介 する

t

ア ス ク レピウ スはアポロ の烏

ア スク レペ イ オ ン神 殿に劣、られ て い る神であり

薬 草と癒し 〔IIledicille and

hea

ing

:〕 の医 神である

ア ス ク レピウ ス の娘ヒュ ゲ でアは

健 康 〔

hca

[th )の 女神 とさ れ た

占 代ロ

マ で は

ヒュ ゲイア は サル ス と呼ば れ

健康

安 寧や繁 栄 (presperity冫の女 神に な る

占 代ギ リ シャ

マ に おい て は

病 気 を 治 す

癒 す 神 と健 康

繁 栄の女 神と は別 個 あった。 現 在

世界で

くの 人々 が 認 めてい る 健 康の 定 義 は 世 界保 健 機開の憲 章 前 文にあり

健 康と は

完 全 な 肉 体 的

精 神 的 及 び祉 会的福 祉の状 態であ り

単に疾 病又 は病 弱の存 在し ない こと で は ない

1

である

こ の文 章の 前 半は肯 定 的

積 極 的

直接 的 な 定 義

後 半 は 否定 的

消 極的

間接 的な定 義であ り

,.

二元 論になっ てい る。 病 気 と健 康につ いて は

こ れ らを

元論で捉 える覧

Z

場 と

:元 論で提 える立 場がある

前 者は健 康を病 気と 反

の状 態 と

さ ら に 健康は 人 生 で 巧 み に適 応し てい る状 態 ある いは能 力を

卜分に 発揮し ている 状 態 と す る

病 気 と 健康と は二つ の質 的に異 なっ たもの である とい う考え ノ∫も あ る

個 人 に は種々の程 度の病 的 要 素と健 康 的 要 素と があり

全体と し て 個 人の健 康 状 態 は こ れ ら諸 要

間の差引計 算で得ら れると仮 定 する

病 気か ら健 康へ 目 を移 すと

人間

活動

を通 じて心 身機 能の向 ヒを 図るというテ

マ が主流にな7”  ,

健 康と は

常に相対

rl

勺で

変 化しつ つ ある 状 態であ り

その理 想 像 ある い は囗標と して

LU

保健機

関 に よ る 健 康 の定 義が 必 要 と な る

 

社会文化的 な 意 味 を もつ 人 間の 行動

個 人の心 身 機 能

個 人 を取り囲む物理 的 環 境

対 人 関 係 な ど と の 関 連 に よっ て定 ま る

機 能 障 害や機 能 的 制 限の意 味は

物理 的環境 や 対 人 関係に よっ て変化 する

近 年

社 会環 境 と対 人 関 係 が 問 題となっ てい る。 杜 会 環 境か ら の 圧

k

きい のは偏 見である

偏 見 と は実 際の経 験よ1

〕前に十 簿 な客 観 的 根 拠 もな し に

個 人や集 団ある い は事 物な どの特 殊な対 象に対 して抱 かれる歪んだ観 念と

そ れ に 基づ く好き

嫌い の 感情で

障 害 者に対

して

般に問題と な るのは 非 好 意 的 感 情 で あ る

杜 会 が 示 す 偏見は

障 害 者の社 会 的 行 為にい ろ い ろな 形で圧 力 と なっ て 加 わっ て くる

障害 者 が社 会の期 待や要 求だ けに従っ て行 動し な け れ ば な ら ない とす れ ば

害者

が人生の 凵標 を 追 求 する行 動 とは矛 盾する だ ろう。 障 害 者に

葛藤

の状

を 作 りだし てい る の は杜 会である

。・

慢 性 疾 患 患 者の生活 行 動は

ときに長 期の入 院 牛

に よっ て幼 児 化し たパ タ

ンへ と退 行 する

患 者は病 者 役 割に従っ て 行 動 し

凵 常 生 活 ヒの 必 要 な 活動 も他人 に依 存して

自 分の疾 病 治 療に専念して いるtt これ が 生活 行動 に 退行

幼 児 化 を もた ら す要 因であ る

こう して 二次 的 障 害 が 生 じ る

障 害 の 発 生 や 進 行が予 想 される慢 性 疾 患 患 者には

障 害 予防のた め に

新 た に障 害 者 役 割 を獲 得 し

社 会 復 帰 する過 程 が 必 要 とさ れ る か も し れない。 人

間 行 動

発 達 的変 化

 人 間を客 観 的にとらえるのに

医 学モ デ ル に従 う還 元主義の 立 場 で は な く

.一

般 システム理論と 発達理論の応 用がで きる の で は な か ろ うか

諸科学の

的 理解の基 礎は

あら ゆる科 学 を物 理 学へ 還 元 する こ と

あら ゆ る現 象を物理学 的な ものに最 終 的に分 解 すること とされてい る が

牛物や社 会の レベ ル を最 卜

位レベ ルである物 理 学の構 成 要 素 と法 則に還 元 しても

満 足 な 理

は得ら れ ない

 入間の運動 行動 は 運 動

動 作

行 為 に 分 け ら れ る

障 害モデ ル の

機 能 障 害

 

能 力 低 卜

社 会 的 不 利 ]に対応 し て

[連 動

動 作

行為 ] が 配 置 さ

t.

れ は 理 シス テ ム

ステム

社 会シ ステム] という人 間の階層 的秩 序と して の概 念

成に おい て

力学 的原理

 

成 長

進 化

政 策

日的

価 値 ]

(4)

2

  生 活 時 間調 養に用い た行 為 分 類

一 一 一

      a 睡       眠 1  基 本 的 坐

i

舌  

b

  食       事       c  身 辺 処理

他 寝て いる

睡 眠 中

起 床 食 事 をと る

お やつ

お茶 洗 面

歯みが き

排 泄

         

a

余      

暇 2 杜 会 的生活

         

b

学 業

3 移 動

4

  医 療 5 ぼ ん やり

その他 テ レ ビをみ る

会話

盆 栽の手 人 れ 炊

洗濯

帳簿

電 車に乗る

タ ク シ

を待つ

歩い てい る 薬 を飲 む

診 察

腰の運 動 休 息

ぼ んや り してい る

横に な る

 

24

間の問に

わ れ る

行 為

観察

法 〔ID分ご と に対 象 者の行 為 を直 接 観 察に よ り記 録 する }

あ るい は自己中告 法 [

15ご とに行っ て いた行 為 を本 人に記 載さ せ

連 続3凵問 行 う) により記 録し

こ の表に基づ い て8項 目に分 類し

その発 生 頻 度 を百 分 率で示 した ものを生 活 時 間 とする

の法 則にそれぞれ支 配 されて い る。 こ の階 層 的秩 序の な かで

下位シ ステム の法則は次の上位レベ ル の前 提に な る

こ の よ う な階 層 構 造 を仮 定すれ ば

人 間の 社 会的活動 は 人 間の

JJ

学的

生 物 学 的特性 を 下 位構造 と し て 内在さ せて いること に な る

そ のた め

下 位 構 造が 十 分に機 能 し な ければ

止 常 な上位 構 造の 働 き

社 会 的 活 動は歪 む

下位 構 造は上 位 構 造が もつ

H

のた め の

手段

に な る

人間の 運

動 行

動に おい て

単 純な反

運動か ら目的や意 図のある複 雑 な 随 意 運 動へ の発 達 的変 化は

こ の よ う な階 層構 造の下でな され る と仮 定 するのであ る

  人 間の発 達は

遺 伝 的 要 因と環 境 要 因 との相互作 用に よっ て 起こ る方 向性 の あ る 心身の構造 お よ び 機 能 の 分 化

複 雑 化

多 様 化の過 程であ る

背臥位か ら 疏位に な る動 作で観 察さ れ る動 作の組み合わ せ と運 動パ タ

ンは

幼 児か ら6歳 児 まで順 次 変

する

n

幼 児は

1

歳 を 過 ぎて立 ち上 が れ る よ

に な ると

か ら

返 りをし て

に な り

四つ ばい

ばい

を経 て立 位 に なる。

3

歳 児は

背 臥 位から体 幹 を 半 身 に して起 き上 がり

片 肘 立 ち位か ら膝 立 ち位

さ ら に片 膝 立 ち位とな り

立 位に 至 る

6

歳以 降 に な ると

背臥位か ら

気に起き 上 が り

しゃが ん だ姿 勢か ら立 て る ように な る

これ らの発達的変化 は

力 学的 に は静的バ ラ ン ス の安 定し た姿 勢か ら不 安 定の姿 勢へ の 変 化であ り

動 作の速 さでは緩 慢 な 運 動 から迅 速 な運 動へ の変 化である

ひ とつ の動 作に利 用さ れる運 動パ タ

ン の多 様性は

的バランス の

定性

運動の速さ の変

た な 運動パタ

ン の

獲得

に よっ て 可能に な る

その結果

人間の適 応 能 力は増 大 する。 し か し

成人で も中 枢 神 経 疾 患に冒 される と

発 達 的に み て レベ ル の低い運 動パ タ

ンとなる

それ は適 応 能 力の低下 であ り

発 達 とは逆の退 行現象である

 人 間 は生 涯 を通 じて種々の活 動 を行っ てい る

その 目 的 は自 己 維 持 と 労 働 と 余 暇 に 分 け られ る

現 代 社 会 で は

ラ イフ ステ

ジ と役割

活 動関係 い るIS

種々 の活 動の 出 現 や その頻 度 に は

個 人の欲 求 と能 力 や技 能

社 会 文 化 的状 況 が関 係 する

それぞれの活 動の量 的 分 布にも

ライフ

サイク ルに従っ た 変 化がある

活 動の質 的 変化で は

乳 幼 児 期に は自 己

維持

に 必要な

能が習

さ れ

年齢

増 加につ れて次

に社 会 文 化 的規範に沿っ た活 動に 必要な技能 が習 得さ れ る

乳児 期の 活 動は 「食べ る

眠る

動 く!

大 部 分自己 維 持活 動 4 T

S 53歳   1

a 5 1

b % m30 3

 

50工 2

a         型 : 10m歩行 速度:      ADL : (tetal  lOO): 2

b 11秒 75

0

M

T 54歳 秒 234 ユ 7 図1

 

キン ソ ン病2例の生活 時 間プロ フ ィ

ル で あ る。 幼 児 期や学 齢 前 期になる と

「移 動

身 辺 処 理   がで き る よ う に な る

学 齢 期には

将 来の牛 産 活 動に参 加 するため の準 備 とし て 「勉学」に励む よ

に な る

成 人期に は

あら ゆ る活動 が あ り

高 齢 に な る につ れ て

生 産活 動を離れ

余 暇 活 動 が 中 心 に な るm こ の ような変 化を臨 床 的に検 討 する于法に

生活 時 間調査 がある

生活 時 間と は

個 人が1日 に行 うい ろい ろな 生 活 活 動 (行

)を

間分

量で

し たもの である (表

2

)。 生 活 活 動 を

5

項目 に分け

その 発 生頻 度を %表 示して

活 動 項日 の時 間量 と す る

) 図1はパ

キン ソ ン病で退 職 した

50

歳 代の男 性

2

の生活 時 問プロ フィ

ル である。 いず れの患 者 も 機 能 的 制 限は同 程 度で ある

T

S

S3

家 族は勤務 し てい る妻と息 子

1日の生 活は起 床 後

朝 食の 支 度に 始 ま り

昼 間 は掃除

ス ト

ブの給 油

買 物 な ど

1

日の

24

% を 家事 労働 に費や し

テ レビ

新 聞

雑 談に20%

休 息に 4%弱

睡 眠 や 食 事

身辺 処 理の基 本 的 生活に54% を費や し

60歳 代の健 常 者の平 均と同じ生活を行っ て い る

t

老 化の傾 向はある が

妻 と役 割 を 交代 して

日常 生 活に巧み に適 応し てい る

M

T

54

家 族は妻

勤め てい る娘と 大学生の

1目の58% が基 本 的 生 活に

40% がテレ ビ や

歩に

や さ れて い る

昼間もベ ッ ドで横にな り

70歳 代 以上の老 人 ある い は幼 児 に 似 た 生活を送って い る

どちらの健 康 状 態 が 良 好かは明 ら かであろう

T

S

は家 庭 内で健 常 者 と同 じ ように活動 的 な役割

(5)

を 果 た して い るが

M

T は

病者役 割

に陥っ た ま まである

キン ソ ン病に よ る機 能 的 制限 より も

二人のお か れ た家 庭 環 境が 生活 時 問に 相 違 を 生 み だ し てい る

慢 性 疾 患に罹 患 して も

限ら れ た能 力 範囲 内 で 活 動 的 で

普 通 に 近い 生 活 を送ること は 可能であろう

それには家 族や周囲の人々の

社 会 的支 援 が 必要である

 

小 冊 了

[お わ りに

「慢 性 疾 患は治 癒 し ない

また 患 者 には 何 らかの機 能 障

丿丿

下を もた らす

ガン

高 血圧

心 疾患のい れをみ て も

現 在の医療が行ってい るのは病 気の 制 御

理 であ り

病 気の治癒ではない。

・…

  

人凵 の

高齢

化に 伴 う 慢性 疾 患 の 増 加 は

そ う 簡 単 に退 治さ れ な い

.・・…

 

「曼性 疾思の患 者 に は

障害に 対するア プロ

チ が 急 務である

その原 点と して疾病 観

健 康の価 値 観 の 変 化 が 求 め ら れ る。

病 気

をもっ ていても積 極 的, 活 動 的 な生活はロ∫能で あ るとい う 決 意で あ る

,・…

 

健 康

とは機 能 的状 態 像であ り

法 則 性 を もっ た

変 化 を続 ける過 程である。社

動物

と し て の人 間の特 性 を十 分に生 か し

積 極 的に社 会へ 参 加し てい く過 程 で あ る

。・…

   医 学モデル

障 害モデル

そして発 達 的 視 点 を統 合 するこ とで

慢性 疾患が も た らす 困難 を 征 服 する道 が 開 ける

病 気の 予防

治 療と 管 理

リハ ビ リ テ

ショ ンを 中 心 に し た医療サ

ビス と

健 康の保 持と増進 を 意図し た 保 健 サ

ビス と が

これ らの モ デル

概 念に従 うことにより

新しい保 健 医療 サ

ビスが 叮能に な る だ ろう

し ている

こ こ には

病 気

障 害

 

健 康 」

「医 療サ

ビスと保 健サ

ビ ス

とい う キ

ド区 分 が 掲 げ ら れてい n 前 者 は 学 問 的 な概 念

後者 は行 政や制

識 し た用語である

手 段の選 択 で取 り上げら れ

ミ クロ な

人レベ ル の価 値 観を反 映し たものに拡 大 した

障 害 者 リハ ビ リテ

ショ ン に おける帰 結の判 定で も 重 視 さ れ る

。QOL

身体 的

心 理 社 会 的に満 足して い る状 態 (wetl

being

) に 対応 する

その構 成 要 素は社 会 的 役 割の遂 行

身 体 的状態

精 神的 状 態

人 間 関係

経 済 状 態

宅観的健 康 状 態 などで ある

指 標には

生活

経済 状 況

満足

宅や居 住 地 区の質

自尊 心

職務 満足 度 な どが 含 ま れる。

QOL

は [大 規

人 「

1

QOL −,

「健 康に関 する

QOL

「個 人の生活 改 善に 関 する

QOL

3

種 類に分 けら れ る

健 康に関 する

QOL

」 につ い て

 

Patrick

ら161

は健

元 的に表 示して

死 か ら否 定 的

消 極 的 健 康 状 態

そ して最 高 の安 寧へ 至 る

元的尺 度 を 提 案 し てい る (表

3

任 意の重み づ けを行っ てスコアを把 握 し

時 間経 過で生 じ るス コアの変 化 に よっ て

介人手 段の適 否 を 評 価 する

 

(図2)

tt一

般用語と し て

質 (quality) は 良 好

Cg

 odness )の程 度 を 意 味 する

そ うであ れ ば

健 康 状 態 〔health condition ) を

4

のように ウ 自的に示 すこと もでき るc し か し

QOL

は多 元 的で あ り

それ ぞ れ に対 する 人々 の重み づけ は 相 違 す る。 Pail1ら 14) が行 っ た患 者や

族を対

とし た 調査で は

QOL

には

18

の次 元 が あ り

それらが 7つ の ク ラ ス タ

に分か れ てい る

4

に掲 げ ら れ た

7

種 類の疾 病

身体 障 害 あるいは精 神 障害 に 共 通 す る の は 「生 活 を 享受

意 味あ る活 動1 の次 元だ けである、現 状で は

QQL

に よ る健 康状態の判断 は

疾 病や障 害ご とに個 別の尺 度 を 必 要として い る

QOL

の定 義は 測 定 法 と 解 き が た く 結 びつ いている

の 理想 状 態 を 求 めて

研 究 者は肯 定 的

積 極 的 定

に沿っ た

作業仮説

操 作 的 定 義 を求 めて多 くの努 力 を続 け てい る

老 人 保 健 法 と健 康 増 進

 

1983

わ が国では老 人 保 健 法が施行さ れ た

この法律 で 「機 能 訓 練 」 は

健康 診 査や 医療 と併 記 され

制 度で は医 療 (疾 病の治 療 )で はない 当 時

省 告示

は 「機 能 訓 練は

40

歳 以 ヒの者であっ て

疾 病

負 傷 等 により心 身の機 能が低 下してい るもの のうち

医療 終 ∫後 も継 続 して心 身の機 能 を維 持 回

す る た めの訓練 を行 う 必 要のある者 等 を 対 象 と して行 う」と記 して い る

心 身 機 能の維

は 医

とは

制 度 面で は 別 になる

心 身 機 能の維 持 回 復は健 康 増進 を 目 的 と し て 実 施 さ れ る の で あ り

医 学モデル (疾 病モ デ /の に従 う もの で は な い

Nagi

モデルに従 え ば

[機 能 障 害

機 能 的 制 限 ]の過 程に 介入す る手 段で あ る

そ こ に 注 日 す れ ば

理 学療 法は障 害モ デ ルに立 脚 し

障 害 予 防と健 康 増 進に貢 献し てい ること が 明 らか になる

健 康 と 生 活の

質 (

QOL

 

19

 80

年 代

か ら現 在 まで に展 開され た 健 康と障 害の話 題 を 検 討し よう

健 康の肯 定 的

積 極 的 な 概 念 につ い て は 人々 の合 意 がな く

そ れ を 測 定 するのは困 難で あ る

代わ る もの と し て

生 活の質

Cqun

]i1

y of  ltfe:

QOL

〕 が話題 に なっ た

し か し

QOL

の概念 をどの ように定 義し

どの ように測 定 するの か に つ い て は結 論が

ら れてい ない eQ 〔〕Lは1950年 代 後 半か ら

ロ ッパで経 済 発展に

う生

の悪 化などに対 する マ ク ロ な 社 会 指 標と し て

入 さ れ た

その後

安 楽死 や疾 病の治 療

害の

概 念

を め

っ て

 

世界 保 健機 関で は

1993

年か ら国 際 障 害 分 類 〔試 案)の改 訂 作 業が行わ れ

2001年

世界保 健 機 関 の 第

54

回 総会で新た に

活 機

能 分 類 (ICF)

が承 認 され た

この分類 は生 物

心 理

社 会

的 ア プロ

チ に依 拠 してい る

[心 身 機 能

身 体 構 造

活 動

参 加 ]の図 式で

肯定

的 側面の生 活 機 能 を 表 し

その否 定 的側 面 を [機 能 障 害r

動 制限

加制 約 ] と して障 害 を 表 す 〔図

3

ICF

はすべ て の 人につ い て の分 類であ り

対象 範囲 は普遍 的 と さ れ る

しか し

健 康 閲 連状 況に問題 な し とす る だ け で は

健 康 の 否定的

消極 的

間接 的 定 義であ り

障 害 を 健 康の否 定 的

消 極 的側 面 で取り 上 げ てい ることにな るc

 

アメリカで は

1990

年 代にNagi モ デ ル に複 数の危 険 因 子 を 概念 的に加 え

それ らが病 理か ら障 害に至 る

そ れ ぞ れの過 程 に関

5一

する と

仮 定

し た 医

研 究 所 (

institute

 of   medicine :

10M

)の

10M

モ デ ル が

出さ れ た (図

P

そこ には 危 険 因 子 を除 去 する ことで

障 害に至 る過 程を 遅 延 さ せ るとい う予防 医 学 的 発 想が読み取 れる。  他方

196

  年代 後 半か らの障 害 者 運 動

1990年 代の障 害 学 の展 開に よって

ア メリカ

カナ ダ

イギリス

ス トラリ ア

ニ ュ

ラン ドで は

障害は社 会的 に櫞 成さ れ た とする 考え方が広まっ た

イ ギ リス の

Barnes

ら Ll は障 害につ い ての 2つ の モ デ ルを対比 して い る 〔表5}

個 人モデル 〔医 学モデル)

(6)

3

::良 好 )の連

続線

上 に位 嵩づ け た健 康にかかわる生活の顕の概 念附 概    念 定 義

 

        

1

e

● 満足度 ● 全 般 的

健康感

● 社 会 的安 寧   社 会 的統 合   社 会 的接 触

  親  交

  機   会 ● 心 理 的良 好   感 情 的良 好  認知的良好 ●

体 的 良 好と役 割 制 約   活 動 制 限  通常の社 会的役割 の 制 約   フ ィッ ト ネス ● 疾 病 主観 的 訴え 徴  候 白己申告に よ る疾

生 理 学 的 測定

化 診   断 不 利益       死 身 体 的

心 理的

社 会的 及び精 神 的 な安 寧 健 康の 自己 評 定

健 康の知 覚

または健 康に 関 す る 悩 み 地域 社 会に お け る 参 加

族や

人 との il

行 為 親 密   支援 健 康による機 会 均 等 1 }ll

全般的

十}福 など を含め た心 理 的態 度 と行 動 機 敏

見 当 識 及び推 論に問 題 身 体 活 動

移 動

身辺処理 の急

あ るい は

性の制 限 社 会 的 役 割

学 校

仕事

家事

余 暇の急 性 あるいは慢 性の制 約 あま り疲 労せ ず

激しい身 体 活 動 を遂 行 身 体 的 及び心 理 的 症 状

感覚

疼 痛

健康問 題

直接 観察でき ない感じなどの報 告 理 学 的 検 査

欠 損 や 異 常の観 察 で き る 証 拠 医 学 的状 況と

能 障 害につ い ての患 者に よ る

 

覧 表 記 録と 臨床 的 解 釈 病 理 学 的 証 拠 すべ て の証 拠に基づ く臨 床 的 判 断 健 康 問 題 に よ る 機 会の不 平 等         死 亡 ;生存

死 (

0

ω

安   寧

任 意の 重み づけ 死 機 能 的 状 態

1

0

0

8

0

6

0

4

0

2

0

O   to 時   間一 図

2  

健 康

安寧

の レベ ル と 予

lfi

t1 は個人 に生じ た問題 とい う見 方

モ デルは社 会構 造が鋼人 にもた ら す問 題とい う見 方であ り

機 能 障 害のある人々に対 す る社 会 的抑 圧

差 別 が 障 害であ る と主 張 されてい る

ア メリカ 国 立 障 害

リハ ビ リ テ

シ ョ ン研 究 所の 「研 究 助 成 長 期 計 画

1999

2004

では

これ をパラ ダイム

シフ トと して新 旧パ ラ ダ イムで表現 し てい る

1

1

パ ラ ダ イムは個人 (医 学:1 モ デ ル

新パ ラダ イ ム は 祉会モデル に対応 し

障 害定 義 」

障 審 応 する戦 略 」

障 害に対 応 する方 法 」 「介 人 するもの  「資 格

1

「障 害 者の役 割

1

障 害の 領 域 」が 両パ ラ ダ イム では 全く異 なっ てい る

新パ ラ ダ イムに記さ れて いる 建物のバ リア フ リ

ー,

に お け る ジョブコ

ピア

カ ウ ン セ リング

ア クセ スな ど

障 害が社 会 的 問 題と し て扱わ れ てい るこ と が 理 解 で き る

実 際に

物理 的

杜 会 的 環 境の改 善 に よって

これ まで の障 害 問 題もか な り改 善 さ れ

杜 会 的 安 寧が図られて い る

し か し

私 た ち は

Nagi

モ デ ルや10M モ デ ルが強 調 して い る [機 能 障 害

機 能 的 制 限 ]の障 害 過 程に江目すべ きで あ ろ

 

最 近

社 会システム理 論に基づ いて

障害

研究 に新た な提 言 が さ れ てい る

Mlchailakis

〔2003) は

障 害 研 究にお ける概 念

個人の

体 的

精 神 的

知 的 欠損に焦 点 を 合わ せ た 「医 学モ デ ル

個 人の前 提 条件 〔諸 欠 損 な ど ) を 相 対 的 に 扱っ た 「個 人

社 会モ デ ル」

個人の前提条件の 相 違 を 無 視 し た 「社 会モデル」の

3

種に 分 け てい る

そ れ ぞ れ が 観察すべ き対 象および その解 決 方 法は 異 なっ てい る

現 在の障 害を めぐる視 点の 混 乱 を 解 決 す る た め

Luhman7

H/ が提11昌 した社 会シ ス テ ム理 論 も 利 用 さ れてい る

社 会シ ス テ ム理 論は

観 察 者が自己 の観 察 するものに 対 す る展 望 を選 択 するこ とを 明ら か に し よう と試みる

障 害の問 題は

複 数の領 域 (

61 か らアプロ

チ が な さ れるべ きであ り

そのすべ てを 医学シス テ ム に還 元 して 解 決 することは で き ない

役 害

II   私たちは機 能 障害のある人々 の障 害予防や健 康増 進 を 展 望 に 人れてい る専門職で あ る

Lol

]ar 〔

200

1

, は 公 衆 衛 生の視 点 か

(7)

表4

 

QC

)Lの次元 (疾 病

 

別σ)患

家 族に よっ て検 討さ れた 次 元 )

ク ラ ス ダ

次     元 神 経 疾 患   患

者 神経 疾 患

  家 族   ! 心疾 患 筋骨 格 系   小 児 言語

行動   小 児 肢 体 不 自 由 小 児 精 神

感 情面の健 康 希 望 ○ ○

Q

o

○ 自尊 心 ○ ○

Q

○ ○

OI

○ 心 配 不安の処理 ○ ○

Q

OI

○ 心のL

ド安       

        

3 ○ ○

o

   1

:⊂)

1 自制の感じ

○ ○ ○

人間 関 係 家 族の 人 問 関係

○ ○

⊂) !

  、

    ∩

家 族の宰 福 (

) ○

他 骨との関係 ○ …

 

○ Io …

 

○ ○ 帰 属   支 援 ○

o

Q

Q

   

(:) ○ ○ 認知 ○ ○ ○ ○ ○

 

c

家 族 介 護 者 問 題 家 族 介護 音

OI

○ ○

○ ○ 幸 福 了

育 て 問 題

○ ○ Io 潜 在 能 力の発 揮 機 能 を最 大 限に ⊂)

O

   

Io

Q

c

: エ ルギ

9

楽しい 生活を

冫: :    r

  丶

 

o

○ ○

Q

○ 意味あ る生 活 意 味 ある活動 ○ ○ (二) (:) 1: 〔

o

コ ミ

1 ニ ティ問 題 ⊂)

c

基 本 的 概 念

⊂) ○ ○ ○ ○ ○ ○は 検討あ り

,一

は検 討な し 〔文 献 ⊥1

 

部 改 変 :】 Body Fu艮 ⊂匸io冂s

and

 

Structurcs HealthCondiii[川 健 康 状 態

[disurder or  di5

6p ) 1変 調 ま た は 疾…病,

一一

心身機 能

fegll

L

A

 ctivilb

’←

    活 動       ↓

ParicipaLicn       参 加 En、

irunmcnta] [

aα01

甓     環境 因 子

   ▼

Pcrsonal l

1a

収L,rs   個人因

f

図 31CF の構 成 要 素聞の村

iiif

乍用22, ら

障害

問 題 につ い て

疾 病 予 防 と健 康 増 進 とい う伝 統 的 な公 衆 衛生 は

a

の関心 やニ

ズ を 考慮に入れ る ことに失敗 し た」 「障 害 者になる の は不 健 康 な 行 為の粘 果だ とい う否

的 な 見 方 をしてい た」と記して い る

「障 害を も た ら す よ う な 要 囚 を 除去 するとい う視 点だけ を強 調 した ことへ の反省であ る

これ か ら は障 害 者の健 康 増 進に関 心 を抱 き

次的 障 害の 予防 を重 視 する

そ れ を 通 じ て

社 会 参 加や生 法の質の向ヒが図ら れ る

障害 者の ヘ ルス ケア

ズで は

健 康 問 題や :次 的 障 害の発生

f

防が叫ば れ てい る

これ らの 見 解 は

IOM

モデル に掲 げ られ た危 険 因 子へ の対 応によっ て

障 害 過 程の進 行 を防 1ヒす る とい う 考 え方に

致してい る

こ の よ うな 視 点を支 持 す る た め

わ が 国の デ

ダを紹介し よう

1993年に実 施し た全 国 身体障 害 者 更 生 施 設 実 態 調 企 に よ る

126

施設の資料 で は

入 所 者を年 齢 別にみて

30 歳代47

9%

40歳 代 60

3%

50歳 代 72

4%

6〔)歳以 上ではS4

3% に医療ニ

ズ が あ る

高 齢 者 ほ       図

4

  危 険 因 子 と障 害 過 程 との関連 障 害 過 程は生 活の質 との問にも相

ll1

作 用 を示 す

3

種 類の危 険 因

r

が あ る

両 方 向の矢 印 はフ ィ

ドバ ックのあ ることを示 す

障 害のx テ

ジ (機能 障害

機 能 的 制 限 な ど 〉 ご と にこれ らの 要 因 が 関 与 す る

た と えば

生物 学 的 要 因は

Rh

血液型

環 境 要 因 は 鉛 塗 料 〔物 理 的 環 境}

ケア の利 用 手 段 (社 会 的 環境 〕

ラ イフ ス タイル

行動 要因は喫 煙 などである

また診 断 処置

治療

リハ ビリ テ

ショ ン

発 症 年 齢

経 済 状 態

期 待 値

環 境バリ ア な ど も危 険 因子とな りうる

〔文 献i:

S,

SE

, 変} ど医 療ニ

ズの割 合は高い

ま た

国 立身体 障 害 者 リハ ビ リ テ

ン セ ン タ

病 院の ⊥992資 料

年 度に 人 院 し た脊 髄 損 傷 患 者

1

17

名のう ち

95

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5

%}は

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防可 能 な 褥 瘡や尿 路 感 染な どの 合併症 治療の た めの 人院である tl]

高 齢 社 会となっ て いる現 在

これ らの数

が 示すように

身 体 障 害 者のヘ ル ス ケ ア で は

その 原 因となっ た疾 病の治 療 継 続

二次的健康問 題の発 生予防が重 要 な 課 題となっ て い る

 脊 髄 損 傷 者 を 対 象 と し て

国 1:

身 体障害 著リハ ビ リテ

ショ

表 2   生 活 時 間調 養 に 用 い た行 為 分 類 一 一 一 一 誠 商               a   睡        眠 1   基 本 的 坐 i 舌   b   食       事               c   身 辺 処 理 ・ 他 寝 て い る , 睡 眠 中 , 起 床食 事 をと る,お やつ,お 茶洗 面・歯みが き,排 泄           a 余       暇 2 杜 会 的 生 活           b 労 働 ・ 学 業 3  移 動 4   医
表 4   QC ) L の 次 元 ( 疾 病   障 害 別 σ ) 患 昔 ・ 家 族 に よ っ て 検 討 さ れ た 次 元 ) . 一 ク ラ ス ダ ー 次     元 神 経 疾 患   患 .者 神経 疾 患 …  家 族   ! 心疾 患 筋骨 格 系   小 児言語 ・ 行動   小 児 肢 体 不 自 由 小 児 精 神 一 感 情 面 の 健 康 希 望 ○ ○ Q ○ 一 o ○ 自尊 心 ○ ○ Q ○ ○ OI ○ 心 配   不 安 の 処 理 ○ ○ Q 一 OI ○
表 5 障 害 の 2 つ の モ デ JV   1 / 個 人 モ デ ル 社 会 モ デ ル 個 人 的 悲 劇 社 会 的抑 圧 理 論 個 人 的 問 題 社 会 的 問 題 個 人 の 処 置 社 会 活 動 医 療 化 自助 専門 職 支 配 専 門 家 の 意 見 個 人 の 独 自性 個 人 的 ・ 集 団 的 責任経 験 集 団 の 独 自 件                     表 6   障 害 に 関す る 社 会 シ ス テ ム 理 論 の 概 念 社 会 シ ス テ ム 理

参照

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