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Boc保護アミナールを用いたBoc保護イミンの新規調製法の開発

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Academic year: 2021

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(1)

Title Development of a Novel Method for the Preparation of N-Boc-Imines from N-Boc-Aminals( Abstract_要旨 )

Author(s) Kobayashi, Ryohei

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2016-03-23

URL https://doi.org/10.14989/doctor.k19518

Right 学位規則第9条第2項により要約公開

Type Thesis or Dissertation

Textversion none

(2)

( 続紙 1 ) 京都大学 博 士( 理 学 ) 氏名 小林 遼平

論文題目

Development of a Novel Method for the Preparation of Boc-Imines from N-Boc-Aminals(Boc 保護アミナールを用いた Boc 保護イミンの新規調製法 の開発) (論文内容の要旨) 多くの生理活性物質や機能性材料には窒素原子が含まれていることから、有用な含 窒素骨格構築法の研究が精力的に行なわれている。なかでもイミンを求電子剤として 用いる求核付加反応は、様々な求核剤を適用できるという汎用性の高さから極めて有 用であり、これまで脱保護の容易なBoc基で保護されたイミンを求電子剤として用い た反応が多数報告されている。しかし、合成可能なBoc保護イミンは、イミン炭素上 の置換基がアリール基やアルキル基のものに限られており、反応生成物のさらなる変 換も困難であった。一方、イミン炭素がアルキニル基で置換されたBoc保護イミン は、反応生成物のアルキン部位がアルケンやアルカンに変換できるだけでなく、新た な官能基化や炭素-炭素結合形成の足掛かりとなることから、高度に官能基化された 含窒素化合物のビルディングブロックとして期待されている。しかしながら、本化合 物は電子的及び立体的要因で反応性が高まるためか、従来法による合成・単離の報告 例はなかった。こうしたなか、当研究室ではBoc保護アミナールから、アルキニル基 を有するBoc保護イミンを系中で発生させる手法の開発に近年成功している。しかし ながら、この手法では酸性条件でイミンを系中発生させるため、中性の求核剤しか適 用できず、中性の求核剤よりも種類の豊富なアニオン性の求核剤が使用できないとい う制限があった。そこで申請者は、塩基性条件でBoc保護アミナールからイミンを系 中発生させる手法を新たに開発し、それを用いた合成反応への応用を目指した。 (1)Boc保護アミナールを用いた相間移動条件での不斉マンニッヒ型反応の開発 既存のBoc保護アミナールの脱離基をカルバメートアニオンよりも脱離能の高いイ ミドアニオンとすることで、より温和な塩基性条件で脱離が進行すると予想した。そ こで既存のBoc保護アミナールに対し、Boc基をさらに導入した新たなイミン前駆体を 調製した。このイミン前駆体を用い、炭酸カリウム、相間移動触媒としてテトラブチ ルアンモニウムブロミド存在下、グリシンシッフ塩基を求核剤としてマンニッヒ型反 応を試みたところ、目的の反応は速やかに進行し、従来合成できなかったアルキニル 基を有するα,β-ジアミノ酸誘導体を高収率で得ることができた。この結果より、イミ ン前駆体から温和な塩基性条件でイミンを系中発生させられることが明らかとなっ た。そこで次にビナフチル骨格を有するキラル相間移動触媒による不斉マンニッヒ型 反応に応用したところ、α,β-ジアミノ酸誘導体を高立体選択的に得ることができた。 (2)Boc保護アミナールを用いたグリニャール試薬の付加によるBoc保護プロパルギ ルアミンの合成、及びケチミンへの酸化 (1)で開発したアルキニル基やアルケニル基で置換されたイミン前駆体に対し、 グリニャール試薬を求核剤として用いた付加反応を試みた。その結果、グリニャール 試薬が塩基かつ求核剤として作用し、従来合成が困難であったα-アルキニルプロパル ギルアミンやα-アルケニルプロパルギルアミンを高収率で得ることができた。また、 本反応で得られたBoc保護プロパルギルアミンは活性二酸化マンガンで対応するケチ ミンへと酸化されることを見出した。

(3)

(続紙 2 ) (論文審査の結果の要旨) 申請者は、Boc保護アミナールを用いたBoc保護イミンの新規調製法を確立し、合成 反応へ応用することによって、従来調製が困難であったBoc保護プロパルギルアミン を効率的に合成できると考え研究に取り組んだ。その結果、申請者は新規Boc保護ア ミナールを用いた相間移動条件での不斉マンニッヒ型反応の開発、およびBoc保護ア ミナールを用いたグリニャール試薬の付加によるBoc保護プロパルギルアミンの合 成、及びケチミンへの酸化反応の開発に成功した。これらは、従来の有機合成の難題 を解決する学術的に価値が高い研究であると考えられる。 第二章では、塩基性条件でイミンの系中発生が可能な新たなBoc保護アミナールを 開発し、相間移動条件での不斉マンニッヒ型反応に応用した。申請者は既存のBoc保 護アミナールに対し、さらにBoc基を導入することで穏やかな塩基性条件で対応する イミンを系中発生させられることを見出した。また、この新たなイミン前駆体に対 し、アニオン性の求核剤としてグリシンシッフ塩基を用いることで、従来合成できな かったアルキニル基を有するα,β-ジアミノ酸誘導体を高立体選択的に得ることにも成 功している。さらに本反応の基質適用範囲は広く、種々の置換基を有するアミナール においても高立体選択的に反応が進行することを明らかにした。 第三章では、新たに開発したBoc保護アミナールをグリニャール試薬による求核付 加反応に適用し、得られた生成物は酸化によって対応するケチミンへと変換した。申 請者はアルキニル基やアルケニル基で置換された新たなイミン前駆体に対し、グリ ニャール試薬を塩基かつ求核剤として用いた付加反応を試みたところ、従来合成が困 難であったα-アルキニルプロパルギルアミンやα-アルケニルプロパルギルアミンを高 収率で得ることができた。また、本反応で得られたBoc保護プロパルギルアミンは活 性二酸化マンガンで対応するケチミンに酸化されることを見出した。これまでアリー ル基や電子求引基で置換されたBoc保護ケチミンしか調製できなかったことから、ジ アルキニル基やアルケニルアルキニル基で置換されたケチミンは、新たな含窒素化合 物のビルディングブロックとして期待される。 以上の研究成果が示すように、申請者は新たに開発したBoc保護イミン前駆体に対 して種々のアニオン性の求核剤を適用することにより、重要な基本構造であるにもか かわらず従来合成が困難であった含窒素化合物への効率的な変換を達成した。さらに 合成した反応生成物を有機合成上重要な含窒素ビルディングブロックに導くことで、 今回開発した反応の有用性を明らかにした。この一連の研究は、含窒素生理活性物質 の合成研究や機能性材料の応用研究に繋がるものと考えられる。 よって、本論文は博士(理学)の学位論文として価値あるものと認める。また、平 成28年1月12日に論文内容とそれに関連した事項について試問を行った結果、合格と 認めた。なお、本論文は、京都大学学位規程第14条第2項に該当するものと判断し、 公表に際しては当該論文の全文に代えてその内容を要約したものとすることを認め る。 要旨公表可能日: 年 月 日以降

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