JICA いちおし 8 月号
(2016 年 8 月 1 ⽇発⾏) グアテマラ ニカラグア エルサルバドル ジャマイカ ペルー ブラジル いちおし パソ・レアル橋完成間近: ハリケーン・ミッチから復興 18 年の節目 いちおし 神戸からエルサルバドルへ イザ!カエルキャラバン! ~楽しみながら防災知識を学ぶ~ いちおし グローバルパートナーシップの活性化 にむけて(SDGs ゴール 17) いちおし 東京オリンピック出場を目指す!ペ ルー女子ソフトボールチーム いちおし 第3回ペルー障がい者スポーツ指導 員養成講習会開催! ~短期ボランティアによる支援~ ちょっと気になる話 柔道チームの監督は日本人 ~サモア派遣中の青年海外協力隊員が オリンピック選手に帯同~エルサルバドル いちおし! 神戸からエルサルバドルへ イザ!カエルキャラバン! ~楽しみながら防災知識を学ぶ~ 日本と同じく自然災害の多いエルサルバドルでは、これまで洪水・土砂崩れ・地震と 多くの被害を受けてきたため、防災対策の強化が重要な課題です。しかしながら、住民 の多くは、「いつ起こるか分からない災害」に備えるよりも日々の生活を優先し、防災 意識が根付いていないのが現状です。こうした住民の意識を変えていくために青年海外 協力隊員 2 名がサンビセンテ県内の小中学校を中心に「イザ!カエルキャラバン!」の 要素を取り入れた防災教育を展開しています。「イザ!カエルキャラバン!」は阪神大 震災をきっかけに神戸で誕生した、子どもたちが遊びの延長で防災の知識を身につけら れる防災訓練プログラムで、当国には 2010 年に BOSAI プロジェクト専門家によって導 入されました。協力隊員は現地の環境に合わせた改良を行い、例えば、ゴミが排水溝に 詰まり、洪水を悪化させている問題では、環境問題を扱ったポイ捨て削減コーナーを設 けたり、入手困難な水消火器の的当てゲームの代わりにバケツの水で消火体験を行った りと、一人でも多くの住民に防災知識を身につけてもらおうと奮闘中です。 2015 年度はサンビセンテ県内の 20 校で 1550 名の生徒を対象に実施し、今年度は同 県で 40 校 3500 名を目標に活動を進めています。6 月末までに 17 校(1039 名)におい て実施され、学校教員や中学生を対象にしたファシリテーターの育成も順調に進んでい ます。また「イザ!カエルキャラバン!」の知名度が向上し、防災教育に関心を持った 保護者が活動に参加するなど、防災を意識した学校や住民は確実に増えています。この 取り組みによる防災教育が同県から全国に普及することが期待されています。 クイズで防災知識を学ぶ 学校での避難訓練 救急搬送の練習 表紙へ
グアテマラ いちおし! グローバルパートナーシップの活性化にむけて(SDGs ゴール 17) 5 月 19 日にリスボン(ポルトガル)で開催された「三角協力に係る国際会議」(OECD (経済協力開発機構)及びポルトガル援助庁主催)に、グアテマラから大統領府企画庁 国際協力次官が参加されました。帰国報告会では、各国援助機関関係者との積極的な意 見交換をとおし、チリとの税制度に関するプロジェクトやコロンビアとの和平交渉に関 連するプロジェクトなど、グアテマラとラテンアメリカ地域内における三角協力推進の 更なる可能性を発見されたことを報告されました。 国際援助の世界でいま注目を浴びる「三角協力」は、2016 年から新たに開始した「持 続可能な開発のための 2030 アジェンダ」のグローバルパートナーシップの活性化(ゴ ール 17)に寄与する取り組みです。 現在当事務所でも、様々な形でラテンアメリカの人材と共に技術協力を進めていま す。例えば、病院サービスの質改善プロジェクトではブラジル生まれの病院に特化した 経営改善モデルを適応したり、国家文民警察とのプロジェクトでは日本の交番モデルを 導入し、自らの地域警察モデルを実践するブラジルサンパウロ州軍警察からの支援を受 けています。また、文化的そして民族的要素が複雑に関わるリプロダクティブヘルス分 野では、類似する課題に対処してきた経験を持つメキシコ人専門家が日本人専門家と共 に活躍するなど、すでに域内で専門性を高めた人材や日本人には経験のない部分を補完 することを目的として、域内リソースの積極的な活用を進めています。 これまでの支援する側・される側という形から、文化、言語等の類似性を生かした域 内途上国支援が進むことに加え、技術を提供する側の更なる自己研鑽と新興ドナー国へ の成長を促すことが可能となる三角協力の取り組みは、今後の JICA の中南米支援の新 たな流れになっていくものと思われます。 ブラジルでの地域警察研修 病院サービスの質改善 グアテマラ事務所フェイスブック:https://www.facebook.com/jicaguatemala
ニカラグア いちおし! パソ・レアル橋完成間近:ハリケーン・ミッチから復興 18 年の節目 先日、無償資金協力で実施しているパソ・レアル橋 建設現場の進捗状況を紹介するためのプレス・ツアー が建設現場にて行われ、在ニカラグア今井大使、マル ティネス運輸・インフラ省大臣等も参加される中、日 本の橋梁を取材しようと多くのニカラグア報道関係 者が集まりました。橋梁建設を監督する日本のコンサ ルタントの三好技師より、橋梁建設に使われた技術と その移転につき説明が行われ、工事の質の高さや裨益 地域における社会経済的インパクトの高さにカラグ ア人記者から大きな関心が示されました。 1998 年、ハリケーン・ミッチ被害により、ニカラグア国内 の道路インフラは壊滅的なダメージを受け、橋梁もたくさ ん崩壊しました。パソ・レアル橋もその一つで、生産性の高 い地域である 2 つの市を繋ぐとともに、貧困度が高く脆弱 地域とされている北部カリブ海岸地域へのアクセス道とな っています。 1998 年以降、長い間仮設橋を利用していましたが、一車 線の上、老朽化が著しく、安全性の確保が出来ない状態で あったことから、新しい橋梁の建設が要請されました。この橋梁の建設により地域・経 済の活性化及び安全な輸送・交通が可能となります。この橋が完成するとハリケーン・ ミッチで被害を受けた主要な橋梁が全て復興するこ とになります。被災から 18 年の長い時間をかけて、 ようやく甚大な自然災害からの復興が大きな節目を 迎えることになります。 現在、パソ・レアル橋の建設は 80%の進捗状況で、 10 月の終わりには竣工式が予定されています。その際 には、中央政府、地方政府からの関係者も参加予定で、 再びニカラグア国内の注目が集まることが期待され ます。 表紙へ 写真2.雨の中、取材を受け る関係者。 写真1.JICA ニカラグア事務所所 長、在ニカラグア日本大使、ニカラ グア運輸・インフラ省大臣、橋建設 業者、監督業者等の関係者。建設中 の橋にて記念撮影。 写真3.建設の進むパソ・レアル 橋。
ペルー いちおし!
東京オリンピック出場を目指す!ペルー女子ソフトボールチーム
8 月 1 日より、リマ市にて「第 2 回女子 15 歳以下女子ソフトボール南米選手権大会」 (Ⅱ CAMPEONATO SUDAMERICANO DE SOFTBOL FEMENINO SUB15)が開催されます。南米にお けるソフトボールは、昨年から 15 歳以下のカテゴリーでも国際大会が実施されるなど 徐々に普及が進んでいます。この地域ではブラジルとアルゼンチンが圧倒的な強豪国で すが、ペルーチームの奮闘も注目されています。昨年の第 1 回大会で、ペルーチームは 予選でブラジルチームを破り、決勝トーナメントで準優勝を果たしました。実に 30 年 振りにブラジルに勝利するという快挙に、ソフトボール選手に加え、関連競技である野 球関係者も感激の涙を流しました。 この U-15 女子代表チームを監督として率いているのが、青年海外協力隊員の又吉恭 平さんです。又吉さんはペルー女子代表チームの投手コーチも務めており、高いレベル での競技指導に力を発揮し、関係者から絶大な信頼を寄せられています。さらに、ペル ーチームが目指すのは 2020 年の東京オリンピックです。東京で女子ソフトボールが競 技採用される可能性があり、現在 15 歳の選手たちは次の代表世代としての出場を夢見 ています。ペルーにおけるソフトボール競技者の約半分は日系人で、その躍進に日系社 会からも大きな声援が寄せられており、又吉さんの指導のもと、日々の厳しい練習に励 んでいます。 昨年はダークホースとして活躍したペルーチームですが、今回、参加国がペルー対策 を立てて全力でぶつかってくることは間違いなく、まさにその実力が試されることにな ります。「この大会で力を証明してみせる」と目を輝かせて白球を追いかける選手達に 注目下さい。
いちおし! 第3回ペルー障がい者スポーツ指導員養成講習会開催! ~短期ボランティアによる支援~ 8 月 16 日から日ペルー友好・国立障害者リハビリテーションセンター(INR)へ派遣 される JICA ボランティアグループとペルー側関係者の協同により「第3回障がい者ス ポーツ指導員養成講習会」が、2016 年 9 月 8~9 日にリマ市内で実施されます。 今回の JICA ボランティアグループは、国際医療福祉大学福岡保健医療学部理学療法 学科と鹿児島大学医学部保健学科理学療法学専攻の教員と学生、そして、作業療法士の 計 9 名から構成されます。 今年の講習会では、種目を車椅子バスケット、車イス卓球、シッティングバレー、ボ ッチャの計4種目にしぼり、内容をリハビリテーションを終えた後のスポーツの継続を 視野に入れたものとし、ボランティアチームは、パラリンピック種目の障害区分判定、 怪我なく障害者スポーツを楽しむためのコンディショニングとバイタルサインの紹介、 各競技のスポーツ指導・練習方法をペルー側関係者に伝える予定です。 約1ヶ月という限られた時間ですが、ペルーでの障がい者スポーツの普及および促進 を目的に、日本の障がい者スポーツを講習と実技を交えてペルーの医療関係者に伝えて くれることでしょう。
日本政府の進める SPORT FOR TOMORROW イニシアティブを、ここペルーではボランテ ィア派遣を通じて、野球、柔道、ソフトボール、卓球、陸上競技に続いて、障害者スポ ーツの分野でも推進し、ひとりでも多くの人にスポーツのすばらしさを伝えます。
(昨年の実技講習の様子)
車いすバスケット 車イス卓球
ブラジル ちょっと気になる話 柔道チームの監督は日本人 ~サモア派遣中の青年海外協力隊員がオリンピック選手に帯同~ サモアで柔道隊員として活躍中の江口吹樹隊員(東京都出身)がこの度、リオデジャネ イロオリンピック柔道チーム監督としてリオデジャネイロにやってきます。江口監督が 指導してきたのは、男子 100 キロ超級に出場するデレク・スア(Derek Sua)選手です。 江口隊員は 8/2 日から 19 日にかけリオデジャネイロに滞在予定。取材をご希望の方 は、ブラジル事務所リオデジャネイロ臨時駐在五味(携帯電話(61)99995-2114)にご 連絡ください。 表紙へ 以上