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金時人参種子の貯藏に関する研究 I 種子含水量と温度の影響について-香川大学学術情報リポジトリ

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3ユ. 第フ巻第ユ.骨(1955)

金時人参種子の貯蔵に関する研究

Ⅰ 種子含水量と温度の影響について 安 芸 精 一・渡 辺 正 一

Studies onthe storageof the seeds of Kintokicarrot.ⅠInfluence of stor’age temperature and seedmoisture on the germination of seeds

SeiichiA幻and ShoichiWATANABE(:LaboratoIyOf Vegetable Science)

(Received May23,1955.AcceptedJune:10)(1955)

Ⅰ 緒

只 金時人参種子の発芽率は,農林省特顔課では55%を以って標準発芽率として,そ菜種子中最も悪い・本実験は, 著者の一入渡辺の発案と試験方法に基き市販金時人参種子の発芽不良の原因を究明する目的で安芸の行ったもの で,採種後,包装輸送する場合に於いて,乾燥の不十分と輸送中の高塩が発芽不良に影響するものでほなかろうか と考え,貯蔵種子の発芽に対する麓子含水盈土瓶度の影響について,1954年フ月∼12月軋亘りニ,≡の宍験を行つ て待た結果の概要である.

Ⅱ 実験材料並に方法

契験材料;市販金時人参種子及び香川農科大学附属第三農場痍範囲で採種した金時人参板子を用い阜 契駄方洪;農期包装輸送中の状態を考際して,温度3C,4ロ,45,50,600c,私学含水盈6∼16ク乞左様々組合せ て貯蔵条件とし,1つ日間貯蔵しで後潰すこ発芽試験を行った..種子含水盈の調蔓勤ま,花撒25個体より試料を取り良く 混合し,毯子含水盈が6%になるまで日乾して,ユ区当り5Cccの指琴瓶に・試料3g‡を入れ,′、ざ・れに水を含んだ油紙 片を適宜入れた後,ワセリyで密栓し適宜含水盈の増加をほかった.発芽試験は,直径9cmのシャーレに濾紙軍政 を置き,種子ユ00粒を罷床し,一柳こ.4ccの蒸溜水を注入したい発芽勢はフ日間,発芽率は16日間の発芽を以七示し, 発芽粒数

欄発芽日数=主旦旦聖萱牙粒型遽産後旦墾,発芽係数=表芸露顧を以て各々錮した

せ 実 験 結 果 A)10日間連続貯蔵の場合 普通金時人参種子の採種期は,6月下旬∼フ月上旬で蟄家より搬入された喧子はーい定の場所に堆積され包装輸送 される..本契験は,夏期高湿多湿の状態の下で包装輸送される毯子の寿命について考察する目的で数回に渡って同 一奨験を行ったが,発芽に対する統計処理の緒風紀て同様の結果を得た、種子含水盈と温度が発芽に及ぼす影響 について一日例を示すと,第一・表の如くである 第ユ表,亀子含水盈ど泥皮が発芽に及ぼす影響(1C日間貯蔵) l の一 B B 6,843 6,513

(2)

香川県立農科大学学術報告 …芸‡≡; 32 11,520 1.3,520 l り一 〇リ A− C C C C ﹁一 ご ¢リ l・ D D D D 註一)署床日;1954年10月ユ8日,実験期間中の温度;最高26.50c,最低140c,板子含水盈は,実験終了後,歪急 に倣って算出した水分盈であるい ※着意差の検定(自由度4) (BヨーB汚),(Cl−C9)では,0=05,玖上,(Bl−B3),(Cl−C籍),(C2−C8),(CB−C4:)では 0.01,以上1(Bl−B4_),(B慧NB4=)(B8−B4=二),(Cl−C4:),(’c2−C4=)(Dl−D2.)では0‖00l, 以上( )は比較区間 第ユ表に成ると,300cの下;榎手合水盈9’%′}13.5%でほ,発芽率は55∼00%を京し有意差が認められない.発 芽勢についてほ多少差はあるが,これを以って優劣を決定する事は困難である..何となれば,〆切日をユ日早くす るか,速くするかに依って異って来るもので,この点発芽係数に依って比較すれば略々等しい傾向を示している. 400c1450c,桂子含水畳12%以上の条件下でほ,発芽率に影沓を・持たらし,400c,範子含水監12%では,発芽 率26.8%、と著しく低下した.叉,平均発芽日数,‘発芽係数を見ても同様の傾向で瞳手合水盈の増加につれて悪くな っているい而し500cで穣手合水盈9%の下でほ,発芽率42・4%を示している、この様に毯手合水草の多少に依って 発芽カに著しい影響を与える事が認められる. B)時間的経過に伴う発芽の状態 第ユ表の実験結果に・於いて,種子含水盈9%∼13%の間の発芽に対する影響について知ることが出来た.本実験 は穣子含水塵9%玖下,13%玖上の場合の貯蔵結果並にその発芽が時間的経過笹伴って如何なる影響を示すかを知 るため,温度300,350,450,500c,瞳子含水盈6ク右・−ユ.9%を,毯々組合せて2回に亘って同十笑顔度行った結果 第2表,弟3表の紬ぐである.(特に夏期,包装輸送中の海産を考慮して記載したのである..) 第2表 時間的経過に伴う発芽率の変化 (450c)

(3)

籍7巻第1号ぐ1955) 33 証)実験期問ぃ1954年u月2日よりユ2月9軋 実験期間中の温度,最高2lOc,最低ユ3.50c,種子含水盈は,実 験終了従量盈%に依って算出した水野盈である・ ※ 着夢是政定 (自由度4) (A5・−A6),(A4・−A6),(C2・−C8),(D9・−・D8)では0.05,以上(Al−A汚),(Al−A¢),(A2 −−A5)ノ,(A2−A6),(A$−A6),(Cl−C籍),(Bl−IB臭),(B】−B5),(B2−B4),(B籍−B4), (B計「・B5)1(BエーB。),(BA−・B5),(B5∵B。),では0.0ユ以上(Bl−B¢),(B公一B5)∴(B2−B。), (B4−B6)では0.001,L以上 ( )は比較区間 第3表 時間的経過に伴う発芽率の変化 (500c) 註)実験灘間;1954年11月2日より2月9日,実験期間中の温度;最■高2lOc,最低13.50c,種子含水畳は,矢

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香川県立袋科大学学術報告 34 験終了後冤盈%に依って算出した水分盈である 岩宿意差検儲 (自由度4) (A】⊥A4),(A2−A4),(’A望−A5),(A8−A5)(A5−A¢),(Dl,D9)では0.05奴上(Al−A5),(Aユー A。),A3−A¢),(旦集−As),(A奥−A¢),(由1−B3),(B2−BB)でほO.dl,以上(A9MA公)では0・00ユ以 上.(、‘)は比較区間

J 第2表の結果に倣ると,処理24時間後,税手金水温ユ2%玖下の条件下では,発芽率45−54%を示してI、るが,種

子含水盈13.5%以.上の下では25−33..5%と.琴う低い発芽率を示し∴統計処理の結東明らかに廃藩差が認められる・ 96時間後∴168時間後に・於いて,範子合力車9“5%以下の下では発芽率に画し大きI、差異はなく,種子含水盈13% 以上で特急速に発芽率の低下を泉している

240時間後毯子含水盈9%以下でほ発芽率45−50%,種子含水塵ユ.3%以上の如下では発芽能力を完盆に洗って

いる 第3表に於いても種子含水盈の増加に償って発芽率が低下する傾向があり,桂子含永盈ユ.4クぬ上のやで転24時間 後で発芽率32−・12・5%,96時間後では0%となづている.而し,毯子含水盈8‖5%玖事の条件ではゝ240時間疲セも 発芽率由こ45ク占め値を京した」 飴,300c,350cゐ条件の吻合でほ,種子含水畳ユう,.5%以下セノ24〇時間後に於いてほ発芽率48⊥55宛で標準発穿率 を荒しそいるが∴塩辛含水盈ユ5クわ,ユ68時間後では発芽率皇0−一.LO%に.急速な低下を示した.上の様佐渡度,穣卓含 水盈の増加に伴づて発芽率に影響する新大きい. ¶ll考 察 この試験は,市販金時人参暁子の発芽不良の原因を究朋するため,瞳子含水盈と温度が踵亭の発芽力転対Lて如 何なる影響をするかについて行ったもので,そ菜桂子の貯蔵に於いて麗子含水盈と湿度が碍子の寿命に及ぼす影沓 についてほ,既軋 多くの学者紅依って発表されているjl・即ち,BARTOy,(1\ご)安田(14】51?),近藤,(ミ)ノ.門田,(5) 餌丁甲,Bos準(3)笠原く6)加藤(7)等々ほ発芽に対して高温多湿の悪条件を挙げ,嘩に唾予含水盈の影響が 大きい を行?ているが,今だ決部勺に結論されていなし、・・上記の契験結果に於いて,釦∴2,3表に泉す如く∴ユ0日間 運統貯蔵の場合,30−400c,種子含水盈ユ3%以下の粂件下では45−50%と標準発芽に.近い値を示し有意差は認め られない..而し瞳子含水盈がユ5%以上の場合でほ発芽率ほ著しく低下した.この事は時間的経過匿伴う調査に於い ても申様で,蹄笹高温多湿?桑件・下に於いでであーるが,45−500q,踵子含水盈9%以下の状態では,発琴率50% 前後を示し,桂子含畑10%以上になると第2,3表に示す如く,処理96時間後でユ.C−0%と著しい低下を示して いる.この様に発芽率の減少は,悪条件下転於ける高い種子含水盈と温度に依るものと言へ,かゝる原因につい てCRO¢E馳(l)は,有塩多野に依る酸化酵素の滑失,・エネルギ仲給源物質の滑費及び,原形質の凝固等に依るもの と考ている・即ち市販金時人参毯子の場合に即、ても,夏期,高湿多湿の暮条件下で包装輸送される場合,乾燥 の不十分と輸送中の高温が窺子わ生活力の淑少をもたらし発芽不庖の一原因をなずものと考える事が出来る.

Ⅴ 摘

要 この試験ほ,市販金時人参鐙子の発芽不良の原因を知るために,確手合水盈と温度の影響について,ユ954年フ月 ∼12月に慮り行ったもので結果次の様である. (1)300c,4つOc,塩子含水盈13%以下の状態で10日間貯蔵された毯子は発芽カに何の差異もない.而し,高い窺子 含水盈の場合では発芽率ほ著しく低下した (2J450c,種子含水盈1・3〃5%以上の場合では発芽率0%であった.而し,第3表に表す如く,500cの下で橿子含 水盈9%以下では4〇∼45%を発芽率を示した 制 貯蔵種子の発芽ほ,温度よりも種子含水盈に影響される断が大きい 巳

(5)

第7巻 第1号(1955)

Ⅶ 引 用

(1)BARrO凡.L.Ⅴ.:Co紹≠畑‖励.γCβ 7Ⅵ00ゆぶ0乃, 劫S∼.リ10,205−220(ユ939二) 搾)BARrON,L,Ⅴ,:Cα矧炒め‖ jお.γC♂ 7Ⅵ吻・S?郡 毎・S′.,12,85−102(ユ94ユ) (8)BEArr柑,.ー.H“,Bosw乱L,ⅤいR.:アγ¢C∴血郁. 5¢Cg」勤扉.5c夏♂〝Cβ,35(ユ.937) 糾 CROCEm,andBARTON:Physiologyofseeds, 140 −154,Waltham,Mass..,U..Sい A,The ChronicaBotanicaCdmpany(19g3) (5)門田寅太郎:園芸学会雑誌,12,245−246(ユ.941) (6)笠原 安夫:育種と癖芸,3,291−294,330∼333 (1948) (7)加藤 照考:種苗界,3,l2−13ぐ1950) (8)中村俊一1部:園芸学会雑誌,23,43−47(ユ.954) 35

文 献

(9)手島房雄著‥栽培学(種子編),70−128,東 京,養賢堂(ユ954) (畑 渡辺 正山‥兵庫の種貰,1,2−3(エ953) ㈹ 渡辺 正一:園芸学会雑誌,23,237−243(1955) 周 波辺 正一・:盛業及園芸,30,463−464(.1955) ㈹ 茨辺.正一:良瞳,1,(2j(1953) (畑 渡辺 諭:農業及園芸,25,985−988(ユ950) 細疲通 論:痍某及園芸,25,879山882くユ950) ㈹ 安田 貞夫:典巽及園芸,19,≦92−298(1944) 用 安田 貞夫:農業及園芸,22,5ユ1−51.2(1947) ㈹ 安田良夫著:桂子生産学,東京い養賢堂(ユ951) 臓∴農林省爵政局:穏苗換査便覧‡東京(1950) RるS u m畠

ThisexpermentwasperformedfromJu亭yto Dec声mber,1954todeterminewhy spme苧ee申of Kintokicarrotbeingsoldshowedpoorger甲ination・ ResultsObtainedwe工e甲follow$; (1)Whenseeqswere苧tOreqfortenday$attemPeratureSOfbetween300叫40Oc,tho$eWithseed moisturebelow13%s享10壷edlittledifferenceinthegerminatiop,butthosewithhigh甲・mOisture COntentS$howedprogressivelossingermination power. ( nationpowercompl?tely(0%)・Table3showsseed$b610W9%moisturestoredat500cgerminat9d

40to50%

ぐ3)Influenceo車theseedmoisturQ uPOnthe germination of sforedseedsis gT・eatert桓nthatof

参照

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