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有限責任中間法人 建設情報化協議会

土木現場 CAD 実務研修テキスト

CAD 図面電子納品への対応

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目 次

1. はじめに...1 2. 準備段階...2 2.1 CAD の選定... 2 2.2 基準等の理解... 3 3. 図面受領時...4 3.1 CAD 図面のチェック... 4 3.2 図面の印刷... 6 3.3 データ交換方法... 8 4. 施工時...14 4.1 履歴管理方法... 14 4.2 作図方法... 15 5. 設計変更時...16 5.1 設計変更の手順... 16 6. 納品時...17 6.1 ファイルの区分... 17 6.2 納品データの作成... 17 7. 竣工後...19 7.1 納品データの活用... 19 8. その他の項目 ...21 8.1 外注業者を利用する ... 21

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1. はじめに

CAD はただでさえ扱うのに苦労しているのに、SXF 仕様や CAD 製図基準(案)な ど新しく覚えなければならないことが増えてきて、ますますわからなくなってきたという 方が多いのではないでしょうか。 基準、ガイドライン、手引きなど多くの参考文献が出されていて、実際運用する場 合には何を参照すれば良いのかわかり難いことも要因のひとつです。 CAD 図面の電子納品に対応するポイントは以下の2点と考えられます。 ・ CAD の使い方を習得すること。 ・ 基準、ガイドライン、手引きの内容を整理して理解すること。 CAD は設計・施工フェーズでいろいろな使い方ができます。今後、現場施工を効 率的に運用するために必要不可欠のツールになってきます。CAD データを扱う上で、 「利用」「作図」「交換」のどれも重要ですが、いずれも基本知識がないと使いこなせま せん。 SXF ファイル取扱いのこつは、やはり CAD 作図技術を修得することが最短コース です。CAD の有するオリジナルの機能を使って様々な図面を早く、かつ正確に作図 できる力量を身につけることで、レイヤの概念や線種、線幅の設定方法、尺度や部分 図の扱い方など、CAD 基本機能を理解することができます。次に、各種基準への対 応に進みます。基本知識を有していれば CAD 製図基準(案)のような作図ルールや、 SXF のようなファイルフォーマットを理解するのも容易となります。 本テキストは電子納品において CAD 図面を取り扱う際の注意事項などをまとめた ものです。全体的な流れはガイドブックや手引き書にありますので、施工段階におけ る項目をスポット的に紹介しています。 現段階で CAD 図面電子納品に携わっている方に対して、少しでもお役に立てれ ば幸いです。 平成 17 年 8 月

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2. 準備段階

2.1 CAD の選定

電子納品支援機能を有する専用ソフトと、有していない汎用ソフトがあります。 CAD は自分に合った、使いやすいソフトを選定しましょう。

CAD ソフトは専用 CAD と汎用 CAD に2分されます。CAD 選定のポイントは自分に とって使いやすいものを選定することにつきます。電子納品の支援機能は便利です が、慣れた人にとっては邪魔な機能にもなりかねません。使う場面によって CAD ソフ トを使い分けるのもひとつの選択肢です。 AutoCAD LT EXTREND 武蔵 (株)Autodesk www.autodesk.co.jp/ ・AutoCAD LT2006 178,500 円 ・SXF Converter for DWG 2006 10,500 円 福井コンピュータ(株) www.fukuicompu.co.jp/ 電子納品や写真管理ソフトも含んだ製 品。選択するソフトの組合せにより価格が 異なる。 汎用 CAD ・世界的シェアが高く、建設 CALS 以 外では、DWG ファイルを交換フォーマ ットにしている業種もある。 ・解説本や講習会も多く、CAD を最初 に覚える際、AutoCAD を選定する人 が多い。 ・SXF への入出力は SXF Converter を 使って変換する。 ・電子納品作図のための支援機能を 有していないため、電子納品に準拠し た CAD 図面を扱うためには、製図基 準やガイドラインを理解しておく必要が ある。 ・AutoCAD LT ユーザの多くは他の電 子納品支援ツールと組み合わせて利 用している。 専用 CAD ・EXTREND 武蔵は建設 CALS に焦点を 合わせた製品で、CAD、写真管理、納品 ソフト、出来型管理など多くの支援システ ムから構成されている。 ・CAD は SXF、DWG ファイルをダイレクト に読み込むことができる。 ・チェック機能、自動修正機能を有する ため、CAD 製図基準やガイドラインをあ まり知らなくても、なんとか SXF の図面を 作成することはできる。 ・土木の設計・施工に便利な専用機能を 多く有する。 ・ 参考までに CAD の選定ポイントを以下に示します。 ¾ 操作性が良い ¾ 価格が安い ¾ OCF 検定の認証ソフトである。 ¾ SXF 図面の CAD 製図基準チェック機能、修正機能を有する。 ¾ 複数ファイルの読み込み、印刷が可能である。 ¾ 電子納品作図支援機能がある。 ¾ 属性コピー機能がある。 ¾ 他の用途で利用するための拡張性が高い。 ¾ 講習会、解説本などの学習環境が整備されている。 ¾ 実績があり、すでに社内で多く使われている。

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2.2 基準等の理解 電子納品を行う場合、基準等を理解することが必須です。CAD では細かい規定がたく さんありますので、必ず目を通しておきましょう。 CAD 図面に関する基準等は、以下の3つです。 ・CAD 製図基準(案) 国土交通省 ・CAD 製図に関する運用ガイドライン(案) 国土交通省 ・電子納品に関する手引き(案) 各地方整備局 3つの基準等にひととおり目を通したら、施工中は各地方整備局発行の手引き(手 引きがない場合はガイドライン)を手元に置いて、必要に応じて参照します。手引きに は協議時のチェックシートが添付されていますので、電子納品に対して行うべき作業 を確認しましょう。基準等の入手先は、下表のとおりです。 基準等 入手先URL 最新版 CAD製図基準(案) H16.06 CAD 製図基準に関する 運用ガイドライン(案) www.nilim-ed.jp H16.10 北海道開発局 www.hkd.mlit.go.jp/topics/cals_ec/tebiki2.htm H16.10 東北地方整備局 www.thr.mlit.go.jp/tohokunet/gijy utu/CALS_EC/index.html H16.10 関東地方整備局 www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/tech/cals/tebiki/nouhin_tebiki.htm H16.04 北陸地方整備局 www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/cals/index.html H17.02 中部地方整備局 なし 近畿地方整備局 非公開 中国地方整備局 www.cgr.mlit.go.jp/denshi/doboku0502.htm H17.02 四国地方整備局 www.skr.mlit.go.jp/etc/cals/tebiki/index.html H17.01 手 引 き 九州地方整備局 www.qsr.mlit.go.jp/s_top/denshinouhin/tebiki.html H16.12 他の関連リンク先も紹介します。 基準等 入手先URL 最新版 電子納品チェックシステム Ver5.0.4 SXF ブラウザ www.nilim-ed.jp Ver3.00 CAD データ交換標準開発 www.cals.jacic.or.jp/cad/ オープンCAD フォーマット

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3. 図面受領時

3.1 CAD 図面のチェック SXFブラウザとチェックシステムを使ってCAD図面をチェックする方法が正規ですが、目視確 認が多く、手間がかかります。実務ではもう少し合理的にチェックを行います。 (1) 管理項目のチェック 使用するソフト : チェックシステム 発注図のCD を受領したらまずバックアップをとります。次にチェックシステムで内 容をチェックします。発注者は発注図面を作成する際に必ずチェックシステムを通し ていますので、ここでのエラーは発生しないと想定されます。もし、エラーが発生した 場合は、その内容を事前協議で提示します。エラーの対処方法としては、(1) 発注者 が修正する。(2) 受注者が修正する。(3) 修正しない(納品時同じエラーは見逃して もらう)のうちいずれかとなりますが、どれになるかは事前協議の交渉次第です。 チェックシステムでチェックされる項目 チェック項目 チェックの方法 ファイル形式 SXF(P21)で保存されて いるか。 SXF(P21)形式で作成されていれ ば、引き続いて下記の内容のチェッ クが行われます。 工種 CAD 製図基準(案)に規 定された工種が選択され ているか。 基準(案)以外の工種の場合、エラ ーが表示されます(※1)。 図面種類・ファイ ル名 ファイル名につけられて いる図面種類がCAD製 図基準(案)に規定され たとおりにつけられてい るか。 基準(案)以外のファイル名の場合、 エラーが表示されます。新規追加図 面種類が追加されている場合はそ の名称もチェックされます。 レイヤ名称 CAD 製図基準(案)に規 定されたレイヤ名称が使 われているか。 基準(案)以外のレイヤ名称がつけ られている場合、エラーが表示され ます(※1)。 ※1 管理情報に記述した場合は、エラー表示されません。 (2) 図面の印刷 使用するソフト : SXF ブラウザ(Ver3)または連続印刷のできるCADソフト 目視確認用にCAD図面を印刷します。SFX ブラウザの連続印刷機能はたくさん の図面を印刷する場合に便利です。印刷サイズはA1 サイズまたは A3 サイズで行い ます。 SXF ブラウザ以外のソフトで印刷して図面が正しく表示されない等の不具合が生じ る場合は、一度、SXF ブラウザで印刷して確認します。それでも同じ不具合が発生す るようであればファイルに問題があると判断されます。 (3) 図面管理情報のチェック 使用するソフト : EXCEL(XML ファイルの読めるバージョンのもの)

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図面管理ファイル(DRAWINGS.XML)を EXCEL で読み込みます。印刷した図 面と比較し、図面枚数が揃っていること、表題欄の内容と整合がとれていることを確認 します。 チェック項目 チェックの方法 図面管理項目 管理情報と表題欄から、 図面枚数、管理情報の 内容を確認します EXCEL で管理情報を読み込み、管 理情報の内容を確認します。また、 印刷した図面の表題欄と比較しま す。 (4) 図面チェック 使用するソフト : 自動チェック機能を有するCAD ソフト 印刷された図面および自動チェック機能を有するCAD ソフトを用いて下記の項目 のチェックを行います。まず、CADの自動チェック機能を通してみます。 CAD図面の要素確認は、目視では難しいためCADについている自動チェック機 能を利用して手早くチェックしましょう。表示されたエラー項目を確認し、記録しておき ます。重大なエラーが見つかった場合は、事前協議の際に提示します。 チェック項目 チェックの方法 作図内容 データの欠落、文字化け など。 紙図面を目視確認します。 紙図面と表示内容との整合も確認し ます。 図面の大きさ A1 を標準とします。 紙図面を目視確認します。 図面の正位 横方向が正位 紙図面を目視確認します。 輪郭線の余白 線の太さ 1.4mm、余白 20mm 以上 CAD ソフトの自動チェックで行いま す。 尺度 CAD製図基準(案)に準 拠しているかどうか。 CADソフトで内容を確認します。1 枚の図面に尺度の異なる構造物を 複数作図する場合、縦横の尺度が 異なる図面は正しく作図されている かどうか寸法をチェックします。 線色 CAD製図基準(案)に準 拠しているかどうか。 CAD ソフトの自動チェックで行いま す。 線種 CAD製図基準(案)に準 拠しているかどうか。 CAD ソフトの自動チェックで行いま す。 文字 CAD製図基準(案)に準 拠しているかどうか。 CAD ソフトの自動チェックで行いま す。

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3.2 図面の印刷 発注図を受領した際、図面内容を目視で確認するために印刷します。SXF ブラウザ Ver3.0 では連続印刷が可能となりました。図面枚数が多い場合、1枚ずつ印刷するの は時間がかかります。複数ファイルを取り扱うことのできる CAD もたくさんありますので、連 続印刷で一気に印刷してしまいましょう。 また、連続印刷の対象は紙だけではなく、PDF もあります。発注図面を PDF 化してお くと施工中の図面交換で役立ちます。 (1) SXF ファイルの印刷 SXF ブラウザ Ver3.0 を使用して連続印刷を行います。 連続印刷を選び、印刷したい図面を選びます。SXF ブラウザの印刷では、用紙の 位置と図面枠がずれることがありますので、連続印刷を行う前に必ず1枚印刷して、 印刷の位置を確認してください。 SXF ブラウザで印刷する際のこつとしては、印刷方法を「白と黒」を選び、印刷尺 度を「用紙サイズに合わせる」を選びます。Ver2 では背景色を白にしておかないと白 背景の印刷ができませんでしたが、Ver3.0 では、背景色に関係なく白背景で印刷が できます。 SXF を連続印刷するには、複数ファイルを扱うことのできる SXF 対応ソフトを利用 する方法もあります。本日紹介した、「EX-TREND 武蔵 土木 CAD」も複数ファイル を読み込むことができ(上限100 ファイル)、取り込んだファイルを連続印刷することが できます。このソフトでは開いたファイルを図面番号順に並び変えることができます。 図面番号順に連続印刷できると、出力後に並べ替える必要がなくて便利です。 (2) DWG ファイルの印刷 AutoCAD LT を使用する場合、オリジナル CAD 形式の DWG ファイルを扱うことに なります。AutoCAD LT では1ファイルずつしか開くことができませんので、複数枚の CAD 図面を印刷する場合は別のソフトを利用します。ここでは、複数枚の DWG ファイ ルを一度に PDF 変換するソフトとして、「AutoDePDF(株式会社マイクロアーツ)」とい うソフトを紹介します。ドラッグアンドドロップの操作で複数枚の DWG ファイルを短時 間で PDF に変換するソフトです。ACROBAT で変換するよりも処理時間が短く、図の ⇒AutoDePDF は下記のサ イトをご覧下さい。 http://www.aizu.jp/ 試用版がダウンロードでき ます。 ⇒SXF ブラウザの印刷では、 用紙の中心に図が収まらない ことがあります。 そのような場合は印刷メニ ューの中のカスタム指定で尺 度を調整しましょう。

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細部まできちんと PDF に変換されるようです。また、できあがった PDF のファイル容量 も ACROBAT で変換するよりも小さくなります。

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3.3 データ交換方法 電子メールによるデータ交換は送受信が簡単な反面、コピーが容易であり、デ ータ交換を行っているうちに、類似ファイルがたくさんできてしまう恐れがありま す。また、P21 形式の図面は大容量になりやすいので、メールに添付する際には 注意が必要です。 CAD 製図基準に関する運用ガイドラインでは、打合せ時にはイメージデータを 利用することを原則としています。 3.3.1 イメージデータの利用(SXF ブラウザのビットマップ形式出力) イメージデータの利用として、SXF ブラウザから生成できるビットマップファイルを例 に説明します。 (1) SXF ブラウザからのビットマップ出力 SXF ブラウザのコマンドからビットマップ形式で出力します。図面1枚分または、部 分図を出力できますが、トリミングは他のソフトでもできますので、ここでは図面1枚分 で出力します。 「表示」→「表示モード設定」でバックグラウンド色を白にします。 「ファイル」→「ビットマップ出力」で、ファイルの種類を「1ビット ビットマップ(白黒 出力)」に設定します。ファイル名をつけて保存するとビットマップファイルができま す。 メッシュ値は使用用途によって調整します。メッシュ値を大きくすると取り込みした 画像が粗くなります。以下に紹介する添付ファイルとしての利用やサムネイル印刷に 利用するのであれば、メッシュ値を2 に設定するときれいに出力できます。

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(2) WORD への取り込み ビットマップ形式をWORD ファイルに取り込みます。施工計画書の作成や工事打 合せ簿の作成等に利用できます。 WORD の機能でトリミングができますので、取り込んだあとに表示する部分を調整 します。 「挿入」→「図」→「ファイルから」を選びます。 取り込むビットマップファイルを選択します。

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添付図の大きさと内容を調整します。

大きさは図をクリックし、コーナーの点をつまんでドラッグして調整します。 表示範囲は図のツールバーの中のトリミングで整形します。

添付図の調整が終わったら、図のツールバーから「図の圧縮」を選び、解像度の変 トリミング

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更を「印刷 200dpi」に設定します。ビットマップファイルは容量が大きいため、この操 作を行っておきましょう。 (3) サムネイル印刷による図面リストの作成 図面をサムネイル印刷しておくと、CAD 図面の内容とファイル名を視覚的に比較 できるので便利です。ここでは「VIX」というソフト(フリーソフト)を使ってサムネイル印 刷する方法を紹介します。 VIX を起動し、左側のエクスプローラー風の表示から、ビットマップ形式のファイル が保存されているフォルダを選びます。右側のウインドウに読み込んだファイルのサ ムネイルが表示されます。 図の圧縮 ⇒VIX は下記のサイトから ダウンロードできます。 http://homepage1.nifty.com/k _okada/

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「画像」から「アルバム印刷」を選びます。

「「レイアウト」設定から、A4 サイズ、6枚配置で設定します(設定は好みで変えられ ます)。

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3.3.2 大容量 SXF ファイルについて SXF の大容量ファイルの取扱いはどうすればよいのでしょうか。大容量ファイルと なる要因を理解し、作らないようにしましょう。 SXF のうち、P21 形式はファイル容量が大きくなる傾向があります。その要因として はショートベクトルや要素をたくさん使って作図する事例が挙げられます。下記のよう なCAD 図面は大容量化しやすいので、作図の際は工夫が必要です。 ・ ラスタデータの地形図を、ベクトル変換したデータを用いるもの。等高線がショート ベクトルとなり、大容量ファイルとなります。 ・ 複数枚のCAD 図面を貼り合わせたもの。全体的に大きなサイズとなり大容量化し やすくなります。 ・ 土質柱状図を含む図面。多数の要素から構成されているため、大容量化しやすく なります。 CAD ソフトでは SXF ファイルに変換するのに共通ライブラリが使われていますが、 SXF ファイルの書き出しには上限がなく、いくらでも大容量のファイルを生成できるそ うです。一方、読み込みの上限は500MB で、これを超える容量のファイルは読み込 みができないと聞いています。 どれくらいが大容量ファイルの限界かについては、基準、ガイドラインを見ても明確 な記述はありません。読み込みにかかる時間、ソフトの操作性の低下などは使用して いるパソコンの性能に依存するためです。 とりあえずの目安としては、SXF ブラウザで読み込む時間が 30 秒を超えるようなフ ァイルは、その人にとって大容量ファイルと言えるでしょう。そのような場合は、発注者 と協議して修正してもらうか、より高性能のパソコンに取り替える必要があります。容量 の大きなファイルのみSFC 形式で取り扱うという運用方法もあります。 100MB 程度の SXF ファイルは、CAD ソフトで開くコマンドを行った状態で、1 晩 放っておけば開くことができます(要する時間はわかりません)。開いたファイルを CAD オリジナル形式で保存できれば、容量が小さくなるため操作可能となります(決 してSXF ブラウザで試さないで下さい。他のファイル形式への書き出しができないの で試してみるだけ時間の無駄です)。 ⇒Pentium4 3.2GHz RAM 512MB のパソコンで、20~ 30MB の P21 形式のファイルを 読み込む時間に該当します

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4. 施工時

4.1 履歴管理方法 施工中には設計変更や施工承諾によって、発注図面が増減したり、新規図面が追 加になったりします。電子成果品では発注図面と完成図面を関連づける項目はあり ませんので、各々独立した図面となってしまいます。 履歴管理の目的は図面の最新版管理を行うことにあります。完成図面フォルダは 最新版のみ格納しますので、新規に増えた図面、変更により削除となった図面、内容 を変更した図面を判別し、常に最新状態に維持しておく必要があります。 中でも特に履歴管理の必要な図面は承諾図です。 材料の変更や寸法値の修正など軽微な変更が生じ た場合は、完成図にその内容を反映させる必要があ ります。 工事打合せ簿等に添付した修正図面等も含めて、 あとで混乱が生じないようにしておきます。 土工協ではファイルサーバでの管理を想定し、左 図のフォルダ構成を提案しています。 複数の人間で CAD ファイル扱う際は、アクセス権 制御、バックアップ、管理担当者等を明確にした上で 運用しなければなりません。 施工段階では完成図面フォルダにどの図面を納めるのかは決まっていませんので、 承諾図や仮設図等も含めてすべての図面を管理しておきましょう。 改訂履歴簿の作成例(やさしいCAD 図面電子納品入門より引用) ⇒やさしいCAD 図面電子納 品入門(山海堂)より引用

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4.2 作図方法

CAD の基本操作をマスターした上で、CAD 製図基準(案)や CAD 製図に関するガイ ドライン(案)の内容を理解することが必要です。 SXF 対応電子納品支援機能のついた CAD ソフトを用いると、ある程度は CAD が 判断してCAD 製図基準(案)に準拠して仕上げてくれます。しかし、作図ルールの多 くは作成者の判断によるところが多く、自己判断のもとで作成していかなければなりま せん。そのため、基準等の理解は必須条件です。 納品対応CAD 図面作成の注意点をいくつか挙げてみます。エラーの生じやすい 項目をできるだけ避けながら作図するのがこつです。 (1) フォントはMSゴシックを使う。 (2) 縦書き文字は使用しない。 (3) 類似図面を引用するか、テンプレートを使用して作図する。 (4) レイヤ名、線種、線幅等の設定は属性コピーを利用する。ただし、SXFレベル 1で作図された図面からコピーしないこと。 (5) レイヤ名で悩んだらQ&Aを参照する。それでも分からない場合は発注者に 問い合わせる。 (6) 塗りつぶしハッチングは SXF 保存後に表示確認する。 (7) 大きなサイズのラスタデータを使わない。 注) ハッチング(塗りつぶし)を使う際には要注意(SXF 機能) 塗りつぶしで線や図形が見えなくなる場合があります。 SXF バージョン2の仕様では「表示順」と「背景色」の情報を交換すること ができません。また、レイヤの順番に関係なく、最後に編集された図形の順に表 示されます。 そのため、塗りつぶしを最後に実行すると、本来は見えるはずの線や文字が見 えなくなる場合があります。 このような場合は、塗りつぶしが最初のコマンドになるように編集し直す必要 があります。 塗りつぶし以外の図形を一度図枠外に移動し、複写機能で元に戻します。これ により、塗りつぶしの後、図形が作図されたことになり、塗りつぶしの上に図形 が表示されます。

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5. 設計変更時

5.1 設計変更の手順 設計変更図面は基本的には発注者が作成します。しかし、協議等を経て承諾図 が発注図に反映される場合もありますので、図面の作成に受注者が関与すること もあり得ます。設計変更の手順を理解しておきましょう。 (1) 設計変更図の準備手順(発注者) ・ 設計変更図面を作成します。 ・ ファイル名のライフサイクルは C となります。 ・ レイヤ名の責任主体は、発注者が作図する場合は D を、受注者が作図した承諾図 を使用する場合は C を付けます。 ・ 表題欄の欄外上部に「第○○回設計変更」と記入します。 ・ 図面番号は設計変更毎の通し番号をつけます。この際、ファイル名の整理番号を1 増やします。 ・ 最新の DRAWINGS ファイルにあわせた、図面管理ファイル(DRAWINGS.XML)を 作成します。この場合、以前の図面もすべて合わせた内容とします。 ・ 設計変更図面ファイル及び管理情報ファイルを DRAWINGS ファイルに格納しま す。 (2) 廃棄図面がある場合 ・ 設計変更によって不要となった図面には、図面枠レイヤに大きく×を描きます。 ・ 表題欄の欄外上部に「第○○回設計変更により抹消」と記入します。 ・ ファイル名の改訂履歴を Z とします。 ・ 図面管理ファイルとともに DRAWINGS フォルダに格納します。

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6. 納品時

6.1 ファイルの区分 納品時には DRWINGS フォルダと DRAWINGF フォルダの2つを作成します。 DRWINGS には DRAWINGF には完成図面を納めます。発注図面を施工中に作成 した図面を整理しましょう。 DRWINGS(発注図)フォルダには発注図面を格納します。発注図面は受注時に 受領した図面と設計変更によって作成された図面です。 また、DRAWINGF(完成図)フォルダには発注図、設計変更図のうち最終履歴の もの及び協議した承諾図が含まれます。その他、施工図や出来型管理図などを納め るケースもあるようですが、管理ファイル作成に手間がかかるため、規定外のファイル はできるだけDRAWINGF(完成図)フォルダに納めないのがコツです。ファイル名 が基準どおりに付けられていないと、チェックシステムでエラーが発生します。 6.2 納品データの作成 (1) DRAWINGS(発注図)フォルダに格納するファイル 発注者から受領した図面ファイルと図面管理ファイルを格納します。 ・ 発注時に受領したCD-Rに格納されている全てのファイル ・ 設計変更時に受領したCD-Rに格納されている全てのファイル (2) DRAWINGF (完成図)フォルダに格納するデータ DRAWINGF フォルダには、完成図データを格納します。 ・ DRAWINGS(発注図)フォルダのうち、最終履歴のファイル ・ 承諾図のうち、発注者と協議して決定したファイル。

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ファイル名の図面番号の変更をします。 ・ CAD ファイル形式を SXF(P21)形式へ変換します。 ・ ファイル名の改訂履歴を Z に変更します。 成果品作成時は、ファイル名の図面番号と図面表題欄の図面番号を一致させ、欠 番のないように1からの連番を振り直すことから、図面番号が発注時と異なる場合があ ります。 納める図面が確定しないと図面番号及び総図面数が決まりませんので、どの図面 を DRAWINGF フォルダに納めるのかを早めに協議で決めるのがこつです。また、 CAD 製図基準(案)で規定されている工種以外の図面や規定外の図面等(出来型管 理図など)を格納すると、図面管理ファイル作成時に苦労し、なおかつ、チェックシス テムでもひっかかってしまいますので注意が必要です。 (3) 図面管理ファイル DRAWINGF フォルダに格納する図面に合わせて図面管理ファイルを作成します。 図面番号1から順に作成します。図面管理ファイルは、XML形式ですので、電子納 品ソフトを利用して作成しましょう。 基準に定められていない工種やレイヤを使った場合には、別途記述方法がありま す。これを記述しておかないとチェックシステムでエラーとなりますので注意しましょ う。 注) DRAWINGS フォルダが納品不要な地方整備局がある。 北陸地方整備局では発注図面は最終成果品に含める必要はありません。電子で はなく紙による納品が求められています。 北陸地方整備局の電子納品の手引き(案)(平成 17 年 2 月)には以下のように記述さ れています。 1-3 北陸地方整備局における電子納品の対象書類 北陸地方整備局における電子納品の対象となる書類は、以下のとおりです。 「施工計画書」「品質管理」「出来形管理」「工事写真」「完成図」 工事完成図書の電子納品要領(案)では、上記以外に「発注図面」、「特記仕様 書」、「工事打合せ簿」、「段階確認書」、「工事履行報告」が電子納品の対象資 料になっていますが、北陸地方整備局においては、これらの文書等は従来どお り、紙による納品とします。しかし、これらの成果品を電子化して納品とすることを 妨げるものではありません。その場合は、工事完成図書の電子納品要領(案)に 従って成果品を作成することとします。なお、電子納品の対象となった書類は印 刷物を提出する必要はありません。 他にもたくさん相違点がありますので、十分注意して対応して下さい。

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7.竣工後

7.1 納品データの活用 (1) XML を理解する 管理ファイルは XML で記述されています。XML の特徴を理解すると活用方法が広がります。 XML は、テキスト形式であり、タグを使って意味を持たせているので、コンピュータ だけではなく、使っている人も内容を把握しやすい構造となっています。 データの保存形式にCSV(カンマ区切りテキスト)という方法がありますが、その方 法と比較してみます。 鉄筋 D16 長さ 3000mm 200 本 鉄筋 D19 長さ 200mm 4000 本 という内容をデータ化すると、 CSV 形式の場合 XML 形式の場合 鉄筋、D16,3000、200 鉄筋、D19、200、4000 <材料リスト> <材料> <品名>鉄筋</品名> <規格>D16</規格> <長さ>3000</長さ> <数量>200</数量> </材料> <材料> <品名>鉄筋</品名> <規格>D19</規格> <長さ>200</長さ> <数量>4000</数量> </材料> </材料リスト> XML の場合、内容が一目でわかる構造で記述されていることがわかります。 電子納品のフォルダにはXML ファイルとセットで DTD ファイルがあります。DTD ファイルには、データの記入ルールが定められています。データの順序、記入回数な どが決められていて、このルールに則ってXML ファイルが作成されているかをチェッ クシステムで確認しています。 したがって、この2つのファイルは必ず1セットで取り扱ってください。 EXCEL(2002 以上)では XML ファイルを、タグごとに表示することができます(こ の場合、必ずXML と DTD ファイルは同じ階層において下さい)。 ただし、EXCEL は最大 256 列しか表示できませんので、タグの種類が多い場合 はエラーとなります。図面管理表を作る場合などに利用できます、

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(2) スタイルシート(XSL 形式)の活用 スタイルシートを作成すると、ブラウザを通して見やすく表示させることができます。 工事完成図書の電子納品要領(案) 平成16 年 6 月では下記のような記述があり ます。 工事完成図書の電子納品要領(案) 平成16 年 6 月 5 ファイル形式 電子成果品のファイル形式は、以下のとおりとする。 ・工事管理ファイル、打合せ簿管理ファイル、施工計画書管理ファイル、その他管理 ファイルのファイル形式はXML 形式(XML1.0 に準拠)とする。 (中略) ・各管理ファイルのスタイルシートの作成は任意とするが、作成する場合はXSL に 準じる。

XSL(extensible stylesheet language)とは、XML のスタイル指定言語です。

XSL なし XSL あり XML データと組み合わせることで、ブラウザでの表現が可能となり、イントラネット での活用もできます。納品ソフトの中にはXSL を作成する機能を有しているものもあ ります。ブラウザがあれば表示可能で、特定のソフトに依存しない形式です。 ひとつのXML ファイルに対して、いろいろな XSL を用意すれば表示項目の切り 替えができます。 XML XSL2 XSL1 XSL3 日付順に表示 整理番号順に表示 変更図面だけを表示

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8. その他の項目

8.1 外注業者を利用する 電子納品の対象となった場合、アウトソーシングで業務をこなすのも1つの選択肢で す。技術力の高い業者を選定し、高品質に仕上げましょう。 外注方法としては、以下の2つの方法があります。 (1) 電子納品の知識及び CAD を扱うことのできる技術者を雇う。 女子職員のレベルアップも有効な方法です。 (2) CAD 作成や電子納品成果品作成を外注する。 発注図面のチェック、SXF 図面作成・修正、納品成果品作成などを外注しま す。 外注業者選定のポイントとしては、以下の点に注意します。 (1) 図面が読めること(座標値、測点等の数字の理解ができる)。 (2) 土木技術者がいること(内容を知らないと作図できない)。 (3) 施工管理の知識があること(書類名の区別ができる)。 (4) IT スキルが高い(XML,DTD、SXF が理解できる)。 CAD に関する外注項目 発注図面の確認 発注図が基準に準拠して作成されているかのチェック。 事前協議の対応 事前協議支援、代行 図面の作図、修正 基準に準拠した図面の作成 納品データの作成 管理ファイルの作成とファイル整理 建設情報化協議会には、技術力を有する多くの会社が参加しています。アウトソー シングを検討する際はぜひご相談下さい。

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CAD研修テキスト

CAD 図面電子納品への対応 SXF ファイル取り扱いのこつ)

発行日:2005年8月 第1.0版 制 作:有限責任中間法人 建設情報化協議会 発 行:有限責任中間法人 建設情報化協議会 記載された会社名および製品は各社の登録商標または商標です。 本テキストの無断複写・転写を禁じます。

参照

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