第
9 回日本血管撮影・インターベンション
専門診療放射線技師認定機構
認定技師試験問題
Ⅲ 放射線防護
日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構 2016.7.311 問題 1. 電離放射線障害防止規則において誤っているのはどれか。 1. 規制対象は診療における患者の被曝も含まれる。 2. 外部被曝による線量の測定は、1 cm 線量当量、及び 70 μm 線量当 量について行う。 3. 放射線業務従事者はその受ける実効線量が5 年間につき 100 mSv を 超えず、かつ1 年間につき 50 mSv を超えてはならない。 4. 事業者は管理区域に立ち入る労働者の管理区域内において受ける外 部被曝による線量及び内部被曝による線量を測定しなければならな い。 5. 女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの、 妊娠しているものを除く)の受ける実効線量については、3 月間につ き5 mSv を超えないようにしなければならない。 問題 2. 医療被曝の説明として誤っているのはどれか。 1. 法令により線量限度を規定している。 2. 生物医学研究の志望者の被曝は医療被曝に含まれる。 3. 患者の家族がX 線撮影の介助をした際に受けた被曝も含まれる。 4. 行為の正当化とは放射線利用から得られる便益がリスクを上回るこ とである。 5. 防護の最適化とは正当化された放射線利用において、種々の要因を考 慮しながら、線量を合理的に達成可能な限り低く抑えることである。 問題 3. 職業被曝について誤っているのはどれか。 1. IVR を行う医師が受ける被曝。 2. 航空機乗務員の宇宙線による被曝。 3. 眼の水晶体の等価線量限度は 150 mSv/年である。 4. 妊娠中の女性は内部被曝による実効線量限度が定められている。 5. 妊娠中の女性の等価線量限度は腹部表面で 1 mSv(出産まで)である。
2 問題 4. 公衆被曝に関して、誤っているのはどれか。 1. 公衆被曝の防護対象には自然放射線源からの被曝も含まれる。 2. 公衆の放射線防護ではモニタリングなどの個人管理は行われない。 3. ICRP による公衆の線量限度は実効線量で年あたり 1 mSv である。 4. 公衆被曝とは職業被曝を除き医療被曝を含めたすべての被曝をいう。 5. 自然放射線被曝は世界平均で年間 2.4 mSv であるが、このうちラドン の吸入による割合が最も大きい。 問題 5. 吸収線量を示す単位はどれか。 1. R 2. J/kg 3. C/kg 4. μSv/h 5. keV/μm 問題 6. ICRP による放射線防護の基本的考え方として正しいのはどれか。2 つ選 べ。 1. 行為の正当化 2. 介入の最小化 3. 防護の最適化 4. 集団の線量限度 5. 核燃料の再利用 問題 7. 造血器官と急性放射線障害に関する記述で誤っているのはどれか。 1. 脾臓は造血器官である。 2. 500 mGy の全身照射で造血障害死が起こる。 3. 赤色骨髄の分布や割合は年齢や部位によって異なる。 4. リンパ球は血球のなかで放射線の影響を最も鋭敏に受ける。 5. 骨髄幹細胞の減少により、血球減少症およびそれに伴う出血・感染が 起こりうる。
3 問題 8. 男性の生殖腺被曝による永久不妊のしきい線量はどれか。 1. 150 mGy 2. 650 mGy 3. 1,500 mGy 4. 2,500 mGy 5. 3,500 mGy 問題 9. PCI 施行時に 2 Gy を超えたと考えられる場合、診療放射線技師の役割で 適切なものはどれか。2 つ選べ。 1. ただちに手技をやめるよう医師に進言する。 2. 他のワーキングアングルについて、医師と検討する。 3. PCI を早く終了させるため、技師の判断で高レートの撮影モードに切 り替える。 4. 診療放射線技師が独自に、皮膚障害が予想される部位の目視・経過観 察を行う。 5. PCI 後、皮膚障害が予想される部位について痒みや入浴時に過度の刺 激を加えないように担当看護師に注意を促す。 問題10. ICRP Publ.85 に示された永久脱毛のしきい線量はどれか。 1. 1 Gy 2. 3 Gy 3. 5 Gy 4. 7 Gy 5. 10 Gy 問題11. IVR における被曝の低減に向けた取り組みで正しいのはどれか。 1. できるだけX 線管を患者に近づけた。 2. できるだけ付加フィルタを薄くした。 3. できるだけディテクタを患者から遠ざけた。 4. できるだけ低レートパルス透視を利用した。 5. できるだけ拡大撮影・拡大透視を多用した。
4 問題12. 妊婦の被曝と胎児への影響に関する記述で誤っているのはどれか。 1. 発育遅延は確率的影響に分類される。 2. 100 mGy 未満の胎児被曝は妊娠中絶の理由とならない。 3. 着床前期にしきい線量を超える放射線による影響は胚死亡である。 4. 器官形成期にしきい線量を超える放射線による影響は奇形である。 5. 妊娠8 週から 25 週目までの期間は中枢神経系の放射線感受性が高い。 問題13. 間接電離放射線はどれか。2 つ選べ。 1. X 線 2. γ 線 3. α 線 4. 陽子線 5. 電子線 問題14. 光子と物質の相互作用について、誤っているのはどれか。 1. 光電効果 2. 電子対生成 3. トムソン散乱 4. コンプトン効果 5. チェレンコフ効果 問題15. X 線と物質の相互作用について誤っているのはどれか。 1. コンプトン効果の結果、反跳電子が放出される。 2. 光電効果の起こる確率は原子番号が大きくなると増加する。 3. 光電効果は光子エネルギーが大きくなると発生率が増加する。 4. 診断領域で使用されるX 線エネルギーでは光電効果とコンプトン効果 が起こる。 5. 光電効果では光子エネルギーのすべてを軌道電子に与え、入射光子は 消滅する。
5 問題16. X 線の発生に関する記述で誤っているのはどれか。 1. 制動X 線は連続スペクトルである。 2. 特性X 線放射とオージェ電子放出は競合過程である。 3. 特性X 線は X 線管電圧に無関係な線スペクトルである。 4. 阻止 X 線の強度は管電流と原子番号に比例し管電圧の 2 乗に比例す る。 5. 制動 X 線の発生効率は管電圧に比例しターゲットの原子番号に反比 例する。 問題17. 個人線量計として誤っているのはどれか。 1. OSL 線量計 2. 熱蛍光線量計 3. フリッケ線量計 4. フィルムバッチ 5. 半導体ポケット線量計 問題18. 放射性試料を検出器で10 分間測定したところ、40000 カウントが得られ た。この時の正味の計数率と標準偏差はどれか。ただし、バックグラウン ドの影響は無視する。 1. 4000 ± 20 cpm 2. 4000 ± 40 cpm 3. 4000 ± 200 cpm 4. 4000 ± 400 cpm 5. 4000 ± 2000 cpm 問題19. ガフクロミックフィルムについて正しいのはどれか。 1. 透過型フィルムである。 2. 暗室での現像が必要である。 3. 患者の最大入射皮膚線量がわかる。 4. 被写体の検出器側に配置して使用する。 5. 得られた線量に後方散乱係数を乗じて補正する。
6 問題20. 蛍光ガラス線量計について正しいのはどれか。2 つ選べ。 1. フェーディングが大きい。 2. 被ばく線量に比例した蛍光量を発する。 3. X 線、γ 線、β 線の測定が可能である。 4. 被ばく線量の読み取り操作によって蛍光中心が消滅する。 5. 赤外線で刺激することによってオレンジ色の蛍光を発する。 問題21. 電離箱線量計について正しいのはどれか。2 つ選べ。 1. イオン再結合は測定誤差の要因とならない。 2. 室内での測定時は温度気圧補正の必要はない。 3. 指頭型電離箱の外筒は空気等価物質で作られる。 4. 面積線量計には平行平板型電離箱が用いられる。 5. 電離箱壁物質の原子番号が空気より大きくなるほどエネルギー依存 性は少なくなる。 問題22. 吸収線量の測定について誤っているのはどれか。 1 吸収線量はBragg-Gray の空洞原理に基づき測定される。 2. 測定には空洞電離箱の他に熱量計や化学線量計も使用される。 3. 吸収線量が適用される放射線の種類は、X 線とγ 線のみである。 4. 物質内の単位質量あたりに吸収される放射線エネルギー量を測定す る。 5. 物質に吸収された放射線エネルギーを測定する唯一の直接的な方法 は熱量測定である。 問題23. 血管撮影室の空間線量分布の測定について誤っているのはどれか。 1. 測定にはファントムを使用する。 2. サーベイメータを使用するのが一般的である。 3. 蛍光ガラス線量計やOSL 線量計を用いて測定してもよい。 4. 校正されたサーベイメータの表示値には校正定数が加味されている。 5. サーベイメータの時定数は低計数率では長く高計数率では短く設定 されている。
7 問題24. 個人被ばく線量の測定について正しいのはどれか。2 つ選べ。 1. 実効線量は直接測定することが可能である。 2. 眼の水晶体の等価線量は70 µm 線量当量を使用する。 3. ポケット線量計は長期間の積算線量の測定に使用する。 4. 体幹部不均等被ばくの場合には胸部(女子は腹部)と頭頚部に個人線 量計を装着する。 5. 等価線量は直接測定できないため、照射線量または空気吸収線量から 計算によって求める。 問題25. 診断参考レベルについて正しいのはどれか。2 つ選べ。 1. 規制値と関連がある。 2. 公衆被ばくにも用いられる。 3. 放射線防護の正当化に使用される。 4. 実際の線量調査データに基づいて設定される。