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(1)

  メディアが主張する 黙示 的価値観

   

―10 年間 4227 項目の週刊誌広告にみるスポーツ報道―

06602069

大脇 陽平

犬塚 元

22 1 19

(2)

概要

報道は、編集というフィルタが存在し、ニュースとして私たちに伝えられる情報は、 削

除・補足されている。

 読者や視聴者は、報道の真意を知ることが難しく、与えられた情報を受け入れることが

多い。

「予測」や「推測」した物事を、メディアが伝えれば、読者や視聴者は情報を受け入

れることで、固有の価値観を生むという恐れがある。

報道は、

「物語ジャーナリズム」という、読者や視聴者の面白主義に迎合して大衆社会の

匿名言語で物語をつくりだしていく報道手法をとることで、読者・視聴者の興味を引き、

メディアは、さらに、読者や視聴者の面白主義に迎合する、というスパイラル状態に陥る。

「物語ジャーナリズム」は、スポーツ報道に置いて顕著であり、スポーツニュースはそ

の最たる例である。

スポーツニュースは、スポーツという「行為」で無く、

「人」を対象とした「スポーツマ

ンニュース」に形を変え、スポーツの結果を付属的な情報にし、スポーツ選手が何をした

か、何を話したかにばかり注目が集まる方式が当然となっている。

そして、スポーツマンニュースは対象選手を英雄化し、様々な型に当て嵌め、物語を作

ることで、スポーツ選手を社会的理想像として捉えようとしている。

メディアは、その社会的理想像から、外れるスポーツ選手に対して批判という形で、社

会的正義に反してはならないとして警告をしている。

本文では、スポーツ選手の型への当て嵌めを週刊誌が見出しでどのように行っているか

を見るために、イチロー、松井秀喜、清原和博、松坂大輔、中田英寿、高橋尚子、安藤美

姫、谷亮子、朝青龍、亀田一家(興毅、大毅、和毅)、石川遼、浅田真央、斎藤佑樹といっ

た各分野の代表的な選手を対象として、週刊誌の見出しを抜き出し、分析した。

その分析内容を基に、週刊誌がどの選手に対して贔屓目で扱っているのか、批判的に扱

っているかなどを様々な角度から見ることで、選手個々にどういったレッテルを貼って報

道しているかを調べた。

その調査結果から、週刊誌を含めたメディアがスポーツ選手をどれだけスポーツの競技

者として捉えているのか、また、どれほどスポーツ以外の要素を含んだ形で報道している

のかを見て、総じて、メディアがスポーツ選手という枠をどう考えて報道し、メディア自

らをどう捉えて報道主体としているのかを示した。

(3)

目次

目次

... 1

1 章

報道が養う価値観の刷り込み

... 2

2 章

週刊誌によるスポーツ芸能人報道

... 4

調査方法、調査対象

... 4

1.イチロー

... 5

2.松井秀喜

... 7

3.清原和博

... 8

4.松坂大輔

... 9

5.中田英寿

... 10

6.高橋尚子

... 11

7.安藤美姫

... 12

8.谷亮子

... 12

9.朝青龍

... 13

10.亀田一家

... 14

11.石川遼

... 15

調査した選手の全体比率

... 17

3 章

メディアが売り付けるスポーツ選手「風味」な社会規範

... 18

1.イチローと中田英寿

... 18

2.石川遼と斎藤佑樹

... 18

3.石川遼と浅田真央

... 18

4.安藤美姫と高橋尚子と谷亮子

... 19

5.朝青龍と亀田一家

... 20

終わりに

... 22

参考文献一覧

... 23

参考資料

... 25

(4)

1 章 報道が養う価値観の刷り込み

 アメリカのジャーナリスト、W・リップマンは「ニュースと真実は同一人物ではなく、

はっきりと区別されなければならない」

1

と、言っており、ニュースというものは何かしら

のフィルタに掛けられているものであり、それが真実とは限らないということを示してい

る。

 ニュースが我々に伝わるためには、何種類ものフィルタが存在し、それは編集という体

裁を取り繕う過程が存在することや社会的規範などの固定観念でもある。

 ニュースという報道は、限られた量・時間により形を変え、削除・補足されている。報

道者に都合が悪ければ、なかったものとして報道されない。またそれとは反対に、報道者

の目に留まれば、繰り返し報道することで、恰も注目されているかのような錯覚を起こす。

 読者や視聴者は、報道が伝える情報源を知ろうともせず、また、報道の真意を知ること

すらできないという状況の中で与えられた情報を受け入れる。その繰り返しが、ある固定

観念を作り出すのである。

 また、メディアの報道は時に「予測」や「推測」した物事を、事実であるかのよう見立

てている。その予測や推測が大衆へ流布されれば、通常多様であるはずの価値観の多様化

を麻痺させ、ある固有の価値観を生むという恐れがある。

報道は、

「物語ジャーナリズムという、読者や視聴者の面白主義に迎合して大衆社会の匿

名言語で物語をつくりだしていく報道手法」

2

をとり、物語化された話題を提供することで

読者や視聴者の興味を誘い、視聴率といった数字で存在価値を保持している。

そのため、存在価値の保持こそが最優先事項となり、さらに読者や視聴者の面白主義に

迎合する、というスパイラル状態に陥る。

報道がこのスパイラルに陥ることで、前後関係や印象強い言葉をつけ、作られた事実と

いう名の物語を大衆に伝え、その事実には何かしらの物語があると信じ、物語を求める大

衆を作る。

物語化された報道は、比較とする対象を作ることで、他の対象との違いを明確にし、対

象の「気品」の備わりの有無を取り上げることで「正義」と「悪」を使い分ける。対象の

「発言」や「行為」に着目し、繋ぎ合せることで、正義と悪を作ることは非常に容易くな

る。互いに異なった映像と発言を組み合わせることによってもそれが可能となるのである。

このような「物語ジャーナリズム」は、スポーツ報道に置いては極限化されている。

多くのスポーツニュースがスポーツ選手と選手に纏わる物語と抱き合わせた形でスポー

ツ報道として伝えている。

ジョン・ハーグリーヴスは、

「ニュースというものは視聴者にとってそれを理解しやすく

する周知の枠組みの中に位置づけられるべきであるという考え方(因習性)、スポーツは動

1

西島建男「『現代スポーツ評論 2』メディアは真実を報道しているか(特集:スポーツ・メデ

ィアへの視線)」 創文企画

2000 年 p.28

2

西島建男「『現代スポーツ評論 2』メディアは真実を報道しているか(特集:スポーツ・メデ

ィアへの視線)」 創文企画

2000 年 p.30

(5)

的に、センセーショナルに、サスペンスに溢れて提供されるべきであるという考え方、そ

して予期し得ない、逸脱的な、珍しい暴力的な側面は、それらが変化の前兆であることか

ら、ニュースに値する、という考えからきている」

3

と指摘しているように、スポーツ報道

は物語化して伝えられるべきものであると考えられているのである。

また、

「スポーツ・メディアの意識の根底には、スポーツを人間社会のあるべき姿として

比喩的に、または象徴的にとらえようとする姿勢」

4

があり、これは、スポーツ選手という

結果が明らかとなって現れる対象を使い社会的理想像・模範像とすることで社会的価値観

を提示している。

そのため、スポーツ報道は、スポーツという行為を対象とするのでなく、

「人」を対象に

し、スポーツニュースとして伝えている。しかし、これは、もはやスポーツニュースでな

く「スポーツマンニュース」

5

という捉え方が正しいものと言える。

この、スポーツマンニュースでは、スポーツ選手の行動に着目するあまり、その競技を

置き去りにしてしまう。誰が勝利したのか、そして、チームの勝敗は二の次になり、対象

とした選手がどのような活躍をしたのか、何を発言したかにばかり注目が集まり、肝心な

スポーツの結果は付属的なものになっている。

さらに、スポーツマンニュースは対象選手を英雄化し、物語を作る。物語化された選手

は業績、恋愛、挫折、成功、私生活、発言、行動、態度、スキャンダル、引退、引退後と、

「紆余曲折の人生」という作られた道を社会的理想像の範囲の中で進まされていく。

そして、メディアはその道を作るためにスポーツ選手を様々な型に当て嵌めることで論

じやすく体系化する。型に当て嵌められたスポーツ選手はその型から外れるような行動を

とると、真っ先に批判の対象となるため、決められた型の中で行動することが強制される

ことになる。

次章では、より話題性に富んだ話題を扱う週刊誌が、読者の購買力に直接訴える見出し

でどのようにスポーツ自体を扱い、又はスポーツ選手を扱っているかを見る。それによっ

てスポーツ・メディアが何を考え、どのように価値観を読者に提供しようとしているのか

を考察する。

3

西島建男「『現代スポーツ評論 2』メディアは真実を報道しているか(特集:スポーツ・メデ

ィアへの視線)」 創文企画

2000 年 p.32

4

西島建男「『現代スポーツ評論 2』メディアは真実を報道しているか(特集:スポーツ・メデ

ィアへの視線)」 創文企画

2000 年 p.32

5

森田浩之「スポーツニュースは恐い 刷り込まれる〈日本人〉」 2007 年 日本放送出版協

会

p.47

(6)

2 章 週刊誌によるスポーツ芸能人報道

 調査方法

過去

10 年分(2000 年∼2009 年 11 月)の朝日新聞縮刷版、2009 年 12 月読売新聞本誌を

使い掲載の広告記事の中から週刊誌(週刊文春、週刊朝日、週刊新潮、週刊現代、週刊宝

石、週刊ポスト、週刊女性、女性自身、女性セブン、サンデー毎日、FRIDAY、FLASH、

WEEKLY プレイボーイ、FOCUS、AERA、Sports Graphic Number)広告に着目して、

対象とするスポーツ選手に関する見出し画像を撮影し、その画像から見出しの文字を抜粋

した。それを基に

Excel に週刊誌名、文字の大きさ、掲載日付、見出し文字、画像の詳細

を書き出した表を使い、個別の見出し内容から「スポーツ」

「異性」

「セクシャル」

「その他」

で分類(「スポーツ」はスポーツ選手として扱ったもの、「異性」は異性との関係を扱った

もの、「セクシャル」は異性との不貞な関係を扱ったもの、「その他」は上記の三つとは言

えないもの)。

 この分類を基に、スポーツ選手について、どのようにスポーツ選手を位置づけ報道して

いるかを個々に対する記述から、多く見られる表現、否定的な印象を与える表現(異端児、

傲慢、八百長等)、称賛的な表現(天才、優等生等)、他者と同様の表現(疑惑、孤高等)

を抽出して調査した。

 調査対象

イチロー、松井秀喜、清原和博、松坂大輔、中田英寿、高橋尚子、安藤美姫、谷亮子(旧

姓田村を含む)、朝青龍、亀田一家(興毅、大毅、和毅)、石川遼、斎藤佑樹、野村克也、

王貞治、長嶋茂雄、佐々木主浩、ダルビッシュ有、浅田真央、若乃花、貴乃花、白鵬、高

橋由伸、上原浩治、桑田真澄、新庄剛、原辰徳、宮里藍、星野仙一、中村俊輔、上村愛子、

内藤大輔といった、各分野で比較的有名と思われる選手であり、一時的(オリンピック等)

時期に扱われる選手ではない、代表的な選手を調査の対象とした。

 その内、本文で扱う選手は、

1. 対象時期に現役スポーツ選手として活動していたことがある。

2. 記事数が 100 項目前後以上ある。(同じ内容の見出しは除く)

以上の

2 条件を満たした選手を対象として扱った。

(7)

1.イチロー

 イチロー選手についての見出しの内

68%が野球

に関するものであり、残りはスポーツ選手とはお

およそ関係の無い見出しである。(図

1)

イチローは、「『天才イチロー大リーグ入り!』

電撃決定の全内幕」

1

、「『野球の神様』イチローに

メジャーは白旗!」

2

といった見出しで「天才」、

「神

様」と位置づけられ特別な扱いをされている。一

方、「近ごろ生意気イチロー『ゴーマン語録』」

3

「しゃべれ!イチロー!!コメントでも首位打者を狙え! 極度の会見嫌いに全米爆発寸

前」

4

といった見出しでイチローの性格に対する批判をしている。

 また、

12%が異性関係を引き合いに出してイチローを扱っており、

「福島弓子元アナ『イ

チローをダメにしかねないこの火種』」

5

「ゴーマン居直り会見に大ブーイング イチロー

人妻不倫の猛烈!」

6

といった、スポーツ選手を語るに必要に値しない見出しを掲げている。

 次に、週刊誌がイチローについて、どのような価値観を与え、イメージ化しているかを

詳細に見てみる。

0 20 40 60 80 100 120 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 その他 セクシャル 異性 スポーツ

2 イチローについての報道の総量変化

0 5 10 15 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 賞賛 否定

3 イチローのイメージを表現しているフレーズ量の変化

2 は、イチローについて年別の見出し量の変化を示している。

1

週刊現代 2000 年 10.28 号

2

週刊現代 2001 年 10.27 号

3

週刊文春 2000 年 2.24 号

4

WEEKLY プレイボーイ 2001 年 No.24  6.12 号

5

週刊女性 2000 年 11.28 号

6

女性セブン 2001 年 1.18.25 号

図1 イチローの見出し別比率

(8)

2000 年には、イチローについて、「近ごろ生意気イチロー『ゴーマン語録』」

7

という見

出しで、イチロー選手が生意気で傲慢な発言をしていると、批判している。

2001 年には、メジャーリーグに移籍したこともあり、報道量が大幅に増える中、「スポ

ーツ紙が書けない イチローと佐々木は『一触即発』の危険な関係 大魔神が怒った無神

経発言」

8

、「イチローは米国人記者にも『ノーコメント』続行中」

9

、「イチロー『僕の全

裸が盗撮される!』 外国人記者だけに明かした『日本マスコミ拒否』の真相」

10

と、イ

チローは口数が日米通して少ないが、発言をすれば、デリカシーに欠ける、といえる見出

しが続く。

2003 年には、「『カネと女と野球』を徹底比較 好青年・松井 VS 冷酷・イチロー、メジ

ャー向きはどっちだ!」

11

「松井ブームでイチローが『平身低頭男』に大変身した!」

12

と、

イチローは冷酷で、傲慢であると再び主張している。

一方、2006 年の第一回 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)後、イチローに

対しての扱いが変化し、「祝世界

V WBC イチロー 孤高の戦士 が変身した『感動秘話』

一挙公開」

13

、「仮面ぬいだイチロー 日本復帰の可能性」

14

、「WBC 制覇 『孤高の人』

から『熱血漢』に変身したホントの理由―イチローの愛国心」

15

という見出しで、イチロ

ーが変わったと各週刊誌が取り上げ、まるで今までのイチローが常に一匹狼であったかの

ように報道している。

その後「イチロー あの『熱い男』はどこへ

もとに戻った『マスコミ対応』」

16

という

見出しで、イチローが「熱い男」に「変身」したということが、実はマスコミへの対応が

基準となっているということが読み取れる。

そして、2009 年には、第 2 回 WBC が行われ、報道量が増えると「WBC 大盛り上がり

イチロー流迷言集」

17

、「200 本安打 ただ者じゃないイチローのぶっ飛び語録」

18

と、相

変わらず発言を集め、異端者扱いをしている。

窮極的には、

「現場の磁力 イチローの言葉はなぜ力があるのか『客観的に自分を見る』

『評価は周囲がするもの』『小さいことを重ねることが到達するただひとつの道』」

19

と、

自らが取り上げているからこそ言葉に力を持たせているにも関わらず、イチローの言葉は

力があると決め込んでいる。

これらかの報道から、イチローという野球選手をスポーツの点では評価しながらも、人

格的部分では、社会的理想像に劣る異端者として、発言や態度に着目し、イチローを反面

教師としている。

7

週刊文春 2000 年 2.24 号

8

週刊ポスト 2001 年 3.30 号

9

週刊文春 2001 年 6.21 号

10

週刊ポスト 2001 年 8.3 号

11

週刊ポスト 2003 年 1.31 号

12

週刊ポスト 2003 年 3.28 号

13

FRIDAY 2006 年 4.7 号

14

AERA 2006 年 4.3 号

15

週刊朝日 2006 年 4.7 号

16

週刊ポスト 2006 年 4.21 号

17

週刊女性 2009 年 3.31 号

18

週刊朝日 2009 年 10.2 号

19

週刊ポスト 2009 年 10.16 号

(9)

2.松井秀喜

 松井秀喜選手に関する見出しは、今回調査し

た選手の中で最も数が多く

483 項目あり、その

72%がスポーツに関するものであった。(図 4、

15)

 松井は、「巨人松井『55 本でキング』 手中

の秘密兵器」

20

「プロ野球開幕 楽しみはこれ

しかない 今年の松井は王

55 本を抜く」

21

「巨

人『松井』なぜホームランが少ない

22

」、「松井

秀喜『4 番としてポストシーズンへ』」

23

と、

「ホームランバッター」であり「4 番打者」で

あると位置づけられている。さらには、

「ついに松井も愛想を尽かした長嶋続投で巨人軍は

永遠に自滅です」

24

、「渡辺オーナーなんかに負けるな 松井秀喜は胸を張ってヤンキース

へ行け!」

25

と、日米で名門といわれる、「巨人・ヤンキース」を松井と常に関連付け、松

井は名門球団の選手であるとして扱っている。



369, 76% 55, 11% 62, 13% ヤンキース 巨人 その他 338, 96% 12, 3% 3, 1% マリナーズ オリックス その他

上の図

5、6 は松井とイチローが球団とどれほど関連して扱われているかを表している。

松井を扱う見出しで、ヤンキースと関連付けているのは、13%であるのに対し、イチロー

を扱う見出しで、マリナーズと関連付けているのは、3%にすぎない。さらには、松井と日

本プロ野球時代に所属していた巨人では

11%が該当する。一方、イチローとオリックスは、

1%しか該当していない。松井と球団との関連は日米合わせて 24%、イチローと球団の関連

は合わせて

4%である。この数字からもわかるように、松井はいかに球団という枠にはめ込

まれ扱われてきたかがわかる。そして、イチローは「イチロー」という単体で扱われてい

ると言うことができ、球団の勝ち負けよりイチローの結果・行動にばかりが注目が集まり、

もはや野球選手というより、アイドルとして扱われている。

 さらに、恋愛に対しても、「『もう終わりました

年上の航空会社』勤務恋人の思いは



ゴジラ松井『交際

6 年』恋人『結婚破局』を語った!」

26

「モテない理由研究 巨人松井

20

FLASH 2000 年 7.4 号

21

週刊朝日 2000 年 4.6 号

22

週刊新潮 2001 年 7.19 号

23

Sports Graphic Number 2004 年 612 10.14 号

24

週刊文春 2001 年 8.30 号

25

週刊現代 2001 年 8.11 号

26

女性自身 2003 年 12.30 号

350, 72% 37, 8% 1, 0% 95, 20% スポーツ 異性 セクシャル その他 図4 松井秀喜の見出し別比率 図5 松井秀喜と球団の関連見出し別比率 図6 イチローと球団の関連見出し別比率

(10)

恋のバットは空振り記録更新中 福岡のお嬢様見逃し 神戸の令嬢ファウル 売れっ子ホ

ステス本塁憤死」

27

、「ビックな松井秀喜のジミな女遍歴」

28

と、松井の女性遍歴にまで触

れ、恋愛がうまくいかない・モテないといった恋愛下手を思わせるような見出しで扱って

いる。

 松井については、野球についての否定的な見出しは少なく、

「ホームラン」や「4 番」と

いった、理想的な形に当て嵌めている。人格的部分について否定的な見出しはないが、

「篠

山紀信 撮 ハンサムな松井秀喜」

29

と、有名な写真家を出し、あえて「ハンサム」と見

出しを付け、外見の劣りを想像させ、恋愛がうまくいかないという型に嵌めこんでいる。

3.清原和博

 清原和博選手について、スポーツに関する見

出しは、 スポー ツ選 手であ るにも かかわ ら ず

50%と半数しかない。残りの 50%は、私生活に

ついての見出しになっている。

(図

7)

 清原を象徴するものとしては、「清原和博が

『東京地裁→熱海のホテル』で昼も夜も大暴れ」

30

「『原・巨人』に早くも大事件 清原番長が反

乱同盟と『秋季キャンプ』をボイコット!」

31

「 清 原 和 博 マ ジ ギ レ 『 ワ イ が 暴 れ る 前 に 帰

れ!』

32

と、清原を「番長」として

28%の見出

しで位置づけており、乱暴者・反乱者という印

象を与える。(図

8)   

さらには、「清原 マイク・タイソンへの道」

33

、「番長日記

FA 宣言よりも筋肉バトルやて

篇 清原和博『K-1』『PRIDE』戦士と秘ガチン

コ対決」

34

「清原和博『ファイティングポーズ』」

35

と、清原が格闘家になるかのような見出しで肉

体的容姿を想像させて、乱暴者・反乱者というイメージを増幅させている。

 引退を促す傾向は、各選手にあるが、清原に関しては、「巨人『清原不要論』

36

、「清原

美人妻初公開で引退スケジュールが見えた!」

37

、「番長キヨハラ復帰も『引退説』が急浮

上!」や「巨人軍交流戦オフレコ座談会『清原今季引退』が決まった」

38

と、ほぼ毎年見

27

週刊文春 2002 年 9.5 号

28

週刊朝日 2005 年 12.9 増大号

29

週刊現代 2003 年 2.15 号

30

FRIDAY 2000 年 12.15 号

31

週刊ポスト 2001 年 10.26 号

32

FRIDAY 2000 年 12.29 号

33

AERA 2005 年 2.7 増大号

34

FRIDAY 2001 年 11.9 号

35

Sports Graphic Number 2004 年 607 号

36

週刊ポスト 2000 年 3.31 号

37

週刊文春 2000 年 7.27 号

38

週刊ポスト 2005 年 6.10 号

140, 50% 118, 42% 11, 4% 11, 4% スポーツ 異性 セクシャル その他 259, 72% 102, 28% 番長 その他 図7 清原和博の見出し別比率 図8 清原和博を「番長」と扱う見出し比率

(11)

出しを扱っている。しかし、実際の引退時の見出しは、

「清原引退 番長が引退試合でも言

えなかったこと」

39

「清原和博引退試合」

40

と、たったの

2 誌だけであった。

 そして、清原を扱う見出しの中に、野球選手として具体的な言及は少なく、あるとすれ

ば区切りとなる

2000 本安打や 500 本塁打を放った時ぐらいである。その他は、「本誌だけ

が何度も目撃していた! 清原和博と 麻薬 で逮捕されたタニマチ『親密交際』の証拠」

41

といった私的交友録や「おかげで自主トレ最終日は『風邪でお休み』でした 番長清原

和博『朝までバカ騒ぎ&泥酔』一部始終」

42

などの私的生活についてのスポーツ選手とし

て見ることのできないものばかりである。

4.松坂大輔

 松坂大輔選手については、54%がスポーツに

関する見出しがあるが、特質すべきは異性関係

の見出しが野球選手の中で多く

21%になる。

(図

9)

 異性関係を扱うものは全体的に多いが、松坂

の異性関係には特徴がいくつか見られ、

「松坂大

輔をメロメロにした豊満柴田倫世アナはネット

でも大人気」

43

、「お泊まり愛を撮られちゃった

日本テレビ美人アナの必殺技! 松坂大輔グラリ! 柴田倫世の美乳『だっちゅーの』」

44

「謹慎なんてどこ吹く風 松坂大輔とロケット・バストアナ『禁断愛は止まらない』」

45

と、相手の柴田倫世が豊乳であるということに固執している。

 また、

「五輪不振の謎とけた!? 松坂大輔が沈没した

5 歳年上豊乳アナとのウフフな一

夜」

46

「大騒動の核心『松坂大輔の恋人柴田倫世アナはさげまん』の理不尽! 松坂の父

が『うちの息子に手を出すな!』局内大逆風で番組降板ほかバッシングに異議あり!」

47

「松坂が

サゲマン妻

発言に激怒」

48

と、柴田が松坂の調子を左右するとし、松坂本人

への批判は無く、説得力を持たない見出しを繰り返している。選手の調子の善し悪しを他

人と関連付けて扱うことは、スポーツ報道を逸脱している。

 さらには、「取材先・松坂と『情を通じた』柴田倫世 なぜ処分しない」

49

、「スクープ

入手! 柴田倫世アナ女子大生モデル時代の『挑発ポーズ』」

50

、「松坂投手の前に出る妻

イチローの後に控える妻」

51

と、柴田を感情にまかせて批判の的にしている。女性が男性

39

AERA 2008 年 10.13 号

40

Sports Graphic Number 2008 年 714 号

41

FRIDAY 2002 年 2.22 号

42

FRIDAY 2005 年 2.18 号

43

週刊宝石 2000 年 10.19 号

44

女性セブン 2000 年 10/19.26 号

45

週刊現代 2000 年 12.23 号

46

週刊ポスト 2000 年 10.13 号

47

女性セブン 2000 年 11.9 号

48

週刊現代 2005 年 5/7.14 号

49

週刊文春 2000 年 10.12 号

50

週刊現代 2001 年 5.19 号

51

週刊新潮 2007 年 4.19 号

127, 54% 50, 21% 4, 2% 53, 23% スポーツ 異性 セクシャル その他 図9 松坂大輔の見出し別比率

(12)

以上または、それ以上表立つのが納得いかないかのような印象さえ受ける。

 不思議なことに、柴田に対する批判が多い一方、松坂に対する批判はごく少ない。詳細

に見てみると、2000 年松坂が無免許運転で駐車違反を犯した際、「どうして逮捕しない松

坂の甘い処分」

52

といった見出しは一つしかなく、他は「松坂大輔『無免許送検』で黒岩

広報身代わり『大甘体質』を糺す」

53

といった球団に対する批判、「『松坂大輔無免許』は

東尾という情況証拠」

54

という、松坂本人に対する批判はない。

 また、「横浜高の渡辺元智監督 松坂大輔を『ただのデブ』にしたのは誰だ!」

55

と、自

己管理問題に対しても、他者への責任転嫁ととれるもの。

「ボストン発 ノーコン&痛打で

ファンから

120 億円分のバッシングの ウラ  松坂大輔『打たれて幸せです!』」

56

と、

ファンからの批判に対する対応を見せることによって、好感度を上げようとする見出し。

「防御率

8.23 松坂大輔を三流投手に変えた筋力トレーニング」

57

と、三流投手への変化原

因の主語を松坂自身でなく、筋力トレーニングにし、またしても責任転嫁をしている。こ

れらを見ると、松坂投手が常にメディアによって保護されているといえる。

 そのため、メディアが松坂を可愛がるあまり、柴田に対する批判に変わるのである。

つまり、松坂は、

「英雄」という型に嵌められ、松坂に何かしらの不都合なことが起こる

と、他者や他の要因を引き合いに出し、敵視することによって、松坂への直接的な批判

を軽減している。

5.中田英寿

中田英寿選手のスポーツに関する見出しは、

41%であり、選手としての評価とともに、イチ

ローと同じように冷酷な印象を与える扱われ方

がされている。(図

10)しかし、発言や態度に

対しては、

「関西空港へ対中国戦、帰国時の 騒

動  中田英寿『こいつら殴りたくなりません』

過激発言の意外真相!」

58

、「監督を激怒させた

中田英寿の『注文』」

59

「中田英寿は『ジャパン

の王様』」

60

と、より批判的に取り上げている。

さらに、中田は、

「ブラジルには善戦!ジーコは信頼するが周囲はソッポ

王様 ヒデ

『そして一人になった』」

61

、「中田英寿『電撃引退』までの『孤高の

29 年間』」

62

、「引退

の真相 中田英寿『孤高と傲慢』は―『ジジイ、走れ!』で始まった」

63

と、「孤高」とし

52

週刊新潮 2000 年 10.12 号

53

FLASH 2000 年 10.17 号

54

週刊文春 2000 年 11.16 号

55

週刊現代 2001 年 7.21 号

56

FRIDAY 2007 年 5.25 号

57

週刊新潮 2009 年 7.2 号

58

FLASH 2000 年 4/4.11 号

59

週刊文春 2000 年 9.21 号

60

FRIDAY 2002 年 6.28 号

61

週刊現代 2005 年 7.9 号

62

週刊新潮 2006 年 7.13 号

63

週刊ポスト 2006 年 7.21 号

105, 46% 91, 41% 6, 3% 22, 10% スポーツ 異性 セクシャル その他 図10 中田英寿の見出し別比率

(13)

て扱われ、この点でもイチローと同様の印象を受ける。

しかし、

「ヒデがイチローになる時」

64

「ヒデがイチローになるための

W 杯日本代表『三

つの条件』」

65

、「金子達仁『中田英寿はなぜイチローになれなかったのか』」

66

に見られる

ように、中田がイチローになれなかったと中田をイチローと重ねながら、対比している。

これは、イチローという「孤高」の人物が第一回

WBC で「熱い男」への「変化」したと

いうことが意図されており、この変化を中田に求めることで、人格的部分で社会的理想像

に近づけようとしていることがわかる。

6.高橋尚子

 高橋尚子選手を象徴するものは、20%が小

出義雄監督との師弟関係に関する見出し(図

11)で、

「高橋尚子『小出監督の 愛のひと声

で勝つ』」

67

「祝金高橋尚子 女子マラソン師

弟愛物語 あなたがいたから、私は走れた!」

68

、「世界最高記録はこうして生まれた 高橋

尚子と小出義雄『最強師弟の計画達成法』」

69

と、

高橋が勝ったのは小出の支えがあったからで

あるとして扱っている。

 また、

「高橋尚子中傷に小出監督怒った『俺が太らせた!』」

70

「独占直撃 小出監督『Q

ちゃんに 男かマラソンか 迫った夜』

71

「高橋尚子に小出監督が『セックス指令』」

72

と、

私的な物事にまで小出が口を出すほどの師弟愛である、ということをさらに印象付けよう

とする見出しであるが、この扱いでは、師弟関係ではなく小出が高橋を奴隷にしていると

思うくらいである。さらには、

「独占秘話 高橋尚子・小出監督『ビックリ師弟愛』 愛娘・

小出正子選手よりも『ベッタリ』という

深い絆

の数々

73

といった仲の良さを示す

ものから、「高橋尚子には『結婚相手として小出監督は?』」

74

と、師弟愛を越えて、つい

に結婚にまで話が飛躍する。週刊誌に他人の結婚相手を提案する権利など全くないのであ

る。

 そして、高橋については、金に纏わる見出しも多く、

「プロ高橋尚子『CM で 10 億円』

もう決まっている 使い途 」

75

「高橋尚子『資産家』なのに走り続ける『6 億円契約』」

76

64

AERA 2006 年 5.29 号

65

週刊文春 2006 年 6.8 号

66

週刊文春 2006 年 6.29 号

67

週刊宝石 2000 年 10.5 号

68

女性自身 2000 年 10.10 号

69

週刊現代 2001 年 10.20 号

70

女性自身 2001 年 2.20 号

71

週刊ポスト 2002 年 5.24 号

72

週刊ポスト 2004 年 2.6 号

73

FLASH 2000 年 10.17 号

74

FRIDAY 2000 年 10.20 号

75

週刊現代 2001 年 3.10 号

76

週刊文春 2007 年 5/3.10 号

75, 40% 37, 20% 67, 37% 3, 2% 1, 1% スポーツ 異性 セクシャル その他 師弟 図11 高橋尚子の見出し別比率

(14)

「高橋尚子『金もうけしか考えてない』の声!」

77

と、資産家だから走るなと言いたげな

見出しであり、金儲けしか考えないことが悪いことであるかのような見出しである。ここ

まで来ると単にお金があることに対する嫉妬のように思える。

 師弟愛を強調することで、高橋自身のスポーツ選手としての活躍を薄れさせ、結果は師

弟愛がもたらしたものとして、男性がスポーツに絡んでいることを暗に意図している。

「カネ」をチラつかせ、スポーツ選手という枠組みではなく、女性芸能人として扱って

いる。



7.安藤美姫

 安藤美姫選手については、

「美」を意識させるものが多く、

「氷上のスーパーアイドル『ミ

キティ』を丸裸に! 安藤美姫『悩殺スピンの凄い値段』」

78

、「14 歳から 17 歳までの 4

年間『美の軌跡』 安藤美姫 ベストショット&未公開カラー」

79

「スポーツ美女

SEXY3

連発 安藤美姫 ピンクのフリフリドレスで悩殺ッ」

80

と、画像も加え、「美女」で「アイ

ドル」的であるかのような扱いをしている。しかし、肝心なスケートに関する扱いは、

「安

藤美姫『体重激増』でトリノ行きピンチ」

81

「安藤美姫のコーチが明かす『食べ過ぎで

4

回転 跳べない』」

82

「開幕直前トリノ五輪特集 美姫は太り過ぎでメダルはムリ!?」

83

と、体重が増加したことで、スケートに影響が出ると、決めつけている。体重が増加すれ

ば飛べなくなると断言できるのか、プレー姿を実際に見ていないにも関わらず、憶測で判

断している。

 そして、安藤については、低迷した後の復活劇が取り上げられており、

「復活金メダル・

安藤美姫を支えた『3 人の男』」

84

「安藤美姫モロゾフコーチ『愛の囁き』人生 恋しなさ

復活支えた『31 歳モテ男』実はバツイチ、子持ち」

85

と、男性による支えが重要な点

になっている。この傾向は、高橋と小出の関係でも見られる。

8.谷亮子

 谷亮子選手については、スポーツ選手として

の見出しが

37%であるのに対して、異性関係に

関する見出しは

35%にも及ぶ。(図 12)ここで

は、高橋、安藤に見られた男性による支えがあ

ったという見出しは見られない。恋愛に関して

は、

「田村亮子 スクープ続報『恋の猛攻に谷が

陥落した瞬間』」

86

「ヤワラちゃん 田村亮子が

77

週刊女性 2008 年 4.15 号

78

週刊ポスト 2005 年 3.25 号

79

週刊ポスト 2005 年 4.15 号

80

FRIDAY 2005 年 7.15 号

81

週刊文春 2005 年 11.10 号

82

週刊現代 2006 年 1.21 号

83

週刊女性 2006 年 2.21 号

84

週刊文春 2007 年 4.5 号

85

女性自身 2007 年 4.17 号

86

週刊宝石 2000 年 11.30 号

28, 26% 2, 2% 39, 37% 37, 35% スポーツ 異性 セクシャル その他 図12 谷亮子の見出し別比率

(15)

猛アタック射止めた恋人はプロ野球選手」

87

「YAWARA ちゃん 逆プロポーズで結婚宣

言!」

88

と、谷が恋愛に対して「猛攻」などの言葉で非常に積極的である印象を植え付け

るが、谷の柔道のプレースタイルからの想像にすぎない。

また、結婚後には、

「結婚披露宴に

1000 人『田村亮子』の嗚呼!勘違い」

89

「ピリ辛企

画『カン違い女』に物申す! 谷亮子 芸能人気取りで『妊娠会見』」

90

の見出しで、「芸

能人気取り」であると、日頃から谷を芸能人のように扱っている週刊誌が批判するという

本末転倒な見出しを出している。

 谷には、「男性の支え」という直接的な記述こそは見られなかったが、「結婚」という見

出しを多く取り上げることで、

「男性と共に」というイメージを植え付けることで、男性が

スポーツに何らかの影響を与えているということを暗示させているようである。

9.朝青龍

 朝青龍明徳については、スポーツに関する見

出しが

26%であり、スポーツ選手の報道とは言

えなくなっている。

(図

13)朝青龍には、最初

こそ「朝青龍の極めて『日本的』な正統派相撲」

91

という見出しで扱われているが、以後非難が

集中しており、

「角界醜聞 『朝青龍小結と若松

親方にイジメ 地獄に落とされた』 元付け人

が怒りの告発」

92

、「『俺も朝青龍のエアガンイ

ジメで廃業した』 元付け人・朝松本が怒りの告発」

93

「弟弟子をエアガンで撃つ『大関

朝青龍』の陰惨なイジメ」

94

との見出しで、エアガンでイジメをしたと扱っているが、こ

れが本当ならば、当事者は「怒りの告発」をする前にやるべきことがあるのではないのか

と思う。これこそ、週刊誌による朝青龍に対するイジメである。

 また、朝青龍を語るに、必ずと言っていいほど「品格」という言葉が登場する。

「品格な

き『朝青龍』の横綱昇進に異議あり」

95

「朝青龍 母国と家族への品位に欠けすぎる罵詈

雑言」

96

、「改めて横綱の品格を問う『ポニーテールの朝青龍』撮った!」

97

と、横綱にと

言うより朝青龍に品格を求めている。品格・品位とは「人に自然にそなわっている人格的

価値」

98

であり、単なる価値にすぎない。しかし、「横綱の品格」という、理想の型を勝手

に作り、そこに当て嵌め、当て嵌まらなければ「欠ける」として省くという理想論の押し

付けを行っている。

87

週刊宝石 2000 年 11.23 号

88

週刊女性 2002 年 9.24 号

89

週刊新潮 2003 年 12.18 号

90

週刊女性 2005 年 8/23.30 号

91

AERA 2001 年 6.4 号

92

週刊ポスト 2001 年 8.3 号

93

週刊ポスト 2001 年 8.10 号

94

週刊新潮 2002 年 10.17 号

95

週刊新潮 2003 年 2.6 号

96

週刊文春 2003 年 3.20 号

97

週刊ポスト 2008 年 3.14 号

98

広辞苑 第 3 版

129, 58% 12, 6% 21, 10% 56, 26% スポーツ 異性 セクシャル その他 図13 朝青龍の見出し別比率

(16)

 朝青龍は、一人横綱として相撲界を支えていたにも関わらず、その点に触れているもの

は一つとしてない。また、

「国技がハワイ・モンゴルでいいのか!『朝青龍は横綱を返上し

ろ』」

99

、「朝青龍、白鵬に告ぐ『もうモンゴル人横綱なんていらない』」

100

、「激震スクー

プ 外国人力士全盛の『国技』はここまで汚れていた 『横綱・朝青龍の八百長を告発す

る!』 『全勝優勝した'06 九州場所では 15 番中ガチンコは 4 番だけ』」

101

と、日本人横

綱がいないという現実を無視して、外国人横綱への差別といえる見出しまで扱う始末であ

る。

 極めつけは、

「角界激震スクープ第

31 弾!『品格なき横綱』疑惑の核心 『朝青龍-白鵬

300 万円八百長告白』親方を元愛人が直撃」

102

「力士の数を頼みに高額訴訟を乱発する日

本相撲協会よ、これが本誌の答えだ! 朝青龍

白鵬の『300 万円八百長』宮城野親方『告

白テープ』一挙公開 元愛人女性が実名・顔出しで証言」

103

という、

「元愛人」がなぜ八百

長事件に登場して、実名で証言する必要があるのか全く理解できない見出しである。愛人

と週刊誌との関係のほうが怪しく思える。

 朝青龍は、横綱の名を汚す「外国人」力士であり、相撲界を失墜させる異端児という型

に嵌め、恰好の批判対象としている。

10.亀田一家

 亀田選手については、兄弟・一家として語られることが多くため、亀田一家として扱う。

 亀田一家の登場当初は、

「ボクシング亀田三兄弟の父『体罰のススメ』」

104

「亀田三兄弟

の父『子供がタメ口きいたら徹底的にドツく』」

105

、「亀田兄弟の父が語る『どつけばええ

んや』子育て論」

106

と、教育論を取り上げ、荒々しい教育方針ながらも好意的な見出しで、

批判的な記述はない。

 しかし、その後、

「KO されたタイ人ボクサー咬ませ犬 6 人に直撃! 亀田兄弟 ホント

に強いの 顔を殴るのは意外とカンタン」

107

「亀田兄弟ホントに強いの?第二弾 世界チ

ャンピオンが苦笑い『6 回戦レベルだね』」

108

と、強さに対して疑惑の見出しで取り上げ、

これを批判の布石として、亀田興毅が世界戦で微妙な判定で勝利をしたことから一斉に、

「亀田興毅『作られた世界チャンプ』全真相」

109

「ダウンしても新王者 亀田興毅世界戦

『疑惑判定』を徹底検証」

110

「それでも『道化チャンプ』亀田をヨイショした『勇気ある

人たち』」

111

と、批判を始めた。疑惑の段階で、「道化」や「作られた」と裏工作があった

ような扱いをしている。

99

週刊ポスト 2003 年 9.5 号

100

週刊文春 2007 年 5.24 号

101

週刊現代 2007 年 2.3 号

102

週刊現代 2007 年 12.15 号

103

週刊現代 2007 年 6.9 号

104

女性セブン 2005 年 9.22 号

105

週刊文春 2005 年 1/5.12 号

106

週刊朝日 2006 年 3.17 号

107

週刊文春 2006 年 6.8 号

108

週刊文春 2006 年 8.3 号

109

週刊現代 2006 年 8/19.26 号

110

週刊朝日 2006 年 8/18.25 号

111

週刊新潮 2006 年 8/17.24 号

(17)

 また、亀田興のランダエタとの再戦前には、「総力アンケート現役プロボクサー131 人、

歴代世界チャンピオン

9 人が実名で完全予想! 亀田興毅 VS ランダエタ『再戦』勝つの

はどっちだ

8 月 2 日の試合は八百長だと思う?思う 94 人思わない 37 人 自分が戦った

ら亀田に勝てる? 勝てる

72 人負ける 49 人 分からない 10 人」

112

と、試合前のものと

は思えないアンケート結果を見出しで取り上げているが、再戦後、亀田興の勝利には、全

く触れず、「亀田興毅『疑惑のリング』 仰天インサイド規定より

30cm 狭い 世界戦な

らデタラメだ!

113

」と、批判をしている。

 さらに、亀田一家への批判は形を変え、

「現地インドネシアでは 引退寸前 のポンコツ

扱い 亀田大毅 次の対戦相手

32 歳の『怪しい戦歴』」

114

、「『亀田大毅』次の対戦相手も

『噛ませ犬』だよ」

115

「過去の対戦相手に「戦績詐称疑惑」再浮上」

116

と、対戦相手の弱

さを比較対象にして亀田が弱いと逆説的に扱っている。

 そして、内藤大助との世界戦の試合後には、

「内藤大助に辛勝 亀田興毅は短命チャンピ

オンに終わる!」

117

「亀田興毅『東洋レベル』とガッツが吐き捨てた ショボすぎた『カ

メ作戦』」

118

と、試合に勝ったが結局は「弱い」ということをまたも強調している。

 亀田を、

「疑惑者」という型に嵌め、勝利にも常に「疑惑」をチラつかせることで、スポ

ーツ選手としての評価を薄れさせている。

11.石川遼

 石川遼選手については、「日本アマ出場決定!

ハニカミ王子『気配り』の

4 日間」

119

と、「ハニ

カミ王子」という言葉で取り上げている。石川を

「ハニカミ」と関連付けた見出しは、

30%である。

(図

14)しかし、2008 年 8 月 21~24 日に行われ

た関西オープンで石川がプロ転向後初優勝し、優

勝直前の「男子ゴルフ・セガサミーカップ

2 位『す

し石垣』がハニカミ王子にボヤいた一言」

120

と直

後の「石川遼 プロ初優勝の㊙コースメモ」

121

と、

「ハニカミ」を各誌が一斉に使用しなく

なった。これは、メディアが優勝をスポーツ選手の分岐点であると考えているからである。

 また、石川は、

「佑ちゃん遼クン

07 ベストスマイル写真館」

122

「イケメンパラダイ

スグラビア 佑ちゃん 遼クン」

123

と、容姿に注目が集まっており、プロ転向以前からメ

ディアへの露出が多く、メディアがスポーツ報道をいかに名詞ありきで報道しているかが

112

週刊現代 2006 年 10.7 号

113

FRIDAY 2006 年 1/12.19 号

114

FRIDAY 2007 年 2.16 号

115

週刊新潮 2007 年 4.26 号

116

週刊朝日 2007 年 11.2 号

117

週刊新潮 2009 年 12.10 号

118

週刊文春 2009 年 12.10 号

119

週刊朝日 2007 年 6.22 号

120

週刊現代 2008 年 8.16 号

121

週刊ポスト 2007 年 9.12 号

122

女性自身 2007 年 8/21.28 号

123

週刊女性 2007 年 9.25 号

74, 70% 32, 30% ハニカミ その他 図14 石川遼に「ハニカミ」と付けた見出し比率

(18)

よくわかる。「新入社員必読!ハニカミ石川遼の大人顔負け『処世術』」

124

と、アイドル的

要素を持った社会的理想像の模範として石川を取り上げている。



以上、各選手について、どのように報道され、どのような型に当て嵌められているかを視

た。

124

週刊朝日 2008 年 5.9 号

(19)



225, 5% 185, 4% 99, 2% 106, 2% 67, 1% 108, 2% 298, 6% 50, 1% 129, 3% 162, 3% 39, 1% 71, 2% 122, 3% 245, 5% 327, 7% 71, 2% 90, 2% 109, 2% 30, 1% 21, 0% 16, 0% 51, 1% 218, 5% 234, 5% 363, 8% 483, 10% 353, 8% 110, 2% 116, 2% 161, 3%

イチロー

松井

清原

松坂

中田

高橋尚

安藤

朝青龍

亀田

石川

上原

長嶋

桑田

斎藤

佐々木

新庄

貴乃花

高橋由

ダルビッシュ

野村

星野

宮里

若乃花

中村

上村

内藤

白鵬

15 調査した選手の全体比率

(20)

3 章 メディアが売り付けるスポーツ選手「風味」な社会規範

前章では、選手個人を中心に週刊誌がスポーツ選手に対してどのような報道をしている

かを見た。

この章では、前章で個別に取り上げた選手やその他の選手について比較して見てみる。

1.イチローと中田英寿

前章では、イチローと中田を発言や態度で見たが、ここでは、プレイヤーとしてのイチ

ローと中田を見てみる。スポーツ選手としてのイチローや中田は、

「異次元の打者 イチロ

ー」

1

「『青の肖像・特別版』W 杯にすべてを。 中田英寿『異次元の存在感』」

2

と、技量

が特化したものであるとしながらも、異端者であるというレッテルを張り「孤立」してい

るという印象を与える。これは、カリスマ的な選手は一人であるとし、社会的理想像には

当て嵌まらない者としている。



2.石川遼と斎藤佑樹

 石川と斎藤の共通点は、

「ハニカミ王子」と「ハンカチ王子」という選手の特徴に「王子」

付ける表現で、気品を持たせている点である。元々は、斎藤のハンカチ王子が、

2006 年に、

「早実『ハンカチ王子』斎藤佑樹の赤点人生 両親直撃インタビュー」

3

と扱われ始め、

2007

年に、「ハニカミ王子石川遼くん 父と母が語ったホンネ『『好青年』って報道されてるけ

どね

』の気になる『続き』」

4

と、ハンカチ王子が派生してハニカミ王子が誕生した。

 斎藤は、

「甲子園の新星

ハンドタオルの貴公子 の写真&秘話を発掘 早実斎藤祐樹

投手『群馬時代の知られざる家庭と素顔』

5

「ハンカチ王子 厳選スマイルグラビア」

6

と、

「貴公子」や「スマイルグラビア」などと、アイドル的な存在として扱われていることが

解る。

しかし、週刊誌は石川がプロ優勝したことで「ハニカミ」を取り払ったにも関わらず、

未だに斎藤には、

「早大

100 代目主将 ハンカチ王子に灯った黄信号」

7

と、

「ハンカチ」を

使っている。これは、前章でも言及したように、スポーツ選手の分岐点なるものが存在す

るといえる。恐らく、斎藤はプロ野球界に入ることで「ハンカチ」というものがなくなる

という推測が及ぶ。

3.石川遼と浅田真央

 石川遼

8

と浅田真央

9

に共通するのは現時点で未成年であるということである。この2者

1

Sports Graphic Number  2000 年 499 6.29 号

2

Sports Graphic Number PLUS 2002 年

3

週刊文春 2006 年

4

週刊朝日 2007 年

5

FRIDAY 2006 年 9.8 号

6

女性セブン 2006 年 10.26 号

7

週刊新潮 2009 年 11.26 号

8

石川遼 生年月日

1991 年 9 月 17 日

石川遼オフィシャルサイト(

http://www.ryo-ishikawa.jp/profile/)最終アクセス日

2010.1.14

9

浅田真央 生年月日 1990 年 9 月 25 日

(21)

についての報道には同じ傾向が視られる。

 石川と浅田については異性の関わる見出しが極端に少なく、なかでも特に、石川に関し

ては異性に関する話題が全くない(図

15、16)。浅田に関しても、「浅田真央 福山似先輩

ママは心配」

10

「浅田真央 まさかの五輪出場ピンチ!スランプの原因はあの人」

11

「復活ミキティと不調真央明暗を分けたのはやっぱりオトコ」

12

と、前の二つは、異性に

関する話題とは言い切れない内容である。後の一つは、安藤の引き合いで出されているだ

けである。

67, 63% 0, 0% 0, 0% 39, 37% スポーツ 異性 セクシャル その他 44, 50% 42, 48% 2, 2% 0, 0% スポーツ 異性 セクシャル その他

これは、未成年ということで異性の話題を出していないのか、単にないのか解らないが

異性話題好きの週刊誌が憶測でも異性話題を扱わないのには、石川と浅田は松坂と同様に

英雄化され保護されているといえる。

石川は、

「特別寄稿 在米ゴルフジャーナリスト 石川遼『予選落ちでも視界は良好』」

13

と予選落ちにも関わらず視界良好であると、予選落ちであることの結果に対しての批判は

なく問題ないとして保護して扱っている。

同じく浅田は、「浅田真央 まさかの五輪出場ピンチ!スランプの原因はあの人」

14

と、

不調の原因を責任転嫁している。

このように、選手の好ましくない結果に対する責任転嫁の手法は、松坂の責任を妻に転

嫁したものと同様の手法である。(注.53、54、57 参照)

4.安藤美姫と高橋尚子と谷亮子

ここでは、女性スポーツ選手に対して必然的に話題となる男性による支えについてまと

める。

ここで挙げた女性スポーツ選手は、男性による支えがあったからこそ勝ちにつながった

というものがそれぞれ形を変えて扱われている。安藤については、支えている男性がモロ

ゾフというコーチでありながら、師弟関係としての支えではなく、恋愛関係があってこそ

男性による支えが成り立っていると扱っている。一方、高橋尚子については、師弟関係が

あり、その師弟愛こそが支えとなるとしている。また、谷は、コーチによる支えではなく、

結婚という形で男性による支えを表している。

浅田真央・舞公式サイト(http://www.maomaiasada.com/profile/)最終アクセス日 2010.1.14

10

女性自身 2009 年 10.20 号

11

週刊女性 2009 年 11.17 号

12

週刊朝日 2009 年 11.27 号

13

週刊朝日 2009 年 5.1 号

14

週刊女性 2009 年 11.17 号

図16 石川の見出し別比率 図17 浅田の見出し別比率

(22)

これは、女性スポーツ選手についてスポーツに対して肉体的有利にある男性による支え

というものが結果に重要な役割を果たしているということが言える。さらに、

「昔はスポー

ツが男性の領域だったが、そこに女性が進出してきて、男にしかできなかったパフォーマ

ンスやプレーをやるようになった。」

15

ということに対して、メディアは、内心不満がある

のではないかということが言えるのである。

女性スポーツ選手の場合は、「復活ミキティと不調真央明暗を分けたのはやっぱりオト

コ」

16

「祝金高橋尚子 女子マラソン師弟愛物語 あなたがいたから、私は走れた!」

17

「谷佳知、亮子『太陽になるふたり』」

18

と、男性の「存在」だけでも支えになったという

印象を与える。

一方、男性スポーツ選手は、

「イチロー夫人弓子さん『122 億円夫』への 心ケア術 」

19

「松坂大輔

復活

させた倫世夫人とのお風呂会議」

20

、「『復活のしばき』清原の左手首

に『嫁はん』からの

手作りお守り

!」

21

と、女性の存在が支えとなったのではなく、

具体的に何をされたのか、と行為が示されている。これは、女性という存在よりも、行為

がもたらしたもので、女性の存在は付属的なものとなっている。

このような扱いは、メディアが女性スポーツ選手を一人のスポーツ選手として独立した

形で見ておらず、スポーツの見方自体に何らかのバイアスをかかっていることを表してい

る。

5.朝青龍と亀田一家

ここでは、朝青龍と亀田一家といった「悪役」として扱われている

2 者を見てみる。

朝青龍と亀田は、表面上疑惑をチラつかせて同じように扱っているように見られている

が、疑惑の点については、一部の週刊誌を除いて週刊誌は

2 者の扱いを分けている。

朝青龍は、

「『史上最速の

V20 を決めた初場所でも 14 勝中 12 番は疑惑相撲だ!』 カネ

に群がる大相撲『八百長コネクション』」

22

と、

「八百長」をして勝っていると扱っている。

一方、亀田は、

「ダウンしても新王者 亀田興毅世界戦『疑惑判定』を徹底検証」

23

と、

「八

百長」ではなく「疑惑」としている。

八百長とは、

「相撲や各種競技などで、一方が前もって負ける約束をしておいて、うわべ

だけの勝負を争うこと。なれあい勝負」

24

であり、対戦相手と通じて勝敗を約束すること

である。

しかし、一部週刊誌では、

「総力アンケート現役プロボクサー131 人、歴代世界チャンピ

オン

9 人が実名で完全予想! 亀田興毅 VS ランダエタ『再戦』勝つのはどっちだ 8 月 2

日の試合は八百長だと思う?思う

94 人思わない 37 人 自分が戦ったら亀田に勝てる?

15

森田浩之「スポーツニュースは恐い 刷り込まれる〈日本人〉」 2007 年 日本放送出版協

会

p.44

16

週刊朝日 2009 年 11.27 号

17

女性自身 2000 年 10.10 号

18

Sports Graphic Number 2004 年 608 8.19 号

19

女性自身 2007 年 7.31 号

20

女性自身 2007 年 6.5 号

21

FLASH 2000 年 7.11 号

22

週刊現代 2007 年 2.10 号

23

週刊朝日 2006 年 8/18.25 号

24

広辞苑 第 3 版

(23)

勝てる

72 人負ける 49 人 分からない 10 人」

25

「12・20 再戦 直前にランダエタを直撃

『ボクが亀田に負けたら、それは八百長だよ』」

26

と、対戦相手が直接関与していないにも

関わらず、「八百長」とした見出しを扱っている。

これは、他の週刊誌が「疑惑」という言葉で明言を避けたにも関わらず、一部週刊誌が

亀田に対する批判意識が過度になりすぎてしまったため、誤って「疑惑」を「八百長」と

扱ってしまったのである。

このように朝青龍と亀田は、疑惑の点で扱いが異なっているにも関わらず、同じような

印象を与えるのは、

「疑惑」という予測が「八百長」という結果と同等に認識されているか

らである。これは、メディアが「容疑者」の段階で「犯罪者」扱いをして報道することと

同様の認識順序を歩んでいるのである。

以上、各々の選手について比較を加えて視てきた。

これらからも言えるように、週刊誌がスポーツ選手を扱うにはスポーツ以外の要素が入

り込んでくる。

週刊誌は、スポーツ選手をスポーツの評価で報道の対象とするのではなく、他の人格的

な部分を組み入れることにより、スポーツに精通していない読者に対しても「スポーツ」

というカテゴリーから外して読めるように又は、スポーツに精通した読者に対してもスポ

ーツ以外の面を見せることでさらに興味を引き立てるように作られている。

スポーツを娯楽的に伝える一方、スポーツ選手を、

「教育」

「カネ」

「態度」

「発言」な

どに着目して、見本として扱うことや、批判や苦言を呈することで、

「日本人」の社会的理

想像・模範像と位置付け報道している。

そして、その社会的理想像から逸脱するスポーツ選手は、個性として見るのではなく、

社会悪者と見なすことにより、社会的理想を強固なものとしている。

これまで視たように、メディアは、スポーツ選手を「英雄」や「異端児」、「優等生」等

と様々な型に嵌め込み、見出しで固有のイメージを読者に抱かせることによって、選手に

対する価値観を付与し、同様の価値観を共有させることでスポーツ報道を物語化し易くし

ている。

総じて、週刊誌は、スポーツ選手を単なるスポーツの競技者として見るのではなく、ス

ポーツ選手を社会的模範となる者として位置づけた上で、その社会的模範とあるべき行動、

発言、振る舞いという付加価値要素を編集者が「これが理想である」という自らの判断基

準と照らし合わせ、その理想に適う者と適わない者を分けることで、適わない者を社会的

悪者として排除しようとし、自らが社会的管理者であるという立場で報道を操作している

のである。

25

週刊現代 2006 年 10.7 号

26

週刊現代 2006 年 12.30 号

参照

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