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(1)2020 年 ( 令和 2 年 )12 月 15 日広島県医師会速報 ( 第 2464 号 ) 昭和 26 年 8 月 27 日第 3 種郵便物承認 令和 2 年度第 2 回都道府県医師会長会議 当面の最大課題である新型コロナウイルス感染症対策を集中協議 とき令和 2 年 11 月 17 日

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広島県医師会速報(第2464号) (1)2020年(令和2年)12月15日 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 広島県医師会 会長 

松村 誠

令和2年度第2回 都道府県医師会長会議

〜当面の最大課題である新型コロナウイルス感染症対策を集中協議〜

と き 令和2年11月17日㈫ 午後3時 ところ 日本医師会館 Web会議     本会議は、全都道府県医師会長の参加によりWeb形式で開催された。運営方法は全都道府 県医師会長を4グループに分け、前回(9月15日)はA、Bグループで審議(本県はBグループ) したため、今回は「新型コロナウイルス感染症に対する今後の医療提供体制について」を協 議するCグループと、「新型コロナウイルス感染症に関する種々の検討課題について」を協議 するDグループで協議した。  以下、その概要を報告する。 会長挨拶をする中川俊男日本医師会会長(中央)

会長挨拶

日本医師会会長 

中川 俊男

本日の開催方法等について  本日はCグループとDグループの会長にそれ ぞれのテーマに沿って討議いただく。テーマに ついてはそれぞれのグループから事前に募集し、 Cグループは「新型コロナウイルス感染症に対 する今後の医療提供体制について」、Dグループ は「新型コロナウイルス感染症に関する種々の 検討課題について」とし、両グループとも新型 コロナウイルス感染症に関するものとした。  テーマに対する意見はあらかじめいただいて おり、各ブロックの先生方には活発な議論をお 願いしたい。なお、本日の議事進行については、 グループごとに、それぞれ議長・副議長を指名 させていただいたので、よろしくお願いする。 新型コロナウイルス感染症対策について  新型コロナウイルス感染症の新規感染患者は、 10月以降、再び増加に転じている。決して特定 の地域の問題ではない。全国的に感染者の急増 が続けば、医療提供体制が全国で逼迫すること は明らかである。季節性インフルエンザの流行 時期や、年末年始を迎えることを踏まえて地域 の感染拡大の兆候をできるだけ早期に察知し、

(2)

昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 広島県医師会速報(第2464号) 2020年(令和2年)12月15日(2) 先手の対応をとっていかなければならない。  日本医師会としては、今後も政府と協力して 新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでい く。その際には、本日の会議での提案などを参 考にさせていただきながら、地域の実情に沿っ た取り組みを推進していく。各地域での課題な どについて、忌憚のないご意見をお聞かせいた だきたい。 医師資格証の普及について  日本医師会は医師資格証の普及に取り組んで おり、その一つとして、次回の令和3年3月28日 ㈰開催の代議員会から医師資格証を用いて受付 を行うことを検討しているので、ぜひとも医師 資格証を取得いただくよう特段の理解と協力を お願いしたい。 応援メッセージ付きのフェイスシールドについて  昨日、元日本代表男子バレーボール選手で、 現在プロビーチバレーボールの越川優選手から フェイスシールドを5,000枚寄贈いただいた。 このフェイスシールドには、越川選手が全国で イベントを開催し、イベントに参加した全国の 中学生バレーボール選手から、新型コロナウイ ルス感染症と闘う医療従事者への応援メッセー ジが添えられている。今後、応援メッセージ付 きのフェイスシールドを全国の都道府県医師会 へ約100枚ずつ送る予定である。  都道府県医師会におかれては、各医療機関に お送りいただきたく協力をお願いする。本日は よろしくお願いする。

Cグループ討議

新型コロナウイルス感染症に対する今後

の医療提供体制について

議 長:愛知県医師会長 

柵木 充明

副議長:熊本県医師会長 

福田  稠

⑴ 診療・検査医療機関の整備状況等につ いて  栃木県、鳥取県から、診療・検査医療機関の 整備状況などについて報告した。  高知県から、診療・検査医療機関として公表 を前提に募集し、県のHPで171医療機関を公表 しているが、現時点では風評被害などの特段の 混乱を来していない旨を報告した。  熊本県から、相談する医療機関に迷う県民対 策として県と協議・調整した結果、県内の15郡 市医師会に「受診・案内センター」を設置した 旨を報告した。相談業務には郡市区医師会職員 らが当たり、経費は行政負担である。これによ り、会員医療機関の負担軽減、保健所との連携 強化などにもつながっている。 ⑵ 日本医師会・厚生労働省への要望につ いて ①診療・検査医療機関に対する補償制度の確立 について 要望:山梨県 補償制度の確立として、労災保 険の特別加入の手続きの簡素化、つまり、オー ナー医師が「新型コロナウイルス感染症対応医 療機関労災給付上乗せ補償保険加入支援事業」 の対象となるためには労災特別加入が必要だが、 その手続きが煩雑なので簡素化が必要であるこ と、医業収入の減収補填として、労災および国 や日本医師会の上乗せ支援で個人の所得は一定 程度補償されるようになったが、診療報酬の減 収などへの対応は十分でない。 回答:今村聡副会長 日本医師会では、これま で民間の保険制度を活用した補償制度を創設し ており、「COVID‐19 JMAT保険」は2月から 10月末時点で正味参加者が8,852人と多くの方 に利用いただいている。次に、「医療従事者の支 援制度」は、11月9日から募集開始し、サービ ス提供を開始した。本制度は医療機関の従事者 が業務に起因して新型コロナウイルス感染症に 罹患した際に休業補償や死亡補償をする制度で ある。この制度は医療機関が加入している政府 の労災保険などに上乗せして加入する制度であ り、政府の労災保険などの未加入者は対象にな らない。募集を始めて1週間で61,249人、1,756 施設の方に加入いただいており、診療所が1,629 施設、病院が127施設の申し込みをいただいてい るので、ご活用をいただきたい。  事業主にとって、特別加入の手続きがとても 煩雑であるため、簡素化を求める要望があった が、担当理事連絡協議会でも同様の問題提起を いただいた。厚生労働省担当課長と詳細な協議 をし、協議の結果あらためて分かったことは、 労働者災害補償保険法に位置づけられており、 事業主が加入する場合については、事務組合を 通さなければいけないことになっている。従っ て、全国に100程度の医師会に医療機関が簡単に 加入できるようこの組合が作られているが、残 念ながら山梨県にはこういった医療関係者によ る事務組合が作られていない。  問題は、すべての事業主および職員が同時に 加入すると簡単に進むが、職員が先に加入し、 事業主が後で加入しようとすると、さまざまな

(3)

広島県医師会速報(第2464号) (3)2020年(令和2年)12月15日 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 手続き上の問題が発生し負担となる。今後も新 型コロナはまだまだ続くと思われ、さまざまな 感染症の発生も予想されるため、まだ加入され ていない事業主の先生も、この際に利用を検討 していただきたい。  医療機関の休業補償制度は、現在、新設すべく 保険会社と議論を進めている。医師をはじめとす る医療従事者や事務職員が新型コロナウイルス感 染症に罹患または濃厚接触者となり、一時的に閉 院または外来閉鎖を余儀なくされたときに、逸失 利益または雇用や家賃などの継続費用を補償する 制度を新設したいと思っている。これは医療に限 らず、すべての業種について休業を余儀なくされ たときの補償を、国は補償を行わない方針であ り、日本医師会は保険料をなるべく安く抑えると ともに、保険料負担に対する公的支援を確保する ことで当面対応したいと考えている。 ② 外来診療マニュアル等について 要望:福島県・愛知県 発熱外来時に苦慮する 会員も多い。今後、診療・検査医療機関を増や すための方策の一つとして、日本医師会には診 療所向けの外来診療マニュアルなどの整備を要 望する。 回答:釜萢敏常任理事 外来診療マニュアルに ついては、埼玉県のマニュアルが優れていると いう指摘もあったが、国では日本医師会も関与 し日本感染症学会が取りまとめた「成人に対す るもの」「小児に対するインフルエンザとコロナ の対応に関するマニュアル」がまとめられてお り、ぜひとも利用いただきたい。  地域の感染の状況をしっかりと踏まえ、基本 的にはインフルエンザの検査を実施し、実施し ない場合には臨床診断を行い、インフルエンザ の治療をまず行い、必要に応じて新型コロナに 対応する手順となる。まずはそれが重要ではな いかと思う。 補足説明:羽鳥裕常任理事 日本医師会では、 「外来診療ガイド」の「第3版」を準備中である。 今後、診療所でクラスターが発生する可能性も あり、適切な診療の仕方をマニュアルとして 作っていかなければならないと思っている。 ③ 保健所機能の明確化について 要望:大阪府 感染症対策は保健所の主要業務 であるが、厚生労働省の9月4日付け通知「次の インフルエンザ流行に備えた体制整備について」 では、かかりつけ医に対して、相談・診療・検 査・その後のケアなど、多くの対処を求め、一 方で保健所の役割を軽減する方針が示された。 新型コロナウイルス感染症は二類感染症相当の 指定感染症であり、いくら医療機関が院内感染 対策を講じても、その感染リスクが消失するこ とはない。危険に立ち向かう医療従事者の士気 を高めるためには、行政が本腰を入れて取り組 む姿勢を明確に示すことが必要であり、まずは、 地域において保健所が中核となって役割を果た すことが求められる。  “今冬に向けた新型コロナ相談、診療・検査体 制”のスキームで、保健所を中央に据え、保健 所が入院・入所調整や患者搬送を担う位置付け、 役割を明記すべきである。 回答:釜萢敏常任理事 保健所機能の明確化に ついては、保健所が後ろに引いてしまうのでは ないかという心配はいろいろと伺っているが、 感染者が確認された場合にその感染者を入院ま たは施設などで療養させるなどの判断は保健所 に任せるしかない。それを医療機関で行い、受 け入れ先を見つけるのは無理であり、それは保 健所が行うことになっている。保健所の機能を しっかり確保する上で、いろいろな地域によっ てご支援を賜っているところである。 ④ コールセンターの機能について 要望:石川県・神奈川県 各都道府県にコール センターが設置されているが、コールセンター に電話がつながるのに40分~50分もかかり、年 末年始が心配である。各都道府県でも、一度確 認をされ、行政に再確認を要請されるべきでは ないか。 補足意見:釜萢敏常任理事 コールセンターの 機能について、熊本県、神奈川県などが対応さ れているが、つながるのに時間がかかるとの指 摘があり、その情報を教えていただき、国に対 して現状を伝えていかなければならないと思う。 ⑤ 検査拒否者への対応について 質問:神奈川県 最近の傾向として、感染を隠 すような患者が増えているので、気に掛かって いる。 補足意見:釜萢敏常任理事 最近の傾向として、 「感染したことを隠すため、検査をしたがらな い、重症になるわけではないので検査はいらな いという方が少なからず出てきている」と、国 の会議でも問題になっている。こうした方が、 自宅などでじっとしていてそのまま感染が収束 すれば良いが、出歩いて周りに感染を拡げると いうこともあるので、今後、問題になると思う。

(4)

昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 広島県医師会速報(第2464号) 2020年(令和2年)12月15日(4) 【その他各都道府県の取り組み、日本医師会 に対する提言等~主なもの】 要望:大阪府 新型コロナウイルス感染症対策 は、経済の再生と両立させるとの基本方針の下 で「Go To キャンペーン」が推進されている。 この「Go To キャンペーン」の推進は、その前 提となる医療提供体制の強化がセットでなけれ ばならない。日本医師会はこのことを政府に しっかりと提言すべきである。 報告:岩手県・沖縄県 新型コロナウイルス感 染症のクラスター発生に対し、それぞれの県に おける取り組み状況を報告した。

Dグループ討議

新型コロナウイルス感染症に関する種々

の検討課題について

議 長:岐阜県医師会長 

河合 直樹

副議長:兵庫県医師会長 

空地 顕一

⑴ 診療・検査医療機関の土日・夜間、年 末・年始の対応につい要望:茨城県、三重県、石川県 診療・検査医 療機関の土日・夜間の対応、とりわけ年末・年 始の体制整備が課題だと思う。日本医師会とし て、一定の方向性を示してほしい。  診療・検査医療機関が、PCR検査を実施して も、民間検査会社などの取り組みが不明である。 検査センターが休みで対応できないようでは困 る。日本医師会として、厚生労働省を通じて、 しっかりと業界団体などへ働き掛けしてほしい。 回答:羽鳥裕常任理事 診療・検査医療機関の 土日・夜間、年末・年始の件について、日本医 師会ではできるだけ多くの診療・検査医療機関 が整備されるように補助制度の周知徹底・補助 申請書の作成支援などを行っている。厚生労働 省は地域医師会が発熱外来体制の構築を主導で きるような制度設計を要求してきた。  9月4日付け厚生労働省の事務連絡で都道府県 に対し、自治体、都道府県医師会、郡市区医師 会などの関係者と地域における整備方針課題な どを充分に共有し、協議を行った上で、診療・ 検査医療機関を指定することを求めてきている。 さらに年末・年始を含め、夜間・休日にも一定 の相談・診療検査体制が確保できるよう体制整 備を行うことも謳われている。  石川県からも現場に沿った質問をいただいて いるが、PCR検査は積極的に土日祝日、年末・ 年始も行うといっても、検査結果が出るのが翌 日の場合にどのようにしたら良いかとなどの指 摘があった。これは、ある程度、医師会と検査 会社との協議も必要であるし、検査会社から保 健所にPCR検査の結果を報告し、その報告を主 治医と患者が受け取ることも必要だと思う。  第2次補正予算の予備費の関係で、受診相談セ ンターの代わりに、土日祝日の夜間電話相談を 行う機関に医療機関や医師会も位置づけられて いるが、これに関してはコールセンターだけで はなく、地域の状況をよく理解している医師会、 保健所が調整してできるようになればというこ とだと思う。私自身も診療・検査医療機関に手 上げし、できるだけ協力している。  PCR検査も30数万円で自分で解析できる機器も あり、そういうものを利用すれば休日診療所でも 結果を少なくとも翌日に返すことが可能となる。 ⑵ かかりつけ医の患者以外への対応、診 療・検査医療機関の増加、転院受入体制 構築について 要望:茨城県、大分県など かかりつけ医の患 者以外への対応をしない診療・検査医療機関が 7割もあり、対応に苦慮している。  補助金申請手続きが非常に煩雑で、対応でき ない。できるだけ簡素な手続きで申請できるよ うに改善してほしい。 回答:橋本省常任理事 日本医師会としては、 地域の実情に合わせてできるだけ多くの発熱外 来医療機関を確保していただきたい。診療・検 査体制確保事業補助金は発熱外来の体制を準備 したにもかかわらず、患者が来なかった場合の セーフティネットの意味合いが多い。  診療・検査医療機関について、8つのケースを 示すとともに、補助金交付申請書の作成方法も 説明する資料も作成し、さらに申請書の作成が 困難な医療機関には、日本医師会で代行入力も 始めたところである。また、他院の新型コロナ 以外の患者受入については、4月3日付け発出の 各都道府県医師会宛て文書にて、都道府県調整 本部への医師会の関与や重点医療機関と他院と の役割分担、他の疾病の入院患者の転院調整な どに係わる主体的な役割をお願いしている。  日本医師会では、今後も新型コロナ以外の診 療を担う医療機関もきちんと位置づけ、充分に 配慮した支援を行うよう国に要求する。また、 新興感染症などの対策を医療計画の「5疾病・5 事業」に加えるよう主張しているが、その中で も役割分担と連携をしっかりと盛り込んでいく。

(5)

広島県医師会速報(第2464号) (5)2020年(令和2年)12月15日 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 ⑶ 新型コロナ感染症が発生した介護事業 所の人材確保について 要望:茨城県、岡山県、神奈川県など 介護施 設や障害者施設で、感染が発生した場合の対処 方針について、明確な方針を日本医師会として 示してほしい。 回答:江澤和彦常任理事 新型コロナウイルス 感染症が発生した介護事業所の人材確保につい ては、現状の都道府県が介護関係団体への事業 の委託を行い、各団体が人材確保や応援派遣の 調整を行う体制が一般的であるが、これだけの 国難であるので、行政主導により都道府県自ら が介護団体や事業所と連携し、人材確保に努め るべきと厚生労働省へも要望している。  また、医療と介護の相互連携の一環として、障 がい者や認知症の対応力向上に平時から医療機関 が取り組んでおくことも重要と思う。さらには、 両者が感染した場合には、原則入院であるが、や むを得ず入所を継続せざるを得ない場合に本人が 適切な医療を受ける機会の確保および要する医療 費の手当が急務であり、治療すべき時機を逸する ことがないよう厚生労働省へ要望を続けている。  自宅やホテルの療養者の健康管理、民間検査 会社による保健所患者への検査結果などの説明 ルート、これらは保健所の協議による連携体制 の構築が不可欠であり、引き続き、継続的に議 論を賜りたい。交付金でかなりの医療機関でも PCRなどの検査ができる機関が増えているので、 こうした医療機関との協力も重要である。 ⑷ 発熱患者の交通手段について 質問:石川県など 発熱患者の交通手段として、 PCR検査で結果は翌日まで判明しない場合で、 帰る手段がない人の対応に困る。特に、一人暮 らしなどで迎えに来る人がいない場合に、医療 機関にタクシーを呼んでほしいといわれる場合 がある。また、陽性の患者で入院が必要な重症 患者は、救急車で搬送すればよいが、軽症の患 者の交通手段はどうすればよいか。 回答:長島公之常任理事 厚生労働省は検査結 果が出るまでは公共交通機関を避けるよう示し ている。受付でタクシーを呼んだ場合、その患 者が陽性であったときの責任問題については、 コロナに限らずトラブル防止策として、患者に タクシー会社の電話番号を教え、自分でタク シー会社に電話してもらうことが大事と考える。  軽症で一旦帰宅する場合の交通手段であるが、 患者の移送は保健所が所管しているので、やは り保健所に相談していただきたい。実際には、 保健所と消防機関との連携や特に都市部では民 間救急の役割が重要となる。総務省、消防庁も 各都道府県消防防災部局や消防機関に対し、保 健所などと緊密な情報共有および連絡体制の構 築、陽性患者の移送に消防機関が協力する際の 条件の確認、必要な協定などの締結、十分な事 前協議の実施を求めている。各地域医師会にお いては、かねてよりお願いしているところであ るが、保健所、消防機関との三者での連携体制 づくりにご尽力をいただきたい。 ⑸ 医療経営への影響への対応、日本版 CDCについて 要望:兵庫県、宮城県、大分県、鳥取県など   医業経営における医師会の役割として、医療 機関の経営支援があるが、まだまだ医療機関の 経営は苦しい。税の減免をはじめさらなる財政 的支援を迅速かつ充分にお願いしたい。  新型コロナウイルス感染症については、日本 医師会は学術団体でもあり、日本版CDCのよう なものを創設するなど、医学的なエビデンスに 基づく提言を政府に対して行うべきである。  保健所の体制、人員や予算が削られてきた経 緯があり、このままでは地域の健康危機管理が 守れないのではないか。保健所がそのためにど のような体制であるべきか、日本医師会から提 言すべきである。  院内感染が起こった場合に、無床診療所で1施 設100万円の補償金では、全く足りない。風評被 害などで診療報酬がかなり減になると思う。中 小病院では、さらに大きな補償が必要である。  鳥取県では、県単独で、診療・検査医療機関 などで、新型コロナが発生し休業せざるを得な い場合には、1診療所当たり26万円/1日、上限 300万円の減収を助成することとし、今月末の県 議会に上程される予定である。  大阪府では、行政との協議により、PCR検査 に従事した医師らが新型コロナウイルス感染症 に感染した場合の補償として、「災害時の出務」 と同様の補償を行政に求めることとしている。 回答:松本吉郎常任理事 今回の新型コロナウ イルス感染症に起因する医療経営の影響は極め て甚大で、地域医療が崩壊しかねないとの指摘 を多くいただいた。日本医師会としては、医療 機関の経営実態に基づき中医協などにおいて 「地域の医療機関がなくなっても良いのか」と繰 り返し、主張している。特に、小児に対する診 療や医療機関における感染防止対策を支援する ような診療報酬や補助金、または物品の供給支

(6)

昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 広島県医師会速報(第2464号) 2020年(令和2年)12月15日(6) 援など必要な公的支援を政府与党に、現在もそ して今後も強く求めていく。  補助金申請の複雑さは、できる限り内容を分 かりやすく、特に診療所に関しては担当理事連 絡協議会などで示していく。  日本版CDCについては、これまでも創設を国 に対して要請してきたが、今回の新型コロナウ イルス感染症においても、感染症研究所、国際 医療研究センターなどにはそれぞれご尽力をい ただいているが、国の機関を束ねる司令塔が不 明瞭であると感じている。感染症危機管理体制 の強化、ならびに健康医療情報を学術的な見地 から整理・選択し、統合した上で、医療政策を 国民に発信し、正しい情報が共有できるように 日本医師会がリーダーシップを発揮していく。 医療機関の休業補償制度に関する補足:今村聡 副会長 医療機関の休業補償制度について、対 象となるのは、診療所ならびに個人および法人 立の病院である。医療機関の規模が相当違うの で、100万円という補償ではすべての医療機関に 充分な補償ができるかというと、確かに充分で ない医療機関もあると思う。国は医療を含めて、 すべての業種について感染や濃厚接触に伴い休 業を余儀なくされた場合に補償を行わないとい うことが原則とされている。  医療従事者の支援制度は労災保険の上乗せで あり、労災保険はすべての事業者であるが、上 乗せの保険があるのは、医療に限ってのことで あり、このことに関して財務省とは相当に厳し く激しいやり取りをし、何ヵ月もかかってやっ とできたという経緯もある。従って、今回新た な休業補償制度を作るにあたって、スピード感 も非常に重要で、今回の発熱外来などに取り組 んでいただく医療機関に早急に補償するために、 民間保険を活用した。この民間保険に関して、 当然のことながら給付を増やすことであり、保 険料を増やす必要があり、これが医療機関の負 担になるので、充分ではないながらもスピード 感を持って、12月から募集ができるように取り 組んでおり、ご理解を賜りたい。その点は、各 県の中で、医療がいかに重要かを、県知事の理 解を得て鳥取県、大阪府などが医療機関を補償 する取り組みは、非常に貴重な情報だと思う。 ぜひとも、自治体と協議をしてほしい。 ⑹ 医療機関の風評被害について 要望:三重県など 患者が陽性になった場合に、 SNSなどで拡散し、転居せざるを得ない事例や石 を投げられ、ガラスが割られるという事例があ る。看護師が家に帰れず、ホテル住まいをした例 もある。知事が前面に立って、呼び掛けている が、日本医師会からも声を上げてほしい。 回答:城守国斗常任理事 医療機関の風評被害 について、新型コロナウイルス感染症の患者を 診たというだけで、医療機関やそこで働く医療 従事者、またその家族にまで、いわれなき風評 被害が及んでしまう問題に関しては、依然とし て各地で散見されている。日本医師会としても、 大きな問題であると認識し、その実態を把握す ることが重要になるため、地域の実情をよく把 握している都道府県医師会・郡市区医師会で情 報を把握された場合には、記録し、情報提供の 協力をお願いしたい。情報の把握と同時に、今、 国民に対して医師をはじめ医療従事者は地域の 人々の生命や健康を守る、そういう一心で新型 コロナウイルス感染症の治療、感染防止に努め ていること、デマなどに惑わされることなく冷 静に対応すべきであること、理解を求めていく ことも重要であろうと考える。  そのための広報としては、感染防止対策を しっかりとしている医療機関に掲示をしてもら うための「みんなで安心マーク」を作成すると ともに、国民の理解を求める動画を、新型コロ ナウイルス感染症が勃発した今年の春に4編ほど 作成した。現在、新たに中川会長に出演いただ き、その風評被害に対する動画を作成している ところである。動画は完成し次第、日本医師会 HPまたは日本医師会の公式YouTubeでも公開 をしていくので、ぜひとも活用をお願いしたい。 ⑺ 新型コロナウイルス感染症対策として の税制要望について 要望:岐阜県など 日本医師会は税制要望を出さ れているが、この中で新型コロナについては、特 に病院への影響が厳しい。例えば、医療機器の固 定資産税の減免措置、所得税・法人税などにおけ る即時償却などの緊急避難的な措置が必要である。  今回の発熱外来の支援補助金は、小規模の診 療所でも補助金の総額が1千万円以上になること も想定され、補助金に対する免税措置がないと、 多額の税金がかかる事態となる。従来、4段階税 制を受けていた小規模医療機関が多数あるが、 これらの補助金を受けることで、4段階税制から 外れることを危惧する会員もある。このため、 補助金収入は「医業外収入」であることを明確 にしてほしい。 回答:宮川政昭常任理事 医療機関経営の支援

(7)

広島県医師会速報(第2464号) (7)2020年(令和2年)12月15日 昭和26年8月27日 第3種郵便物承認 策として、まず補助金などによる支援が求めら れるが、税制上の措置も非常に重要と考えてい る。日本医師会は令和3年度税制改正要望とし て、新型コロナウイルス感染症対策についての 税制措置を、①固定資産税等の減免措置、②設 備投資減税、③寄付金・補助金等にかかる税制 措置などの7項目を要望している。  岐阜県から指摘のあった3項目についても、医 療機関が給付を受ける補助金について非課税にす ること、新型コロナウイルス感染症対策の設備投 資について固定資産税などを減免すること、所得 税・法人税の即時償却および税額控除を要望して いる。年末の税制改正に向けて、要望活動をしっ かりと行っていきたい。さらには、全国の都道府 県医師会長のご理解とご支援をお願いしたい。 日本医師会に対する提言:山口県  母子健康手帳発行部数が昨年同期に比べて 30%も激減しており、出生数の減少は全国的な 大問題であるとの認識のもと、日本医師会は早 急に政府に対し問題提起をすべきである。

総 括

日本医師会会長 

中川 俊男

 本日は、熱心な議論を賜り、感謝するととも に、現場の生の声をたくさんいただいた。その 中で、補助金の仕組みと周知と申請をシンプル にということであったが、厚生労働省にさらに それを求めていく。  年末年始のPCR検査体制については、新型コ ロナウイルスには年末も年始もないので、この ことについて早急に厚生労働省と協議をする。  保健所機能の強化については、そのとおりで あり、われわれもずっと要求している。さらに は、「Go To キャンペーン」の推進と医療提供 体制の強化がセットでなければならない議論は そのとおりである。しっかりと主張していく。  既に「日本医師会COVID‐19有識者会議」を 設置しており、現在、緊急提言を策定中であり、 われわれに提言をしてもらい、それをどのよう に活用するかという方向性で動いており、もう 少しお待ちいただきたい。  本日の午前中に全国に配信したが、京都大学 の西浦教授に講演をしていただいたが、その中 で感染拡大の決定要因として、①人口密度、② 気温、③移動、④3密回避の4点をご教示いただ いた。現在、北海道では感染者が急増している が、まさに西浦教授のご指摘のとおりである。 感染拡大の防止と経済活動の両立を前提に、あ る程度の感染拡大はやむを得ない考えもあるが、 日本医師会としては、「感染防止対策の徹底が最 大の経済効果に結びつく」という方向性を持っ て発言していきたいと思うのでよろしくお願い したい。

e

‐広報室に下記を追加いたしました。

 ビデオライブラリー

●広島医学会総会

 通達文書

●令和2年11月13日 「医療・介護関係事業者における個人情報の適切       な取扱いのためのガイダンス」および「「医療・介護関係事 業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」 に関するQ&A(事例集)」の一部改正について(通知) ●令和2年11月25日 介護保険サービス従事者向けの感染対策に関する研修について ●令和2年11月27日 高齢者施設等への重点的な検査の徹底について ●令和2年11月27日 「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する 費用の額の算定方法の一部改正等 に伴う実施上の留意事項に ついて」等の一部改正について ●令和2年11月30日 使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について

 新型コロナウイルス感染症

P16、22、23、26、34、38、39、40に掲載

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