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ビジュアルプログラミング環境における計測・制御の実現

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Academic year: 2021

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ピ、ジュアルプログラミング環境における計測・制御の実現

教科・領域教育専攻 生活・健康系コース(技術・工業・情報) 中 村 綾 花 1.はじめに 2020年度から順次施行される学習指導要領で は,小学校から高等学校の各学校でプログラミン グ教育が必修化される.プログラミング教育は, 目的を達成するためにどのようなプロセスを組む べきかを考える力,すなわち「プログラミング的思 考Jを育成することを目的としている.この力を 身につけることで,これから変化する社会を生き るために必要な思考力が身につく. 小学生向けのプログラミング教材のーっとして Scratch[l]がある.英文をタイプしなくてもブロ ックを繋げるだ、けで、簡単にプログラムを作成でき る特徴がある.ブロックには形状があり,適切な ものしか繋がらないため,文法エラーが発生しな いという利点がある.更にJavaScriptで拡張ブロ ックを追加しプログラムの中に組み込むことがで きる ScratchX[2]も開発されている.先行研究[6] により,センサの値を複数の ScratchXから取得 できるようになり授業での利用がしやすくなった. しかしネットワークを介しての電子機器の制御は まだできておらず,中学技術分野 fD情報に関す る技術(3)プログラムによる計測・制御Jで利用す るにはまだ機能が不足している.電子機器の制御 の機能を拡張すれば日常生活で起こる問題を工夫 する自由なプログラムを作ることが出来る.本シ ステムは身近な電子機器の制御を ScratchXで可 能とするシステムを開発した. 2.提案システム 本 シ ス テ ム は , 制 御 対 象 の 電 子 機 器 を 全 て Raspberry Piに接続しており,学習者端末はウェ ブブラウザ上で ScratchXを動作させ,拡張ブロ ックを介して機器を制御する.(図 1) 指 導 教 員 : 曽 根 直 人

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図1 システム構成 2.1. Raspberry Pi Raspbery Pi[3]は小型のシングルボードコンビ ュータである.Wi-FiやUSB,GPIOポートなど 豊富なインターフェイスを有し様々な機器を接続 できる.RaspbianはRaspberry Piでイ吏える OS の一つで、あり,認識可能な周辺機器が多いため本 研究で採用した. 2.2. Philips Hue Philips Hue[4]はネットワークを介して色設定 などを制御可能なLED電球である Wi-Fiルー タに接続された Hueブリッジを介して指示を受 け取る仕組みとなっている. (図2) 本システムでは PhilipsHueをRaspberry Pi にWi-Fiで接続し,Node-lREDを介してScratchX からのリクエストを受け取り,電球を制御できる システムを実装した. q δ 4 q u

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パソコン Wi干iル-~- Hueブリッジ 図2 Philips Hueの通信の仕組み 2.3. Node" RED Node"RED[5]はハードウェアデ、パイス /APIお よびオンラインサービスを接続するためのツール である.Raspbianでもインストールして利用する ことができる.Node"REDは, http経由でリクエ ストを受信したり, Raspberry Piに接続した機器 の制御をしたりすることができる.本システムで は,学習者端末で操作する Scr叫 chXからの http リクエストを Node"REDで受信し Raspberry Pi に接続した機器を制御できるシステムを実装した. 2.4. ScratchX ScratchXは JavaScriptにより機能を拡張可能 なScratch互換環境である.拡張機能により従来 のScratchには無い機能を持つ拡張ブロックを追 加 す る こ と が で き る . 提 案 シ ス テ ム で は Node"REDに http リクエストを送信し, Philips Hue などの電子機器を制御する拡張ブロックを JavaScriptで作成する. 3.授業実践 平成30年 11月20日, 27日に鳴門教育大学附 属中学校で2年生の生徒 20人を対象に研究授業を 行 っ た 第 1回は Scratchの基本操作と ScratchX

の拡張ブロック (OpenWeather Mapの天気 API

と温度・二酸化炭素センサ)を使ってプログラム を作成する内容となっている.第2回では前回使 用した拡張ブロックに加え, Philips Hue電球と USBライト, USB扇風機を制御する拡張ブロッ クを使用した.計測と制御ブロックを組み合わせ, iif文を用いて計測した値によって機器の制御の 仕方を変えるプログラムで生活をより便利にしよ う」という課題で作品制作をした.事後アンケー トの結果,20人中 14人の生徒が生活を工夫する ためにプログラミングが活用できると回答した. 4.考察 本システムは RaspberryPiに接続可能な機器 であれば様々な電子機器を利用できる.学習者は 機器の制御にピ、ジュアル型の言語を用いるため, 中学校から新しく習う「プログラムによる計測・ 制御jの学習に専念しやすい.授業実践の結果, 学習者は本システムを利用して計測と制御を学び, 生活を工夫するプログラムを作ることができた. 制御する機器の種類を増やせばより幅広いプログ ラムを作ることができ,中学技術科だけでなく他 教科との教科横断的学習ができると考えたので今 後の課題としたい. 参考文献 1.• Scratch Foundation, Scratch, https:// Scratch.Mit.edu/, (アクセス日:2018年 12月 26 日.)

2. MIT Media Lab, SeratchX, http:// Scratchx.org/, (アクセス日:2018年 12月 26日) 3. Raspberry Pi Foundation, Raspberry Pi, https://www.raspberrypi.org/, (アクセス日:

2018年 12月26日)

4. Philips, Philips Hue, https://

www2.meethue.com/ja"jp, (アクセス日 :2018年

12月26日)

5. IBM Emerging Technologies, Node"

RED, https://nodered. org/, (アクセス日:2018 年 12月 26日) 6. 竹田慎, 曽根直人, センササーバと ScratchXによる計測システムの開発, 鳴 門 教 育 大 学 情 報 教 育 ジ ャ ー ナ ル , http://www.naruto"u.ac.jp/journal/info"edu/. (ア クセス日:2018 年 12 月 ~~6 日) -344一

参照

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