消費税増税に伴う納税協力費と外部費用
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(2) 研究ノート 表 1 消費税増導入と増税への取り組み 年月. 背景. 1989年4月. 消費税施行。税率は3%。. 1994年2月. 消費税を廃止し、税率7%の国民福祉税の構想を発表。即日撤回。. 1997年4月. 消費税率を5%に引き上げ。(消費税率を4%、地方消費税を1%). 2009年9月. 民主党への政権交代(消費税率の引き上げをしないというマニュフェスト). 2010年6月. 民主党「消費税10%」を打ち出し、参議院選挙惨敗。. 2012年6月. 消費税率を2014年に8%、15年に10%に引き上げる法案を提出。. 2014年4月. 消費税率を8%に引き上げ。. 2014年11月. 2015年10月の税率10%への引き上げを2017年4月に1年半延期。. 2016年6月. 2017年4月の税率引き上げを2019年10月に2年半延期。. 2019年10月. 消費税率を10%に引き上げ。食料品等への軽減税率(8%)を導入. 出所:筆者作成。 表 2 実質 GDP 成長率の変化と寄与度 前期比年率、寄与度、%. 消費税増税 (1997年4-6月期) リーマン・ショック直後 (2008年10-12月期) 東日本大震災 (2011年1-3月期) 消費税増税 (2014年4-6月期). 実質GDP成 長率. 内需. 輸出. 輸入. -3.5. -5.8. 1.7. 0.6. -12.5. -1.1. -10.2. -1.2. -6.9. -5.7. -0.4. -0.7. -7.1. -11.4. -0.3. 4.7. 出所:内閣府 「国民経済計算」より筆者作成。 出所:内閣府「国民経済計算」より筆者作成。. の増税の 1 度目の延期を 1 年半行い、2016 年 6 月にも 2 度目の 2 年半延期を 行っている。このように、わが国の消費税導入から今日に至るまで、増税は 60.
(3) 消費税増税に伴う納税協力費と外部費用. 何度も企図されるものの、経済的影響や政治的事由により撤回や延期を繰り 返してきた歴史があるといえよう。 みてきたように、増税の決定が忌避される理由は、そもそも増税に対する 嫌悪感もあるが、消費税増税そのものが国民生活に身近である個人消費や、 第 3 次産業、特に小売業や飲食業等の売上に大きく影響を与えることが大き いため、消費税増税の負担感を実感しやすいことが挙げられるだろう。表 2 は、GDP の変化への寄与度から消費税増税が与えた影響について、リーマ ンショックや東日本大震災と比較したものである。 消費税増税直後の実質 GDP 成長率は、リーマンショックや東日本大震災 と比べて、特に内需での影響が大きいことが分かる。5% から 8% にあがった 2014 年 4 月の消費税増税では特にその影響が著しく大きい。さらにこれら の影響を企業側から検討するため、 「第 3 次産業活動指数」について 8% への 増税のタイミングである 2014 年 4 月周りについてみたものが図 1、10% への 増税のタイミングである 2019 年 10 月周りについてみたものが図 2 である。 108 106 104 102 100 98 96 94 92 90 201310. 201312 第3次産業総合. 201402. 201404. 宿泊業,飲食サービス業. 201406. 201408. 生活関連サービス業,娯楽業. 図 1 消費税 8% 増税前後の第 3 次産業の活動 出所:経済産業省「第 3 次産業(サービス産業) 活動指数」 より作成。 地域創造学研究. 61.
(4) 研究ノート 110. 105. 100. 95. 90. 85. 80 201901. 201903 第3次産業総合. 201905. 201907. 宿泊業,飲食サービス業. 201909. 201911. 生活関連サービス業,娯楽業. 図 2 消費税 10% 増税前後の第 3 次産業の活動 出所:経済産業省「第 3 次産業(サービス産業) 活動指数」 より作成。. 第 3 次産業活動指数は、2015 年の活動を 100 としたときの各産業の活動 の変化を表したものである 1。8% への増税のタイミングである 2014 年 4 月 において、第 3 次産業総合では、5.7% ポイントの減少があり、その後 5 月に は 1.4% ポイントの増加があるものの、四半期トータルでは減少傾向にある。 また、宿泊業、飲食サービス業は消費税増税にはあまり変化がなく、生活関 連サービス業、娯楽業は、第 3 次産業総合とほぼ同様に、6.1% ポイント減少 している。10% への増税のタイミングである 2019 年 10 月においても、8% のケースとほぼ同様に、第 3 次産業総合では 5.9% ポイントの減少、生活関連 サービス業、娯楽業は、5.7% ポイントの減少となっている。 これらのことからわかる通り、第 3 次産業の特定の産業分野においては、 消費税増税の影響を直接的に受けることから、増税に対する様々な対策が必 要であることが予想されるであろう。例えば、消費税増税に伴う値札の張替 え、レジ等の変更、景気落ち込みに伴う売上惹起のための取り組みなどが挙 げられる。これらの費用は、消費税増税が行われなければ発生していない費 62.
(5) 消費税増税に伴う納税協力費と外部費用. 用である。 このように、近年の消費税増税が企業の行動に与える影響は大きく、それ らのことを考えると税の公平性だけでなく、これらの民間企業の負担である 納税協力費についても考察する必要がある。そこで、本稿では、さまざまな 先行研究をもとに、消費税増税に伴う納税協力への影響の検討を行ってい く。本稿の構成は以下のとおりである。2 節では、消費税(付加価値税)に関 する納税協力費をどのように想定したらよいか、先行研究の議論を中心に整 理する。3 節では、2 節までの整理をもとに、今回の消費税増税が納税協力 費に与える影響と増税そのものが企業活動に与える外部費用について考察す る。4 節では、本稿のまとめとして納税協力費の今までの概念と企業負担の 関係性について述べていく。. 2.消費税納税協力費の想定方法 わが国の消費税の納税協力費の値はかなり大きいことが予想される。その 特徴を正確にとらえることで納税協力費を抑える方策についての手掛かりを 得られることが期待できる。納税協力費に関する研究は、イギリスにおいて サンフォード( C. Sandford )教授を中心とした研究が有名であり、わが国に 関する研究は、伊藤( 1988 )を嚆矢として横山( 2011 )等が有名である。そこ でこれらの先行研究を参考に、消費税の納税協力費について想定していく。 まず、そもそもの納税協力費の定義についてみていく。伊藤( 1988 )によ ると、納税協力費の定義として、狭義の解釈と広義のものとして経済学的な 解釈について整理されている。前者については、 「税務当局に納める税額以 外に、納税者(徴収義務者)あるいは担税者が税務行政過程において負担する 費用」に、税務当局の行政費用を加えたものと整理されている 2。後者につい ては、課税による経済的厚生の損失ととらえ、資源配分の効率性の損失等の 直接的な費用負担以外の課税がもたらす費用として整理されている。さらに、 伊藤( 1988 )では、納税協力費を性質論から 3 つに区分し論点整理を行ってい る。1 つ目は、義務的なものと自由裁量的なものであり、税法に従ったもの と、回避可能な費用等の区分である。2 つ目は、恒常的な費用と一時的な費 地域創造学研究. 63.
(6) 研究ノート. 用の区分であり、時間区分について整理したものである。恒常的な費用は税 が存続する限り負担が必要な費用であり、一時的な費用は、税制改正に伴い 3. 短期的に生じるものである 。3 つ目にグロスとネットの概念による区分であ る。納税協力のための費用から、得られる便益を差し引いたものである。 本稿では、3 つの区分のうち、2 つ目の恒常的な費用と一時的な費用の区 分をもとに、2019 年の消費税増税の議論を次節以降で進めていく。そこで まず、恒常的な費用と一時的な費用の区分について、伊藤( 1988 )および C.Sandofrd, M. Godwin and P. Hardwick( 1989 )をもとに整理したものが図 3 である。 納税協力費. 税の導入 一時的費用. 導入費用 税制改正に伴 う恒常的費用. 恒常的費用. 税制改正. 時間 図 3 新税導入および税制改正に伴う納税協力費の変化 出所:伊藤( 1988 ) 図− 1 参照。. 図 3 より、新税が導入された場合、納税協力費は、税の導入以前から必要 となる。すなわち、納税義務者となるものは、納税額の計算や納税方法等に ついて事前に知識を得、実際の納税に備えて準備を行わねばならない。税が 導入された時点で納税協力費は最も大きくなる。税導入後は、学習効果に よって一時的な納税協力費は逓減し、恒常的費用として本来必要とされる納 64.
(7) 消費税増税に伴う納税協力費と外部費用. 税協力費が残ることになる。また、いったん導入された税について税制改正 が行われた場合、当初は追加的に納税協力費が必要となるが、いずれなくな る。しかし、実施された税制改正が、納税者にこれまで以上の協力費を負担 させるようなものであれば、税制改正後の恒常的な納税協力費の水準は改正 前の水準より高くなってしまうことを表す。さらに、図 3 において、一時的 費用が税の導入時に大きく、税制改正時に小さくなる根拠として、納税協力 費の定義とかかわりがあると考えられる。すなわち、図 3 では、狭義の納税 協力のもとに描かれていると考えられる。税務行政過程において負担する費 用については、新税が導入された場合は、すべてが追加的に新規に必要であ ることから大きくかかる一方、税制改正ではそれほど大きくならないことを 想定している。 次に、納税協力費を実際にどのように測定していくのか、その方法につい てみていく。C. Sandofrd, M. Godwin and P. Hardwick( 1989 )において納税 協力費は以下の 3 つに分類されている。 ① 金銭的コスト ( money costs ) ② 時間的コスト ( time costs ) ③ 心理的コスト ( psychic or psychological costs ) 金銭的コストとは、個人の納税者が税理士に支払う報酬、企業の税理士へ の報酬、税の計算に関する事務を担当する従業員に対するコストなど、時間 的コストとは、納税者の申告書作成に必要な時間などである。さらに心理的 コストは納税者が納税を行うことに際して不安や心配な気持ちを持つことに 関するコストである。そこで、これら 3 つの納税協力費について、実際の調 査を考えたうえで項目ごとに分類、整理したものが表 3 である。 表 3 のように、実際にこれらの納税協力費を調査する場合には、項目ごと にアンケートやヒアリングをする必要がある。金銭的コストについては、税 務計算等に必要な知識を得るためのコストだけでなく、税理士報酬のコス ト、税務署に出かけるための交通費はもちろん、内部的には、税務計算担当 地域創造学研究. 65.
(8) 研究ノート 表 3 納税協力費測定における分類 1 金銭. 税計算等に必要な知識を得るためのコスト(本の購入、セミナーに参加する(交通費含む)等). 2 金銭. 税理士の報酬のコスト. 3 金銭. 税務署に出かけるための交通費. 4 金銭. 税計算担当の従業員に関するコスト. 5 時間. 申告書の作成にかかる時間. 6 時間. 税務署に出かけるための時間. 7 時間. 納税に関して必要な書類を集める時間. 8 時間. 税の計算を行う時間. 9 心理. 税の計算を行い、税に関する報告書を作成することについて正確にできているかどうかという心配 や不安. 10 心理. 税に関する理解の大きさや正しさ、税負担が大きくなるのではという心配や不安. 出所:横山( 2016 )をもとに筆者作成。. の従業員に関するコストも含まれるだろう。時間的コストについては、申告 書等の納税にかかわる時間が挙げられるだろう 4。金銭的コストで挙げた活 動にかかる時間そのものも納税協力費として測定される。心理的費用は、税 の計算を行い、税に関する報告書を作成することについて正確にできている かどうかという心配や不安や、税の理解の大きさや正しさ、税負担が大きく なるのではという心配や不安である。 これらの納税協力費の測定は、可能な限り貨幣換算してとらえなければな らない。金銭的コストは直接測定することができるが、時間的コストと心理 的コストについては測定技術上の問題点がある。時間的コストに関しては、 その評価方法が問題となる。一つの解決方法は、納税協力に費やす時間を適 正な換算率(単価)を用いることによって貨幣換算で評価することができる。 この場合、換算率 (単価) の選択によって納税協力費の大きさが異なってくる。 これに代わる方法は、評価基準として、同じ仕事を会計士のような専門家に 依頼した場合の報酬率を用いることである 5。心理的コストは、実際に存在 するが、把握することは困難であり、また把握することができたとしても、 66.
(9) 消費税増税に伴う納税協力費と外部費用. それを貨幣換算で評価することは容易なことではない。心理的コストを客観 的に評価する基準を設けることは困難であり、また納税者自身に納税協力に 伴う心理的コストを評価させれば、おそらく過大な評価となるであろう。. 3.2019 年の消費税増税における納税協力費と外部費用 前節までにおいて、消費税における納税協力費を一般的な調査分析をする 上での事項について、先行研究における理論的な取り扱い、実証的な取り扱 いをみてきた。本節では、2019 年に増税された消費税を事例に考察を加え ていく。そこでまず、2019 年の消費税増税に伴う制度改正等について整理 する。TKC「消費税法改正特設サイト( https://www.tkc.jp/ct2019 )」による 6. と、その影響として 4 点挙げられている 。 1) 4 つの消費税率への対応 2) 請求書の様式変更 3) レジスター・販売管理システム等の入れ替え 4) 従業員への教育 1 )4 つの消費税率への対応 は、標準税率、軽減税率、経過措置( 8%お よび 5%)の 4 つの税率に対する対応を意味している。軽減税率制度は、飲 食料品および定期購読される新聞の税率を 8% としたものである。経過措置 は、駆け込み需要の緩和や税率引上げ前後の混乱を防ぐために設けられたも ので、税率引上げの施行日( 2019 年 10 月 1 日)の半年前より前に契約した工 事の請負契約等には旧税率が適用されることとなる。これらの複数の税率に への対応で懸念されることとして、仕訳入力の負担の増加や税率の判断・入 力ミス、入力データ確認作業の増加などが懸念されている。2 )請求書の様 式変更 は、複数の消費税率を把握するために、請求書の記載要件が追加さ れるだけでなく、2019 年 10 月 1 日から 2023 年 9 月 30 日までは「区分記載請 求書等保存方式」 、2023 年 10 月 1 日からは「適格請求書等保存方式」いわゆる インボイス制度が導入され、それぞれに対応した請求書様式に変更する必要 地域創造学研究. 67.
(10) 研究ノート. があり、請求書のレイアウト変更、社内ルールの整備、取引先への通知等が 必要となり、経理業務の負担が増加すると考えられる。3 )レジスター・販 売管理システム等の入れ替え は、レジスター、販売管理システム、会計シ ステムなどにおいて複数税率への対応が求められことによる、経費増加が考 7. えられる 。4 )従業員への教育 は、軽減税率制度により、店頭や顧客と直 接接する場面において問い合わせが増えることが想定され、それらに対する ルール化、マニュアル化、ロールプレイやトレーニング等が必要となる。こ れらの消費税増税に伴う費用を前節まで見てきた納税協力費のパート分類で 考えると、1)4 つの消費税率への対応の一部の作業量の増加などは時間的 コストに該当し、4 )従業員の教育については、金銭的コストと時間的コス トが該当すると考えられる。一方これら以外の費用については、先行研究 で想定されている納税協力費の計算上見逃されてしまう費用と考えられる 8。 すなわち、これらの費用は納税に直接的に影響はしないものの、企業自身は 費用として認識する増税に伴う外部費用と考えられる。そこで、これらの外 部費用を踏まえた形で、図 3 を修正したものが図 4 である。 すでに述べたように、納税協力費は、税務行政過程において負担する費用 が狭義の定義であることから、一時的費用もそれに含まれるものが中心とな る。しかしながら、企業が負担する新税の導入および税制改正に伴う費用は 税務行政過程のみに留まらず、それらが行われたことにより影響を受ける 様々な費用が存在する。その費用を外部費用として表している。通常外部費 用は、新税の導入のタイミングおよびその前後が最大となり、時間の経過と ともに低下していくと考えられる。先の 3 つの影響を例にとるならば、1 ) 4 つの消費税率への対応、2 )請求書の様式変更、3 )レジスター・販売管理 システム等の入れ替え の一部については、消費税増税のタイミングまでに 変更していく必要があるが、実際の運用については増税後により強く影響を 受けるだろう。とくに、4 )従業員への教育 については、増税後の問い合 わせ等が中心である。外部費用を含めた納税協力費は、通常は新税の導入の 方が想定外のコストが大きいと考えられるため、税制改正時の山の方が低く なっている。一方、外部費用については、改正の程度によってはその大きさ 68.
(11) 消費税増税に伴う納税協力費と外部費用. 納税協力費. 税の導入. 外部費用 一時的費用. 導入費用 税制改正に伴 う恒常的費用. 恒常的費用. 税制改正. 時間 図 4 新税導入および税制改正に伴う納税協力費の変化と外部費用 出所:図 3 を改正し筆者作成。. は変化してくるといえるだろう。とくに、2019 年の消費税増税による改正 は複数税率の導入等大幅な変更事例が多く、図 3 で示した一時的な費用を大 幅に上回る外部費用が存在している可能性がある。. 4.おわりに 本稿では、2019 年に 10% に引き上げられた消費税増税を事例に、企業が 増税に伴う費用負担のあり方について、従来から考えられている納税協力費 の考え方と実際に企業が直面する費用としての外部費用について整理を行っ た。 狭義の納税協力費の定義として 「税務当局に納める税額以外に、納税者(徴 収義務者)あるいは担税者が税務行政過程において負担する費用」が挙げら れ、性質論における整理や実際にアンケート調査を行った研究の事例を見て も、狭義の納税協力費に基づくものが中心であることが確認された。一方 で、2019 年に増税された消費税の企業負担の実態について、TKC の特設サ 地域創造学研究. 69.
(12) 研究ノート. イトから考察すると、税務行政過程を超えた外部費用が多数存在することが 明らかとなった。そのことから、企業が直面する新税導入および税制改正に 伴う費用については、既存の研究で見られてきた導入費用と一時的費用の両 者を算出するだけでなく、外部費用も算出する必要があると考えられる。今 後はこれらの外部費用が実際にどの程度生じているのかについてアンケート 調査等から明らかにすることが求められる。. 註 1 2. 3 4 5 6. 7 8. 本データは、季節調整済みのデータを用いている。 一般的な財政学の教科書でも、類似の記述がされており、 例えば林 (2019 ) では、 「徴税費が課税庁側の経費であるのに対して、納税者側に発生する費用が納税 協力費」と定義している。 具体例として、税制改正に関する知識の習得費用や不慣れに伴う非効率性な どが挙げられている。 実際の集計にはこれらの時間に、1 時間単位の費用をそれぞれ乗じる必要があ る。 実際に、横山( 2016 )では、税理士へのヒアリングを通じて単価を求めている。 本稿では、実際に消費税増税に伴う追加的な費用を検討するため、実務的な 変更がどの程度行われたか、企業側がどのように負担しているかを考察する ため、主に会計事務所、税理士事務所や地方公共団体などに対して情報サー ビスを提供する企業である当サイトを用いている。なお、閲覧日は 2020 年 10 月 9 日である。 複数税率に対応したシステムを導入していない企業は、それらの導入費用も 追加で必要となることが考えられるだろう。 また、これらの 4 つだけのコストには含まれない費用もあるだろう。小売店に おける値札の付け替えコスト等がその代表例として挙げられる。. 参考文献. Sandford, C., M. Godwin, P. Hardwick and M. Butterworth( 1981 ), Costs and Benefits of VAT, Heinemann Educational Books. Sandford, C., M. Godwin and P. Hardwick ( 1 9 8 9 ), Administrative and Compliance Costs of Taxation, Fiscal Publications, Bath. 伊藤忠通( 1988 ) 「付加価値税の納税協力費」 『租税研究』465 号、pp.46-51. 林宏昭( 2019 ) 『日本の税制と財政』中央経済社. 横山直子( 2016 ) 『徴税と納税制度の経済分析』 中央経済社.. 70.
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