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【書評】日立の生産革命(日本能率協会 編)

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Academic year: 2021

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困回

目立の生産草命-MST生産システムの全貌一

日本能率協会編 日本能率協会発行昭和 57年 10月版 181頁定価 1200円 111111111111111111111111111111 ・ 11111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111 “ 111111111111111111111111111111111111 近年,生産の現場で行なわれ,顕著な成果をあげてい レポートしたものが,本書である. る生産改善活動の多くは,従来から行なわれてきた個々 木書は,前半において MST 生産システムの概要を, の生産効率化の改善手法の導入とは,いくつかの点で異 そして後半(全体の 2/3) では, MST を実施し,成果を なっている. あげている工場の中から 5 工場をとりあげ, MST の具 まず第 1 に,従来の改善活動がどちらかと言えば,個 体的中身を説明している.上述したように, MST の特 々の作業あるいは工程を中心に行なわれてきたのに対 徴としてカパーする分野の広範さをあげたが 5 事例に し,近年のそれは個々の改善技法の蓄積と現場の改善意 よりその特徴がよく理解できるであろう.その 5 事例と 欲の向上を基礎に,生産部門を含むより上位のシステム は,最初に,価格競争や需要の変動が激しいきびしい市 に対する改善をねらっている.第 2 に,個々の改善技法 場への対応がせまられる IC 製造のために,コンピュー をそれぞれ独自のものとしてみるのではなく,上位の目 タを活用したシグナル生産方式の事例, 2 番目に,いわゆ 標に対してそれらが相互に関連あるものとしてとらえ, るカンパン方式を目立流に適用した AP(Action

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各生産現場の特性に応じた組合せによって改善活動を実 方式の事例と事務部門での合理化活動の例 3 番目に, 施している.第 3 に,生産改善活動を推進するに当って, 大量生産における MST の適用例として,ブラウン管を どの作業あるいは工程にも共通する明確な目標水準を設 中心とする電子部品製造における KT( 工程時間)短縮の 定し,その目標追求の連鎖による効果を考慮するととも 実施例 4 番目に,多品種中少量生産での MST の展開 に,目標水準のレベルアップによる永続的な活動を指向 例として,業務用冷凍機器・空調機器に対するフレキシ している.第 4 に, トップの支持,スタッフの強力な指 プル生産体制の例,最後に,原子力発電機器といった非 導とともに,現場のラインが改善活動に深く関与し,そ 量産品に対する MST の事例をあげている. の推進を支えている. これらの事例を通して感じられることは, MST とい 本書において紹介されている目立製作所の MST 生産 う全社運動の底流には「ベクトルの一致J のための教育 システムも,以上のような特徴をもっ生産改善活動の 1 体制の確立,問題解決のための固有技術と管理技術を融 つであるといえよう. MST 生産システムとは,最小在 合するシステム技術の活用,そして CAD/CAM/CA

庫 (Minimum Stock) ,最小作業標準時間 (Minimum T といった新技術の必要に応じた採用といった,地道な

Standard

Time) を追求して,真の効率的生産を確立す 基盤作りと柔軟な適応力が存在していることである. ることを目標にした生産合理化運動をきしている.

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トヨタの生産方式の成功以来,各社で実施され,成果 T の改善活動としての大きな特徴は,その広範さにある をあげてきた生産改善活動が多く紹介されているが,本 といえよう.日立製作所は,全国にお工場を有してお 書における MST は,種々の生産形態をとる幅広い業種 り,そこで生産される製品の種類は 2 万種以上の多岐に の生産改善にたずさわる実務家の方にとって,大いに参 わたっている.またそれらの製品を製造するための生産 考になり,数々のヒントを与えてくれることと思う.欲 形態も当然のことながら多種多様である.このようにバ をいえば, CAD/CAM といった現在話題の 1 つとな ラェティにとんだ生産状況に対して,できる限り対応で っている部分について,そして MST の推進の中心とな きるように数多くの工夫をこらされているのがMST 生 っている生産技術部の活動内容について,もう少し詳し 産システムである. また MST の改善対象となる分野 くレポートされていればと感じられるが,これは欲張つ も製造技術面,生産管理技術商だけにとどまらず,設 た思いであろう. 計分野,事務分野にまで広くおよんでいる. MST の改 ますますきびしくなる経済情勢の中で,各企業は今後 善活動の広範さは,日立とし、う大企業が全社をあげての より一層生産改善活動に取り組んでいく必要にせまられ 大がかりな合理的生産体制を推進するためには必要不可 るであろうが,日立においても MST を終りのない活動 欠なものとは L 、ぇ,それを支える技術の確立と,全従業 として位置づけている.その後の成果を紹介する続本が 員の改善に対する意識の高揚のための努力は並大抵のこ 今後出版されることを期待する. とではないと察せられる.この努力の経過とその成果を (辻新六神戸商科大学)

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