母子継続支援のための助産師と保健師の連携システムの構造 大友 光恵 Ⅰ.研究目的 助産師と保健師による妊娠期から育児期までの効果的な母子継続支援と、そのことを可能にする連携 システムの在り方について検討する。 Ⅱ.研究方法 研究デザインは質的記述的研究である。研究協力者は、母子継続支援のために連携をしている助産師 と保健師であり、地域周産期母子センターに勤務し、助産師外来経験がある助産師7名、保健センター 保健師 5 名であった。半構成的インタビューを用いてデータを収集し、質的記述的にインタビューの内 容を分析した。 Ⅲ.結果 妊娠期から連携して母子支援をしていたのは、主にハイリスク母子の虐待予防のためであった。母子 継続支援のための助産師と保健師の連携システムは、[助産師と保健師が目指すもの]、[システムを支え るもの]、そのための[方法]があった。助産師と保健師の目指すものは、時間と場所の【制限のない安心 感をつくる】ことであり、妊娠期から将来を見据えて母に寄り添い、子どもの安全を優先し支援を重ね ていた。助産師、保健師が【連携する意識を高める】こと、【育児のスタートを支える専門職としての信 念をもっている】ことが、連携する大きな動機づけとなっていた。連携を行う方法は 3 つあり、1つ目 は、支援の必要な母子と信頼関係を築き、助産師と保健師間でつなげること、保健師とつながらない母 との関係をつなぎとめること、つまり母との関係が途切れないように【関係性をつなぐ】ことであった。 2つ目は支援の必要な母子をみつけ抜け落ちることがないよう【チームで網目をつくる】こと、3つ目 は【関係性をつなぐ】、【チームで網目をつくる】ために、支援できる時を逃がさないよう【情報をつな ぐ】ことであった。 Ⅳ.考察 母子の継続支援を行うには、母と信頼関係を築くこと、関係職種が協力して退院後に関係が切れやす い母との【関係性をつなぐ】ことで、病院退院後に支援の谷間をつくらないようにする必要がある。助 産師と保健師が、母へ支援できる時を逃さないためには、母子に関する情報を伝達するだけではなく、《助 産師と保健師の思いをつなぐ》コミュニケーションを伴っていることが重要であると考えられた。助産 師と保健師は、地域を範囲とした母子を支える大きな組織の一員であると考えるが、それぞれが組織の 一員として自分の役割を認識し、責任を持って主体的に関わる意識を高めるためには、連携システムを つくること、成果のフィードバックによりメンバーが働きがいを見出し、連携する意識を高めていくと 考える。そして、システムを形だけにしないため、助産師と保健師の相互理解と目的を共有する場を定 期的に作っていくことが必要ではないかと考えられた。
母子継続支援のための助産師と保健師の連携システムの構造
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