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ホスピス・緩和ケア病棟からの一時退院が遺族からみた患者のQOLに及ぼす影響とその関連要因

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Academic year: 2021

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要旨 1.背景・目的 ホスピス・緩和ケア病棟の役割が、看取りだけでなく、症状緩和や在宅療養支援に移行し ている背景を踏まえ、今後も増加が見込まれるホスピス・緩和ケア病棟からの一時退院が、 遺族からみた患者の QOL に及ぼす影響とその関連要因を明らかにすることを目的とした。 2.方法 遺族によるホスピス・緩和ケアの質の評価に関する研究(J-HOPE3 研究)のデータの二 次分析を行った。ホスピス・緩和ケア病棟で死亡した患者と遺族 571 名のデータを用い、 「一時退院あり群」90 名と「一時退院なし群」481 名の、遺族からみた患者の QOL の差を primary outcome とし、その他患者・遺族の属性、療養場所や治療に関する意向、End-of-Life Discussion の状況、遺族の複雑性悲嘆や抑うつの状況を群間で比較した。 また、QOL の関連要因を明らかにするため、遺族からみた患者の QOL を従属変数とし た重回帰分析を行った。 3.結果 遺族からみた患者の QOL の合計得点は一時退院を経験した群でより高かったが、有意な 差ではなく、重回帰分析においても、ホスピス・緩和ケア病棟からの一時退院は遺族からみ た患者の QOL の有意な関連要因とはならなかった。一方で、ホスピス・緩和ケア病棟から の一時退院を経験した患者は、一時退院を経験していない患者と比べて女性の割合が大き く(p=.040)、がんの治療期間が 3 か月未満の患者の割合が小さい(p=.004)という特性を 有していた。また、患者―家族間、家族―医師間の End-of-Life Discussion を死亡の 3 か月 以上前からもった遺族の割合が大きく(各p=.017, p<.001)、患者と療養場所や蘇生処置に ついて、「よく話した」または「話した」と回答した遺族の割合が大きかった(p=.036)。 ホスピス・緩和ケア病棟からの一時退院を経験した患者における、遺族からみた患者の QOL を従属変数とした重回帰分析では、試験外泊の機会があり(β=.367)、退院後自宅で過 ごす期間が長い(β=.230)患者ほど、遺族からみた患者の QOL が高いという結果であった。 4.結論 早期からの専門的緩和ケアの提供、患者、家族、医療者間での End-of-Life Discussion を 通し、ケアや療養場所についての患者の意向が共有され、療養の場の選択や患者の QOL の 向上につながる可能性が示唆された。ホスピス・緩和ケア病棟からの一時退院は、終末期が ん患者の療養の仕方のひとつの選択肢として位置付けることができると考える。

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