特集 ラテンアメリカ左派の変遷 特集にあたって
著者
宇佐見 耕一
権利
Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア
経済研究所 / Institute of Developing
Economies, Japan External Trade Organization
(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp
雑誌名
ラテンアメリカレポート
巻
26
号
2
ページ
2-2
発行年
2009-11-20
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
URL
http://hdl.handle.net/2344/00005964
しかし,2008年秋の米国発金融危機以降,輸出 の増大に支えられた経済に陰りがでてきた。また, 2009年にはエルサルバドルで左派政権が誕生する 一方で,ホンジュラスでは左派系大統領がクーデ ターで追放される等新たな動きが見られる。本特 集では,エクアドル,エルサルバドル,メキシコ およびホンジュラスにおける左派を中心とした最 近の政治情勢を分析する。 *この点に関しては,遅野井茂雄・宇佐見耕一編[2008]『21世紀 ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』アジア経済研究所を 参照して下さい。 1990年代にラテンアメリカ地域では広範に新自 由主義経済政策が採用されたのに対し,21世紀に なると社会的公正を重視する左派政権が続々と誕 生した*。そうした左派政権は穏健派や急進派等 に色分けされ,成立過程,政権のスタイル,政策 等が異なり必ずしも一様ではなかった。とはいえ, 各左派政権は社会的公平の達成を政策目標とし, 一次産品価格の上昇による輸出の拡大に支えられ たこともあり,社会政策を拡充する傾向にあった。