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海水,海岸砂を利用したモルタルおよびコンクリートの強度について

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Academic year: 2021

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海水,海岸砂を利用したモルタリレおよび

 コンクリートの強度について

   中崎昭人・玉井佐一・桑原孝雄・松原 徹*

     (農学部構築工学研究室,*伊丹市役所)

      On the Strength of Mortar and Concrete Mixed with        Sea Water or Coastal Sands.

        Akito Nakazaki, Saichi Tamai, Takao KuWABARA        and Touru Matsubara

  (L,ahoratory of Construction Eng・i,・leert・”g. Faculりof AgricttJ lure ;*It ami ci.りOffice)

 This report describes for sea water or coastal sands how to affect the strength of mortar or concrete mixed with them.

 The experimental investigation was made by taking sea water or fresh water as the mixing water and by mixing with some kinsd of coastal sands with different salt content in fine aggregate.

 From these experimental Investigation, the following conclusions were obtained:

(1) It is able to obtain, in earlier ages, the larger strength of the mortar that was mixedヽwith sea  water than was mixed with fresh water.

(2) It is recognized that the earlier ages strength of mortar increases consiclarably as salt content  increasing when salt content in fine aggregate is less than 0. 32 %, but, after the earlier ages, the  increase of the strength is not so large. When salt content is larger than 0.38% the increase of  the strength is not so large as that less til an 0. 32 96.

(3)On the strength of concrete mixed with coastal sands with some kinds of different salt contentj  the considerable decrease of the strength is not recognized in comparison with that mixed with  river sands.

  h is recognized. rather, that after 7 th clay the increasing ratio of the strength is larger when  the salt content is less than 0.10%.

      1. ま え が き  近年ますますコンクリート構造物は大型化し,それとともに,骨材の需要も年年増加している。 これに対して,骨材の供給は頭打ちの状態であり,種種の対策が講じられてきている。従来の骨材 供給源としては,山地,河川,1部海岸地帯が中心であったのに対し,近年では,砕石,人工軽量 骨材等が開発されている。 しかし,工事現場近くでの骨材の入手が困難で,非常なコスト高を生 じ,工事計画,施工に支障をきたしている。このような現況にもかかわらず,海岸工学,海洋:工学 等の研究が盛んになり,海岸地帯や海中での構造物建設計画か進められており,高知県下において も,土佐湾開発,海中公園設立計画等が推進されようとしている。このように将来においても,ま すますモルタルやコンクリート構成物質,特に骨材の需要が増大するものと思われる。  筆者らは,このような状況から考えて,海岸構造物,海中構造物建設に際して,比較的入取しや すい,濁水,海岸砂そして海岸砂利等の利肘欧を検討する資料の1つとして,海水や海岸砂を利用 したモルタルおよびコンクリートの強度についての基礎的実験を行なったのでそれについて報告す る。       2.実験材料について モルタルに利用した細骨材としての海岸砂は,手結海岸の波打ちぎわから陸地へ, 0, 15, 20

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30および35m付近のものを採取し,フルイ分けによって0.15∼0. 3 mmの粒径のものとした。  コンクリートに利用した細骨材としての海岸砂は,前浜海岸の波打ちぎわから陸地へ, 0, 20, 30,および40m付近のものを採取し,フルイ分けによって0.3∼0. 6 mmの粒径のものとした。ま た,粗骨材は,物部川河口より上流約1kmの右岸で採取し,最大寸法40mmのものを利用した。  なお,今回の実験では,混合水として海水と淡水,細骨材として海岸砂と河砂を利用したそれぞ れの場合を比較するため,海水としては前浜海岸より採取したもの(塩分含有幻:3.5%)を,また 淡水としては水道水を使用し,河砂は先の粗骨材採取地のものを利用した。  使用したセメントは,普通ポルドランドセメントで新鮮なものであった。  上記のごとく採取した細骨材としての海岸砂の塩分含有量を採取地点と対応してFig-1に示 す。 0 0 ︵尽︶ ausiuoo や.[ぶ 0.3 0.2 0.1 0.0 Fig-1 The the

relation between salt content and

distance from the coastal line.

゛!’ ̄ ̄7“Tei-sand Maehama-sand 0      10      20      30● The distance from the coastal line 40(m)       5.実験方法について  今回の実験では,モルタルおよびコンクリートの強度に与える種種の要因のうち,混合水ない し,骨材中の塩分含有量の影響をみるために,他の条件はすべて同一となるよう実験した。  モルタルの試験は,日本工業規格jis- R5201 に準じて行なった。曲げ試験はミハリェスの二重 テコ型試験機で行ない,曲げ強度は次式に従って算定した。      B=S0×0.234X W  ここに, 召:曲げ強度(kg/c 「)      W:最大荷重(kg) である。

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15ろ  また,圧縮試験は,リレー式油圧レバー型圧縮試験機で行ない,圧縮強度は次式に従って算定し た。       C=Wツ16  ここに  C:圧縮強度(kg/c 「)     W’:最大荷重(kg) である。  ニ’ンクリートの試験方法は,同一配合の供試体(φ10 cmx20 cm)で,細骨材として河砂と塩水 含有量の異なる海岸砂を利用したものについて実験した。 このときの配合はTableに示すごと くであ‘る。この配合にあたっては,粗粒率が1になるよう,河砂および海岸砂をフルイ分けによっ て, 0.3∼0. 6 mm粒径のものを使用した。このコンクリートの圧縮試験は,モルタルの圧縮試験の 場合と同じ試験機で圧縮強度を測定した。

       Table  The miχingratio

粗骨材 の最大 寸 法 (mm) スランプ の範囲  (cm) 空気息 の範囲  (%) 単位水m W(kg) 単位セメ ン 卜量  C(kg) 水セメン `卜比  W/C% 細骨材率  s/a% 単位細 骨材m S (kg) 単位粗 骨材量 G(kg) 単 泣 量 40 10土2.5 - 184 335 55 32.25 594 1258 細骨材の塩化物定量分析試験は, Mohr法によって行なった。        4.実験結果とその考察  a.モルタルの強度について  混合水として,前浜海岸より採取した海水と淡水を使用した場合の,各材令毎のモルタル強度試 験結果をFig.-2に示す。 この図は/横軸に材令,縦軸に強度をとり,材令と強度の関係を,各 材令毎に,曲げ強度試験は3回,圧縮強度試験は6回の測定値を平均したものである。これによる と,海水利用の場合と,淡水利用の場合とにおいて,早期強度において著しい差がみられる。すな・ わち,圧縮強度において,淡水利用の場合,材令3日∼7日,7日∼14日,14日∼28日の強度増加 の割合は, 1.43, 1.39, 1.49とほぽ一定の割合で各材令毎に強度が増加しているのに対して,海水 利用の場合は, 1.53, 1.27, 1.13となり,材令3日∼7日の増加割合が最も著しいが,その後の増 加割合は徐々に滅少しているのが認められる。次に,曲げ強度においては,淡水利用の場合の強度 の増加割合は,それぞれの材令に対して, 1.42, 1.16, 1.30となっているのに対して,海水利用の 場合は, 1.38, 1.20, 1.11と強度増加割合が減少しているのがみられる。ここで海水利用のモルタ ル供試体の強度を日本工業規格の強さ数値(1)に比較すると,圧縮強度においては, 1.2∼2j倍, 曲げ強度においては, 1.5∼2.1倍となっている。このことからも,海水利用の場合の方が,淡水利 用の場合よりも,早期強度の大きいものが得られる事が認められる。 しかし,材令が28日になる と,海水利用,淡水利用共にほとんど同じ位の強度を示している。  他の研究(2)によると,コンクリートの混合水として海水利用の場合と淡水利用の場合において は,材令14日以後の強度において,前者よりも後者の方が大きい強度が得られている。  以上の事がら考えて,それ程大きな強度を必要としない一時的な仮設備等には,海水利用も十分 有効であると思われる。

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SJBIJOUI 300        0        0        1 10 u%Suaj.%B  auj. 0

Fig-2 The relation between the strength

       ofmortars and age・

3 7 14 28

 Compressive strength

く・---・omiχedwith sea water

●一一_Q miχedwith fre-3h water

 Bending strength

Q・-一一一一amixed with sea water

9一一一一emiχed with fresh water

(day) Age  次に,混合水として淡水を利用し,細骨材として塩分含有量の異なる海岸砂を利用した場合のモ ルタルの強度についてみる。この場合の細骨材はFig.-1の手結砂である。 この結果を図示する と. Fig.-3 と Fig. -4のようである。これらの図は,今回採取した砂のうち,塩分含有量が 0.14%のものを細骨材とした場合の強度を基準として示してある。測定回数は,光の海水,淡水利 用の場合と同じである。  Fig. −3 は,モノ9タノ9の圧縮強度と材令との関係を示したものであるが,これによると,材令3 日では,塩分含有量0.32%以上。のものが,0.14%のものに対して約tO%強度が増大している。材令 71ヨにおいては,塩分含有量が,0.22%以上になるにつれて,0.14%のものに比して,20∼25%程 強度が増大している。しかし,0.47%になると強度増加割合が謔少する傾向が認められる。この傾 向は材令14日においても認められる。だが,材令28日においては,0.22%のものの増加割合がむし ろ大きくなっている。

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0iq-Ba i;[:;9uaj:q.s   aAissaaduioo ^^J。 155 1.5 1.0 0.5

Fig-3  The relation between

       compressive strength

       and age.

1CM r^i ^3- Lfノ ーーー j j j ? 1 5 4 3 2 1 salt content"        11        11        II        11 0。 0. 0. 1 2 1 一m -v l -  ・ ・ 0 0

the

ratio

      3 7  14     28 (day)       Age  Fig. -4は√曲げ強度についてのものであるがこれについても先の圧縮強度の場合とほぽ同じ傾 向が認められる。すなわち,材令3日では,塩分含有量が,0.32%以上。のものでは,0.14%のもの に比して,約5%の強度増大か,7日強度においては20∼25%程の強度増大がみられる。そして, 材令が141ヨ以後においても強度は塩分含有量が多くなるにつれて大きくなっているが,強度の増加 割は減少する傾向がみられる。  以上の事から,細骨材中の塩分含有量のモルタル早期強度に与・える影響は著しいものかおり,あ る一定量の塩分を含有することは,早期強度を得るには,非常に効果的であるものと思われる。  なお,塩分含有量が0.14%の砂を細骨材として利用したモルタルの材令3日,7日,14日および28 日における圧縮強度および曲げ強度はそれぞれ66, 21 ; no, 32 : 136, 38および210, 48 (kg/c 「) であった。  b.コンクリートの強度について  コンクリートの強度については,混合水として淡水を,粗骨材として河砂利を,また細骨材とし て塩分含有量の異なる(Fig.-1,前浜砂)海岸砂を利用したφ10cmX20cmの円筒供試体を作 装したものについて実験した。この結果をFig.-5に示す。

(6)

〇xq-Ba uq.3u3j:is Sutpuaq aqj。 1.5 1.0 0.5

Fig-4  The relation between the

       bending strength ratio

       and age.

1234 り3きりり LTノ4r^CM T-3 7 14 Age salt content 1‘1 I I I I 28 ’ % に ’ % に J 洵 に 嵯 G % に 4 o j   c \ j c x ︶   r -1 ﹃ / ﹄ I J I J 4     ・ ・ ・   ●   1 0 0 0 0 0 (day)  これによると,材令7日に:おいては,全体に海岸砂を利用した場合の方が,河砂を利用しを場合 よりも,圧縮強度は小さくなる傾向がみられる。しかし,塩分含有量が0.1196のものは,早期強度 においてやや強度は大きくなっている。また,材令が7日∼14日,・14日∼28日となる・につれて,塩 分含有量が0.1196より少ないものでは,強度め増加割合はわずかに大きぐなっている傾向が認めら れる。けれども,塩分含有量が,他のものと比して多い0.27%のものは,材令とと・もに強度の増加 割合は減少している。      ●j  今回のコンクリート強度についての実験結果は,試料の数が少なく,また,塩分含有量が比較的 少なかったりして,著しい特徴は認められなかったが,コンクリート強度についても塩分含有量の 影響は無視出来ないものと思われる。今回の程度の塩分含有量を保持する細骨材を利用しても,か なりの強度は得られ,実際的な利冊欧も十分あるものと思われる。

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aiaaouoo !m O uiSuajis 9Aissaadmoo ( p ぷ E - 1 157   0 0 (       m o / 3 : H ) 300 200 3 7

Fig-5 The relation between the compressive

      strength and age 。

(1 (2 (3 (4 (5 14 Age 28 (day) River sand Coastal sand I ︱ I I {0.0^2^fo) (0.05鴇) (0.102/o) (0.268ダ)      ”       5.,ま●  と  め 以上の実験結果から次の事がわかる。  (i)混合水として海水を利用した場合は,淡水を利用した場合よりも,モルタル早期強度にお  いて,大きな強度を得る事ができる。  (ii)モルタルの細骨材の塩分含有量が,0.32%以下では,塩分含有量が多い程早期強度の著し  い増大が認められるが,材令7日以後の強度の増大は顕著でない。塩分含有量が0.38%以上に  なると,0.32%以下の場合のように強度の著しい増大は認められない。  (iii)コンクリートにおいて,細骨材として塩分を含有している海岸砂を利用しても,河砂を利  用したものと比較して,強度の著しい減少はみとめられない。むしろ,塩分含有量が0.10%以  下の細骨材を使用したコンクリートでは材令7日以後において,強度の増加の割合が,やや大  きくなる傾向がみられる。 以上。の結果を見ることができたが,コンクリートに関しては,構成要素のうち,細骨材のみに塩

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分を含むものを利用したので,あまり著しい特徴はみとめられなかったが,混合水として, 利用したり,先の実験に利用した細骨材の塩分含有量のさらに多いものを利用したりして, 詳しい検討が必要であるものと思われる。 参 考 文 献 海水を さらに 1 1 1 1 0 0 C O t く ぐ 近藤泰夫,坂 静雄監修:コンクリートエ学ハンドブック,朝倉普店 小野竹之助著:コンクリート工学材料編,森北出版 狩野春一,大島久次:海砂の鉄筋コンクリート工事への使用に関する研究,日本建築学会研究報告,第1 報∼第13報,昭和29. 5∼昭和31. 2 (岫和44年9月30日受理)

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