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低堰堤下の傾斜止水壁が浸透流に及ぼす影響について (Ⅳ) -下方有限地盤の場合の揚圧力について-

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(1)

低堰堤下の傾斜止水壁が浸透流に及ぼす影響について(IV)

    一下方有限地盤の場合の揚圧力についてー

中 崎 昭 人 ・篠

   ’(農学部 構築工学研究室)

和 夫

On the Percolating Flow under the Dam

with

    Inclined Sheet Pilings CIV)

  一一On the Upliftpressure

in the caseof

     Permeable Layer of FiniteDepth

        Akito Nakazaki and Kazuo Shino

(haboratory of Construction EngineertTig。Faculり0/ Agriculはre)

 Abstract : Former】y, the authors have examined about a percolating flow problem under the floating・type dam with the inclined sheet pilings built on a permeable layer of finite depth. In the previous paper, we discussed the quantity of seepage for above case. This paper describes the influence of the situation and the angle of the inclined sheet pilings on uplift pressure under the dam. A conformal mapping technique is used and solution about vertical sheet pilings is developed, since the solution about inclined sheet pilings

were described on previous paper. Numerical computations are done about two examples of angle. Results are compared with the case of vertical sheet pilings. It is recognized that the most efficient method for decreasing of total uplift pressure is by setting the vertical sheet pilings on the end of the up-stream side of dam;

 I.ま え が き  透水性地盤上の低堰堤下を流れる浸透流の問題について,筆者等は以前より論じてきた。前報1’ では,上・下流方向に無限で下方に有限な透水性基盤上に設けた低堰堤下部に傾斜止水壁を設置し た場合の,地盤内の浸透流量について考察を行った。ここでは,上記の場合の,低堰堤下部に作用 する揚圧力について論じることを目的とする。解は等角写像法により求め,数値計算を行う。  H.理論的解析  上・下流方向に無限で下方に有限な透水性地盤上に設けた低堰堤底面に,下流側水平面とπ/3 の傾斜を為す止水壁のある浸透流の問題に関する理論的解析は前報1)で展開したので,ここでは,       ←b → 図一1 実 平 面 d

(2)

( 1 ) Z 平面 (2) t一平面 「 r ゛       (3) f一平面       図一2 写 像 平 面 止水壁が下流側水平面とπ/2をなす鉛直止水壁の場合,についでの解法を簡単に述べることにする。  図一1に示される実平面を複素平面で表わしたz一平面(図一2(1))をt一平面(図一2(2))に 写像す・ると,-その関係はSchwarz-Christoffelの変換把より, -−C  冶  ̄ 1 二¬“ -・--………:‥l…j………ソz+1ソt-\ it-β) となる。いまバ=β十砂゛゜とおき,ρ→Oとすれば,

jz.=岫回ラト●

これ帝。∂が'πからOまで積分すれば,zは, 「だけ移聯するから (1) j°WT+TVT二 ̄び ………j‘'‘‥‥‥………(2) また,Z=ρε”とおき,同様にρ→・oとすれば,      dz = iCid∂ となり,結局, C1= j − 7 「 となる。(2), (3)式より, を得る。  ここで,   -α=β-(β-1)yjドトト ……… …………(3) (4)

(3)

とすれば, こ2= Z+1 -Z−1 Z+1= t - \=  2ぐ2 -こ2−1  2 ぐ2−1     旦_ -4C      −     dC (ぐ2− 1 )2 (5)式を(1)式に代入すると, 心 2 β−1  157 (4)'- ‥……(5)-(6). (7) (9) β ̄ト‘(ぐ2− 1 )(こ2−

/班−

とおくと,(6)式は, =引(☆一犬1☆一六)収   1  {(ξ+1)2十が}{(ξ一召)2十が} ニcl[TI“ {(ξ−1)2十が日ξ十召)2十η2} 十f(tan-1六十tan-1告こtan"'万一tan'1万二jZj-)]十Q ………(8) となる。  また, (4)'式と1=r十is, C=f十切とから, イ(句≒1証ぴ卜・緋   (r2十s2- 1 )2+4s2 '.1. ∂| に〔つと匹印西 ̄〕sm_ ここに, ∂=tan"'ニ- 2とて,−π≦∂≦Oとなる。 `  いま,C点ではz= 0 , t= - I ,従って, r=-l, s= 0であるから,ξ=0 ,η=・−Oであり, これを(8)式に用いれば, をフズフ

z:)点ではz= ic, t=aであるから, r=a, s= 0である。  よってξ=0,η=一卜卜ともシこ・「となる。        ' ここで,

(4)

と置き,(8)式に適用すれば,

o《千言11筈屑賃?

−tan ̄ いま,tan-1半三θ1,tan'1本三∂2とおくと,上式と(3)式から, C_ j  2(θ1−∂2) 一一

子)〕

……叫 を得る。従って,βの値を仮定すると, (4)式によってαの値が定まり, (7), &])式によってA, B が定まり,∂1,∂2も求まるからごμの値が決定される。従って,所要のcノdになる様なβを求 めることができる。  次に,揚圧力を考えるには,r≦- 1 , s=0と,r≧1十〇, s= 0の場合を考慮すればよい。従 って,この場合はいずれもη=−0である。よってりは,          j  1  (乱一1)2(ら十召)2      ■■       ㎜       −。=マ丁In (6+1)2(乱一召)2        `  。・ を満足するらを求めると, より, rn+1 -r。−1 G2− 1

生白ブ

となり,r。の値が求まる。また,r。は,    いニ≒彫−1?:彫燧):      ̄ π  21「l(ら+1)2ぐむ一召)2 を満足する6・を求めると, r。+1 -り−1

七(早川

(∵r。く−O ('・乙>1)    一一 となり,これからりの値が求まる。 以上から,り,r。か定まると,Z一平面のA, B, F, Gの4点がど一平面の4点に対応するよ うに変換する。以下の手続きは,前報に示されたと同様に,ω一平面を介してz一平面上のφ,φが 求まるので,以下は省略する。      11       1  Ⅲ.計算結果とその考察  低堰堤の底面幅6 = 1.0,止氷壁の長さ<: = 0.25,止氷壁と下流側氷面とのなす角をα7r,透水 性地盤の深さをj,止水壁設置位置と構造物底面上流端の距離をαとし, dih, alb.αの違いに

(5)

1 。 159 より,揚圧力にどの様な影響を及ぼすかを比較検討した。ここでαは, 1/3, 1/2, 2/3の3例を対 象とし,各例について,dlbとして,0ふ0.75, 1.0, 1.25, 1.5, 1.75, 2.0, 2。5,3。0。4.0, 5.0の11通りをとり,各dlbについてaソbを0.0からO‥1毎に1.0まで11通りについて計算を行っ た。 止水壁設置位置による揚圧力分布  透水性地盤の深さ及び止水壁の傾斜角が一定のとき,止水壁設置位置による揚圧力分布の差異を 調べた。ここではdib= 1.0として,αが1/3, 1/2及び2/3の場合についてaZbによる揚圧 力の分布を示したのが図¬3である。 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 . 0 1.0 0.8 &-H, 0 弓営ニ    0

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0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 6 4 0.2 0 . 0 (1) a= l/3,d/b=1.0 x/b

たこ−

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0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0,8 0.9 1.0 1.0 0.8 ぶv-H. 0.6  ̄XIr ̄ 0.4 0 . 2 0 . 0 (2)0= l/2,d/b=1.0 x/b `をニ

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0 . 0 0.1 0.2 0.3 04 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0        (3)a=2/3,d/b=1.0 図一3 止水壁の設置位置による揚圧力分布 x/b

(6)

 これらから次のことか示される。即ち,α= 1/3の場合には,止水壁設置位置の上流側底面に作 用する揚圧力分布は止氷壁設置位置によって大きな差異はないが,止水壁の下流側底面に作用する 揚圧力分布は,止水壁の設置位置か下流になるにつれて大きく低下する傾向がみられる。 α= 2/3 の場合は,止水壁の上・下流側でこの関係か逆となる。α=1/2の場合には,止水壁設置位置によ る止水壁の上・下流側底面に作用する揚圧力分布の変化の様子は対称的である。  2.止氷壁の傾斜角による揚圧力分布       ,一  透水性地盤の深さ及び止水壁の設置位置を一定とし,止水壁の傾斜角の差異による揚圧力分布へ 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 i j i S S − 。 . ` -. 心 ゛t`ミ 心 ` こ ` こ 1

4S,、、 Q 馬

' 0.0 0.1- 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8      (l)d/b=1.0, a/b=0.0 1.0 0.8    0.6 £;.-H, tT汗    0.4    0.2 0.9 1.0  x/b

WW−− `-、_ −W−-心 f − ∼、    − - − ぺ ごヽ、 -ぺこ

0.0   0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.0 0.8    0.6 政一H,  ̄了ΥΥ ̄    0.4    0.2 (2)d/b=1.0,a/b=0.3 x/b

’`・、 `・りi

一一−− べ 心こ -−−

ゝ S

0100.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0。7 0.8 0.9 1.0       x/b ヽ-・や {3)d/b=1.0,a/b=0.5 一一一一−一一a=% 図一4 止水壁の傾斜角による揚圧力分布

(7)

    0.42      0.41  T.U.P. 刄7Trr 0.39      0.38      0.37 0.51 0.50 0   0 0.47 0.46 0.45 0 0 0 0 0.51 0.50 0.49 0 0 0 0 0 161 α=% (1)a/b=0 0 4.0 5.0  d/b (4)a/b=0.3 (7)a/b=0.6  2.0 3.0 4 (10)a/b=0.9 0 0 0 0 0 0 0.61 0.60 0.59 0.58 0.57 0.56 0.55 0 0 0 0 0 0 0 0 0.63 0.62 0,61 0.60 0.59 ( 2 )a/b=0.1 (5・)a/b =0.4 (8)a/b=0.7    ・0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0       (ll)a/b=1.0 図一5 d/bとαによる仝揚圧力 0.48 0.47 0.46 0.45 0.44 0.43 0 。 0.52 0.51 0.50 0.49 0.48 0.57 0.56 0.55 0   0 0 0 0 2.0 3.0 4.0 5.0  (3)a/b=0.2 (6)a/b =0.5 1。0  (  2.0 3.0 4.0 5.0 9)a/b=0.8 -・-α=% −−−−−−−−α=%

(8)

の影響を調べる。ために, dlb=\.^とし,alb= 0.0, 0.3及び0.5の場合について,αをパラメー 夕として揚圧力分布を示したのか図一4である。     ・.I  図一4(1)に示される,止氷壁が上流端にある場合には,止氷壁の傾斜角による揚圧力分布に大き な差異は無いが,図一4(2), (3)の様に止水壁か中央部に設置されると,その傾斜角による揚圧力分 布の差異が目立つ様になる。解の対称性から,止水壁を下流端に設置した場合の傾向は,上流端に 設置した場合と同様であるから,傾斜角の違いによる揚圧力分布の差異は,止水壁を上・下流端に 設置した場合には顕著でなく,中央部に設置した場合に,影響が比較的大きく現われると言える。  3.止水壁の傾斜角による全揚圧力  得られた揚圧力分布より全揚圧力を求め,止氷壁の傾斜角及ぴ透水性地盤の深さの違いか全揚圧 力にどの様な影響を及ぼすかを,止氷壁の設置位置毎に示したのか図・− 5である。  これらの図から以下のことがわかる。即ち,止水壁か構造物底面上流端に設置された場合,透水 性地盤の深さに関係なく,αが1/2と2/3の場合で全揚圧力はほとんど同じであり,αが1/3の場合 1 硝硝S911,0 yみな皆1.0 0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0        (l)d/b=1.0        a/b 0 0.1 0.2 0.3 0.4・0.5 0.6  0.7 0.8 011.9 1.0        a/●b  _a = U       (2)d/b=2.0        −−−−−−−α−%  図一6 鉛直止水壁の全揚圧力に対する比

(9)

165 よりも小さいが,止水壁の設置位置が中央に近づくにつれて,αが1/2と2/3の全揚圧力の差異が現 われ,α/&が0.2∼0.8では,αが2/3の場合が全揚圧力が大きく,次いで,αが1/2, 1/3の順とな る。止氷壁が下流端に設置された場合には,αが1/2と1/3で全揚圧力がほぽ等しく,αが2/3の場 合かそれらより小さくなる。また,止水壁が底面中央より上流側に設置された場合は,止水壁の傾 斜角に関わりなく,全揚圧力はdih *50.5∼2.0程度までは比較的急激に増大するが,dlbが2.0 以上になると,その増加はほとんどみられなくなる。中央部より下流側に止水壁が設置された場合 には,逆に,dib *n.0までは急激に仝揚圧力が減少し, dihが2.0以上になるとほとんど減少しな い。さらに,止氷壁の設置位置が中央の場合は,いずれの傾斜角の場合も,全揚圧力は透水性地盤 の深さに関係なく一定である。 また,全揚圧力が最小となるのは, a/6 = 0.0即ち,上流端に1/2 7r,あるいは2/泗の傾斜角で設置した場合である。  次に,αが1/2の場合の全揚圧力に対する,αが1/3と2/3の場合の全揚圧力の比と止氷壁の設 置位置との関係をd/b= 1.0と2.0の場合について示してみると図一6の様になる。  これらの図から,傾斜止水壁とすることによって全揚圧力軽減の効果か期待されるのは,αが 2/3の場合にはalbが0.9∼1.0,即ち,下流端近傍に設置する場合に限られており,全揚圧力軽 減の効果も顕著でない。次いで,αが1/3の場合は, alhが0.15∼1.0で,鉛直止水壁とするよりも 全揚圧力が軽減されるか,軽減の割合が最も大きいのがαμ=0.6付近で,4%程度である。  IV.ま と め  上・下流方向に無限で,下方に有限な透水性地盤上に設けられた低堰堤底面に傾斜止氷壁を設け た場合,低堰堤底面に作用する揚圧力が鉛直止水壁に対してどの様になるか,検討を行った。その 結果を要約すれば次の様である。  ①全揚圧力を最小にするには,低堰堤底面上流端にa = 2/3あるいは1/2の止氷壁を設ければ良 い。従って,上流端に設ける場合には,全揚圧力軽減の目的のためには,施工上の容易さからも鉛 直止水壁が適当である。  ②止氷壁を下流端に設置する場合には, ≪= 2/3の場合か,鉛直止水壁よりも全揚圧力軽減に若 干効果かおる。  ③α/&=0.15∼0.9では, a = l/3の傾斜止水壁が,②の場合より,全揚圧力軽減に効果かある。 引 用 文 献 1)中崎・篠:低えん堤下の傾斜止水壁か浸透流に及ぼす影響について(Ⅲ),高知大学研報 Vol. 28 自然  科学編pp. 37-48 '79. (昭和56年9月30日受理) (昭和57年3月3日発行)

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