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報告(2)「社会的包摂に向けた予見的支援の研究」

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Academic year: 2021

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「社会的包摂に向けた予見的支援の研究」

土田 宣明 (文学部教授)  よろしくお願いします。それでは社会的包摂に向けた予見的支援についてご 報告します。立命館大学文学部の土田と申します。  まず、予見的支援チームについて紹介します。我々のチームの研究ではイン クルーシブ社会に向けて、特に高齢者のウェルビーイングを対象とする実践的、 基礎的な研究を、実証性を重視で遂行しています。  予見的支援チームの研究には柱が2本ほどあります。一つは高齢者支援の研 究、もう一つは加齢にともなう高次の精神機能の変化、いわゆる基礎的な研究 です。まずは高齢者支援の方の研究ですが、認知症や鬱予防の取り組みにおい て、大学を地域資源としてどのような援助の可能性、援助の提供が可能かとい うことを検討しています。2本目の柱では、高齢者の環境面を設定し援助する には何が重要なのかという問題を検討するために基礎的な資料の収集を目的と して、加齢は人間の精神機能にどのような変化をもたらすのかを検討しており ます。  今年度の研究成果につきましては、例えば、高齢者支援に関しては鬱予防プ ログラムが認知機能に影響するかどうかということを検証的に検討しました。 それから2番目の柱であります加齢に伴う高次精神機能の変化につきまして は、高齢者の運動コントロールに関する実験的基礎的な研究を実施しました。 ある程度、成果が見られましたので、これについて簡単にご報告したいと思い ます。  まず、1番目の柱の方の研究報告ですが、鬱予防のプログラムが認知機能に 与える影響についてです。生きがい創造プログラムという同志社女子大学、京 都府立医科大学、立命館大学の共同研究に参加しました。我々のグループは特 に認知面での測定を担当しました。  プログラムの内容について、簡単に触れさせていただきますが、全体で、10 セッションほどで、2カ月〜3カ月にわたるグループディスカッションを中心

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43 Ⅱ パネルディスカッション としたセッションを取り組みました。  プログラムの効果検証については、プログラムの制限上、1グループ15名程 度という制限がありましたので、またスタッフの数と会場の都合上、今年度は 3グループの設定が可能でした。応募された方々をランダムに3つのグループ にわけ、1グループを待機群として設定しました。  実際の査定方法としましては、ファイブコグというような集団の認知機能検 査を用いて効果検証をしました。注意、分割、エピソード、記憶、視空間認知、 言語検索、抽象的思考能力の、5つの側面を測定する検査です。実際に効果測 定をした結果、エピソード記憶のみ、介入の効果が確認されました。具体的に 申しますと、待機群の方は、プレで、2回査定を行いましたが、有意な変化は ありませんでした。介入した方では、エピソード記憶のみに変化が確認されま した。大きな効果量も確認されました。まだ途中経過なのですが、1番目の研 究成果のまとめとしましては、言葉を使うエピソード記憶の改善に効果が見ら れたのではないかと思われました。生きがい創造プログラムは言語を頻繁に取 り組むようなプログラムであったこと、また、生きがい創造プログラムでは、 社会的な関わりを促進していること、この2点がエピソード記憶の改善を引き 起こした可能性があるのではないかと現段階では考えて、引き続き検討してお ります。  研究報告の2番目です。2本目の柱でありますのは、加齢に伴う精神機能の 変化について検討するという問題でした。この研究の背景にありますのは、例 えばアクセルとブレーキの踏み間違いのような事故の問題です。高齢者は重大 事故につながることが非常に多いと言われています。しかし、ある企業の調査 によりますと、踏み間違いというのは高齢者特有の問題ではなかったようです。  スライド11の図にありますように20代でも非常に多い現象でした。それでは なぜ高齢者でこのような重大事故につながることが多いのでしょうか。  人間の心理のプロセスはいくつかあるかもしれませんが、簡単に申しますと、 情報を受けとって、次に判断を下して、それを実行するという3つのプロセス に分けるならば、運動を抑制する面での加齢の影響もあるのではないかと今考 えて、いくつか実験をしています。  スライド13のグラフはその中の実験結果の一つです。詳しくは先ほどのポス ターセッションで報告いたしましたので省略させていただきますが、簡単に 言ってしまいますと、大学生のグループは様々な条件を設定したのですが、ほ 立命館_インクルーシブ社会研究3.indd 43 14/10/31 18:07

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的な刺激は統制したにもかかわらず、エラーの発生率に大きな影響を与えてい ました。このような実験をいくつか条件を変えながら検討しております。  まだ研究は継続中ですが、今のところ、こういうことが言えるのではないか と思います。高齢者にとって運動性の神経興奮が行動抑制に強く影響する可能 性があること。これまでは認知面での研究が非常に多かったのですが、判断を 下した後の実行する段階での問題が様々な側面に強く影響しているのではない かと考えております。モーターレベルでの基礎研究の必要性を示唆しているの ではないかと思われます。  予見的支援チームの今後の予定ですが、認知症や鬱病予防、それから高齢者 の事故防止を念頭に置きながら高齢者支援、加齢にともなう高次精神機能の変 化について実証性を重視した取り組みを継続的に実践したいと思います。来年 度も引き続き実践していきたいと考えております。ご清聴ありがとうございま した。 稲葉 土田先生、どうもありがとうございました。次に社会的包摂に向けた伴 走的支援の研究ということで谷晋二先生にご発表をお願いいたします。

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45 Ⅱ パネルディスカッション 1 3 5 2 4 6 立命館_インクルーシブ社会研究3.indd 45 14/10/31 18:07

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Ⅱ パネルディスカッション

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参照

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