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Academic year: 2021

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(1)田中利幸 教授 .

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(3) 献 辞 . 国際経済法学系長. . 柳 赫 秀. 田中利幸教授は、定年を迎える前ではありますが、法政大学へ移られること になり、2010 年 3 月に本学を退職された。定年前に私立大学等へ移るこの頃 のご時世の下では仕方ないことであるが、また一人敬愛なる先輩教授を失うの はとても忍びがたい。 田中先生は、1978 年 4 月本学経済学部経済法学科へ赴任し刑法を担当され、 1990 年(1999 年現在の国際社会科学研究科に吸収された)国際経済法学研究 科が設立されてからは協力講座教授としてやはり刑法を担当された。そして、 2004 年法科大学院が設立されると同時に、法科大学院が所属する国際社会科 学研究科国際経済法学系へ移られ刑法担当主任教授として刑法の教育及び刑法 学の研究に携わる傍ら、初代法科大学院長(法曹実務専攻長)として新生法科 大学院の基盤作りにご尽力され、2006 年から国際経済法学系委員長となられ 国経法系の最高責任者として系の安定や発展のために情熱を注がれた。そして、 経済学部経済法学科在職中には 1998 年から教育研究評議員を、2002 年からは 留学生センター長を歴任され、退職 1 年前には学長補佐として横浜国大全般の 運営にも一助された。 刑法の研究者としての田中先生を語る際に、まず目を見張るのは、1978 年 研究者としてデビューされて以来、毎年コンスタントに業績を残しておられる ことである。それは座談会から、論文、そして共著の単行本まで実に多様で多 作である。次に、私は刑法学には門外漢であるが、先生の著作を一瞥しながら 感じることは、先生の問題関心は、いわゆるオーソドキシーな刑法分野だけで なく、早くから海洋法、経済刑法、環境刑法など新しい学問分野へまで及んで.

(4) いて実に多様で学際的であることである。1983 年海洋法についての論文を書 かれてからもしばらくは刑法の分野に専念されたが、1990 年代に入ってから は海洋法だけでなく、本格的に経済刑法や環境刑法などへ射程が広がっている。 それには 1990 年国際経済法学研究科が設立され我々が「国際経済法学」とい う新しい学問分野を打ち立てようとする新しい意欲に燃えていたことが大きい のではないかと推察されよう。最後に、国際法を専門とする者だから言えるこ とであるが、先生の著作を通じてひときわ光ることは、常に先生が取り扱う分 野やイッシュにおける国際規範が国内法秩序の中でいかなる意義や効力を持ち 得るかという、 「国際法と国内法の関係」の解明と理解に力を注がれてきたこ とである。これは得てして国内法秩序との接点なしに、ややラフな言い方が許 されるならば、国際平面という雲の上で抽象的に国際法を語り自己満足してし まう一昔前の国際法学の風土に対して、早くから国内法学者である先生からの 警鐘であったと言えなくもない。 最後に、私は田中先生とは 22 年余りお付き合いさせていただいているが、田 中先生は、我々のグループの中で大学院重点化の波に乗り国際経済法学という教 育研究の道を進むべしと説く方々に対して、法学部設立への夢を捨てずに「体系 的な法学教育の場」への情熱を燃やされてこられた方である。2004 年法科大学 院の設立は曲がりなりにも田中先生の夢が叶ったことを意味し、初代法科大学院 長として自分の子供に接するかのように、楽しそうに、献身的に教えられた姿が 今でも私の脳裏に印象的に残っている。一つ気がかりなのは、日本の法科大学院 を柱とする新しい法曹養成体制が、最初の制度設計の誤りが治癒されずに、しか も法曹団体の既得権益の牙域が打ち破られず当初の理念がすっかり色あせてしま い、法科大学院が今後も田中先生の夢見てこられた「体系的な法学教育の場」で あり続けるかということであるが、残された我々は渾身の力を振り絞ってすこし でも先生の夢や情熱が継承されるよう頑張りますと決意を新たにしながら、今後 の田中先生のご健勝とますますのご活躍をお祈り申し上げたい。 . 平成 23 年(2011 年)2 月.

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