輸入柑橘果実に残留するイマザリルの調査
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(2) 12. 2.2 装 置. ることによると推察される。. ガスクロマトグラフはHewlett Packard社製の 5890SERIESⅡ型を,検出器はHewlett Packard. しかし,これらのピークはいずれもシャープであり, 妨害となるピークもないので積算上で特に問題はない。. 社製の5921型原子発光検出器を用いた。. 原子発光検出器は,キャピラリーカラムから溶出し た分子を高温のHeプラズマ中で励起状態の原子に分 解し,励起した分子が基底状態にもどる際に放射する 光を分光,フォトダイオードアレイ検出器で検出する。 光の波長によって各元素をモニターするので選択特異 性が高い検出器である。 2.3 測定条件 ガスクロマトグラフおよび原子発光検出器の条件は 以下の通りである。. ※GasChromatograph 図1オレンジの外皮から検出された. OvenTemp:80Oc(1min)−(20℃/min). イマザリルのクロマトグラム. −260℃. InjectionMethod:Splitless InjectionTemp:2400c. CarrierGas:He15mP/min Column:HP−1CrosslinkedMethylSilicon Gum (25mXO.3mmxO.17FLmfilm. thickness). ※AEDDetector&Signals. GCBlock/ⅩferLineTemp:260℃ CavityBlockTemp:260℃. C1479ofDATA:IMRZ−TK.D め. 芯 d m。(血 ...,撫諭 辿. MakeupGas:30mP/min. 図2 オレンジマーマレードから検出された. 0 2. SoIventVentBegin:0.01min. 景苧 8 1b. イマザリルのクロマトグラム. SoIventVentEnd:3.00min. SelectElement:Chlorine(480.192nm) 2.4.試験溶液の調製法. 2.4.2 柑橘果実. 1個の検体試料を8分の1に分割し,任意に取り出. 2.4.1添加回収実験. したものからフラベド(外皮)を切り取り,細分劃し. 農薬が使用されていないオレンジ,レモン,グレー. て試験管に取る。これにアセトン10mゼを加えて24時間. プフルーツの外皮およびマーマレードに対して,柑橘. 浸透抽出する。抽出溶液0.2mゼを採取し,アセトンを. 外皮の場合は,1.Oppm,マーマレードの場合は0.25. 揮発させた後,アセトニトリル0.2mgを加えて試験溶. ppmになるよう標準原液を添加し,試験溶液と同様. 液とした。. の操作を行って,その回収率を求めた。 それぞれの回収率は,オレンジ96.5%,レモン100.. 定量用の標準溶液は,アセトニトリル10m朗こ標準原 液20〟ゼを加えたもの(1.Oppm)を用いた。. 4%,グレープフルーツ94.4%で,マーマレード42.0. 2.4.3 マーマレード. %で,マーマレード以外の柑橘外皮ははぼ100%の結. 検体試料2gに酢酸エチル1mgを加えて3分間ホモ. 果を得た。. また,図1と図2との比較からマーマレードの保持 時間に若干の遅れが見られた。. マーマレードに関するこのような結果は,出来るだ け簡便な分析法をとったために試験溶液中の共存成分. が多いことや,ペクチンなどのゲル化剤が含まれてい. ジナイズする。抽出溶液0.7mgを試験管に採取し,酢 酸エチルを揮発させた後,アセトニトリル0.07mβを加 えて試験溶液とした。ただし,定量については,農薬 の含まれていない試料に標準原液0.5〟ゼを添加し (0.25ppm),試験溶液と同様の操作を行って標準溶液と した。.
(3) 13. また,1992年5月からは,それまで植物検疫上輸入. 3.結果と考察. が禁止されていたオーストラリア産のレモンが解禁さ れたが2),これについての詳しい実態は不明である。. 3.1柑橘果実. 1991年の柑橘類の輸入額は5億3413万ドルで,表2. 柑橘果実の分析結果は表1の通りである。 オレンジ4検体中4検体から0.25∼0.71ppm,レ. に示すように,グレープフルーツ,オレンジ,レモン. モン3検体中2検体から0.09∼0.32ppm,グレープ. およびライムの順で多い。また,グレープルーツは,. フルーツ4検体中3検体から0.38∼0.67ppmの濃度. フロリダ産,オレンジはカリフォルニア産,レモンは. でイマザリルがそれぞれ検出された。. カリフォルニア産およびアリゾナ産が多くを占めてい. わが国に輸入される柑橘果実は,その99%がアメリ. る。また,レモンおよびライムの輸入量は漸減傾向に. カ産であり2),検出されたイマザリルもアメリカで使. あったが,91年の寒波の影響によって生産量が落ちた. 用されたものであると思われる。. ことにより更に減少した。. 表1果皮(外皮)に残留するイマザリルの残留量(ppm) No.. 試 料. 濃度 0 42529. 1 2. オ レ ンジ. 備 考. ブランド. 3 4 1. Dole Sunkist UNWORLD P.Q.Australia. 2. フロリダ産. .7. 3. バレンシア種. 1 2. ン. Sunkist. 3. レ モ. 4. 不明 不明 グレープフルーツ. ルビー種 ルビー種. Sunkist Sun World GOLD LAND Sunkist. 検出限界:0.01ppm. 不検出:nd. 表2 わが国の柑橘果実の輸入 金額(1,000ドル) 89年. 合. 計. 90年. 量(トン) 91年. 89年. 90年. 91年. 500,581. 421,121. 534,125. 516,303. 406,018. 431,934. 国. 131,793 128,275. 124,405 119,427. 152,422 145,631. 112,300 111,322. 103,884 102,531. 89,072 87,065. オ レ ン ジ 米 国. 134,047 131,137. 139,405 137,482. 132,405 121,929. 128,372 125,913. 145,188 143,118. 82,017 75,161. グレープフルーツ 米 国. 234,239 231,780. 156,863 149,740. 248,508 244,741. 275,350 271,923. 156,656 147,471. 260,784 255,990. 789. 281. レモン・ライム. 米. そ の 他. 502. 448. 290. 出典:1992 農林水産物の貿易 日本貿易振興会. 54. 書斎ll.
(4) 14. 3.2 マーマレード. 砂糖,ネーブルオレンジと表示されており,手作り自. マーマレードの分析結果は表3の通りである。. 然食品として販売されていた。また,1991年に購入し,. 16検体中3検体から0.02∼0.20ppmの濃度でイマ. 検出されたものは高級ホテルブランドの製品であり,. 他の物よりも果皮の混入量が多かった。. ザリルが検出された。. ただし,イギリス,フランス産の製品は,果皮の混. 検出された3検体は,いずれも原材料のオレンジを. 入量が多くても不検出であった。. アメリカから輸入していた。 なお,最も高濃度を示したものには,原材料として,. 表3 マーマレードに残留するイマザリルの残留量(ppm) 購入年月日. 備 考. 濃度 ndnd 2. ●0n O. ホテルブランド. イギリス製. フランス製. 2 2. 0000. 2. 9999999999999999. 888800000000. 1 1 1 1 2 2. 1234 56789012. ホテルブランド. 0. 2. 0. 2. 0. 2. 1. 2. 1. 2. 1. O. 2. O. 0. 0. 2. 2. 56 0. 34. フランス製. 手作り自然食品 イギリス製 イギリス製. 1. 0. 1. 0. 検出限界:0.01ppm. 不検出:nd. 1 1. 0 0. 1. 0. 1. 4.結 語. 謝 辞. 1 1. 0. 1. 0. 柑橘果実に対し,平成4年12月現在までに食品添加 1. 物としての使用が認められている農薬は,イマザリル,. 多くの試料および情報を提供していただきました日 本子孫基金の小岩順一氏に深謝いたします。. 1. ジフユニール,OPP,TBZの4種類である。この 1. うち,実際に使用されているものは,ジフユニールを 文 献. 1. 除く3種類で,はとんどが3種同時に使用されてい 1. る3)。しかし,これらの農薬の複合毒性についての報 1. 告は知られておらず,特にレモンには枯れ葉剤の成分. 1)津村(長谷川)ゆかり,外海泰秀,中村優美子,. 1. 伊藤誉志男.食衛誌.33 258∼2651992. である2,4−Dも使用されていることから4),人体への. 2)日本貿易振興会.農林水産物の貿易.1992. 影響が心配される。. 3)花井義道,井口由紀.横浜国大環境研紀要.16.. また,イマザリルが検出されたマーマレードは添加 物の混入されていない高級ホテルブランド品や自然食. 品の詐称で販売されていた。このような実態は食品の 安全性を求める消費者の要望に反することであり,こ の種の食品の監視を厳重に行う必要がある。 なお,本実験で用いた原子発光検出器は,複雑な試 料の処理を簡便にし,微量の農薬を選択性よく測定す ることができ,非常に有用であった。. 29′〉35. 4)花井義道,柏倉桐子.横浜国大環境研紀要.18. 29∼32.
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