マネー・コンピテンシーを育むための心の教育総合研究:『コミュニケーション・メディア』としての貨幣から“つながり”をみつめる活動を通して
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(2) 焦点化、具体的思考、一般化・系統化の4段. の理解及び他者関係への理解、または有用性. 階に、さらに学習場面を概念習得機会と概念.. の間に高い相関が見られた他、自律への理解. 転移機会の2局面に分類し、これを経ること. と課題性・切実性もしくは実践意欲との間に. によって適応的な熟達者への発展を促す。. も同等の相関がみられる結果となった。子ど もが学びの深まりを実感し、学ぶ意義を見出. 5.実践の概要. してこそ内発的に動機付けられ、自律心や実. 2010年11月に実地研究■として、小学校5. 践意欲を高めることができると再認識した。. 年生3学級において、総合的な学習の時間10. 結果考察からマネー・コンビチンシーの枠. 時間(道徳1時間を含む)で実践した。. 組みに関して、②お金に対する価値観を認め あう、③お金に責任を持つ、の2点について、 今回の学習が特に有意義に働いたと考える。. 6.授業の実際 授業は第6次全10時間で行った。相互交流 を基礎に据え、児童の学びを促進するために、. 8.日常生活における変容. 学習方略を工夫した。授業開始時、お金を単. 授業後、保護者から、日常生活における子. なる売買のツールとしてしか捉えていなかっ. どもの具体的な変容を喜ぶ声が寄せられた。. た児童も、回を重ねるごとに、お金の機能や. こうした話から、①お金に関する知識・技能. 殺害1」だけでなく、両面価値にも気付くことが. を理解し活用する、という点に関しても実践. できた。また、お金が介在する状況下で生じ. の場としての家庭で有意義に働いていると考. る対立や葛藤と、それに伴う心の動きや言動. えられる。よって本研究は、研究仮説につい. を感じ取る活動を通して、お金によって生じ. て充分な成果を得たと考えてよいだろう。. る自分自身の問題と、人間関係において表出 する様々な問題に気付くことができた。. 9.課題と展望. 終末では、貨幣機能や視覚的な事象だけに. 量的評価によると、学びの中心に据えた話. 注目した一方的な物の見方や考え方ではなく、. し合いが、個々の学びに有機的に機能してい. 傭激的な視点と、心情面や身体面を含めた包. ないという結果が明らかになった。しかし前. 括的な認識が出来るようになり、学習前と比. 出の通り、どの項目に関しても、学びの濃さ. べて、習得した概念を適応的に汎用しようと. が数値に表れている。このことから、話し合. する意欲と実践力の高まりを実感した。. い以外の要素が児童の学びを支えた、と考え ることができる。おしなべて考えると、児童. 7.量的評価の分析. はお金という課題について意見を述べ、議論. マネー・コンビチンシーの枠組みや、話し. できる段階には至っていないが、意見を述べ. 合い、学びの深まりや実践意欲、課題性や有. るための素地となる、見方や考え方を広げる. 用性について10項目5段階の評価を行った。. ことができた、と結論づけることができる。. 話し合いに関する2項目を除く8項目にお いて、平均値4を超える高評価を得た。これ. 今後この素地を活かして、学校や家庭、社. は、本実践研究が児童にとって満足度の高い. 重ねながら価値基準を酒養することで、適応. 取り組みであったと理解された結果と捉える。. 的な熟達者へと発展することができるだろう。. 相関を見てみると、学びの深まりと自律へ. 修学指導教員 安原 一樹. 一87一. 会において知識や技術を学び、経験や交流を.
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