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地域保健活動の変革期に対応した地域看護技術の構築に向けて

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Academic year: 2021

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地域保 活動の変革期に対応した地域看護技術の構築に向けて

は じ め に 近年, 医療制度改革により保 医療福祉に関する法制 度の改正・新設がめまぐるしい. 行政に所属する保 師は地域住民の 康課題・ニーズ の変化や社会制度の変革に合わせて, 新たな活動を 造 し, 従来の活動を応用しながら必要な地域看護活動を展 開してきた. 一方, 行政改革が進む中で, 行政機関内での 保 師の 散配置の進展により, いままで保 師が培っ てきた活動方法や技術の継承が困難になっている こと や, 行政の中で保 師が求められる役割が多様化し, 新 たに求められる役割に対してどのように活動を構築して いくかを模索している現状もある. そこで, 康課題や制度の変化に応じて保 師が先駆 的あるいは経験的に行っている地域看護実践を明文化 し, 保 師の技術として活用できる形にしていく必要が あると えている. 本稿では保 師に求められる新しい 役割に対応した地域看護技術の構築に向けて, これまで 私が取り組んだ研究を紹介する. 介護保険制度下の介護保険サービスの 質管理における保 師の支援技術の構築の必要性 高齢者介護の課題に対応するため 2000年に介護保険 法が施行され, また 2006年度には, 介護予防重視型のシ ステムの確立やサービスの質の確保・向上等を柱として 介護保険法の改正が行われた. 多くの自治体では保 師 が地域包括支援センターや介護保険担当部署に配置さ れ, 保 師には高齢者の介護予防の推進とともに, 介護 保険サービスの質の向上や地域ケアシステムの推進にも 積極的に関与することが求められている. 保 師は従来 から在宅療養者への支援においてケアマネジメント機能 を発揮してきたが, 介護保険制度下では, ケアマネジメ ントは介護支援専門員の役割として位置づけられ, 保 師にはケアマネジメントの質を管理するという役割をよ り強く求められるようになった. すなわち自らケアマネ ジメントを実践する技術に加え, 介護支援専門員をサ ポートする技術の構築が急務となった. そこで, 介護保 険サービスの質向上のための保 師の支援活動の一側面 として, 対応困難を抱える介護支援専門員を支援し, ケ アマネジメントの質の向上に寄与する支援技術を構築す ることを目的に研究に取り組んだ. 介護支援専門員がケアマネジメントを 行う上で生じている対応困難とは何か はじめに, 支援対象となる介護支援専門員がどのよう なサポートニーズを持っているのか, また彼らが認識す る対応困難の特徴を明らかにする必要があると え, 介 護支援専門員を対象に, ケアマネジメントの中で対応困 難を感じた状況・場面と具体的な内容に関するフォーカ スグループインタビューを実施した. その結果, 介護支 援専門員の対応困難は, 家族内の調整, サービス利用の 説得, 専門的対応を必要とする課題に対する対応等, ケ アマネジメントに十 な時間をかけることを必要とし, また専門的知識や適切な支援者への連携を必要とする内 容であることが明らかになった. そして, 抽出された対 応困難内容についての困難感と経験頻度とそれに関連す る要因を明らかにするための量的調査を行うことによっ 69 Kitakanto Med J 2009;59:69∼70 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部保 学科 平成20年12月5日 受付 論文別刷請求先 〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部保 学科 齋藤智子

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て, 対応困難の実態が明らかになり, 介護支援専門員の 特性に合わせた支援内容・方法を検討していくことが必 要であることが示唆された. 介護保険制度下のケアマネジメントにおいて対応困難を 生じている介護支援専門員に対する保 師の支援技術 対応困難を生じている介護支援専門員に対する保 師 の支援技術を明らかにするため, 前述の研究で明らかに なった対応困難への支援実績を持ち, 市町村の介護保険 野で先駆的に活動している保 師を対象に半構成的面 接によるインタビュー調査を実施した. 保 師の支援に より効果の得られた支援実績について, 支援経過に っ て支援行為とその意図を聴取し質的帰納的に 析を行っ た. その結果, 保 師の行う介護支援専門員への支援に は「支援の必要性の判断」, 支援の実施」, 支援の評価」, 地域支援体制拡充への発展」の局面があった.保 師は, 要介護者・家族の状況, 介護支援専門員の状況など多角 的な側面からの情報に基づいて支援の必要性を判断し, 介護支援専門員の「ケアマネジメント能力を高める」と 「ケアマネジメントを実施しやすくする」という 2つの 方向性を 慮した支援を行うことが重要であることが明 らかになった. そして支援を実施する際には, 保 師が 持つケアマネジメントや家族支援技術を活用し, また支 援過程の中で把握した個別のケアマネジメントの課題を 地域の体制作りに発展させるという保 師の独自性・専 門性を活かした支援活動を展開していることが明らかに なった. これらの先駆的な保 師の活動から 出された支援技 術は, 今後, 介護保険 野に所属する保 師が担うケア マネジメントに関わる相談・支援において十 活用し得 るものであり, 介護支援専門員の対応困難を改善し, ケ アマネジメントの質を向上させていくために効果の高い 支援につながっていくと えられる. 特定 診・保 指導に対応した 保 指導技術の構築 医療制度改革の一環として, 平成 20年度から特定 診・保 指導がスタートした. 現在私は, 新たな研究課題として特定保 指導に関わ る保 師の保 指導技術の構築, 特に IT を活用した保 指導技術に焦点を当てた研究に取り組んでいる. IT の活用は今までの保 師の保 指導での実践経験は少な く, 今後活用が期待されているツールである. IT とい う新たなツールを用いた保 指導技術では, 従来保 師 が行ってきた保 指導技術が活かされる部 と新たに追 加・変化させていく部 とがあると えている. 現場で の実践的な取り組みを題材にしながら, それらを明確に していきたい. そして, 将来的にはこれらの研究の積み重ねにより, どのような課題に対しても地域看護技術として普遍的な ものと新しい課題や制度に特化して開発していかなけれ ばならないものとを明確にしていくことができるのでは ないかと えている. お わ り に 新しい課題に直面した保 師は, 自らの経験や知識を 活用しながら, 新たな地域看護実践を積み重ねている. 私は研究者として, 保 師が変化に対応しながら今まさ に実践している活動の中から, 新たな技術として明確に すべき対象を焦点化し, そこを切り口にして活動をとり だし, 詳細に 析することを通して, 実践に活用できる 技術を構築していくことが重要だと えている. 個々の 保 師の看護実践から培われた実践知を個人のものに留 まらせず, それを集積し形式知として明らかにしていく ことで, 同様の課題や役割を求められる保 師に活用さ れ, 地域看護実践の質を高め, 保 師の専門性を明確に していくことにつながると える. 文 献 1. 保 師のベストプラクティスの明確化とその推進方策に 関する検討会. 保 師のベストプラクティスの明確化と その推進方策に関する検討会報告書 : 1, 平成 20年 3月. 2. 齋藤智子,佐藤由美.介護支援専門員が認識する対応困難 事例の特徴. THE KITAKANTO MEDICAL JOUR-NAL, 56(4): 319-328, 2006. 3. 齋藤智子,佐藤由美.介護支援専門員のケアマネジメント における対応困難の実態. 千葉看護学会会誌, 12(2): 8-14, 2006. 4. 齋藤智子,佐藤由美.対応困難を生じている介護支援専門 員に対する保 師の支援意図. 日本地域看護学会誌, 9(2): 15-23, 2007. 地域保 活動の変革期に対応した地域看護技術の構築に向けて 70

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