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ペルー -- アンデスのモルモット「クイ」 (世界珍食紀行 第12回)

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Academic year: 2021

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ペルー -- アンデスのモルモット「クイ」 (世界珍

食紀行 第12回)

著者

清水 達也

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

267

ページ

38-38

発行年

2017-12

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00049806

(2)

ペルー料理は日本人の口に合う。国土は太平洋に面 して魚介類が豊富なだけでなく、アンデス高地はジャ ガイモ、トマト、トウガラシの原産地である。マカや キヌアなど栄養満点の食材の産地としても知られてい る。海の幸、山の幸に加え、先住民や、ヨーロッパ、 アフリカ、アジアからの移民の食文化が混ざったおか げで、多様な味付けが楽しめる。私が好きな料理を挙 げると、魚介類を酸味の強いレモンで締めて、唐辛子 などで味付けたセビチェ、黄色いジャガイモのマッ シュポテトの間に、鶏肉やツナなどを挟んだカウサ・ レジェナ、そして、牛肉、タマネギ、トマトを炒めて 醤油をたらし、フライドポテトを混ぜ合わせたロモ・ サルタド。観光客向けの高級レストランはもちろんの こと、町の食堂でもなかなかおいしい。 ●特別な機会の食べ物 外国人からみたペルーの珍食と言えば真っ先に思い つくのが、「クイ」とよばれる食用のモルモットであ る。10年ほど前に、農村開発プロジェクトの調査でア ンデス高地の農村を回った。ほとんどの家はアドベと 呼ばれる泥を固めたブロックでできていて、窓が小さ く中は薄暗い。カサコソと音がする室内で目をこらす と、かまどの陰で4、5匹のクイがこちらの様子をうか がっていた。農民に聞くと、トウモロコシの葉や野菜 くずを与えて育て、来客やお祝いなど特別な機会に調 理するという。そのほか、現金が必要になった時には 近くの町に売りに行くらしい。 別の村で早朝に聞き取り調査を行ったあと、村人か ら「 せ っ か く いらしたので すからぜひ朝 食を」、と言わ れて出された のがクイの丸 焼きだった(写 真1)。 香草を つめてオーブンで丸焼きにしてあった。皮が少し固 かったものの、鶏肉に似た淡泊な味で、そこそこおい しかった。ただ、口から突き出た前歯やツメのついた 手足がなまなましく、食欲がわかなかった。村人は3 人に1匹ずつ用意してくれたが、1匹を3人で食べて残 りは持ち帰った。 ●所得向上の手段として 近年は、農家の所得向上の手段としてクイの飼育が 注目を集めている。アンデス高地の中心地であるクス コ市郊外で行われていた農村開発プロジェクトでは、 数百匹規模でクイを飼育する計画を立て、農民グルー プに指導していた。飼育場の設計、繁殖の方法、飼料 の種類など技術的な側面だけでなく、レストランへの 販売や、自ら調理・販売する方法なども専門家が助言 していた。これによって、農業を上回る収益を得られ るようになった共同体もあった。 最近はアンデス高地に限らず、海岸部でも商業用の 飼育が増えている(写真2)。流通量が増えたことで、 首都リマのレストランでもクイ料理が食べられるよう になってきた。ペルー訪問の際にはぜひ試してほしい。 (しみず たつや/アジア経済研究所 ラテンアメリ カ研究グループ)

ペルー

―アンデスのモルモット「クイ」―

清 水 達 也

連 載

第12回

38

アジ研ワールド・トレンド No.267(2018. 1) 写真1 朝食に出されたクイの丸焼き(アプリマック 州チュキバンビーヤ郡にて筆者撮影) 写真2 販売用に飼育されるクイ(ラ・リベルタ州ビルー郡にて筆者撮影)

参照

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