Title
[報文]泡盛蒸留粕を利用した新規発酵調味料の開発
Author(s)
豊川, 哲也; 熱田, 和史; 金内, 誠; 洲鎌, あおい; 大城, 勤; 福
地, 香; 鎌田, 靖弘; 田村, 博三; 角田, 潔和; 小泉, 武夫
Citation
南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical
resources technologists, 15(1): 1-9
Issue Date
1999-10-01
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/14160
泡盛蒸留粕を利用 した新規発酵調味料の開発
頂 福 角 * ● tg i ・ 管 川 城 豊 大 田 和 史書・金 内 誠=*・洲 鎌 あおい書 地 番'*・鎌 田 靖 弘= ・田 村 博 三H 田 潔 和書=・小 泉 武 夫=■ *忠孝酒造株式会社.=沖縄県工業技術セ ンター開発研究部 =*東京農業大学応用生物化学部醸造科学科A de
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TetsuyaTOYOKAWAH,KazusiATTA.,MakotoKANAUCHIH' AoiSUGAMA',Tsutom OHOSIRO',KaoruFUKUCHlH,YasuhiroKAMATAH
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TokyoUniversityofAgn'culure. 緒 言 泡盛蒸留粕 とは、もろみを蒸留 した後に派生 して くる副産物であ り、米や黒麹菌および酵母 に由来す るクエ ン酸や タンパ ク質、核酸等を豊 富 に含んでいる。近年の泡盛生産量の増加に伴 いその排 出量 も増加 してお り、平成9年度には 40,000kLは ど発生 していると推定される。現在、 泡盛蒸留柏は養豚用飼料や畑地への特殊肥料 と してほとん どが処理 されているが、養豚業者の 減少 ・集約化 にともなう郊外への移転が進んで お り、都市部の酒造所では搬送代を支払 って廃 棄処理を行 っている。焼酎産地である九州では、 海洋投棄か らの転換 に迫 られていることもあり、 焼却法や飼料化法 な どの研究が進め られており、 すでに試験プラントか ら実用段階へ移行 したメー '豊見城村字名裏地132番地 =具志川市字州崎12-2 'H東京都世田谷区桜丘1-I-1 カーもい くつか存在す る1)。沖縄県においては、 酒造所の規模が小 さく県内各地に点在 している ことか ら、九州のような大規模プラントの導入 は期待できないため、立地条件や生産規模等 を 考慮 に入れた再利用法を検討す ることが望 ま し い。本島中南部の泡盛 メー カの生産規模は1日 数 トン程度がほとん どであ り、さらに宅地化が 進行 しているため施設拡大にも限界があること か ら、少量生産かつ高付加価値型の商品開発が 必要である。そこで我 々は、比較的付加価値の 高い食品 と しての利用を構想 し、泡盛蒸留柏を 微生物 によ り再発酵 し新規発酵調味料 と しての 利用法を検討す ることと した。調味料は加工食 品の伸びとともに年 々市場が拡大 してお り、さ らに消費者の天然指向、グルメ指向のなかで化 学調味料 に代わ り、うま味だけでな くコク味、 風味を併せ持つ種 々の天然調味料が伸びてきて いる。微生物 による醸造生産物が化学調味料、 複合調味料だけでは発揮できない風味を食品に -
1-南方資源利用技術研究会誌 表1 最終選択菌株と発酵液の官能評価 菌株 学名または履歴 官能評価 工業技術センター保有株 A.niger
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東京農業大学保有株 樹液より分離I
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東京農業大学保有株 ピール醸造用群母 ビール酵母 東京農業大学保有株 土壌より分離 無 印474 酸味がまろやかで、風味良好 うま味強 く、コゲ臭や麹臭などの蒸留粕特有の香 り 軽減。 しょう油様の香り。 穏やかな甘い香り、味は辛く酸味は感 じられない。 甘い香りで、不快臭はほとん ど感 じられない。やや 苦みがあり、酸味はあまり感 じられない。 O Ln O 2 ( 一 ∈ )盟 { / 仰ト
・F 叫 抄 謙 紳 ( m g J mi ) 知 40 30 2 I5 20 25 30 35 40 45 50 55 温度(
℃)
図 1 増壬温度の変化が酸度 ・ア ミノ酸度 ・全糖量に及ぼす影響 (培養 日数5日) 付与す ることは昔か らよ く知 られてお り、清酒、 本み りん な どの酒頬は、 まとめ味 、隠 し味 と し て家庭での料理や加工食品に広 く使われてきた。 調味料 の市場規模は2
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億 円に達す るといわれ てお り、その内訳 と して、 しょう油 ・味噌 ・醸 造酢 とい った基礎調味料 をお さえて、あ らか じ め基礎調味料 、抽 出型 分解物調味料 な どを混合 させ調味 を終了 させた =配合型M の伸びが著 し い。 この ような背景をふ まえ、本研究では発酵 型かつ配合型 の醸造調味料 の開発 を 目指す こと と した。 また、よ り高付加価値化 を図 るため、 発酵生成物 の機能性 につ いても検討 した。 優良菌株の選抜 泡盛 蒸留 粕 は、As
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n'由来 の クエ ン酸や米 由来の タンパ ク質お よび もろみ 中で生成 され るペプチ ドな ど多 くの成 分に富ん でいる。 しか しなが ら、 泡盛 蒸 留粕 のpHは約 3.5と低 く微生物 の成育 には不 向 きで あ るため 、 東京農業大学お よび沖縄 県工業技術セ ンター保 有の酵母1
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株お よび糸状 菌2
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株 よ り、泡盛 蒸留粕 を培地 と した生育性を指標に1次スク リー ニ ングを行 った。その結果 、 酵母 で は2
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株 、 糸状菌では2
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株で 良好 な生育が認め られ た。次 に、調味料 と して重要 な酸味や うま味 を作 り出0 1 2 3 4 5 8 7 8 9 発辞 日数 (日) 図2 発酵日数が酸度 17 表2 発酵前後における成分の変化 泡盛 1209 蒸留粕 発酵生成物 有機酸 (g/100me) アミノ酸(g/100zhe) 全港量 (mg/JnC) 還元糖呈 (mg/me) 水 分 (g/100g) 灰 分 (g/100g) 粗タンパク質 (%) 粗脂肪 (% ) 1.13 1.87 0.57 0.57 4.04 12.88 0.95 2.48 94.55 93.49 0.14 0.13 2.303 2.281 0,00 0.00 発酵条件 :培糞温度 30℃ 、培考時間 7日、副 原 料 米 (蒸 留粕 の5%添加 ) す菌を選抜す る目的で、培養ろ液の酸度、ア ミ ノ酸度およびア ミノ酸組成等を指標と した
2
次 スクリーニングを行 った。その結果、酵母20株、 糸状菌4株が有望株 と して選抜 された。最終選 トと して官能評価を行 った結果、酵母3株およ び糸状菌 1株が最終的に選抜 された。選抜株お よび培養液の官能評価を表 1に示す。酵母では、 しょう油様の香 りでうま味が強 いKSY・128-2お よび甘い香 りが特徴の ビール辞母 と無 印474が 選抜 された。糸状菌では、まろやかな酸味を特 10 11 12抄
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'■ ノ酸度 ・糖度に及ぼす影響 徴とする黒麹菌株1209が優良株と して最終選抜 された。 副原料および発酵条件の検討 官能評価により最終選抜 した4
株は、香 りの 点では良好な成績を示 したが既存の調味料と比 較 してみ ると、調味料と して必要なうま味、酸 味、甘みなどが弱いことが感 じられた。そこで、 うま味の主成分であるグルタミン酸、敢味を示 す クエ ン酸、甘みを代表するブ ドウ糖やシ ョ糖 を増加させ る目的で副原料の添加を検討 した。 副原料 と して酵母ではグルコ-ス、シュークロー ス、ゼラチ ン、米麹、黒糖等を、黒麹菌ではタ イ産米、小麦フスマ、おか ら、廃糖蜜等を添加 して官能評価により副原料を選定 した。その結 果、KSY-128-2ではグル コースとゼラチ ンの添 加で、 ビール酵母および無印474株では シ ョ糖 の添加で官能的評価が高か った。黒麹菌では、 米を副原料 とした場合に酸度が最も高 くなり、 官能評価も好結果が得 られた。小麦フスマやお か らでは添加量が多 くなるに伴い、ほこり臭、 ぬか臭およびカビ臭等が感 じられた。それぞれ -3-南方資源利用技術研究会誌 25 20 5 ( 一 uJ )世 心 ヽ 川 ト
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七 超 酸 度 全糠I(mg/m J)0
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図3 副原料の添加が酸度 ・7ミノ酸度 ・糖度に与える影響仲
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5(加 1xlO4 1.5xlO4 2xlOl 遠心加速度(xg) 図 4 遠心加速度と吸光度の関係 の菌株に適 した副原料が判明 したことか ら、そ の培養条件 (温度、時間、副原料添加量 )を酸 度2'、ア ミノ酸 度2)お よび全糖量3)を指標 と して決定 した。図1-3に黒麹菌におけ る温度、 時間、副原料添加量の変化が酸度、ア ミノ酸度 および全糖量 に与える影響を示す。温度に関 し ては、約30℃付近で酸度が長も高 くなることが 認め られた。また、酸度は発酵時間が経過す る に伴 って増加 し、 5・7日目か ら泡盛蒸留粕特 有の コゲ臭や麹臭が認め られなくなった。副原 料の添加に伴 って全糖量の増加が認められたが、 酸度は5%
以上の添加でも顕著な差は認め られ なか った。以上の結果より、黒麹菌の場合、培 養温度30℃、培毒時間が7
日間、副原料の添加 量は5-
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が最適 と判断 された。 このときの 成分分析結果りを表2に示す。黒麹菌による発4
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孔径(〃m) 図5 ろ紙孔径と吸光度の関係 辞生成物は、泡盛蒸留粕 と比較 して有機酸量が 約1.7倍、全糖量も約 3倍の増加が認め られた。 官能的にも市販酢 と同等の酸味が感 じられ、さ らにクエ ン酸が主成分であることか ら、クエン 酸の爽やかな酸味を特徴 とす る差別化商品への 展望が期待され る。また、同様に酵母でも最適 条件を決定 したところ、KSY-128ではア ミノ酸 が約1
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倍の増加が認め られた。 ビ-ル酵母お よび無印474では有機酸や ア ミノ酸 は増加 しな か ったものの、甘い香 りを特徴 とす る発酵生成 液が得 られ、調味料原料 と しての展望が期待 さ れた。 清澄化の検討 発酵生成液は、菌体や胞子を主体 とする不溶 性部分を約5%
は ど含むが、この不溶性の部分 は粘調質で多量の水分を抱え込むため、ろ過が 困難である。また、黒麹菌の胞子により黒色を 呈 してお り、製品化にむけては清澄化法を確立 す ることが重要である。ここでは、清澄化に関 す る基礎データを得 ることを目的として実験を 行 った。清澄化の評価6)は500nmの吸光度を測 定 して、吸光度で0.5以下 を清澄であ ると判断 した。なお、吸光度が2.0を超え る場合は適宜 希釈 し希釈倍率を乗 じた。まず、遠心機を用い て遠心加速度 と吸光度 の関係を調べた ところ (図 4)、黒麹菌発酵液では12500Xgで清澄化が 可能であることが認め られた。 ビール酵母では 18000Xgでも清澄化は達成できなか った。食品 産業ではろ紙を用いた清澄化が多 く用い られて いることか ら、孔径の異なるろ紙を用いて清澄 化を検討 した (図5)。黒麹菌発酵液では孔径 が3/Jm 以下で清澄化が達成可能であったが、 酵母発酵液では吸光度は3-4の間であ り、 ろ 紙による完全な清澄化は困難であると考え られ た。そこで、ケイソウ土を使用したところボディー フ ィー ド量 と して3g/L
の添加で吸光度が約 0.6まで低下 した。さらに、0.45〟m のメンブ レ ンフ ィルターを処理を行うことにより吸光度は 0.5以下 となった。 発辞生成液の利用法の検討 得 られた発酵生成液は、用いた酵母や黒麹菌 によりそれぞれ特徴のあるものであ りその特長 を生か した配合型調味料を開発できると考え ら れ ることか ら、浅漬けの素や ドレッシング等へ の利用法を検討 した。浅漬けの素では、いずれ の発酵生成液を用いた場合も官能的に良好な製-5-南方資源利用技術研究会誌 5 10
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15 20 図 6 TBA法による発酵生成物の抗酸化能の評価 品に仕上が った。酵母を用いた場合は、香 りに 特徴がありKSY・
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では、 「しょう油様 の香 りがすぼ らしい」、「サラダ感覚で食べ られ る」、 「柑橘のような爽やかな酸が心地 よい」 とい っ た官能評価によるコメントが得 られた。 ビール 酵母や無印474では、市販 の浅漬けの素 と同程 度の塩分及びシ ョ糖添加量7)では 「味が濃す ぎ る」、「塩辛い」 などの コメントが得 られたこと か ら、添加量を半分程度に抑えたところ官能的 に良好であ り、発酵生成液を使用 したことで風 味の広が りが得 られ、市販品と比べ低塩化が期 待できることが明 らか となった。黒麹菌1
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で は、強い酸味を特徴 とす ることか らハ クサイや キ ャベツの様 な甘みのある野菜を用いた場合に、 発酵生成物の較味 とぬか様の香 りが引き立 ち良 好な風味を示す ことが認め られた。オ リーブオ イルを用いて ドレッシングを調製 したところ、KSY-
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では 「オ イルの香 りが酸味 によ っ てすがすが しく、味が調和 している」、「爽やか な軟が心地 よい」等の回答が得 られた。 しか し なが ら、無印474酵母、 ビール酵母 お よび黒麹 菌では、「油臭さが前面に出ている」、 「ぬか臭 い」等の回答が得 られ、油との相性が悪いこと が認め られた。そこで、発酵生成液に紫蘇 ・しょ う油 ・食塩を添加 してノンオイルタイプ ドレッ シングを調製 したところ、 「酸味がち ょう ど良 い」、「レモ ン汁をかけた感 じ」等の回答が得 ら れたことか ら、ノンオイル ドレッシングでの利 用は可能であると考え られ る。以上のように、 発酵生成物は風味に優れた配合型調味料 と して 利用できることが明 らかとなった。 壌能性の検討 近年の研究の進展 により、食品中に生体機能 を調節する物質が存在 し栄養の吸収 ・免疫機能 ・ 物質代謝 などを制御 していることが明 らかにな りつつある。こう した食品の機能を、従来の栄 香 (1次縫能 )や味覚 (2
次機能)と区別 して 食品の第3次接能とよび、農芸化学 ・栄養学 ・ 生化学等の分野で精力的に研究が行われている。 また、多 くの食品メーカが このような食品の3 次機能に着 Elした商品開発を行 ってお り、今後 機能性を張い文句に した商品が更に市場 に出回 るものと考え られ る。本製品でも機能性 を商品 ア ピールの原動力と して活用す ることが戦略的 に重要だと考え られ ることか ら、疾病に関係が 深いとされ る抗酸化活性、AIDSウイルス等 の 増殖を阻害す るリバース トランスクリプターゼ1
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株発酵液の l)バ-ストランスクリプターゼ阻害作用 対照 泡盛 1209允許4
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発辞 蒸留粕 生成物 生 成物 図8 発酵生成物のACE活性に与える影響 泡盛蒸留粕 (4ml)、1209発酵生成物 (4ml)および474 発酵生成物 (1.3ml)は、限外ろ過 (文 画 分子量 5KL)を 行い、溶出画分を減圧乾固 したのち1mlの蒸留水 に溶解 し たものを被倹液 と した。 阻害活性、血圧上昇 に関係す るア ンジオテ ンシ ン変換酵素阻害活性 な どを検討 した。 抗酸化能の検討 酸化の最終段階で生成す るマ ロンジアルデ ヒ ドを測定す るTBA法日 )によ り、発酵生成物 の リノール酸 に対す る抗酸化能を測定 した (図6)0 泡盛蒸留粕 、酵母 (無印47軸木) ・黒 麹 菌 に よ る発酵生成物 を添加 したいずれの場合に も、 リ ノ-ル酸の酸化 は抑制 され1
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日目においても0
日日と有意差 は認め られ なか った。 また、対照 区では古 い ピーナ ッツのような酸化臭が認め ら れ たのに対 し、発酵生成物 を添加 した区では酸 化臭が認め られ なか った。食品中の抗酸化物質 と しては、赤 ワインのポ リフ ェノールが よ く知 られ てお り、いわゆるフ レンチパ ラ ドックスの 問題 とともに、その接能性が クロ-ズア ップさ れ ている。そ こで、泡盛蒸留柏およびKSY・
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-2の発群生成物中の全フェノール量を測定 した ところ約1
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程 度 含 まれ てい る こ -7-南方 資源利用技術研究会誌 副原料 米・ショ★・ゼラチン 辞母 ・糸状 菌 酵素系・おり下げ剤渋柿・活性炭 図9 発酔調味料製造7ロー 表3 1209発酵生成物中のGABA濃度 試料 GABA (mg/100g) 1209発酵生成液 泡盛蒸留粕 ギ ャバ ロ ン茶 * 'ギ ャバ ロン茶は3gを200mlの沸礁水で5分間浸 出 させた量 とが明 らか とな った。一般 に全 フ ェノール量は 赤 ワインでは2000mg/L、 白ワイ ンで は360m g/L程度が含 まれ てい るとされ てい る ことか ら、発酵生成物は、赤 ワインの約半分、白ワイ ンの約3倍の全 フ ェノールを含有 している。 さ らに、発酵生成物 には比較的高い濃度で クエ ン 酸が含 まれている。 クエ ン酸 は抗酸化剤 に対 し て相乗的な働 きをす るシネルギス トと して知 ら れている。発酵生成物の高い抗酸化性は、この ような相乗効果により発揮 されたのではないか と考え られ るo 逆 転 写 酵 素 阻 害 活 性 の 検 討 本法は
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roの レトロウ イル ス増殖 の テ ス トに広 く用い られ てお り、 ヒト後天性免疫不 全症候群 (AIDS)のような病 気 の抗 レトロウ イルス治療薬のスク リーニ ングにも適用 され て いる。 ここで用いたキ ット (ロシ ュ ・ダイア ゴ ノステ イクス社 製、 Reverse Transcriptase Assay)はサ ン ドイ ッチELISA法 を原理 とす るもので、鋳型 に取 り込 まれた ビオチ ンがマイ クロプ レー トに結合 し、鋳型中のベルオキシダー 食塩 ・糖類 ゼ標識抗 ジゴキシゲニ ンによ り発色産物が生成 され る原理を利用 したものである。1209発酵生 成物の逆転写酵素阻害活性 を測定 した結果を図 7に示 した。発酵生成物を添加 した区では吸光 度が有意に低下 し、リバース トランスクリプター ゼ阻害活性が認め られた。 しか しなが ら、泡盛 蒸留粕および酵母発酵液 には このような効果は 認め られ なか った。阻害機構および阻害物質の 解明が今後の課題であるが、1209発酵生成物は レトロウイル ス増殖阻害効果を有す ることが示 唆 され ることか ら、消毒液や医薬品等への利用 の展望が示唆 され る。 アンジオテンシン Ⅰ変換酵素阻害活性の検討 現在 、死亡数の高い三大疾病は脳血管疾患、 心疾患及び悪性新生物 とな ってお り、前二者は 高血圧疾患 と極めて高い関係が有 るといわれて いる。ア ンジオテ ンシ ン変換酵 素 (ACE)は、 強い血圧上昇作用を引 き起 こす引 き金の役割 を 担 っている酵 素 で あ り、ACEを阻害す るペ プ チ ドが高血圧 の治療の市販薬 と して広 く利用 さ れている。泡盛蒸留粕 には米 タンパ クに由来す るペプチ ドが含 まれ てお り、ACE阻害活性が 期待で きる ことか らCushman lO)らの方法 に準 じてACE阻害活性を測定 した (図 8)。 その結 果、泡盛蒸留柏、1209お よび無 印474発酵生成 物を添加 した試験区ではACE活性 がそれ ぞれ 、 6.5%、8.52%、24.4% と低下 し、ACE阻害活性 が認め られた。 また、泡盛蒸留粕および発酵生 成物中には血圧降下作用 が あ るγ-ア ミノ酪酸(GA玉A)が多 く含まれている (表 3) ことか ら、血圧が高めの人の健康維持に役立つ食品の 開発が期待できる。
製品化へむけて
これまで述べてきたように、実験室規模では 風味に優れた発酵調味料が調製できることが明 らかとなった。さらに、種 々の機能性を有す る ことか ら健康食品などへの応用も可能である。 現在、我 々は製 品化へむけて200L規模 の発酵 槽を用いた試験を継続中であり、セ ミプラント 規模での生産には一応の 目途がついた段階にあ る。プラントレベルでは図9に示すような製造 フローによる生産が考え られる。今後は発酵原 液の新たな利用法を探 るとともに、市場展開へ むけて更なる調査研究を行 っていく予定である。 なお、本研究は中小企業事業団の平成10年度 中小企業創造基盤技術研究事業により実施 した ものである。 参考文献 1)泡盛蒸留粕乾燥システムの開発、下田雅彦、 長野壮-、和田久継、 日本醸造協会誌、第 90巻、第12号、p.897-900(1995) 2)国税庁 所定 分析 法 注解 、 日本醜 造協 会 (1993)3)DabusM,Colorimetricmethodfordeter一 mination ofsugarsand related Sub-stances.AnalyticalChemistry,Vol.28,
350-356,(1956) 4)日本食品工業学会 ・食品分析法編集委員会 編、「食品分析法」、光琳、(1992) 5)科学技術庁資源調査会食品成 分部会編、 「五訂 日本食品標準成分表分析マニュアル,J、 資源協会、(1997)
6)MakotoHattori,Functionalimprovement ofalginicacidbyconjugatingwith
β-1actogloblin,Joumalof Food Science, Vol.61,No.6,1996 7)前田安彦、 日本人と漬物、全 日本漬物協同 組合連合会、1996