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歴史檔案のデジタル化における注意事項: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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Author(s)

徐, 杰; 野村, 直美(訳)

Citation

沖縄史料編集紀要 = BULLETIN OF THE

HISTORIOGRAPHICAL INSTITUTE(37): 85-89

Issue Date

2014-03-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/17461

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歴史檔案のデジタル化における注意事項

中国第一歴史檔案館複製処副処長 徐 杰 翻訳:野村 直美 中国第一歴史檔案館が所蔵する約一千万件余りの檔案は、主に明清代の中央国家機関及 び皇室に関する檔案で、内容は広範囲に及び、体系も整い、歴史的価値、研究上の価値、 そして文化的価値も高く、明清代を研究する上での第一次資料である。2011 年より、当 館は全面的に檔案のデジタル化事業のアウトソーシングを展開し、すでに檔案 140 万件 のスキャン作業が完了している。この作業のなかで、我々はいくつかの問題に遭遇し、そ してその解決のために一定の経験を積んだ。今回は、明清歴史檔案のデジタル化の中での いくつかの事項について専門家の先生方と交流し、アドバイスを頂きたいと思う。 一 檔案のデジタル加工モデルや実施場所の選択 1.デジタル加工モデルの選択 歴史檔案の特殊性に対して、檔案のデジタル加工モデルを選択する上で大切なのは、檔 案原本の安全、価値の大小、数量や檔案形式の特徴を総合的に考慮することである。当館 の檔案デジタル化を例にとってみると、所蔵する明清歴史檔案の数量が非常に多く、形式 も複雑で、檔案の価値や保管状況も様々である。デジタル加工モデルを選択する際、檔案 の数量が多く、形式も単一で、保管状態も比較的良いものに対しては、全プロセスにおい てデジタル加工モデルを採用、アウトソーシング業務を主とし、全工程で全面的なチェッ ク体制を敷き、流れ作業式によるスケールメリットを生かしたデジタル加工を進めてい る。一方、檔案の価値が高く、形式が複雑で、保管状態もあまり良好でない檔案について は、人材を生かしたデジタル加工モデルを採用した。檔案の専門部門を主とし、アウトソー シング業務を補助として、小規模で個別的なデジタル化を進めた。この 2 つの加工モデル 方式を結合させて、一方では、大規模に明清歴史檔案のデジタル加工を進め、もう一方では、 出来るだけ実際の檔案利用の需要を満足させ、檔案デジタル化の成果を利用に役立てるよ うに努めている。

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2.デジタル加工の場所の選択と部署 歴史檔案のデジタル加工の実施場所の選択と部署は、歴史檔案の原文書の安全、檔案の 状況、(形式の)複雑さ、流れ作業の条件や現場管理など多くの条件を総合的に考慮すべ きである。 第1に、まずは原文書の安全を保証しなければならない。檔案のデジタル化の作業場に おいては一次保管庫を作り、檔案の一次保管を容易にしなければならない。また一次保管 庫の通風を良くし、安全な戸締まり設備、檔案館と業者側双方からの専門の責任者の配置、 消防施設の完備などが必要で、細かく温度・湿度と人員の出入りを記録させる。同時に加 工作業区は環境にやさしい光源、静電気を防ぐためのゴム、加湿器の配置、空気清浄設備 および各種消防設備、並びに二段階のチェック体制を構築する。加工作業区の現場では歴 史檔案の保管に関して照度の制限、温湿度などが要件を満たした上に、さらに防火や盗難 防止などの安全対策においても満足できるものでなければならない。 第2に、デジタル加工において、全体的に円滑な運用が保証されなければならない。当 館のデジタル加工作業区はその機能によって、檔案の一次保管庫、事前処理区、デジタル 加工区、画像品質検査区の4つに分けられており、主にデジタル化の工程の流れに随って 設置されている。各段階におけるデジタル加工効率を計算し、それを整合させ、合理的に 各作業区の規模と持ち場の設置(配置)を確定していくことによって、檔案のデジタル化 の流れ作業を容易にさせ、各段階がうまく連動し、プロジェクトの進行を保証する。 二 デジタル化の過程における檔案原本およびデータの安全について 歴史檔案の文物的価値及び歴史的価値に鑑み、デジタル化の過程においては、檔案原本 およびデータの安全を最も重視している。当館では「安全第一、品質至上、効率保障」を 基本原則とし、檔案原本の「一件も失わず、一件も損なわず、一件も乱さず」を保証する ことが、檔案の安全問題の第一と位置づけている。 1.檔案原本の安全を確保するために、2つの段階を重視する。1つは檔案原本の受け渡 し、もう一つは人員管理のコントロールである。 檔案原本の受け渡しは、檔案を取り扱って加工し、最後に書庫に戻されるまで厳格に受 け渡され、一つ一つ点検して登録する制度が定められなければならず、檔案の受け渡しは 各セクションが、互いに同時にその場で一件ごとに点検し、現場でそれを監督すると規定 している。加工の過程では、監督者と作業員の活動区域が規定され、檔案原本の加工過程 の流れを詳細に記録し、リアルタイムで檔案原本の移動ルートを把握することで、檔案原

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本の安全を確保している。 人の管理に関しては、人間の主観的要素と不確実性を十分に考慮しなければならない。 必ず委託業者との間には「機密保持協定」を結び、新人の作業員には安全教育を行わなけ ればならない。また、委託業者にもプロジェクトに参加する全ての作業員との間に「機密 保持協定」の契約を結んでもらう。専門の安全管理員を設け、檔案原本の安全に対する責 任と同時に加工現場の監督、消防管理の責任など、業者の人員の移動比率の規定を明確に し、同時に、業者に作業員の人間性をチェックさせ、その思想的安定を確保することによっ て、檔案原本の安全が保証されるのである。 2.データの安全については、データの完全性、秘密保持を考慮する 檔案データの安全に関しては、主に物理的、人的コントロールという、2つの方法から 行っている。物理的コントロールについては、すべて加工・管理設備は独立したネット回 線のつながった環境下で作業され、インターネットやオフィスネットワークとは完全に遮 断されており、作業用パソコンと外部データの接続(USB、赤外線など)はすべて遮断さ れなければならない。 また、各加工機器一台に作業員が割り当てられ、各作業員は自分のもの以外の機器を操 作することは禁止されており、さらに、作業現場に入るときはいかなる電子機器(携帯電話、 カメラ、USB など)も持ち込んではならないことになっている。データをアップロードす る際、スキャンしたデジタル画像をリアルタイムで指定のサーバーにアップロードして保 存している。 人の管理には、主に以下のような方法を採用している。作業用パソコンでインストール できるのは、基本的ソフトウェアや、ウイルス対策ソフト、必要なデバイスドライバー、 デジタル加工ソフトのみとし、その他のいかなるソフトウエアのインストールも禁じられ ている。各工程の作業員は独立した作業員番号と暗証番号を加工システムに登録し、かつ 定期的に変更するなど、管理専門の人員を配置している。また、ソフトウエアでデジタル 画像データを暗号化することによって、加工過程のデータの安全性を保証し、たとえ「不法」 にデータを取得したとしても、それを開いて閲覧することは不可能な状態にしている。 三 檔案のデジタル化におけるキーポイントについて この 2 年間の当館のデジタル化の業務経験のなかで、我々は全てのデジタル化作業にお いて、檔案デジタル化の事前処理及び品質検査の段階がキーポイントになることに気がつ いた。

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1.事前処理は、歴史檔案のデジタル化進度と品質の保証に必要な段階 歴史檔案原本の形状、破損状況及び紙の状態は比較的複雑で、スキャン作業がスムーズ にいくためにも、またスキャン後の画像の品質がその後の制作・利用の要求を満たすため にも、スキャン前の処理が大切である。檔案のデジタル化の事前処理には檔案の件数点検 やしわを伸ばしたり修復するという、以下のような若干の段階も含まれる。 (1)檔案の整理目録および檔案備考表をもとに、巻ごと、件ごと、枚数ごとに実物の 檔案と照合して細かく点検し、実際のスキャン画像の大きさに照らして、枚数を数え、電 子目録に画像の大きさを追加し、檔案画像のスキャンと品質保証の根拠とする。 (2)件数点検の過程で檔案がくっついたり、字が圧迫されていたり、紙がもろくなっ ていたり、破損しているなどの状況を詳細に記録し、「受け渡しカード」及び電子目録の 備考欄に記入する。これをもって檔案の実際のスキャン、品質検査の段階における原本の 実際の状況を提示しやすくし、檔案のデジタル化後の画像情報の完璧さを保証する。 (3)件数点検の過程で原檔案に文書が抜けていたり、枚数が欠落していたり、目録の 登記と檔案の実際の状況との相違などが見つかれば、細かく記録し、すぐに関係者に知ら せて解決をはかる。そのことにより、デジタル化における檔案の安全性と各段階のスムー ズな流れを保証する。スキャン前の処理を行うことで、作業員のスキャンの準備時間を短 縮することができ、同時に檔案原本の安全、デジタルスキャン化の進行と画像品質におい て重要な役割を果たすことができるのである。 2.厳格な品質検査は歴史檔案デジタル化の生命線 歴史檔案のデジタル加工の最後の段階として、品質検査作業には非常に重要な役割があ り、それは檔案デジタル化の生命線だといえる。歴史檔案の貴重性と復原不可能性から檔 案原本に対処するにあたっては慎重に慎重を重ねなければならない。檔案原本は書庫から 加工現場まで、その取り扱いに関わる部門が多く、受け渡し時にはを詳細に記録するな ど、一回ごとの加工作業は極めて難しいといえる。このため、デジタル加工は一回で完成し、 一回で基準に達しなければならず、(檔案を)二重に取り扱ったり、重複して加工したり することを減少させなければならない。 そこで、我々はこの段階に三つの関門を設置した。すなわち、委託業者の画像処理技術 の品質検査、檔案原本の 100%の照合検査、成果物の抜き取り品質検査である。成果物の 抜き取り品質検査の過程では、検査ソフトに常に改良を加えることで、抜き取り検査のカ バー率を 90%以上に達成させ、さらに品質検査のカバー率と効率を最大限に引き上げ成 果物であるデータの品質が目標に達することを保証した。同時に、業者による品質検査に

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おいて 100%檔案原本と対照させることで、加工過程での檔案情報の部分的な漏れを抑え、 デジタル化スキャン画像および成果物のデータ情報の完全性を保証し、檔案デジタル化の 品質の最終的な規準達成を確保することになるのである。 ※本稿は 2013 年 11 月8日(金)、平成 25 年度沖縄県歴代宝案編集委員会において、中国第一 歴史檔案館の徐杰複製処副処長が行った報告「浅談歴史檔案数字化幾点注意事項」の翻訳である。 教育長表敬(2013 年 11 月 7 日)  前列左:徐杰氏 中央:諸見里明敎育長 右:王少芳氏 平成 25 年 沖縄県歴代宝案編集委員会(2013 年 11 月 8 日)  左:徐杰中国第一歴史檔案館複製処副処長 右:王少芳整理処二科科長 

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