土 木 情 報 支 援 シ ス テ ム の 研 究 活 動
東京理科大学理工学部 教授 大林 成行 建 設分 野 は、 コ ンピ ュ ータ や そ の周 辺 機 器 を 中心 に した エ レク トロニ ク ス技術 を高 度 に 利活 用 し て い る分野 の1つ で あ る。 最 近 で は、 従来 か らの数 値処 理 に加 え て、 図 面 や 写 真 とい つた非 数 値 デ ー タ も同 時 に扱 う こ とが出 来 るよ うにな る と と もに 、 デ ータ通 信 の概 念 も加 わ り、情 報 の収 集 ・蓄 積.利 用 の面 で建 設 技術 の高 度 シス テ ム化 に大 き な夢 と可能 性 を 与 え て くれ る よ うに な って きた 。 建設 事 業 の 省力 化 ・効 率化 へ の主 役 と して 、 建設 事 業 を 支援 す る各 種 情報 の処 理 や 利 用技 術 が 不 可 欠 の要 素 と成 りつ つ あ る。 一方 、建設事業は調査 ・計画か ら設計、施工、維持管理、運営 へと連な り、 さらには、 この一連 の流 れ の 中で 統 一 した情 報 管理 を 行 う こ とに よ って 、 そ れぞ れ の作 業 段 階 に お け る手 法・工 法、 手 順 等 の い わ ゆ る建 設技 術 の 活 用 に有 効 な情 報 を提 供 す る と ともに 、必 要 に応 じて個 別 の作 業 工 程間 の調 整 が 行 われ る とい った体 系(シ ス テム)と 考 え られ る。 また 、 建設 事 業 にお け る各作 業 工 程 で は、 それ ぞ れ の現 場 作業 と情 報 管理 作 業 が 表 裏一 体 の形 で 進 め られ て お り、 省 力 化 や 効 率化 の もと に各 作 業 工 程 単位 で 解 決 され る要 素 も多 い。 多 額 の開 発 費 用 を投 入 して 開 発 ・整 備 され て きた これ らの個 別 システ ム は建 設事 業 とい った大 き な枠 組 み の 中 に あ りな が らそれ ぞ れ の ニ ー ズに 応 じて バ ラバ ラに機 能 して い る場 合 が多 い。 時 代 の流 れ は好 む と好 まざ る にか か わ らず コ ンピ ュ ータ システ ム や ネ ッ トワ ー ク シス テ ムを 駆使 した高 度化 社 会 に向 か って 進 ん で い る。 情報 化 社 会 が 高度 化 す るに従 い、 社 会 の あ らゆ る シス テム が 巨大 化 ・多様 化 ・複 雑 化 の方 向 に向 か う と と もに、 その結 果 と して 、混 沌 ・不 統 一 ・非効 率 が 生 じて くる こ とに な る。国 民生 活 と密 接 な関 係 を もつ建 設 事 業 も例 外 で はな い。 す なわ ち、 異 な った ベ ク トル を 有 して個 別 に機 能 して い る多 くの シス テ ムを 「シ ステ ム統 合 」 とい う求 心 力 に よ って時 代 や 技術 あ るい はニ ー ズの変 化 に対 応 出来 る トータ ル と して の 目標 に融 合 化 ・体 系 化-統 合 化 して い くこ とが重 要 な 課題 にな って き た。 土木 情 報 支 援 シス テ ム関 連小 委員 会 活 動 の 目標 も ここに あ る。 建 設事 業 を支 援 す る一 連 の情 報 管 理 に は、 省 力 化 ・自動 化 ・無 人化.ロ ボ ッ ト化 とい った機 器 の 改良 ・開 発 に依 存 す る分 野 と コ ン ピュ ー タ シス テ ムを 主 体 に した情 報管 理 や デ ー タベ ース ・マ ネ ー ジメ ン ト.シ ス テ ムに 支 え られ た デ ー タ ベ ース に関 連 した シス テ ム開 発 の分 野 の2つ が あ る。 両 者 を 明確 に区 別 す る こと は難 しいが 、本 小 委 員 会 で対 象 とす るの は後 者 の方 で あ る。 具 体 的 に は 、研 究 ・行政 ・営 業 活動 等 の 活動 を含 ん だ建 設 活 動 の な かで 取 り扱 わ れ る全 て の 土木 情 報 で あ る。 す な わ ち、 建 設 活動 にお ける各 作 業 工程 の中 で 取 り扱 われ て い る土 木 情 報 の 質 と量 につ いて 明 ら か にす る と と もに、建 設 活 動 全体 で の 土木 情 報 の在 り方(収 集 、 蓄積 、 処 理/加 工、 検 索 、 表 示 、 伝 達 、 等 々)に つ いて検 討 ・整 理 した上 で 、将 来 の土 木情 報 の在 るべ き姿 を模 索 しよ う とす る もの で あ る。 よ り具体 的 な 内容 と して は、 以 下 の3項 目 に集 約 して考 え る こ とが 出来 る。 (1)調 査 ・分 析 作 業:建 設 活 動 で の調 査 ・計 画 、設 計 、 施 工、 維 持 管 理 、 運営 の各 段 階 に お け る 土 木 情報 支援 シス テ ムの概 念 を確 立 す る とと もに 、現 状 で のそ れぞ れ の作 業 段 階 に お いて 、 土木 情 報 支 援 シス テ ムが どの程 度 進展 して い るの か、 土 木 情報 支援 シス テ ム に何 を 望 ん で い る のか に つ い て 検 討 す る。 (2)問 題 点 の抽 出 と体 系 化 作 業:調 査 ・分 析 の結 果 を 踏 ま えて 、 そ れ ぞ れ の作 業 段階 お よび 建 設 活動 全 体 の 中 で の土 木 情報 支援 シス テ ム の在 り方 に付 いて 検討 す る。 203―(3)利 用 主 体 、 利 用体 制 、 利用 技 術 等 の提 案:そ れ ぞ れ の作 業 段 階 に適 した土 木 情 報 支援 シス テ ムの 運用 を前 提 に した上 で 、 各 作業 段 階 間 の境 界 領 域 を 通 じて 「土 木 情 報 の在 り方 」 、 「土木 情 報 の扱 い方 」 に関 して 検討 す る。 以 上 の 活動 を推 進 す る た めに 、 昭和60年 度 当初 に3年 間 の研 究 期 聞 を設 定 した 上 で 土木 情 報 シ ス テ ム委員 会 の中 に 支援 システ ム小 委 員 会(委 員 長:大 林 成行)を 設 置 す る とと もに 、 調 査 ・計 画 、 設 計 、 施 工、 維 持 管 理、 技 術 情 報管 理 の5つ の分 科 会 を 組織 した上 で 、 そ れ ぞれ の分 科 会 主査 の も とに2年 間 に渡 って 、資 料 の収 集 ・分 析 、 現 場 見学 、 問 題 点 の討 議 、 等 々、 精 力 的 な 研 究 活動 を行 って きた 。 しか しなが ら、 研 究 会 の 回数 を 重 ね る に つれ て 研 究 内容 も急 速 に広 く深 くな り、 研究 会 へ の参 加 人数 も増 え て きた ことか ら、 昭 和62年 度 に、 それ ぞ れ の分 科 会 を小 委員 会 に 改 組 し、 そ れ ま での 研 究成 果 を ベ ース に して さ らに検 討 ・分 析 を加 え る と と もに5つ の 小 委員 会 間 の調 整 を図 る目的 で 支 援 シス テ ム運 営 委員 会(委 員 長:幹 事 長兼 務)を 組 織 した。 小 委 員会 活 動 を と りま とめ る と下 表 の通 りで あ る。 構 成 委員 数 欄 の( )内 の数 字 は途 中交 代 委 員 の 数 以 上 の研 究 内容 を と りま とめて 「建設 支援 の た め の土 木 情報 シス テ ム」 と して研 究 報 告 書 が 作 成 され て い る(昭 和63年8月)。 報 告 書 はA4版 で600ペ ー ジを越 え る大 部 で あ るが 、3ケ 年 の研 究成 果 の全 容 に 比 べ る と必 ず し もそ の内 容 は網 羅 しきれ て い る もの と は言 え な い。 研 究 の仮 定 で 明 らか に な った問 題 点 の解 明 を 中 心 に、 今 後 の継続 した研 究 内 容 の活 動 方 針 案文 作 成 が 土木 情 報 シス テ ム委 員 会 の幹 事 会 に お い て急 が れて い る。 今 後 共
調 査
・計 画 支 援 シ ス テ ム 小 委 員 会
(株)オ リエ ン タ ル コ ンサ ル タ ンツ 武 長 憲 二 1 研 究 の 経 緯 当小 委 員 会 にお け る 研 究 は、 土 木 建 設 活 動 の 内 の 「調 査 ・計 画 段 階 」に お け る 支 援 シ ス テ ム の あ り方 を 模 索 し た も の で あ る。 調 査 ・計 画 を 明 確 に 位 置 づ け し、 そ の 中 に お け る 情 報 の あ り方 、 収 集 方 法、 蓄 積 及 び処 理 の 仕 方 等 に つ い て 検 討 ・整 理 し、 シ ス テ ム の概 念 と 望 ま し い あ り方 、 体 系 化 に 向 け て の 考 え方 等 を 示 す こ とを 目的 と して 行 っ た。 研 究 活 動 は 以 下 の4段 階 につ い て 実 施 し た。 期 間 は3年 間 と し、 毎 年4段 階 を 一 通 り実 施 して、 順 次 内 容 と精 度 を 高 め て い く と と も に、 支 援 シ ス テ ム 関 連 小 委 員 会 全 体 の 調 和 を 整 え て い く方 法 を と っ た。 研 究 活 動 は、 月1回 の 定 例 会 と 必 要 に応 じ て 開 催 す る 回 数 の ワ ー キ ング に よ り実 施 し た。 (1)現状 の 調 査 と 分 析 (2)調査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の概 念 の 確 立 (3)調査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 問 題 点 (4)調査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 体 系 化 初 年 度 の 昭 和60年 度 は、 土 木 情 報 支 援 シ ス テ ム全 体 に お け る 調 査 計 画 支 援 シ ス テ ム の 位 置 づ け と共 に、 シ ス テ ムの 総 括 的 枠 組 み を 固 め る こ とを 主 眼 と し た。 調 査 ・計 画 の 定 義 お よ び 土 木 建 設 活 動 に お け る位 置 づ け の 確 認 か ら始 め、 調 査 ・計 画 分 野 に お け る 支 援 シ ス テ ム の役 割 と機 能、 必 要 条 件 等 に つ い て 検 討 し、 支 援 領 域 に 基 づ く分 類 に よ り、 調 査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 概 念 を 総 括 的 に 整 理 した。 2年 度 目 の 昭 和61年 度 は、 前 年 に概 括 的 に ま とめ た枠 組 み を も と に、 情 報 の 補 完 と分 析 ・検 討 を 深 め、 具 体 的 計 画 分 野 お よ び計 画 レベ ル に応 じ た調 査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 概 念 の 確 立 を 目指 した 研 究 を 行 っ た。 以 下 の 諸 点 に 留 意 して 枠 組 み の 深 化 を 図 っ た。 (1)何 処 に、 ど ん な 情 報 、 資 料 が あ り、 い か に 入 手 す る か。 情 報 の 所 在 と 入 手 方 法 を 広 く調 査 す る。 (2)汎 用 的 な ア プ ロ ー チ は 困 難 と思 わ れ る の で、 道 路 建 設 に 着 目 し た事 例 研 究 を 中 心 と す る。 (3)メ ー カ ー側 や 、 情 報 保 有 機 関 へ の 提 言 も 整 理 す る。 (4)事 例 見学 を 行 い、 調 査 計 画 に お け る支 援 シ ス テ ム の実 態 を 把 握 す る。 最 終 年 度 の 昭 和63年 度 は、 前2年 度 で 取 り ま とめ た 内 容 を 基 に、 全 体 を 通 した 見 直 し を 行 い、 関 連 小 委 員 会 全 体 の 方 針 に合 わ せ て、 報 告 書 の と り ま とめ を 行 っ た。 と り ま と め に 当 た っ て は、2年 間 の 活 動 で や や 検 討 の 不 足 し て い た情 報 加 工 部 分 の 支 援 に 関 す る検 討 お よび 、 シ ス テ ム イ メ ー ジの 具 体 化 と し ての モ デ ル シ ス テ ム(地 図 情 報 シ ス テ ム お よ び 地 盤 情 報 シ ス テ ム)の 検 討 を 主 と し て行 い,望 ま しい シ ス テ ム の 姿 を 模 索 し た。 合 わ せ て、 シ ス テ ムの 基 本 とな る 共 通 要 素 技 術 の ま と め と将 来 展 望 を 行 っ た。 ― 205―2 研 究 活 動 の 内 容 研 究 に よ り整 理 さ れ た事 項 か ら、 他 小 委 員 会 との 関 連 を 含 め て 調 査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 概 念 に つ い て 概 括 す る。 (1)調 査 ・計 画 の 範 囲 土 木 建 設 活 動 の 流 れ は、 その 活 動 内 容 に着 目 した 場 合 、 図-1に 示 す 形 を 取 るの が 一般 的 で あ る。 「計 画 」 と い う行 為 は 「実 行 」 に先 立 つ 行 為 で あ る た め、 実 行 に到 る 前 提 を 固 め る も の と して、 「設 計 」を も 含 む 概 念 と して 広 義 に と ら え る こ と も 可 能 で あ るが 、 本 研 究 で は、 同 図 中 に 小 委 員 会 との 対 応 を 示 した よ う に、 構 想 計 画(企 画)か ら 建 設 計 画 の範 囲 に 限 定 して 考 え た。 即 ち、 発 意 か ら事 業 化 計 画 を 経 て フ ィー ジ ビ リ テ ィー の 確 認 まで を 「調 査 ・計 画 」の 範 囲 と した。 ま た、 本 研 究 に お け る 調 査 ・計 画 を 次 の よ う に定 義 し、 概 念 整 理 の 立 脚 点 と し た。 (1)「調 査 」:計 画 の 方 針 を 決 め る た め の 判 断 に 役 立 つ 資 料 や デ ー タを 提 供 す る 目 的 で 実施 す る行 為 。 一 般 に は、 土 木 建 設 事 業 の 計 画-設 計-施 工-維 持 管 理 まで の 諸 活 動 を 合 理 的 、 経 済 的 に 進 め る ため に、 各 段 階 で 実 施 す る情 報 収 集 活 動 全 般 を 指 す 広 義 な 概 念 で と ら え て い る。 しか し、 各 段 階 で の 調 査 活 動 は、 そ の 必 要 情 報 の レベ ル 等 の 違 い か ら、 必 ず しも同 一 の 概 念 、 手 順 と して と ら え る こ とが 難 しい と思 わ れ る こ とか ら、 本 小 委 員 会 にお い て は、 「計 画 段 階 」 に お け る思 考 お よ び プ ロ セ スの 各 段 階 で 行 う 「情 報 収 集 活 動 」 を 「調 査 」の 定 義 とす る。 (2)「計 画 」:目 的 設 定 か ら事 業 実 施 計 画 に 至 る 各 プ ロセ ス で 行 わ れ る、 意 志 決 定 に 必 要 な 情 報 の 作 成、 分 析、 加 工 、 評 価 の 行 為 。 図-1土 木 設 計 活 動 の 流 れ お よ び 調 査 計 画 の 範 囲
(2)調 査 ・計 画 支援 シ ス テ ムの 役 割 と機 能 1)「 調 査 」活 動 の 支 援 調 査 行 為 す な わ ち、 情 報 の 収 集 活 動 を 直 接 支 援 す る役 割 で あ り、 目的 に 合 致 す る情 報 を 必 要 な 精 度 で 迅 速 に提 供 す る必 要 が あ る。 支 援 の 深 さ に よ り次 の 各 シ ス テ ムが 考 え ら れ る。 (1)情報 の 所 在 を 教 え る シ ス テ ム (2)情報 そ の もの を 抱 え、 目 的 に 応 じて必 要 な 加 工 を 施 して 提 供 す る シ ス テ ム 2)「 計 画 」活 動 の 支 援 計 画 行 為 す な わ ち、 情 報 の 作 成 、 分 析 、 加 工 、 評 価 を 通 じ た意 志 決 定 の 行 為 を 支援 す る役 割 で あ り、 計 画 行 為 中 の ル ー チ ン ワ ー ク を軽 減 す る と と も に、 意 志 決 定 の 過 程 に お け る 判 断 の よ りど こ ろを 提 供 す る もの で あ る。 一 般 に、 次の ような機 能が要 求 され る。 (1)情報 の 収 集 提 供 (2)解析 手 法 の 提 供 (3)モデ ル 化 手 法 の 提 供 (4)予測 手 法 の 提 供 (5)評価 手 法 の 提 供 (6)結果 の 表 示(プ レゼ ン テ ー シ ョ ン)手 法 の 提 供 (3)調 査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 概 念 調 査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム は、 次 の3つ の 要 素 軸 か ら 構 成 さ れ る空 間 の ど の 領 域 を 支 援 す るか に よ っ て、 その 内 容 と 性 格 が 定 ま る。 (1)業務 の 手 順 軸:調 査-解 析-モ デ ル 化-予 測-評 価 等 の 業 務 レベ ル を 示 す軸 。 (2)計画 の 内 容 軸:港 湾,都 市,道 路 等 の 個 別 分 野 を 示 す 軸 。 (3)計画 の ス テー ジ 軸:発 意-構 想-基 本-整 備-事 業 化-事 業 実 施 等 の 計 画 の 段 階(深 さ)を 示 す 軸 。 (2)軸の 範 囲 が 広 い ほ ど共 通 性 の 高 い共 用 可 能 な シ ス テ ム と な り、(1)お よ び(3)軸の 範 囲が 上 位 に な る ほ ど、 精 度 の 高 い 高 度 な 支 援 シ ス テ ム とな る。 (3)軸が さ ら に 延 長 さ れ た 領 域 が 、 設 計 支 援 シ ス テ ム の 領 域 とな る。 図-2に 、 こ れ ら の 支 援 領 域 で 分 類 し た シ ス テ ム体 系 を 図 示 し た。 土 木 計 画 を 遂 行 す る 上 で 、 我 々が 望 む シ ス テ ム は、 「正 確 か つ 適 度 な 加 工 程 度 の 情 報 提 供 者 」で あ り、 ま た 「人 力 で は煩 雑 な 処 理 の 代 行 者 」 と考 え ら れ よ う。 そ の よ う な 機 能 を 具 備 す る シ ス テ ム に は、 各 次 元 軸 間 の 処 理 業 務 の 共 通 項 を 引 き 出 し た 「処 理 シ ス テ ム の 共 有 化 」 と シ ス テ ム 間 の 「デ ー タ コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン 」が 必 須 と考 え る。 「シ ス テ ムの 共 有 化 」 か ら は 「1次 元 型 →3次 元 型 」 指 向 に、 他 小 委 員 会 の 扱 う領 域 へ の 連 係 とい う点 か ら 「デ ー タ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 を 重 視 す る な ら ば 「Ty pe A-1、 A-2、 B-3→Type B-1、C」 指 向 が 、 今 後 の 望 ま し い支 援 シ ス テ ム 化 の 方 向 と 言 え よ う。
図-2支 援 領 域 で 分 類 し た シ ス テ ム体 系 3 問 題 点 の 提 案 研 究 の 結 果 、 調 査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 体 系 化 へ の 問 題 点 と し て 次 の 諸 点 が 整 理 さ れ た。 (1)情報 の デ ィ ジ タル モ デ ル 化 の 方 法 お よび 精 度 基 準 の 検 討 の 必 要 性 (2)情報 の 質 の 確 保 の た め の 更 新 シ ス テ ム の 整 備 の 必 要 性 (3)デー タ の 公 開 とセ キ ュ リ テ ィー,互 換 の 確 保 (4)通信 ネ ッ トワー ク 等 利 用 環 境 の 整 備 と利 用 の 普 及 ・拡 大 へ の 努 力 (5)ハー ドウ ェ ア の 低 廉 化 と 利 用 ソ フ トの 拡 充 (6)AIや 画 像 デ ー タ ベ ー ス 技 術 な ど の 共 通 要 素 技 術 の 向 上 と 一 般 化 調 査 ・計 画 支 援 シ ス テ ム の 体 系 化 は、(A)情 報 の 体 系 化 と(B)利 用 方 法 の 体 系 化 の2面 か ら図 る必 要 が あ り、(A)に 対 して は 上 記(1)∼(3)への 対 応 が,(B)に 対 し て は(4)∼(6)への 対 応 が 望 まれ る。 しか し、 情 報 提 供 者 側 ば か り を体 系 化 す る だ け で は 十 分 で な く、 利 用者側 の教 育や公 的 機 関 の 関 与,メ ー カ ー の 協 力 等 が あ い ま っ て真 の 体 系 化 が 図 ら れ る も の で あ る。 ま た、 土 木 情 報 シ ス テ ム は、 単 に 計 画 ・設 計 ・施 工 等 土 木 の 専 門 家 の 活 動 の み を 支 援 す る シ ス テ ム に と ど ま るべ きで な く、 広 く国 土 の 利 活 用 を 最 適 化 す る手 段 と して、 行 政 ・産 業 ・地 域 社 会 が 互 い にか か わ りあ っ て 発 展 す べ き も の と考 え る。
設 計 支 援 シ ス テ ム 小 委 員 会
(株)横河技 術 情 報 花 村義 久 1.研 究 の経 緯 本 研 究 の 目 的 は 、 設 計 支援 シ ステ ム の考 え方 、 機 能 、形 態 な どに 関 し、 求 め られ るシ ス テ ム の要 件 を 明 確 に し、 シ ステ ム体 系 とし て と ら え た上 で将 来 を展 望 し、 今 後 の 進 むべ き 方向 を探 る こ とに あ っ た。 この研 究 を推 進 す るた め に 、 まず ア ンケ ー トを 中心 とす る 土木 で の シ ス テ ム化 に関 す る 調査 ・分析 を行 っ たが 、 それ に よる とシ ス テ ム化 は い ろい ろ な 分野 で幅 広 く取 り組 ま れ て い るも の の 、 ま だ充 足 度 は低 く、 ソ フ トウ ェ アは 無秩 序 に 開 発 され て い て 、 シ ス テ ム 化 に よる効 果 は 全体 的 に見 る と十 分 とは 言 えな い状 態 とな って い る。 しか し、 変 化 し高 度 化 す る社 会 お よび 技 術 的 な背 景 か ら、設 計 部 門 で の シ ステ ム化 の 推 進 は 強 く求 め られ 、 そ の 成 果 が期 待 され て い る。 これ らの基 礎 調 査 を 踏 ま えた 上 で 、本 小 委 員 会 で は 、具 体 的 な業 務 の分 析 を行 っ て設 計 の 流 れ を正 確 につ か み 、 これ に 関 す る情報 を洗 っ て 分 類 ・整 理 し、 これ らの関 連 か ら設 計 支 援 シ ス テ ムの 体 系化 を試 み た 。 2.研 究 活動 の内 容 設 計 支 援 シス テ ム を体 系化 す る に あ た って 、 シ ス テ ム分 析 の対 象 とし たも の は、 広 義 の 道路 設 計 、 す な わ ち道 路 と道路 に付 帯 す る構造 物 で あ る。 設 計 業 務 の分析 として は 、構 造物 で は橋 梁 上 下 部工 を中心 に、 そ の計 画 設 計 、比 較 設 計 、 概 略 設 計 の それ ぞ れ の 流 れ を詳 細 に 調 べ た 。 一方 、 道 路本 体 の設 計 作業 に つ い て は 、道 路 幅 、 道 路 線形 、 土工 舗 装 、排 水 施 設 、 交 差 形 状 の 設 定 に つ い て分 析 した 。 これ ら設 計 作 業 はそ の 流 れ に そ って細 分 化 し、 設計 プ ロセ ス と して定 義 し た 。 技 術 情 報 の 整 理 と して は 、収 集 整 理 し た設 計 関 連 情 報 につ いて の 分 析 の 経緯 を 追 い な が ら検 討 お よび 考 察 した 。 また 、設 計 プ ロ セ ス をも とに 情 報 を洗 い出 し、 その 内 容 、 性 格 に よ りグ ルー プ 化 を行 な い、 デ ー タ クラ ス(情 報 群)の 定 義 を行 っ た 。 設 計 プ ロセ ス とデ ー タ ク ラ ス を 関 連 付 け 、設 計 支 援 シ ス テ ム の全 体 像 をサ ブ シ ステ ム の 相 互関 係 に よ り体系 化 し たも の を図 に示 す 。 各 サ ブ シ ステ ムに つ い て は 、 コ ン ピ ュー タ ハ ー ドウ ェア や ソ フ トウ ェア の 内部 構 成 を示 し、 シ ステ ム イ メー ジが 把 握 で き る程 度 に 具 体化 した 。 これ らサ ブ シ ス テ ム は 道路 設 計 用 と構 造 物 設 計用 で異 な る も のも あ る 。例 えば 、 設 定 支 援 シス テ ム で は 両 者 に 内 容 的 な 差 異 が あ り、道 路 で は構 造 物 以 上 に 中心 的 な支 援 シ ス テ ム とな る。 また 、 構 造 解析 支 援 シ ス テ ム は構 造 物 特 有 の も の で あ ろ う。一 方 、技 術 文 書 作 成 支 援 シ ステ ム や 図 面 作 成 支 援 シ ス テ ム は 、 そ の基 本 機 能 を 共 通 の も の と考 え る こ とが で き る 。た だ、 これ らは 多 様 な設 計 環 境 の 存 在 す る 中 で 、特 定 の 条 件 を 設定 した わ けで は な く、 そ の意 味 で はか な り理 想 化 され て お り、将 来 的 なイ メー ジ を含 むも の で あ る。 また 、 以 上 の よ うな支 援 シス テ ム を構 築 す る上 で 必 要 とな る要 素 技術 に つ い て も 、 そ の 概 要 を調 査 し、整 理 した 。 ― 209―図.設 計 支 援 シ ス テ ム の体 系 図 3.問 題 点 の 提 案 土木 全体 か ら、将 来 に 向 け 展 望 す る と、 調 査 ・計画 か ら設 計 、施 工 、 維持 管 理 まで の 各 分 野 の支 援 シ ステ ム が総 合 的 に体 系 化 され る必 要 が あ る。 全体 の シ ス テ ム は個 々の シ ス テ ム が デ ー タ ベ ー ス で 有 機 的 に結 び 付 く こ とに よ って 機 能 す るも の で あ る が、 各 シ ステ ム 間 の イ ンタ ー フ ェー ス や デ ー タ ベ ー ス の 内 容 が 明 確 に され る と とも に主 要 なも の に つ い て は 標 準 化 され る こ とが 望 ま れ る。 これ に よ って 、 い ろ い ろ な とこ ろで 開 発 され る シ ステ ム が互 いに 結 び付 く形 が とれ る こ とに な ろ う。 また、 一般 に提 供 され る汎用 的 な シ ステ ム は、特 定 の分野 、工 事 、 あ る いは 特定 の企 業 、 設 計者 の事 情 に 合 っ た形 に は な って い な い 。 ユ ー ザ ー は この 特定 の 部 分 を 全体 の シ ス テ ム の 体系 の中 で 、 自由 に ソ フ トが組 め る必 要 が ある 。 コ ン ピ ュー タ の高 度 な 処 理 能 力 や 膨 大 な 記 憶能 力 と、 人聞 の優 れ た 判 断 力 、創 造性 が一 体 とな って機 能 す る シス テ ムを 実 現 す るに は 、高 度 な マ ン ・マ シ ン ・イ ンタ ー フ ェー ス を 確 立 す る必 要 が あ る 。 そ の 場 合 に は 、 コ ン ピ ュ ー タ ・グ ラ フ ィ ッ ク ス に よ る視 覚 的 な表 現 ・操 作 ・メ ニ ュー の配 置 な ど人 間 工 学 的 な アプ ローチ が 重 要 で あ る 。 現状 で は 、手 作 業 に よ る地 形 情 報 の 入 力 が 隘路 とな る こ とが 多 い 。 自動 読 み 取 り装 置 の 開発 が 進 ん で い るが 、 き らに 高 度 な 図 形 認 識 が可 能 とな れ ば 、 シ ス テ ム の効 率 は飛 躍 的 に 向 上す るで あ ろ う。 と くに土 木 で は不 確 実 な要 因 が 多 く、 経 験 的 な 判断 を 必 要 とす る ケ ー ス が 多 い 。 シ ス テ ム が技 術 者 の知 識 をベ ー ス に した 推 論 に よ る判 断 を 備 えれ ば 、非 常 に 高 度 な シ ス テ ム を実 現 で き る こ とに な る 。エ キス パ ー トシ ス テ ム を設 計支 援 シ ス テ ム に組 み 込 む こ とも考 え ら れ る 。
施 工 支 援 情 報 シ ス テ ム 小 委 員 会
三井建 設㈱ 梅 園 輝彦 1.研 究 の 経 緯 研 究 に 当 た っ て は 、 施 工 支 援 情 報 の 利 用 者(発 注 者 、 エ ンジ ニ ア 、 施 工 者)を 特 定 した り、 施 工 業 務 フ ロ ー の ステ ッ プ(施 工 計 画 時 、 施 工 時 、 竣 工 時 、 等)を 特 定 した りす る 事 な く、 これ ら全 て に お いて 必 要 と され るで あ ろ う支 援 情 報 に は、 如 何 な る も の が あ る か を 先 ず 探 求 す る こ と と した 。 そ して 、 施 工 に 欠 か せ ぬ 各 種 情 報 の 中 か ら、 広 く土 木 界 で 共 用 で き、 か つ 利 用 性 の 高 い情 報 を 見 い だ し、 情 報 の 仕 様 、 精 度 、 取 り扱 い 方 な ど を 標 準 化 、 シ ステ ム化 す る た め の 方 策 を 検 討 す る こ と と した 。 施 工 支 援 情 報 シ ステ ム小 委 員 会 の 研 究 活 動 は 次 の3段 階 を へ た。 第1段 階(昭 和60年4月 ∼61年3月) 施 工 支 援 に 欠 か せ な い 情 報 を抽 出 す る。 第2段 階(昭 和61年4月 ∼62年5月) 抽 出 し た 施 工 支 援 情 報 の 現 状 を 分 析 し、 標 準 化 、 シ ス テ ム 化 に 当 た って の 問 題 点 を 検 討 す る。 第3段 階(昭 和62年7月 ∼62年5月) 分 析 し検 討 さ れ た 施 工 支 援 情 報 の 「質 」 、 「伝 達 方 法 」 な ど に関 す る体 系 化 を試 み る。 2.研 究 活 動 の 内 容 (1)業 務 フ ロ ー と情 報 施 工 業 務 は 、 通 常 工 事 入 手 に係 わ る業 務 か ら始 ま り、 竣 工 業 務 で 終 わ る と 言 わ れ る。 こ こで は、 竣 工 後 引 渡 しを終 え た構 造 物 の 工 事 責 任 に 係 わ る業 務 や 、 工 事 の施 工 経 験 を 他 の 工 事 に活 用 す る業 務 を も 、 施 工 業 務 の 一 貫 と して扱 う こ と と し た 。 施 工 業 務 フ ロ ー と情 報 を表-3.1に 記 す 。 表 一3.1 施 工 業 務 フ ロ ー と 情 報 211―(2)施 工 支 援 情 報 と分 類 第1か ら第3業 務 分 野 別 に 支 援 情 報 例 を 述 べ た が 、 こ れ ら情 報 の 利 用 時 期 は 必 ず し も業 務 区 分(業 務 フ ロ ー)に 則 る も の で は な い 。 す な わ ち 施 工 支 援 情 報 は 、 い つ 必 要 と さ れ て も 対 応 で き る 体 制 の 下 に 準 備 さ れ る こ と が 望 ま しい 。 業 務 分 野 別 に 述 べ た 支 援 情 報 を 一 体 化 し 、 支 援 情 報 と して 要 求 さ れ る品 質 や 機 能 を 抽 出 す る た め 、 表-3.4施 工 支 援 情 報 の 分 類 を 考 え た 。 表-3.4 施 工 支 援 情 報 の 分 類 こ の 分 類 に よ り 、 施 工 に 欠 か せ ぬ 情 報 を5W1H(What,Why.Where,Wheo,Who、 How) に 置 き 換 え て 検 討 す る こ と が 可 能 と な っ た 。 更 に 、 施 工 支 援 情 報 を1次 、2次 、3次 に ブ レ イ ク ダ ウ ン し、 情 報 の 階 層 化 が 図 れ る か 否 か の 検 討 も 可 能 と な っ た 。 これ ら2つ の 検 討 は 、 支 援 情 報 の 標 準 化 、 シ ス テ ム 化 を 進 め る 上 で 重 要 な こ と と い え る 。 (3)体 系 化 に 当 た っ て 施 工 に 欠 か せぬ 支 援 情 報 を 、 自然 条 件 に 係 わ る情 報 、 法 規 、 慣習 に係わ る情 報、経 済 に 係 わ る情 報 、 工 事 内 容 に 係 わ る情 報 、 の4つ に1次 分 類 し た。 自然 条 件 と経 済 に 係 わ る情 報 に つ い て は、 公 の 機 関 や 出 版 社 な ど か ら、 標 準 化 さ れ た 図 書 と か、 コ ン ビ ュー タ の 出 力 デ ー タの 様 式 で、 活 用 で き る支 援 体 制 が 整 いつ つ あ る。 施 工 支 援 情 報 の 利 用 状 況 に つ い て の ア ン ケ ー トで は 、 工 事 実 績 に 係 わ る 資 料 の 利 用 度 が 高 か っ た 。 これ ら よ り、 施 工 支 援 情 報 を シ ス テ ム 小 委 員 会 と して 体 系 化 に関 す る研 究 は、 法 規 ・ 慣 習 に 係 わ る情 報 体 系 、 工 事 実 績 情 報 検 索 シ ス テ ムの2つ を 対 象 と した 。
(4)施 工 支 援 情 報 シ ス テ ムの 体 系 化 例
例1現 場事 務所に必要 な法規
例2ト ン ネ ル 工 事 情 報 検 索 シ ス テ ム よ りの 出 力 例
3.問 題 点 の 提 案 施 工 業 務 に 携 さわ る 現 場 マ ン の 立 場 か ら 、 「利 用 しや す い 施 工 支 援 情 報 シ ス テ ム と は 何 か 」 を 考 え て み る 。 一 般 に 利 用 し や す い 情 報 シ ス テ ム と し て は 、 早 く 、 正 確 な 情 報 の 提 供 が必 要 と な る が 、 そ の 他 に 、 専 門 で 豊 富 な 情 報 を 持 つ て い る か 、 情 報 の 提 供 の 方 法 は 、 出 力情 報 の 様 式 ・見 栄 え な ど 、 情 報 に 対 す る ニ ー ズ は 益 々 多 様 化 の 傾 向 に あ る 。 5つ の 分 類 項 目(自 然 条 件 、 法 規 ・慣 習 、 経 済 、 工 事 内 容 、 施 工 技 術)か ら な る施 工 支 援情 報 の 提 供 元 と し て は 、 非 常 に 多 く の 機 関 や 組 織 が 存 在 す る 。 コ ン ピ ュ ー タ を 初 め と す る情 報 処 理 機 器 の 発 達 や 、 情 報 産 業 の 発 展 と 共 に 、 情 報 提 組 織 は 其 の 数 を 増 し 、 そ こ で 扱 わ れ る 除 法 の 量 も 質 も 格 段 に 充 実 し て き た 。 本 章 で は 、 施 工 支 援 情 報 シ ス テ ム の 利 便 性 を 判 断 す る 数 々 の 基 準 の 中 か ら、 情 報 提 供 元 に つ い て 考 え る こ と と した 。 (1)情 報 提 供 元 は 集 約 化 す る か 近 代 成 長 の 著 し い 情 報 提 供 元 は 、 一 元 化 の 方 向 に 進 む の か 、 あ る い は 分 散 化 の 方 向 に 進 む の か を 次 に 考 察 す る 。 ①5つ の 分 類 項 目 に 情 報 の 提 供 元 は 集 約 化 し て い くで あ ろ う。 現 場 マ ン の 意 向 と す れ ば 、 一 個 所 の 情 報 元 に 連 絡 を 入 れ る と 、 す ぐに 必 要 情 報 が 届 い て くる こ と を 望 む 。 要 求 に 対 す る 情 報 の 応 答 速 度 は 、 現 場 の 作 業 速 度(作 業 量/〔 準 備 期 間 +余 裕 期 間+実 稼 働 期 間))よ り早 くな い と い け な い 。 応 答 が 遅 い た め 作 業 が 運 れ 、 全 体 工 程 に 支 障 を き た す よ う で は い け な い 。 こ れ ら よ り 、 作 業 速 度 を パ ラ メ ー ク と した 情 報 の 集 約 化 や 情 報 提 供 元 の 集 約 化 は 進 む と 考 え る。 ② 自 然 条 件 の 情 報 提 供 元 の 集 約 化 は 困 難 で 、 自 然 条 件 に 係 わ る 情 報 提 供 元 や 、 情 報 管 理 者 の 大 半 は 国 家 機 関 で あ る 。 機 関 相 互 で の 情 報 の 受 け 渡 し や 、 機 関 外 へ の 情 報 の 流 出 に は 、 民 間 情 報 以 上 の 節 度 が 必 要 で あ る 。 す な わ ち 現 場 マ ン の 情 報 ニ ー ズ は 最 優 先 さ れ な い 。 (2)情 報 の 精 度 と サ ー ビ ス の 度 合 い は 益 々 向 上 して い く で あ ろ う 情 報 の 精 度 と サ ー ビ ス の 向 上 な く して 、 施 工 分 野 の 効 率 向 上 は 考 え ら れ な い 程 、 施 工 業 務 遂 行 に 情 報 は 欠 か せ な い も の と な っ て い る 。 適 切 な サ ー ビ ス 機 関 の な い 法 規 ・慣 習 に 係 わ る 情 報 、 組 織 外 の 情 報 サ ー ビ ス 機 関 荷 全 て を 委 ね る わ け に い か な い 工 事 内 容 に 係 わ る 情 報 に 関 し て は 、 本 研 究 報 告 を 参 考 戴 き 、 組 織 内 で 情 報 の 精 度 と サ ー ビ ス 向 上 へ の 努 力 が 肝 要 か と 考 え る 。 (3)工 事 窯 績 情 報 の 公 開 は 進 む か 工 事 内 容 に 係 わ る 情 報 の 内 、 工 事 実 績 情 報 は 、 第IV編 の 維 持 管 理 シ ス テ ム の 段 階 へ 引 き 渡 す 重 要 な 情 報 で あ る 、 現 在 、 工 事 の 竣 工 図 書 は 、 一 部 を 除 き 公 開 情 報 と な っ て い な い 。 今 後 、 地 下 利 用 が 益 々 必 要 と な る大 都 市 に お い て 、 其 の 国 際 化 を 迎 え る建 設 界 に お い て 、 ま た 、 公 共 構 造 物 災 害 の 天 災 か 人 災 か を 論 じ る 面 に お い て も 、 工 事 実 績 情 報 の 扱 い は 大 切 な こ と と い え る 。 こ こ で の 扱 い と は 、 公 開 し得 る 情 報 と 、 公 開 しに く い 情 報 の 区 別 で あ る 。 工 事 実 績 に 関 し て 、 公 開 情 報 が 少 な け れ ば 少 な い 程 、 情 報 の 向 上 は 難 し い 、 サ ー ビ ス 体 制 は 充 実 し な い 非 公 開 情 報 に つ い て 、 公 開 す る こ と に よ る 社 会 的 メ リ ッ ト、 デ メ リ ッ トに つ い て の 検 討 が 大 切 か と 考 え る 。
維 持 管 理 支 援 シ ス テ ム 小 委 員 会
清水建設(株) 比奈地 信雄 1.研 究 の経 緯 明 治 時 代 以降 、我 国 の 近代 化 と共 に 土 木構 造 物 の 数 は 増 加 の一 途 をた ど って き た 。戦 後 の 高 度 成 長期 には 文 字通 り列 島改 造 とい う言 葉 に ふ さわ しい建 設 ブー ム とな り、土 木 構 造 物 は 急 速 に そ の数 を増 や して い った 。 これ らの 土 木 構 造 物 の機 能 低下 は 社 会 的 に大 きな 影 響 を与 える よ うにな り、こ の 多数 の 構 造物 の維 持 管 理 が 各 方面 か ら重 要 な 課 題 と して と り あ げ られ る よ うに な った 。そ こで維 持 管 理 を効 果 的 に実 施 す るに は如 何 にす べ きか とい う 観 点 に立 ち 、維持 管 理 業 務 を情 報 と い う視 点 か ら検 討 を行 な い 、次 の 二 つ の 事 項 を 明 らか にす る こ と を 目的 と した 。 (1)維 持 管 理 の段 階 で 必 要 な情 報 は 何 か 。ま た 、 この 段 階 で 発 生 し 他 の 段 階 ヘ フ ィー ドバ ッ クさ れ 、活 用 され る情 報 は 何 か 。 (2)現 在 の 維 持管 理 で問 題 とな って い る点 は 何 か 。将 来 の 維 持 管 理 の あ るべ き姿,維 持 管 理 に必 要 な情 報 の 在 り方 は ど うで あ るか 。 本 小 委 員 会 は 、維 持 管 理 段 階 の情 報 の あ り方 につ いて 研 究活 動 に取 組 み 、 まず 維 持管 理 の 現状 につ いて 各 企業 体 の 実 施 事 例 を もと に調 査 し 、現 状 把 握 を行 った 。維 持 管 理 業 務 の 増 大 、構 造 物 の 欠 陥 に対 す る社 会 的責 任 等 社 会環 境 の変 化 を討 議 しな が ら、土 木 構 造 物 を 維 持 管 理 して い る各 官 公庁 の 管 理 の 仕 組 みや 基 準 を具 体 的 に調 査 す る と と もに 、維 持 管 理 業 務 の 問題 点 を検 討 した 。 図-1維 持管 理 の 役 割 ―215―さ ちに 、維 持 管 理業 務 の範 囲 、役割 につ いて も討 議 し、それ に係わ る情報にどの よ うな 種 類 が あ り、 どの 様 な項 目 につ いて 検 討す べ きか 基 本 的 な考 え方 を ま とめ 、維持管理の役 割 、機 能 につ いて整 理 した 。(図 −1参 照)同 時 に 、支援 システム検討小委員会 と して 「企 画 、計画 」のステ ップか ら 「維持管理 」まで共通のテーマで一貫 した研究活動 を行 う と い う こ とか ら 、検 討 の 対 象 を道 路 ・鉄 道 等 の長 細 い構 造 物 に限 定 した 。維 持 管 理 を考 え る場 合 、道 路 ・鉄 道 構 造 物 と言 って も切 盛 部 、 トン ネル 部 、橋梁 部 と複雑 多岐に渡 ってお り、す べ て につ いて 検討 す る こ とは 時 間 的 に も、 また 、マ ンパ ワー 的 に も不可 能で あ った こ とか ら構造 物 の種 類 を絞 り、橋 梁 部 と舗 装 を重 点 的 に 取 上 げ る こ と と した 。本 小 委 員会 で は 、橋 梁 構 造 物 と舗 装 を対 比 させ な が ら討 議 を行 い 、維 持 管 理 の 機 能 、役 割 等 両 者 に 共 通 す る点 につ いて は 全 員 で と りま とめ 、構 造 物 特 有 の テ ー マ につ いて は グ ルー プ で と りま とめ た 。 先 に述 べ た 維 持 管 理段 階 で の 「必 要 な情 報 」、 「発生 す る情 報 」 、 これ らの 情 報 を活 用 しての 「維 持 管 理 のあ るべ き姿 」、 「維 持 管 理情 報 シス テ ム の あ り方 」等 につ いて 具 体 的 に示 す こ とが 望 ま しいが 活 動 が 緒 につ いた ば か りで あ るの で 、維 持管 理 支 援 シス テ ム の 概 念 を ま とめ る こ とに努 力 す る こ と に した 。 2.研 究 活 動 の 内容 維持管理に係 わる情報を検討す るために現在実施 されてい る維持管理業務 を各企業体毎 に調査 した。各企業体毎 に独 自の業務処理体制 と維持管理基準 を持 ってい るが基本的な業 務の流れ は共通 してお り、同 じ基盤での検討 が可能であ るとの認識が得 られた。 そ の結 果 を も とに 維 持管 理 業 務 の 流 れ を橋 梁 構 造 物 を対 象 に し て ま とめ 、各 業 務 の ス テ ップ ご とに どの 様 な 情 報 が利 用 され て い るか を洗 い 出 した 。(図 −3 参 照) 又 、維 持 管 理 に 関す る研 究 が 進 ん で いる 舗装 工 事 を と ら え 、快 適 さ 、迅 速 さ等 のサ ー ビス 性 能 評 価 指 数 、 ラ イ フサ イ クル コ ス ト、寿 命 予 測等 を ど う考 え るべ きか を整 理 し、舗 装 の維 持 管 理 の 為 の デー タバ ン クの検 討 を行 った 。(図 −2) 図 −2舗 装 デ ータ バ ンクの 運 用 構想 例 (建設 省 地方 建 設 局)
図 −3橋 梁 にお け る維 持 管 理 の 流れ
3.問 題 点 の提 案 維 持 管 理 の 機能 を十 分 に 発 揮 させ るた め に支 援 情 報 シス テ ムが 必 要 とな る。維 持 管 理 の 業 務 は 構 造物 を健 全 な 状態 に保 つ とい う事 か ら構 造 物 の評 価 まで 幅 広 い 範 囲 に及 ん で い る。 これ らの 業 務 は数 多 くの 具 体的 な 作 業 が積 み重 な って 構成 され て お り、そ の1つ1つ の 作 業 に的 確 な情 報 が 必 要 とな って い る。業 務 を処 理 す るた め の 情 報 は 必 要 な量 と精 度 の もの が タ イム リー に提 供 され る こ とが 大 切 で あ り、 その 運 用管 理 は 業 務 の 質 や効 率 を左 右 す る 重 要 な項 目 とな って い る 。又 維 持管 理 に必 要 な情 報 は 、構 造 物 を建 造す る過 程 で 作 られ る 情 報 や 供 用時 の 損 傷 劣 化 の進 捗 度 合 等 時 間 の フ ァ クタ ー の入 った デ ー タが 多数 あ り、収 集 、 整 理 に 時間 と手 間 が か か り、 これ らの情 報 を収集 蓄 積 す る仕 組 を整 備す る こ とが 重 要 な 課 題 であ る 。 維 持 管 理業 務 で活 用 され る さ ま ざ まな情 報 は そ の 業務 の 中で 収 集 、蓄 積 され る もの もあ るが そ の大 部 分 は 上 流 の調 査 ・計 画段 階 ∼施 行 段 階 で発 生 した 情報 で あ る 。又 維 持 管 理 業 務 を通 して 発生 した 情 報 は以 後 の 同 種 事業(工 事)に 活 用 で き る有 効 な 情報 で あ り、上 流 の 各 段 階 に フ ィー ドバ ックす る仕組 み を整 え るこ とが 大 切 で あ る 。(図 −4参 照) 図 −4維 持管理段階の情報の流れ
技 術 情 報 管 理 支 援 シ ス テ ム 小 委 員 会
(株)建 設 情報 セ ンタ ー 松 本 冨 士 郎 1.研 究 の経 緯 本 委員 会 の機 能 的役 割 上,発 足 当初 か ら,調 査 ・計 画 支 援 シス テ ム,設 計 支援 シス テ ム, 施 工 情 報 支 援 シス テム,維 持 管 理 支援 シス テ ム とい う,他 の4つ の 支援 シス テム に関 す る 研 究 グル ー プ(現 在 は小 委 員 会,以 前 は分 科 会)の 成 果 が 得 られ た段 階,す な わ ち,そ れ らが必 要 とす る情 報 や デ ー タ の種 類 や 内容 が 明 らか に され た段 階 で,こ れ らを 統 括 的 に取 り扱 うた め の技 術 情 報管 理 支援 シス テ ム の構 築 問題 を研 究 しよ う とい う考 え方 を と って き た が,実 際 に は 日程 的,技 術 的 問 題 もあ って,当 小 委員 会 は下 記 の 目標 の も とに研 究活 動 を行 っ た. (1)技術 情 報管 理 支 援 シス テ ム の概念 の 明確 化 と理論 的 ・技 術 的 課 題 の抽 出 と検 討 (2)技術 情 報 管理 シス テム 構 築 の方 法 論 に関 す る研 究 (3)ケー スス タ デ ィ的 実 証研 究(土 質 地 質 情 報 ・工 事実 績 情 報 を 対 象 と して) とい う研 究 活 動 を行 うこ とに よ って, (1)技術 情 報 とは何 か, (2)技術 情 報 の利 用 方 法 の シス テ ム化 の考 え方 は何 処 に あ るべ きか, (3)技術 情 報 管 理 の概 念 の確 立 と シス テ ム化 の方 法 論 の開 発 は何 処 に あ るべ きか, 等 々 を成 果 と今 後 の課 題 と して求 め る こ とに した. 2.研 究 活動 の内 容 初 年 度 にお いて は,土 質 地 質 情報 の提 供 サ ー ビス シス テム の あ り方 を 研 究 対 象 と して と りあ げ た.一 方 本 来 の 技術 情 報 管 理 支援 シス テム化 の検 討 に は工 事 実績 情 報 の検 討 が 不 可 欠 とな り,併 せ て 研究 活 動 を 行 った.以 下 に研究 内容 の概 略 を 示 す. (1)土質 地 質情 報 に関 す る研 究 内 容 はつ ぎ の よ うで あ る. (1)土質地 質 情 報 の概 念 整 理 利 用 状 況 等 の現状 分 析 (2)土質 地 質 情報 の問 題 点 と有 効 活 用 の検 討 一情 報 加 工作 業 分 析 か らの有 効 活 用 検 討 (2)道路 工 事 実績 情 報 に 関 す る研 究 内 容 (1)工事 実 績 情報 に関 す るア ンケ ー ト調 査 (2)工事 実 績 情報 の現 状-情 報 の発 生 と管 理 ・情 報 の 利用 状 況 (3)工事 実 績 情 報 の概 念-情 報 の分 類 ・情 報 の構 造 (4)道路 工 事 実績 情 報 の将 来像 一情 報 シ ステ ム の整 備 の手段,デ ー タ ベー ス 化 の構 想 (3)技術 情 報 の システ ム花 に関 す る研 究 内容 (図-1シ ス テ ム開 発 の た め の基 本 プ ロ セス) (1)システ ム化 へ の提 言 に あ た って (2)デー タベ ー ス管理 の効 率 性 か らみ た技 術 情 報 の分 類 (3)土質 地 質 情報 の正 規 表現 (4)道路 工 事実 績 情 報 の正 規 表 現 (5)土質 地 質 情報DBと 道 路工 事 実 績 情 報DBと の相 互利 用 (6)デー タ ベー ス を支 え る環境 ―219―(7)位置 情 報 の表現 と処 理 (4)技術情 報 管 理 支援 システ ム概 念 に関 す る研 究 内 容 (図-2技 術 情 報管 理 高 度 化 システ ム概 念 図) (1)建設 プ ロセ ス と技 術 情 報 の 関連 (2)技術 情 報 の収集 整 備 と利 用 の流 れ (3)建設 プ ロセ スに お け る技 術 情 報 の利 用 形 態 図-2技 術情報管理高度化 システム概念図 221―
3,問 題 点 の提 案 (1)調査 研 究 を 通 して,た だ集 めた だ け で機 能 性 や 実用 性 に問 題 が多 い もの が あ る.集 め た後 で論 議 す るの で は な く,集 め る前 に も っ と論 議 す べ きで あ った よ うに思 え る.言 い換 え る と,使 い方 を考 え た適 切 な収 集 フ ォー マ ッ トの検 討,表 現 しや す い必 要 最 低 限 の 正規 化 の た め の基 準 を作 るべ きで あ った.た だ し,今 回 の成 果 にお いて も,備 考 欄 に記 載 した 内 容 は良 い情 報 が多 い. (2)現在 まで の小 委員 会 活動 で,建 設 情報 支援 システ ム の実 態 や 情 報 の在 り方 な ど,そ の 概 念 が とり ま とめ られ た にす ぎ な い.研 究 報 告 の 内容 に つ いて も,本 当 の意 味 で の提 言 ま で に 昇華 され て い る と は言 え な い.さ らに,今 後 の見 通 しにつ い て も不 明 な点 が 多 い.広 く複 合 的,多 面 的 な切 り 口を 行 うた め に は,も っ と,研 究活 動 を 継 続 して行 く必 要 が あ る. (3)報告書 に も述 べ た よ うに確 信 を 持 て な い ま ま に手 探 り的 に研 究 活動 を行 って きた とい うのが 本 音 で あ り,今 後 とも継続 的 に検 討 を 行 い,技 術 情 報管 理 の システ ム化 に対 す る頑 固 た る信 念 や,シ ス テ ム化 の技術 的 方 法 を 確 立 して い きた い と考 え て い る. また,本 報 告 の中 で も統 一 的 な見 解 とな って い な か っ た り,相 互 の関 連 性 に つ いて の考 察 が 不 足 して い る部分(た とえ ば デ ー タベ ー ス構 築 の部 分 な ど が それ にあ た る)も 存 在 し て い るの で,こ れ らの点 も今 後 の 検討 課 題 と して あ げ られ よ う.