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不均一温度場における高温下での熱伝導率測定

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[論文]

不均一温度場における高温下での熱伝導率測定

Measurement Method of Thermal Conductivity

in Non-uniform and High Temperature Field

大村高弘

,石井健登

,田坂太一

,近藤光

,内藤牧男



Takahiro Ohmura, Kento Ishii, Taichi Tasaka, Akira Kondo, and Makio Naito

1.緒言 近年,様々な分野で省エネ対策が講じられているが,中でも 高性能な断熱材の開発は大きな注目を浴びている.断熱材に は様々な種類のものがあり,内部構造と固体形状により,繊維 質断熱材,粉末質断熱材,発泡質断熱材の3 種類に大別でき る。近年では,真空断熱材やナノ粒子を用いた断熱材など,新 たな構造を持つ超低熱伝導率材料が盛んに開発されるように なった[1-3].このような断熱材の開発に欠かせない役割を担 っているのが熱伝導率測定技術である. しかしながら,断熱材の熱伝導率測定にはいくつかの大きな 問題点がある.その一つが,測定可能温度範囲が狭いという問 題である.断熱材の耐熱温度は既に1000℃を超えているもの が多く,中には1500℃以上で使用されているものもある[4, 5]. 一方,断熱材の熱伝導率測定方法として世界的にも使用され ている保護熱板法(GHP 法)[6]は,最高温度でも800℃程度, 常用500℃というのが一般的である.これは,試験体内部に均 一な温度勾配を作るために金属製のヒータ板を使用しなけれ ばならないためである.また,近年,周期加熱法[7]が普及し始 め,常用1000℃での測定が可能になってきたが,非定常法で あるため比熱の測定が必要であり,測定に大きな手間がかか っている.さらに,それらの測定装置が非常に高価であるとい う問題がある.GHP 法では,主熱板の周囲に保護熱板を設置 した複雑な構造をとることで試験体側面からの放熱をできる だけ防いでいる.さらに試験体の形状を対称形で大きくする ことで,試験体内部(主熱板付近)にフーリエ則が成り立つ均 一な温度勾配を作る工夫を施している.また,周期加熱法によ 近年のナノ粒子断熱材や真空断熱材などの高性能断熱材開発において,非常に重要な役割を担う熱伝導率 測定方法に関して,フーリエ則を適用できない不均一な温度勾配が一部に存在するような温度場でも測定で きる方法を提案し,その適用可能な条件を検討した。既に,300mm×300mm の正方形状試験体に対して, 100℃~600℃の温度範囲で適用可能な測定原理と条件を見出している.本報では,150mm×100mm の長方 形状試験体に対して,100℃~900℃の温度範囲で測定可能な原理と条件,装置を提案した.さらに,測定精 度を評価するための無次元数を定義し,精度向上のための測定方法を示すと共に,試験体の大きさと測定精 度の関係を示した.この装置を使って,フュームドアルミナ断熱材の熱伝導率を測定したところ,周期加熱 法の結果に対して±10%以内で一致する値が得られた.

Thermal conductivity measurement is important for the development of high-performance insulation

materials such as nanoparticle insulation materials or vacuum insulation ones. So far, we have developed a

method which can measure the thermal conductivity of a board at non-uniform temperature gradient field

where Fourier rules cannot be applied. Furthermore, the method was applied for 300 mm square specimen

in the temperature ranging from 100℃ to 600℃. In this paper, we have proposed the measurement

principle, conditions and equipment that can measure the thermal conductivity of a rectangular specimen of

150mm×100mm at the temperature ranging from 100℃ to 900℃. In addition, the dimensionless number

for evaluating the measurement error was defined, and the measurement method for improving the accuracy

was developed. The relationship between the size of the specimen and the measurement accuracy was also

made clear. As a result, the thermal conductivities of the nanoparticles insulation material obtained by the

authors agreed within ±10% for the values measured by periodic heat method.

[

Keywords: GHP, thermal conductivity, thermal insulation, Fourier’s low, Periodic heat method]

* 和歌山工業高等専門学校 知能機械工学科,〒644-0023 御坊市名 田町野島77. RD Dept. Intelligent Mechanical Engineering, National Institute of Technology, Wakayama College, 77 Nojima Nada Gobou 644-0023. TEL: +81-738-29-8345

E-mail: oomura@wakayama-nct.ac.jp

**(一財)建材試験センター 中央試験所 環境グループ,〒340-0003 草加市稲荷 5-21-20,Japan Testing Center for Construction Materials. 5-21-20 Inari Soka 340-0003, E-mail; tasaka@jtccm.or.jp *** 大阪大学 接合科学研究所附属スマートプロセス研究センタ

ー,〒567-0047 茨木市美穂ヶ丘 11-1. Smart Processing Research Center, Joining and Welding Research Institute, Osaka University. 11-1, Mihogaoka, Ibaraki, Osaka 567-0047

E-mail: m-naito@jwri. osaka -u.ac.jp

(2)

る測定では,ファンクション・ジェネレータや比熱の測定装置 と言った高価な付帯設備が必要になる. そこで本研究では,このような問題を解決するために,誰も が簡単に安価な装置を自作でき,しかも広い温度範囲で不均 一温度場においても測定可能な新しい測定原理を提案する. 既に先行研究にて,セラミックスヒータを用いて,300mm× 300mm のサイズの試験体を最高温度 600℃までの温度範囲で 熱伝導率測定可能な原理を提案している[8-11].しかしながら, この大きさの試験体をさらに高温にするには,大きな炉が必 要となり,装置が全体的に大型化し,製作費用の高騰や測定に 使用するエネルギーの増大などが予想される.そこで,入手が 容易な市販のセラミックスヒータを使って製作できる装置を 目指して,試験体の形状を円形や正方形状だけでなく,長方形 状のようなものにまで適用可能範囲を広げた測定原理を提案 することにした. 2.熱伝導率測定原理 2.1 試験体厚さ方向の熱伝導率測定 図1 に示すように,ヒータ 1 とヒータ 2 の温度が等しくな る(θh1 = θh2)ようにヒータ2 の温度を制御すると,ヒータ1 で 発生した熱流Q[W]の大部分が試験体内に流入すると仮定で きる.さらに,その熱流Q が,試験体の厚さ方向に流れる熱Qt [W]と,それ以外の方向へ放散する熱流 Qloss [W]の和にな っていると仮定すると, 𝑄𝑄 = 𝑄𝑄𝑡𝑡+ 𝑄𝑄𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙 (1) と表すことができる.このとき,熱流Qloss にはヒータ1 から 試験体を介さないで放熱する熱損失も含まれる.  また,試験体の厚さ方向に流れる熱流Qt [W]に対しては,フ ーリエの法則が適用できると仮定して, 𝑄𝑄𝑡𝑡= 𝜆𝜆𝑡𝑡Δ𝜃𝜃𝑑𝑑 𝑆𝑆 (2) とする.ここで,d は試験体の厚さ[m], S は熱流通過面積[m2], Δθ は試験体の温度差(= θh1θh3[℃],λtは試験体の厚さ方向 の熱伝導率 [W/(m・K)]である. 一方,ヒータ1 から試験体へ流入する熱流 Q については, Q がフーリエの法則と同じ形の式で表されるものとして,温 度勾配Δθ/d と熱流面積S に対して比例すると仮定し,その係 数をλcとすれば, 𝑄𝑄 = 𝜆𝜆𝑐𝑐Δ𝜃𝜃𝑑𝑑 𝑆𝑆   (3) と表すことができる.ここで,λcの単位は[W/(m・K)]である. 一方,熱損失Qlossはヒータ1 から流入する熱流 Q の一部で あると考えることができる.したがって,Qlossを図2 に示す 厚さ方向以外の熱流(熱損失)が発生すると仮定した見かけ の面積Suと試験体の熱流通過面積S との比で表すことが可能 である.加熱面が長方形であるとすれば,面積Suを,中心か ら短軸s に沿っての距離と長軸l のそれとの積で表すことが できる.さらにそれらの距離が,それぞれの軸の面内温度分 布から求まる温度差ΔθlΔθsに比例していると仮定すれば, Qlossは,比例係数をH として, 𝑄𝑄𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙= 𝐻𝐻𝐻𝐻𝜃𝜃𝑙𝑙𝐻𝐻𝜃𝜃𝑙𝑙 (4) と表すことができる.ここで,ΔθlΔθsは試験体高温面の中 心温度と,その面内方向(図2 の l 軸方向と s 軸方向)の温度 分布から得られる積分平均との温度差であり,後述する式(10) と式(11)で定義されている. (1)に式(2),(3),(4)を代入し,変形すると次式が得られる. 𝜆𝜆𝑐𝑐= 𝜆𝜆𝑡𝑡+ 𝑎𝑎∆𝜃𝜃𝛩𝛩𝑙𝑙𝛩𝛩𝑙𝑙 (5) ここで係数a,変数ΘlとΘsを,それぞれ 𝑎𝑎 =𝐻𝐻 ∙ 𝑑𝑑𝑆𝑆 (6) 𝛩𝛩𝑙𝑙=𝐻𝐻𝜃𝜃𝐻𝐻𝜃𝜃 (7)𝑙𝑙 Fig. 1 Cross section of

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𝛩𝛩𝑠𝑠=𝛥𝛥𝜃𝜃𝛥𝛥𝜃𝜃 (8)𝑠𝑠 と置き,さらにx=ΔθΘlΘsと置いて, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 𝜆𝜆𝑡𝑡+ 𝑎𝑎𝑎𝑎  (9) とした.式(9)より,x と λcは直線的な関係を持つことがわか る.したがって,ΔθsおよびΔθl,あるいはΔθ を変化させるこ とで,x と λcとの近似直線が得られ,その切片が試験体の厚さ 方向の熱伝導率λtとなる.測定結果のイメージを図3 に示す. 式(6)に示すように,厚さ方向以外に流れる熱流の係数 H は,(9)の x に対する傾き a に含まれており,厚さ方向の熱伝導λtと分離されている.そのため,実際の測定では試験体面内 のどのあたりの温度分布をとるかによって,係数H あるいは a が多少変化してしまうが,測定原理上,式(9)の切片には影響 がなく,直線の傾きが異なるだけとなる.ただし,式(9)の変数 x の変化範囲を大きくとり過ぎると,厚さ方向の熱流 Qtが大 きく変化してしまい,λtに影響を与えてしまうと考えられる. その適切な範囲については考察にて示す. また,面内に温度分布が存在する状態での測定となるため, 本測定では測定温度を,試験体の高温面温度と低温面温度の 平均温度とした. 2.2 面内方向の温度差 面内方向を代表する温度差を以下のように決定した. 定常状態となった試験体の加熱面上の温度分布を,縦軸が 温度,横軸が試験体中心からの距離r のグラフで示し,それを 多項式近似して積分平均する.その値と試験体中心温度との 差を面内温度差とし,長軸側の面内温度差をΔθl,短軸側のそ れをΔθsとすれば, ∆𝜃𝜃𝑙𝑙= 𝜃𝜃ℎ1−𝑙𝑙1 𝑒𝑒∫ 𝜃𝜃𝑙𝑙(𝑟𝑟)𝑑𝑑𝑟𝑟 𝑙𝑙𝑒𝑒 0   (10) ∆𝜃𝜃𝑠𝑠= 𝜃𝜃ℎ1−𝑠𝑠1 𝑒𝑒∫ 𝜃𝜃𝑠𝑠(𝑟𝑟)𝑑𝑑𝑟𝑟 𝑠𝑠𝑒𝑒 0   (11) となる.ここでleseは試験体中心からそれぞれ長軸側端部, 短軸側端部までの距離,本研究では試験体サイズが150× 100mm であることからle =75mm,se =50mm となる.また,θh1 は試験体中心の温度,θl (r)とθs (r)はそれぞれ長軸側,短軸側の 温度分布を多項式近似した温度分布関数である. 3.測定装置 3.1 測定装置の概要 図4 と図 5 に,それぞれ今回試作した装置とその測定 系の模式図を示す[12].本測定装置は外径 305 mm,内径 203 mm,長さ 152 mm の円筒形のセラミックファイバー ヒータ(ヒータ4, (株) 坂口電熱 VC408A06A)内に 150 ×100mm の長方形のセラミックファイバーヒータ(ヒ ータ1~3, (株)坂口電熱 VF504A06S)と試験体を積み 重ねるだけの簡単な構造である.図5 に示すように,高 温側ヒータであるヒータ2(厚さ 50mm)とヒータ 1(厚 さ20mm),試験体,低温側ヒータとしてヒータ 3(厚さ 50mm)が重ねられている.また,温度制御を行うため

Fig.5 Schematic diagram measurement system. Fig. 4 Schematic diagram of new apparatus. Fig. 3 Image of proposed measurement method

(4)

に各ヒータは,それぞれの温度コントローラー((株)チノ ー SY-2211 -00)で制御され,ヒータ 1 にのみ,その出力 を 記 録 す る た め の ト ラ ン ス ミ ッ タ ー (( 株 )Omron K3FKPPE14P)が設置され,各部温度を測定するための データロガー((株)GRAPHTEC, GL-840M)に接続されて いる.温度測定に使用した熱電対はR タイプ(φ0.13mm) である.また,ヒータ1 と 2,および試験体のそれぞれの側 面と,ヒータ4 の内壁との間に存在する空間には,セラミック ス繊維質断熱材を詰めた.さらに,ヒータ1 と試験体の接触面 およびヒータ3 と試験体の接触面の間には,2 mm~3 mm 程 度の厚さのアルミナシリカ繊維質ブランケットを設置し,熱 電対を設置することによるヒータと試験体の接触面の隙間や, ヒータ内部の熱線の位置による温度分布の偏りを低減させた. そして,試験体表面の温度を測定する熱電対は,このアルミナ シリカ繊維質ブランケットと試験体の接触面に設置した. 測定温度範囲は100℃~900℃である. 3.2 熱電対の配置 試験体各部の温度を測定する熱電対の配置を図6に示 す.図中の×印が熱電対の測温接点の位置を表しており, そこから伸びている線は熱電対の素線を表している.試 験体高温面(ヒータ 1 側の加熱面)の中央に 1 つ,中心か ら短軸方向に 16.7mm 間隔で 2 つ,同じく長軸方向に 18.8mm 間隔で 3 つ,計 6 つを配置した.さらに,試験 体低温面(ヒータ 3 側の冷却面)上の中心に 1 つ設置して いる.また,各ヒータの温度制御用熱電対は,ヒータ1 に対しては試験体高温面中央,ヒータ2 に対しては加熱 面中央,ヒータ3 に対しては試験体低温面中央,ヒータ 4 に対してはヒータ 4 の加熱壁面(内壁)に接触するように 設置した.本測定原理では試験体高温面と低温面の温度 差,高温面上での長軸方向,短軸方向それぞれの温度分 布を解析に用いるため,このように熱電対を配置した. 試験体および各ヒータの表面温度を測定する熱電対 は,素線をむき出しの状態にして,出来るだけ熱電対の 被覆材による放熱あるいは入熱を防ぐようにした. また,ヒータ4 の制御用熱電対は,ヒータ 4 の加熱面 (円筒の内壁面)の高さ方向における中心付近に接触す るように設置した.したがって,ヒータ4 は試験体周縁 の雰囲気温度を決定するものではあるが,試験体側面の 温度を制御しているわけではない. 4.測定方法 4.1 測定及び評価方法 本測定方法では,試験体に一定の温度差を掛けた定常状態 において,厚さ方向とそれ以外の方向への熱流を分離するこ とで厚さ方向の熱伝導率を求めている.具体的には,試験体の 加熱面における温度分布から得られる温度差ΔθlおよびΔθs, あるいは試験体に掛ける温度差Δθ を変化させることで,式(9) の変数x を変化させ,λ-x の近似式を求めてその切片を λtと して厚さ方向の熱伝導率を求めている.特に,本研究における 測定ではΔθ を一定にして,試験体を取り巻く周囲温度を変化 させてΔθlおよびΔθsを変えることでxを変化させて測定した. 提案している測定原理では,測定しようとする所望の温度 に対して,周囲温度をかけ離れた値にしてしまうと,試験体に 入る熱流Q がほとんど厚さ方向以外への熱流 Qlossとなってし まい,式(9)が成立しなくなってしまう可能性がある.そこで, 以下に示す方法で測定の最適条件を抽出して,厚さ方向の熱 伝導率λtを決定した. 4.2 測定条件の最適化方法 厚さ方向の真の熱伝導率をλttと置き,式(9)から得られる厚 さ方向の熱伝導率λtとの差をδλと置くと, 𝜆𝜆𝑡𝑡= 𝜆𝜆𝑡𝑡𝑡𝑡+ 𝛿𝛿𝜆𝜆    (12) と表すことができる.式(12)を式(9)に代入すると, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 𝜆𝜆𝑡𝑡𝑡𝑡+ 𝛿𝛿𝜆𝜆+ 𝑎𝑎𝑎𝑎 ∴ 𝛿𝛿𝜆𝜆= 𝜆𝜆𝑐𝑐− 𝑎𝑎𝑎𝑎 − 𝜆𝜆𝑡𝑡𝑡𝑡 ∴𝜆𝜆𝛿𝛿𝜆𝜆 𝑡𝑡𝑡𝑡= 𝜆𝜆𝑐𝑐− 𝑎𝑎𝑎𝑎 𝜆𝜆𝑡𝑡𝑡𝑡 − 1    (13) Fig. 6 Placement of thermocouples on surface of Specimen.

100

150

16.7

18.8

(5)

を得る.したがって,式(13)を使って,測定精度を評価するこ とが可能である.ここで,真の熱伝導率λttは当然のことなが ら不明なため,数回のパターンで測定を行い,その平均の値λtmλttと仮定した.すなわち, 𝛿𝛿𝑡𝑡𝑡𝑡=𝜆𝜆𝛿𝛿𝜆𝜆 𝑡𝑡𝑡𝑡 =𝜆𝜆𝑐𝑐𝜆𝜆− 𝑎𝑎𝑎𝑎 𝑡𝑡𝑡𝑡 − 1 (14) としてδtmを評価し,ここでは±10%以下になる条件が適当で あるとした.今回提案した測定原理とは多少異なるが,基本的 には同じ測定原理を既に提案しており,その不確かさは約 12%であった[9].そこで今回は,δtmの評価を±10%以下とし た.本測定に関する不確かさについては,今後,詳細に検討す る予定である. 4.3 データ解析例 測定のイメージを,測定温度700℃を例に図7 に示す.ここ では,ヒータ1 とヒータ3 の温度差(40℃)を一定に保ちなが ら,周囲雰囲気温度を制御するヒータ4 の温度を 3 回変えて 測定した例を2 つのパターンで示した. 図中のステップ①では,約1.5 時間かけてターゲット温度に 到達し,ステップ②では約3.5 時間その温度を保持し,ステッ プ③では0.5 時間かけて次のターゲット温度に移動し,ステッ プ④では2.5 時間その温度を保持し,ステップ⑤では0.5 時間 かけて次のターゲット温度に移動し,ステップ⑥では2 時間 その温度を保持している. この一連のステップをパターンと称し,1 パターンで λtが一 つ求まる.さらに,同様のパターンでターゲット温度を変えて 測定を実施し,3~4 パターン程度の測定を行う.したがって, ある温度における測定時間は,1 パターンが約 10.5 時間で,ヒ ータ4 の温度パターンを最低でも 3 回は変えるため,31.5 時 間以上になる. 各測定におけるサンプリングタイムを1 分間とし,ステッ プ②と④,⑥において,温度が安定して一定値を示す領域の1 時間(データ数60 点)の平均値を使って λtを求めた. 最初に,各パターンについて,図3 および式(9)に示す係数 a と,各ステップにおけるλcax を求める.次に,全てのパタ ーンで得られたx と λcを一つのグラフにプロットし,図3 に 示す様に近似直線を作り,その切片をλtmとする.このλtmと式 (14)から各パターンの δtmを評価し,最も大きな誤差を持つと 予想されるパターンのデータを省く. さらに,残ったパターンのデータを使ってλtmを求め,同様 にして各パターンのδtmを評価し,最も大きな誤差を持つパタ ーンを省く.これを繰り返して,δtmが±10%以下になったと ころのλtmを厚さ方向の熱伝導率とする. 5.試験体  本測定ではフュームドアルミナ断熱材を試験体とした.寸 法150×100mm,厚さ10.04mm,かさ密度 535 kg/m3の断熱材 である. 6.測定結果 図8 に,700℃で実際に測定した温度変化の一例を示す.測 定条件は,後述する表1 のパターンⅢである.一点鎖線が試験 体の高温面中央の温度,二点鎖線が試験体の低温面中央の温 度,実線が試験体高温面の長軸上の最も端に設置した熱電対 によって測定した温度である.この測定でヒータ1 が消費し た電力を図9 に示す. フュームドアルミナ断熱材の厚さ方向の熱伝導率測定結果 を図10 に示す.図中の〇印が本方法による測定結果,▲印が

Fig. 8 Measurement result of temperatures on surface of specimen. 0 200 400 600 660 680 700 720 740 Time [min] θ [ ℃ ]

Center on low temperature surface of specimen

Center on high temperature surface of specimen Outermost point on long axis in high temperature surface of specimen

Fig.7 Image of temperature control patterns of heaters

θ [℃] t [h]

Heater 1 Heater 2 Heater 4

④ ⑤

0 1.5 5 5.5 8 8.5 10.5 720 680 730℃ 720℃ 710℃ 730℃ 740℃ 750℃ First pattern Second pattern

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周期加熱法での測定結果である.また,実線が次式に示すフュ ームドアルミナ断熱材に与えられている推定式[9]による計算 結果である. 𝜆𝜆𝑡𝑡= 𝐴𝐴𝐴𝐴 +𝐵𝐵𝐴𝐴𝑇𝑇3+ 𝜆𝜆𝑔𝑔   (15) ここで,A = 4.4×10-5 [W・m2/(K・kg)],B = 1.8×10-9 [W・kg/(m4 K4)],λg = 0.0131 [W/(m・K)],ρ =535 kg/m3である.破線は実線 に対する±10%を示している. 本測定装置から得られた結果は,測定温度範囲100℃~ 900℃の範囲において,概ね近似曲線に対して±10%以内で一 致していることがわかる. .考察 7.1 試験体恒温面の温度分布 図11 に,700℃を測定した際の試験体高温面側の温度分布 の一例を示す(表1 のパターンⅢ).横軸の r は,試験体高温 面の中央からの距離を示している.〇印,△印,☆印,● 印,▲印,★印は,それぞれ,ヒータ4 の温度が755 ℃のと きの短軸方向,765 ℃のときの短軸方向,775 ℃のときの短軸 方向,755 ℃のときの長軸方向,765 ℃のときの長軸方向, 775 ℃のときの長軸方向の温度分布を表している.同様に,薄 い実線と破線,二点鎖線が短軸方向の755 ℃,765 ℃,775 ℃ における近似曲線,実線と点線,一点鎖線が長軸方向の755 ℃, 765 ℃,775 ℃における近似曲線である.ここで,短軸方向の 近似曲線は二次曲線,長軸のそれは三次曲線とした.近似曲線 の一例として,短軸上の温度分布関数θs(r)(〇 印,二次曲線) と長軸上の温度分布関数θl(r)(● 印,三次曲線)の近似曲線 をそれぞれ式(16)と式(17)に示す. 𝜃𝜃𝑠𝑠= −1.70 × 10−2𝑟𝑟2− 1.33 × 10−1𝑟𝑟 + 722.1   (16) 𝜃𝜃𝑙𝑙= 8.86 × 10−5𝑟𝑟3− 8.79 × 10−3𝑟𝑟2 −4.69 × 10−1𝑟𝑟 + 722.1 (17) 11 より,短軸方向では r が約 18 mm を超えたあたりから ヒータ4 の 3 つのステップによる温度変化の影響を受けて 3 者の温度の違いが出るようになり,長軸方向では約30 mm の ところから同様の違いが出ていることが分かる.ここで,この 温度の違いが出る点を温度分散点と称すことにする.試験体 のサイズは約100 mm×150 mm であり,試験体高温面の中心 から端までの距離が,短軸,長軸それぞれ50 mm と 75 mm で あることから,温度分散点までの距離と中心から端までの距 離との比は,短軸が約0.36,長軸が約0.4であることが分かる. したがって,温度分散点は,中心から端までの距離の約30~ 40%程度の辺りに存在する可能性が高い. また,短軸方向と長軸方向の温度分散点の比は0.6 (=18/30) であり,一方,試験体(ヒータ1)の短辺と長辺の比は 0.67

Fig. 11 Temperature distributions on high temperature surface of specimen.

Fig.10 Thermal conductivities of Fumed Alumina compact.

0 200 400 600 800 1000 1200 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 θ[℃] λt [W /(m K )] ・ :Proposed method

:Periodic heat method +10%

-10% 0 200 400 600 0 2 4 6 8 10 El ec tri ci ty o f He at er 1 [W ] Time [min]

(7)

(=100/150)であり,かなり近い値となっている.したがって, 図2 で厚さ方向への熱流 Qtが存在する領域を楕円形状に描い たが,少なくとも試験体の形に近い形状で,式(4)を仮定でき る程度のものであると考えられる. 7.2 測定精度に関する検討 式(14)に示すδtmを使って,測定精度に関する検討を行った. 700℃の測定を例にして結果を以下に示す. 表1 に測定の温度パターンを示す.ヒータ4 および Δθ を表 1 および図7 に示すように変化させて,各パターンにおける λcx から,λtと式(9)に示す係数a を求めた. 12 にx と λcの関係を示す.ここで,○印は全てのパター ンで得られた結果であり,これを使って求めた近似直線(実線) は, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0481 + 0.00262𝑥𝑥 (18) となる.したがって,このx の範囲における厚さ方向の平均熱 伝導率λtmは,0.0481 [W/(m・K)]となる.この値を使って,式 (14)より得られた δtmを図13 に示す. 図13 より,パターンⅣのδtmが最も大きな値となっており, このパターンを削除する.次に,残ったパターン(Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅴ)を使って求めたx と λcの関係が,図12 中の☆印である. これを使って得られた近似直線(破線)は, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0457 + 0.00276𝑥𝑥 (19) となる.さらに,同様にして得られたδtmを図14 に示す. 図14 より,パターンⅠとパターンⅤの δtmが最も大きな値 となっているのが分かる.したがって,これらのパターンを削 除して,残ったパターン(Ⅱ, Ⅲ)のデータから求めた x とλc の関係が,図12 中の▲印である.これを使って得られた近似 直線(一点鎖線)は, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0431 + 0.00298𝑥𝑥 (20) Fig. 12 Relationship between x and λc at 700 ℃

Table 1 Temperature change pattern of each heater Pattern Heater 4 [℃] Heater 1 [℃] Heater 3 [℃] [℃] Δθ

710→720→730 720 680 40 Ⅱ 730→740→750 720 680 40 Ⅲ 755→765→775 720 680 40 Ⅳ 690→700→710 710 690 20 Ⅴ 710→720→730 710 690 20 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 δtm [-] ax [W/(m K)]・ :Pattern Ⅲ :Pattern Ⅴ :Pattern Ⅰ :Pattern Ⅱ

Fig. 14 δtm for patterns Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅴ.

Fig. 15 δtm for patterns Ⅱ and Ⅲ.

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 δtm [-] ax [W/(m K)]・ :Pattern Ⅲ :Pattern Ⅱ 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 ax [W/(m K)]・ δtm [-] :Pattern Ⅲ :Pattern Ⅳ :Pattern Ⅴ :Pattern Ⅰ :Pattern Ⅱ

(8)

となる.この結果から得られたδtmを図15 に示す.図15 より, 二つのδtmの乖離が約±0.1 となっており,両パターンを使っ て得られる式(18)の切片 λt(= 0.0431 [W/(m・K)])が,700℃に おける厚さ方向の熱伝導率ということになる. 7.3 厚さ方向とそれ以外への熱流の分離に関する検討 各パターンでの測定で得られたx と λcとの近似直線を以下 に示す. パターンⅠ:𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0555 + 2.19 × 10−3𝑥𝑥 (21) パターンⅡ:𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0480 + 2.62 × 10−3𝑥𝑥 (22) パターンⅢ:𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0399 + 3.33 × 10−3𝑥𝑥 (23) パターンⅣ:𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0654 + 2.11 × 10−3𝑥𝑥 (24) パターンⅤ:𝜆𝜆𝑐𝑐= 0.0555 + 2.40 × 10−3𝑥𝑥 (25) (21)から式(25)までの各 λtを平均すると約0.0529 [W/(m・ K)]となり,その標準偏差は約 9.5×10-3 [W/(m・K)]であり,両 者の比は約0.18 となる.また,傾き a については,平均が約 0.00253 [W/(m・K2)],標準偏差が約4.9×10-4 [W/(m・K2)]であり, 両者の比は約0.19 となった.このように,λtや係数a を単純 に平均してしまうとばらつきが大きくなり,特にλtの平均に 関しては,式(20)に示された値とは大きく異なる結果(約23% の差)となってしまっている.既に,測定原理で,各パターン における温度分布を面内のどの位置でとるかによって,式(9) の傾きaは変化するが,λtは変化しないと述べた.したがって, 多少の誤差はあったとしても,各パターンで得られたλtは,互 いにほぼ一致することを予想していたが,結果は,パターン間 におけるばらつきは大きく,各パターンのλtを単純に平均し ては,正確な値が得られないことが分かった.この原因として, ヒータ4 のパターン変更により厚さ方向の熱流を大きく変化 させてしまったことが考えられる.本測定原理は,試験体の厚 さ方向に流れる一定の熱流Qtが存在し,周囲の温度場が変化 することでQlossが変化し,その変化分がヒータ1 の発熱量 Q に反映されるとして導かれたものである.したがって,周囲の 温度場が大きく変化し過ぎると,厚さ方向への熱流Qtも変化 してしまい,測定原理に反することになってしまう. 今回の測定では,一つのパターン内でのヒータ4 の温度変 化を10℃ずつとしたため,ヒータ1 からの熱流 Q の変化が図 9 に示すように非常に小さく,測定原理に即したものとなった が,パターを変えた場合は,ヒータ4 の温度は690℃から775℃ の範囲で大きく変化しており,その影響でQtも大きく変化す ることとなったと考えられる.そのため,δtmを使った解析に より,Qtが大きく変化しているパターンを排除する必要があ ったと考えられる. 以上の検討から,一つのパターン内でのヒータ4 の温度変 化は10℃程度の範囲とし,全パターンを合わせた温度範囲は 100℃以内で δtmを使って解析することで,ほぼ適切な測定が 可能と考えられる. 7.4 試験体の形状に関する考察 先行研究[8-11]では,正方形状(300mm×300mm)の試験体 に対して式(1)を適用して, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 𝜆𝜆𝑡𝑡+ 𝑎𝑎𝑎𝑎 (26) を導いたが,本測定原理の式(5)と比較すると,右辺第二項に 大きな差があるのが分かる.式(26)を使用した場合でも,正方 形状(300mm×300mm)の試験体を対象としていれば,他の 測定方法と±10%程度で一致するという結果であった.しか しながら,今回のサイズ(150mm×100mm)の試験体では,(26)を使用することができなかった.その原因として,以下 のようなことが考えられる. 式(5)を正方形状に適用させると,Δθs = Δθl = Δθlossと仮定でき, したがってΘs = Θl = Θ となるから, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 𝜆𝜆𝑡𝑡+ 𝑎𝑎∆𝜃𝜃𝑎𝑎2 (27) となる.さらに,式(7)(あるいは式(8))を使って式(27)を変形 すると, 𝜆𝜆𝑐𝑐= 𝜆𝜆𝑡𝑡+ 𝑎𝑎∆𝜃𝜃𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑙𝑎𝑎 (28) を得る.式(26)と式(28)を比較すると,先行研究における 300mm×300mm 程度の大きさの正方形状では,Δθlossもほぼ一 定と見なしていたということになる. 先行研究[9]の例を示すと,今回の試験体と同種類のフュー ムドアルミナを300mm×300mm の正方形状で測定した場合, 試験体平均温度が400℃で,温度差 Δθ を 9℃→13℃→20℃と 変化させたとき,Δθlossは96.7±0.1℃であり,ほぼ一定であっ た.一方,150mm×100mm の長方形状の場合は,500℃におけ る結果ではあるが,長軸方向でΔθlossが25±2℃,短軸方向で 19±1℃であり,温度の変化幅に 10 倍程度の差があることが

(9)

分かる.ここで,先行研究におけるΔθlossが96.71℃と非常に大 きいのは,雰囲気温度を制御するヒータ4 が存在せず,室温の 雰囲気に曝されているためである.また,試験体のサイズが 300mm×300mm と大きかったため,厚さ方向の熱流Qtが十分 大きく,Δθ の変化に対しても大きな変動が生じなかったため, Δθlossが96.71℃と大きくても測定できたと考えられる. したがって,Δθlossが±0.1℃程度でほぼ一定となる条件であ れば,式(26)による測定が可能であるということになり,式(26) を使った測定方法は,式(5)を使ったそれの特殊な場合に相当 することになると言える. 8.結 言 定常法による熱伝導率測定では,試験体内部に一次元方向 の熱流が生じるような,均一な温度場を作り出すことが重要 であるが,本提案の測定原理を用いることで,試験体内の一部 に不均一な温度場が存在する場合でも,一定の条件を満たせ ば測定が可能であることが示された.以下に要約する. ① 長方形状の試験体に対して適用可能な熱伝導率測定方法 を提案した.既に50℃から 600℃まで適用可能[11]である ことが示されている300mm×300mm の正方形状に対して, 今回,150mm×100mmの長方形状の小さな試験体で,100℃ から900℃の温度範囲において適用可能であることを示し た. ② 測定誤差を評価するための無次元数 δtmを定義し,ターゲ ットとする温度に対して,適度に広い温度範囲で測定を繰 り返し,誤差の大きな測定条件を排除するという方法を提 案し,既存の測定方法に対して±10%以内で一致する測定 精度になることを示した. ③ 厚さ方向の熱流Qtを大きく変化させずに,Qlossが変化す るような条件で試験体周囲の温度場を変化させること が重要であることが分かった. ④ 先行研究(試験体寸法が 300mm×300mm 程度)で示した 測定原理は,Δθlossがほとんど変化せず,今回提案した測定 原理の特殊な条件の場合にあたるものであることが分か った. ⑤ 1温度に対する測定時間が 32 時間以上と非常に長く,一 般的に使用されているGHP 法や周期加熱法などの測定時 間(8 時間~10 時間)に比べて,かなり時間がかかること が明らかとなった. [謝辞] 本研究の一部は,日本学術振興会科学研究費補助金,基盤(C)18K03998)の補助によるものであり,ここに謝意を示す.

NOMENCLATURE

A

: coefficient in Eq. (18), W・m

2

K

-1

kg

-1

a

: defined by Eq. (6), W・m

-1

K

-2

B

: coefficient in Eq. (18), W・kg・m

-4

K

-4

d

: thickness of specimen, m

H

: Coefficient in Eq. (4), W・K

-2

l

: l-axis in two-dimensional coordinate system on plane

inside specimen

Q

: amount of heat flowing into specimen, W

Q

t

: amount of heat in direction of thickness, W

Q

loss

: amount of heat loss from specimen and heaters, W

r

: distance from center of specimen, m

S

: heat flow area, m

2

s

: s-axis in two-dimensional coordinate system on plane

inside specimen

x

: equal to

ΔθΘsΘl

, K

θ

: temperature,

C

θ

air



: atmospheric (air) temperature,

C

θ

h1



: temperature at center of high temperature surface of

specimen,

C

θ

h2



: temperature at center of contact surface between heater

1 and heater 2,

C

θ

h3



: temperature at center of low temperature surface of

specimen,

C

Δθ : temperature difference in thickness direction,

C

Δθ

l



: temperature difference in l-axis direction,

C

Δθ

s



: temperature difference in s-axis direction,

C

δ

λ



: measurement error of thermal conductivity in direction

of thickness of specimen, W・m

-1

K

-1

δ

tm



: measurement error defined by Eq. (14), -

Θ

l

: dimensionless number defined by Eq. (7)

Θ

s

: dimensionless number defined by Eq. (8)

λ

c

: coefficient in Eq. (3), W・m

-1

K

-1

λ

g

: thermal conductivity of gas, W・m

-1

K

-1

λ

t

: thermal conductivity in direction of thickness of

specimen, W・m

-1

K

-1

λ

tm

: mean thermal conductivity in direction of thickness of

specimen, W・m

-1

K

-1

λ

tt

: true thermal conductivity in direction of thickness of

specimen, W・m

-1

K

-1

ρ

: bulk density of specimen, kg・m

-3

考 文 献

[1] 「伝熱工学の基礎と熱物性測定・熱対策事例集」,平田幸

久編 (2019) 69-78,株式会社R&D 支援センター

[2] 「サーマルマネジメント材料技術」,依田 智監修(2019) 225-241,サイエンス&テクノロジー株式会社, [3] T. W. Lian, A. Kondo, T. Kozawa, T. Ohmura, W. H. Tuan, M.

(10)

Naito; “Effect of mechanical processing on thermal and mechanical properties of fibrous fumed alumina compact”, J.

Asian Ceramics Societies, 6 (2018) 156-161.

[4] デンカ株式会社, https://www.denka.co.jp/product/detail_00205/ [5] イビデン株式会社, https://www.ibiden.co.jp/product/ceramics/merchandise/fiber/ [6] JIS A 1412-1.熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率測定方法 第1 部:保護熱板法(GHP 法),(2016). [7] 「伝熱工学の基礎と熱物性測定・熱対策事例集」,平田幸 久編 (2019) 129-137,株式会社 R&D 支援センター. [8] 大村 高弘、Tseng-Wen Lian、近藤 光、早坂 良、内藤牧 男;「不均一温度場における熱伝導率測定方法」,熱物性, 31 (2017) 166-173. [9] 大村高弘、田坂太一、石井健登、辻大河、南出瑞穂、早 坂良、近藤光、内藤牧男;「断熱材の簡便な熱伝導率測定 技術の開発」,粉体工学会誌56 (2019) 74 – 80. [10] 大村高弘,石井健登,中村優介,細川哲太,前田晃宏, 松尾修弥;「不均一温度場に適応可能な熱伝導率測定方 法」,第38 回 日本熱物性シンポジウム,(2017) B321. [11] 石井健登,辻 大河,南出瑞穂,早坂 良,大村高弘;「不 均一な温度勾配を持った測定系における熱伝導率測定方 法に関する研究」,第39 回 日本熱物性シンポジウム, (2018) E142. [12] 石井健登, 辻 大河, 南出瑞穂, 早坂良, 田邉大貴, 大村 高弘;「小試験体の不均一温度場における熱伝導率測定方 法に関する研究」,第40 回日本熱物性シンポジウム講演 論文集,(2019) B153.

Fig. 4 Schematic diagram of new apparatus.
Fig. 6  Placement of thermocouples on surface of Specimen.
Fig. 8 Measurement result of temperatures on  surface of specimen. 0200400 600660680700720740Time [min]θ [℃]
Fig. 9 Electricity of Heater 1 (Heat flow Q)
+2

参照

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