寧波における土地改革
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(2) この3つの条件のうちの1つ、「土地所有」. では、なぜ寧波における土地改革では、中. しか満たしていなくとも地主と判断されてい. 央政府の規定する地主の判断材料であるr労. たのである。. 働状況」とr搾取方式」は、重要な判断基準. そこで、第四章では、寧波市鄭州区梢案館. となりえなかったのであろうか。それは、寧. 所蔵史料であるr仲夏郷地主材料」r馬渕郷地. 波のある新江省は、いわゆる大土地所有の地. 主材料」「蟹妓郷地主材料」という3つの史. 主が少なかったことが理由として考えられる。. 料を分析することによって、まず地主の判断. 中央政府の規定通りの地主が、寧波にはほと. 基準として「土地所有面積」が最も重要とい. んど存在していなかったのである。かといっ. うことが実証できた。同時に、当たり前では. て、地主という封建階級が存在しなければ、. あるが、地主の判断基準は「土地所有面積」. 土地改革は実施できず、農村革命を通して農. だけという単純なものでもないことが判明し. 民を発動することができないのである。その. た。3つの郷のある鄭県では、地主と判断さ. ため、寧波では土地改革を行うために、地主. れる者の土地所有面積の標準はr45畝」であ. の判断基準を中央の規定から大きく下げて、. るが、土地所有面積が「45畝」以下であって. r労働状況」を判断基準として重視せず、r搾. も地主と判断される者もいれば、45畝以上の. 取方式」については判断基準ともせず、主に. 土地を所有していても地主と判断されない者. r土地所有面積」を地主の判断基準としたと. もいたのである。そこで、家族の人数を念頭. 考えられる。. におき、各郷で「1人当りの収入となる土地」. 寧波における土地改革に関する研究はこれ. を計算したのである。そうすると、郷によっ. までされておらず、『寧波市志』や『鄭縣志』. て差はあり、また漠然とではあるが、地主と.. などに僅かに経過が報告されているだけであ. 富農との境界が見えてくるのである。実際に. る。本稿では、「寧波における土地改革」とい. この計算法によって説明のつく者がいるので. うことで、寧波で実施された土地改革と中央. ある。中国共産党の工作隊が筆者と同じよう. 政府の土地改革方針とを比較することによっ. な計算式を用いたかはわからないが、ただ単. て、大土地所有の存在しない寧波での土地改. に「土地所有面積」だけでなく、家族の人数. 革の特徴は、r地主の判断材料である」という. を念頭においていたことは確かなようである。. ことを明らかにした。. 以上のように、寧波での地主の階級区分は、. まず「土地所有面積」を判断基準の第一要素 として行い、その判断基準の補助的な要素と. 主任指導教官 松田吉郎. してr1人当りの収入となる土地」やr労働. 指導教官 松日ヨ吉郎. 状況」などによって階級区分を行ったのであ る。この地主の階級区分の判断基準が、寧波 における土地改革の特徴である。. 一315一.
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