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寧波における土地改革

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Academic year: 2021

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(1)寧波における土地改革 教科・領域教育学専攻     社会系コース.      M09161K      山縣 重宣.  本研究のテーマとなる土地改革とは、中華. 第二章では、1950年6月に中央政府が公布. 人民共和国の成立前後に中国共産党が行った. した解放後の土地改革の最も基本的な方針と. 重要な政策の一つである。この土地改革は、. なる「中華人民共和国土地改革法」、またこの. 地主を中心とした封建勢力の支配を消滅させ. 文書以外にも土地改革に関する文書として公. るための闘争の手段であり、地主から土地な. 布された「忘様分析農村階級」と「開於土地. どの財産を没収し、貧農や雇農に再分配を行. 改革中一些間題的決定」と「政務院的若千新. った。. 決定」という3つの文書も同時に分析し、解.  本研究の目的は、中国共産党によって実施. 放後の中央政府の土地改革の方針についてま. された土地改革について、中央政府の土地改. とめる。続く第三章では、『寧波市志』の記載. 革方針と中国の地方都市である断江省寧波で. を基にし、寧波地域で実施された土地改革に. の実施状況とを比較することによって、寧波. ついてまとめると同時に、第二章の土地改革. における土地改革の特徴を明らかにすること. 方針と比較することによって、寧波で実施さ. である。. れた土地改革の特徴について明らかにする。.  これまでに土地改革に関する研究は、土地. 第四章では、寧波市鄭州区梢案館所蔵の土地. 改革の全体像に関する研究や特定の地域の土. 改革に関する史料を分析することによって、. 地改革に関する研究など数多く存在する。特. 第三章で明らかにした寧波における土地改革. 定の地域の実証研究は、解放前(1949年以前). の特徴に対して、史料的裏付けをする。以上. から土地改革が行われている東北などに関し. が本稿の構成である。. ては比較的多くされているが、解放後に土地.  第二、三章での中央政府の土地改革方針と. 改革が行われた華中・華南・華東という地域. 寧波における土地改革の実施状況とを比較す. の実証研究は少なく、寧波という地域に焦点. ることによって、寧波における土地改革の一. を絞った土地改革の研究はなされていない。. 番の特徴は、「地主」の判断基準であることが. 本研究は、寧波という1つの地域の土地改革. 判明した。中央政府の規定するr地主」には. の実証研究である。. 3つのキーワードがあり、それは「土地所有」.  本稿の構成は、まず第一章では、中華民国. 「労働に従事しない」「搾取方式は小作料方. 時期の中共の土地政策の変遷について述べる。. 式」という3つであった。しかし、寧波では. 山314一.

(2) この3つの条件のうちの1つ、「土地所有」.  では、なぜ寧波における土地改革では、中. しか満たしていなくとも地主と判断されてい. 央政府の規定する地主の判断材料であるr労. たのである。. 働状況」とr搾取方式」は、重要な判断基準.  そこで、第四章では、寧波市鄭州区梢案館. となりえなかったのであろうか。それは、寧. 所蔵史料であるr仲夏郷地主材料」r馬渕郷地. 波のある新江省は、いわゆる大土地所有の地. 主材料」「蟹妓郷地主材料」という3つの史. 主が少なかったことが理由として考えられる。. 料を分析することによって、まず地主の判断. 中央政府の規定通りの地主が、寧波にはほと. 基準として「土地所有面積」が最も重要とい. んど存在していなかったのである。かといっ. うことが実証できた。同時に、当たり前では. て、地主という封建階級が存在しなければ、. あるが、地主の判断基準は「土地所有面積」. 土地改革は実施できず、農村革命を通して農. だけという単純なものでもないことが判明し. 民を発動することができないのである。その. た。3つの郷のある鄭県では、地主と判断さ. ため、寧波では土地改革を行うために、地主. れる者の土地所有面積の標準はr45畝」であ. の判断基準を中央の規定から大きく下げて、. るが、土地所有面積が「45畝」以下であって. r労働状況」を判断基準として重視せず、r搾. も地主と判断される者もいれば、45畝以上の. 取方式」については判断基準ともせず、主に. 土地を所有していても地主と判断されない者. r土地所有面積」を地主の判断基準としたと. もいたのである。そこで、家族の人数を念頭. 考えられる。. におき、各郷で「1人当りの収入となる土地」.  寧波における土地改革に関する研究はこれ. を計算したのである。そうすると、郷によっ. までされておらず、『寧波市志』や『鄭縣志』. て差はあり、また漠然とではあるが、地主と.. などに僅かに経過が報告されているだけであ. 富農との境界が見えてくるのである。実際に. る。本稿では、「寧波における土地改革」とい. この計算法によって説明のつく者がいるので. うことで、寧波で実施された土地改革と中央. ある。中国共産党の工作隊が筆者と同じよう. 政府の土地改革方針とを比較することによっ. な計算式を用いたかはわからないが、ただ単. て、大土地所有の存在しない寧波での土地改. に「土地所有面積」だけでなく、家族の人数. 革の特徴は、r地主の判断材料である」という. を念頭においていたことは確かなようである。. ことを明らかにした。. 以上のように、寧波での地主の階級区分は、. まず「土地所有面積」を判断基準の第一要素 として行い、その判断基準の補助的な要素と. 主任指導教官 松田吉郎. してr1人当りの収入となる土地」やr労働.   指導教官 松日ヨ吉郎. 状況」などによって階級区分を行ったのであ る。この地主の階級区分の判断基準が、寧波 における土地改革の特徴である。. 一315一.

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