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IRUCAA@TDC : モアレトポグラフィー法によるフィリピン人の上顎歯列弓と口蓋の形態学的研究

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Academic year: 2021

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(1)Title Author(s) Journal URL. モアレトポグラフィー法によるフィリピン人の上顎歯列 弓と口蓋の形態学的研究 大野, 二朗 歯科学報, 94(1): 23-45 http://hdl.handle.net/10130/2283. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 23. 原    著モアレトポグラフイー法によるフィリピン人 の上顎歯列弓と口蓋の形態学的研究* 大 野 二 朗 昭和大学歯学部第-口腔解剖学教室 (主任:若月英三教授) 年9月29日受付) (19◎3年10月12日受理) ノ. A MorphologlCal Study on the Maxillary Dental Arch and Palate of the Filipino Using Moire'Topography Jiro OHNO The First Department of Oral Anatomy, School of Dentistry, Showa University (Chief : Prof. Eizo Wakatsuki). 著者の教室では,フィリピン人の口腔領域を中心とし. 拓     F∃ 歯列弓および口蓋の形態は,唄噛器官の一郭として脳. た人戴学的調査を行い,これまでに,頭顔面部の生体計. 頭蓋や顔面頭蓋と密接な関係を有するため,人幾学なら. 測  や歯列弓形態との開運   慮面の三次元的形. びに達伝学上重要視されていて,これまでに多数の研究. 態    などについて報吾してきた0本研究の目的. がみられる   しかし,これらの報告の多くは計測点. は,これらの研究の一環として,モアレトポグラフイ-. 間の距離計測を主体とするため,歯列弓と口蓋の形態を. 法を用いてフィリピン人の歯列弓および口蓋の三次元的. 平面的に解折するにとどまっており,口蓋の立体的な形. な形態を記載し,人類学的な基礎情報を提供することで. 状を十分に分析しているとは言えない。. ある。歯列弓と口蓋の形態には性的二型が比較的強く表. 近年,歯科厘域における形態学的研究の目的は,計測 点の座標,距離,角度などを計測する一次元あるいは二. われるとされている    ので,分析は性差に着目し て行った. 材料および方法. 次元的解析から,立体的な形態を計測する三次元的解析 へと進化してきた。ことにモアレトポグラフイ一法は精. 1.材料 材料はマニラ市内および近郊在住のフィリピン人男性. 度の高い三次元情報が容易に待られるため,これを歯や 顔面の形態分析に応用した研究が多数みられる. 63人,女性106人の上顎歯列石膏模型である    歳. 口蓋に関しても日本人   のみならず,中Eg人. の成人で,顔貌や歯列に著しい異常や禾正唆倉がなく,. 台湾の   族 クック藷島の住民41)などに関する. 欠撮歯および計測に影響を与える補枝物や歯冠修復物の. 人顛学的研究が散見される.しかし,諸人種に関して蓄. ない個性正常唆合を有する者を被験者とした。調査は 年8月および 年3月と7月に行われた。. 積された情報量は未だ少なく,従来からの二次元的な分. 2.モアレ写真の撮影法. 析に比べて十分な成果をあげているとは患われない。. フジノンモアレカメラ    富士写真光機)を使用 ♯本論文の要旨は第80回日本解剖学会関東地方会(平成 4年10月17日,櫨兼賀)において発表したO. し,切歯乳頭と左右第一大臼歯の歯頭線中点を結んだ平 面を基準面として1mmピッチのモアレ写真を撮影し. -23-.

(3) 24. 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態. た。 10倍に拡大焼き付けしたモアレ写真とそのトレース. が平行または後方が内側に狭くなる。. 像によって観察を行った。計測は項目によりモアレ写真. 方型歯列弓:切歯部は切璃線が正中線に対し直角をな す。臼歯部は直線的で平行または後方にやや拡大する。 2)歯列弓の計測. 上の計潮点間の距離を直接ノギスを用いて計測したもの と,計測点をデジタイザを用いてパソコンに入力し,画 像解析システムを用いて座棟値から算出したものがあ る。. 3.歯列弓形態の観察・計測 1 )歯列弓形態の分査 若月・斉藤29)の歯列弓形態の分癌法にしたがって以下 の5型に分類した(図1)o 円型歯列弓:切歯部は両側第二小臼歯頑伽唆頭領を重 ねた線と正中線との交点を画し、として,第一小臼歯頑側 唆頭を半径とする弧線上で   内外にあるo臼歯部 は第一小臼歯∼第二大日歯間の歯列線が外側に曲線を描 き,後方は狭くなる。 放物線型歯列弓:切歯部は琴曲し,円型歯列弓の弧線 より切璃線が内,外方にあるo臼歯部は直線で後方に行 くにつれて拡大していく。 帯円Ⅴ字型歯列弓:切歯部はⅤ字型に屈曲して細長 い。臼歯部は直線で後方に行くにつれて拡大していく。 #円方型歯列弓:切歯郭は円型歯列弓の払線より切席 線が,内方にあり,犬歯の突出が弱く,やや曲線を措 くo臼歯部は直線,または,わずかな琴曲を示し,両側. 左右中功歯の切縁隅角中点,犬歯尖頭,第一・第二大 臼歯近心頑側唆頭茂の各点を計測点としたo これらの計 測点をデジタイザによりパソコンに入力し,座標から歯 列弓の幅径,長荏ならびに弦の長さを算出した(図2)O (1)長径 歯列弓長    距離o 前歯列弓長    距離。 後歯列弓長    距離。 (2)幅径 前歯列弓幅:犬歯に対応する歯列弓幅径    距 離と     距離を足したもの)o 歯列弓幅M 1 :第一大臼歯に対応する歯列弓幅径(rM 距離と       距離を足したもの)o 歯列弓幅M 2 :第二大臼歯に対応する歯列弓幅径(rM 距離)o (3)紘 犬歯弦:切歯から犬歯までの弦の長さ   距離と 距離の平均値)o M 2弦:切歯∼第二大臼歯までの弦の長さ. 放物線型. 帯円方型 図1歯列弓形態の分戴(若月・斉藤29)より引用) -24-.

(4) 歯科学報. 図2 歯列弓の計測項目 I :左右中切歯の切縁隅角中点   右側犬歯 尖頭   左側犬歯尖頭    右側第一大臼 歯近JL、頑側唆頭且   左側第一大臼歯近心頑 側唆頭且   右側第二大臼歯近心頑側唆頭且 左側第二大白歯近心顛側唆頭且 よりrM2とPM2を結んだ線分に対する垂線 歯列弓長    距離 前歯列弓長    距離 後歯列弓長    距離 前歯列弓幅    距離     距離 歯列弓幅       距離     距離 歯列弓幅         距離 犬歯弦:   距離    距離)/2 M 2弦     距離     距離)/2. 4              5            6. 図4 口蓋最深部外形の正中線に対する位置(塚田 28)より引用) 1型:外形のほぼ中央に正中線が位置するもの0 2型:外形の中央より左側に偏して正中線が位FLR するもの。 3型:外形の中央より右側に偏して正中線が位置 するもの。 4型:外形が正中線より右側にあるもの。 5型:外形が正中線より左側にあるもの。 6型:外形が正中線をはさんで両側にあるもの。. 〇〇 〇△▽ □ ○ 1      2. 3       4       5. 0. o. o I I_I \}-. 10. ll. 図3 口蓋最深部のモアレ縞外形の形態(若月・斉藤29)より引用) 1型:円型 2塑:縦楕円型 3型:桟橋円型 4型:三角形 5型:逆三角形 6型:方形または長方形 7型:ハート型 8型:逆ハート型 9型:まゆ塑 10型:正中線をはさんで2つの楕円形があるもの11型:点状型(点状か縦に線状形). (4)指数 歯列弓長幅指数:歯列弓幅M2/歯列弓長×100. 距離と     距離の平均値)O. -25-.

(5) 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態. 図5 口蓋の計測法. 左右中切歯の歯頚線を結ぶ線分の中点, 左右第-大白歯歯頚線の中点を結ぶ線分の 中点. ab線:正中線 C:口蓋幅, D:口蓋長 4.口蓋形態の観察・計測 1)口蓋形態の観察 (1)口蓋最深部のモアレ縞外形の形態. 図6 各歯の位置における口蓋幅・口蓋高の計測 A :左右中切歯の歯頚線を通る線 B :左右第二大臼歯遠心点を結んだ線 P 1 :第一小白歯に対応する口蓋の前頭断面 M 1 :第一大臼歯に対応する口蓋の前頭断面 W:口蓋幅, d:口蓋高. 塚田28)の分東を改良した若月・斉藤29)の分幾にした がって11型に分顛した(図3)O (2)口蓋最深部の位置 a.歯牙の放置に対して 若月・斉藤29'にしたがって,口蓋垂深部の位置がどの 歯の位置にあるかを観察した。口蓋隆起が存在するため に最深部が左右に2個ある場合には,左右別々に観察し た。 b.正中線に対して 塚田の分癌にしたがって6型に分壊した(図4)0 2)口蓋の計測. した(図6 )。左右中切歯の歯頚線を通る線硯と左右第二 大臼歯遠心点を結んだ線(B)の間を20等分して,犬歯より 遠心の右側の各歯のほぼ中央を通る線の位置における前 頭断面図をっくり,各部位での口蓋幅と鼻深郭の口蓋高 を計測した。前頭断面図はデジタイザからパソコンに入 力した座標を基に図化作成した。指数値としては各歯に 対応する口蓋の幅高持数を算出したo. 左右中切歯の歯頭線を結ぶ線分の中点(a)と左右第一大 臼歯歯頭線の中点を結ぶ線分の中点(b)を結ぶ線を口蓋計 測時の正中線とした(図5)0 (1)口蓋全体の計測 左右第-大臼歯歯亮線の中点を結ぶ線分の長さ(C)を口 蓋幅, aとbを結ぶ線分の長さを口蓋長D)とした(図 5)。口蓋高はモアレ縞の本数から求めた。 指数としては,口蓋幅高指数と長幅指数を求めたO 口蓋幅高指数:口蓋高/口蓋幅×100 口蓋長幅指数:口蓋幅/口蓋長×100 (2)各歯の櫨置における口蓋幅・口蓋高 犬歯より遠心の各歯に対応する口蓋幅と口蓋高を計測. (3)口蓋の矢状断面と前頭断面の形態計測 a.正中矢状断面における口蓋形態 正中線上の,左右中切歯の歯頚線を通る線硯と左右第 二大臼歯遠心点を結んだ線(B)の間を10等分した10部位に おける口蓋高を計測した(図7).矢状断面図はデジタイ ザからパソコンに入力した座標を基に図化作成したo b.前頭断面における口蓋形態 犬歯より遠心にある各歯に対応する前頭断面の口蓋高 を計測したo右側歯の歯頭中点から正中線に直交する線 を引き,この線と左右歯の歯頚線が交わった点の問を10 等分し, 9部位における口蓋高を計測した(図7)。前頭 断面図はデジタイザからパソコンに入力した座標を基に. ー26-.

(6) 歯科学報. 27. 値, S DJは女性の標準偏差である。女性を基準とした理由 は,個体数が多く,全般的に男性より分散が小さい傾向を 示したからである。次に,計測値について線形判別分析を 行い,判別の的中率を算出し,さらにどの項目が最も強く 判別に開与しているか変数選択法(ステップワイズ法)に よって分析した。 結     果. 1.歯列弓の形態 1)歯列弓形態の分数 各分査型の強度と性差の検定結果を表1に示した。比 較のため若月・斉藤29)による日本人における結果とフィ リピン人との人種差の検定結果を同時に示した。 男女ともに放物線型が最も多くみられた。とくに男性 は   と高率で,女性よりも有意に高い強度を示した 女性では革円方型    や円型. 図7 正中矢状断面,各歯に対応する前頭断面に おける口蓋高の計測 A :左右中切歯の歯亮線を通る線 B :左右等二大臼歯遠心点を結んだ線 S :正中矢状断面 F :第一大臼歯に対応する口蓋の前頭断面 矢状断面ではA B間を10等分した各部櫨におけ る口蓋高を計測したO 前頭断面では左右歯の歯頭中点を結んだ線分を 10等分して9部位における口蓋高を計測した。. がほぼ同程度にみられたが,男性ではこのタイプはほと んどみられなかった。男女とも最も頑度が低かったのは 帯円Ⅴ字塾であった0 2)歯列弓の大きさ 歯列弓の大きさと指数の統計量を表2に示した。長径 の3項目ではわずかに女性が大きい値を示したが,男女 の平均値問に有意差は認められなかった。幅径の3項目 と弦の2項目では男性は女性より有意に大きかった。関 係偏差をみてみると,性差は歯列弓幅M2で最も大き く,次いで歯列弓幅Mlで大きかった。また,前歯列弓 幅と弦の2項目ではほぼ同程度の性差を示した。 長幅指数は男性が有意に大きく,男性の方が幅の広い 歯列弓を呈することを示している。 図8は男女の平均値(前・後歯列弓長,前歯列弓幅お よび歯列弓幅M2)をもとに歯列弓の大きさを示したも. 図化作成した0 5.性差の分析 各観察項目および計測値の性差の分析は,それぞれ x2検定およびt検定を行って有意差の判定をし,性差 の程度は女性を基準とした関係偏差        に よって検討した。   はそれぞれ男魅女性の平均. 表1歯列弓形態の分数 日本人*         人種差. フィリピン人. 男性     女性      男性 女性. 男性     女性 性差. N   %   N   % △.  .    .  .  . 3.  . 7. 6. 5.  .  .  . ∩. 2.  . ロ.  .  . 1. 2.   9.  . 2. 9. 0.  . ← △   △. 5. 良. 7 0 3 0 0. 2. 1 0 8 0 0. 1. 2 6     1. 8. 3   d U   5   e U 1   3. NS☆. 9. ∩. 3   1   2   5   1   6           1. 方    型. 00        1. 4. 3 0 7 0 0. 0. 放物 線 型 帯円Ⅴ字塑 帯 円 方型. 3 0 1 5 0. 3   1   2   5   1   6           1. 円    型 2 8 1 3 6. 性 差 ☆:       有意差なし 人種差 ▲     △       :有意差なし ・若月・斎藤29)より引用 - 27 -.

(7) 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態. 28. 表2 歯列弓の大きさと指数の統計量 男 性            女 性         性 差. 関係偏差 t検定 歯 列 弓 長. 60    36. 61    2. 41. 前 歯 列 弓 長. 60    7. 74    1. 43. ¢  NS. 後 歯 列 弓 長. 60    28. 87    1. 93. IOO   28.95   1.67     0.05g NS. 前 歯 列 弓 幅. 60    34. 41    2. 10. ☆. 60    52. 43    2. 12. ★. 60    57. 03    2. 75. ★. 60   18. 90    1. 29. ☆. 60    46. 48    2. 07. ☆. 歯列弓幅M 1 歯列弓幅M 2 犬  歯  弦 M   2   弦. ¢  NS. 一一ーー-             一一-                -             -       一           一            一-       --       -1-I-       -          --I---I_i. 長 幅 指 数                                   ★. ★      ☆ :       有意差なし. のである。 2.口蓋の形態. が凸形であったOそれに対して凹形は20%台であった. (2)口蓋垂深部の位置. 1)口蓋形態の観察 (1)口蓋垂深部のモアレ縞外形の形態 各分幾型の強度と性差の検定結果を表3に示したo比 較のため若月・斉藤29'による日本人における結果とフィ リピン人との人種差の検定結果を同時に示した。 男女ともに縦楕円形が30%を占め,最も多くみられ たO 円形,ハート形, 2つの楕円が次いで多く %程度みられた。女性では方形も約10%みられた。これ 以外の形態は数%レベルの強度であった.以上の強度に は性差は認められなかった。 豪深部の外形を凸形(円形,縦楕円形,横楕円形,三 角形,逆三角形,方形),凹形(ハート形,逆ハート形, まゆ形)に大別して検討する33)と,男女ともに60%以上. a.歯牙の位置に対して 最深部が1つのものは約85%であった(表   この 場合,第一大臼歯が60%以上を占め,第二大臼歯は約20 %であった.最深部が2つある場合でも左右とも同じ歯 の位置に重森部があることが最も多かったので,全体の 約   で第一大臼歯の位産が最深部となっていた. なお,すべての強度に性差は認められなかった。 日本人29'と比較するため,フィリピン人の男女を一括 し,最深部が1つの場合あるいは2つある場合には左右 で位置が一致しているものに限って強度を算出し,表4 bに示した。 b.正中線に対して 各分車型の頻度と性差の検定結果を表5に示した.比 較のため若月・斉藤29'による日本人における結果とフィ リピン人との人種差の検定結果を同時に示した。 外形のほぼ中央に正中線がくるものが約25%で鼻も多 くみられた。正中線の右側あるいは左側に偏位するもの は    みられた。男性では左側に偏位するものが多 く,女性では逆に右側に偏位するものが多かったが,男 女間の差は有意ではなかった。約13%が正中線の両側に 外形がみられる形態を呈した。正中線の右側あるいは左 側に位置するものでは,男女ともに右側に放置するもの が多かった。 2)口蓋形態の計測. 男性 -----女性     .」些聖_」 図8 歯列弓の平均値による図. (1)口蓋全体の計測 口蓋幅,口蓋長,口蓋高ならびに口蓋の指数値の統計 量を表6に示した。すべての計測値で女性より男性が大 1 28-.

(8) 歯科学報. 29. 表3 口蓋最深部のモアレ縞外形の形態 日本人♯. フィリピン人. 男女. 男性       女性. N   %    人種差. 性差. 1.円形 2.縦楕円形 3.櫨楕円形 4.三角形 5.逆三角形 6.方形(長方形). 9   15.0. 10   10.0 NS. 18    30. 0. 30   30.0 NS. 5    8.3. 8    8.0 NS 2    2.0 NS. 2    3.3. △ 41   32.0 NS ▲ 1   0.8    NS 7    5.5    NS. 6    6.0 NS 10 10.0 NS. 2    3.3 1    1.7. 10    7.8    NS. 凸型                                       △. 7.ハート形                                            △ 8.逆ハート形 9.まゆ形 凹型. つの楕円 ll.点状形                                           ▲ 人種差 ▲      △         有意差なし *若月・斎藤29)より引用 表4 b 最深部の歯牙に対する位置(日本人との比 較). 表4 a 最深部の歯牙に対する位置 男性    女性. フィリピン人   日本人' (N-154)  (N-128). 性差 最深部が1つの場合. 人種差. ←・N S←. l   1   8. 4   8   7 1   7. 8   0   0 1   0   1 1. O 4. M. 義深部が2つある場合. CD. M. M2    12 21.1 21 20.8 NS. 2   4   3 7   2. p. Ml     37 64.9 62 61.4 NS. 2 1 2. 4   4   6 1   3 1. P2      0  0.0  3  3.0 NS. ▲         有意差なし ・若月・斎藤29)より引用. P2-. P2lMI 0 0.0 1 1.0 NS. が大きいものの有意差は認められなかった。 (2)各歯の位置での口蓋幅・口蓋高 各歯の位置での口蓋幅および口蓋高の統計室を表7 に,それぞれの幅高指数を表8に示した。. Ml-M1  6 10.5  9  8.9 NS M1-M2  1 1.8  2  2.0 NS M2IM2  1 1.8  2  2.0 NS. NS :有意差なし きく,有意差が認められた。関係偏差からみると,口蓋 高が最も大きく,次いで口蓋幅が大きい性差を示し,口 蓋義では性差が小さかった。したがって,長径に比べて 幅径の方が性差が大きいという点では,歯列弓と同じ傾 向を示していた。 指数をみてみると,幅高指数は男性が有意に大きい値 を示した    。しかし,長幅指数はわずかに男性. 口蓋幅は,犬歯部では女性の方がわずかに大きく,罪 一小臼歯部では男性の方がわずかに大きいが,これらの 平均値間に有意差は認められなかった。第二小臼歯部よ り後方では男性が有意に大きい値を示した.口蓋高は, 第二小臼歯より前方では女性の方が高く      第 二小臼歯部で男女がほぼ同じ高さとなり,大臼歯部では 男性の方が高かった(Pく   また,口蓋高の鼻深部 は,男性では第二大臼歯であったが,女性では第一大日. -29-.

(9) 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態. 30. 表5 口蓋垂深部の正中線に対する位FLR フイリンピン人. 男性       女性. 男女 S N. 6 7 7 5 3 0. 1. 3 2 2 2     1. N. S. N. S. S N. S. S N. N. S N. S. S N. N. S N. S. l   1   5   3   8. N. 八日). 回且 mH HH W田 鑑明 i: 2   2   2   1. S. 0 0 0 3 3 3. N. 5 5 5 3 00 3. 6   6   9   2   4   3 2   2   1   1           1. 2 1 2 1     1. N      % CD 己 2   2   1   1           1. 氏U. 5   9   5   Q U   5   8 1      1. 央偏偏側側側 中左右右左両. N      %     N. NS :有意差なし ・若月・斉藤29)より引用. 表6 口蓋の大きさと指数の統計量 男 性             女 性          性 差. 口蓋幅 口蓋長                                          一 口蓋高. ★☆ ★. 関係偏差. 幅高指数                                        ★ 長幅指数. ★      ☆         有意差なし. 歯で,男性の方が女性より後方に位置していた。先に示 したように全体では男性の方が女性より口蓋は大きい。 しかし,詳細にみると,犬歯部では女性の方が大きく, 小臼歯部でほぼ等しくなり,大臼歯部で男性が大きくな る.関係偏差をみると,口蓋幅では,第一小臼歯から第 二大臼歯に向かって性差が大きくなる傾向がみられたo 口蓋高では,犬歯と第-小臼歯では女性が大きい方向へ の性差の程度が大きく,第二小臼歯では性差は小さく, 大臼歯部では男性が大きい方向への性差の程度が大きく なっていた。口蓋幅,口蓋高ともに性差が最大となった のは第二大臼歯部であった。 幅高指数をみると,犬歯・小臼歯郭では女性が,大臼 歯部では男性が有意に大きい値を示した。 (3)口蓋の矢状断面と前頭断面の形態計測 a.正中矢状断面における口蓋形態 正中矢状断面における口蓋高の統計量を表9に,男女 の平均値をグラフ化して図9に示した. 前方の第1 -第3区分までは女性の口蓋高が高いが,. 第4-第7区分までは性差が認められず.第8-第10区 分では男性の方が高かった。前述した各歯の位置での口 蓋の大きさは,犬歯部では女性の方が大きく,第二小臼 歯郭でほぼ等しくなり,大臼歯部で男性が大きくなると いう結果とはぼ同様の結果であった。すなわち,男性の 口蓋は前方が浅く,後方が深いという起伏に富んだ形態 を呈するのに対し,女性では前方と後方の口蓋高の差が 小さく平坦な形態を皇するといえよう。 b.前頭断面における口蓋形態 各歯の位置での前頭断面における口蓋高の統計量を表 10に,平均値をグラフ化して図10(男性)と図11(女性)に 示したoまた,女性を蓋準とした関係偏差折線を図12に 示した。 正中矢状断面の口蓋高の結果をみても明らかなよう に,前頭断面の分析においても,第-小臼歯郭では全体 的に女性の方が口蓋高が高い。第二小臼歯部で男女間の 差がほとんどなくなり,大臼歯部では男性の方が口蓋高 が高くなっていた.. -30-.

(10) 歯科学報. 31. 表7 各歯の位置における口蓋幅・口蓋高の統計量 男 性              女 性            性 差. 関係偏差  t検定. 幅C 幅Pl 幅P2 幅Ml 幅M2. 高C 高Pl 高P2 高Ml 高M2. 53    20. 75    4. 28. 90   21. 33    3. 59. ¢   NS. 63    28. 55    2. 41. 102   28. 42    2. 03. -0.060`  NS. 63    34. 75    2. 76. 102   33. 88    2. 20. ¢   ☆. 63    37. 38    2. 46. 102   36. 42    2. 34. ☆. 63    41. 02    2. 77. 102   39. 33    2. 54. ★. 53    1. 39    0. 94. 90    2. 13    0. 89. ★. 63     6. 79    2. 25. 102    8. 29    1. 88. ¢   ★. 63   11. 82    2. 42. 102   12. 34    1. 91. 63    14. 62     2. 13. 102   13. 23    1. 75. ★. 63   14. 90    2. 23. 102   12. 78    1. 73. ★. J. NS. ★      ☆         有意差なし. 幅C,高C :犬歯に対応する口蓋幅,口蓋高 幅Pl,高Pl :第一小白歯に対応する口蓋幅,口蓋高 幅P2,高P2:第二小臼歯に対応する口蓋幅,口蓋高 幅Ml,高Ml :第-大臼歯に対応する口蓋幅,口蓋高 幅M2,高M2 :第二大臼歯に対応する口蓋幅,口蓋高 表8 各歯の位産における口蓋幅高指数の統計室 男 性       女 性    性差. 2. 5.  .  . ∩. 5. ロ.   4. ◎0. 3. 9.  .  .  . 3. 6. 6.  .  .  .  . 3. 2. 5 7 9 4 0. 9. 2 3. 3.    .  . 6 3.  .    .  . 6 3. 1. 9   2  . 4. 3.  . 3. 6. 3   6   8   3   2 ︻ -     1   4   4   e U.  .  . 9.  .  . 2   2   2   2 0   0   0   0 1     1     1   1.  . 3.    . 7. 6. 0 9.  . 3.  . M. 0   e U   ︿ = X U   1   9 9   4   9   4   3.  .  . p. 3   7   6   e U   5. 3.  . 3. 3. 2. 6. 2. 6.  . 2.  .  . 3. 1. 6.  .  . 2.  .  . 3. 1. p. 5. c. ★★☆★★. 検定. M. ★      ☆ 男性では第二小臼歯部と大臼歯部の口蓋高に大きな差 が認められたが,女性では両者の間に男性ほどの違いは 認められなかった。これは前述したように男性の方が前 後方向に口蓋の起伏が大きいことに原図するものと考え られる。大臼歯部では中央部寄りで男性が高い口蓋高を 示したが,その程度は第二大臼歯部でより大きかった。 左右両塊に比べて中央に近い部櫨での性差が大きかった ことから,男性の口蓋断面は女性に比べて強い傾斜を呈 しているといえよう. 3.歯列弓と口蓋の計測値間の相関係数 1 )歯列弓計測値問の相関係数 歯列弓計測値8項目間の相関係数を表11に示した。一 般に長径同士,幅径同士および弦同士では比較的高い相. 関を示したo男性では歯列弓長と後歯列弓長,歯列弓幅 Mlと歯列弓幅M2では0.8以上の高い相関がみられ たo女性でもこれらの項目間では0.8程度の高い相関を 示したO しかし,歯列弓長径同士でも前歯列弓長と後歯 列弓長の間の相関は低かった(男性     女性 方,長径と幅径の間でも比較的相関が低かっ た。とくに大白歯部      歯列弓幅と歯列弓長径 の項目間の相関は低い傾向を示した。この傾向は男性で 顕著で,歯列弓幅M lと後歯列弓長の問の  が最も 高い相関であった。しかし,前歯列弓幅は と比較的高い相関を示した.歯列弦は長径,幅径のいず れとも比較的高い相関を呈した。犬歯弦では歯列弓長, 前歯列弓長・幅と高い相関を示した.とくに前歯列弓幅 とは男性    女性   と高い相関を示した。 M 2弦では歯列弓長,後歯列弓長と高い相関を示した。と くに歯列弓長とは男性    女性   と高い相関 を示した。ほとんどの項目間で,男性より女性の方が高 い相関を示した。 2 )口蓋計測値間の相関係数 口蓋長および各歯の位置における口蓋幅・口蓋高間の 相関係数を表12に示した。口蓋長と口蓋幅あるいは口蓋 高との相関は一般に低かったが,このうち,口蓋長と小 白歯郭の口蓋高との相関は男性で高かった 。しかし,女性ではそれほど高くはなかった. -31-.

(11) 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態 表9 正中矢状断面における口蓋高の統計量 ①   ②   ③   ④   ⑤   ⑥   ⑦   ⑧   ⑨   ⑩ N       55    55    55    55    55    55    55    55    55    55 mean    2. 40   5. 34   8. 36  10. 69  12. 47  13. 64  14. 26  14. 34  14. 17  13. 81 S D 0. 92  1.48   2. 03   2. 52   2.67   2. 55   2.67   2.68   2. 72   2.89. ①   ②   ③   ④   ⑤   ⑥   ⑦   ⑧   ⑨   ⑲ N       94    94    94    94    94    94    94    94    94    94 mean    2. 90   6. 34   9. 26  11. 86  12. 58  13. 27  13. 51 13. 32  13. 03  12. 49 S D l. 24   2. 02   2.26   5.82   2.33   2.30   2. 31  2. 36   2.45   2. 79. 性差( t検定) ①   ②   ③   ④   ⑤   ⑥   ⑦   ⑧   ⑨   ⑲ ☆    ★    ☆                         ☆    ★    ★. ★      ☆         有意差なし ①∼⑩ :中切歯歯頚線中点と第二大臼歯遠心点の間を10等分した各部位. たoまた.第一小臼歯の口蓋高と小臼歯の口蓋幅間の相 関はやや高く       であった.しかし,他の部 政ではほとんど有意な相聞を示さなかった0 3 )歯列弓と口蓋計測値間の相関係数 歯列弓計測値と口蓋計測値間の相関係数を表13に示し. 0 2. 4. 6. -男性. 8. ---一女性. た。口蓋長と歯列弓計測値間の相関では,歯列弓長径と 弦で      と高い傾向を示した.とくに歯列弓長 (男性    女性    とM 2弦(男性    女 性    との間で高かった。また.前歯列弓幅とも高 い相関がみられた(男性    女性     口蓋幅 と歯列弓計測値の相関では,部位によって達いがみられ. 10. 12. 14. 16. nn. 図9 正中矢状断面における口蓋高 。幅径同士の相関では,犬歯部と臼歯部 では傾向が異なっていたo犬歯部では第一小臼歯部とは 相関がやや高いが(男性    女性     他の部 位とは低い傾向をしめした。臼歯郭では      と 高い相関がみられた。とくに近接する歯間では と非常に高い相関がみられた。口蓋高同士の相関 でも近接する歯間の相関は高く,とくに臼歯部では と非常に高い相関がみられたo犬歯と第小目歯間ではこれよりやや低く,男性    女性 であったo一方,離れた歯間では相関は低く,例 えば犬歯と第二大日歯間では,男性    女性 とほとんど相関はみられなかった。口蓋幅と口蓋高の相 関は一般に低い傾向を示した。しかし,犬歯の口蓋幅・ 高間の相関は高く,男性    女性   であっ. た。犬歯部ではいずれの項目間とも低かった。小臼歯部 では,歯列弓幅と弦との間で      と高い傾向を 示した.とくに歯列弓幅との問で高い傾向を示し,男性 では第一小臼歯口蓋幅と前歯列弓幅の間    女性 では第一・第二小臼歯口蓋幅と歯列弓幅Mlの間 の相関が高かったO一方,歯列弓長径と の間の相関は低かった。大臼歯部では,大臼歯部の歯列 弓幅篠との間で高い相関がみられた        男 性では前歯列弓幅ともやや高い相関を示した しかし,女性では      と相関は低かっ た。口蓋高と歯列弓計測値間の相関は全般的に低い傾向 を示したO犬歯部では,前歯列弓長とやや相関が高かっ た(男性    女性   。小臼歯部では歯列弓 長, M2弦で      とやや相関が高かった。しか. -32-.

(12) 歯科学報. 33. 表10 各歯の位PLaでの前頭断面における口蓋高の統計量 ①   ②   ③   ④   ⑤   ⑥   ⑦   ⑧   ⑨ N       41    41    41. 41    41    41    41. 41    41. mean 0. 85   1. 26   1. 66. 1.87   1.98   1.92   1.74. 1.43   0. 95. S D 0.67  1.03  1.35. 1.61  1.71  1.65   1.44. 1. 16   0. 75. N        65    65    65. 65     65     65     65. 65     65. mean    2. 80   4. 46   5. 54. 6. 16   6. 98   6.22   5. 71. 4.55   2. 93. S D 0.89  1.56   2.00. 2.22   4. 80   2. 16   2. 07. 1.64   1. 10. N       65    65    65. 65     65     65     65. 65     65. mean    4. 44   8. 36  10. 65. ll. 23  11. 45  11. 28  10. 80. 8. 71   4. 70. SD 1.41  2.31  2.32. 2. 32   2. 36   2. 40   2. 36. 2. 16   1.26. M 1 N       65    65    65. 65    65     65     65. 65     65. mean    6. 57  11. 36  13. 63. 14. 01 14. 14  14. 09  13. 62. ll.25   6.23 2.26   1. 74. SD     2.03   2.25   2.07. 2. 13   2.15   2.22   2. 15. M 2   N       65    65    65. 65    65     65     65. 65     65. 111ean    6. 46  11. 40  13. 68. 14. 42  14. 51 14. 41 13. 75. ll.37   6.24. SD     2.17   2.31  2.16. 2. 28   2.26   2. 19   2. 09. 1. 96   1.52. ①   ②   ③   ④   ⑤   ⑥   ⑦   ⑧   ⑨ C N       91    91    91    91    91    91    91. 91    91. mean 0.80  1. 38  1. 77   2. 01  2. 12   2. 07  1.84. 1. 50   0.93. S D 0.47   0. 72   0. 84   0. 98  1.06  1. 01  0.81. 0. 70   0.48. Pl. N IO2   102   102   102   102   102   102. 102   102. mean    3. 06   5. 29   6. 96   7. 66   8. 03   7. 75   6. 94. 5. 14   2. 92. 上. 1.40   0. 79 2. 0. 1  .  .  .  .  . 4.  . 9.   2. 7. 0. 1. .. .  .  . 5. 1. 0. 9. 1. 1. 2. 0. 1. 1.  .  .  .  . 5.  .  . 5. 9. m坦. 1. 9 3.  . 2. 2. 1.  . O.  .    .  . 3. 5. .. .. .. .. 7. 5.  . 1  . 0 1qU 4.  . 1. .. 9. 9. ..  .  . 7.  . 7.  .  .  .  . .. 0. 2. 1. 8. m四.  . 0. 2. 1. 8. 円坦.  .  .  . ..  .  .  . 4. 2. 0. 3. 1.  . 企. 2 8 3. 1. 1. U. 1. 2. 1.  .  . 1.  .  . ..  . 6. 0. 1. 1.  . .. 3. 1. 1. 7 7. 1. 8. 2. 1. 7.  .  . 1.  . 2 CD 2 0 4 00. 7. 1. 2. 2.  . 1.  . ..  . 2. 1.  . 6.  .  .  . 1.  . 1. 0. 1.  . 1. 9. 8. 1. 7. 2 1 0.  .  .  .  .  .  .    .  .  .  .  .  . ∧ U   4   6. 1. 2 0. 1. 2. 1. 2. 1. 2   n U   8 0   8   8. 2 3 1.  .  .  .  .  . 1. 3. 9. 2.  .  . 2. 0.  . 8. 1. 2.  . ..  .  . 4.  . 1. r:. .. 0.  . .. 2. 0. 7.  . ..  .  .  .  . 0. U. 1. 2.  . 2. 月.  .  .  .  . 8. 1.  . 8. 1. 0. 1.  . .. 1. 1. 2. 1.  .  .  .  .  .  . 8. 0. .. ..  . 5. 9.  . 8.  .  .  . 2. 2. 0. 8. 1.  . 3. 2.  . 1.  .  .  .  . 9. 3.  . 5. 2.  .  . 0. 2. S D. 1. 0. mean. 1. M2    N.  .  . U. ..  . SD    1.38  1.57  1.66. 1.  . 8. mean    5. 93  10. 39  12. 35. 2   ∧ U   4 0   9   9. 1. 1. 1.  . SD    1.07  1.63  1.77. M 1 N      102   102   102. 2   ∧ U   4 0   0   0. 企.  .  .  . 2. 0. 1. N IO2   102   102 mean    4. 38   8. 84  11. 23. 性差( t検定) S N S N S N S N. N S☆N S★★. N S★N S★★. N S★N S★★. ★★. N S★N S★★. M. ☆NS. p. N S★N S★★. p. N S★N S★★. c 1 2 1 2. S N. M. ★      ☆         有意差なし. ①∼⑨ :左右側の各歯の問を10等分した部位 -33-.

(13) 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態. 34. ②  ⑨  ④  ⑤  ⑥  ⑦. 率の推定値は   であった.実際の個体に適用してみ ると,男女160個体中,誤って別の性に判別された個体 は26個体    であった.. 、.十㌦、-、、、、. 次に8項目について変数選択法による判別分析を行っ. \.                      /. た。 8項目中とくに歯列弓幅Ml.歯列弓幅M2および. \. I-'\\・、.-∼..ゝ. 犬歯弦の3項目が睦の判別に開与していた.この3項目. 】. による誤判別率の推定値は   であった。 2)口蓋計測値に蓋づく判別分析 各歯の位産における口蓋計刺値11項目に基づく判別分 析の結果を表15に示した.マパラノビスの乱距離は. 図10 各歯の位置での前頭断面における口蓋高(男 性). となり,誤判別率の推定値は   であったo実 歴の個体に適用してみると,男女134個体中,誤って別. ②  ③  ④  ⑤ (◎  ⑦  ⑧  ⑨. の性に判別された個体は24個体    であった。 次に11項目について変数選択法による判別分析を行っ たo ll項目中とくに口蓋長,第一小臼歯と第二大臼歯に 対応する口蓋高.寡-大臼歯に対応する口蓋幅の4項目 が睦の判別に関与していた。この4項目による誤判別率 の推定値は   であった。 3)歯列弓と口蓋の計測値に基づく判別分析 歯列弓計測値8項[上 口蓋計測値11項E]の19項目すべ てを用いて判別分析を行うと,マパラノビスの乱距離は. 図11各歯の位置での前頭断面における口蓋高(女 性). 誤判別率の推定値は  と非常に高い判別率と なる。しかし,項目数があまりに多く実用的とは思われ ないので,ここでは変数選択法による判別係数のみ記載 した(表16)。歯列弓では後歯列長と歯列弓幅M2が,口 蓋では口蓋長,第-小臼歯および第一大白歯に対する口 蓋高の計5項目が睦の判別に関与していた。この5項目. ---・- C. を用いた場合,マ-ラノビスの乱距離は   誤判別. --- P1. 率の推定値は  であったo実際の個体に適用してみ. -Ill P2. ると,男女134個体中,誤って別の性に判別された個体. --- M1. は26個体    であった。. - M2. 考     察 1.歯列弓の形態について 1 )歯列弓形態の分類. 図12 前頭断面における口蓋高(女性を蓋準とした 関係偏差折線). 肉眼観察により歯列弓形態をいくつかの癌型に分楽す る研究は,古くから行われてきた ・  これらの 結果では,いずれも放物線型が高強度にみられることが. し,大臼歯部では,ほとんどどの項目間とも有意な相関 はみられなかった。. 示されている。本研究でも放物線型が最も多くみられた. 4.判別分析による歯列弓および口董形態の性別の判定 1 )歯列弓計測値に基づく判別分析. あった。しかし,男性ではフィリピン人で有意に多くみ. 歯列弓計測値8項目に基づく判別分析の結果を表14に. 性では人種差が認められなかったことから上サンプリン. 示した。マ-ラノビスの汎距離は  となり,誤判別. グの問題や分楽の移行型に属するものがすべて放物線型. (表1 )o放物線型は女性では日本人29)とほぼ同じ頑度で られたo この結果を人種差と考えることもできるが,女. 一34-.

(14) 歯科学報. 35. 表11歯列弓計測値間の相関係数. 歯列弓長 前歯列弓長(,後歯列弓長 前歯列弓幅 歯列弓幅Ml歯列弓幅M2 犬歯弦  M2弦 歯列弓長                         ♯ 前歯列弓長                       ♯        後歯列弓長     ♯ 前歯列弓幅 歯列弓幅 歯列弓幅         -               ♯       ♯ 犬歯弦 M2弦                    ♯. 上半:男性,下半:女性             く. 表12 口蓋計測値問の相関係数(各歯の位置における口蓋高と口蓋幅). 口蓋長 幅C 幅Pl 幅P2  幅Ml  幅M2  高C  高Pl 高P2  高Ml  高M2 口蓋長 幅                          一. 幅 幅                               一 幅Ml 一. 幅M2 -                     ♯ 高          ♯                            ♯. apt 0.240・ 0.283*・0.299** -0.226* 0.212・ 0.080  0.577・・    0.819・・ 0.588** 0.393** aP2 0.278**0.225* 0.235* 0.229・ 0.128 -0.028  0.408*・0.780**      0.741招 0.502**. 高 高. 上半:男性,下半:女性 に分葱されてしまったためとも考えられる.いずれにし. では男性が女性を有意に上回っているのに対し,長径の. ても,フィリピン人では放物線型が最も多かったことは. 項目では,わずかに男性が大きいものの有意な性差はみ. 明らかであるo放物線型以外の分車型では,日本人29)は. られなかったという。本研究の結果もほぼ同様であっ. 方型が比較的少なく,円型が比較的多いとされている。. た.一般に歯列弓では長径より幅径の方が旺差が大きい. フィリピン人では円型が少なく,方塾がやや多かった。. とされている.この点に関して,小木曽51)は. したがって,歯列弓の分幾では最も高率にみられる放物. のデータを引用し,歯列弓の成長変化における性差が何. 線型では人種差は表れにくいが,第二.第三番目にみら. らかの影響を及ぼしているのではないかと考察してい る。本研究では幅径のうち大臼歯部におけるものの方が. れる分顛型に人種の特徴が表れてくるといえよう0 2)歯列弓の大きさ. 性差が大きい傾向を示した。この点も小木曹5°の結果と. 著者の教室の浜田ら25),吉田ら26)はフィリピン人の歯. 一致していた。したがって,個々の数値には人種差もみ. 列石膏模型を直接計測し,歯列弓の大きさを報告してい. られるであろうが,一般に性差の程度は歯列弓長径に比. る。本研究では口蓋の形態との関係を検討するためモア. べて幅徒で大きく,それも大臼歯部の幅径で大きいとい. レ写真上での計測を試みたo同様な方法は堀田  陳39). えよう。. によって報吾されている。従来からの研究における計測. 以上のフィリピン人の歯列弓形態を総括すると,歯列. 点と本研究では計測点が異なっているため,数値を直接. 弓の形態は    が放物線型で最も多く,帯円Ⅴ字型. 比較することはできなかった。陳によると,歯列弓幅径. が最も少なかった。歯列弓長径では性差が認められな. -35-.

(15) 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態 表1`3 歯列弓と口蓋の計測値間の相関係数. 口蓋長 幅C 幅Pl 幅P2 幅Ml 幅M2  高C  高Pl 高P2 高Ml 高M2 歯列弓長     ♯. ー                      ♯     ♯. 前歯列弓長. 乱用憲 一乱田rJ 一札円霊 -XH銃鑑  札霊か 鑑。輿望か崇 乱qmn X。捕   っ川田. 後歯列弓長    出. 0.144  0.097  0.013 -0.037 10.169  0.106  0.229  0.184  0.040. 前歯列弓幅    出. 0.637'. 0.446.. 0.370・* 0.314・ 10.005  0.145  0.084  0.061 0.091. 歯列弓幅. 0.492.. 0.583・8 0.600・・ 0.489・・ -0.140 -0.072 -0.020 10.006  0.054. 歯列弓幅. 0.401- 0.528H 0.608・・ 0.697・・ -0.192 10.049  0.017  0.150  0.272・. 犬歯弦     出. 0.545.. 0.326. 0.218  0. 124  0. 159  0.278・ 0. 163  0. 070  0. 019. M2弦     出. 0.353.・ 0.283・ 0.185  0.122 -0.018  0.271・ 0.295・ 0.233  0.07'9. 口蓋長 幅C 幅Pl 幅P2 幅Ml 幅M2  高C  高Pl 高P2 高Ml 高M2 歯列弓長                       一       出    ♯ 前歯列弓長    叫                          用 後歯列弓長    柄       出                           耕     一 前歯列弓幅    出       出        目 歯列弓幅             持        出    出        ♯ 歯列弓幅            吊   出 犬歯弦     出 M2弦     叫       出        -    ♯             出. ・・: P<0.01, *: P<0.05. 表14 歯列弓計測値による線形判別分析の結果 変   数. 表15 口蓋計測値による線形判別分析の結果. すべての項目に 変数選択法に よる判別係数 よる判別係数. 変   数. マ-ラノビスの汎距離. 口蓋長 幅C 幅Pl 幅P2 幅Ml 幅M2 高C 高Pl 高P2 高Ml 高M2. 誤判別率の推定値. 定数. 歯列弓長 前歯列弓長 後歯列弓長 前歯列弓幅 歯列弓幅M 1 歯列弓幅M 2 犬歯弦 M2弦. 190. 253 77. 573 79. 644 -2. 532 -・0. 231    -0. 367 -3. 277      0. 680 5. 918      0. 303 13. 086. 定数. すべての項目に 変数選択法に よる判別係数 よる判別係数 0. 496      0. 464 0. 107 -0. 326 0. 296 0. 150      0. 289 0. 300 10. 081 -0. 490    -0. 729 -0. 228 0. 447 0. 375     0. 610. マパラノビスの汎距離. かった。幅径と弦では男性が女性より有意に大きく,大. 誤判別率の推定値. 臼歯部の歯列弓幅径で性差が大きかった。 2.口蓋の形態について 1)口蓋最深部の形態. 度には性差は認められなかった(表3).フィリピン人と. フィリピン人の口蓋最深部のモアレ縞の外形の出場塵. 日本人29)で比較してみると,最も多くみられた形態が縦. -36-.

(16) 歯科学報. 37. しており,モアレトポグラフイ一法が従来の二次元的計. 表16 歯列弓と口蓋の計測値による線形判別分析 の結果(変数選択法). 別法とも充分比較可能な計測法であることを証明してい る。. 変   数       判別係数 後歯列弓長 歯列弓幅M 2 口蓋長. 高Pl 高Ml. 口蓋の断面形態に関しては,従来から模型を横断する. 10. 633. 方法。,ヒューズ線を用いる方法4),あるいはモアレト. 0. 462. ポグラフイ一法30)によって類型分類が行われてきた。本. 0. 815. 研究で採用したモアレトポグラフイ一法による研究では. 10. 826. 男女の平均的な口蓋形態が数室的に比較できた.量的な. 0. 658. 変化について総括すると,全体としては男性の方が大き. ー30. 390. いが,前方部では女性で大きかった。男女の口蓋高がほ. マパラノビスの汎距離. ぼ同じ高さになるのは第二小臼歯の位置であった。ま. 誤判別率の推定値. た,最深部は男性の方が後方に位置していた。これらの 結果は,本研究とほぼ同じ計測方法によって得られた生. 楕円形であり,その強度が約30%であったという点は共 通していた。円形,横楕円形, -ート形は日本人で少な かった。豪深部の外形を宮涯33)の分数に準じて凸型,凹 型, 2つの楕円,点状形に大別して検討を行った。フィ リピン人と日本人を比較すると,フィリピン人の方が凸 型が多く(Pく   点状形が少なかった. 田  宮摩  小野塚ら40)の研究と一致していた.骨口. 歯牙に対するモアレ縞の最深部の位置は,フィリピン 人,日本人29)ともに第一大臼歯が最も多かった(表4 b).フィリピン人では第二大臼歯が多く,第二小臼歯 が少ないため,フィリピン人の方が日本人より最深部が 後方に位置すると考えられる。 正中線に対する最深部外形の位置では,フィリピン 人,日本人29)ともに外形のほぼ中央にiE中線がくるもの が25%以上を占め,最も多くみられた(表5)O次いで正. ことから,男性の口蓋断面は女性に比べて強い傾斜を呈. 蓋でも同様の結果が得られているという53)。矢状断面を みると,男性では前方が浅く,後方が深いという起伏に 富んだ形態を呈するのに対し,女性では前方と後方の口 蓋高の差が小さく平坦な形態を呈したo前頭断面でも, 左右両婿に比べて中央に近い部位での性差が大きかった していたといえよう。 以上のフィリピン人の口蓋形態について総括すると以 下の通りである。 口蓋最深部のモアレ縞外形の形態は,縦楕円形が約30 %で最も多かった。円形,ハート形, 2つの楕円が次い で多く     みられた。口蓋最深部は第一大臼歯部 に位置することが多かった    豪深部の外形は65-. 中線の右側あるいは左側に偏位するものが多かった。こ れらは外形が正中線上にあるものと一括することがで き     がこのタイプであった。正中線の右側ある いは左側に位置するものでは,フィリピン人では左右差 は有意ではないが,日本人では有意に右側が多かった 。しかし,いずれも右側が多い傾向を示して おり,興味深い。 2)口蓋の大きさ. 71%で正中線上に位置していた。口蓋計測値における性. (1)口蓋形態の性差 小木曽51)は関係偏差によって口蓋形態の性差を比較し ているo後口蓋高,前口蓋高,前口蓋幅,口蓋義,後口 蓋幅の服に性差の程度は小さくなるo このうち,第-小 臼歯部の口蓋高である前口蓋高は女性の方が大きかった としている。本研究の結果でも,性差の程度は口蓋幅, 口蓋長に比べて,口蓋高の項目で大きく,同様の結果で. 呈していた。. あった.また,第-小臼歯部の口蓋高は女性の方が大き く,大臼歯郭で男女が逆転する点も本研究の結果と一致. とは困難であるO 日本人(九州地方1の     沖縄. 差は口蓋高,口蓋幅の服に大きかった。口蓋長では性差 が小さかった。口蓋の幅径と高径は,犬歯部では女性の 方が大きく,小臼歯部ではほぼ等しく,大臼歯部では男 性が大きかった。正中矢状断面の形態は,男性では前方 が浅く,後方が深いという起伏に革んだ形態を呈するo 女性では前方と後方の口蓋高の差が小さく平坦な形態を 呈した。口蓋の前頭断面の形態は男性の方が強い傾斜を (2)口蓋の大きさの人種差 口蓋形態に関しては多数の人種についての計測値が報 吾されている    日      本研究ではモア レトポブラフィー法によって口蓋形態を三次元的に解析 したため,従来からの二次元的計測法とは計測点を異に する。このため,ほとんどの計測値について比較するこ. -37-. 中Eg人(台湾    台湾原住民の    族.

(17) 大野:フィリピン人の歯列弓と口蓋の形態. 38. 表17 口蓋幅の平均値の人種間の比較. 男 性   幅Pl 幅P2 幅Ml 幅M2.  .  . 4. 3.  .  . 4. 3.  .  . 4. 3 2.  .  .  . L. 4. 3.  . l.  .  .  . e U. 3. 3. 4. I. 3. 9. 4.  .  . 3. U.  .  . e. 図13 フィリピン人と他集団の口蓋幅の平均値の 差(男性) Jk :日本人(北九州   日本人(沖縄 日本人(種子島    日本人(五島   日本 人(石垣島   日本人, C :中Eg人(台湾),. 0. 女 性   幅Pl 幅P2 幅Ml 幅M2. 族      族      族 3.  .  .  . 9. 3. 0. 4. 1.  .  .    . 0. 4. 1. 4. 1.  .  .  . 0. 1. 0. 4.  . 3.  .  .  .  . 2. 4. 1 U.  .  . 0 0.  .  .  . 7. 4. 1.  .  . 1.  . 4. 0. 4.  .  .  . 8  .  .  .  . 4. 0. 8. 6. 0. 4. 3. 7. 4.  . 3. 3.  .  .  . 3.  . 2. 9. 4.  . 3.  .  .  . 3.  . 3. 3. 5.  . 3.  .  .  .  . 3.  . 9. 2. 6. 5.  . 3.  .  .  .  . 9. 2. 3.  .  . 4. 4.  .  . 3. 9.  .  . 0. 2. 2. 3.  .  .  .  . 7. 4. 9. 7.  .  . 3.  .  . 0.  .  . 0. 5. 3.  .  . 8. 4. 5.  . 3.  . 2. 0.  .  . 0. 3.  .  .  .  . 4. 5. 8.  . 3.  . 2. 9.  .  . 9. 3.  .  . 1. 3. 6.  . 3.  .  .  . 1. 3.  . 2. 8. 9. 3.  .  . 3.  .  .  .  . 2. 4.  . 2. 8. 明 U   囲 弘   明 <   囲 <   閣 凡   i E   閣 重   i :   弼 凡   て. 3.  . 3. 3.  .  . 9   良                                 良. 4.  . 8  . 2. フィリピン人 日本人(北九州 日本人(沖縄 日本人(種子島 日本人(五島 日本人(石垣島 日本人33) 中国人(台湾在住 族40) Paiwan #13) 族14). 眠 M l 円 p. 2. □圏Jl■. 4.  . 3.  . ー.  .  .  . 2. 3.  . 己. 4.  .  .  .  .  . じ.  . 3.  . 点. 2.  .  .  . 4.  . 7.  . 3. ∩.  .  .  . 9. 3. 3.  . 4.  . U.  . 良.  . 3.  . 1.  . 5. 4. 3.  . 4   1 ソ ︼.  . 4. 7   0 0   7   9   0 0   C O O O   9   8   0   8 3   3   3   3   3   3   3   3   3   4   3. 3.  . 4   己                                         己. 5. 日本人(北九州 日本人(沖縄 日本人(種子島 日本人(五島 日本人(石垣島 E]本人33) 中国人(台酒在住)23) 族40) 族13) 族14). 8   0   9   0   C D 0 0 0 I   0   1 2   3   2   3   2   3   3   3   3   3   3. フィリピン人. 図14 フィリピン人と他集団の口蓋幅の平均値の 差(女性) Jk :日本人(北九州    日本人(沖縄 日本人(種子島   日本人(五島   日本 人(石垣島   日本人, C :中画人(台湾), 族      族, R:  族-. 族14)については犬歯より遠心の各歯に対応 する口蓋幅が報吾されている。また,本研究と同様の計 別方法によって,日本人33)と台湾原住民の   族40) の第一小臼歯より後方の口蓋幅・口蓋高が報告されてい る。これらは同じ計測法を採用しているとは限らない訳 であるが,相同な計測点を用いていると考えられる。そ こで,これらモンゴロイド諸集団問の口蓋幅,口蓋高の 比較を試みた。なお,犬歯部については計測値が報告さ れていない人種があり,計測値の変異も大きいことから 今回は比較の対象から外した。 a.口蓋幅の比較 表17は口蓋幅の平均値を集団問で比較したものであ る。図   は各集団とフィリピン人の平均値の差をグ ラフ化したものである。この場合,諸集団の平均値から フィリピン人の平均値を引いており,フィリピン人の値 が大きい場合に,差は負の値となる.なお,この場合, 集団間の比較に関係偏差を用いず,平均値の差を用いた 理由は以下の通りである。フィリピン人の口蓋幅の標準. 偏差は項目間で大きな違いはみられない。すなわち,男 性では     女性では    であった。他集 団の標準偏差もほぼこのレベルで変動していた。した がって,全体の傾向をみるためには平均値の差と関係偏 差はほとんど同じ傾向を示し,これらはほぼ同等に評価 することができると解釈できる。 mm単位の量的な関係 が把握できるという長所も考慮して,ここでは平均値の 差によって集団間の比較を行った。 男性:フィリピン人はいずれの集団と比較しても小さ い口蓋幅を呈した。フィリピン人と差が最も大きかった のは    族    族であったo とくに 族では大臼歯部    族では第二小臼歯部が大き かった    族,中Eg人,日本人,種子島住民,石. -38-.

(18) ぢ. 歯科学報 VoL. 垣島住民は全体をみると,同程度の大きさを呈してお り,北九州住民はこれらより少し小さかった。 妖では,大臼歯部より小臼歯部がより大きい傾向を示し た。日本人では第一大臼歯部はフィリピン人と比較的近 い値であったが,他の部位では逆に差が大きかった。日 本人は石垣島住民とほぼ同じ値であった。フィリピン人 と最も近い大きさを呈したのは五島住民と沖縄住民で あったo 女性:女性は男性とはやや異なった傾向を呈してい た。全体として最も大きな口蓋を呈したのは 族,石垣島住民,種子島住民であった    族では 男性と同様,小白歯部がより大きい傾向を示した。種子 島住民,石垣島住民は大白歯部が大きい傾向を示した。 石垣島住民はとくに第二大臼歯部が大きかった。中国 人     族    族はほぼ同じ大きさであっ た。中Eg人はやや第二大臼歯部がより大きい傾向を示し たo五島住民と日本人は中国人より小さい値を示した. 五島住民は第二大臼歯部は大きく,小臼歯部がそれほど 表18 3人種間における口蓋計測値の比較(平均値) 男性        女性 F. J. Y. F. J. Y. 幅. 図      の距離をもとにした主座痩分析の 二次元的表現 F・.フィリピン人, J :日本人      族 m:男性, f :女性. 幅 幅 幅. 高                         (、 高. 大きくない点で,石垣島住民とパターンが顛似してい. 高. た。フィリピン人と最も近い値をとったのは,沖縄住民. 高. と北九州住民であった。これらでは,第二大臼歯部を除 いてフィリピン人より小さい値を示した。. F :フィリピン大   日本大      旗40). 以上から,男女ともにフィリピン人と最も癌似した大 表      の距離(上半:大きさ距離.下半: 形態距離) Fm. Jm. Ym. Ff 0 2 2. 4 8 1. 1 4 0. 0 1 1 0. ∧U. 1 9 3 0. 3 5 5 00. 0 0 0 0 0. 0 7 3 6 2. 表18にフィリピン人,日本人    族の口蓋幅・ 3 4 9 8 9. 口蓋高の平均値を示した。口蓋幅を比較すると,男女と もにフィリピン人が3集団中で最も小さい値を示す。し 2 1 0. 2 5 4. かし,口蓋高をみると,男性では大臼歯部ではフィリピ 9 1 3. j E. 2   2. H 坦. 0. T 動   n 叩. ン人が最も大きい値を示し,女性でも第二大臼歯を除く 0. 77. F:フィリピン人,J:日本人     族. m:男性, f :女性. b.口蓋幅・口蓋高の比較. 5 6. 4 6 0 9. l ∧U. 1  1  1  1  1. 4 5 7 6. となった。. Yf. 1.09 5   7   7   3   8 0   3   2   2   5. F mJ mY mFfJ-Yf. 6 0. 0 0. Jf. きさの口蓋幅を呈するのは沖穐住民であることが明らか. 部位ではフィリピン人が豪も大きい値を示した. J以上の ことから,フィリピン人では,日本人や   族と比 べて,幅が狭く深い口蓋形態を呈するといえよう。 -39一.

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