Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
市川総合病院脳卒中センターにおける摂食・嚥下機能評
価と口腔ケアの重要性
Author(s)
野川, 茂
Journal
歯科学報, 113(2): 194-194
URL
http://hdl.handle.net/10130/3059
Right
脳卒中は要介護要因および70歳以上高齢者医療費の第1位を占め,有病者数は現在約140万人で人口高齢化 と共に徐々に増加している。しかし,超急性期における組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)静注療法 や救急医療体制の整備,抗血栓療法・神経保護療法を含む急性期治療の進歩により,2011年度の本邦死因統計 では脳血管障害は第4位に後退し,代わりに肺炎が悪性腫瘍,心疾患に次いで第3位となった。しかし,これ は脳卒中急性期における死亡が減少し,合併症である誤嚥性肺炎で亡くなる患者が増加したことを意味するに 過ぎない。 市川総合病院脳卒中センターは2005年5月に開設されたが,同年10月からは発症3時間以内の脳梗塞に対す る t-PA 静注療法が認可された。本治療は“Time is Brain と呼ばれるように,病着後1時間以内に t-PA が打 てる体制を構築することが重要である。コメディカルに協力をお願いした結果,病着後 t-PA 静注までの“door to needle time は約10分短縮され,2011年度には14名の患者に本治療を行うことができた。現在 t-PA 静注療
法の適応は発症4.5時間まで延長され,さらに発症8時間以内を対象として,血栓回収装置を用いた血管内治 療も行われている。 脳卒中患者は意識レベル低下や嚥下機能障害を来すことが多く,誤嚥性肺炎の合併の有無がその後の予後を 大きく左右する。そのため当院では,入院後速やかに看護師が「摂食・嚥下パススクリーニングシート」を用 いたスクリーニングを行い,問題がある患者では,歯科医,歯科衛生士,言語療法士,栄養士を含む栄養管理 チーム(NST)にお願いし,嚥下内視鏡検査(VE)を含む摂食・嚥下評価および口腔ケアを行っている。運 動機能障害が残存する患者は,「千葉県脳卒中地域連携パス」を利用して回復期リハビリ病院へ転院すること になるが,本連携パスには,千葉病院歯科・口腔外科の協力を得て,全国に先駆けて「摂食・嚥下機能評価 シート」が付け加えられた。これにより患者は退院後もシームレスに口腔ケアを受けることができるように なった。 講演では,歯科・口腔外科と共同で行った「脳梗塞患者におけるシロスタゾールの唾液分泌量・細菌数に及 ぼす影響」の研究にもふれ,脳卒中急性期医療における医科と歯科の連携の重要性について述べる。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 1986年3月 慶應義塾大学医学部卒業 1988年5月 慶應義塾大学伊勢慶應病院内科専修医 1992年5月 慶應義塾大学神経内科助手 1994年2月 慶應義塾大学病院救急部助手 1995年5月 米国ミネソタ大学神経内科 Postdoctoral fellow 1998年9月 慶應義塾大学神経内科医長 2002年4月 慶應義塾大学医学部神経内科専任講師 2005年4月 東京歯科大学市川総合病院内科准教授 2011年1月 東京歯科大学市川総合病院内科教授 2011年6月 東京歯科大学市川総合病院脳卒中センター 長 2012年11月 東京歯科大学市川総合病院神経内科部長 <所属学会>
American Academy of Neurology International Stroke Society
American Heart Association Stroke Congress
International Society of Cerebral Blood Flow and Me-tabolism
Movement Disorder Society
日本内科学会(認定内科医,総合内科専門医) 日本神経学会(認定専門医,代議員) 日本脳卒中学会(専門医,評議員) 日本脳循環代謝学会(評議員) 日本頭痛学会(専門医,評議員) 運動障害研究会(世話人) Movement Disorder Society-Japan