細胞運命決定転換におけるNotchシグナリングの新
しい機能
著者
倉田 祥一朗
細胞運命決定転換における
Notchシグナリングの新しい機能
(課題番号-14380343) 平成1 4年度∼平成1 5.年度科学研究費補助金(基盤研究(B) (2)) ノ 研究成果報告書 ′ ′ J l一千つ■\、√ J-_・ー 一一' ・T・-ヽ 一 li:■ 「 1へ 、__ -J ー -一一ノ ー ヽ・■- -▲、ヽ′ヽ -、 _ー■一 一二 J、_ ヽ r tヽ T_、 ヽ 、㌧一 ㌔ ∴ . `ti iii! , ・-一-` I. -,-rtJJ 、ノ . ∼ Jl一・- _一・・・- t- 1・ ノー- 、 r1 - _ L, ・ヽ L- -L, L ヽ t■∼一y 二・・二--/=1.. -1 一1..、 JP-_ ーヽ・_ - _一一.-rT _ ・ ヽ」-、■■一一一ハ- -_イJ/ヽ 一、 -< 17-[ - / '- \′ -平成16年4月 研究代表者 倉田 祥一朗 (東北大学大学院薬学研究科助教授) ヽ 三 了 . . : 1 I ,細胞運命決定転換における
Notchシグナリングの新しい機能
(課題番号14380343) 平成1 4年度∼平成1 5年度科学研究費補助金(基盤研究(B) (2)) 研究成果報告書 平成16年4月 研究代表者 倉田 祥一朗 (東北大学大学院薬学研究科助教授)はしがき
平成1 4年度と平成1 5年度の2年間にわたり科学研究費補助金「基盤研究 (B) (2)」を受けた「細胞運命決定転換におけるNotchシグナリングの新 しい機能」の研究成果をとりまとめ、以下のように報告いたします。 研究組織 研究代表者:倉田祥一朗(東北大学大学院薬学研究科助教授) 交付決定額(配分額) 直接経費 間接経費 平成14年度 7800 0 平成15年度 7200 0 (金額単位:千円)合計
7800 7200 総計 15000 0 15000-1-研究発表
(1)学会誌等(原著論文)
1. Onuma, Y., Takahashi, S.,Asashima, M., Kurata, S.and Gehring, W. J・ :
Conservation of Pax6 function and upstream activation by Notch signa血g in eye
development offrogs and nies (vertebratesand invertebrates). Proc・ Natl・ Acad・ Sci・
USA. 99, 2020-2025. 2002.
2. Takehana, A・, Katsuyama, T・, Yan0, T・, Oshima, Y・, Takada, H・,Algaki, T・,and
Kurata, S・ : Overexpression of a pattem recogmtlOn reCeptOr, pepddoglycan recognition protein-LE, activates Imd収elish-mediatedantibacterialdefenseand
prophenoloxidase cascade in Drosophila larvae・ Proc・ Natl・ Acad・ Sci・ USA・ 99,
13705-13710. 2002.
3. Ikejima, M., Nozaki, T., Kurata, S・, Natori, S・, Esumi, H・, Sugimura, T・,and Masutani, M. : Purification and characterization of poly(ADP-ribose) polymerase
cDNA from Sarcophaga peregnna・ Proc・ Japan Acad・ 78, 282-285 1 2002・
4. Yajima, M., Takada, M・, Takahashi, N・, Kikuchi, H・, Natori, S・, Oshima, Y・,and Kurata, S・ : A newly established in vitro culture using tranSgenic Drosophila
revealed functional coupling between the phospholipase A2-generated fatty acid
cascade and lipopolysaccharide-dependent activation of the imd pathway ln insect
immunity. Biochem. J. 371, 205-210, 2003・
5. Punzo, C・, Plaza, S・, Seimlya, M・, Kurata, S・, Schnupf, P・, J畠ger, J・,and Gehring, W・
J・ : eyelessand twin of eyeless conservations and differences in Drosophila
melanogaster. Development発表予定 (2)学会誌等(総説) 1.倉田祥一朗: Notchシグナルによる器官アイデンティティーの決定.細 胞工学21 , 504-507, 2002 (3)口頭発表 1.勝山朋紀、辰巳正信、大島吉輝、相垣敏郎、倉田祥一朗
一2-gene search systemを用いたショウジョウバエの器官特異性決定に関わる 遺伝子の網羅 的探索 第35回日本発生生物学会大会(横浜)、 2002年5月 2.矢野環、倉田祥一朗、 Anne Ephrussi Drosophila卵母細胞内において RNA結合蛋白質 Hrp48 は oskar mRNAの局在と翻訳の 双方を制御する 第35回日本発生生物学会大会(横浜)、 2002年5月 3.矢野環,倉田祥一朗,松居靖久,AmeEphrussi ショウジョウバエRNA結合蛋白質Hrp48による卵母細胞内におけるoskar mRNAの局在と翻訳の制御 第25回日本分子生物学会(横浜)ワークショップ、 2002年12月 4.勝山朋紀, FredericPrince, DianaResendez-Perez,大島吉輝, WalterJ.
Gehring,倉田祥一朗 器官アイデンティティー決定におけるHOX蛋白と基本転写因子相互作用の 重要催 第25回日本分子生物学会(横浜)ワークショップ、 2002年12月 5.勝山朋紀,菅原知,大島吉輝,相垣敏郎,倉田祥一朗 Notchシグナリングと共に成虫原基決定転換に関わる遺伝子の網羅的探索 第36回日本発生生物学会大会(札幌)、 2003年6月 6.矢野環、松居靖久、倉田祥一朗、 AnneEphmssi DTOSOPhJ'1a卵母細胞内においてoskaTmFNAの局在と翻訳を制御するNA 結合蛋白質Hrp48の構造活性相関 第36回日本発生生物学会大会(札幌)、 2003年6月
7. Tomonori Katsuyama, Tomo Sugawara, Yoshiteru Oshima, Toshiro Aigaki, Shoichiro Kurata
Identification of Drosophila genes involved in the determination of
organ identity using a gene search system
日本ショウジョウバエ研究会第6回研究集会(東京) 200 3年7月 8.勝山 朋紀,菅原 知,大島 吉輝,相垣 敏郎,倉田 祥一朗 ショウジョウバエの器官特異性決定に関わる遺伝子の網羅的探索 第26回日本分子生物学会(神戸) 2003年12月 9.菅原 知,勝山 朋紀,大島 吉輝,相垣 敏郎,倉田 祥一朗
-3-異所的発現によりショウジョウバエの複眼を麺へと改変させる新規遺伝子 cG31151の機能解析 第26回日本分子生物学会(神戸) 2003年12月 (4)出版物 荒木慶彦編著、生命科学研究の原点- 「プロ」をめざす君たち-、第1章「ハ エから夢見る未来の医療」青山社2003 研究成果 平成14年度 器官のアイデンティティーがどのようにして決まるのかという問題は、発生生 物学の重要な問題の一つである。これまでに、 Notchシグナリングを活性化す ることにより、ショウジョウバエの複眼を麹、触角、肢へと改変できることを 見出した。本研究の目的は、この系を用いて、細胞運命の決定転換における Notchシグナリングの新しい機能を明らかにすることである。平成1 4年度は、 Notchシグナリングと共に働き、器官の改変を誘導する遺伝子を網羅的に同定 するために、酵母転写活性化因子GAL4のターゲット配列UASをゲノム上に ランダムに挿入した系統(GS系統)を用いた、 GAL4依存の機能獲得型変異体 のスクリーニングを行った。機能獲得型変異体9682系統のスクリーニングを 行い、複眼から触角、麹、あるいは肢へと改変される系統をそれぞれ31、 3、 14 系統ずつ得た。本研究では、 2年間で1万系統の解析を目指していたが、 1年 目ですでに当初の目標を達成した。さらに、このNotchシグナリングの細胞 運命決定における新しい機能が脊椎動物の器官形成時にも存在するかどうか確 認するため、アフリカツメガエルの眼の形成においてPax 6遺伝子の発現を
Notchシグナルが制御していることを明らかにした(Proc. Natl. Acad. S°i. USA.
99, 2020-2025. 2002) 。
平成1 5年度
これまでに、当初の計画通りおおよそ1万系統の機能獲得型変異体の解析を終 了した。その結果、複眼が麹に変換する系統を3系統、複眼が触角に変換する
-4-系統を2 3系統、複眼が肢に変換する系統を1 1系統同定した。そのうちの1 系統では、新規BAHドメインタンパク質の過剰発現により、複眼が麹に改変 することを兄いだした。 BAHドメインを有するタンパク質は、クロマチンのリ モデリングに関わるものがあることから、器官アイデンティティーの決定とク ロマチンのリモデリングの関係が示唆された。さらに、その際、麹の決定に重 要なvestigial (vg)遺伝子の麹特異的エンハンサーが異所的に活性化することが わかり、このBAHドメインタンパク質はvgの上位で麹のアイデンティティー の決定に関与していると考えられた。このBAHドメインタンパク質の過剰発 現で誘導される麹は、背腹軸と前後軸を有するほぼ完全な超であるのに対して、 vgの異所的発現により誘導される麹は、背腹軸と前後軸を有さないボール状の 構造を示す。このことから、 BAHドメインタンパク質は、より上位で軸形成を 含む廼形成プログラム全般の遂行を制御していると考えられた。 本研究の成果は、既に学会誌等に発表しており、以下にその印刷物を記載する。
-5-TOUR : Tohoku University Repository コメント・シート 本報告書収録の学術雑誌等発表論文は本ファイルに登録しておりません。なお、このうち東北大学 在籍の研究者の論文で、かつ、出版社等から著作権の許諾が得られた論文は、個別にTOUR に登録 しております。 TOUR http://ir.library.tohoku.ac.jp/