• 検索結果がありません。

静止クレーマ方式の等価回路 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "静止クレーマ方式の等価回路 利用統計を見る"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

静止クレーマ方式の等価回路

数野寛

(昭和42年9月5日受理)

Equivalent Circuit of the Kramer System

HiroshiKAZUNO

Sy皿opsis  The Kr互mer system is constituted with a Graetz connection rectifier and a separately excited D. C motor in the secondary circuit of the wound−rotor induction motor. In this Kramer system the secondary current of the induction motor is distorted by the rectifying action. Therefore the current must be treated as an equivalent sinusoidal wave in introducing the equivalent circuit of the system. The imaginary three phase ideal transformer is inserted between the A. C. and the D. C. circuit, and it is assumed that its voltage ratio isπ/3∼/百:land the imaginary equivalent power factor at its primary side is cosφand the secondary quantities(included the rectifier and D. C. motor)is referred to primary on the base of power invariance. Thus the approximate equivalent circuit of the Kr2mer system is obtained. This imaginary equivalent power factor cosφis unablc to determine lagging or leading theoretically. But it is lmown that cosφis to be lagging p. f. by comparing the calculated results with the measured results. Furthermore, in order to take into account the effect of overlapping angle, if according to the load a proper correction factor k(u)is assumcd and the turn ratio of the ideal transformer is improved fromπ/3∼/2一:1toπ/k(u)3∼/2一:1, the introduced equivalent circuit will be more useful and reliable than the former.

1.緒

言  巻線形誘導電動機の二次回路へ三相グレーツ結線整 流器と他励直流機との組合わせを適用した静止クレー マ方式においては,ブリッジ整流を行なう関係上一般 にひずみ波電流が流れ,その等価回路を考える場合は 勢い等価正弦波としての取扱いをせざるを得ない。筆 者は以前1)三相理想変圧器を導入することにより整流 器を含めた直流回路を交流回路に変換し等価回路を導 いたが,今回はこの変換の際仮想の等価力率COSφを 導入して等価回路の一部を改めた。しかし新たに導入 した仮想の等価力率COSφは理論的には遅進いずれの 扱いにすべきか断定し難いので実測特性と照合して遅 れ扱いにすべきであることを確認した。また実測特性 と計算特性とを照合することにより等価回路の信頼性 実用性を確認してみたところほぼ満足な結果を得るこ とができた。さらに誘導電動機のもれインダクタンス がもたらす整流重なり角の影響をどのように考慮した らよりよい等価回路となしうるかを検討してみたので, 以下これらについて順を追って述べる。 2. 等価回路の誘導 まず次の仮定を設ける。 1)直流回路には十分なる大きさの平滑用インダク タンスを挿入し,直流側は不変直流,交流側は矩形 波の断続電流が流れるものとする。この仮定の意図 するところは,直流機の能動的な逆起電力のため, 流れる整流電流や二次電流が複雑な形となり扱いに くいので,取扱いやすい電流波形とするためである。 2)整流重なり角は一応無視する。したがってブリ ッジ結線整流器においては任意の一瞬時異列中の2 個の素子のみが直列に導通しているものとする。 3) 直流機の電機子反作用は無視する。 4)誘導電動機一次巻線のもれインピーダンス中の 電圧降下は一次印加電圧に比すれば非常に小なるも のとみなす。二次にひずみ波電流が流れれば一次電 流もひずみ,一次もれインピ・・一一ダンス中でひずみ波 の電圧降下を起こす。しかしこの電圧降下ひずみ波

(2)

fJ二゜°R、2ed 2・b 一 8κ2   γ2 →∫2     叶

ナ‡3一

Sκ2   γ2 尾1 S尤2   γ2 Fig.1 Secondary clrcuit of the induction     motor at Kramer system. i2 id 一一一一“”− 秩g’一一一一一一’一””一一 m L

   r

@  l,ズ、R、∫・・  →

   1

C。、R、y・1 E、1 →∫‘1  十

@ 一

,。、。一 Fig・3 n

Secondary circuit of the I. M. after converting Ra from D. C. to A. C.. Jd 0 π Fig.2Wave forms of i2 and id. 2π 実効値が一次印加電圧(正弦波)に比し非常に小な るものとみなし得れば,誘導電動機の励磁アドミッ タンスに印加される電圧は純正弦波とみなすことが でき,励磁電流によって生ずる磁束波は時間的に純 正弦波とみなし得る。また励磁電流も正弦波とみな す。 5)二次高調波電流のみに基因する誘導電動機作用 は一切無視する。 Fig.1において s:すべり ∫κ2:sf ・bにおける二次巻線のもれリアクタンス r2:二次巻線抵抗 ed:整流素子1個の順方向電圧降下 eb:直流機ブラシ1個の電圧降下 Ra:直流機電機子巻線および挿入インダクタンスの   合成抵抗 Eg:直流機の誘起k電力 杉M:直流機の他励界磁電流 Id:直流回路電流(平均値)瞬時値はid I2:交流回路電流(ひずみ波実効値)瞬時値はid   等価正弦波として扱った場合の実効値でもある L:挿入インダクタンス とする。整流素子の順方向降下と直流機のブラシ電圧 降下は流れる電流の大小にかかわらずほぼ一定の値を 示すもの故,これを反抗起電力(2ed+2eb)の形で外 部へ取り出した。他面これらの電圧降下をもたらす原 因を抵抗として取扱うことも考えられるが,非線形的 な抵抗となるので,抵抗扱いすることをさけ大きさ一 定の反抗起電力として取扱うこととした。また挿入イ ンダクタンスの抵抗分,直流機の電機子巻線の抵抗分 を一括Raとして外部へ取り出した故,ブリッジ結線 整流器および直流機は理想的なものとみなす。仮定 1),2)により挿入インダクタンスLが十分大なる値 を有し,かつ重なり角を無視する故,直流電流idと 交流電流i2の波形はFig・2のようになる。ここで 交流電流ひずみ波実効値ちと直流電流平均値1dと の間には

  吋÷(・d・誓)−Vg ・,   (・)

なる関係がある。直流側にあるR、を電力の等価性に もとついて交流側へ変換する。(1)式を適用することに より

  ・d・凡一3吟     (・)

となり,Ra/2として交流側へ移せばよいことになる。 変換後の二次回路をFig.3に示す。

:…蕊一

V2:整流器入力電圧(実効値)瞬時値はV2 Ed:整流器出力電圧(平均値)瞬時値はeD (3)

とする。いまv2を純正弦波と仮定すればちとEd

の間には次の関係が成立する。

::蕊:::1←≦θ≦晋)}(4)

(3)

   1

3R’

1 ,1

∼1

      仮想等価力率

      …φ⇒       

。。。φ Fig・4Secondary circuit of the I・M・after inserting a 3 phase ideal transformer.

  v。bVacVbcv・av・av・b    、., 、 x、 +、a・x2r・+七・ト劉

膓α11  | @| @1 @1 @I @I C十」 @ 、 zα ! 1 、、   ’ ! ’     ‘ @ 1 @ |  ‘ @:’〒●、 、−1.’ @‘ @: 凄6   ! \ 、 ! ノ \ ↓’  l hC1‘

@1

P〔← 、r∨9’〆 @‘ @⑪ τc 、 、 、 、 ! ノ 1 、、」’ @‘ v,

k

Fig・6 b

÷副ぽ⑭}↑

等価力率 cosφ =一=O.955 Approximate equivalent circuit of the Kramer system. i2 Fig・5 Phase relationship between v2 and i2.       旦 E・一

?轤U。V万…θdθ一ttitv2 (・)

       』百

彦一3青一q74i   (6)

いまFig・3のm−nなる部分に電圧比、π/3N/丁:1 なる三相理想変圧器を導入し,その一次側よりみた仮 想等価力率をcosφと仮定すればFig.4のようにな る。挿入した理想変圧器一次二次間における等アンペ アターン性,電力の不変性からして   ∼/至一V・,∼12cos ip ==∼/T{i−Edld’cosφ:=Edld     (7) となり,(1),(6)を(7)へ代入すれば   …φユ=0.955      π (8)       

  Id’=3.・’!;ld      (9)

となる。ところが一方Fig・5にみるごとくブリッジ 整流においては重なり角を無視すれば整流器入力端に 印加される電圧の星形相電圧と線電流i2の基本波成 分とは同相であるから,仮定した等価力率COSφは遅 れ力率として取扱うべきか,進み力率として取扱うべ きか理論的には決定できない。したがって遅進各場合 についての計算特性と実測特性とを照合していずれを 採用すべきか決定せざるを得ない。  まず理想変圧器の二次諸量をその一次側に換算し, 引き続いて誘導電動機としての二次諸量をその一一一・・次側 に換算し,簡易等価回路で示せばFig・6のようにな る。   α:誘導電動機の一次二次間の有効巻数比 V,:誘導電動機一次印加電圧 1、:一次電流 1。:励磁電流 12’:二次電流一次換算値(負荷電流) r、,κ、:一次巻線抵抗およびもれリアクタンス b。,9。:励磁サッセプタンスおよび励磁コンダク     タンス

(4)

D.C.M. `.C.G.1φ 3φ P.M. Fig.7 V 6

曇1

撃・ 豊・

Fig.8 Coupling method among rotating machines. 0 1   2   3   4   5   6A     電 流 Forward drop of selenium rectifier clememt. とする。ここで仮想の等価力率COSφの遅進の判定と, IfM, S, Egの関係とが確立すれば諸特性を計算する ことができる。 3.供  試  機  巻線形三相誘導電動機…・50c/s,200V,4極,        定格出力3kW,α=1/2.19, a−A  他励直流機・……・・…・・150V,2極,750W  ブリッジ結線整流器…一一・セレン整流器  軸結合……・・…・一・…Fig.7に示す 誘導機と直流機の中間に系の負荷として2kWの単相 交流発電機が配置されているので系の機械損は比較的 大きい。 4.各種定数の測定 rl=O.375∫↓        α=1/2.19 α2r2:=0.449∫⊥     scEκ1十a?κ2=1.433Ω 誘導機単独の無負荷時機械損 110W 誘導機単独の無負荷時鉄損 PJ.M.z=129W 励磁アドミッタンス         Yo==90−」ゐo=0.00343−、タ0.0595て丁 直流機電機子巻線抵抗 ra=1.63Ω チョークコイルの抵抗 7.37Ω チョークコイルのインダクタンス 0.6H Ra=9.・00・St  a・R,≡・・(r,+.IR、)=1.・387・St        2

W

400 350 怠 送 300 薬 え 二250 江 200 150  700  800   900   1000  1100  1200  1300  1400  1500  1600          N(阿転数)     「pm Fig.9Mechanical loss of the system. V, =・ 194V φ=…一・3=17.4・     π V,/∼/丁=112V 2eb=0.75V 印加電圧194Vにおいて 1。=0.384−∫6.66A また,edならびに系の機械損PmをそれぞれFig.8, Fig.9に示す。また直流機の鉄損PD.o.iは回転速度 にも,また誘起々電力の大きさにも関係するので厄介 である。いま回転速度N〔rpm〕,誘起々電力Eg〔V〕, 磁束φ〔Wb/pole〕なる時の鉄損をPD.a.iとすれば    Eg=Kl∼Vφ       (10)    1)D.σ.i≒K2 fBm2・=K3Nφ2       (11)  .・.PD.c.i≒KiEg2/N      (12) となる。ただしK、,K2, K,, Kiは比例常数とする。 いまEg=140V, N=1000rpmなる時のpD・a・iを実 測して90Wなる値を得たのでこれらの数値を⑫へ代入 し,   PD.e.i=4.59Eg2/∼V       (13) より求めることとした。この他誘導電動機の二次鉄損 については特別考慮を払わないこととした。またある すべりSで回転している時直流機の誘起々電力Egの 値としては,直流機のブラシ間電圧171m,電機子電流 Idを実測より求め次式より得た。 Eg=Vm−ld r。−2eb Vg==・Eg−「2(eb十ed)=Vm 一一 ldra十2ed 5.特 性 計 算 5.1二次電流一次換算値 (14) (15) 簡便な方法として仮想等価力率COSφを遅れ扱い,

(5)

o Fig.10 Graphical method of calculat;ng J2’. 進み扱いした場合を一括して図式計算から求めること とした。まずFig・10において適当に電圧尺度を決め,   σA=工. π          aγ9         (16)

     s3Vτ

とし,ABはOAとφ=17.4°をなす直線, CDは

B点において直線ABに立てた垂線, BはCDの中

点にして,

霊+へ+壬醒  (・7)

      s ならしめ,CA, DAを結ぶ。次に0を中心V,/MT を半径として円弧を画きAC, ADとの交点をそれぞ れE,Fとし, E, FよりそれぞれABに垂線を下 しその足をG,Hとする。 AG, AHをそれぞれ電圧 尺度で読み取り,COSφ遅れ扱いの時は

     AG

  4’=.・     r1+」・・R2       s COSφ進み扱いの時は   J2’=_旦旦 一     ・、+」。・R2       ∫ として二次電流一一次換算値が得られる。

 5.2出力計算

 誘導電動機の発生機械動力

PK・一・咋∫砥+・≒㌔56

(18) (19)        一_αγ9ち’COSφ       (20)  直流機の発生機械動力        

  PKD=3砺αE・4’c°sφ   (21)

よって系としての機械出力P。utは   P。ut=Pxz十PKD−Pm−PD.σ.i     (22) となる。ただしPmは系の機械損, PD.σ.zは直流機 の鉄損である。

 5.3入力計算

 一次二次回路における全銅損Pe’は   Pσ’=31,’2(rl十・a2R2)      (23) となり,整流器における損失,直流機のブラシにおけ る損失の和Pσ”は           P・”= 33 V; 6α〔2(eb+ed)}1・’c°sφ (24) となる。したがって,全入力Pinは   1]’i n=PJU十PK・D−}−1)e,十・Pσ”十1)1.M.i,      (25) となる。ただしPr・Miは誘導電動機の一次鉄損とする。

 5.4効率計算

  ・一傷×1・・〔%〕   (26)

より得られる。

 5.5一次電流計算

 次の二つの場合について計算を行なってみた。  1)等価正弦波実効値としての□ベクトルと励磁    電流J6とを直接合成してiiを求める方法   1)m≡≡≡」Pin−P.1.M.i=・1)K.r十1)XD十P■’−F Po”  (27) とおき,Fig.6の等価回路でa−bより右を見た等 価力率をCOSθ’(遅れ扱い)とすれば,    ・ン百巧互c・sθ’=P・      (28) ∴・・”c…’−

煤H3−L−vl   (29)

       2       (30) ∴i・’一

ル   ど (・・)

この12’とIOを合成してその絶対値より1,を得る。 2) ひずみ波電流i2’(i2の一次換算値)の基本波    成分の実効値12、’を求め,まず12 1’と1。とを    ベクトル合成し,それへあらためてi2’の高調    波分のみの実効値分を加味して」,を求める方    法 i2’のひずみ率をKとすれば

Kノ㌘+雪』‥”  (32)

∴麺ぴイ㍗一( PLン兀γ、) ・21’−磨A誓x, となる。Fig・2めi2なる波形においては K一

竅E一・・…s/

マ、et2÷・・ 955 / (33) (34) なる値をとる。一次端子への印加電圧は純正弦波なる 故,これとあずかって電力形成に寄与するのはひずみ 波電流i2’中の基本波成分実効値4、’のみである。

(6)

 」≦

 A

 10

P・・t9

w

800 8 700 7 600 6 500 5 400 4 300 3 200 2 100 1  0 0   900  1000 ’T、=0.381kg−m 。。。ゾ斗聖:... 一一 ,← 黹唐o,.,     ’ @ ,’ 1。、φき値’ヅ’ ’)三 ぷ / ,。,φlead扱い        一’一’一一 一一<Rニ=Iz    ” 鼈黶@一 鼈黶@一 ’       一 @ 一 実  測 COSφlag扱い ユ100    1200    1300    1400    1500  N(回転数)      「pm Fig.11 Measured and calculated characteristic     curves about I2’and・pout. 12、’に対する力率角をθ2、’(遅れ扱い)とすれば    へ/丁17141’cosθ21’=PL      (35) ∴・…’・・s ・21’一

ッ   (36)

∴麺昭一W固晶ア (37)

∴E一識一」両こ(為y (38)

となり,    121”.= 121,十lo       (39)    1,=∼/121”2十(KI2,’)2      (40) これより一次電流1,を求める。  5.6一次等価力率計算  一次端子よりみた等価力率をCOSθ、とすれば

・r嘉万   (4・)

より求めることができる。 6.計算特性と実測特性との対照  軽負荷,中負荷,重負荷の各代表例として TL ・=O.381kg−m, TL=1.14kg−m,7▼L・= 1.905kg−m なる定トルク負荷の三つの場合についてそれぞれ12’, P。utを求めた結果をFig.11, Fig.12, Fig.13に 示す。いずれにおいても仮想等価力率COSφを遅れ扱 いにした方が実測値に近いことが言える。また回転数 が増しすべりが小になる程実測値からの隔たりが増し ている。  次に定トルク負荷TL=1.14kg−mなる場合につき 仮想等価力率COSφは遅れ扱いとして1,, Pin;COSθ、, ηについて計算と実測結果とを比較したものをFig・ Il A 10 9 8 7 P,ttt    6

 W

2000 5 1800 4 1600 3 1400 2 1200 1 1000 0    900 Fig・12 P、,、、∼  w 3100 2900 TL=1.14 kg−m ,”●「 ’∫; ,。、φleaa禦____→一一4一ゐ’      ’ , ” ’ ,。拶把’ 実測 ’ ’ ,。,φ・竺翌\ン” P。,、1 一一 一

「ヴ’

  cOら Cン’    ・帆実 Il A 12 11 10 9 8 7 2700 6 2500 5 2300 4 2100 1900 1700 3 2 1 1000    1100    1200     1300    1400     N(回転数)      「pm Measured and calculated characteristic curves about I2’and pout.  1500 0     900    1000    1100    1200    1300    1400        /V(回転数)      「pm Fig.13 Measured and calculated characteristic     curves about」r2’and 」Doect, ’ △駆      〆’ _、@,’” /   ∫i

。㌻ぽ誕

’ ’。。霧’ ,/ ’ A世べ /P、、・ ’ 。。・ぽ’/ ! ,じノ’   、

S

   絶・ @ ccoら   蕊惰 T∫.−1.905kg−m 14,Fig 15に示す。ここで直接合成というめは一次電 流11を求める場合1)の方法によった場合であり,特 殊合成というのは2)の方法によった場合を指してい る。1,は特殊合成によって求める方がはるかに実測値 に近いことがわかる。  したがって一応の結論として,仮想等価力率COSφ は遅れ扱いすべきこと,一次電流計算に当っては二次 電流一次換算値の基本波分と励磁電流(基本波扱い) とをまずベクトル合成し,それへあらためて二次電流

(7)

2t  u Pi,)

 W

250010 2400 2300 2200 2100 2000 1900 1800 1700 1600 1500 直接合成      ’    ,← v一 ’     _一 @ ∫1.一___三 実測

黹p成

’    ’ チ殊い ’ ’

霧・

君・,、

一 ’ TL−1.14 kg−m COSφlag扱い 0900 1000     1100     1200     1300     140 N(回転数) rpm Fig.14 Measured and calculated characteristic     curves about Il and Pi. n (regarding     cosφas Iagging P.f.). 7㌦=1.14kg−m b・Sφlag扱い ρ COSθ1 sθ】 @% P00 X0 W0 V0 U0 T0 ナ% W0 V0 U0   ≒艮測 Q 一 一一一

一蕪

      ’ @  レ’ C ’ ’ 一_一● 計.算 ’ ■ η 実測 50 @900 1000     1100     1200     1300 140 ∫V(回転数) 「pm Fig.15 Measured and calculated characteristic     curves about cosθ1 and η(regarding     cosφas lagging P.f.). 一次換算値の高調波分のみを加味して,等価正弦波と しての実効値を求めるのがよいと言える。 7.重なり角の影響について  等価回路の誘導に当ってはブリッジ整流における整 流重なり角は一応無視しFig・3においてv2は一応 正弦波と仮定して考えてきたが,誘導電動機巻線のも たらすもれインダクタンスのために実際にはある重な     軽負荷      重負荷 Fig.16 Wave frorms of v2(under light load     and heavy load), u:overlapPing angle. elJ Fig.17 Wave form ofθ刀, u:overlapping angle. り角Uを生じ負荷が増す程重なりの度合は大きくなる。 v2の波形の概形を示せばFig.16のようである。整

流出力eDの波形はFig・17のようになる。いま整

流重なり角をuとしてv2の実効値を求めれば

  V2一吋丁+3s繋一芸  (42)

  ただしEmは最大値

となり,eDの平均値を求めれば

  E・、i−3象(1+…の    (43)

となる。したがってその比は

剖婁1竃;叉 ・,、(44)

となる。Uのいろいろの値についてち/Edを求あれ ばFig.18のごとくになる。  一方重なり角Uの時のi2の実効値は計算の結果次 のようになる。 ・2−

ki{霊一v≡)・+(ン甦一票)sinu

   +21・i・2u+.1−・・d2}〕%  (45)       v−1「xl,  cos u== 1−       (46)        E2   ただしE2は静止時二次誘起線間電圧(実効値) この1・は検討の結果重なり角のない時の実効値∼/万身

(8)

0.850 ご1膏 0.800 0.750 0.730  0     10    20    30    40    50    60°         u(重なり角) Fig・ 18 T−’・al・・1・・ ・u・v・・f晋・g・i・・t     u, u・vCrlapPing angle.

一Ti2

Fig.19 Wave form of i2 when‘there is the     overlapPing angle u. よりは一般に小である。よって重なり角uの増加する 場合においては同一のIdを得るために/2は割小と なり,一方同一のEdを得るためにはv2は割大とな る。実測結果より(v2/Ed)×(12/ld)を計算してみる と,負荷の増す程すなわちUの増す程この値は多少増 す傾向にあることがわかるので,uの増す程v2の増 加度合の方が12の減少度合より大きいであろうことが わかり,v2,12間の等価位相差はuが増す程増す傾向 にあると言える。したがってより正確な取扱いをしよ うとするならば理想変圧器の巻数比を(π/3∼/Z)× (1/k(の):1ただしk(u)≦1,仮想等価力率をcos{φ +δ(の}として直流回路を交流回路に変換すればよい であろう。負荷が重くなる程{2の波形はFig.19の ように変ってくる。これからしてもi2の基本波は重な り角が増す程位相おくれが大きくなる。一方F▲g.16 のV2の波形も重なり角が増す程その基本波の位相お くれは大きくなる。 Fig.20に7▼L=o.381kg−m, TL=1.4kg−mの時のV2/Ed,12/1dおよび(V2/Ed) く1|」ミ ノく ご1這0.61 ぐド0・81

65 △ 64 ’ 63 o T 一一P.4kg−m o’ 62 o     ’

C/

一一噛一’ 61 o T1、=0.381 kg−m 60 1 y2 84   。Ed 1 83 ∫2一 τ1.=1.4kg−−m @    互」 82 ∫、rT∫.=0.381kg−m     ‘ E、1 ▲ ’ 81 ■ 一■ アこ・ ▲ T・−0.381kg−m .80 一  、E       ● ▲ ▲ .79 =1.4kg−m ⑳ .78 ▲ ’ 、 .77

■ 、 6 o .76 ’ ▲ ▲ 、 ■ .75 @ 900 1000  1100 1200 1300  1400 N(回転数) rpm       互and I2 F量9・20Measurement results about       ’∫d       Ed     。。d.互.×.互.        Ed          Id ×(12/ld)の実測値を示した。これからほぼ前述の傾 向がうかがえる。ところが(V,/Ed)×(12/ld)の比は 負荷の変化に応じてほとんど大きな変化は見られない ので(V,/Ed)×(12/ld)の値はほぼ一定とみなし,重 なり角uの増大に伴い一定のEd, Idに対してv2の 増大する度合と12の減少する度合とはほぼ等しいもの とみなし,等価位相差はUにかかわらず変らないもの として取扱ってみる。したがってi(u)=0とみなし直 流回路の交流側への変換に当っては単に理想変圧器の 巻数比を1/k(u)倍して重なり角による補正をこの点だ けに加えるものとするr、重なり角を無視した場合には (6)式よりV2/Ed=π/3V百=0.741となるがV2/Edの 実測値は一般にπ/3V百より大である。いま一例どし てv2/E4=o.76すなわちFig.18より重なり角uが 約21.5°の場合について補正計算を試みる。   k(u)==0.741/0.76=0.955       (47)

  量一吉・晶)/

毛一碍・⇒  (48)

(48)なる関係式が成立するのでFig.1において電 力の等価性を利用してRaを交流回路へ移換する場合

硫一・…2・、蕊   (49)

(9)

V,

B

巴{・・.、言{㌃)} 一・

S烈一

Fig.21 ApProximate equivalent circuit of thc     Krlimer system corrected with k(の、     when the overlapPing angle is taken     lnto account. Ir, A 10 1)、川tg

W

800 8 700 7 600 6 500 5 400 4 300 3 200 2 100 1 0 0  900  1000 T∫,−0.381kg−−m (μ)=0.975 P剛   ’     ’ @ 〆 @’ f 実測     ’

モ’

      〆

黷リ。蛭黙

実測 了;     ’ セ】_6__一占 一 一 一 @  ’ =/’ bOSφlead扱し・ ’ 一 cosφlag扱い 1100     1200     1300     1400  N(回転数)   「pm Fig.22 Measured characteristic curvcs about     I2’and P。ut, and calculated ones whcn     thc overlapPing angle is taken into     account. となる。次にFig・4において理想変圧器の巻数比を (π/3V百)×(1/k(の):1となし一次側より見た仮想等 価力率は補正を加えずCOSφのままとしておけば,理 想変圧器の二次諸量をまずその一次側に換算し,あら ためて誘導電動機二次諸量をその一次側に換算した簡 易等価回路はFig・21のようになる。すなわちFig・6 の等価回路においてRa→Ra/k2(u), Vg→Vg/k(u)に 変更したものである。前回同様仮想等価力率COSφを 遅れ扱いした場合進み扱いした場合につき定トルク負 荷TL =O.381kg−m, TL=1. 14kg−m, TL= 1・905kg− mの各場合について計算した結果をFig・22, Fig・ 23,Fig、24に示す。同一の負荷について求めたFig・ 11,Fig.12, Fig.13とFig.22, Fig・23, Fig・24 とをそれぞ比較すれば,仮想等価力率COSφは遅れ扱 いを採用するものとして軽負荷TL=0.381kg−mの時 1{ A 10 9 8 7 P,,., 6  W 2000 5 1800 4 1600 3 1400 2 1200 1 1000 0    900  1000 _TL−1.14kg−m    ↓ @★(∋=0.975 、。。a杷一   ,’テ多” 11 co5φ一一一≒ ’ 実測 ’COSφ lag扱い   ,〆’P。。’

竺控弘/

δw:〆

’謝’誕

’喬\容仏 1100     1200    1300    1400       「pmN(回転数) ]Fig.23 Measured characteristic curves about     J2’and P。ut, and calculated ones whcn     the overlapPing angle is taken jnto     account. Il A 12 11 10 1,0ttl g  w 3100 8 2900 7 2700 6 2500 5 2300 4 2100 3 1900 2 1700 1 1500 0    900  1000 T∫,=1.905kg−m u(μ)−0.975 ♪’ ,’f∫フ   已 // ’ ・雪イ♪,’       ’       、 dぷ涜’   句coら ,)二ふ ,y  ’ P ’    ノ/         ’ ^心ニノニ Prノ,,r し/’    ! @ 一τ一一c ×砲ぽ ’ cρら’ @  1が ’ 1100     1200     1300    1400  N(回転数)    「pm Fig.24 Measured characteristic curves about     I2’and P。ut, and calculated ones when     the overlapPing angle is taken into     account. は回転数が上るほど実測値に近づいており,低回転部 についてはk(u)=O.955の補正は過剰のように思わ れる。また重負荷TL=1.905kg−mの時は逆に低回転 部において実測値に近く回転数が上るほど実測値から 隔っているということは,高回転部分においてはk(の =0.955の補正ではまだ不足のように思われる。中負

(10)

荷TL=1.14kg−m時は上にあげた二つの場合の丁度 中間をいっているもので得られる特性の中央部で特に 実測値に近いが,全般を通じて補正なしのものに比す ればよほど改良されている。このことからして負荷に 応じた適当なk(U)を見つけ出すことができればより 正確な計算を行なうことができるという示唆を与えら れたものと見ることができる。負荷全域にわたって唯 一の補正係数k(U)で都合よくいくようなものを見つ けることは不可能である。

8.結

論  多くの仮定に立脚し近似的取扱いによって静止クレ ーマ方式の等価回路を誘導し,それに基づいて計算結 果と実測結果とを比較対照してきたわけであるが,結 論的には等価回路誘導の途中整流器を含む直流回路を 交流回路に変換する場合,仮定した仮想の等価力率 COS ilは遅れ扱いすべきであることがわかった。また 整流重なり角を考慮に入れ理想変圧器の巻数比を適当 に補正すれば,より実測値に近い計算結果が得られる ことを知った。全般を通じて何分にも各種定数の正確 なるは握が困難であり,この辺にも誤差をもたらす原 因が潜在しているものと思われる。なかんずく直流機 の鉄損の正確なる測定,系の機械損の正確なる測定, r、,r2, Raの動作時における正確なる値,また2eb, 2edの動作時における正確な値を知ることは困難であ り,また直流機の電機子反作用の影響を無視したり, 誘導機の回転子鉄損を特別考慮しなかった点,また電 源電圧の不平衡がもたらすであろう有効トルクの減少, また簡易等価回路である点,二次高調波電流がもたら す誘導機作用による寄生トルクの省略等誤差を招くで あろういくつかの原因があげられるが,大乗的見地か らすれば誘導した等価回路は実用性,信頼性のあるも のと考えられる。直流機の誘起々電力という能動的な 逆起電力をもつ回路故id, i2等の波形をなるべく取 扱いやすい形のものとするために,十分大なるチ。一 クコィルLを直流回路へ挿入したものについて取扱っ てきたが今後これを除いた場合の計算法について検討 を加えていく必要がある。 1) 2) 参 考 文 献 数野 寛:S.F.クレーマ方式の等価回路とブロ ックダイァグラムおよび伝達関数,山梨大学工学 部研究報告,第14号 p.67−82(1963.12) 数野 寛:静止クレーマ方式の等価回路,昭42電 気学会東京支部大会,115

参照

関連したドキュメント

番号 主な意見 対応方法等..

図2  CECS レベル2教材 (Introduction to Coaching − the Official IAAF Guide to Coaching Athletics,

In the main square of Pilsen, an annual event where people can experience hands-on science and technology demonstrations is held, involving the whole region, with the University

toursofthesehandsinFig6,Fig.7(a)andFig.7(b).A changeoftangentialdirection,Tbover90゜meansaconvex

[r]

画像 ノッチ ノッチ間隔 推定値 1 1〜2 約15cm. 1〜2 約15cm 2〜3 約15cm

たこともわかっている。この現象のため,約2億3,000万年前から6,500万年

*2: 一次+二次応力の計算結果が許容応力を上回るが,疲労評価を実施し疲労累積係数が許容値 1