ミツバ チ科 学 15(2):49-58 HoneybeeScience(1994)
走査電子顕微鏡 による
日本産蜜源植物 の花粉形態
2.
草本類 について
三好 敦夫 ・板野 博行
第 1報の木本類では,双子葉植物綱 に属する 17科 22種の花粉 について紹介 した.第 2報の 草本類では,単子葉植物綱 1科2種 と双子葉植 物綱 11科 17種の合計 12科 19種 について報 告す る.花粉の処理法 ・試料作成法 ・走査電子 顕微鏡の機種 ・大 きさの表示などは,すべて第 1報 と同様である.Ⅰ
花粉の形態 1. 単子葉植物綱 Monocotyledoneae a. トウモEjコシZe
a ma
y
s
Linn.(イネ科 Gramineae,図5:18a-b) 長球形.極観 は円形で,赤道観 は長円形であ るが,向心極側 よりも遠心極側の方がやや幅が 広 い.単孔型,孔 は円形で約5〃m.孔の周辺 は 5〟m ぐらいの幅で隆起 した口環 となっている. 口蓋 はアセ トリシス処理で取 り除かれるが, ま れに残 って観察できることもある.外壁 は頬粒 状紋.口環 ・口蓋 も含めた全表面が,0.3〟m 前 後 の頼粒 によっておおわれている. この額粒が 1個ずつ単独突起 となって, はば等間隔に分布 しているのが,本種の特徴である.大 きさ:80 -88×70-85〝m. 岡山県赤磐郡山陽町.1980,5,14.(三好) b. イ ネOr
y
z
a s
at
i
v
a
Linn.(イ ネ 科 Gramineae,図5:19a-b) 前種 とほぼ同 じであるが, 外壁の頬粒 は, 1 個だけの単独突起 と,数個 の頬粒が接合 した島 状突起が,混在 しているのが特徴である.大 き さ:33-38×25-40〃m. 場所 ・年月 日不詳. (三好) 2. 双子葉植物綱 Dicotyledoneae A. 離弁花類 Choripetalae a. ギシギシRu
me
xj
a
Z
)
o
ni
c
u
s
Houtt.(タデ 科 Polygonaceae,図4:14a-b) ほぼ球形.極観 ・赤道観 ともほぼ円形.3-4 溝孔型.溝 は両極近 くまで長 くのびるが,その 溝膜が内側 に入 りこんで線状 となり,孔 は観察 で きないことが多 い.外壁 は,小穴状紋 と不規 則な畝状紋 か らなる.畝 は0.5〟m 前後 の額粒 が連続 したようにみえる.畝の間は,網 目とい うより微孔に近 い0.1-0.2〝m の穴が多数み ら れる.畝の上には,0.1/Jm ぐらいの微小刺状突 起が,0.1-0.2pm
の間隔で密に分布 している. 大 きさ:24-29×25-30pm. 岡山市牟佐,旭川.1981,5,18.(三好) b. ソバFa
g
o
p
y
r
u
m e
s
c
ul
e
nt
um
Moench (タデ科 Polygonaceae,図2:8a-b)長球形.極観 は亜三角形で,赤道 は長円形. 3溝孔型.溝 は両極近 くまで長 くのび, その幅 は狭 いが, まれに長円形の孔を観察できる.外 壁 は,小穴状紋∼網 目状紋 でおおわれる.その 畝 は幅が約1/Jm で, 1-3〟m の不規則 な四∼ 七角形 こ網 目を形成 している.網 目はす りばち 状 に凹んで,不規則に枝分れを した穴になって いる.大 きさ:38-51×29-38pm. 高梁市井倉.1973,10,5.(波田) C. ミゾ ソバ
Po
l
y
go
num t
hunb
e
r
gi
i
Sieb. etZucc.(タデ科 Polygonaceae,図2:7)球形.極観 と赤道観の区別 はな く,外観 は円 形である.多散孔型 (表面観で10-15個).孔 は直径が4pm ぐらいで網 目の中にあり,10FLm
前後 の間隔で分布 してい る.外壁 は,網 目状紋 か らなる.各網 目の中に並 んだ柱状層 は,頂部 で融合 して幅
2
-3
〃m
の畝 を形成 し,四∼七角 形 の網 目とな って いる.畝 の中心部 は稜線状 に 突 出 し,1
つの網 目を形成 す る小柱 の数 は,20
-40
本 であ る.網 目の中 には,頂部 の径が0
.
1
-1
〟m
の大小 さまざ まの こん棒∼棒状突起 が30
-70
本 も入 って いる,大 きさ:6
3
-72
/
J
m.
岡山市半 田町1
982
,1
0
,8
.
(三好)d.
タケ ニ グサ Macleaya cordata(
Wi
l
上
d.
)
R.Br.(ケ シ科 Papaveraceae,図4:15a-b) 球形.極観 と赤道観 の区別 はな く,外観 は円 形であ る.多散孔型 (表面観 で8個前後).孔 は 円形 で直径が2〃m前後 あ り, ほぼ等間隔 に分 布 している.外壁 は,小穴状紋 か らなる.不規 則 な畝 と, その畝 にか こまれた凹みに小 さな穴 が分布す る.穴が大 きい ところは,網 目状紋 に みえ ることもあ る.畝 が交叉す るところで は, やや刺状 に突 出 している.孔 内には小穴状紋 が ま った くみ られず,外 壁 との境 界 が凹 み とな り, 明瞭 に区別 されてい る. 大 きさ:1
8
-20
〟m.
岡山市金山口.1
982
,6
,6
.
(太 田) C.タカナ BrassicajunceaCoss.(ア ブ ラナ 科 Cruciferae,図2:6) ほぼ球形.極観 は円形∼亜三角形,赤道観 も はば円形.3
溝型.溝 は極近 くまでのび,0
.
5
〟m
前後 の額粒 におおわれ るが, アセ トリシス処理 で壊 れ ることが多 い.外壁 は,不規則 な網 目状 紋 か らな る.畝 は柱 状 層 に支 え られ て形成 さ れ,網 目は円形 ・だ円形 ・長方形 などさまざま で,溝間域 と溝 の周辺域 での網 目の大 きさに差 はみ られない.大 きさ:1
6
-21
×15-24〟m. 香川県大川郡大 内町.1
9
82
,4
,1
. (三好) f. オ ラ ン ダ イ チ ゴ Fragaria ananassa Duchesne(バ ラ科 Rosaceae,図3:ll) ほぼ球形. 極観 ・赤道観 ともほぼ円形.3構 孔型.溝 は両極近 くまで長 くのび,孔 は赤道軸 にそ って横 に長 く開 いて突 出 して い る. 外 壁 は,線状紋∼指紋状紋 か らなる. その線状紋 は 極軸 にそ って走 り,両側 か ら斜 にせ り上 って稜 線状∼刀状 に鋭 く細 くな って いる.大 きさ:1
9
-25×1
3
-21
pm.
香川県大川郡大内町.1
9
81
,5
,2
.
(三好) g. ソ ラ マ メ Vicia faba Linn.(マ メ科 Leguminosae,図3・:12a-b) 長球形.極観 は亜三角形,赤道観 は長 円形. 3溝孔型. 溝 は両極 に長 くのび, 溝縁 は肥厚 し て隆起 し,2
本 の経線 にみえ る.孔 は3
〟m
前後 で,外壁下 で横 に長 く開 いて いる.外壁 は,網 目状紋 ・小穴状紋 ・しわ状紋 が混在 す るよ うな 不規則 な模様 を して いる. これ らの模様 は溝間 域 では顕著 であ るが,極域 で は発達 が悪 く,無 紋 に近 くな っている. 大 きさ:23
-25×1
0
-1
2
〟m.
岡山市上道.1
9
86
,5,1
0
.
(三好)h.ゲ ンゲ AstragalussinicusLinn.(マメ 科 Leguminosae,図2:5a-C)
長球形.極観 は亜三角形,赤道観 は長 円形.
3
溝孔型. 溝 は両極近 くまで長 くのび,0
.
5
〟m
以下 の額粒 でおおわれて いる. 孔 は1/Jm前後 で, たてに長 い.外壁 は網 目状紋.畝 は柱状層 が上部 で連結 して綱 を形成 し, その網 目は溝間 域 の中央部で小 さ く,周辺 では大 き くな り,再 び溝 に近 づ くと次第 に小 さ くな り,溝縁 で は無 紋 となる.極域 の網 目の大 きさは, ほぼ均一 で ある.大 きさ:1
3
-1
5×1
2
-1
4
〝m.
岡山県赤磐郡 山陽町.1
98
1
.5
,2
(三好) i. シ ロツメ クサ Trifolium rePensLinn. (マメ科 Leguminosae,図3:10a-b) 長球形.極観 は亜三角形,赤道観 は長 円形. 3溝孔型. 溝 は両極近 くまでのび, 構内 は頬粒 でおおわれ, 孔 は5
pm
前後 であ る. 外壁 は小 穴状紋∼網 目状紋 であ る.畝 が不規則 に連 な り 網 のよ うにな って いるが,網 目にあたる凹みは ごくわずかで,網 目とい うよ りも小穴 に近 く, ゲ ンゲのよ うな明瞭 な網 目を形成 しない.大 き さ:2
5
-2
8×1
8
-20
〝m.
岡山市理大町.1992,4,12.(藤木)
j.タチアオイ AlthaearoseaCav.(アオイ
科 Malvaceae,図 1:3a-b)
球形.極観 と赤道観 の区別 はな く,その外観 は円形.多散孔型.孔 は円 く直径が2-3pm で やや凹み,数個の額粒でおおわれ,比較的均等 に全表面 に分布 し,200個以上 あ るとみ られ る.外壁 は,刺状紋 と柱状紋.刺 は大 きく幅が 約4〝m,高 さが 7-9/Jm あ り,先端 は鋭 くとが り,基部 は少 しくびれた円錐形で,孔数の半分 ぐらいの数 の ものが,比較的均等 に林立 してい る.柱状紋 は刺状紋 よ り小 さ く,幅が2-3〟m, 高 さが約4pm で,刺の 2倍以上分布 している. 柱状 といって も先端 は鈍刺状 に近 い.大 きさ: 90-125pm. 岡山市理大町.1992,10,20.(竹中) k. スミレ Viola mandshuricaW,Becker
(ス ミレ科 Violaceae,図 4:13a-C) 長球形.極観 は三裂円形∼亜三角形で,赤道 観 はだ円形∼ 円形.3溝孔型. 溝 は細長 く両極 近 くまでのび, よ く開 くと幅が8iLm もある. 構 内 には外壁 と大差 のな い頬粒 がおお って い る.孔 はややたて長で,5FLm ぐらいある.外壁 は光顕ではほぼ無紋 に近 いが,走竃 でみると微 細 な頬粒が密 に分布 し,小 さな穴が散在 してい る.大 きさ:27-34×26-29pm. 岡山市上道.1983,4,17.(三好) 1. セ ナ ギ ラ ン Epilobium angustifolium Linn.(アカバ ナ科 Onagraceae,図 5:16a-C) やや后平 な三∼四角球形.極観 は三角形か四 角形,赤道観 は槙長 のだ円形.3-4孔型.孔 は 15pm もの径を もち, その周辺 は肥厚 して大 き く隆起 している.外壁 は無紋.外表面 ははば平 滑 に近 くて,粘着糸を もっている.大 きさ:73 -76×83-96〝m. 長野県八 ヶ岳.1984,7,20.(浅野)
m.
オオマツ ヨイグサ Oenothe
ra
lamarckianaSer.(アカバ ナ科 Onagraceae,
51 図 5:17) 后平 な三角球形.極観 は亜三角形,赤道観 は だ円形.
3
孔型.孔 は直径が2-3/上m あ り,孔 周辺の膜 は薄 く,不規則 に破れている.孔域 は 前種 よ りももっと大 きく肥厚 して隆起 し,幅 も 高 さも花粉本体の赤道径 の半分以上 もある花粉 管口が三方 に突出 している.外壁 は無紋∼線状 秩.十分膨潤 した状態では無紋 とみ られるが, 乾燥す ると線状紋∼ ひだ状 の畝が観察 され る. じゅず玉状 の粘着糸を もつ.大 きさ:100-116 〟m (極軸径のみ). 岡山市理大町. 1981,7,13.(三好) B. 合弁花類 Gamopetalae a. タバ コ Nicotiana tabacum Linn.(ナス 科 Solanaceae,図 3:9a-b)亜球形.極観 は亜三角形,赤道観 はだ円形. 3溝孔型. 溝 は極近 くまで長 くのび, 溝内は無 紋.孔 は横長で,やや隆起 している.外壁 は線 状紋.その線 は幅0.5pm,長 さ 3-4〃m で比較 的短 く,極軸 にそ って走 っている.極 に向 うに したがい線状紋の発達 は悪 くな り,極域では無 紋 に ちか くな る.大 きさ:21-30×18-21 〝m. 新見市.1980,6,20. (三好)
b.
セ イ ヨ ウ カ ボ チ ャ Cucurbita maxima Duch (ウ リ科 Cucurbitaceae,図 1:4) 球形.極観 ・赤道観 の区別 はな く,円形.多 散孔型. 孔の数 は6-8個で, 径が 10-15〃m の円形 を した口蓋を もつ. その表面 は孔以外 の 部分 と同 じ模様をっけ, 1本 の長刺 と多数 の微 小刺が分布す る (ニホ ンカボチャは2本の長刺 を もつ).外壁 は刺状紋.長刺 は幅が約5pm 前 後,長 さが10pm 前後で,先鋭 の円錐状 を して お り,10-15〝m ぐらいの比較的等間隔で分布 している.長刺以外の部分 は,微小刺が無数 に 分布 している.大 きさ:100-110〝m. 岡山市半田町 1992,7,20.(蜂須賀)C. ヒマ ワ リ HeLianthusannuusLinn.(辛 ク科 Compositae,図1:1a-b)
図1 1a-1b二ヒマ ワ リ HelianthusannuusLinn.a-b.×2000. 2:カ ンサ イ タ ンポ ポ Taraxacum japonicumKoiz.×2000. 3a-b:タチ ア オ イ ALthaearoseaCav.ax560.b X1200. 4:セ イ ヨ ウカ ボ チ ャ CucurbiEamaximaDuch x960.
53
図2 5a-5C:ゲ ンケ AstragalussinicusLinn.a-C.×3600. 6:タカナ BrassicajunceaCoss.×2400.
7:ミゾソバ Polygonum thunbergiiSieb.etZucc.×800. 8a-8b:ソバ Fagopyrum esculenlumMoench x1200.
10a-lob:シ ロ ツ メ クサ Trifolium rez)ensLinn.a-b. ×2000. 11:オ ラ ンダイ チ ゴ F71agariaananassaDuchesne.×2400. 12a-12b:ソ ラマ メ ViciajabaLinn.a.x2400,b.×1200.
図4 13a-13b:ス ミレ ViolamandschuricaW.Beckera-C・×2000・ 14a-14b:ギ シギ シ RumexjaPOnicusHoutt.a-b.×2000.
図5 16a-16C:ヤ ナ ギ ラ ン EpilobLum anguStifoliumLinn a-C・×560・ 17:オ オ マ ツ ヨ イ グサ OenotherlalamarckianaSer.×480, 18a-18b:トウ モ ロ コ シ ZeamaysLion a X600,b X1200. 19a-19b:イ ネ OryzasalivaLinn.a.×1200,b.×2400・
球形∼長球形.極観 は円形∼亜三角形.赤道 観 はだ円形∼円形.3溝孔型.溝 は赤道部で大 きく開 くが,極に向 って急 に細 くなっている. 溝内には顕粒が点在す る.孔 は赤道軸方向に長 く開いている.外壁 は刺状紋.刺 は基部が広 く て4〟m 前後あり, 小穴が多数点在 している. 長 さは6-8pm あり,小穴のな くなる基部か ら 2-3pm の高 さのところで急に細 くなった鋭 い 刺 にな って い る.大 きさ:33-36×38-40 〝m. 岡山市理大町.1992,7,27.(妹尾) d. カ ン サ イ タ ン ポ ポ Taraxacum jaPonicumKoiz.(キク科 Compositae,図1: 2) はぼ球形. 極観 ・赤道観 とも, ほぼ円形.3 溝孔型.3つの溝は刺の融合 した畝で全表面が 15の多角形 に区切 られてお り,1つの溝 は3 つの多角形か ら形成 される.3つの うち真申の 1つは孔 として大 きく開 くので, 小窓状孔 と呼 ばれる.残 りの2つの多角形の溝 は,無紋であ る. 外壁 は網 目状紋 と刺状紋. 刺が4-5本融 合 した畝が多角形の一辺を形成 し,畝の上には 刺状突起 が 1列 にな らぶ.多角形 の うち発芽 溝 ・孔 と関連 しない6つ の多角形 の網 目の中 には,刺状突起が生 じていることがある.また, 畝を形成する刺の基部には,無数の小穴が点在 している.大 きさ:26-29×28-30pm. 場所 ・年月日不詳.(東)
Ⅱ まとめ
草本類の蜜源植物花粉 について,単子葉植物 綱の2種 と双子葉植物綱 の 17種,合計 19種 を走査電子顕微鏡で観察 した.第 1報の序文に 記 した文献の中か ら無差別 に選んだけれども, 双子葉植物綱では離弁花類の方が13種で, 合 弁花類4種の 3倍以上 も多 い結果 となった.こ れは,木本類 とまった く同 じ傾向であった.早 粒 と複粒 については,すべて単粒で複粒 は認め られず,複粒をもつ木本類 と異なる点である. ただ,草本類 にもホロムイソウ科 ・ガマ科 ・ラ ン科 ・カワゴケソウ科 ・イチヤクソウ科のイチ 57 ヤクソウ属 ・モウセ ンゴケ科 ・ガガイモ科 など 複粒花粉をもつ種類 はかなりあるので, もしこ れ らの種類の中に蜜源植物があれば,草本類に も複粒 は存在することになる. 花粉塊 (ポ リニア)をもっ ラン科 については, 佐々木 (1992)がキ ンリョウへ ンにニホンミツ バチが訪花す ることを報告 しているが, この訪 花 は働 き蜂が蜜や花粉の報酬を目的 としていな いとの ことなので,本報 で は取 り上 げなか っ た. もし, ここに記 した複粒花粉をもつ草本類 7科の中に蜜源 となる植物があれが, ぜ ひ ご教 示 いただければ幸いである. 発芽 口につ いては,3溝孔型が 10種で もっ とも多 く,あとは多散孔型4種 ・3孔型 2種 ・ 単孔型2種 ・3溝型 1種 となる. このうち,多 散孔型 と単孔型 は,木本類 にはみ られないもの である. このような分類群 ・粒数 ・発芽口の特 徴 は,離弁花類 ・単粒・3溝型が断然多 く,木 本頬 と同 じ傾向を示 している. 外壁の模様 は,頬粒型 は,額粒状紋 と網 目状 紋が各3種類で もっとも多 く,小穴状紋 と平滑 状紋が各1種である.その他の種類 は,2-3の 模様か ら合成 され網 目状紋 +刺状紋 +棒状紋 + 小穴状紋 + しわ状紋 とな った複雑 な ものが多 い. このように模様について も, きわだって多 いものが無い点では木本類 と同 じであるが,合 成模様 が多 いことは草本類 の特徴である. ま た,単粒の外形 については,球形の ものが離弁 花類 に 3種,合弁花類 に 1種あり,完全な球形 を もたない木本頬 とは異なっている. 以上の結果をまとめると,次のようになる. 1. 木本頬 と草本頬に共通す る特徴 0分類群 は,離弁花類が多 い. o発芽 口は,3溝孔型が多 い. o粒数 は,単粒が多い. o外壁の模様 は, きわだ って多いものがない. 2. 草本類にだけみ られる特徴 o粒数 は,単粒ばか りで複粒がない. o発芽ロに,多散孔型 と単孔型がある. o外壁 には,合成模様が多い. o外形には,完全な球状の ものがある. 系統分類学では,花弁 は散在-癒合を進化方向 と見 るの で, 離 弁 花 叛 よ り も合 弁 花 類 が進 化 した群 とみ な され て い る. 離 弁 花 頬 に は風 まか せ の風 媒 花 粉 が多 く, 合 弁 花 類 に は受 粉 率 の高 い動 物 媒 花 粉 が多 い と さ れ て い る. しか し, 今 回調 べ た ミツバ チ の蜜 源 植 物 につ いて は, 木 本 類 ・草 本 類 と も離 弁 花 類 が 多 く (19科 ), 合 弁 花 頬 が少 な い (7科 ) と い う結 果 に な った. こ れ は一 見 矛 盾 して い る よ うに み え るが, 離 弁 花 類 が大 きな グル ー プ (97科 ;大 井,1978)で あ るの に対 して,合 弁 花 頬 が小 さ い グル ー プ (39 料 ) で あ るた め で あ る. 両 者 の比 率 を算 出 す る と,離 弁 花 類 に 占 め る蜜 源 植 物 が 19.6%で あ る の に対 して,合 弁 花 類 で は18.0%とな り,大 き な差 は な い. 今 後 , ミツバ チ も含 め た動 物 媒 花 粉 す べ て につ い て も, 両 者 の比 率 を調 べ て み る 必 要 が あ る. (〒700 岡山市理大町1-1 岡山理科大学理学部基礎理学科生物学教室) 参 考 文 献 浅生明美 はか.1983.ミツバ チ科学4(4):145-150. 坊田春夫.1990.ミツパテ科学11(3):125-128. 幾瀬マサ.日本植物 の花粉.広川書店.東京.pp.303 +76図版. 幾瀬 マサほか.1981. ミツパテ科学2(3):97-104. 石田 肇.1963.畜産の研究17(2):346-348. 北島一良,1981. ミツバチ科学2(4):175-184. 三木順一.1971.花粉1:5-7. 三好敦夫 1990.El本花粉学会誌36(1):90-96. 三好敦夫.1993.ミツバチ科学14(2):81-89. 中村 純.1980.日本産花粉 の標徴.I,Ⅲ.大阪 自 然史博物館収蔵資料 目録13.pp.91+157図版. 大井次三郎.1978.日本植物誌 (顕花篇).至文堂. pp.1584. 岡田一次 はか.1968.玉川大農研報7/8:175-180. 岡田一次 ほか.1976.玉川大農研報16:46-54, 佐々木正己・1992.ミツバチ科学13(4):167-172. 嶋倉 巳三郎.1973.日本植物 の花粉 の形艶 大阪 自然 史博物館収蔵資料 目録5.pp.60十122図版.
MIYOSHL,Nozno and ITANO.HTROSUKl. Pollen
morphologyoftheJapanesehoneyplantsusing ascannlngelectronmicroscope. 2.Herbaceous plants. HoneybeeScience(1994)15(2):49-58. Biol.Lab.,Fac.ofSci.,OkayamaUniv.ofSci.,1 -1Ridaトcho,Okayama,700Japan.
Nineteenspeciesofpollengrainsbelonglngt0 12familiesofJapanesehoneyplantsweree x-amjned using ascanning electron microscope. ThirteenspeciesbelongedtoChoripetalae,four to GamopetalaeofDicotyledoneaeand two to Monocotyledoneae. Characteristics such as shape,polarandequatorialvleW,germinalaper -ture.patternson thepollengralnSurfaceand sizeweredescribed.
There were 4 species of perfect spherical grainsin herbaceousplants,whiletreeplants had nosuch type. Thetricolporatetypewas extremelyabundantinthegerminalapertureof 10species,whileothertypessuchaspolyforate.
monoporate and tricolpate remained c on-sistently sparse. Pollen surfacepatternswere divided intotwotypes,onewithasinglepat -ternssuchasgranulate,reticulate,punctateand psilete,andanotherwith patternssuchas"re -ticulatewithechinate","echinatewithbaculate ''and-'reticulatewithpunctateandrugulate".