亀山の地震記象からみた地震活動域について*
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~'1..はしがき この調査は気象庁地震課から提案された「地震予知の ための予備調査」の一環とL
で行ったものである.亀山 で、観測された地震観測の結果を基とし,主として近畿地 方及び東海地方の地震活動域を調査したものである. 当所の地震計はウィーへルト式 (Ares型)と強震計 〈気象庁 52B型)でγ位置は 34 0 51'N,1360 28官 に あ る.地盤は第 3紀層に属する粘土と砂穣よりなり,交通 関係による雑微動,脈動も験測上特に支障はない. 地震観測を開始したのは昭和6年1月1日で、あり,昭 和7年1月30日に中央気象台型強震計が設置され, そ の後昭和34年10月 9日 よ り 気 象 庁52B型強震計に取 替えられ現在にし、たっている.その間,東南海地震(昭' 19. 12. . 7),三河地震(昭、2L L 13), 南 海 道 地 震 〈昭2L 12. 21)等の大地震を観測している.f
2
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地震計の常数、 本調査期間中 (1951ー1961)の常数値は第1表のとお りである. 第1表 ウイーへルト式地震計常数値‘ 間一向一四 5-.9. ~ 3. 地震記象型について (1) この調査は「地震予知のための予備調査JA
に相 当するもので,地震記象の型は同一場所で観測した記象*
A._Okanioto: Investigations of Seismic Activity from Seismograms Obtained at Kameyama (Received April 12, 1965)ー 紳亀山測候所5
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でも,地震の発震機構,震源の深さ,その地震波の伝搬 経路,地盤の状態,などにより色冷の型を記録するが,ー 亀山におけるウィーへノレート式地震計により観測した 19.51-1960 (10年間うの資料により記象型の分類をおこ ない,その地域的な特性を調べた. (2) 記象型の分類にさいして次の基準に従った. a. 分類を明確にするために3成分とも記象紙上で 最大振幅LOmm
以上を一応の基準とするもそれ 以下でも非常に明瞭に出ている場合にはそれも含 め1
-
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b. 記象を分類するにあた‘って特に P.8の立ち上 り, 8の明瞭度iP"'8の振幅と S以後の振幅 の比, 8以後の振幅の減。衰のしかた,最夫動の現 れ方を着目した. (3) 以上の基準に従って記象型の分類を行った結果次 のようになった A型 簡単明瞭な型で S波の初動に最大動が現れ 振動の減表が早い,一般に有感が多い.A
型の 中でS
波の直後に最大動が現れ振動の減衰が比 '較的遅いものをA*とした. B型 A型と殆んど同じ型であるが, 8相の振幅は P"'8の振幅に北ぐくて極めて大で, 叉振動の減 衰が早い. B型の中で S波の直後に最大動が 現われ振動の減衰が比較的遅いものをB
.
*
とし た. C型 P,8 共明瞭で¥振幅カ司、さく簡単なPに続' いてその後突然、明瞭なS
波が現れる.最大振幅 はS相またはそのの直後に現れ振動の減衰が遅 いもの,ごの型は深発地震に多い. D型 P, 8 共やや不明瞭で、紡錘型に近く,周期が 長く振動の減衰が遅い. E型 Pから次第に振幅を増し S相以後に振幅が 最,大になる.紡錘型で振動の減衰は遅い. 第1図は以上の分類による記象型の実仰を示したもの である. - 12 験 震J 時 報 31巻 1 号
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ι一 郎 、 ー A型 1951年4月 26日19h57 m愛知矢作川河口。 震度1震央34.9 N 137~ 1 E深さ20km A干型 1953年11月8日14h03m三重県中部 震度1震 央34.8 N 136. 3E深さ10kmE
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B型 1958年 6月 28日10h 58 m愛知県東部 震度II 34. 8 N 137. 3 E深さ30km B*型 1957年5月21日05h05m和歌山県中部 震度o
34. 1 N 135. 6 E深さ OkmN
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C型 1951年,8月21日05h 09in徳島県西部 震 度o
33. 8 N 134. 1 E深さ 20km 2-N
亀山の地震記録かちみた地震活動域にいて一一岡本;?子子ト~…一…\ト一竹J一竹刊>11\(千\州酬州伽怖伽山判刷…仇い……
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D型 1956年11月 4日14h 38 m千葉県中部 震度o
35. 6 N 141.2 E 深さ 80kmγ…叫州l仙
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E型 1960年 2月 5日 01h 52 m 宮城県東方沖 震度o
38. 6 N 143. 2 E 深さ Okm 第1図 記 象 型 の 実 例 3 -(4) 各記象型の分布の特徴をみるために震央位置に記 象型を記入したのが第2図である.これより 2) 愛知県東部,京都,滋賀,岐阜県は B型 で , 紀 伊 半島から和歌山県はB水型が起る. 1) 亀山を中心として約 50km以内はA型で, その 分 布 を 拡 大 し た の が 第3図で, A*型は三重県中部 に起る.¥
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第2図 記 象 型 の 分 布 凶 3 -3) 伊豆諸島,南西諸島および朝鮮北部の東海上は C 型で深発地震である. 4) 千葉県,伊豆半島沖,銚子東方沖および紀伊水道。
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1毎号量 第 3図 A型の細分ー図4 験 震 時 報 31巻 L 号: 第 2表 各 記 象 型 の 分 類 表 名 地 央 震 型 類 分
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特 徴 三 重 県 北 部 簡単明瞭型でS波の初動に最大動,振動の減表早 A 岐 阜 県 南 部 A 愛 、 知 県 西 ・ ・ 中 部 3-20 0"':"50 し,一般に有感多じ.令 ‘ ・・ ・・ - ー ・・・・・・・・・・・・ ー_... ・ー ー・・・・・ー・ ・・ ・・・ ・・・・・ー・4向噌‘・・・・・・・・・・・ ・・ ・・・・・・ー・ー・...ーー ..._--.A*
三 重 県 中 部S
波の直後に最大動,振動の減衰比較的遅し 京 都 府 ι S栢以後の振幅は ,P
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の振幅に比べて極めて大, 滋 ー 賀 県 B 岐 阜 県 中 一 部 振動の減衰は早い. B 愛 知 県 東 部 5-27 0-75, 三 重 県 南 部B*
奈 良 県S
波の直後に最大動,振動の減衰比較的遅し 和 歌 山 ‘ 県 │ 小 笠f 原 諸 島 P,S
共明瞭 C ,1 I (100壬) 振幅の小さい Pが続き,突然明瞭な Sが現れる, 南 西 諸 島 深発地震に多し. 千 葉 s県 P. S共やや不明瞭, 銚 子 東 方 沖 f D 沖 27-108 l' 0-80 紡錐型に近し 伊 豆 , 半 島 紀 伊 ー 水 道 茨 城 県 ー 東 方 E 三 陸 東 方 沖 , 34-112.I
0-80 紡錐型 房 総 半 、 島 南 東 沖 はD型である. 5) 茨城県から三陸東方沖,房総南東沖はE型である. (5) 以上をまとめ記象型の分類表にしたのが次の第 2 P表である. 大別して近畿地方と関東および東北地方東方海上の地 震に2大、別されるようである.特に伊勢湾北部から愛知 県部(三河湾)周辺の地震はA,B型が混入している.ま た東関東地方から北上する地震帯に於ける記象型の分類 も一応第2図のように E型に D型が突入している分布を 示している、. (浅発地震と深発地震に分けずに調査した〉 ~ 4. 初動について (1) この調査は「地震予知のための予備調査」のB
に相 当するもので,亀山で、観測Lた初動の“押し",‘守I
き" が震源の位置によってーどのような傾向を示すかを調べ, あわせて初動のかたよりについてその分布に特徴がある かどうかをみたものである.資料は 1951..:..,-1960年の 10 年間の浅発地震95回である,ただし深発地震は資料数 が少'<(25回)次の機会にする.震央の位置と深さは地震 月報とその中にないものは大阪地震月報記載のものを使 用した. (2) 亀山で P 波初動としで観測された“押しぺ “引 き"をそれぞれ震央位置に“押し"はe
,“引き"は0
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で 地図上に記入したものが第4図で第 5図はそれを拡大し たものである. 次に第4,
5図の、“押しぺ“引き"を特徴づけるよう に,近畿及び東海地方を1-10地域に区分する. 1: 三重県,奈良県中部2
:
和歌山県中部3
:
京都府中南部 4: 福井県,石川県西部 5: 岐阜県南部,愛知県北部 6': 愛知県東部白7
:
愛知県南部し伊勢湾北部8
:
'志摩半島9
:
白熊野灘 10: 千県北,中部 (3) 震源め深さとの関連をみるため巳,深さ別の水平 - 4ー亀山の地震記録からみた地震活動域について一一岡本 5 • 0
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第4図初動の押し,引きの平面布・:押し0:
引き. :
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'1 第 5図 初動の押し,引きの平面分布と地域区分図 (1951-1960) h>80 km 分布と地域別の垂直分布をあらわしたのが第6-9図, ' 地域別での分布の度合を出したのが第 3表である. 以上の結果,三重県北, 中 部 , 奈 良 県 中 部 で は “ 引 き 愛 知 県 南 部 , 伊 勢 湾 北 部 で は “ 引 き 福 井 県 , ‘ 石 川 県 西 部 で は “ 押 し ヘ 和 歌 山 県 中 部 で は “ 押 し ぺ 京 都 府 中 南 部 で は “ 引 き " で あ り , 強 い て 境 界 線 を 引 け ば (第5図参照)“押じ“ヲ│き"の水平分布,は亀山を中心 として約 100km以 内 は “ 引 き ぺ 約 100.--...-200kmは '“押しそれ以上で“引き"である .X-X'
の垂直分布 第3表 地 域 別 の 分 布 の 度 合 地 ( 押 し 引 きの 百 分 率 !l
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深 さ ( km) 域 1 三 重 県 , 奈 良 県 中 部O
100 0-70 2 和 歌 山 県 中 古 部•
75 0-70ヨ
京 都 府 中 , 南 部O
67 0-20 4 福 井 県 , 石 川 県 西 部 ,e
100 10-20 5 岐阜県南部,愛知県北部•
75 0-50 6 愛 知 県 東 部•
51 0-50 7 愛知県南部,伊勢湾北部O
90 10-40 8 島 dで仏と、 摩 半 50 0-60 9 責員 野 灘O
66 40-80 10 千 葉 県 北 , 中 部•
63 ,20-80 . : 押し 0-: 引き で特に1370 E,付近の地震では 10kmまでは“押しぺ“ヲ│ き"混入し,'20kmまでは“ヲi
き"でそれ以上になると “押し"が出ている.Y-Y'線はほとん、どが20kmまで の地震である.Z-Z'
線ほ 40-80kmの地震で深くな る程守│き"が多く出ている.時間的傾向(第 10図) はあまり顕著でない. (4) 次に初動方向が震央と観測点を結ぶ線の方向に正 しく向《かどうか,もしかたよるとすればかたよりに地 域的に系統だった特徴がみられるかどうかを調べてみた. ここでは亀山の P波の水平成分,ーすなわち東西, 南北 両成分の合成値を使って水平方向のかたよりを求めたの が第日図である.図り矢印は亀山での初動方向をその, 震源位置に平行移動させたものである.図はかなり特徴 ある分布をしているが,およその境界線を引けば図のよ うであり,愛知県東部と南部の分布は明瞭に出ている., ~. 5.P
波の走時について (1) この調査は「地震予知のための予備調査」の Cに 相当するもので,ある観測点において,標準走時曲線か らの深さ別,地'域別のP
波の走時のかたより(遅速)を 調査し,できれば各地域から観測点にいたる地下構造を '推定しようとするものである まづ調査の方法として 1953-1991年まで亀山のウイ ーへノレト式地震計で観測された地震の中から初動がP
および iP~ε 観測されている地震で半径 500km 以内で 震源の深さ (h)が80km以内のものに限定した , (P と iP別による調査はしなかづデこ. 震央の発震時は地震月 ~ 5-6 験 震 時 報 31 巻 1 号
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第6のa図 O<h亘20km震央分布図 8:押しo
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第6のb図 20くh豆40km震央分布図 Q 第6のc図 40くh豆80km震央分布図•
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第7図 X-X"の押し,引き垂直分布・:押し0:
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線上の押し,引きの時間的傾向 (3, 4. f10区を除く) 6t' O~主 11<20 JD。
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1110 .Jdq ~Otl itlJd #11 第12の a図o
豆hく20kni走時図 M v o e a F 岬 J,
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/i.t Jd XJ 14 d ldd .ldIJ .j4IJ 1J.41J ,fdd 第12の e図 40豆hく60km走時図 第12のd図 60孟h豆80km走時図 Y 第 11図初動方向のかたより ・:右偏0:
左偏():"無し ↑:豆10μ+ : 10':""50μ 令:>50μ 拘 11"
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ItllI ~ð() 11111 IIH 、toD 第12の b図 20豆hく40km走時図 M W M F h 制'ÌJ~Ic~ 10
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11>> Z()D .Nf) lIIJfJ !1Jd 報,震央は地震月報および大阪地震月報による)上記期 走時図である.なお図中の曲線は和達,益田の走時曲線 問中でこの条件に適合するもの161例を選んだ である.次に地域分布をみやすくするために,走時曲線 これらの資料を用いて震央距離および走時を求め,ご からの偏差を出l.-,をれらを深さ別に地図上の震央の位 れ を 震 源 の 深 さ 別 に 示 し た の が 第12の a,b, c, dの 置に.示したのが第'13の a,b, C図である.7
-8・ 験 震 時 報 31 巻, 1 号 ‘第13の a図 O豆h孟20km-走時偏差分布図 ・:おそし