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規制緩和下のDSM

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(1)

規制緩和下のDSM

著者

木船 久雄

雑誌名

研究年報

9

ページ

103-128

発行年

1996-12-30

URL

http://doi.org/10.15012/00000855

Copyright (c) 1996 木船久雄

(2)

規制緩和下の

DSM

次 1. 1ま しめに

2.DSM再

評価

3.米

国の規制緩和 と

DSM

4.欧

州の規制緩和 と

DSM

5. おわ り│こ 1。

1980年代後半か ら90年代初頭 において,米国の電気事業で行われて きた

DSM

,低

コス トでかつ環境負荷の軽減 をも実現する新 しい供給力 として大 きな注 目を集めて きた。(1)それは,同時 に電気事業者 に新たなビジネスチャンスを提供 す るもの とも見込 まれていた。 しか し

,規

制緩和が一段 と進展 しようとしてい るここ数年の状況では

,DSM事

業の見直 しが行われている。 本稿では

,規

制緩和が進む欧米 において

,DSMが

どの ように変化 しようとし ているのか を検討す る。

2.DSM再

評 価

DSMは

,1980年代末 に米国における電気事業規制変更 に伴 う新 たな波の中で

(1)DSMの

概要 については拙稿 (1994)を参照。

(3)

開花 した。 その背景 には

,1)域

内で の新規 電源確 保 が難 しか った こ と

,2)電

源 に代替 しうる安価 な供給 力 として

DSMが

認識 され た こ と,そ れ は

3)環

境 に も極 めて優 しい手段 であ った こ と

,4)規

制 当局が積 極 的 に

DSMを

推 進 して き た こ と

,な

どが あ った。 その ため

,環

境 コス トな ど社会 的 費 用 を考慮 した場 合 には

DSMは

新規電源 の建設 に比べ て,経済性 の観点か らも優位 にたつ とされた。 しか し

,電

気事業 にお け る競争が さ らに広範 囲 な もの に拡大 され る過程 で,

DSMに

対す る評価 が変わ って きてい る。それ は

,1)DSMは

本 当に安 いのか,2)

DSMの

便 益 は これ までの ように顧 客 と電 力会 社 両者 に もた らすの か,とい う点 に疑 間が生 じて い るか らで あ る。すで に米 国の い くつかの電 力会 社 で は

,DSM

へ の投 資額 を当初計画 か ら下方修 正 してい る。 広範 囲 な規制緩 和 は

,域

外 か らの電 力調 達 を可 能 に し

,こ

れ まで以上 に安 い 供 給 力 を利 用可能 に した。 そ して

,規

制緩 和 の行 き着 く先が 安売 り競 争 にあ る と した ら

,DSMと

て その足枷 には した くない,と い った状 況 で あ る。と りわ け 1995年12月 20日 に米 国 カ リフ ォルニ ア州 公益事業委 員会

(CPUC)で

決 定 をみ た 小売 り託送 の 自由化 を織 り込 んだ規制緩和策

,欧

州 で は

EUで

議 論 され て きた 第二者 ア クセ ス

,

とい った施策 が

DSMに

対 す る評価 見直 しを決 定的 に した。 しか し

,一

方 で従 来型 の

DSMは

,エ

ネル ギーサ ー ビス事 業

(ESM)の

拡 大 とい った形 で姿 を変 えつつ あ る。

2.1.競

争 と

DSM

一段 と進んだ競争政策の導入によって

DSMに

対す る評価が変化 して きたの は, 次 の ような理 由か らで あ る。 第一 には

,電

気事業 の供 給 力 にお いて 多様 な ポー トフ ォ リオの採 用が可能 に な った こ とで あ る。 送 電線 が 開放 され るこ とに よって

,電

気事業者 (と りわ け 配 電会社

)は

,

自社 の供 給地域 を超 えた広範 囲 な供 給 力が利 用 可能 にな る。 そ れ ゆ え,電 気事業者 が 自ら行 う

DSM以

上 に経済 的 な供給オプ シ ョンの選択肢が 拡 大 した。 第二 に は

,第

一 の観 点 か ら様 々な供 給 カオプ シ ョンを再 評価 す る と

,DSM

は当初の想定以上に高い物である, という見方である。この点に関しては

,①

(4)

経済性評価 における方法論的な問題,②

DSMに

よって達成 され る省電力量 は, 実施前 に期待 され る量 ほどになっていないことが 多いこと

,③

小売 り託送が実 施 され るようになると

,DSM投

資が回収不能費用(stranded COSt)になる可能 性 があるため

,投

資 リスクが発化す ること

,な

どである。 第二には

,競

争市場の実現 によって もた らされ るはずの電気料金低下が

,こ

れ まで必ず しもその実現 をみているわけではな く,その一つの原因 として

DSM

がや り玉 にあが ることである。この観点は,米国で導入 されて きた

DSMと

いう 制度その ものが潜在的 に抱 えている問題点の顕在化で もある。つ まり,①

DSM

は物理的な供給力を提供 しないに も関わ らず,料金は値上げされる傾向にあ り, その姿が消費者 に理解 されに くいこと

,②

DSMに

よって省電力が進み,そ れが 結果的 に過剰な供給 力をもた らす ようになって きたこと,③

DSMの

参加 インセ ンテ ィブ として提供 され る リベー トが電気料金 を通 じて行われ

,そ

れが消費者 に不公平感 をもた らしていること

,④

参加者の中にフ リー ライダーが排除で き ないこと,これが結果的に

DSMの

費用単価 を押 し上げて しまうこと,などである。 さらに第四には規制 当局による

DSM推

進制度の見直 し

,で

ある。

2.2.環

境 と

DSM

環境 保護 は

,DSMが

もた らす大 きな社会 的 な便 益 で あ る。 しか し

,競

争 原理 の導 入 と環境 保護 は時 として

,相

矛盾 す る効果 を持 つ。

DSMに

対 して も例 外 で はな く

,米

国 の 電気事 業 の規 制緩 和 にお け る議 論 の 中で も

,過

度 な規 制緩 和 は 環境 軽視 を引 き起 こ し

,そ

れが 「影」の部分 と して指摘 されてい る。(2) つ ま り,環 境 に優 しい供給 力手段 と して認 め られ る

DSMは

,こ れ まで政 策 的 に国(エネル ギー政 策法

,1992,NEPA)や

州 の規 制 当局か ら後押 しが あ った。 それ ゆ えに

DSMが

開花 で きた とい うこ とも事 実 で あ る。しか し,一 層 の規 制緩 和 は

,DSMに

対 す る優遇策 を反故 に しよう とい う動 きが表面化 し始 め た。ただ し

,州

に よって は

,電

力市場 が小売 り託送 を含 め て 自由化 され て も

,公

益事業 委 員会 は従 来 とは異 な った方法 で

DSMを

支援 す るな ど

,DSMの

退 行 を避 け る (2)Cleinente(1996)p.13

(5)

よう検討 を行っている。

さらに

,こ

こ数年

,環

境費用の計測が精級化 され るこ とによって

,そ

の評価 値 は徐 々に下方に修正 されている。この点 も

,DSMに

とっては在来型の供給力

と経済性評価の上で競争力を喪失す る一因 となっている。

2.3.ESMと

DSM

一 方

,DSM事

業 の新 たな展 開 と して

,ESM(Energy Sewice Management

あ るい は

Energy Service Marketing)が

あ る。 これ は

,ESCO(Energy Serv―

ice Co" :エ

ネル ギー・ サ ー ビス会社

)と

呼 ばれ る主体 に よって営 まれ る。 当 初

,ESCOは

電 力会 社 が行 う

DSMの

企 画や実施 をその主たる事業 として きたが, 扱 うビジネス範 囲 を よ り広範 なエ ネル ギー・ サ ー ビス全般 に展開 して きた。 電 力消 費者 が大 日の民 間企 業や 公共事業体 で あ る場 合 には

,エ

ネル ギー管理部門 をア ウ トツー シ ング化 し

,そ

れ を

ESCOに

委託 す る とい う形 態 を とる。

それゆえ

,現

在の

ESCOの

事業内容は

,単

に電力消費を抑制させた り負荷平

準化を図るだけの

DSMに

限 らない。

契約先の①エネルギー消費効率化の達成

,

②電気設備の管理

,③

燃料調達

,④

自家発の運転管理

,⑤

DSM投

資資金の調達

などを行い

,

しか も

,ユ

ーザー との契約形態 もパフォーマンスベースといった

新たな方式を採用 し始めている。

こうした

ESCOの

事業主体は

,①

電気事業が単体で

ESCOを

設立 しているも

,②

既存

ESCO間

で新会社を形成 したものなど

,大

きく二つに分かれる。い

ずれ も

,供

給区域に捕 らわれないエネルギー・サービス会社 としてコンサルテ

ィング事業を営んでいる。

上で述べてきたような背景が

,米

国を中心 としてこれまでの

DSMに

対する評

価の再考につながっている。以下ではさらに具体的に

,米

国の実態を検討する。

3.米

国 の 規 制 緩 和 と

DSM

ここでは,米 国の

DSMの

推移 を概観 し,規 制緩和の文脈の中で

DSMの

姿が どの ように変貌 して きたかを考察す る。

(6)

3.1.DSMの

歴 史 まず

,最

初 に

DSMが

辿 った歴 史 を大 まか に辿 ってみ る。

DSMが

大 き く開花 したの は1990年 前後 で あ るが,そ の哨 矢 は1970年 代末 にあ る。

DSMの

始 ま りは ミネ ソタ州 の

Osageと

い う町の公営電 力会社 に よってその 萌芽 を見 た とされ る。(3)同社 は

,供

給 力不足 を解 消す るため には,追加 の送 電設 備や供 給 力の手 当てが必要 とな り

,そ

の ため には大 幅の料 金の値上 げ をせ ざる をえない状 況 にあ った。 しか しそれ を回避 す る方策 と して

,家

庭 需要家 を個 別 訪 問 し

,断

熱 の強化 を図 り

,省

電 力 を進 め た。供 給主体 の電 力会 社 が

,

自 ら消 費者 の需要抑制 を働 きか けた とい うこ とで,これが省電力

DSMの

口嵩矢 とされ る。 ただ し

,負

荷 平準 化 に関 して言 えば

,さ

らに歴 史は古 い。米 国で負荷平準化 の ための料 金制度が採 用 され たの は

,1940年

代 で あ る し

,

日本 で も昭和40年 代 (1960年 代

)に

は現在 の需給調整契約の原型がで きあが ってい る。(4) 実際 に上 の ような省 電 力 を中心 と した

DSMが

急激 に流布 され るようにな った の は,1980年代 末 で あ る。1989年 には

NARUC(全

米 公益事 業 委 員協会 )で

DSM

/1RPの

奨励 を決議 し,(5)1990年の レーガ ン大統領時代 に起草 された『国家エネ ルギー戦略』の中で もそれが謳われた。(6)こ うした制度的な後押 しに加 えて

,当

時進捗 を見た規制の変更 もまた

DSMを

拡大す る役割 を果た した。それは,新規 供給力の確保 にあたって入札制度が導入されたこと

,そ

れに参加す る独立系発 電事業者 (IPP)の 登場 といった ものである。 これ らは

,電

気事業者 に対 して従 来以上 に安価で確実な電力供給オプ シ ョンの可能性 を提示 し

,そ

のオプ シ ョン のひ とつ として

DSMの

可能性 も考慮 され るようになった。(7) 1990年代 に入ると,規制当局がいかに電気事業者に

DSMを

推進 させ るべ く会 計上の優遇制度 を用意す るかが大 きな課題 となった。

DSMに

向けられた費用の 回収 をどの ように行わせ るべ きか。物理的供給 力である電源資産 に対す る報酬 率以上 に高い率 を

DSM投

資 に適用 した らどうか,といったインセ ンテ ィプのあ

(3) Wall Street Journal(1987)

(4)電気事業講座編 集委員会 (1986)p.142

(5)NARUC(1989)

(6)DOE(1991)

(7)

り方が議 論 の 中心 で あ り

,実

,そ

う した制度が導 入 され て きた。 一 方

,既

DSMの

実施経験 を持 つ 電気事業 者 や研 究者 か らは

,DSMが

抱 え て い る問題 点が改めて指摘 され るようにな った。 それ らは

,期

待 され る効果 と 現 実 との乖離

,経

済 計 算手法 の問題

,フ

リー ライダーの問題

,料

金値上 げの問 題 な ど

,前

述 した潜 在 的 に抱 え る制度的 な問題 に関す る もの な どで ある。しか しそれで も

,1990年

代 前 半 は

,制

度的 な後押 しか ら

DSMは

大 き く躍 進 し

,1990

年代 の電気事業 の新 しい事業 と して認識 され て きた。 ところが

,そ

れが大 き く方向転換 したの は

,1994年

か らで あ る。 その契機 と な ったの は

,カ

リフ ォル ニ ア州 公益事業委 員会

(CPUC)が

刊 行 した

Blue Book

で あ る。

Blue Bookは

,新

たな電気事業体制 を模 索す るため に

,1992年

か ら始 まった検 討会の報告書 で あ る。 それ には

,電

気事業 規制体系 見直 しの総仕上 げ と して

,21世

紀 に向 けた電 気事 業 体制 が提 案 され て いた。英 国 の電 気事業 の規 制緩 和 に見 られ る ような

,発

・ 送・ 配 電事業 の分断

,小

売 り託送 の段 階的 な 自 由化

,パ

フ ォーマ ンス・ ベ ースに基づ く料金制度の導 入な どが提 案 され た。

CPUCの

規制 変更 が 及ぼ す影響 は直接 的 には州 内の 電気事業 者 に限 られ る。 しか し

,時

代 を リー ドして きた カ リフ ォル ニ ア州 の提 案 で あ り

,他

州 の規制体 系 に も影響 を及ぼ しかね ない こ とか ら

,全

米 の注 日を集め て きた。提 案 の採 否 は,当初 の予 定 に比べ て半年 余 り遅れ て,1995年12月 20日 に行われ,そ の内容 は ほぼ提 案 に沿 った もの にな った。(8)

3.2.DSMの

現状 それ で は,米国 にお け る

DSMの

実態 を統 計 を用 い なが ら確 認 してお こ う。用 い るデー タは米 国エ ネル ギー省

(DOE)の

調 査 で

,1989年

以 降

DSMに

関す る 公式統計 となったEIA‐861様 式 に基づ いた ものであ る。(9)統計 の調査対象は全米 の 電気事業者 で あ るが

,120 GWh以

上 の販売量 を持 つ電力会社 は この調査票 に 解 答義が あ る。全米約3,250社 の うちの905社 が その範 疇 に入 り,この905社 の 全 米 にお け るシ ェア は販売 量 で

86%,売

上 高で

89%で

あ る。 また

,私

営 電 力会 社 の経緯は

,東

海 (1996)が 参考になる。 ドのデータは

DOE/EIA(1995)を

用いた。 こ 以

(8)

286社 の うちの142社 がデー タ対象 にな ってい る (1994年)。 1994年 の調査 に よれば

,DSMへ

の支 出金額 は年 間28億 ドル で あ り,こ れ は同 年 の売上 高 の

1.5%に

相 当す る。同比 率 は,調 査 開始 時 の1989年 で は

0.5%で

あ っ たか ら

,こ

の 間 にいか に大 きな増 加であ ったかが解 る。 こ う した

DSM支

出 に よる効果 は,年 間440億

kWhほ

どの省 電 力 を もた ら し, 4,000万

kWほ

どの潜在的な ピー ク需要 を抑制 した もの と見 られ る。 これは総需 要量

(kWh)の

1.6%,

ピー ク需要

(kW)の

6.8%に

相 当 して い る (表1参 照)。

DSMに

資されるプログラムは大 きく

,①

省電カプログラムと②負荷管理プロ

グラムとに分けられる。前者の省電カプログラムに用いられる主要施策の特徴

,以

下の通 りである。第一 に

,省

電力効果の うち

41%は

家庭用プ ログラムが 寄与 していること。第二 に

,近

年 は商業用 (業務用

)を

対象 としたプ ログラム が増加 していること。第二 には

,効

率化推進プ ログラムの費用効果 は

,約

3.0セ ン ト

/kWh(10年

償却

,5%割

引率

)と

推計 され ること

,な

どである。 一方

,後

者の負荷管理プ ログラムの特徴 は

,次

の通 りである。第一 には

,メ

ニ ュー としては

,供

給遮断契約プ ログラムが中心であるものの

,エ

ネル ギー効 率化 (省電カプ ログラム

)と

直接制御 によるプ ログラム とが

,そ

れぞれ

,

ピー クカ ッ ト効果の

25%程

度ずつ寄与 していること。第二 に

,

ピー クカ ッ トの中心 は産業用であること。第二には

,全

体の費用対効果は

,kWあ

た り48ドル(1992 年価格

)と

推計 され ること

,な

どである。 表

1

米 国の

DSM支

出 と効果 項 目 1990 1991 1992 1993 1994 省電力量(100万

kW)

ピーク削減実績(千

kW)

潜在的ピーク削減効果(千kW) 35,563 17,204 32,442 45,294 23,069 39,508 20,458 13,704

NA

24,848 15,619

NA

52,483 25,001 42.917 費用(千ドル) (出所

)DOE/EIA(1995)p77

1,177,457 1,803 773 348,094 2,743,533 2,715,700

(9)

3.3.DSMの

見 直 し 先述 したが

,DSMに

対 す る見 方 を大 き く変化 させ た事件 は

,CPUCの

Blue

Bookで

あ った。ここでは

,こ

の カ リフ ォルニ アの事例 を含 めて

,DSMに

対 す る評価 見直 しに関す る状 況 を整理 してお く。

3.3.1.カ

リフ ォル ニア に おけ る

DSM見

直 し

CPUCに

規制 の 方向転換 を迫 った直接 の原因 は

,全

米 で最 も高 い とされ るカ リフ ォルニ ア州 の電力料 金 にあ る。 不満 は

,電

力大 口需要家 で あ る産業需要家 を中心 と して湧 きあが って きた。この料金危機 が

CPUCに

方 向転換 を迫 り,Blue

Bookの

発行 とな った。そ こでの提 案 は

,電

力産業 の再構 築 を模 索 し,その論調 は

DSMに

つ いて も同様 で あ る。

Blue Book刊

行 に至 る間の公聴会 で は

,か

つ て

DSMを

支持 していた大 口消 費者 の団体 が,省 電力

DSMに

関 わ る支 出 を電 力料金か ら供与す るこ とに反対 を 表 明す るまで にな った。 そ して

,カ

リフ ォル ニアエネル ギー委員会

(CEC)の

1994 Energy Efficiency Reportと 1994 Electricity Reportの 公聴会の中では,

カ リフ ォルニアの

DSMの

費 用効果 テ ス トは

DSMを

過大評価 して いた,と い う報告 も行われた。

こ う した経過 を経 て,カ リフ ォルニア州 内にある

PG&Eと

SOuthern CalifOr_

nia Edisonの

2大

電 力会社 は,1995年の

DSM投

資 を当初計 画 よ り2億 ドル削減 す る とい う決 定 を行 ってい る(10)。

3.3.2.DSMの

堅調 な伸 び を想定 し難 くな った背景 1990年 代 前半 は,カ リフ ォルニアでは

DSM事

業 は時代の花形 とも認識 されて いた。しか し,そ れが一転 して

DSMへ

の投資が抑制 され る状 況 にな って い る。

この背景には何があるのかを整理 してみよう。結論からいえば

,①

規制緩和に

ともなう回収不能費用の問題

,②

料金支払い者による反旗

,③

DSMの

経済性に

関する疑問,④

DSM推

進インセンティブ制度の

CPUCに

よる見直し,が ある。

(10 :Bradley,et.al(1995)p.41

(10)

① 回収不 能 費用 第一 番 目の規制緩 和 に伴 う回収 不能 費用の問題 は,実 は

DSM事

業 に限 った問 題 で はな い。 回収 不能 費 用の 問題 は

,1990年

代 初頭 か ら徐 々に進 め られ て きた 送 電線 開放 とい う規 制緩 和策 に よって顕在 化 して きた。 つ ま り

,

自由に配電会 社 が安 い電源 を選択 す るこ とに よって

,短

期 的 には既 存 の割 高 な発電設備 が過 剰 設 備 と して認識 され る。こ う した設 備 を抱 え る事 業者 は,生 産 した電 力 を誰 も 購 入 して くれ な けれ ば費 用 回収 の術 が無 くな って しまい

,そ

の 設備が埋没 す る と同時 に事業 の存続 さえ危ぶ まれ る。 さ らに,一 段 と規制緩和が進 展 して小売 り自由化が認め られ る とな る と

,DSM

投 資 に関 して も

,同

様 な現 象が想 定 され る。例 えば

,電

気事業者

Aは

自 らの供 給地域 内の顧 客

Cに

DSMの

方策 と して省 電 力投 資 を行 う とす る。一 方,別 の事 業 者

Bの

電気料 金 は

Aよ

りも安価 でサ ー ビスは

Aと

同一 水準 で あ る とす る。小 売 り自由化 が実現 されれ ば

,電

気事業者

Aの

供 給地域 内 にあ った顧 客

Cが

,電

気事業者

Bの

顧 客 にな る可能性 が 出て くる。

DSM省

電 力投 資 は

,A電

気事業者 が顧 客

Cに

対 して行 う もの で あ るか ら

,そ

うな った場 合 には

,事

業者

Aが

行 っ た

DSM投

資 が 回収 不能 な状 況 に直面 す る。 それ ゆ え規 制緩 和策 は

,電

気事 業者 を

,将

来的 に回収 不能 費 用 にな る可能性 が あ るような投 資案件 か ら回避 させ る作 用 を持 つ。これ は

DSMに

限 らず,電 力 供給 設備 につ いて も同様 で あ る。 一 方で この 問題 は

,規

制 当局 に対 して,│口l収 不能費用 を回収 す るには どの ような方策が 公平 で あ るのか

,

とい う政策 課題 を 提 示 して い る。 ② 料金 支払 い者 の不 満

DSM投

資が見直 され る背景 の第二 の理 由 と して,料 金支払 い者の反旗が あ る。 これ は

,DSM投

資が持 つ所得再 配分機 能 に対す る公正や公平 の 問題 につ なが る。 これ までの

DSM投

資 資金 は,総 ての顧 客 に よる電気料 金収 入 に よって賄 われ て きた。

DSMプ

ログラム に参加す る顧 客 は

,DSMを

通 じて 自らの資産 を拡大 させ るこ とがで きるばか りでな く

,支

払 い電気料 金 も低減 す るこ とが で きる。 つ ま り

,参

加者 は二重の便益 を得 る。一 方の非参加者 に とっては

,電

力会 社 に

(11)

よる

DSM投

資 は電源 設 備の増 強 に比べ れば,料 金 単価 の上昇 幅 は小 さか ったか も しれ な いが

,実

際 の料金 単価 は上昇 してい る し

,そ

の原 因が他のユ ーザ ー に 直接 的 な便益 を もた ら してい る もの であ る とい うこ とは容認 しが たい。 カ リフ ォル ニアで こ う した不満 が表 にでて きたの は

,カ

リフ ォルニ ア州 の電 気料 金が 全米 で

1, 2を

争 う高 い もので あ るこ と

,

しか も料 金水準 は上昇傾 向 をた どって きた,と い う背景 も見逃せ ない。

DSMを

通 じて料 金単価が引 き下 げ られ た

,

とい う傾 向が見 られれば また違 った反応 もあったで あろ う。 しか し, いずれ に して も

DSMは

電気料金 を使 って所得の再配分 を実質的 に果た している。 加 えて

,DSMの

プ ログラム参加者 にフ リー ライ ダーが 多い とい う点が問題 を 複雑 に して い る。それ は

,DSMプ

ログ ラムの費用― 効果 を悪化 させ て い る大 き な原因で もあ る し

,所

得 の再 配分 に対 して も不 公平 を募 らせ る。 フ リー ライ ダ ーの比率 は

,調

査 に よって異 な るが

,50%に

ものぼ る と推 定 され て い る。 しか もフ リー ライ ダー達 は次の ような性 格 を有 してい る。「省電 力

DSMプ

ロ グ ラムの参加者 は

,エ

ネル ギー効 率的 な新 しい住居 に住 み

,高

所 得者 で

,電

力 会社 のプ ログラムが な くて も省エ ネル ギー手段 を講 じるこ とがで きた家庭 であ る。この こ とは

,電

力会 社 の

DSMプ

ログラムが

,高

所得者 層へ の所 得移転 を促 進 した可能性 を否 め ない」 とい うので あ る。(H) ③

DSM経

済性の再評価

DSMの

経済性 は通常「費用― 効果分析」で検証 され

,そ

れによって経済性が あると判断 されたプ ログラムだけが実施 され る。 しか し

,こ

の経済計算 に対す る疑間 も提示 されている。つ まり,本当に

DSMは

安いのか,と いう疑間である。 これは

,次

4つ

の側面がある。第一 にはテクニカルな費用の計上問題

,第

二 には「費用― 効果」とい う方法論 に関す る問題

,第

二には外部費用評価の問題, 第四には効果に対す る実施前の想定値 と実施後の実現値 との乖離の問題である。 第一の費用計上項 目に関 しては,当 初

,DSMの

費用 として計上 されていた も のは,ほ とん ど

DSMの

直接経費だけであった。実際には

DSM専

従の従業員が (11) Sutherland (1994)p.117

(12)

必要である し

,管

理費な ども発生す る。(12) そ う した

,反

省の もとにロー レンスバークレー国立研究所の

Eto達

,経

済 計算 を し直 した。(13)それによれば,従来行 っていたような方法 に比べれば

,DSM

の費用― 効果の価値 は減価 し

,20の

商業・ 産業用むけの照明プ ログラム を通 じ て

,全

体の コス トは ¢

5.6/kWhと

した。彼 らの計算結果 は

,DOE/EIA推

計 に 比べれば費用― 効果 は小 さい ものの,それで も

DSMの

照明プ ログラムは全体的 には費用効果的であると結論づ けている。 この うち

,消

費者 コス トは

17%ぐ

ら い合 まれていると考 えられ る。(14) 第二の「費用― 効果」分析 その もに対す る批判 は次の ような ものである。個 別の

DSMの

経済性 は「費用― 効果」分析 で行われ る。 この ときの「効果」は電 源 などの物理的な供給力 と同等 (回避可能原価

)と

いう前提 に立つ。教科書的 になるが

,そ

もそ も効果や便益 は「余剰」 を もって測 るべ きであ り

,余

剰の大 きさは需要曲線 と供給曲線 とで決 まる。それゆえ,「費用―便益」分析 で行われ るような1単位のエネルギー・ サー ビスの効用は,費用や価格 に関係 な く一定で あるとい う前提 を改め る必要がある。そこで

,消

費者余剰最大化の コス ト・便 益分析 こそが重要であるとい う指摘 である。(15) 第二 には,研究が進むにつれて外部費用の評価が変化 し,それが

DSMの

経済 性評価 に も影響 を及ぼ して きた。通常

,DSMが

供給計画に組み込 まれ るとき, 環境外部費用 を加味 しなが ら物理的な供給力 との相対で評価 され る。そのため, 伝統的な電源が排出す る

NOxや

SOx,C02と

いつた外部不経済の大 きさは,少な か らず

DSMの

経済性 に影響 を及ぼす。微粉炭やガスコンバ イン ド発電に対す る 外部費用に関 して

,ORNLや

RCC/Haggler,Bainyの

最近の推計では,それ以 前の評価値の5分の1∼10分の1の値 となっている。(16)これは ,計算手法の改善や計 算緒元設定における情報量の蓄積 が,計算の精度 を高めた結果 とされ る。既存電 源の外部不経済が小 さければ,当然なが ら

DSMの

経済性 は悪化する(表

2参

照)。 (10 Joskow et_al(1992) (13)EtO(1994) (10 Hirst(1994a) (15)Borlich(1994) (10 Hirst(1996)

(13)

第四には

,実

現 された省電力 と当初期待 された省電力量 とが異なるとい う側 面である。計画段階での効果推定は

,当

,[設

備の普及

[設備単位 あた り の削減電力容量]× [稼働時間],といった積上 げ型の工学的手法 に依 っていた。 しか し

,こ

れが現実の実現値 とで乖離 を生 じさせ た。消費者が どれだけ参加す るのか

,参

加 した消費者の うちどれだけがフ リーライダーであるのか

,省

電力 機器 を導入 した消費者が期待 どお りの省エネを実行す るのか,逆に

Take Back

効果(17)を示 し

,増

エネになる可能性 もある。

DSM企

画担 当者 は

,作

為がな く て も大 きな効果 を想定す る傾向にある。この問題への対処 として,消費者情報 を より精緻化 し,それをモデルに組み込んでゆ くという地道な改善が行われている。 表

2

外部費用 の推定 (単位:ミル/kWh) 微粉炭

ガス コンバ イ ン ド・サ イクル

ORNL

′ I`ennessee

New Mexico

RCC/Haggler,Bailly Upstate,Rural NY New York City

それ 以 前 の 外 部 費 用 の推 計 値

1ヽJevada`vralue

Nev′York Value

1.4 0.7 0.2 0.0 2.6 4.3 0.2 1.7 19.0 11_2 5.5 6.9 Oregon Value 13.9 2.8 (出所)Eric Hirst,et.al(1996),p.306 ④

DSM導

入インセ ンテ ィプの見直 し 第四の

DSM投

資見直 し気運 は,政策 当局による

DSM導

入インセンテ ィブ制 度の見直 し

,で

ある。

CPUCに

おいて も

,DSMに

関す る制度的な見直 しが追 ら れている。カ リフ ォルニアは

,DSM推

進のために

,DSMに

必要 な費用を原価 に反映 させ た り

,省

電力による便益(供給投資の回避原価―

DSM投

資)を消費 (10 Take Back効果 とは省工 不ルギー施策の実現 に伴 う増工不ル ギー効果のことである。例 えば,燃費の良 い車 に乗│)替えた人が,ガソ リン支払 い代金の減少 を通 じた購買 力の増加 か ら従来以上 に走行距離 を仲 ばす ようになるこ と。Take Back効果の最近の分析例 として はSchwarz,et.al(1995)な どがあ る。

(14)

者 と事業者(株主)とで配分 しよう

,

とい った先駆 的 な

DSM推

進 制 度 をいち早 く取 り入れ た州 で あ る。 しか し,こ う した

DSMI誘

導 型 の イ ンセ ンテ ィプ を電力会社 に与 えるような制 度 の 見直 しを始 め てい る。もっ とも

,DSMが

環境 に優 しく

,州

政 府 と して も環 境 対策 は継続的 な重要課題 で あ るこ とか ら

,DSM誘

導政 策 の全面的 な廃 止 を狙 ってい るわ けで はない。具体的 には

,配

電料 金 に

DSM費

用 を上 乗せ して

DSM

費 用 を賄 お う とい う案が検討 され てい る。

DSM誘

導 の政 策 が トー ンダウ ンす れ ば,従 来の ような勢 いで

DSMが

拡 大 し な くな るの は必至 であ る。

3.4.規

制緩和が及ぼす

DSMへ

の影響 目下

,米

国では着実に電力事業の規制緩和策が進め られている。 この規制緩 和が

DSM事

業 にどの ような影響 を及ぼ している.のか を整理 しておこう。

3.4.1.電

源 の入札 と

DSM/:RP

1980年 代後半か ら1990年 代初頭 にか けて,米 国の規制緩和の大 きな流 れ と して 「電源 の入札制度」が広範 囲 に適 用 されていった。 これ は

,1978年

PURPA

法 に基づ く

QF(認

定設備)の過剰 設備 を回避 す るため

,あ

るいは広範 囲 に安価 な供給 力 を募 るため

,で

あ った。 これ は

,ほ

ぼ時期 を同 じくして

IRP(統

合資 源計 画

)の

採 用 と も重 な って い るが

,供

給 力 を入札 とい うス ク リー ンにか け る こ とは

,電

気事 業者 に次の ような可能性 と意味 を もた ら した。

1)限

界費 用や 費用最 小 に関す る意識 が徹底 され た

2)そ

の ためのオプ シ ョンとして

DSMを

供 給 力 と同様 に扱 うようになった

3)電

力会社 よ りも安 く電源 を提供 す る

IPP出

現 を もた ら した

4)顧

客へ の関心 が高 ま り

,サ

ー ビス志 向 にな った

5)環

境 外部 費用や その他 の社会 的費用 を考慮 す るようにな った

6)供

給計画 にお け る公開参 加がみ られ るようにな った それ ゆ え

,規

制緩 和の初期段 階で は

,改

め て供給 力の限界費用 を見つ め なお してみ る と

,DSMは

安価 な供給 力であ る とい うこ とが認識 されて いた,と い っ

(15)

て よい。もちろん

,DSMが

大 きく開花す るのには規制 当局による後押 しが不可 欠ではあったが

,少

な くとも入札 とい う限界費用の透明性 が安価な需要対策オ プ シ ョンに対 しての認識 を高めたことは間違いない。

3.4.2.小

売 り自由化 と

DSM

ところが

,こ

れ か ら計画 されてい るカ リフ ォルニ ア におけ る新 たな規制緩 和 策 で あ る小売 り託 送 は

,DSM投

資へ の イ ンセ ンテ ィプ を大 き く減 じるモメ ン ト にな る。

DSMを

通 じて 自 らの資金 を顧 客の省 電力の ため に投下 して も,その顧 客が将 来 的 に他 の顧 客 にな る可 能性 が あ る と した ら,電 気事業者 は

DSM投

資 に 躊躇 せ ざるを得 な い。そ こで

,Hirstは ,小

売 り託 送 が及ぼ す

DSMへ

の影響 を 次 の よ うに評 して い る。(18)

1)電

力会 社 は

DSMの

費 用 を全 ての需要 家 か ら徴収 す るこ とは出来 な く な る。 なぜ な ら

,価

格 は規制 で はな く市場 で決 まるため で あ る。

2)そ

れ ゆ え

,電

力会 社 はわず か な

DSMプ

ログラム しか実施 しないだ ろ う。大 口需 要家 む けの み を対 象 と したエ ネル ギー効率 リベ ー トな どに 限定 され る。

3)そ

の代 わ りに,電力会 社 は

DSMサ

ー ビス を購 入す る顧 客 にア)情 報, イ

)サ

ー ビス契約

,ウ

)効

率 手段

,工 )品

質保 障 を販売 し

,

よ リエ ネ ル ギー・ サ ー ビスの提供 に重点 をお く。 つ ま り,小 売 り託送 の 自由化 に よってこれ までの

DSMは

変質 を余儀 な くされ る。従来型の

DSMは

縮 小 す るが,積 極 的 な側 面 で は よ り顧 客へ のサ ー ビス向上 を狙 った事業展開が進 む とみ る。 それ を通 じて顧 客が他社 に逃 げて行か ない よ う,さ らには新 たな顧 客 を獲 得す る手段 として

DSM事

業 を位 置付 けるようにな る とみ て い る。

3.5.競

争市 場の

DSM

3.5.1.規

制 的

DSMか

ら市場型

DSM

そ こで,小 売 り市場 自由化 を念頭 において

DSMの

新 たな形 態 が模索 され るこ (10 Hirst(1994b)

(16)

とにな る。 その際

,こ

れ までの

DSMは

次 の ような変質 を余儀 な くされ る。(19) 規 制 当局後押 し型の

DSMは

見 直 され

,DSMの

是 非 も純 粋 に市場 に委 ね られ ざ るを得 ない。その結果,純 粋 に経済性 が ある

DSMメ

ニ ューだ けが残 る。つ ま り, 規制緩 和 に よって

,DSMは

強 制的 な もの か ら自主的 な もの に移行 す る。当初 は 環境 派 や 消費者運 動 に よって

CPUCも

簡 単 には

DSMを

放棄で きないであろ う が

,や

がて規制的な

DSMは

消 えゆ く。「規制型

DSM」

か ら「市場型

DSM」

ヘ の移行 ということになろう。

3.5.2.DSMに

おけ る情報

,教

育 の効果 これ までの

DSMを

評価す る とき,い くつかのメ リッ トも併せ て検討 してお く 必要 が あ る。それ は

DSMが

市場 に委 ね られ た と して も

,DSMが

持 つ メ リッ ト は今後 とも活用 してゆ くべ きで あ るか らだ。

DSMの

メニ ューの一 つ で あ る情報提供 ,啓 蒙活動 が もた らす効果 はメ リッ ト 図

l DSMと

教育効果 % 1 16.4 │::::::::::轟│ 11.7 ::::::::::菫::│ 10.3

籐翻

:::::::彗:::::] 8.0

:::::::::::1ヨ [::::::::重:::ヨ

:::::】

:::翻

:翻

騨彗

] [:::::::蠅

:::::::::墨:::]

weatherizatiOn weatherization weatherization weatherization 区分

&Video &.One Visit &Three Visit

(出所)Jennings,et.al(1995),p.24 16 14 12 10 8 6 4 2 0 (19) Bradley (1995)

(17)

の代表であろう。調査報告によれば

,プ

ログラムにおける情報の提供

,教

育の

内容や頻度が

DSMの

効果を大 きく左右 したことが解っている。

エネルギー節約協会

(AHiance to Save Energy)の weatherization(20)に

関す

る教育効果調査では

,次

のような

3つ

の需要家群の比較を行った。それらは

,①

電力会社が

weatherizationの

施策 を提供 しただけの家庭需要家

,②

これに加え

weatherizationと

省電力の関係を紹介するビデオ・テープを見せた家庭需要

,③

さらに電力会社が

3回

の家庭訪間をして

weatherizationの

教育を施 した家

庭需要家

,で

ある。①の需要家群は,weatherization以 前に比べて平均

8.4%の

省電力の達成度であったが

,③

のそれは

16.4%で

あった

(図1参

)。

それゆえ

,

同協会では情報提供

,啓

蒙活動の充実を図ることがこれからの

DSMの

重要課題

である

,

と結論づ けている。

(21)

3.5.3.DSM費

用 の配電料金加算 市場 に

DSMを

委 ね る とは い え,規 制 当局 は これ までの

DSMを

全 く自紙 に戻 す とい う方向で はない。電気事業者が

DSMに

消極的 にな らざるを得ない とすれ ば

,規

制 当局は次善の策 と して次の ような方策 の検 討 に入 ってい る。 それ は, 需要 家 に最 も接 近 して い る電気事業 の機 能 は配 電事 業 で あ るため

,彼

らに対 す る

DSM推

進 の働 きか けであ る。 例 えば

,washington州

,効

率投 資 に対す る回収 を配電料金 を用いて も良 い と認め

,Idahoも

これ に続 いた (1995年3月)。 また

,FERCは

州 の規 制 当局者 を 召還 して「地域 の配 電施 設費用 にお いて

,省

電 力や 負荷管理

,そ

の 他の

DSM

に伴 う環境便益 を考慮す る・ように」と要請 して る。 この「新 」費用回収 方法 は, シス テム・ ベ ネフ ィッ ト料金 と して全ての消費者 に よって賄 われ るべ きもの と 考 え られ て い る。(22) つ ま り

,発

・ 送・ 配 電 とい う垂 直型の電気事業体 制 は崩壊 して も

,最

終 需要 家 に近 い配 電事業 に対 して

,DSMの

継続 イ ンセ ンテ ィプ を与 え,あるい は費用 20)weatherizationと は,窓の 目詰めや低水流 シャワーヘ ッ ドの導 入な ど簡易にで きる一連 の省エ ネ手段の こ とである。 21) Jennings,et.al(1995)p.26 1カ IIirst,et.al(1996)p.310

(18)

FI収 目的 と して 配 電 会 社 を位 置づ け よ う とい うの が 規 制 当局 の 思 惑 で あ る。

3.5.4.DSMか

ESMヘ

配 電事業者への

DSM費

用 を認 め させ よ う とい うのが

,DSM継

続 の規制 当局 の意識 であ る と して も,従 来の ように

DSMへ

の積極 的 な動 きは電気事業者 は も ちろんの こ と

,規

制 当局 に もな い。そ こで

,DSMは

変質せ ざるを得 な いが

,変

質 の 方 向 は先 に も触 れ たエ ネル ギー・ サ ー ビス提 供 の充 実 で あ る。 その ため,

ESCOと

呼 ばれ るエ ネル ギー・ サ ー ビス会 社 の 台頭 が み られ る。 米 国 にお け る

ESCOは

す で に数 百 に ものぼ る と言 われ てお り,その 多 くは電 気事 業者 子会 社 で もあ る (表

3参

照)。 彼 らの事 業 は

ESMと

も呼 ば れ

,DSM

に取 り代 わ って

,同

時 に電 力会 社 のマ ー ケテ ィング を行 う混 合 システム で もあ る。また

,ESMは

,明

らか に顧 客が必要 なサ ー ビス と商 品― 価格 オプ シ ョン・ 契 約 。情報 サ ー ビス 。最 終 需要 家へ のサ ー ビス (照明・ 暖房 。な ど)・ 運転・ 維持・ 機 器投資 な ど― を提供 す る。(23) 例 えば,エ ネル ギーサ ー ビスの提 供 と して,エ ネル ギー消 費機 器 の設 置,所 有, 装置の維持

,熱

。照明・ 動 力・工程熱量の販売 を固定料金で提供 す る。(24)wis_

consin Electric Power Companyの 実験 的 な「最 終 需要 家価 格計 画」で は

,ス

ー パ ーマー ケ ッ トが電気料 金込み を固定料金 で支払 うもので あ る。 スーパ ーで は 冷蔵 庫 内の商 品 を確 実 に冷却 し

,エ

ア コ ンを確 実 に維持 す るこ とと引 き替 えに で ある。エネル ギーサ ー ビスの契約代金 には,電 力会社所有の冷凍機器 を利用 し,

機 器の維持 とサ ー ビス維持 ,シ ステム を動 かす為のエ ネル ギー量が含 まれてい る。 電気事業者 の子会社 で はないが

,ESCOと

して成功 を収 め てい る

Honeywen

and Johnson Controlと い う会社 が あ る。彼 らは顧 客 との間で ビル管理 と機 器保 守 に関 した契約 を行 ない

,顧

客が支 払 う毎 月の金額 は省 エ ネル ギー に よる予想 節約 金額以 下 の代 金 で あ る。その ため

,顧

客 は

ESCOが

実 際 に どれだ け節約 を 達 成 で きたか とい うパ フ ォーマ ンス に対 して注 意 を払 う必要 もな い代 わ りに, 省 エ ネ投 資 とそのパ フ ォーマ ンス に対す る リス クを負 う必要 もない。 (23)LeBlanc(1995) (24)以 下の事例 は,Chamberlin,et.al(1996)を 参照 した。

(19)

3

電気事業者子会社 の エネル ギーサ ー ビス会社

(ESCO)

電力会社

ESCO子

会社

New York States Electric and Gas Northeast Utilities

Entergy

Eastern Utilities Associates

I)ublic Service Electric and Gas Potomac Electric POwer COinpany Philadelphia Electric COrnpany Southern California Edison UtiliCorp

Bostoll Edison

Baltilnore Gas and Electric

Central Hudson Gas and Electric

Southern California Cas

Southern lndiana Gas and Electric

Northern States Power

Xenergy

HEC

SASI

EUA Cogex,Citizens COnservatiOn Corporation IIighland Energy COrpOratiOn

James L Day Corporation,

1ヽTortheastern Energyヽ 4anagernent

New England Sun Control

Public Se:Ⅳice Resources Corporation Entertech

Pepco Servlce

Energy:Perforrnance Service Envest

Energy Olne Product Line Coneco Corporation, Rez‐′

「 ek ヽ4aryland Environmental Systenl Central IIudson Enterprises ′

I`otal Energy Efficiency D′Ianagernent

Energy Systenl Group

Cenergy

Southern Company Southern IDeveloprnent and lnvestrnent 〈出り:J')Chamberlin,et.al(1996), p329

さらに

,Fort Polk Army Base(フ

ォー トポーク海軍基地

)は

Co‐

Energy

Group社

とい う

ESCOと

の間で「節約分配 (sheared saving)と 設備保守」契

約 を交わ している。この契約では

,Co‐

Energy Group社

が1800万 ドルかけて地 上 ヒー トポンプ を設置 し

,そ

の機器 は同社が契約期間中所有 し

,運

転す る。基 地の米軍高官 によれば

,適

正 な機器の維持が行われてお り

,こ

の理 由は,Co‐

Energy Group社

にとって投資資金の早期回収がインセンテ ィブになっているか らである

,

という。 ところで

,将

来の

DSMの

姿 を想定 しようとす るとき,「

DSMは

環境 に優 し い とい う」 とい う事実は重要な意味 を持 っている。

EEIの

意識調査では次の よ うなアメ リカ人の姿が浮 き彫 りにされている。「アメ リカ人は経済成長や生活水

(20)

準の向上 を実現 したいために

,信

頼性が高い豊富な電力を望んでいる。しか し

,

同答者の

3人

2人

は経済成長を犠牲にしても環境 を保護する」と答えている。

それゅえ

,EEIで

,①

アメ リカ人の価値 として環境保護は重要な意味がある

ことを十分に認識 し

,②

電力会社が行うことができる環境への便益を定義づけ

,

③高い環境基準の達成が電気事業者の課題であると提案 している。

(25)

4.欧

州 の 規制 緩 和 と

DSM

米 国 にお け る規制緩 和 が及ぼ す

DSMへ

の影響 は,前 述の通 りであ る。ここで は欧州 の現況 を考察す る。欧州 におけ る米 国型の

DSMは

,未だ に実験 的 な もの で しか な い。しか し,積 極 的な環境 保護 とい う政策 の一貫 と してパ イロ ッ ト型の

DSMが

,EUの

資金 を通 じてオ ラ ンダ,デ ンマー ク,ドイツな どで行われている。(26)

4.1.EU市

場 の規制緩和政 策

4.1.1.第

二 者ア クセス と単一購 入制度 欧州 にお いて電気事 業者 の規制緩 和 が先駆 的 に行 われ て い るの は

,個

別の 国 で は英 国で あ リノル ウ ェーで あ る。そ こで は,米 国の カ リフ ォル ニ アのモデル と な った垂 直統 合型電気事業の分断が行われて きた。一方

EU市

場 の統 合化 を呪 ん だ ヨー ロ ッパ 電 力市場 全般 にわた る規制緩和の計画が

EU内

で進 め られて きた。

その際の議 論 は

,第

二 者 ア クセ ス

(TPA:Third Party Access,

小売 り自由 化

)を

認 め るモデル と

,電

源 を 自由 に選択 で きるの は送 電会社 に限定 され る と い う単一 購 入制度,と い う二つの モデル選択 が議 論 されて きた(図

2参

照)。

EU

委 員会 は

TPA案

を主張 し,これ に反対す るフランスは単一購入制度を主張 した。(27) 議 論 の結論 は両者 の折 衷案で はあ る ものの,段 階的 に

TPAを

認 め る方向で,1996 年 5月 に一応 の終 結 をみ て い る。 さて

,TPAを

認め る とな る と,これ は米 国の章 で議 論 して きた問題 と同様 の

(25)Cambridge Report/Research lnternational(1991)

20 EUお

よび││1界各地 での

DSMの

実施状況は,Boyle(1996)を 参照の こ と。

(21)

影響 が

DSMに

もみ られ るこ とにな る。つ ま り,消 費者 が 自由 に供給者 を選択 で きる条件下 で,費 用回収 が不確 実 な

DSM投

資 を行 う電気事業者 が いったい出て くるの か,と い う問題 で あ る。多少

,重

複す るが

TPAが

もた らす

DSMや

電気 事業へ の影響 を整理 す る と次の ようにな る。 第一 に

,電

力会 社 の販売 先 の選択 は拡大 す るが

,同

時 に安 定 した固定 客の保 証 が ない ため

,需

給 の将 来予 測 を困難 に させ る。 第二 に

,逃

げて行 く大 口需要 家 が 負担 して いた費用 を誰 に補填 させ るか といった「回収 不能 費用の問題 」 が 発生 す る。それ は,電 力会 社 に とって

DSMの

費 用 回収 に対 す る リス ク問題 につ なが る。第二 に

,電

力会 社 は

,DSMの

フ リー ライダー達 に従 来以上 の リス クを もつ こ とにな る。 第四 に

,長

期 的 に は

,IPPた

ち も発電所建 設 において

,電

力 会 社 と同様 な リス クを背負 う。 その上

,長

期 契約 が無 けれ ば

,IPPは

建 設 を し な い。第五 に,ネ ッ トワー クが 第二者 の電力 を運ぶ こ とにな る と,これ まで

DSM

や 高 い小規模 発電の コス トを送配 電部 門の コス ト削減 で賄 って きた経緯 が あ る が

,そ

れが不可能 にな る。(28) こ う した影響 が想定 され る

TPAの

下 で は

,DSMの

大 きな展 開 は期 待 で きな い。しか し,一 方で欧州 において も米国型の

DSMの

推 進 が検討 され始めてい る。 図

1

基本 的 な電気事業体制 の モデル ③ 注

)Pは

発電

Tは

送電

Dは

配電 ① は従来型の体制 (発送配電垂直統合型

)

②単一購入者制度 (発電部門への競争導入) ③

EU委

員会提案の

TPA(配

電事業者・需要家が供給先を自由に選択) (出所

)東

海他

(1995)R8

② ① 10 Finon (1995)

(22)

4.1.2.EUの

iRP(統

合 資源計画

)の

提案 欧州 にお け る

DSMの

推 進 は

,EU委

員会 の

IRP指

令案 の検 討 に よって議 論 が 高 まった。 それ は

,1995年

,省

エ ネル ギーの一環 と して各国の配電事業者 に

IRPの

策 定 を義務 付 け

,そ

の ための法 制化 を提 案 したためであ る。 この提 案 に 対 す る結論 は未 だ 出 て いないが

,EU委

員会 と して はエ ネル ギー税 の提 案 と同様 に,環境 対策の手段 と して省エ ネル ギーの推進

,DSMに

は極 めて積極的で ある。

EU委

員会 は

,す

で に

SAVE計

画 を通 じて

,25件

IRPの

パ イロ ッ トプ ロジ

ェク トに資金援助 を行 ってい る。そ して,その

IRPの

重要な構成要素 として

DSM

が位置づ け られてい る。

IRPの

法 制化提 案 に対 す る各 国の反応 は

,前

向 きな国 と してデ ンマ ー ク

,オ

ラ ング

,

ドイツが あ る。 いずれの国 も環境 保護 に積極 的で あ り

,配

電事業 の形 態 と して は公営 の割 合 が大 きい。逆 に この提 案 に消極 的 なの は

,英

国や フ ラ ン ス とい った欧州 の大 国が あ る。規制緩和 を進 め る途上 にあ って

,省

電 力の ため とはい え規制強化 は望 ま しくない

,

とい う反応 で あ る。

4.2.DSMの

検 討

4.2.1.ド

イ ツ ドイ ツにお け る

DSMの

事例 は,ドイツ最 大 の電気事業者 で あ る

RWEに

よる プ ロ ジェク トにみ るこ とがで きる。

RWEに

よる “

KesS(顧

客エ ネル ギー・ サ ー ビス

)"プ

ロ グラム は

,1992年

末 か ら始 まった。 この背景 には

,電

力需給 ギ ャ ップ の解 消 を 目指 す こ とが あ った が

,同

時 に環境 対策 強 化 の一貫 と して

,

また消費者への情報提供 を向上 させ な が ら

,市

場 の透 明性 を高 くす る とい う目的 が あ った。(29)

1992年10月か ら1995年 2月 にかけて

RWE Energie AG社

は“KesS''と い う名 前で

DSM/1RPの

パイロットプロジェク トを実施 した。これは,総額5,400万

ECU

(1億

DM=約

70億円)を用いた リベー トプ ログラムで

,冷

蔵庫・冷凍庫・皿洗 い機 。洗濯機 を対象に効率機器への転換に

1台

あた り

54 ECU(100 DM=約

7,000

円)を補助す るものであった。North Rhin‐

Westfalia政

府 と電気事業者の協定 29 11lennicke,P.(1995)

(23)

で実施 され たこのプ ログラム は

,市

場 に出回 る消 費機 器 の約

50%が

リベ ー トの 対 象機 器 とな った。 同時 に

,省

エ ネル ギー に関す る情報提供 とア ドバ イス を消 費者 に働 きか けた。

2年

半 の試験 期 間 を経 て

,現

在 で は最 も費用効果 的 であ る と判断 され た冷蔵 庫 を対 象 に した リベ ー トプ ロ グラムのみが継続 され て い る。現 在 の投 資資 金 は 1,100万

ECU(2,000万

DM=約

1億4,000万 円

)で

あ り

, 2年

間の延長 が行 われ て い る。 “

KesS''プ

ログラム に よって得 られ た結論 は次の ような もの であ る。省電 力 効果 は

450 GWhほ

ど計測 され,その 内訳 は冷凍庫

169 GWh,冷

蔵 庫

129 GWh,

皿 洗 い機

48 GWh,洗

濯機

107 GWhで

あ る。それ ゆ え

,冷

蔵 庫や冷凍庫 につ いて は費用便益 が高 いが,皿洗 い機や洗濯機 については さらに検討が必要 となった。 また リベ ー トプ ログラムに対す る消費者の参加状況 は,リベ ー ト取得者の

54%

が フ リー ライ ダーで あった と推計 して い る。 この うちの

24%は

部 分 的 で あ るが 機 器選択 にお いて りベ ー トが 多少 の意 志決 定 に変更 を及ぼ した。 しか し

,残

り の

30%は

純 粋 なフ リー ライダーであ り

,

リベ ー トが存在 しな くて も効率機 器 を 購 入 したで あろ う消 費者 で あった とされ る。 さ らに,「純 粋の参加者」とは

,機

器 の 買 い換 え意識 が なか った消費者が リベ ー トの存在 を知 って効率機 器 に買 い 換 えた客層の こ とで あ るが

,こ

の 層が 全体 の

30%あ

った。残 りの

16%は ,

りべ ― 卜が機 器選択 に積極 的 な役割 を果 た した と してい る。

4.2.2.デ

ンマーク ついで

,ELSAM,ELKRAFTと

いった配電会社な どによる

IRP/DSMが

行 われているデ ンマークの例 をみてみ よう。(30) デ ンマー クでは,1992年 夏以降

,ELSAM,ELKRAFT社

において

DSM/1RP

担 当の専門スタッフ40人を抱えて

DSM/1RPの

プロジェク トが開始 されている。 この背景 には

,エ

ネルギー・環境 問題 に対す る社会政策の重要性が うたわれ, その対策の一貫 として

DSMを

導 入 した とい う事情がある。加 えて

EUの

IRP

導入の提案や

SAVE計

画 による資金援助 も後押の役 目を果た した。。

(24)

デンマークには「

IRP法

」が存在 し

,エ

ネルギー省内にあるエネルギー戦略

委員会が実際上の

DSM振

興母体になる。デンマークの

DSM/1RPフ

°

ロジェク

トを紹介 した報告書によれば

,彼

らの意図は

,DSMの

実施に伴って

,「

販売単

価が多少上昇 したとしても,料 金の支払総額が低下することが

IRPの

ね らい」

であるとしている。

(31)

米国の例では

,DSM実

施に伴う電気料金単価上昇に対 して不満がみられたが

,

デンマークではあらか じめそれは考慮済み ということであろう。標的は

,料

単価上昇抑制ではな く

,消

費者の電力使用量

(kWh)の

削減であるとしている

点が

,明

快である。

具体的なプロジェク トのメニューは

,大

きく3つ に分けられ

,①

家庭需要家

を対象 とした情報提供

(情

報伝達手段 としての請求書の有効利用

),②

産業用需

要家を対象 とした「エネルギー・ コンサルテ ィング」

,③

家庭用需要家を対象 と

した「省電カプロジェク ト」である。その概要は表 4に まとめている。

4

デ ンマー クの

DSM

情報つ き請求書

産業需要家コンサルティング 照明コンサルティング ①有効期間 ②地域 市場規模 ③潜在的省電力 実現省電力 ④消費者余剰 生産者余剰 販売収入 社会的余剰 ⑤省電力単価 販売単価 1年

ELKRAFT

4,000 GⅥrh 4,000 GVVh 55GヽVh 53ヽ1.kr

OM.kr

-24ヽ4.kr

5M.kr

35 ore/kヽ

Vh

O.5 ore/kヽ

Vh

5年 ELSAlVI 2,209Gヽ「h 309 GⅥrh 95(}V√h 94ヽ4.kr ll M.kr -89ヽ1.kr 14ヽ4.kr 24 ore/kWh O.42 ore/kVVh 5年

ELKRAFT

678 GWh

81GWh

30 GWh

149ヽ1.kr 39 Ⅳl.kr -34ヽ4.kr 32ヽ4.kr 18 ore/kVVh O.35 ore/kWh

(出戸斤

)ELKRAFT,ELSAヽ

4,and et.al,(1995),p.11

(25)

デ ンマークにおいて も規制緩和 と競争導入策が もた らす

DSM/1RPへ

の影響 は

,少

なか らず懸念 されている。実際

,IRP実

行上の最大の外部的な障害は, 電力市場の競争の進展であると認識 されている。(32)しか し他方,競争市場は

DSM

を排除す るものではな く

,DSMを

通 じた消費者サー ビスの向上 は

,電

気事業の 自然なビジネスであるとい う期待 も大 きい。

4.3.DSMの

課題 欧州 にお け る

DSMは

,実

際上 は まだ端緒 に着 いたばか りで あ る。各国 は,自 国 の環境政 策 お よび電 力政策 のみ な らず

EU全

体 の政 策 とも共 同歩調 を とらざ る を得 ない。

EUで

,競

争市場 の拡大 は既 定路線 で あ るが

,一

方 で地球 温暖 化 問題 か ら温 室 効果 ガス削減 に対 して も積極 的 な態度 を表 明 して い る。 環境 保 全型社会 は北欧 を中心 として,主要 な欧州 諸国の将 来 ビジ ョンであ る。 経済 システムの効率性 を高め るため に市場 の メカニズム を利 用 した規制緩和 を 進 め る一 方

,環

境 対策 の ための規制強化 をせ ざるを得 ない とい うジ レンマ は欧 州 に もあ る。 しか し

,そ

こでは後者 の ウ ェイ トが高 く

,徐

々 にで はあ るが

DSM

/1RPが

エネルギー・環境政策の一つの要素に位置づけられるようになってきて

いる。

5。

お わ り に

これ まで見 て きた ように,米 国の

DSMは

従 来 の

DSMの

形態 か ら変質 しつつ あ る。市場 に委 ね られ る

DSMの

実施主体者 と して

,ESCOが

大 き く注 目され て い る。彼 らはエ ネル ギー全般 のサ ー ビス を提供 す る会社 と して

,現

在 を新 たな ビ ジネス・ チ ャ ンス と認識 してい る。 まさにエネル ギー管理部門の アウ トソー シ ングの受 け皿 で あ る。かたや欧州 で は,環 境 重視 の観 点か ら

DSMの

実験 中 と い うこ とになろ う。 わが国 では

,1995年

3月 に31年 ぶ りに電気事業法 の改正が行 われ

,電

気事 業 の規制緩 和 に関 して一 定の進展 をみ た。 そ こで は

,1)卸

電 力 に関す る入札制度 00 ibid_ (1995), p.28

(26)

の導 入

,2)特

定供 給 にお け る届 出制

,3)電

気料金制度の改正 (ヤー ドステ ィ ック競争の導 入

,燃

料 費調整 制 度 の導 入

,負

荷平 準 化 に資 す る料 金制 度 に関 す る届 け出な ど

),4)保

安規 制 の緩 和

,

とい った制度の改革が行 われ た。 こ う した制度改革 は電気事業者 に どの ような影響 を もた らすので あろ うか。 それ は競争 市場 の導 入 に よる電気事 業者 の効率 的 な企 業経営

,そ

れ に伴 う電気 料 金 の長期 的 な安 定や

,供

給 力の確 保 とい った大 義 の 他 に

,次

の よ うな

DSM

的 な発想 を刺激 す る可能性 を秘 め て い る。 つ ま り

,供

給 力の 入札 制 は,1可 避 可能原価 の透 明性 を高 め る と同時 に

,電

気 事 業 者 に限界費用 の概 念 を定着 させ る。 それ は

,電

気事業者 に多様 な選択 肢の 可能性 を精 査 させ るテ コ と して機 能 す る し

,消

費者 か らは さ らに電 力供 給 を通 じたエ ネル ギー・ サ ー ビスに対す る質 の向上 が要求 され るこ とになろ う。 その ため

,電

気事業者 は従来以上 に需要 家 ス タ ンス にたったサ ー ビス提供 を してゆ か な くて はな らない。これが,今 回の規制緩和が

DSM的

発想 を刺激 す る とい う ゆ えんで あ る。 規制緩 和 の究極 的 な姿 は,決して

DSMの

後押 しで はないが,電 気事業 を して よ リエ ネル ギー・ サ ー ビス に経 営 資源 を傾 注せ ざ るをえない状 況 を招 来 して い る もの とみ るこ とがで きる。 参 考 文 献

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参照

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