26 しがだい しがだい 27
大学と附属4校園の共同研究
共同研究部会長黒田 吉孝
(教育学部教授)滋賀大学の新しい動き
共同研究に何が期待されているのか
従来から、教員養成学部(大学)と附属学校との関係について、文部科学省はじめさまざまな機関等か ら期待を含め厳しい注文が出されてきました。未来の教師を養成する質の高い教育実習はむろんのこと、 学校教育での今に拘泥されない将来を見据えた教育研究の推進も期待されてきました。最近では、さらに、 地域とのつながりや貢献も強調されるようになってきています。専門職大学院との関係で言えば、現職教 員に対する実践的な力量アップも求められています。両者の関係は、これまで、教育実習を基本に動いて きましたが、今後は、さらに、教育研究の推進と地域との連携を強く意識しながら、大学として組織的に 進めていく必要があります。この場合、学問としての基礎に裏付けられ、学問の発展に基づいた教員養成 を追求すること、学問の方法や態度を習得する学生・院生教育を構築すること、また、学問の到達点や成 果を踏まえた教育研究と地域連携を推進することが、大学と附属学校に期待されており、かつ、大学と附 属学校の社会的に存在する意義であることを理解する必要があります。共同研究部会の発足とこれまでの実績
大学と附属学校の社会的な役割を検討し推進するため、平成15年、大学・附属学校運営委員会(委員長 は学部長)の下に共同研究部会が設置されました。この部会は4校園の研究部長、校長・副校園長代表、 学部代表の8名から構成され、大学と附属学校の教育研究の相互理解を図ること、現在の学校教育に求め られている実践研究の課題を検討し共同研究の課題を明確にすること、共同研究を通して地域貢献を図る ことを目的に月に1回活動が行われています。 ここ3年の主な活動を紹介すると、平成16年度は、大学と附属学校の共同研究のありかたに関する公開 討論会の実施(参加者98名)、各附属校園での共同研究のまとめ(平成16年度報告集の発行)をあげるこ とができます。平成17年度は、大学と附属学校の共同研究の統一テーマを「理論と実践の融合を図り、地 域のニーズに応える教育研究」決定し、共同研究については、①附属学校のあり方と関わらせた共同研究 のあり方、②教育学部全体構想の上に立った共同研究のあり方の二つについて検討をおこないました(平 成17年度報告集の発行)。さらに、共同研究を大学で明確にするために「附属の日」(8/2)を設定しま した。平成18年度は後述するように、前期の活動として第1回「大学・附属四校園共同研究発表大会」を 8月に開催しました。共同研究への大学教員の意識
教員養成学部の教員は、主として、教科教育、教科専門、教職専門の三つの領域に分かれ、それぞれの 専門性に立脚した教育活動を行っています。教科教育は教科書の内容や授業等を研究対象としており、そ の意味では、附属学校との共同研究に直結しやすい学問といえます。教職専門は、学校論や教育行財政、 教師論、子どもの発達と障害等を専門としている教員が担当しており、教科教育とは違った窓口から附属 しがだい25号.indb 26 2007/02/23 16:25:4026 しがだい しがだい 27 2006年度共同研究参加について 28% 8% 46% 18% 参加したい 希望があれば 条件次第 あまり参加したくない 共同研究参加形式希望 24% 16% 19% 16% 20% 5% 研究会 テーマ決定 研究方法提案 附属の希望 卒研・修論指導で その他 学校との共同研究に参加することができます。一方、教科専門は、基礎学問をベースにしている教員から なっていることから、全国的にも、附属高等学校との関わりが比較的多くみられましたが、年齢が低い小 学校等への参加は少なかったといえます。今、共同研究として求められている課題は、教科専門のこのよ うな「壁」をどう打ち破るかにあるといえます。個人レベルを超えた大学としての組織的な検討が求めら れているのです。 それでは、本学の教員は、附属学校との共同研究にどのような意識を持っているのでしょうか。平成18 年1月に大学教員にアンケートを実施し、62名が回答をくれました。参加意識は、30%を超える教員が前 向き、40%余りが慎重、20%弱が消極的な姿勢という結果が得られました。また、参加形式はさまざまな 回答が得られましたが、多くが自分の研究を基本に参加を考えているというものでした。20%が学生や院 生の論文指導での関わりを希望していました。皆さんは、この結果をどのように考えるでしょうか。肯定 的、それとも、否定的に考えるでしょうか。