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情報家電向けネームサービスにおけるアクセス制御の一検討

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Academic year: 2021

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情報家電向けネームサービスにおけるアクセス制御の一検討

日下 貴義 馬場 達也 山岡 正輝 松田 栄之

(株)NTT データ 技術開発本部

e-mail: {kusakat, babatt, yamaokam, matsudasg }@nttdata.co.jp

1. はじめに

近年,適用範囲が拡大され続けているインターネット 技術は,家電の基盤技術にも応用され,情報家電とし ての利用形態が模索されている. インターネット上で,情報家電などのサービスに接続 するとき,ネームサービスの利用を伴う.ネームサービ スとは,ネットワーク上の資源やサービスを名前で管理 し,それらへのアクセス手段を指定できる物理的位置 情報を提供するものである.インターネットにおける ネームサービスは DNS(Domain Name System)[1][2] であり,ホスト名から IP アドレスを検索(名前解決)する ために利用される.情報家電向けプロトコルのひとつで あるJini [3]において,ネームサービスは LUS(Lookup

Service)と呼ばれ,サービス名からサービス内容である

遠隔手続き呼び出しの Java RMI スタブと接続先 URL を提供する.これらのネームサービスは,どのユーザか らであっても,サービス検索や IP アドレス検索の問い 合わせに対して無制限に回答する仕組みになってい る.特に,家電がインターネットから接続できる環境で は,誰にでも自宅の家電が提供するサービス内容や IP アドレスを知ることができることを意味している.このこと は,不正アクセスに利用されることとなり,セキュリティ 上問題と考えられる. そこで,本稿では,ネームサービスへの問い合わせ 元に対して認証を行い,認証結果によってサービスへ のアクセス制御を実施することを提案する.さらにネー ムサービス間における認証情報を共有することによる ユーザ利便性の向上と,異なるネームサービスでそれ ぞれアクセス制御を行うことによる,ネームサービス全 体のセキュリティ向上を図ることを提案する.

2. ネームサービスのセキュリティ対策

インターネット上で,Jini による情報家電ネットワークの 利用を想定する.ユーザは情報家電の提供サービスを 利用するとき,まず LUS を使って Jini サービスの位置 情報(URL)の検索を行う.得られた URL から,次に DNS を使ってサービスの IP アドレスを検索する.最後 に,以上のURL とIP アドレスをもって,ユーザはサービ スへアクセスできる.(図 1) Jiniサービス ②サービスのURLとRMIスタブ IP IPURL 位置情報 サービスのURL 位置情報 ホスト名-IPアドレス Jiniルックアッ プサービス

DNS

URL ユーザ ユーザ ⑤ サービス利用 ④IPアドレス ネームサービス ネームサービス ネームサービス ネームサービス 情報 情報 家電 家電 ①サービス検索依頼 資源、サービス 資源、サービス ③ホスト名-IPアドレス検索依頼 図 1 情報家電へのアクセス手順 情報家電は,グローバルなアドレスによる外部アクセ スや,プラグ&プレイによる動的なアドレス割当てと動 的サービス登録が求められる.一方で,家電所有者が 家電の位置情報を隠蔽したり,利用者によってアクセ スを制限したりすることがセキュリティ上望まれる.その 対応策として,DNS の代表的実装である BIND では, 問い合わせ元の IP アドレスを識別し,ゾーン情報単位 でアクセス制御を実現している.しかし,この方法では, 問い合わせ元アドレスが動的に割当てされている場合 や,アドレスのなりすましに対抗できない.追加の対策 として,ユーザ名や問い合わせ元 IP アドレスに対し, DNS のゾーン情報中のリソースレコード単位でアクセス 制御する提案[4]を行ったが,ネームサービス全体に適 用できるものではなく,DNS 以外のネームサービスは 考慮されていない.LUS では,問い合わせ元に対する 回答可否の制限は行わず,アクセス先の資源自身に おいてアクセス制御がなされることを前提にしているの みであり,LUS がアクセス制御に関わることはない. そこで,それぞれのネームサービスで問い合わせ元 ユーザを認証し,認証結果によって DNS のリソースレ コードや Jini サービスのアクセス制御を行う方式を提案 し,ネームサービス全体のセキュリティ向上を図る.しか し,ネームサービスごとに認証やアクセス制御を実施す ることはセキュリティを向上させる半面,一つのサービ スに対して何度も認証作業が必要になるなど,ユーザ に冗長な作業を要求することになる.そこで,同一ユー ザが,認証を必要とする複数のネームサービスに検索 を依頼したとき,一度の認証で検索が実行できるように, シングルサインオンによるネームサービス間の連携方

A study of access control on name services for information appliances Takayoshi KUSAKA, Tatsuya BABA, Masaki YAMAOKA, and Shigeyuki MATSUDA,

Research and Development Headquarters, NTT DATA CORPORATION

3−189

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式を,併せて提案する.

3. ネームサービスの認証とアクセス制御方式の提案

ユーザ名を用いて DNS とLUS で問い合わせ元を認 証する.さらに,両ネームサービス間の認証情報をシン グルサインオンで連携する.次に,認証結果に基づい て,DNS のリソースレコードや LUS のリモートオブジェ クト(Jini サービス)単位に,アクセス制御を可能にする. 以上の方式を提案し,実装を行った. 3.1. シングルサインオンにより連携された認証方式 DNS とLUS に,ユーザ名による認証機能を実装した. 両ネームサービスにそれぞれ認証機能を持たせると, 1 回のサービス要求につき,2 回のネームサービスによ る認証が必要になる.2 回の認証作業は,ユーザに とって冗長であるので,認証情報を共有するシングル サインオンを適用し,ユーザの認証作業が 1 回で済む ようにした.シングルサインオンの仕組みには,代表的 な Kerberos 認証方式[5]を使用した. ユーザ認証方式(図 2)は,ユーザからの問い合わ せにユーザ名とパスワードを与えるようにし,DNS や LUS とは分離された KDC(Key Distribution Center,

Kerberos 認証サーバ)によって認証を行うものである. 認証に成功すれば,各ネームサービスは問い合わせ に対して回答を行い,さらに,KDC より証明証が発行さ れ,ユーザは証明証をユーザ名とパスワードの代わり に使うことができる. Kerberos KDC Jiniサービス ③ ④ ユーザ認証 ユーザ認証 証明証 証明証 IP IP URL シングルサインオンによる認証 シングルサインオンによる認証 位置情報 サービスのURL 位置情報 ホスト名-IPアドレス 認証サーバ 認証サーバ ②認証依頼 Jiniルックアッ プサービス

DNS

URL ユーザ認証 ユーザ認証 証明証 証明証ユーザ ユーザ 認証 ⑥ ⑦ ネームサービス ネームサービス ネームサービス ネームサービス 情報家電 情報家電 ユーザ名 パスワード ユーザ認証 ユーザ認証 証明証 証明証 ①検索問い合わせ 資源、サービス 資源、サービス 図 2 認証処理概要 DNS とLUS に,ユーザ名による認証機能を持たせる ことで,情報家電の所有者は,特定の利用者に対して のみ,その位置情報を知らせるように対処できる.さら に,認証をシングルサインオン化することで,認証作業 (ユーザ名とパスワードの入力作業)を省力化し,ユー ザの利便性向上が図られる. 3.2. サービス利用許可証によるアクセス制御方式 認証の結果,特定ユーザのみにアクセスを許可する アクセス制御方式(図 3)を実装した.アクセス制御機 能は KDC に持たせ,ネームサービスは,KDC へ認証 を依頼すると同時に,ユーザが要求しているサービス を通知する.KDC は,認証に成功すると,アクセス制 御リストを参照することにより該当ユーザが要求してい るサービスの許可の可否を判断し,許可であればサー ビス利用の許可証を発行する.ネームサービスは,許 可証を受け取ることで,ユーザへ位置情報を通知する とともに,許可証も中継して送信する. Jiniサービス 資源、サービス 資源、サービス アクセス 制御 Jiniルックアッ プサービス

DNS

Kerberos KDC ①認証とアクセス制御 依頼 ② ③アクセス制御 依頼 サービス サービス 利用許可証 利用許可証 (JiniJiniサービス利用許可)サービス利用許可) ユーザ認証 証明証サービスサービス 利用許可証 利用許可証 (IPIPアドレス先へのアドレス先への 接続許可) 接続許可) IP IPアドレス先へのアドレス先への 接続許可証 接続許可証 Jini Jiniサービスサービス 利用許可証 利用許可証 アクセス制御リストアクセ 制御 ネームサービス ネームサービス ネームサービス ネームサービス 情報家電 情報家電 ユーザ 図 3 アクセス制御処理概要 ネームサービスを介した KDC による認証とアクセス 制御の結果,サービスの位置情報と許可証を得ること ができたユーザは,位置情報を使ってサービスへアク セスするとき,許可証も提示する.サービスは,許可証 が正しいものかを判定することのみで,ユーザの認証と 自身へのアクセス制御に代替することができる. 以上により,ネームサービスが管理するサービス名 (資源名)の位置情報通知可否に関するアクセス制御 と,サービス自身によるアクセス制御が実現される.従 来のサービス自身によるアクセス制御に加え,異なる ネームサービスでアクセス制御を行うことにより,システ ム全体の統一したセキュリティ向上が実現される.

4. まとめ

ネームサービスへの問い合わせ元を,ユーザ単位で 認証し,認証情報をネームサービス間で共有させる方 式,および,認証結果に基づいて,ネームサービスが 管理する資源やサービスの位置情報の通知可否を判 断するネームサービスでのアクセス制御方式を提案し, 実装した.今後は,情報家電のプラグ&プレイ機能を 想定し,アクセス制御情報のプラグ&プレイ対応を検討 する予定である. 謝辞 本研究は,通信・放送機構(TAO)の委託研究テーマである 「次世代 DNS に関する研究開発」の一環として行われている ものです. [参考文献]

[1] RFC1034,Domain names concepts and facilities,1987. [2] RFC1035,Domain names implementation and specification .

1987.

[3] Java Information Network Infrastructure, http://www.jini.org/

[4] DNS におけるアクセス制御の一検討,山岡正輝 他,第 64 回情報処

理学会全国大会

[5] RFC1510,”Kerberos Network Authentication Service(V5)”,1993.

参照

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