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テスト管理システムを用いたテスト状況の可視化方法の提案

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 73 回全国大会. 2B-3. テスト管理システムを用いたテスト状況の可視化方法の提案 久連石 圭†. 河村 透† †. 小笠原 秀人†. 佐々木 愛美†. 東芝 ソフトウェア技術センター. 設計 テスト 実装 1. はじめに 各バージョン 近年、製品の開発期間の短期化に伴い、ソフ でテスト v1.0 v1.1 v1.2 トウェア開発におけるテスト工程の期間も短く (期間の重複無) リリース (a)実装の終了後にテストを実施 なることが多い。そのため、ウォーターフォー ルモデルのように、全ての実装を終えてからの 設計 実装 テスト テストでは、製品のリリースまでにテストでき バージョンが る時間を十分に確保できず、リリース時に品質 リリース 頻繁に更新 v0.51 各バージョン が十分向上しきれていないことがある[1]。 v0.52 でテスト v0.53 (期間の重複有) テスト期間が短い場合は、全ての機能の実装 (b)実装と並行してテストを実施 が終わっていない状態でも、実装済みの機能か 図1 実装後のテストと実装と並行したテスト ら順にテストしていくことで、テストできる時 間を確保することができる。このように実装と 2.2. テスト担当者ごとにテストを実施するバー テストを並行して実施する場合、実装された機 ジョンが異なる 能を早い段階からテストすることで、潜在する 実装と並行してテストを実施する場合は、テ 欠陥を早期に検出・修正し、いち早くソフトウ ェアの品質を向上させることがポイントになる。 スト対象のバージョンが頻繁に更新され、バー ジョン毎に実施できるテスト項目も変動する。 2. 実装とテストを並行して実施する際の状況 そのため、テスト担当者は特定のバージョンで ほとんどのソフトウェア開発では、ソースコ テストを実施せず、目的に応じて各々が異なる ードを一元管理する構成管理システムを用いる。 バージョンに対してテストを行うことがある。 構成管理システムでは、一連のソースコードの 各々のテスト実施バージョンが異なると、バー 更新状態を“バージョン”(あるいは“リビジ ジョンの更新順序とテスト結果の登録順序が一 ョ ン ” ) と 定 義 し 、 名 前 ( 例 え ば v0.51 や 致しないことがある。その結果、テストの品質 r1832)をつけて管理している。 状況を確認する際には、従来の日付順での集計 従来のテスト工程では、図1の(a)に示すとお に加えて、バージョンの更新順序でテスト結果 を集計しなければならず、集計や可視化にかか り、実装が完了したバージョンを特定し、テス トを実施することが多かった[2]。実装中にテス る負荷が増える。 トを並行して行う場合は、図1(b)のようにバー ジョンが頻繁に更新される中でのテストになる 3. テスト状況を可視化するためのテスト管理 ため、次のような状況がしばしば起こる。 システムの提案 実装と並行してテストを実施する場合にテス 2.1. 実装状況によって実施可能なテスト項目が トの実施状況を確認できるように、実装済みの 変動する 機能に対するテスト項目の数と合格しているテ 実装とテストを並行して実施する場合、実装 スト項目の数を、バージョンの更新順序に沿っ が全て完了するまでは実施できないテスト項目 て自動的に集計し、可視化できるテスト管理シ が存在する。そのため、テストの進捗が芳しく ステムを提案する。本システムの概要を図2に ない状況が発生した場合、その原因がテストの 示す。 実施の不備によるものか、機能未実装によるも 本テスト管理システムでは、テスト項目とテ のか判別がつかない。 スト結果を蓄積している。開発者は機能を実装 した際に実装した機能に対するテスト項目をシ ステムに通知する。また、テスト担当者は実装 Test Management System for Status Visualization された機能から順にテストを行い、テスト結果 Kei KUREISHI†, Toru KAWAMURA†, を登録する。テスト状況を確認する場合は、シ Hideto OGASAWARA†, Manami SASAKI† ステムに蓄積されたテスト項目やテスト結果を †Corporate Software Engineering Center, Toshiba Corporation 自動的に集計し、グラフを出力する。. 1-253. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 73 回全国大会. (b)では線Bが日々増加しているため、機能は順 バージョン v0.51 に実装されているが、テストの進捗が芳しくな ソースコード テスト実施 v0.51 機能の実装 プログラム い状態を示している。更に、(c)では線Bが減少 テスト担当者 バージョン v0.51 テストA&B テスト可能 結果の登録順序と しているため、テストは実施しているが、不合 テストA (v0.51) 実装が完了した機能に バージョンの順序が テスト実施 v0.52 結果:× 対するテスト項目の通知 必ずしも一致しない 実施日:10/8 格が発生しており、一度実装した機能を再度修 複数人でテストを 実施するが、 テストA (v0.52) テスト管理システム 正していることを確認できる。 テスト対象の 結果:× 実施日:10/7 バージョンは また、バージョンの更新順序に沿って、合格 必ずしも同一でない 集計 テスト結果登録 テスト項目 グラフ出力 グラフ化 テスト結果 しているテスト項目の数を集計し、線Aを描画 テストA (v0.52) 結果:× することで、バージョンの更新に応じた品質の 実施日:10/7 良否を確認できる。例えば、図4の(d)のように、 図2 テスト管理システムの概要 バージョンの更新に伴って合格しているテスト 本システムでは、従来のテスト管理で利用し 項目の数が増えている状況からは品質が向上し ていたテストの実施数や合格数を時系列に集計 ていることを確認できる。また、(e)のように合 するグラフに加え、実装中にテストを行う場合 格しているテスト項目の数が減少することがあ にも状況を確認できるグラフを描画する。実装 る。ここでは、一度合格したテスト項目を再度 中には実施可能なテスト項目が変動するため、 テストしたときに不合格となる“機能デグレー 実装が完了した機能に対するテスト項目の数を ド”が発生している。この場合は、機能デグレ 集計して、合格したテスト項目の数と比較する。 ードが発生したバージョンと変更内容を明らか また、バージョンの更新順序とテスト結果の登 にして、再度実装をやり直す必要がある。 線C:テスト項目の総数 録順序の不一致をなくすために、本システムで は図3に示すように、テスト結果をバージョン ① 線B:実装済み機能に対する テスト項目の数 (e) 毎に分類した後、バージョン毎にテスト結果を (d) v0.59 ② v0.62 集計し、集計値をグラフにプロットする。 (b) 実施可能な テスト項目から テストを実施. 構成管理システム. 機能の実装 バージョン付け. 開発者. テスト対象の 取得. テスト項目数. テスト 実施結果. 10/3 実施. 10/4 実施. テストA(v0.51):× テストB(v0.51):×. テストB(v0.52): ○. テストC(v0.52):○. テストC(v0.51):×. バージョン毎に テスト結果を分類. 10/5 実施. 10/6 実施. テストA(v0.53):×. テストA(v0.52): ○. v0.55 (c). (a). v0.61. v0.58. v0.54. テストB(v0.53): ○. v0.57. テストC(v0.53):×. v0.60. 線A:合格している テスト項目の数. v0.56 v0.51 v0.52 v0.53. v0.51. v0.52. v0.53. テストA(v0.51):×. テストA(v0.52): ○. テストA(v0.53):×. テストB(v0.51):×. テストB(v0.52): ○. テストB(v0.53): ○. テストC(v0.51):×. テストC(v0.52): ○. テストC(v0.53):×. 図4. 日付. 提案するグラフ. 5. おわりに 本稿では、短納期化するソフトウェア開発に v0.51 おいて、実装が完了する前からテストを実施し、 早期からソフトウェアの品質を確認するために、 図3 バージョン毎のテスト結果集計 ソースコードの更新情報を活用することで機能 4. 本システムを用いたテスト状況の判断 の実装状況をふまえたテストの実施状況や品質 提案したテスト管理システムは、登録したテ の改善傾向を確認できるテスト管理システムを スト結果を自動的に集計し、図4に示すグラフ 提案した。実装の完了前にテストを実施するこ を描画する。グラフの①に示す範囲は未実装の とで、早期に潜在する欠陥を検出でき、欠陥に 機能に対するテスト項目の数であり、テストが 対応する時間を十分に確保することが可能にな まだできない状態を示している。また②に示す る。その結果、予定されているリリース日まで 範囲は、実装は完了しているためテスト可能だ に、高い品質まで作り込むことができると期待 が、まだ合否を確認していないテスト項目の数 される。 であり、テストの実施待ちの状態を示している。 今後、提案したテスト管理ステムを用いたテ ②の範囲に加えて線Aと線Bの変化を確認する スト管理を実践し、本システムを用いることで ことで、合格しているテスト項目の数が増えな 品質向上に寄与できていることを確認していく。 い原因を判別できる。例えば図4の(a)から(c) では、合格しているテスト項目の数(線A)は 参考文献 ほとんど増加していない。一方、実装済み機能 [1] 岡崎毅久:ソフトウェアテストと品質保証の実際,日 に対するテスト項目の数(線B)は、(a)では線 本テクノセンター (1999) [2]Rex Black/テスト技術者交流会 監訳/トップスタジオ Bが殆ど増加していないため、機能が未実装で 訳:基本から学ぶテストプロセス管理, 日経 BP 社(2004) テストができない状態だと考えられる。また、 v0.52. v0.53. バージョン毎に集計し、 集計値をプロット. 1-254. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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