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堆肥の腐熟度検定への花粉管生長テストの適用に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

堆肥の腐熟度検定への花粉管生長テストの適用に関する研

究( 内容の要旨 )

Author(s)

若澤, 秀幸

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 乙第021号

Issue Date

1998-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2266

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 学 位 論 文 題 目 事 査 委 員 若 津 秀 幸 (静岡県) 博士(農学) 農博乙第21号 平成10年3月13日 学位規則第4粂第2項該当 堆肥の腐熟度検定への花粉管生長テストの連用に関 する研究 主査 静 岡 大 学 教 授 副査 岐 阜 大 学 教 授 副査 信 州 大 学 教 授 副査 静 岡 大 学 教 授 副査 静 岡 大 学 助教授 政 夫 夫 明実 茂 徹 久 博 西 田 谷 田 小 原柴♯二横 論 文 の 内 容 の 要 旨 有機物資源を循環させ,堆肥化し,土壌に施与する場合,最も大切なことは作物に障害 を与えないこと,また重金属等の有害物質を農耕地に持ち込まないことである。今日,有 機物資材の種類が多様化し,それらからつくられた堆肥の品質評価,特に作物の安全性に 主眼をおいた腐熟度検定法の確立は重要な課居である。これまでの腐熟度検定法には一長 一短があり,いくつかの方法を組み合わせて実施する必軍があった。そこで,本研究は, より簡易で迅速な腐熟度検定法として,根毛と類似性のある花粉管を用いる新しい方法を 確立しようとして行われた。本論文は,花粉管生長テストを堆肥の腐熟度検定法として適 用し,未熟堆肥の阻害に対する感度,再現性,堆肥の化学性や有機成分との関係等につい て,従来から最終的な検定法とされてきた種子発芽試験や幼植物試験と比較しながらその 特徴を明らかにし,検定法としての基礎を構築しようとして行われたものである。 第1章では,花粉管生長テストが堆肥の腐熟度検定のための方法として,どのような種 類の堆肥にも適用可能かどうか,種子発芽試験,幼植物試験と比較しながら検討している。 花粉管生長テストはウエル法と培地法の2方法で行った。これら四つの方法における測定 値間の相関,分布状況及びその意味について検討した。その結果,堆肥の阻害に対する感 度は,花粉管生長テスト・培地法が最も高く,次いで同・ウエル法,種子発芽試験法,幼 植物試験法の順であった。種子発芽試験や幼植物試験は,種子の貯蔵養分の個体差や,堆 肥の肥料成分等の影響を受けるため,阻害のみを検定するには問題があった。しかし花粉 管生長テスト・培地法は,肥料成分の影響を受けにくく,濃度を変えて実施することによ り,堆肥施与量と関連させて判定できる優れた方法であることを示し,また,花粉管生長 テストは素材や性質の異なる多くの堆肥に適用可能であることを示した。

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-144-第2章では,花粉管生長テスト・培地法と5種類の植物(コマツナ,コカブ,トマト, イネ,ハッカダイコン)を用いた種子発芽試験を実施し,再現性と測定値のばらつき(変 動係数)について検討している。その結果,花粉管生長テストの再現性は種子発芽試験と 同程度であったが,測定値の変動係数は,花粉管テストでは10%前後,種子発芽試験で は30∼40%以上で,花粉管テストの方がいずれの植物を用いた種子発芽試験より小さ いことを示した。熟練は花粉管生長テストの信頼性をさらに高めると述べている。 第3、4章では,花粉管生長と堆肥の化学性との関係を検討している。花粉管生長テス トは,種子発芽試験,幼植物試験に比べ,堆肥の化学性との相関が高かった。花粉管生長 テスト・培地法は,pHの直接の影響を排除し,阻害の有無を的確に判定できる優れた検定 法であった。花粉管生長テスト・ウエル法における阻害は,堆肥のpH,アンモニア態窒素 と高い正の相関を示し,pH8以上,堆肥中のアンモニア態窒素が500mg kg 1以上で, 強かったと述べている。 第5章では,花粉管生長と堆肥の有機成分(全炭素,全窒素,C/N比,灰分,還元糖割 合,リグニン等)との関係を検討している。花粉管生長テストは種子発芽試験や幼植物試 験に比べ,堆肥の有機成分との間に非常に高い相関のあることを認めた。このことは,有 機成分の変化が阻害物質の消長とよく対応しているためであると述べている。 第6章では,この花粉管生長テストにより,コーヒー粕を施与した土壌と港湾しゆんせ つ土にコーヒー粕等の有機物を添加し,堆積処理した人工土壌の安全性検定を試みている。 その結果,花粉管テストによるこれら土壌の検定結果と幼植物試験結果とはよく対応して おり,幼植物試験より厳しい判定をしていった。このことから,本法は,堆肥の腐熟度検 定だけでなく,適切な濃度を選ぶことにより,土壌の安全性検定にも適用できると述べて いる。 これらの結果から,花粉管生長テストは堆肥の阻害に対する感度が極めて高く,測定値 のばらつきが小さく,堆肥の化学性や有機成分の変化も総合的に捉えており,新しい優れ た生物検定法であることを示した。また,花粉管生長テストは20時間以内で検定できる 簡易,迅速な方法であること,さらに,花粉は冷凍保存が可能で1年中いっでも実施する ことができることなどから,堆肥生産業者や農業技術員だけでなく実際の農業者にも普及 が可能であると述べている。別に,本法が有機物等を施与した土壌の安全性検定にも適用 できることを指摘するなど,新たな知見を加えた。 審 査 結 果 の 旨 平成10年1月28日,静岡大学農学部において審査委貞全員(5名)を含む教官,学 生の出席のもとで公開論文発表会(15:00∼16:05)が開かれ,約40分の発表 と約25分の質疑応答が行われた。研究成果の内容は充実しており,各審査委員等の質問 に対してよく応えた。発表論文の概要は以下のごとくである。 堆肥等の有機物資材を土壌に施与する場合,最も大切なことは作物に障害を与えない ことである。従って,有機物資材の品質評価,特に作物の安全性に主眼をおいた腐熟度検 定法の確立は重要な課題である。これまでの腐熟度検定法には一長一短があり,いくつか

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ー145-の方法の組み合わせであった。そこで,本研究は,より簡易で迅速な腐熟度検定法として, チャ花粉を用いた花粉管生長テストによって行う新しい方法を導入するため,従来法(幼 植物試験法等)と比較しながら特徴を明らかにし,検定法としての基礎を構築した。 花粉管生長テストが堆肥の腐熟度検定のための方法として,どのような種類の堆肥に も適用可能かどうか,種子発芽試験,幼植物試験(植物はいずれもコマツナ)と比較しな がら検討した。花粉管生長テストはウエル法と培地法の2方法で行った。その結果,堆肥 の阻害に対する感度は,花粉管生長テスト・培地法が最も高く,次いで同・ウエル法,種 子発芽試験法,幼植物試験法の順であった。種子発芽試験や幼植物試験は,種子の貯蔵養 分の個体差や,堆肥の肥料成分等の影響を受けるため,阻害のみを検定するには問題があ った。しかし花粉生長テスト・培地法は,肥料成分の影響を受けにくく,濃度を変えて実 施することにより,堆肥施与量と関連させて判定できる優れた方法であった。また,花粉 管生長テストは素材や性質の異なる多くの堆肥に適用可能であった。 花粉管生長テスト・培地法と5種類の植物(コマツナ,コカブ,トマト,イネ,ハッカ ダイコン)を用いた種子発芽試験を実施し,再現性と測定値のばらつき(変動係数)につ

いて検討した。その結果,花粉管生長テストの再現性は種阜発芽試験と同程度であっ串が,

測定値の変動係数は,花粉管テストでは10%前後,種子発芽試験では30∼40%以上 で,花粉管テスト方がいずれの植物を用いた種子発芽試験より′トさかった。 花粉管生長と堆肥の化学性との関係を検討した。花粉管生長テストは,種子発芽試験, 幼植物試験に比べ,堆肥の化学性との相関が高かった。花粉管生長テスト・培地法は,pH の直接の影響を排除し,阻害の有無を的確に判定できる優れた検定法であった。花粉管生 長テスト・ウエル法における阻害は,堆肥のpH,アンモニア態窒素と高い正の相関を示し, pH8以上,堆肥中のアンモニア態窒素が500ng kg 1以上で,強かった。 花粉管生長と堆肥の全炭素など有機成分との関係を検討し,花粉管生長テストは種子発 芽試験や幼植物試験に比べ,堆肥の有機成分との間に高い相関が諷められた。 以上の結果から,花粉管生長テストは堆肥の阻害に対する感度が極めて高く,測定値の ばらつきが小さく,堆肥の化学性や有機成分の変化も総合的に捉えており,健れた生物検 定法であることが分かった。 これら一連の研究は,最近とみに重要となりつつある有機資源の循環,有機廃棄物の堆 肥化,そして農業現場への有効利用に対する新しい評価法の確立とその信頼度を確固なら しめる基礎知見を提供したものでありi高く評価できる。更にそ・の簡易,迅速性から実際 の農業への応用の可能性を示したもので普及の期待される良き成果である。 本論文が公開発表された後,審査委貞全員の出席のもとに研究内容について審査委員会 が開かれた。論文構成内容,応用性等慎重に審議した。本研究の地道な努力,ユニークさ, また応用性に高い評価が与えられ,審査委貞全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学 研究科の学位論文として十分価値あるものと認めた。

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ー146-<基礎となる学術論文の発表雑誌名等> 日本土壌肥料学雑誌 57(5).456∼461(1986), 57(5)462∼467(1986), 58(4)460∼464(1987), 69(1)(1998)印刷中, 69(1)(1998)印刷中, 69(2)(1998)受理,掲載予定, 静岡県農業試験場研究報告No.3155∼62(1986)

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