著者
真弓 彌彦
著者別名
Mayumi Yahiko
雑誌名
経営論集
巻
12
ページ
79-98
発行年
1979-06-20
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005857/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.jaマ ー ケ テ ィ ン グ 方 法 論 序 説
79 コ 真 弓 禰 彦 1. マーケティング認識と方法の多 様性 1. 第2 次大戦以前 のマーケティング理論 このマーケティングという現象,思想およびその理論は, アフリカの資本 主義経済の独占段階において発生成立し,発展して今 日に至っていることは。 御承知のところであり,関連文献はわが国にも入ってきているし,翻訳や紹 介も相当多数なされてい るのである。従ってその思想や知識は,かなり商学 ないし経済学,経営学に於て深められ高められている。 さてバ―テルズ(R. Bartels)はマーケティング思想の発展を跡づけ て以下 に述べる如くであるとしてい る。 1 1900 年―1910年 発見 期 2 1910// −// 20 々 概念化期 ・ 3 1920// 一//30// 総合期 4 1930 // ― // 40 ク 発展期 5 1940 々― // 50 々 再評価期 6 1950// ー ク60// 再概念化期 7 1960 々一// 70 ノ/ 差異期 8 1970 々一 社会化期 以上のようにバ ―テル ズはマーケティング思想の展開発展を文献 より史的 に 特 徴 づけ た の であ る が , 橋 本 勲 教 授 は 第2 次 大 戦 前 の マ ー ケ 尹 イ ン タ論 2) の 方 法を 大 別 し て 社 会 経 済的 マ ー ケ テ ィ ン グ論 と 企 業 的 マ ー ケ テ ィ ン グ論 と し,前者は伝 統的 マ ーケ テ ィン グ論 と してそ の成 立を 史的 順序 より, 商 品別 (商品的)方 法, 制度的 方法(機関別方法,機構別方法), 機能的 方法に 類型 化 3) ざ れてい る。 なお,企業 的 マ ー ケテ ィン ダ論 の展開 は, 大恐慌 な どの資 本主義 経 済の危 機 の深化を 背 景に した1930 年 代 よ り強力に な され, 消費 と需要 の分 析を主 軸 4) と してい たが方 法 論的 自覚 は不 明確 であ る と言 われてい る。第2 次大 戦前 のマ ー ケテ ィソ 列り,想な らびに 理論0 ア メリ カ経済に おけ る 方 法 論的 要 約 は上 述の如 くであ るが, 戦後に そ の反 省 がな さ れ,や がて マネ ジ リ アル・ マ ー ケテ ィン グの登場 とな った。 こ の間 の事 情を 橋本 教 授は以 下 の ように述 べて お ら れ る。「や が て53年 に 新 しい 反 省 と理 論化 へ の試 論集『 マ ー ケテ ィンダに おげ る理論 』 となってあ ら わ れ, そ のな かでW ・ オルダ ーソソは基 礎概 念と し て「組 織 され た行動シ ス テ ム」(Organized Behavior System)を 提起 し, ブ レ ザ ー(E. T. Grether) は 企業 の理論 に 基 礎を お き, 財貨 の地域的 流動 構造を 重視 し よ うと し, コ ッ クス(R ごCox)は, 配給 経路を 「 流 れの結合体 」 と み て, 制度 派経 済学や 社 会 学 の集 団理 論を 採 用 し ようとした。 これ ら の意欲的 な研 究 は, まだ社会 経 済 的 マ ー ケテ ィン グ論 と企業的 マ ー ケテ ィン グ論 との 混 在を 示 し, ブレザ ー も経 済分 析的 アプ ローチ と経営 政策的 アプロ ―チ との 両 者を 考 えてい た よう で あ っ た。 しか し, そ の後 の研究 の進 展は, 独占資 本が 当面 す る技術 革 新 と市場 の矛 盾 を 抱 え, 次第 に 企業 的 マ ーケテ ィ ン グ論 の方 向に 傾斜 してい った。 社会経 済的 マ ー ケテ ィン グ論に おい て 乱 す ぐれた 研究 が な され た が,主 流 はマ ネ 5) シ リ アル ・マ ー ケ ティン グ論の成 立へ と進 んでい った のであ る。」 そ して こ のマ ネジ リ アル・マ ー ケテ ィ ン グ(経営者的 マーケティン グ)が発 展 す るに つ れ てそ の アプ ローチ の形 態 も次第に 多 様化 して きた のであ る。 こ の よ うな 現状に 対 して,現 代マ ー ケテ ィン グ論 の 方法 と して橋 本教 授は次 の よ うに 述 べて お ら れる のであ る。 「 では, 方法 論的 に反 省 し,科学化 の道を 志 した 戦 後 の マ ーケテ ィン グ論 は ,い かな る方 向に 歩 み 出 した のであろ うか。 最 初 の歩 みは ,戦 前か らの伝統的 な社会経 済的 マ ー ケテ ィン グ論に 対 して, 企業 的 マー ケ テ ィン グ論 の方法を 打ち 出す こ と であ った 。 例 えば , ブ レザ ーは経 済的分 析(economic analysis)に対 す る 経営 政策的 アプ ■pt ーチ と して, また マ ッカ ーシ ー(E. J. McCarthy )は , 商品的, 制度 的 ,機 能的 の3 つ の アプn − チに 対 す る第4 の マネジ メント ・ アプ ロ ーチ と して と らえた 。そ の ような状況を ヶ リ ー(E. J. Kelley)は以 下 の アプ コーチ に 類型 化 してい る。 第1 は, 伝 統的 な制 度的 ,機能的 , 商品的 アプロ ー チ。
マーケティング方法論序説 81 第2 は,経 営 者的 アプ ロ ーチ。 すな わち マー ケテ ィン グ・ マ ネジ ャーに よ っ て遂行 され る(評定,計蘇 組織と指導,評価,調整)機 能を 強 調し, マ ーヶ テ ィソ ダ管 理の 理解 と改 善を 助げ る諸 原理 の開発 と, こ れら の諸 原理に もと づ く諸理論 の創造。 第3 は科学的 技術的 (scientific-technological)アプ ロー チ。 す な わ ち 意思 決 定論(decision theory)や 数理 学派(mathematical school)に 反 映 さ れ た ア
プp ーチ。 第4 は社会的 アプ ロ ーチ。 す なわ ち社 会科学 ,歴 史, 社 会 哲学 に もとづト た アプロ ―チo う 已ヽ理学 者の人 間中 心 アプロ―チ。 社会 学者 の社会シ ス テ ムア プa ーチお よ び マー ケテ ィン グ歴 史家 の アノ1= − チ。 第5 は メクマ ーケ テ ィソ ダ(metamarketing) アプロー チ。 この メタという 言 語は超え てを 意味 す るの で, こ こで は従来 のマ ーケテ ィングを 超 えてお こ な われるい ろいろ な 方法 の総 合 が考 え られてい る。現在 で は, 基本 的に は, マ ーケテ ィングを 原 理 と し て 批 判的 に 取 り扱 う模索的(speculative)アプロ ーチであ るとい かれ , 広い 経験 的平 面に もとづい た マー ケ テ ィン グの基礎 と ヒ上ユゞ マン 。パー ソナ リテ ィとを 結合 し シ ステ ムズ・ ア プロ ーチに よって 6) 完 成で きる ものであ る と考 え られてい る。」 以上 より して も現 代 マ ー ケテ ィン グ論 の方法 は少な く見 ても ケリー の5 類 型 ない し7 類型以 上 の もの かお り, さ らに はシ ス テ ムズ ・ アプ ロ ―チを 核 と 7) す る行動科 学的 アプ ロ ーチ も提 起 され てい る とい うこと であ る。 ノなお また 村田昭治 教 授は , これ まで の代表的 な文献を ,そ の基 本的 アプ9 一 千別に 次 の ように 分 類 され てい る。 こ0 ような 村 田教 授 の現 代 マ ー ケテ ィン グ論 の方 法分 類 は5 類 型 であ るが1950 年か ら60 年代 初 期の文 献 より のも のであ るのがその 特徴であ る。 さて, マ ーケ テ ィン グとい う現 象, 思想, 理論 の認 識 がそ の方 法 と一 体化 している ことは後 述す る如 くで もあ るが, マ ーケテ ィン グの認 識方 法 とい う 面 より整理す れば以 下 の ように な るだ ろ う。 第2 次大 戦前 の アプ ロ ーチ(方法・手段)は大 きく分 け れ ば , 社 会経 済的 マ ーケテ ィング論 と企 業的 マ ー ケテ ィン グ論 とに なるこ とは前 述 の如 くであ り,前者は伝統的 マ ー ケテ ィン グ論 と して既述 のところ より, 商品 別 アプ ロ
マ ― ケ テ ィ ン グへ の ア プp ―チ 分 類 代 表 的 文 献 ① マ ― ケ テ ィ ン グを 現 象 と し て み る
A シ ス テ ム の 記 述 B 歴 史 的 分 析
Vail, Grether & Cox, 1952Beckman,
Maynard & Davidson, 1957Converse, Huegy & Mitchell, 1958Phillip & Duncan, 1950McCarthy,
1961Tovsley,
Clark & Clark, 1962 ② マ ー ケ テ ィ ン グを ソ ー シ ャル ・ コ
ン サ ー ン と し て み る A
コ ス ト , 価 格 , 産 業 構 造 B 規 範 的 観 点
Stewart & Dewhurst, 1939Mazur, 1953Barger ,1955Galbraith ,1958 ③ マ ー ケ テ ィ ン グを 経 済 学 の 一 部 と し て み る A 分 析 的 フ レ イ ム ワ ー クを 展 開 す る B 限 界 分 析 C 計 量 経 済 的 モ デ ル Dean, 1961 ④ マ ーケ テ ィ ン グ を 意 思 決 定 の 問 題 と し て み る A マ ー ケ テ ィ ン グ ・ ミ ッ ク ス B 現 実 の 活 動 を シ ミ ュ レ ー シ ョン 化 す る C 適 正 化 の モ デ ル
Howard, 1955Brown Mathews
& England, 1961Davis, 1961 ⑤ マ ー ケ テ ィ ン グ を マ ネ ジ メ ン ト ・ フ ィ ロ ソ フ ィ ー と し て み る A マ ー ケ テ ィ ン グ ・ コ ン セ プ ト B 組 織 面 の 強 調 Drucker, 1954Alderson, 1957 −チ,制度的 アプローチ,機能的アプp −チに類型化 されるのである。これ らのアプT3 −チについて関説すれば,商品別 アプローチは,経済理論におけ る経済財の区別一 消費財と産業 財に準 じて,マーケテ ィング論では,商品を 消費者用品と産業者用品に大別し,さらに夫 々を細別 して,瀕 費者用品では, 最寄品,買 回a 専門品な どに, また産業用品では,主設備品,附属装備品, 業務用消耗品,半製品,原料品などに分げ るのが一般的である。なお商品は
マ―ケティング方法論序説 83 専 門的には そ の消 費な い し消耗 に おけ る用途 の外 そ の商 品 の,耐 久 性,季 節 性 ,流行 匪な ど種 々 の基準 より分類 でき るのであ る。 以上 の よ うな 商品分 類 は マ ーケ テ ィン グに おい て極め て重 要 であ る。 か よ うな事 情 よりして 商品的 マ ーケ テ ィン グは,品 種的(別)ない し業 種的 (別) マ ーケテ ィン グさらに は産業 的(別)マ ーケ テ ィン グが 認 識 され る の は 容易 な ことであ る。 次は制度的 アプ ロー チであ る。 これは上 述 の商品別 アプ ロ ーチが マ ーケテ ィングの客体的 アプp ーチであ る のに対 して ,主 体的 アプ コ ーチ と も言われ る もので・ 具 体的 には・,生 産 者・ 卸売 商・ 小 売商・ 取 引 所・ 消 費者 とい うよ うなマーケ テ ィン グを 成立 せ しめ てい る直 接的な 関係機 関 の, 機構 い カニ ズム)中心 の アプ ロ ーチ であ り, マ ーケ テ ィン グを 経済 過程 = 社会的 制 度と して,そ の機能的 活動 , 構造 的 組織 , 整合力な どを分 析 し次 第に 統 合化 して 8) き てい るとい う意 味 であ る。 こ の アプpr ーチを 進めた , ダ デ ィお よび レ ヴザ ノ見 よれば, マ ーヶ テ ィン ダは市 場 機関 の諸活動 の合成 された 集 団一 一定 の 目的の もとに 有 機的に 一 体化 した全 体 とい う経 済過程 の認 識 であ り,一 つ の 制度と して一定 の機 能 とそ れを 遂 行 す るた め の構 造を もつ も のであ り,それ 10) は 各種の整合要 因に より有 機 的全 体 と して まとめ上げ ら れ る のであ る とい う。 もっと も以上 の ダデ ィお よび レ ヴザソ の制 度主義的 アプ ロ ーチ は戦後 の も の であ る が, 戦 前 の制度主 義 的 思考 の代表者 と 目され るプ ライ ヤーのTheMarketing Institution, 1934 に つい て みるに , 彼は, 伝 統的 な経 済的 概 念 を 破った 諸学関 連概 念を 以 て , マ ーケテ ィン グ体系 の機 能を一 つ の全 体 とし て 描い てお り, 彼は マ ー ケテ ィン グを ,各 個そ れぞれの , また 全 ての マ ーケ テ ィツ ダ機能 の,一 つ の 継続的 遂 行統一 体 として把 えてい る とい うこ とであm る。そ して彼 の市場 概 念は 特 異な も ので,市場 とは取引 の 機会 であ る として。 12) 制 度派学者 コモン ズに 連 な る もの と考 えら れてい る。 ところ で, こ こで , マ ーケ テ ィン グとまこ とに 関係の 深い 市 場な る概 念に つ い て検討 してみ よう。 経済学 では, 一 般的に は ,市 場は ,財 貨が流通 して需 給を 円滑に す る交 換 行 為 の行なわ れ る場所 または そ の場所 に存 在す る人 的集 団 と定 義づけ られ, 広狭両義 の市場 が認 め られ る。 広義 では,一 定 の場 所 ,時 間に 関係 な く相互に 競 合す る無 数 の需要 ・供 給
間 に 存 在 す る交 換 関 係を 意 味 す る し, 市 場 の理 論 と は , か よ うな 市 場を 支 配 す る 法 則 , 理 論 を 明 ら かに す る も のを い う の で あ る。 ・。 狭 義 で は ,1 )卸 売 市 場 , 小 売 市 場 な い し実 物 市 場 (現 品を前に して多人数 乱 一定区 画に おいて売買を行 うー 魚市場, 青果市 場など),を い い ,2 )現 品 の 存 在 如 何 に か か わ ら ず , 売 買 両 者 が 定 時 に 集 合 し て 取 引 す る 取 引 所 を い うの で あ る 。 た し か に 市 場 で 成 立 す る 取 引 関 係 は 交 換 関 係 で あ り , プ ラ イ ヤ ーは こ の 取 引 関 係 の 成 立を 接 触 と交 換 の2 段 階 に お け て 認 識 し , 実 行 の 段 階 は , 保 管 , 測 定 , 品 質 決 定 , 包 装 , 輸 送 , 支 払 , 金 融 , 危 険 負 担 と対 応 さ せ て い る の で あ る 。 因 みに コ モ ン ズは 取 引 に つ い て は こ れ を3 種 類 に , す な わ ち 商 議的 取 引 ,管 理 的 取 引 , 割 当 的 取 引 に 分け , 商 議 的 取 引 は 時 間 的 継 起 の 点 か ら交 渉 。 13) 契 約 お よび 実 行 の3 段 階 に 分 け う る と し た の であ る。 か よ うに して 制 度 主 義 的 思 考 は 現 実 な い し事 実 を 重 視 す る特 徴 を も って い る か , 橋 本 教 授 が 引 用 さ れた ク チ ン ス キ ー の 「 制 度 主 義 者 に お い て は , 統 計 資 料 に も と づ く 経 験 的 な 事 実 確 定 か 法 則 探 究 の か わ りに な っ て い る」 と の 批 14) 判 は や は り妥 当 す る も の であ ろ う。 こ こ で 制 度 的 ア プ1ニ1 ―チ に つ い て は 論 述 を 一 先 ず 中 断 し て 次 の 機 能 的 ア プ ロ ー チ に 入 る こ とに し よ う。 こ の 機 能 的 ア プpt ー チ は マ ー ケ テ ィ ン グ の 市 場 に おけ る 流 通 機 能 の解 明を
は か っ か も の で ,1910 年 代 以 降 に シ ョ ー (A. w. Shaw ), ウェ ル ド (L. D.H. Weld ), チ ェ リ ン ダ ト ン(P. T. Cherington ), ダ ン カ ン(C. s. Duncan ),
ク ラ ー ク(F. E. Clark), ア イ ケ イ(P. w. Ivey ), ゴ ン パ ー ズ(P. D. Converse)。 パ イ ル (J, F. Pyle) な ど多 数 の学 者 に よ っ て そ の 論 議 は 展 開 さ れ 発 展 して , 戦 前 の 社 会 経 済 的 マ ー ケ テ ィ ソ ダ論 の 中 心 的 方 法 に な っ た も ので あ る 。 戦 前 の代 表 者 と 目 さ れ る ク ラ ー ク の 機 能 論 は , マ ー ケ テ ィ ン グ の 交 換 機 能 。 物 的 供 給 機 能 , 金 融 , 危 険 負 担 , 標 準 化 な ど の 助 成 機 能 な ど の 諸 機 能 を 明 ら か に し , こ れ ら の機 能 が い か に 合 理 的 , 効 率 的 に 遂 行 さ れ て い る か を 分 析 し 流 通 過 程 に お け る無 駄 を 排 除 す る こ とに よ っ て そ0 効 率化 を 考 え よう と した とい わ れ , 戦 後 は マ ッ ク ゲ リ ー (E. D. McGarry ) に も 継 承 さ れ てい る が 。 15) 次 第 に 企 業 的 マ ー ケ テ ィ ン グ 論 の 性 格 が 強 くな っ て き てい る と い わ れ て い る 。 も っ と も フ ック//-リ ーは , マ ー ケ テ ィ ン グを 人 間 と そ の 環 境 と の 調 整 を 円 滑 に す る 径 済 の 基 本 的 な 構 成 単 位 と考 え て い る と い か れ , マ ー ケ テ ィン グ の
マーケティング方法論序説 85 機能を ,接 触機 能,宣伝 機 能, 商品 化 機能 ,物的流 通 機 能,価 格機能 ,終 結 16) 機能の6 つ に分け てい るが ,接 触機 能 な どは 問題 とな ってい る ものであ る。 か くしてこ の機能的 アプ ロ ーチは , 戦前 の3 つ の ア プロ ーチの うち 最 も分 17) 析的,理 論的 であ るといわ れる も のであ る。 なお こ の機能的 アプ ロ ―チに 関説 してマ ー ケテ ィン グの機 能分類を 今1 つ あげ るな らば, ノイ ナ ードお よび ベ ック マ ン(H. \レMaynard and T. N.Beckman
)のそ れがあ る。 彼 等 は マ ーケ テ ィン グの機 能を , マ ー ケテ ィン グ の過程に 固有 な主な 経 済活動 と して みてお り, 広く普 遍性を 七ち , しか も分 業を通 じて 専門化 する 傾向 の もの と の認 識か ら して, 次 の ような分類を 行 な ってい る。 すな わちレ そ れは A 交換 機能: a 購買; b 販売 B 物 理 的供給 機能 :a 運 送; b 保 管 c 助成 機能 :a 標準化; b 市 場 財務 :c 危 険 負担; d マ・− ケテ ィン ダ情報 お よびマ ー ケテ ィン グ・ リサ ーチ 18 ) とい う分 類 であ る。 犬 か くして マー ケテ ィン グの機能 が 結局 ,上に 引 用 した交 換機 能な る取引流: 通(所有権の移転)と物的 流 通(輸送と保管) の2 大主要 範躊 及び それ ら を 補 助する機能 の3 範 躊に分け て認 識さ れ る のぱ妥当 な も のであ ろ う。 さて ここ で開題 とな るのは 戦前 と くに アノリ カ経済 におけ る大恐 慌 以後 の・1930 年 代 以降 の企業 的 マ ー ケテ ィン グ論 の動 向であ る。 こ れについ ては 些か 前 述した のであ るが, この ア プロ ーチは 実践的 要 請 よ りする問題 解 決 の為 の 技術, 例え ば市場 調 査技術を 重 視 した が, 研究 方法 も 進 んで標本 理論 な どの 統 計学的 方法を 導入 して お り, また セ ール スマ ン管 理 を中 心 とす る販売管理 も次第に重 視 され , セール ス・ マ ネジ ャーに よる管 理 が取 りあげ ら れた。 ま た 広告に つい ては ,そ の心理 学的 研 究は既 に今 世 紀初 頭 より試 みら れてお り, 実 務書や 教科 書 も多 数 刊行 され , 高圧販 売に 貢献 して きた のであ るが, 誇大 広告に対 す る非難は30 年代 の不況 期に は 消費者 運動0 高 まり と共 に一 層厳 し くなってきた 。そ れ故媒 体や コピ ーに つ い て の地 味な 技術 的研 究が 進め られ たが, また 社会的 経 済的 分 析 も展開 し始 めた のであ る。 か ようなわけ で, マ ーケテ ィン グの部分 的な 技術知 識ない し理論 の適 用が 進展 した のであ る。 以 上 のよ うな マー ケテ ィン グ技術 は ,多 くは技術 書 と して 出版さ れ,必 ず しも
理 論書の体系を もってはいなかったが,これらの技術論は,社会経済的マー ケティング論でも次第に重視されて方法論的自覚が不明確なままに実務的観 か くして社会 経 済的 マ ー ケテ ィング論 では, 消 費や 需要 の分 析が強 調され る と共に 次第に重 視 さ れ, マ ーチ ャンダイジ ン グ計画 の重 視 と もな ってきた。 また20 年 代に 既に 問 題 とた ってい た配 給費 の増大 傾向 や中 間 商人 の排除問題 ■it,配給 効率 の向上を 要 請 した ものであ る。 そ して さらに一 般的に はそ の論 議 のレベル ア ップが はか ら れ, 経 済学的あ る い は社会学 的理 論化 が進 み, 限 界概 念や 費 用分 析な どが 導入 された のであ る。 また制 度主義 的 思考 で も戦後 は経 済理論 の 幅広い 吸収 が な され ,効用概
念 や 価 格理論を 吸収 して 高度化 し, ヅ アイル(R. s. Vaile), ダ ンサ ー(E. T.Grether ), コ ックス(R. Cox )な どにおい て は, マ ー ケ テ ィン グ は , 資源利 用 の配分 と指 導 の諸 過程 であ る と考え られてお り, 財 貨 の地 域内 移動 と地 域 澗 移動 が重 視 され, 社会的 成 長 の観点か らマ ー ケテ ィ ン グ活 動を 評価 してい る。 そ して従 来 の マ ーケテ ィング論 の内容に対 す る反 省 が次 第に顕 著に なっ て きてい るのであ る。 また 他方 では企業 的 マ ーケ テ ィン グ問題 の重視 が な され ,バ ーカ ー(C. W.Barker) と アンシ ェン(M. Anshen )な どで は, マ ーケ テ ィン グを 「 優れた技 術 」 と認 識 し, そ の市 場問 題解 決 能力 の発達に 貢献 した のであ る。さ らに パイ ル(J. F. Pyle),シ マー ト(R. Simmat ), フ ィリ ップス(C. F. Phillips)では か よ うな技術 的思 考 が豊 富に 混 在してお り,アレ キサ ン ダ ー(R. S. Alexander), サ ーブ エイズ(F. M. Surface)な どの共 同著 作におい て は, マ ーケテ ィン グ 活 動 の計 画, 調査 ,予 算統 制, 製 品計 画など の管 理問 題 が大 いに 重視 され て お り, これら の管 理論的 傾向 は,問 題解 決や 計 画 の問 題 を 中心 と して, 戦後 の マネジ リ アル ・マ ーケテ ィン グの中心 課題 へと 発展 してい く伏 線を なす も 20) の であ った と思 わ れ るのであ る。 か ように して マ ーケテ ィン グ理論 の現状認 識 は戦 後 に 進 み, 方 法論的 反 省 一 戦前 の3 アプ ロ ーチに 対 す る反 省 より始 ま り,さ らに は マ ー ケテ ィン グ 論 の本 質を め ぐっ て の科 学論 の問 題 提起がな され た のであ る。
2 。 マ ーケ テ ィン グ方 法論序 説 87 第2 次 大 戦 後 の マ ー ケ テ ィ ン グ 理 論 − マ ー ケ テ ィ ン グ の 行 動 と 構 造 の 理論 イ固別論と全体論)- まずマーケテ ィング理論の科学性としては方法論的 には仮説演祥的方法が 一般的である拡 この仮説は帰納的思惟より導かねて くるものであ る。マー ケティング現象を経済現象の傘下 のものとすれば,経 済が客体と主体との交 渉からかこった現象 として定義づげ られるところよりして,その分析方法を 採用することが可能である。すなわち,経済現象の認 識把握をなす2 つ の視 角 主 体 の側 から の行動 を 中心 と して分析 す るこ と と客体 の側 から の構造 の採用である。したが って,マーケティング を 中心 として分 析す るこ と 理論の方法論 としては,主体の行動関連理論お よび客体の構造関連理論が構 成されることになるのであ る。 そしてこれらの理論の科学性は,その理論の論理性,客観性,実証性,真 実性,因果性,数量化,予測可能性な どにおいて検討 されるものであ る。そ こで,マーケティン グ理論では,経済理論と対比して みれば,主体 の行動理 論としては,企業の市場行動論がそれになり, また客体 の構造理論 としては, 社会経済的 マーケティング論がそれに該当す るのであ る。さらに ,またマー ケティング理論が科学 か,技術 かの問題 右あるのであ るが,この両者の判別 基準として,技術をもって科学 の結果を 応用して実益あ るものを作り出すこ ととい うのが従来のものであったが,最近の状 態はこ のような区別分離がで きない ようになってい るともいかれてい る。科学 とい っても科学 技術の分離 できない部分を取りあげ てい ることも多い のである。 マーケテ ィング理論も当然その実践的性格 よりしてこの位置に存在するも のであ る。したがってマーケティング理論は科学技術理論なのであ る。か よ うにして戦後 マーケテ ィング論は進行して,問題のマネジリアル・ アプロー チの成立登場を迎え るのであ るが,マネジメント・アプローチとの関連を取 りあげ ると以下 のようになる。 一般的には両者は同方向の管理論的方法 として よト であろ う。ただ表現が 異なるのであ り,したがってニュアンスは違うが,実質は同じといえ よう。 ところで,いわゆるマーケテ ィング・マネジメント論者としては,マッカ ーシー(E. G. McCarthy), ハワード(J. A. Howard), ペ ル(M. L. Bell)
に コトラー(P. Kotler),レイダ ー(W. Lazer)などがあげられよう。
そ こ で 戦 後 の ア プ ロ ー チ の 主 流 た る マ ネ ジ リ ア ル ・ ア プ タ ー チ に 論 議 は 進 む の で あ る 。 マ ネ ジ リ ア ル ・ ア プ ロ ― チ の 特 徴 に つ い て 橋 本 教 授 は 次 の よ う に 述 べ て い る 。 す な わ ち 「 第1 に , 従 来 の マ ー ケ テ ィ ン グ 論 , す な わ ち 社 会 経 済 的 マ ー ケ テ ィ ン グ 論 は , 多 く は 社 会 的 な 経 済 流 通 過 程 を 配 給 過 程 と し て 把 握 し , 制 度 や 機 構 を 対 象 片 し て い た 乱 マ ネ ジ リ ア ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ 論 で は , 企 業 の 行 動 が 問 ゛9 ′yr −  ̄ r 'r ● │「●"T rr " ・r  ̄ " 題 に な り , 企 業 の 主 体 的 計 画 活 動 を 意 識 的 に 取 り あ げ る よ う に な り , 個 別 資 本 の 主 体 的 運 動 法 則 を 対 象 と す る よ う に な っ た 。 し た が っ て 従 来 の 配 給 過 程 や 制 度 は , 一 応 企 業 の 環 境 と な り , 外 部 要 因 と な っ て き た 。 第2 に , 企 業 的 マ ー ケ テ ィ ン グ 論 内 に 於 て も 大 き い 変 化 と 特 徴 を 示 し た 。 す な わ ち , 従 来 の 実 行 す な わ ち 執 行 的 な 問 題 か ら , 管 理 的 な 問 題 へ と 上 昇 発 展 し た の で あ る 。 讐 え て い え ば , セ ー ル ス で は そ の 科 学 的 合 理 化 が 取 り 上 げ ら れ , セ ー ル ス マ ン の 選 択 , 訓 練 , 監 督 な ど の 管 理 が 論 ぜ ら れ た 。 広 告 の 場 合 も 同 様 で あ り , 広 告 コ ピ ー の 作 成 の よ う な 執 行 的 問 題 か ら , 広 告 媒 体 の 効 果 増 大 の た め の 媒 体 ミ ッ ク ス , お よ び 広 告 と 人 的 販 売 と の 効 果 的 組 み 合 わ せ を 考 え る 販 売 促 進 ミ ッ ク ス な ど の 管 理 的 意 思 決 定 問 題 が 中 心 に な っ て き た 。 こ の よ う に , 技 術 的 内 容 は 執 行 的 な も の か ら 管 理 的 な も の へ と 上 昇 転 化 し て き た わ け で あ る 。 第3 に , 管 理 的 な 問 題 の な か で 乱 管 理 領 域 が 拡 大 し , 部 門 管 理 か ら 全 体 管 理 , 統 合 管 理 へ と 発 展 し た 。 す な わ ち 販 売 管 理 は さ ら に マ ー ケ テ ィ ン グ 管 理 と な り , 全 企 業 的 な 管 理 調 整 問 題 が 登 場 し た 。 し た が っ て , い ま や マ ー ヶ テ ィ ン ダ は 従 来 の 個 々 バ ラ バ ラ の 技 術 と は 異 な り , 統 合 的 マ ー ケ テ ィ ン グ と な り , 全 体 的 マ ー ケ テ ィ ン グ と な っ た の で あ る 。 こ の 統 合 的 マ ー ケ テ ィ ン グ あ る い は 統 合 管 理 の 具 体 的 表 現 が , マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 に お け る 統 合 戦 略 あ る い は マ ー ケ テ ィ ン グ ・ ミ ッ ク ス で あ る 。 第4 に , 管 理 領 域 の 拡 大 に 照 応 し て , 管 理 主 体 も 上 昇 し , 第 一 線 の 下 級 管 理 者 層 か ら 次 第 に 上 級 管 理 者 層 へ と 進 ん だ 。 す な わ ち 管 理 主 体 は も は や セ ー ル ス ・ マ ネ ジ ャ ー で ば な く , 全 体 的 管 理 の 担 当 者 と し て の マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ ャ ー に な っ た の で あ る 。 現 在 進 ん だ 企 業 で は , 重 役 ま た は 副 社 長 が マ ー ケ テ ィ ン グ ・ マ ネ ジ ャ ー を 担 当 す る よ う に な っ て い る の で あ る 。
マーケティング方法論序説 89 第5 に ,こ れに ともた って, マ ー ケテ ィン グはさ らに ,単 な る販売 のた め の技術 で はな く,企業 全体を 方 向づけ 指 導す る企業 全 体 の理 念,経営 者 の理 念とな り観点に な った のであ る。 ここに 生産 志 向 の経 営 か ら市場志 向 の経営 が本 格的 に 登場 したわけ であ る。 では, この理 念 として のマ ーケテ ィングの内 容をな す ものはなに か。中 核 はほ かな らぬ消費 者志 向であ り, 顧客志 向 であ る。 30年 代に 登場 した消費 者 中心 思想はい まや 経営 の理 念 とな った だけ で な く,製 品 計 画を 通工 て,生 産 過程 と緊 密に 結びつ く ように な った のであ る。 し かし これ は利潤 のため の 消費者志 向 であ って, 消費 者 のため の消費 者志 向では ない 。 した がって1 つ のイ デオ ロギ ーと規定 すべ きであ る。 か くして , マー ケテ ィングは , マネジ リアル・ マ ー ケテ ィン グに おい て,イ デオ ロギ ーの側 面を 七つ こ とに なっ た。 イデ オロ ギヴは,1 つ の考え 方 ,1 つ の理 念とし て, マ ーケテ ィン グは技術 のみならず企業 全 体 の行動を 支配 す る経営 者 の意 識形 態であ る。 しか しこ の意識形 態 が,資 本主義 社 会 の現実に 一致 し,現 実を正 確に反映 す る ものであ るとは 限ら ない 。 む しろ 現実 と一 致 しな い の みならず ,現実 か ら虚偽 意識 と して形成 され るの であ る。 マ ーケ テ ィン グ理 念の成 立に よって, 企業的 マ ー ケテ ィン グ論 の構造 は 優れ て立体 化 して きた のであ る。 第6 は, マ ーケテ ィ ングがた んな る実 行 のため の技 法や 技術 で は な く, 意思決 定 と計 画の問題 が中心 に な って きた のであ る。 この ような不 確実で長 期的全 体的 な問題 の意 思決定 に は コ ミ ュニケ ーシ ョン ・シ ステ ムが 必要にな り, OR ,LP, サイ バ ネテ ィ クスな どの管 理理論 や コ ンピ ュータ ーが必要 と される よ うに なっ てきた。 今や 経 営 の意 思決定 は ,下 部 から ト ップ の問題 へ, 短 期的 か ら長 期的 へ,受 動的 な ものか ら能動 的 ,革新 的 ,創 造的 ,主 体的 な ものへ と発展 し てき たので あ る。 では ,こ の意思 決定 はい かな る過 程に おい て行 われ るのであ ろ うか,例 え ば サイ モ ン(H. A. Simon )で は, 情報 活動 ,設 計活動 ,選択 活動 の3 段階に , また クー ソ ツ(H. Koonz)と オ ート ンネル(:CO' Donnell)は , 目標 の設定 , 計画前提 の設 定 ,代 替的 行動 コ ―スの探索 お よび 検討 ,評 価, 選択 ,必要 な 派生的 計 画の定式 化 の6 段階に 分け てい る。い ず れに せ よ意思 決定過 程は決 して単 純で はない 。か くして マ ーケ ティン グ情 報シ ス テ ムは, 経 営情 報シ ス テ ムの中に 含 まれ るサ ブ・シ ス テ ムとな る。
次 に ,意思 決 定や 計 画に は ,い かに 情 報が整 備 され て 乱 将来 の予 想を 伴 う かぎ り不 確実│生か生 じる。 この不確 実性を 排除 し,意 思 決定 を 合理的に す る た めに , 最近 は経 営数学 が利 用され る よ うに な った。 し か しこれ ら の手段 は , ア メリ カに おい て も大企業 が中 心に なっ てい るの であ る。 以上 , マ ネジ リア ル・ マ ーケテ ィン グ論 の特徴を6 点 に わ た って指摘 した が, これにつ き るも のでは ない 。 第7 の特徴 は , マ ーケテ ィン グ・ ミ ックスす なわ ち統 合 戦 略をけ じめ とす る マ ーケテ ィン グ戦略 が重 要課題 と なって きた こ とであ る。 第8 の特 徴 は,シ ステ ムズ・ アプT3 ーチを中 心 とす る新 しい接 近 方法が 登 21) 場 して ,以上 の諸問 題が きわ めて活 発に 展 開 されは じめ た こ とで あ る。」 と。 そ こ でシ ス テ ムズ・ アプロ ーチ の問 題であ る。 シ ステ ムズ・ アプ ロ ーチは マ ーケテ ィング論 固有 の ア プ1==・−チ では な く, シ ステ ム論 は第2 次 大戦 中に 軍事 科学 と結びつ い て発展 し た とい わ れてい る が ,戦後 は民 間 企業に も急速に 導入 さ れたの であ って , 本来 は 社会科学 , 自 然 科学に 広範 な 適用領 域を もつ ところ のもの であ る。 シ ス テ ムズ・ アプロ ― 22) チ とは, シ ステ ム思考を 各 研究 分野に 適用す る研 究方 法 とい うこ とであ る。 とくに , こ のシ ス テ ム思考 ない しシ ステ ム論 のマ ー ケ テ ィン グ理 論への 適 用 は,戦 後 の方法 論的 反省 の後 ,行動 科学的 ない し諸 学 関 連的 アプ ロ ―チの 高 ま りの中 で, 新 たな 理論的 枠 組の形式 あ るい は 様式 概 念と して展 開 してい る とみら れ るのであ る。 か よ うなシ ステ ムズ・ アプ ロ ―チ の始 まりにつ い て, 村 田教 授は 次 の よ うにい かれ てい る。 「 シ ス テ ム研 究は ,主 と して50 年 代に始 まるが, これ に 大 きな 影響を与 え た のは, 最 初に一 般 シ ステ ム理論 の問題を 提 起した, バ ー クラ ンフ ィ(Ludwigvon Bertalanffy )であ り, そ の考え方を 発 展 させた ボ ー ル デ ィ ン グ(K. E. 耳oulding)であ る。 こ れが マ ー ケテ ィング管 理 の分野に 導入 さ れた のは ,60 23) 年 代 に なって か らの こ とであ る」 と。 ところ で問題 はこ0 シ ステ ムズ・アプp ーチ の基礎 概 念 であ る, シ ステ ム の意味 内 容であ る。一 般的 に は この 概念は, (1)目的 性(全体としての指向 目標) (2)個々 の要 素は 相互 依存 性か お り,一つ の全 体 とし て結 合 してい る。 (3 )構成 要 素 のす べて が制 御可 能 とは限 らない し, また 制御 可 能な 因子を操
マーケティング方法論序説 91 24) 作 した か ら とい っ てシ ステ ムそ の ものが操 作可 能 とは限 らない 。 とい うよ うな 意味内 容 のも のであ り, 種々 の分類 が な され てい る。 羅列的 であ るがこ れを取 りあげ る と, マクロ ・シ ス テ ム, ミクロ・シ ステ ム,トータル ・シ ステ ム, サブ ・シス テ ム, メイ ン・ シ ステ ム,上 位シ ステ ム,下 位 シ ス テ ム, オ ープ ン・シ ステ ム, クロ ー ズド ・シ ス テ ム, フ ィード バ ック・シ ス テ ム, 適応 シ ステ ム,不 適応 シ ステ ムな どかお り ,シ ステ ムの 意味理 解 と しては ,系 ,体系 ,系 統な どの訳語 があ て ら れ る ようであ る悩 表 現では ,ほ とん ど原語 その ま まを 用い てい るのであ る。 ただ 科学あ るい は学 問 の解 明におけ る知 識体系 の意 味 のシ ス テ ムは,わが 国 では戦 前に も用い られ てお り,哲学 体系 とか経 済学 体系 の よ うに一 般化さ れ ていた が , このシ ス テ ム概 念は新時 代 の概念 と して新 イ メージを以 て登場 した ものであ ろ う。 か くして科学 ない し理 論 の構成 要素 ない し単位 とし て, シ ステ ム概 念はそ の適用範 囲が 拡大 し てい るのであ る耽 科 学的認 識 に お い てはそ の方 法形式 なtヽし様式 のみな らずそ の内 容- すな わち ,視 点 ,視 座 ,視角 が より重 要 と考え ら れ るのであ る。 なお, か ような シ ステ ムズ・ アプ1==・− チ の批 判 と して 次 の よ うな ものもあ る。例 えば , ハ ワ ード(J. A. Howard )のそ れであ る。 ハ ワ ードに ょ れば , マ ーケ ティ ン グに おけ るシ ステ ムズ・ アプp ーチに 際 して の,一般 シ ステ ム と特定 シ ス テ ムの混 同 の指 摘であ る。 す なわち ,シ ステ ムズ・ アプロ ーチ適 用の通常 の手 順 は, まず 私はシ ス テ ムズ・ アプロ ーチを 適 用 し ようと思 うと い う宣 言で も っ て始 まる。そ れか ら一 般的 ・抽 象的 シ ステ ムの定義 が与 え ら れ ,同 じ く一 般的 ・抽 象的 なシ ス テ ム概 念が のべ ら れ る。 こ の ようなy 夕理 論 としての一 般 シ ステ ム論 のい くっ か の準 則を のべ て し ま うと,著者 の態 度 は一変す る。 彼 はシ ス テ ム概念を マ ーケテ ィングへ適 用す るに さい して,当 然 ふまねばな ら ぬ準則に しばら れ ることな く,そ の アイ デ ィアを展 開 す るの である。 彼は シ ステ ムの構成要 素 と して の変 数を 識別 した り,定義 した り, あ るい はそ れ ら の間 の関 連を特定 化 す るこ とに 悩む こ とは ない。 こ の ように , 一 般シ ステ ム論 の諸概 念は のべ ら れ るが ,い かな るマ ー ケテ ィン グ・シ ステ ムも構 築 され てい ない の峠 マ ーケ テ ィングへ の多 く のシ ス テ ムズ・ アプロ 25) −チの特質 であ ると。
ところで, 問題 は まだ 残 ってい る。そ れはや は りマ ー ケテ ィン グ・シ ス テ ムの認 識理解に つい て の ものであ る。シ ス テ ムズ・ アプx・− チの 基礎概 念な るシ ステ ムの認 識で も前 述 の ように 多 様であ るから して ,か ような多 榛 匠 の あ るシ ステ ムの総 合的 把握 こ モシ ステ ムズ・ アプr==・− チ なの であ る。 たし かに シ ステ ムは2 様 に 大別 で き る。 1つ は有機 体(的), 生物 的 レベ ル の ものであ り, 他 の1 つ は無 機 体(的), 物 理的 レベ ル の ものであ り, シ ステ ムズ・ アプ ロ ーチは後 者を 基 礎 とした思 考認 識であ る。 ここに社 会に お け る組 織 との関連を 明らかに しなけ れ ばな らない。 以上 の論 述 よりして ,組 織 も1 つ のシ ステ ムであ るレ この組 織 の研 究は従 前 より ,人 体 組織を は じめ とし て,社 会科学に おい て も企業 組 織 どか経営 組織 な ど組織 論的 思 考は 存在 してい る のであ る。 こ の点 シ ステ ム思考に 際 して両 者 の関係を 明確に す る こ とは重 要 と考 え られ る。 またシ ステ ムでは , シ ス テ ムとし て動 作∼挙 動(行動)シ ステ ムと情 報 シ ステ ム(量的な流れ) の区別 の認 識 も重 要であ る。 社 会 科学に おけ る 動 作 シ ステ ム, とくに 経 済社会 の動 作シ ステ ムは,そ の内 容 とし て物 質 ,人的 サ ー ビ ス(労働), 資 金, エ ネ ルギ ーの 流れ かお り, そ れに 伴っ て情 報の流 れ が 出 るのであ る。 か くしてシ ステ ムズ・ アプ1==・− チ の現 実 へ の適用に 際 して最後 の問題 は , シ ステ ム・ モデ ルのそ れであ る。 こ の問 題 とし て, レ イ ダ ー 教授(E. w.Lazer )は, シ ス テ ムを2 つ に 分け て , ① ゴ ール・ モデル と ②シ ス テ ム ズ 。 モデ ルとに し, ①は達成 さ れ るべき 課題 や 目的 が予 めは っき りしてい る時 は よい が, マー ケテ ィン グ・ シ ステ ムの ような,大 きな 複 雑なシ ス テ ムは, ② が よい とし てい る。 ②は複数 の目的を 達成し うる能力を もって活 動し てい る 実 体シ ステ ムであ る。 マ ー ケテ ィン グ・シ ス テ ムは 広い 多 様性を もつ 構成 要 素 ,諸 関連 要因お よび無 限 の変化 を 七つ 相互 関走 陸を 含 む が, おのお の の要 素 につい て の情 報は不 完全 な ので , マ ーケテ ィン グ・ マネジ メ ントはつ ねに 不 確実 性 のも とに シ ステ ムを 運営 してい るのであ る。そ して また マ ーケテ ィ ン ダ ・ シ ス テ ム は , 調 和 的 な 要 素 だ け で は な く , 不 調 和 な 非 機 能 的 要 因 を も 26) 含 んでいると述べているのである。 かくしてマーケティング理論におけ るシステム思考ないしシステムズ・ア プ=r −チの成立,展開となったのであるが,システ ムモのものは前にもふれ
マ―ケティング方法論序説 93 た ように ,事 象 の認識 ・思 考 の形式 ない し様式 であ り, そ の内容 は, マーヶ テ ィンダに おけ る行動 を対 象 と してい る のであ る。 した が って行 動科学的視 角 よりのシ ス テ ムズ・ アプ ロ ―チとい うのが正 確 な 言い方 であろ う。 そこでさ らに 進ん で,例え ば バ ―テル ズ(R. Bartels)は マ ーケ テ ィング・ ノタ理論を 提 唱 し てい る。 彼は哲 学者 ウ ッド 万一(J. H. Woodger )の概 念規 定を採 用し て,「特定 の主題 目を 扱 うT 理論 とそ のT 理 論そ の ものを主題 目 とする理論 の区別を 絶 えず 銘記 するこ とが最重 要 であ る とし,そ の特定 のT 理 論を 主題 目 とす る理論を メタ セオリ ーと呼び , 次に メ タ セオ リ ーをさ らに 区 別し て理 解 しなげ れば な らない 。そ のT 理 論 の2 つ の 側面一 構造 と意味に 応 じて,2 つ の下 位部門 の うち最 初の方 はい わ ゆ るシ ン タ ク ス(統辞論)あ るいは モル フ ォルジ ーと呼ば れ, T 理 論 の構造 の みに関 係 す る。 しか し純粋 に 構造的 側面 に加え て,1 つ の言語 の諸 要素は ,伝 達 の一 手段 と して機能す る 言語機能に よる ところ の自身 より以上 の何かに 言 及す るの であ る。そ して1 つの科 学的 理 論 の形 式化 は ,そ のノタ理 論の構 成過 程 であ るこ とを 意味 し, 最 も重要な 課題 な のであ る,そ れは不 明確 な サイ ンを 列 挙 し, 明確に し,言 明 の構造の 規則を 確 立し さ らに 言明 の変 換規 則を 確定 す る のであ る。 そ し て形式化 された 理論 は どれで 乱 明白に 形式 化 され た メ タ理 論に 伴 われる も 27) の であるU とい ってい る。 さ らに, こ れら の マ ーケテ ィング思考 の質は ,理 論 の健 全性に 関連 する七 , そ の理論 の質 は 分析 さ れる主 題 目であ り,思考 の展 開は , マ ーケ テ ィング理 論 に対す る メ タ理論 とマ ーケ テ ィング理 論 自身 の区 別を 理 解 する こ とに よっ て 容易に な る としてい る。 いかなる マ ーケ テ ィング理 論 も未だ形式 化 さ れてい ない し, また メタ理論 に 関する多 くの説 明が物 理学や 数学 諸科学 の哲学に 関 連 す るので ,現 在マ ー ケテ ィングに 対 す る概 念の応 用につ い ては ,なお簡 単 で ,探 究的 で, 仮説的 に な らざ るを 得ない のであ る。 そ れで 28) メタ理論 の必 要条 件 とし て次 の ように述 べ てい る。 1. 主 題 の確認 2. 基 礎概 念 3. 概 念内 部 の差 異 4. 概念間 の相互(依存)関 係
5. 一 般性 6. 多 様性 7. 差 異 の解 決 か ように マ ー ケテ ィン グ理論 は 進ん できた が,最 近で は , マ ー ケテ ィン グ 諸 行動 の環境 諸 要因 は従来に も増 して大 き く変 動 しつつ あ る ので, マーケテ ィング現象 も再確 認 され ねば ならぬ とい わ れ,企業的 マ ー ケテ ィン グ,経営 者的 マ ーケテ ィン グ(マネジリアル・マーケティング)な どの ミクロ ・マ ー ケ テ ィン グが 再検討 さ れっ っ あ り。, ココジ カル・ マ ーケ テ ィン グ, ソーシ ャ ル・ マ ーケテ ィン グな どの マ クロ・ マ ―ケテ ィン グの新 理論 な ど の展開が始 まっ てい る。 こ れら0 マ ー ケテ ィン グ理 論は ,前 述 の ようにい ず れ 乱 マ ー ケテ ィン グ 諸 活動 の特に 環境 要 因 の大 き な変化 ,技 術的 進歩性 な ど よりす る新 たな マ ー ケテ ィン グ理論り 対 応展開 として始 まってい るのであ る。 か くして1969 年 , コト ラ ー(P. Kotler)とレビ イ(SJ. Levy )が, ソ ーシ ャル・マ ー ケテ ィン グを 提唱 して後 ,さ らに は ソサイこ タ ル・マ ーケテ ィソ 29) グとい う名称で 特 徴づげ ら れ展開 さ れてい る。そ れは , 企業 と社 会 との関係 を 特 に重視 し て お り, 消費 者 ない し市民 の ニー ズ(needs) と欲求 の充 足を 起点 と した マ ー ケテ ィン グ理 論 であ る。
レイダ ー(W. Lazer ) と ケリ ー(:E. J. Kelley)に ょ れ ば, ソ ーシ ャル・ マ ー ケテ ィン グとは ,経 済的 目的 と社会 的 目的を 達 成す るため の, マ ー ケテ ィ ン グ知識 ,概 念, 技法 の活 用, ならび に政策 ,意 思決 定 ,行動 の社会的重 要 39) 性に 関 係す るも のに 分け てお り,現 代 のマ ー ケテ ィン グの概 念枠 として, 次 図 の よ うな見解 を表 明 す る と共に , また ソ ーシ ャル・ マ ーケテ ィン グ理論 の 31) 構成 に必 要な 項 目の 提案を行 な ってい るのであ る。 そ れは (1) マ ーケテ ィン グの 目的 は ,短 期的 な経済条 件 の 中で定 義さ れ なけ れば なIら ない 。 (2) 社 会 の目的 は,全 社会 的 福祉 の追 求 と,そ れに 関係 す る企 業 の福祉追 求 の姿勢 に 求 めら れ る。 (3) 市 民 として の消 費 者は ,個人的 欲求 と ニーズの 追求 の みならず ,社 会 の欲求 とニ ーズ の達成 に 関心を もってい る。 この ような必 要性 は, 環境
マ ーケテ ィン グ方 法論序 説 現 代 マ ー ケ テ ィ ン グ の 概 念 枠 マ ー ケ テ ィン グ マ ネ ジリア ル 志 向
レ ニ匹 こ前│
刊
マ ネ ジ リア ル・マ ー ケ ティン グ : 政 策 、 戦 略 、 意 思 決 定 ソ ー シ ャ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ : 視 角 と 視 点 マネ ジリアル・マ ーケ ティングの概 念枠 マ ネジリア ル・アプロ ーチ マ ーケテ ィン グ・ ミッ クス マ ー ケテ ィン グ・コン セプ ト 消費者 とマ ーケティン グ行 動 人口統 計 消費 者行 動 ラ イ フ ・ ス タ イ ル と 価 値 マー ケティ ング・マ ネジメント 活動: シ ステム ズ・コン テキスト マーヶ テ ィング意思決 定 マ ーヶ ティン グ機会ア セ スメ ント マ ーヶ ティン グとプロ グラミン グ マ ーケ ティング組 織とリ ーダー シップ 統 制 多国籍 マー ケティ ング マ ーケテ ィン グ・ ミッ クスの管 理 商 品 と サ ー ビ ス コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 流 通 ソーシ ャル・マ ーケ テ ィン グの概念枠 マ ー ケティン グの変 化しつつ ある 社 会的役割 消 費者・ コンシュ ―,マ リズム 、およ び マ ーケ テ ィン グ 性 質 と発展 反応 とかか お りあ い マ ーケ ティン グ活動: 社会的視 角 社会的お よび 倫理 的 生活 の質 政府 のインパ クト 企業マ ーケテ ィン グ マ ーケ ティン グ・ ミッ クスの 社会的 か か お り あ い 商品 とサービ ス コ ミュニケー ショ ン 流通 一 一-1 _ _ _ _ _ _ − 一 一 一 一 」匹 ザ ニ ロ
95 要因に より規定 され る。 (4) 製 品は 経 済的 な もの として だけ でな く,社 会的 な ものと して も定義づ け られ なけ ればな らない。 帽 費 用 と利 益 は,経 済的条 件 だけ でな く, 社会的 条 件 の もとで も考え ら れなけ れば ならない。 (6) 望 ましい 社会的 優先権 は,個 々 の企業 とマ ー ケテ ィン グ意 思決定 者の 双方 に存 在す ると仮定 され る○ (7) 政府 は, ソーシ ャル・ マ ーケテ ィ ン グの中 で重要 な役 割を もってい る。 (8) トータル ・マ ーケテ ィン グ・シ ス テ ムとそ の構成 諸 要素 は,経 済条件 と同様に ,社会条 件 のな かで 評価 され なけ ればな ら なしヽ。(9) 社 会 の 種 々 の 集 団 の 目的 と願 望 の 間 に 矛 盾 が 存 在 す る た め , マ ー ケ テ ィン ク計 画 は , す べ て の必 要 性 に 適 合 す る こ とが で き な い 。 ㈲ 企 業 の 意 思 決 定 と プ ロ グ ラ ムは↓ 経 済 的 基 盤 と 同 様 に 社 会 的 基 盤 か ら も監 査 さ れ るべ き で あ る 。 ㈲ 現 実 的 な 経 済 の 目的 が 実 現 さ れ な げ れ ば , 社 会 の 目的 は マ ー ケ テ ィ ソ 力 こ よっ て 達 成 さ れ る ご とが で き な い 。 とい う の で あ る 。 と こ ろ で 前 述 の と こ ろ より し て 方 法 論 的 に み て 第2 次 大 戦 後 の マ ー ケ テ ィ ン グ 理 論 の 新 展 開 に 大 き く貢 献 し て い る の は , オ ル ダ ー ソ ン の 機 能 主 義 的 理 論 で あ り , レ千 ザ ー及 び ケi; ー の シ ス テ ム理 論 お よび ソ ー シ ャル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ理 論 で あ り , バ ー テ ル ズ の メ タ理 論 な ど で あ るよ そ し て ま た , こ れ ら の 統 合 も 始 ま っ て お り そ れ は と くに マ ネ ジ リ ア ル ・ マ ー ケ テ ィン グ論 に お い て 進 ん でい る ので あ る 。 な お 他 方 に 於 て 歴 史 主 義 的 方 法 論 と もい うべ き , マ ル ク ス の資 本 論 的 分 析 の方 法 も展 開 さ れ てい る が , 今 こ こ で は 取 り 上 げ な い こ とに す る。 そ こ で 最 後 に な る が 先 学 諸 家 の理 論 構 成 の 摂 取 反 省 の上 に た ち , マ ー ケ テ ィン グ理 論 の 再 構 成 を 行 な っ て , 未熟 に し て つ た な い 私 の マ ■, Iケ テ ィン グ理 論 方 法 を 提 出 す れ ば , 以 下 の よ う であ る。 ま ず 第1 に 方 法 論 と し て は , ほ と ん ど オ ル ダ ー ソ ソ と 同 じ で あ り , た だ 彼 の 機 能 な る 言 辞を 構 造 に 換 え た よ うな も ので あ る。 し た が っ て , 構 造 主 義 的 方 法 論 と よび た い と こ ろ で あ るが ,一 般 的 に は , 構 造 ・ 機 能 的 方 法 論 とい う の が 正 確 な 名 辞 で あ ろ う。 次 は , 構 造 お よび 機 能 の概 念枠 であ る。 私 は マ ー ケ テ ィン グ 理 論 の大 き な 領 域 と し て は 社 会 科 学 を 以 て認 証 回,考 し てい る が , か よ うな 限 定 の な か よ り 構 造 お よび 機 能 の , 本 質 具1生を 特 徴 づ け るな ら ば , 構 造- ① 形 式 的 , 配 分 的 ② 偏 差 的 , 階 層 的 ③ 全 体 的 , 統 合 的 ④ 無 意 識 的 ⑤ 諸 要 素 のあ る 位 置 へ の 配 分 に か かお る。 機 能- ① 内 容 的 , 代 替 的
マ―ケティング方法論序説 97 ②並 列的 , 水平 的 ③個別的 , 特殊的 ④意識的 ⑤担当 役割 にか かお る。 と なる。 しか し機 能主義 者 は機 能か構造 を決定 す ると信 じ 七い る とオル ダー ソン 亀述 べ てい るが, 純理的 に は機能 も構造 も同一 資格 のはず であ る。 とに か く社会科 学に おい ては,構 造 と機 能は不 可分 であ り, 相 互作 用的 であ る。 したが ってマ ー ケテ ィン グ方 法論 とし ては,構 造 ・機 能 的方 法を 以 てこ こに 提 出したい と思 う。そ こ で オルダ ー ソンに準 じて方 法論 の要約 表を 図示 すれ ば 次の ように な るであろ う。 マーケティング要約表 時 間 外部 環 境 目 的 予 想 八 評 価 口 計 画 管 理 哀 思 決 審 言 一 ブ: 情 報 評伝蒐 価達集 シ 子 ア ム 指 一 不 万 万 | 構 造 商 品 ・ サービス 経 路 販売促進 価格 投 入 産 出 法政律治 的的 組 織 システム 人 的 労 働 コニーネルギー 知識・技術 研究・開発 勢 力 組織改善 経 済 的 財 務 システム 資金(費用) 利 益 ( 損失) 空 間 社 会 的 操 作 システム 原 材 料 半 製 品 機械設備 購 買 分類取揃 商 品 ・ サービス 文 化 的 物 的流通シス テム 保管在車 輸 送 商 品 ・ サービス
1)R. Bartels : The History of Marketing Thought, 1976, Chapter Three, p. 30 ―31.2
) 森下二 次也監修「 マ ーケテ ィン グ経済論」(上 巻) 橋本勲 寸 マ ーケティン グの 方法論批判J p. 22−233
4 ) 5 ) 6 )
橋 本 勲 「 現 代 マ ― ケ テ ィ ン グ 論 」1973 年, p. 33―35 同 上 ,p. 44E.
J. Kelley : Marketing: Strategy and Function, 1965, p. 12 f 橋 本 勲 「 現 代 マ ― ケ テ ィン グ 論 」1973 年 ,p.55 引 用
7 ) 村 田 昭 治 著 「 マ ー ケ テ ィン グ ・ シ ス テ ム 論 」1970 年, p. 66―67 8 ) 荒 川 祐 吉 著 「 現 代 配 給 理 論 」1960 年 ,p. 107 9
), 10)E. A. Duddy &D. A. Revzan : Marketing ―-An Institutional'Approach, 1947, p. A, p. 105n
) 荒 川 祐 吉 著 「 現 代 配 給 理 論 」1960 年, p. 51―5212 ) 同 上 ,p. 5213
)J. R. Commons:The Economics of Collective Action, 1950, p. 5314 ), 15), 17) 橋 本 勲 著 「 現 代 マ ー ケ テ ィ ン グ 論 」1973 年 ,p. 5216
)G. Schwartz: Development of Marketing Theory, 1963. 出 牛 正 芳 訳 「 マ ー ケ テ ィ ソ ダ 理 論 の 展 開 」1965 年. p. 116, p. 127 −18
)H. H. Maynard, T. N. Beckman and w. c. Weilder : Principles of Mar- keting, 192719 ) 橋 本 勲 著 「 現 代 マ. ケ テ ィ ン グ 論 」1973 年 ,p. 3520 ) 同 上, p. 36―3721 ) 橋 本 勲 「 現 代 マ ― ケ テ ィ ン グ 論 」1973 年, p. 70―7922 ) 同 上 ,p. 5923 ) 村 田 昭 治 「 現 代 マ ー ケ テ ィ ン グ 論 」1973 年 ,p. 1324 ) 和 田 禎 夫 「 シ ス テ ム 技 術 の 話 」1970 年, p. 22一2325 ) 村 田 昭 治 「 現 代 マ ー ケ テ ィ ン グ 論 」1973 年, p. 5626
)W. Lazer: Marketing Management:A Systems Perspectives, 片 岡 一 郎 監 訳「 現 代0 マ ー ケ テ ィ ン ダー マ ー ケ テ ィン グ ・ シ ス テ ム 究 明l 」1974年, p. 14―1527 )R , Bartels : Marketing Theory and Metatheory, 1970, p. 3 ―428
』 同 上 ,p. 429
) 加 藤 勇 夫 「 マ ー ケ テ ィ ン グ ・ ア プl==・− チ 論 」1979 年 ,p. 264, 272, 275. A。
El-Ansary, "Towards to Definition of Social and Societal Marketing," Journal of the Academy of Marketing Science, Vol. 2 (Spring 1974 ), p. 316,
319
30) W. Lazer and E. J. Kelley, Social Marketing : Perspectives and Viewpoints, 1973, p. 4
加 藤 勇 夫 , 同 上 (29 ), p. 26531 ) 同 上, p. 269