タイ国の森林土壌 にお け る物 質量 とその循 環
無 機 養 分 に つ い て
-堤
利夫
・ 菅
誠 ・Choob KHEMANARKTheAmountofPlantNutrientsand TheirCirculation in theForestSoilsin ThailarLd
- theAmountofBases,Phosphousar ndtheir Circulatio
n-by
TosbioTsUTSUMI,MakotoKAN and ChoobKHEMANARK
は じ め に タイ国森林 土 壌 につ いて の2,3の物理 性 と炭 素 , チ ッ素 量 につ い て は前 に報 告 した。16) こ の報 告 はそれ に 引続 き,土 壌 中の無 機 養分 量 を 中心 と して と りま とめ た もの で あ る。 調 査 地 や調 査 方 法 な どにつ いて は前 報 にのべ た とお りで あ る。 1 置 換性塩 基 の濃 度 につ いて 土 壌 の 置換 性 塩基 の含有 率 を Peech法 に基 づ き,酢 酸 ア ンモ ンを 用い る方 法 で
抽l
L
1-日J,Ca十十, Mg十十 は EDTA 滴 定 法 ,K十
,Na' は炎 光 分析 に よ って定量した。 分 析結 果 を乾土 100g あた りの ミ リグ ラム 当量 で示 した もの が表 1で あ る。 また, Ca十十, MgH,K+,Na+の合 計 量 (me/100g)の多少 を森 林 型 ご とに ま とめ た もの が図 1で あ る。 塩基 の 含有 率 は同 じ種 類 の森林 で あ って も違 い が大 き く,両 者 の問 には っき り した関 係 はみ られ ない。 PTC*地 区 だ けにつ いて み る と, 斜 面上 部 の PTC 3,7 で は斜面下 部 の PTC 5,6,12,20に 比 べ て塩 基 含有 率 が極 めて低 い。 しか も森 林 の 種 類 の違 い を こえて , 斜 面上下 の差 が み られ る。 す なわ ち,PTC 7,5,6は DDF,PTC 3,12,20は DEF で あ った。 この よ うな斜面 上 部, *森 林の種類 および調査地 の略号 につ いて は本誌第4巻第2号 に掲載 の拙稿を参照 され たい。 - 95- 897東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 表1 置 換 性 塩 基 含 有 率 (me/100g) PTC 5I0-5cm 5-1010-2020-3030-5050-70 0 4 7 8 9 6 4 1 1 3 0 0 0 0 1
5
4 00 3 0 6 4 1 1 4 0 0 0 0 1 8 6 8 8 0 7 3 1 1 5 0 0 0 0 1 1 4 0 5 0 3 4 2 1 1 1 0 0 0 29
2 3 2 60
6 2 1 0 3 1 0 0 5 〇 ・ 5 0 ・ O o ・ 3 0 ・ 2 1 ・ ー 肌 0.50 1.85 0.25 0.21 2.81 1 8 1 4 4 5 0 3 2 1 0 0 0 0 1 56 2 1.94 2 9 0 2 1 0 0 0 5 0.54 0.07 0.20 0.21 1.02 0 9 8 2 9 5 0 2 2 0 2 2 0 0 5 6 ハU 6 6 5 1 2 2 0 0 0 0 6 5 8 3 2 2 0.31 0 2 2 7 0 5 Ca十十 ≧ 4.76 Mg十十 】. 1.97 0.25 0.12 i 計 .7.10 9 7 6 6 8 5 1 2 1 1 0 0 0 0 1 3 7 8 3 1 3 6 2 1 4 1 0 0 0 2 Ca++ 1112.6 6.94 Mg++ 】 4.87 2.93 0.61 0.48 0.16 0.19 18.2410.54 6 9 0 8 3 1 3 5 3 4 3 3 0 0 7 0 3 9 7 9 6 6 3 2 8 2 1 0 0 4 2 2 5 6 5 6 6 2 1 6 1 1 0 0 3 0 8 8 4 0 5 1 1 1 0 1 1 0 0 3 7 5 8 3 3 6 3 1 1 3 1 1 0 0 3 NPN 1 Ca十十 Mg++ K+ Na+ 計 20-3030-5050-70 0.45 0.50 0.50 0.21 0.21 0.30 0.20 0.23 0.28 0.22 0.21 0.47 1.08 1.15 1.55 9 4 4 5 9 2 0 0 0 0 ⋮ 一 2 " 1 0 ⋮ 品 i 3 玩 5 5 0 00 5 1 2 1 0 0 0 0 1.08 5 5 6 5 1 5 2 2 1 2 0 0 0 0 1 6 5 7 9 4 3 nU 0 0 5 9 2 2 〇 一 0 . 0 . 0 . 0 . 2 . 一 . -6 . -3 . 31 . 15 竺 0 1 0 0 2 " 4 0 2 0 6 7 3 4 2 6 ︰ 1 2 0 0 4 ; 3 5 0 4 2 ㌣ 6 3 0 0 1l 6 2 4 2 4 0 6 3 2 2 2 0 0 0 3 5 4 6 3 8 1 0 2 2 6 1 1 0 0 2 8 2 1 2 3 5 4 3 2 5 1 1 0 0 3 1 9 0 8 8 4 8 3 1 7 2 1 0 0 4 9 6 0 3 8 8 5 3 1 8 3 2 0 0 6 9 8 1 8 6 1 9 3 1 6 7 2 0 0 0 1 1 5 6 6 8 7 1 2 1 2 0 2 0 0 3 7 5 6 8 6 7 3 2 1 5 0 2 0 0 3 1 0 1 9 1 4 6 2 1 4 1 3 0 0 5 0 2 3 0 5 2 3 2 2 9 2 3 0 0 5 3 8 4 9 4 0 0 3 1 6 4 4 0 0 8 3 9 6 9 7 6 2 4 1 5 7 4 0 0 2 1 3 2 9 5 9 5 3 1 0 0 0 0 0 0 1 8 1 2 5 6 5 2 1 0 9 0 0 0 0 0 3 7 0 5 5 5 2 1 0 9 0 0 0 0 0 9 7 9 3 8 6 2 0 0 0 0 0 0 0 1 9 8 1 3 1 6 4 1 0 3 0 0 0 0 1 8 2 2 4 6 2 1 1 0 5 1 1 0 0 2 9 1 3 6 9 5 1 1 0 8 0 0 0 0 0 4 1 2 6 3 6 1 1 nU 9 0 0 0 0 0 3 1 4 6 4 5 1 1 0 8 0 0 0 nU 0 8 1 9 3 1 4 1 0 0 7 0 0 0 0 0 8 6 1 5 0 4 1 1 0 8 0 0 0 0 0 5 2 7 7 1 7 3 1 0 3 0 0 0 0 1 SNI 3 Ca++ 0.53 0.48 0.37 Mg++ 0.ll 0.06 0.13 K. I o.13 0.12 0.09 3 0 8 5 2 0 0 0 0 2 9 8 8 7 0 5 1 0 8 1 0 0 0 1 3 3 2 8 6 1 1 2 0 5 1 1 0 0 2 9 5 0 5 2 1 8 5 7 1 0 8 0 0 3 3 6 2 7 8 5 1 1 0 8 0 0 0 0 0 3 7 1 8 9 5 2 1 0 9 0 0 0 0 0 9 6 5 7 7 5 1 1 0 9 0 0 0 0 0 3 7 4 3 7 5 2 1 0 9 0 0 0 0 0 0.59 0.59 0.53 0.43 0.11 0.11 0.11 0.21 0.17 0.18 0.16 0.17 0.05 0.10 0.05 0.05; Na+ 0.04 0.04 0.03 計 0.81 0.70 0.62 - - -0・92 0・98 0・85 0・86日 - 96一 4.83 2.74 1.50 1.73 0.20 0.18 0.10 0.07 6.63 4.72 MKD 3 【 ca.+ E 1.94 0.59 0.54 1.08 0.17 0.21 0.07 0.07 Mg++ K+ Na+ 4 1 7 7 9 6 1 1 0 9 0 0 0 0 nU 8 2 6 9 5 0 3 1 0 6 1 0 0 0 1 SNI 4 Ca++ MgH K+ Na+ 計 898堤 他 :タイ国()森林土壌 に お け る物 質 量 とそ の循瑞 3 1⊥ 2 8 4 4 2 1 0 8 0 ∩︺ 0 0 0 3 1 0 0 4 4 2 1 1 8 0 0 0 0 0 3 1 6 0 0 4 2 1 1 9 0 0 0 0 0 3 3 8 5 9 4 3 1 0 9 0 0 0 0 0 6 2 7 0 5 5 2 2 1 1 (U 0 0 O 1 4 2 0 6 2 7 6 4 1 9 nU 0 0 0 1 Ca十十 Mg+ K+ Na+ 計 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 6 2 2 3 5 1 1 1 9 . 0 0 0 0 0 ⋮ 9 1 7 8 5 " 6 1 0 0 9 ︹ 80 16 09 08 13 " 5 2 1 0 9 ㌦ 1 0 0 0 1 0.53 0.51 0.51 Ca十十 13.8 13.9 14.0 16.8 21.8 33.8 0.12 0.07 0.06・ K+ 0.59 0.63 0.55 0.47 0.29 0.20 0.85 0.69 0.68・ 計 ・18.9919.1718.7520.9624.7035.75 3 3 1 7 7 3 2 1 3 2 2 0 0 5 日Hリ : 9 2 0 0 1 8 3 2 1 5 5 1 0 0 7 9 1 0 1 1 9 3 2 1 6 5 1 0 0 7 3 3 8 9 3 8 5 1 0 6 7 1 0 0 9 0 1 0 1 2 3 2 1 8 0 2 0 0 2 1 1 0 7 3 5 3 2 1 2 3 3 0 0 7 1 ・-・1 7 9 4 8 8 5 6 2 0 5 1 3 0 0 5 8 1 6 8 3 3 2 2 0 9 1 3 0 0 4 7 2 6 9 4 〝 4 0 2 0 8 ︰ 4 4 2 JT 4 8 9 2 0 0 1 2 0 0 5 5 9 8 4 6 9 5 2 0 8 2 3 0 0 6 8 9 4 9 0 4 1 2 0 0 2 1 0 0 4 l 1 0 0 3 一 8 1 2 0 3 一 l 1 0 0 3 一 9 4 2 7 2 一 9 7 1 2 2 1 4 8 8 2 0 7 nU nU 3 9 5 8 7 6 2 3 0 6 4 0 0 PKD 9 0.98 MgH 0・10:= K+ 0.30. Na十 1.81 計 DCI Ca++ Mg' K+ Na+ 計 11.39 Ca十+ 2.92 MgH 1.41 K+ 0.21 Na+ 0.08 計 4.62 2 4 2 5 3 5 1 3 0 0 0 0 0 0 1 7 9 8 5 9 5 1 3 0 1 0 0 0 0 1 7 9 4 7 7 1 4 4 0 1 2 0 0 0 3 8 9 1 6 4 0 7 5 0 .4 3 0 0 0 4 7 2 8 9 6 7 5 5 0 9 4 1 0 (=U 6 8 7 9 1 5 5 6 6 1 0 8 2 0 0 2 1 1 6 3 7 7 5 1 2 0 9 0 0 0 0 0 1 8 4 7 0 5 1 2 0 0 0 0 0 0 1 1 2 9 5 7 5 3 2 0 1 0 0 0 0 1 5 8 7 4 4 5 2 2 0 1 0 0 0 0 1 9 3 8 4 4 6 2 2 0 2 0 nU 0 O 1 3 0 9 7 9 2 5 3 0 1 1 0 0 0 2 899 CMI Ca++ MgH K+ Na+ 計 KCG 4 Ca十十 Mg+⊥ K+ Na+ 計 1 7 2 3 4 6 1 1 0 0 0 0 1.33 4 1 2 5 2 6 1 1 0 9 0 0 0 0 0 5 1 5 (X リ 9 7 1 1 0 0 0 0 0 0 1 4 7 7 1 9 2 2 1 1 7 1 0 0 0 1 6 1 2 2 1 4 5 1 1 2 0 0 0 0 1 3 5 0 7 5 4 7 1 0 3 0 0 0 0 1 8 8 9 8 3 4 4 0 0 1 0 0 0 0 1 1 .1 2 8 2 6 6 3 0 6 0 0 0 0 1 9 4 3 7 3 4 4 2 0 2 0 0 0 0 1 4 8 6 9 7 5 4 2 0 3 0 0 0 0 1 4 5 0 6 5 0 0 9 8 1 1 0 0 nU 0 2.01 2.76 0.65 2.83 0.98 0.65 0.60 0.36 0.23 0.10 0.09 0.07 6.2 9 2.08 1 .49 16.2 15.4 13.7 11.7 10.7 10.4 5.44 2.64 2.36 2.17 1.60 1.70 0.52 0.31 0.25 0.22 0.22 0.20 0.09 0.09 0.18 0.09 0.07 0.0 8 22.2518.4416.4914.1812.5912.38 2 3 6 7 8 8 6 2 0 7 0 0 0 0 1 4 2 6 7 9 0 7 2 0 0 1 0 0 0 2 9 1 6 8 4 5 9 2 0 8 1 0 0 0 2 3 6 4 7 0 7 3 2 0 4 2 1 0 0 4 2 2 nU 9 3 9 8 3 nU 1 3 1 0 0 6 9 7 3 0 9 0 3 3 1 8 5 2 0 0 7 PBL Ca++ Mg+ K+ + Na 計 ・ I : 一K。 誌 針 柑 封 一K 十 + 十 α Mg 附 相 計 計 PP 寺 二 八 ,3 =・I l . ㍗ 2 ⋮G・C ⋮K 0 4 4 7 5 5 1 2 0 9 0 0 0 0 0 9 8 3 5 5 5 1 2 0 0 0 0 0 0 1 9 8 4 5 6 5 1 2 0 0 0 0 0 0 1 4 8 2 5 9 6 1 3 0 1 0 0 0 0 1 4 1 9 7 1 1 4 3 0 0 1 0 0 0 2 5 8 2 7 2 6 1 4 0 3 2 1⊥ 0 0 4 十 + 十 ・・-; ::J: _ ・ .I・-; ・ 0 4 9 9 2 5 1 3 0 1 0 0 0 0 1 0 4 4 9 7 5 1 3 0 0 0 0 0 0 1 5 4 6 8 3 4 1 2 0 9 0 0 0 0 0 0 4 3 5 2 5 1 2 0 9 0 0 0 0 0 0 4 3 9 6 5 1 4 0 1 0 0 0 nU 1 4 8 8 8 8 6 1 2 0 1 0 0 0 0 1 + sTL 訂 附 等 9 7
東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 0-5cm潔 10-20cm3m,1i 50-50cm潔 X X
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M E H T D M E H T D T H EM
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砂 岩 ○ 荘 槻 呂 ×石 灰 岩 D:DDF M:MDF E:DE仁 H:HE戸 T:TEF 図1 置換性塩基量(Ca++,Mg十十,K+,Na+の合計量) 下 部 の違 い は表層土 に著 し く,斜面下 部 の もの ほ ど表層土 にお け る含有 率 が高 い といえ る。 この よ うな地形 の違 い に応ず る塩基 量 の違 い は LPN 地 区, KCG 地 区で もみ られ る。 す な わ ち,LPN 3 (上部) は LPN 6 (下 部) よ り,KCG 4 (上 部) は KCG 2 (下 部) よ り表 面 の 含有 率 が低 い。 これ らの傾 向は地形 が塩基 の含有 率 , と くに表層 土 にお け るそれ に大 きな関係 を も って い る ことを示 して い る。 わが国 の褐 色森林土 において も,斜面下 部 の ものは上 部 の もの よ り塩基 に とみ,飽 和 度 も高 い ことが知 られ て い る。2,18) 斜面下 部 で は適 潤性 ない し弱 湿性 の土壌 が発 達 し,上 部 の もの と様 々の性質 において差異 が み られ るが, それ は主 に,地形 の違 い に応ず る水 分環境 の相 違 に よ る もの と解 され て い る。 同 じよ うな傾 向が南西 諸 島の林地 で も認 め られ て い る12)0 本調査結 果 も同 じ傾 向を示 す もの と考 え られ, タイ国 の林地 において も地 形 が局 地 的 な塩基 量 の違 いを ひ きお こす一 つ の重要 な要 因 とな って い る もの と考 えて よいで あろ う。 PTC 地 区で み られ た よ うに, 土壌 の塩基含有 率 には地 形 の影 響 が著 し く, 森林 の種 類 の違 い によ る差異 は 目立 た ない。 斜面上 部 にあ る DEF (PTC 3)と DDF (PTC 7)との問 には採 取時水分 量 や物理 的 な性 質 において幾分異 な って い た16)が,塩基 含有 率 においては ほ とん ど違 いが ない よ うで あ る。 斜面下 部 の DDF (PTC 5,6)は DEF (PTC 12,20)に比 して幾分 乏 し い傾 向 を示 して い るが, これ が森林 の種 類 に よ る違 いで あ る といい きれ るほ どは っき りした も ので は ない。 900 - 98-堤 他 :タイ国 の森林 土壌 にお け る物 質 量 とそ の循 環 な お,PTC7と同 じ く斜 面上 郡 に あ って 抄岩 ,硬 岩 を母 材 とす る, か た く浅 く,有 機 物 や チ ッ素 に乏 し く, 乾季 にはげ しい 乾燥 に さ らされ て い る NPN 1,PKD 7 な どの DDF で は いず れ も塩基 含有 率 が小 さい か ら, この よ うな土壌 に成 立 して い る DDF は一 般 に塩基 に も極 めて 乏 しい土 壌 とな って い るで あ ろ う。 表 1に明 らか な よ うに,PKD6,PKD 9,LPNlで は塩基 含有 率 が他 に比 して多 い。 これ ら は石 灰岩 を母 材 とす る土 壌 で あ って, 後 に もの べ るよ うに, CaH の含有 量 が極 めて多 か った。 母材 の性 質 が土 壌 中の塩基 遠 に大 きな関 係 を もっ こ とは よ く知 られ て お り,竹 原11'も南 酉 諸 畠 で石 灰岩 土 壌 に置換 性 石 灰 が著 し く多 い こ とを報 告 して い る。 花 園岩 を母 材 とす る CMI,KCG 地 区 の もの は砂岩 を 母 材 とす る もの に比 べ , 合計 量 に おい て と くには っき りした違 い は ない が
,
後 にのべ るよ うに K+の含 有割 合 が大 きい傾 向を示 した 。 こjtらの こ とか らタ イ国 の林 地 にお いて も母 材 料 の違 い が土 壌 中の塩基 量 に大 きな関 係を も って い る もの と考 え られ る。 東 北 タイ東 部 MKD 地 区,SNI地 区の MDF 地 帯 で は塩基 員 は一 般 に乏 し く,PTC 地 区の 斜面 上 部 の もの とほぼ 同 じ程 度 にす ぎなか った。 これ を 北 タ イの TSL,LPN3,6な ど同 じ く 砂岩 を母 材 とす る MDF と比 較 す る と,表 1に明 らか な よ うに, 北 タイの もの の方 が多 い よ う で あ る。資料 がす くない散 , これ を も って地方 差 とみ るわ け にはい か ないが,東 北 タイ東 部 の もの は採 取時 水分 量,有機 物 , チ ッ素 に お いて も乏 し く16), 同 時 に塩基 に も乏 しい土 壌 で あ る とい え る よ うで あ る。HEF や TEF につ いて は資料 が極 めてす くな い。 高海抜 地 に あ る HEF につ い て は PKD1,2
で塩 基 に乏 し く, CMI地 区で も有 機 物 が著 し く多 か った こ とを考 慮 す る と, と くに多 い とは い え ない の で は ないか と思 われ る。HEF で は低地 の もの に比 し, 有機 物 の分解 が お くれ , 水 分 に も恵 まれ て い るので16),塩基 の流 亡が助長 され る 可能 性 が あ る. TEF の もの もいずれ も塩基 に乏 しか った といえ る。 ここで は高 温 で有 機 物 の分解 がす す み, 土壌 は有機 物 に乏 しい一 方 ,乾季 が短 か く,強雨 に さ らされ る こ とが流亡を助 長 して い る もの と思 われ る。 この よ うにみて くる と,土 壌 の塩 基 量 は土 壌 の有機 物量 や 降水 量 な どと密接 な関 係 を もって い る よ うにみ え る。 そ こで タ イ国 で え た結 果 を この観 点 か らま とめ て み よ う。 林地 の表 層 土 は一 般 に有機 物 に とみ ,有 機 物 は塩基 置換 容 量 が大 きい ので ,有 機 物 冒二と
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17_換 容量 との問 に密接 な関 係 が あ り, 両'li 18)も ヒバ林 土 壌 につ いて , と くに表層 土 において 腐 植 の もつ意 味 が大 きい こ とを示 した. こ こで は置換 容 量 を測 定 して い ない ので, 吊換 性 塩基 の含有 率 と炭素 含有 率 との関係 を表層 土 (0-5cm 深 ) につ い て み る と図 2の よ うで あ る。 す なわ ち, 全 体 と して は一 定 の傾 向 を示 さな いが, 石 灰岩 土壌 (図中>印) の3点 を除 く - 99- 901東 南 ア ジ ア 研 究 と, 有 機 物量 がす くな い と塩基 量 もまたす くな い とい う関係 が認 め られ る。 この うち,SNI地 区,MKD 3,PTC 3,7,TSL,HEF,TEF,の も の はその他 の もの に比 して 同 じ炭 素 量 に対 す る 塩基 量 がす くない。TSL は海抜 約 700m で あ ったか ら,東 北 タイ東 部 と くに SNI地 区,HEF を含 む高 海抜地 ,TEF,PTC 地 区斜 面上部 で は 塩基 含有 率 が低 いばか りで な く, 単 位炭 素量 あ た りの塩基 量 もまたす くない といえ る。 石 灰岩土壌 で は単位炭素 量 あた りの塩基 量 が 他 の もの よ りい くらか多 い よ うで あ った。 なお,PTC地 区 につ いて 70cm 深 まで の各深 さの もの につ い て 炭素 含有 率 と塩基 含有 率 との 関係 を図 に した ものが図 3で あ る。 この図 で は, 斜 面下 部 の PTC5,6,12,20で は深 さに無 関係 にほぼ 同一 の 直 線 関係 を 満 足 し, 斜 面上 部 の もの は これ よ りず っと下 方 にず れ,斜 面 中腹 の PTC llは両 者 の 中間 にあ る点 が注 目 され る。 この よ うに土壌 の置換性 塩基 量 は有 機 物量 の 902 第4巻 第5号 2 5 4 C % ODDF xMDF
●DEF △ HEF 米 TEF
〉は石灰岩土壌を示す 図2 表層土の炭素含有率 と置換性塩基 (Ca十十,Hg十十,K+,Na+の合計量) 1 2
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0
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●PTC5 oPTCS ▲PTCb vPTC7 ◎PTCll xPTC12 A PTC20 図3 炭素含有率 と置換性塩基(Ca++,Mg++,Na+,K+)との関係(PTC地区) - 100-堤 他 :タイ国の森 林土壌 にお け る物 質 量 とそ の循 環 関数 と して あ らわす こ とがで きる と して も, それ は土 壌 に よ って異 な って お り, 塩基 含有 率 の低 い林地 で は 有機 物遠 に対 す る相対 値 もまた低 い。 降水量 の多少 は土壌 の塩基 量 に 密接 に 関 係 して い る
。
4
'各調査地 は 山地 にあ って , 平地 にお け る降水 量 の観測値 を その まま使 用 で きない ので, ここで は乾季 の は じめ にあた る採 取 時含水率 を 乾季 にお ける乾燥 の すす み方 の度合 を あ らわす もの と して 取扱 い16',塩基 量 との関係 を し らべ た。 その結果 を図4に示 した。 この図 によれ ば, 両 者 の問 に一 定 した関 係 は認 め難 い よ うで あ る。 しか しなお,DDF
で は一 般 に乾燥 が すす み, 塩基 量 がす くな く,TEF
やHEF
で は土 は 充分湿 っていて, しか も塩基 に乏 しい か ら, 図 中点線 で示 した よ うに, 採 取 時含水 率 が中 庸 の ところで塩基 量 が最 も多 くな る とい う 関係 を期待 す るこ とはあなが ち無理 とはいえ ないで あろ う。 10 A一
17 --
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・ ム { ム 20 4C) ()0 8O 含 水 率 C/0(対宙7lく董) ●PTC地区 0東北タイ東部 APKD畑区 ×北タイ *南タイ 図4 表層土(0-5cm)の採取時含水 率 と置換性塩基 (Ca++,Mg++, K+,Na+)との関係 Scott6)は ア フ リカで土壌 の塩基飽 和 度 は降水 量 と粘土量 とに密接 に関係 して お り,年 降水量 につ いて み る と,著 しい少 雨地帯 を除 いて,年 降水 量 で46in.の と き塩基 飽 和度 は最 大 とな り, これ以下 で も以上 で も低下 す る傾 向を認 めた。 山地 で は降水量 の ほか に地 形 によ る局地 的 な水 分環境 の変 化 が著 しいた め,与 え られ た場所 の水分環境 を定量 的 にあ らわす こ とが難 し く, Scottの認 めた よ うな降水 量 との間 の きれ いな閲 係を期待 し難 いが, 年 降 水量 が他 の地 域 よ り 多 いTEF
地帯 で は塩基 に乏 し くな る可能性 が あ り,水分環境 が土壌日
-I
の塩基 量 の決 定 に対 し て もつ役 割 は大 きい もの と考 え られ る。 本調査 の範 囲 内で は, タイ国 の森林土 壌 の置換 性塩基 墨 は母材料 によ って異 な り,局 所 的 に は地 形 また は地形 を通 じて あ らわれ る水 分環境 の違 い に影 響 され てい る といえ よ う。森林 の種 類 は 当然 ,水分環境 の違 いを反 映 して い る もので はあ るが, ここで森林 の種 類 との関係 が は っ き りしなか ったの は塩基 量 に及 ぼす地 形 の影 響 が局地 的で あ るた め, 同 じ種類 の森林 に属 して いて も場所 によ る違 いが大 き く,森 林 の種類 によ る違い を打 消 して しま うこ とによ って い るの で あ ろ う。2
置 換性塩 基 の量比 につ いて 塩基 合計 量 の中で それ ぞれ の塩基 の含有割 合 を求 め, そのい くつかを図5に示 した。 - 101- 903東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号
00
仏 ′ 0⊥U つ∠ TC -0 P O0 % . 〇 ⊥U 5 C 0 T 2 P . (〓)0 ・_ 91 「 PTC5 20 bO 図5 置換性塩基相互 の量比 とその垂直分布 全般 的 にみて Ca++が最 も多 く, と くに LPN 1,PKD 9 な どの石 灰岩土 壌 で は70% 以上 に 達 して い る。 これ に Mg+十 を加 え る と 2価 イオ ンの 占め る割合 は 1価 イオ ンの それ よ り大 き く,90% を こえ,1価 イオ ンは10%以下 にす ぎない。逆 に,花 栢岩 を母材 とす る CMI,KCG 地 区の もので は 1価 イオ ンの 占め る割 合 が比較 的大 き く, 30-50% に達 して い る。 この ほか砂 岩 , 硬 岩 を母材 とす る PTC 3,7で も 1価 イオ ンの割 合 が例外 的 に大 きい値 を示 して い る。 し か し, 花 岡岩 を母材 とす る土壌 で は 1価 イオ ンの うち K+が多 く,PTC 3,7で はむ しろ Na+ が多 い こ とが 目立 って い る。 また,一 般 には表層土 か ら深 さを増 す につれ て2価 イオ ンの 占め る割合 が減少 し, 1価 イオ ンの 占め る割 合 が増 大す る傾 向を示 して い る。 同 じ傾 向が ヒバ林 で も諸 め られ , 山谷 18)は 腐 植 の垂直分 布 が大 きな役割 を もって い る と考 えて い る。 904 - 102-堤他 :タイ国 の森林土壌 にお け る物 質量 とその循環
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置 換 性 塩 基 の 垂 直 分 布 置換 性 塩 基 含有 率 の土壌 中で の垂直分 布 を2価 の もの と 1価 の もの にま とめて, い くつかの 例 で示 す と図6
の よ うで あ る。 一般 に 1価 イオ ンの濃 度 が低 い こ と,試料 を採 取 した深 さが充分 で ない こ とな どの た め に, と くに 1価 イオ ンの垂直 分 布 を み る うえ に適 当で は ないが, これ を お お まか に ま とめ る とつ ぎ の よ うで あ る。 NPN lで は 2価 の もの も 1価 の もの も下層 に向 って漸増 して い る傾 向が み られ る。 同 じよ うな傾 向 は PTC 3,PKD 7,PKD 9,TSL な どにおいて もわず か に認 め られ る。 これ らの土壌 で は共 通 して下層 に小 円疎 を含 む固結層 が あ り, また は母岩 とな って い た。 従 って, お そ ら く この層 で塩基 の移 動 が制 限 され て濃 度 が高 め られ て い る もの と思 われ る。 PTC 7 ほ NPN l に近 似 した立 地 にあ るが, 2価 イオ ンの下 層 で の増 加 が 明 らか にはみ と 10 me/1009 20 10 E 50 5 0 深 さ C m 0 0 ∴ し 1 1へJ 2 bme/lOqgo 50 me/100g 2 b 10 me/100g 2 ()me/loos Ca 十十十Mg+十 l二二二 二 K十十 Nc]十 図6 置換性塩基の土壌中での垂直分布 … 10
3
-
905東 南 ア ジ ア 研 究 第 4巻 第 5号 め られて い ない。 また,石 灰岩 を母 材 とす る PKD 6は2価 イオ ンは下 層 で増 加 して い るが, 1価 イオ ンの増 加 を伴 って いなか った。 また,PTC 12,20,PKD 1,2,LPN 1,CMIな どで は2価 , 1価 の両 イオ ンと もに下 層 に向 って漸減 して い く傾 向を示 した。 この垂直 分 布 の模様 は ヒバ林 で は通 潤性 褐 色森林土 の よ うな ポ ドソル化 の ほ とん どお こ ってい ない もの に み られ る とい う。18) その他 の もので は2価 イオ ンは漸減 す る と して も, 1価 イオ ンの垂直分 布 の形 の決 定 が 困難 で あ るO あ る もので は70cm深 まで量 的 な違 い に乏 し く, ほ とん ど一 定 した変 化 を示 さない。 あ る もので は表層 土 にのみやや多 くて, それ 以深 で は一 定 した変 化 を示 さない もの, または50 -70cm 深 でやや増 加 す る もの な どが あ るが, これ らの資料 の範 囲 内で は これ を細分 す る こと は危 険で あ る。 山谷18'のい うよ うに,2価 イオ ンは漸減 し,1価 イオ ンは下 層 でふ た たび増加 す る とい う弱 ポ ドソル土壌 にみ られ る垂直分 布 の型 を明 らか に示 す こ とはで きない よ うで あ る。
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0.2N
塩 酸 可 溶 の 塩 基 量 0.2N塩 酸 抽 出(40oC,5時 間) に よる カル シウム, マ グネ シウム, カ リウムにつ いて それ ぞ れ分 析 した。 カル シウム, マ グネ シウムは それ ぞれ EDTA 滴 定法, カ リウムは炎 光分 析 に よ った 。 この方 法 で え られ た塩基 量 を 置換性 の それ と比 較 して お こ う。 日本 の林地 で の われ われ の結 果 はす べ て 0.2N
塩酸可溶 物 につ いて測 定 してい るので, これ らと比較 す る うえ に両 者 の量 的 関 係 を知 って お くことが必要 だか らで あ る。 図7は この関係 を示 した もので あ る。 す なわ ち, カル シウムにおいて は置換性 の もの と0.2N 塩酸可溶 の もの とは量 的 にほぼ等 し く, しか も森林 の種類 や土壌 の深 さに無 関係 で あ る。 マ グ ネ シウムにつ いて は お よそ両者 は 正 の比例 関係 に あ るこ とを 示 して はい るが, カル シウムの 場合 ほ ど 密 接 で はな く, と くに long/100g以下 で は この関係 は乱 れ て しま う。 ここで DDFの各点 は置換性 の もの に対 して 0.2N塩酸可 溶 の ものがやや多 い方 に片寄 って い る傾 向が あ る。 カ リウムにおいて も両 者 の問 に正 の比例 関係 が成立 して い るが,DDFと他 の森林 型 との分離 が は っき りして お り,0.2N塩 酸可溶 の ものが多 い方 -集 中 して い る。 その他 の森林 で は と くに明 らか な分離 はみ られ ない。 この よ うに DDF林下 においてやや 置換性 塩基 の方 が 0.2N塩 酸可溶 の もの よ りす くな い と い う傾 向が あ るが, その他 の もので は精粗 の差 が幾分 あ った と して も, お お まか に両者 は量 的 にみて大 差 が ない とい って差 しつか え ない もの と思 われ る。5
土壌 中の置 換性塩 基の蓄 積量 5-1) カル シウム量 土壌 中の 置換性 塩基 量 は, ま とめて表 2,図8に示 した。 906 ー 104-境地 :タイ国の森林土壌 における物質量 とその循環 喋 i9 53 工 N Z .0
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n l X i.㌧ * o A * 声涙 催 5 10 m机 09 50 100 図7 置換性塩基 と 0.2N 塩酸可溶塩基 との量的な関係 (凡例図2に同 じ) 前述 した よ うに置換性 カル シウムの濃 度 と森林 の種類 の問 に は一 定 の傾 向 はなか った。70cm 深 まで の総量 において も同様 で, 同 じ種 類 の森林 において も場所 に よ って著 しい違 いが あ る。 石 灰岩 を母材 とす る PKD9 (DEF),PKD6(MDF),LPN 1(MDF)では 10,000kg/ha・70cm を こえ,砂岩 ,花 田岩 を母材 とす る砂質 な土壌 に比 して著 し く多 い0- 万 ,花 園岩土壌 と砂岩 土壌 とで は カル シウム量 において違 いが あ るか ど うか は明 らか で はなか った。す なわ ち,砂岩 - 105- 907東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 表 2 置 換 性 塩 基 量 mg/1000cc PTC PTC PTC 3 5 6 195 1193 1411 138 738 407 145 358 174 114 217 170 124 188 146 57.6 187 230 789 2291 2005 PTC PTC PTC PTC NPN MKD MKD MKD SNI 7 11 12 20 1 1 2 3 2 319 1519 2593 1163 421 1 136 832 1557 793 239 119 263 738 548 220 120 160 671 373 250 86.5 91.9 327 199 241 52.0 143 137 183 744 2068 4412 2663 1282 3 55.8 300 477 38.4 234 328 23.6 72.1 228 31.5 61.2 171 30.8 76.1 140 21.1 81.9 95.8 206 716 1273 148 121 246 124 108 191 99.6 103 160 95.8 97.3 115 111 100 113 61.6 102 121 677 719 962 97.2 383 607 397 24.3 332 399 488 12.8 125 368 502 10.0 87.7 340 578 8.5 50.5 180 369 8.5 26.1 306 334 118 723 2183 2929 132 130 244 117 126 212 108 64.3 157 85.5 61.9 147 103 40.6 123 66.8 46.3 131 658 428 1040 1 7 2 4 4 0 8 8 4 0 9 6 2 2 1 7 6 2 2 3 0 356 451 192 145 200 125 158 150 167 150 152 149 SNI SNI 4 3 186 212 136 133 147 118 136 113 91.0 147 64.3 -174 81.2 -172 93.7 -1270 1171 1135 707 218 207 223 189 76.6 48.3 38.3 114 286 81.4 161 27.7 14.9 134 272 47.5 38.5 18.4 12.5 95.0 178 48.8 25.4 17.8 7.1 157 92.9 37.1 46.2 17.7 9.9 88.4 56.0 27.9 18.9 28.3 704 1067 418 331 147 123 138 89.5 93.9 63.9 75.4 82.9 59.9 132 56.4 96.6 60.7 99.8 60.9 74.6 109 65.3 102 51.8 64.2 50.9 62.4 108 73.9 113 59.2 74.9 79.6 38.7 131 74.5 91.6 65.6 61.6 62.7 48.6 130 105 106 65.6 72.8 70.9 5 5 4 16 8 19 一 8 7 7 64 54 43 一 874 361 704 517 481 473 407 103 0-5 5-10 10-20 20-30 30-50 50-70 0-70 34.5 35.0 57.5 34.8 43.3 37.9 32.
7
39.1 26.8 13.9 17.4 18.6 19.6 42.2 33.3 52.7 41.6 33.1 48.2 42.3 26.2 21.8 11.0 18.5 16.6 17.2 55.0 46.2 45.9 62.8 22.3 57.8 55.9 25.2 17.3 8.6 9.3 11.3 11.5 63.0 58.4 75.5 54.4 25.9 68.3 56.7 29.3 23.4 17.8 19.1 19.2 13.1 7 2 7 12 12 9 一 59.0 43.1 72.6 46.6 21.1 60.8 52.8 33.1 23.2 17.1 25.2 19.1 9.1 -28.5 64.9 78.5 28.1 17.7 66.6 47.3 - 24.5 17.2 20.9 20.4 13.1 -331 355 479 305 164 424 350 153 160 107 139 127 77.4 22.2 土壌 で は 700-4,400kg/ha・70cm,花 尚岩 土壌 で は 900- 1,500kg/ha・70cm の範 囲 内 にあ った 。 塩基 量 は地形 に よ って変 るが ,PTC 地 区で み る と,斜 面上 部 にあ る PTC3(DEF),PTC7 (DDF)で は 790,750kg/ha・70cm で あ ったの に対 し,斜 面下 部 の PTC 5,6(DDF),PTC 12, 20(DDF) で は最 もす くない もので も 2,000kg/ha・70cm を こえ る値 を示 した。 なお,東 北 タイ東 部 の MKD,NPN,SNI,PBL地 区で は 700- 1,300kg/ha・70cm で あ った。 908 - 106-堤他 :タイ国の森林土壌 におけ る物質 量 とそ の循 環 0-70cm 探 は kg/ha PBL 3 6 3 1 9 9 5 1 1 9 4 3 2 8 4 2 1 1 1⊥ l 11 PKD PKD ‡)KD PKD PKD 1 2 6 7 9 3 9 8 3 4 9 8 9 9 249 3255 174 3387 165 3175 122 140 4721 135 154 5126 143 147 1431 867 1119 24331 TSL DCI LPN1 LPN3 LPN6 247 2749 559 1595 3888 127 2387 155 758 3942 118 2123 137 479 3740 127 1525 139 379 3267 113 1607 123 364 2932 124 3193 55.8 410 2675 767 1177 619 939 490 666 539 482 470 296 693 252 CMI KCG KCG2 4-2 774 633 525 283 336 166 247 158 70.6 146 62.4 134 STL 284 158 156 131 142 138 133 129 125 128 131 112 906 15816 991 3583 22136 4048 3302 1499 1342 1007 892 35.8 42.8 33.0 630 133 408 27.0 22.9 15.0 656 77.9 328 18.1 45.9 16.6 552 125 251 26.4 36.3 17.0 590 84.5 202 22.2 40.2 13.5 334 113 218 50.2 42.7 12.9 36.9 169 354 221 281 110 2527 879 1965 347 615 794 231 332 146 171 70.2 27.2 142 559 411 219 264 102 62 31.6 22.3 100 465 390 184 202 52.5 28.6 43.4 23.5 75.9 473 367 211 164 34.1 29.3 50.7 24.0 66.3 516 267 190 125 14.1 27.0 26.9 21.6 33.8 585 265 203 118 10.1 22.6 25.7 18.8 621 3727 2424 1406 1150 259 274 250 153 55.0 88.4 65.0 271 52.5 106 238 45.9 88.9 68.1 300 47.6 97.1 165 36.3 82.6 60.2 245 54.9 97.3 112 60.7 86.7 60.3 259 64.1 99.1 131 63.9 63.5 38.9 134 64.9 108 111 112 74.0 31.4 16.7 58.2 113 57.1 499 533 328 1091 415 740 781 0 9 3 9 4 5 5 5 3 1 4 4 5 0 1 1 1 1 1 1 01 9 0 6 9 1 9 5 0 3 2 2 3 2 9 1 1 1 1 1 1 8 4 4 2 7 8 2 8 4 5 3 1 1 0 8 2 1 1 1 1 1 8 「∂ 0 9 1 5 1 0 7 4 0 3 3 2 1 1 1 1 1 1 1 9 121 196 177 137 125 188 122 221 109 161 133 126 98.4 124 147 146 91.5 108 114 168 74.3 125 114 169 662 943 886 1125 27.5 20.3 25.0 51.7 28.2 29.5 23.2 19.0 25.2 24.2 25.4 11.3 17.9 17.3 22.2 24.3 19.5 20.8 55.8 23.8 26.9 23.8 12.8 26.9 25.4 23.9 11.0 18.6 11.3 26.3 25.1 13.8 15.4 52.2 20.6 28.4 19.0 13.0 57.1 21.8 18.2 7.1 15.6 12.8 16.6 37.0 32.2 26.2 74.3 38.2 31.8 25.7 25.7 29.2 29.4 26.6 9.1 16.0 15.6 25.4 16.7 35.6 15.0 71.6 42.8 31.3 18.8 23.7 21.9 28.5 21.3 6.8 14.7 18.3 25.4 18.2 29.6 14.3 15.0 96.6 31.3 8.7 24.7 24.3 28.0 23.1 6.5 19.9 20.6 22.1 158 196 123 353 364 214 123 151 205 189 158 54.
0
119 121 161 PTC 地 区で斜 面 上部 の ものを除 くと2,000- 4,000kg/ha・70cm で あ り, LPN 地 区 (北 タイ) で は石 灰岩 土壌 で あ る LPN lを除 いて 3,300-4,000kg/ha・70cm で あ った。従 って,東 北 タ イ東 部 の各調査地 で は母材 や地 形 に著 しい違 いが ないの に塩基 の蓄 精 壷 において は乏 しか った といえ よ う。 図 2, 図 3において塩基 含有 率 と炭素 含有 率 との関 係 を示 したが, ここで は0- 70cm の炭 - 1 07- 909m u rL a (し X X X L
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東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 Mag●
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D M E H T D M E H T D M E H T 図8 置換性塩基 量の森林の種類 による違 い(凡例図1に同 じ) ∩U ド ta N D 「1 巨 lJ T 素量 とカル シウム量 との関係 を図 9に示 した。 す なわ ち,両者 の関係 は図2,図3の場合 とほぼ同様 で, タイ国の森林 で は土壌 中 に有機 物 の蓄積 が多 い と きには同時 に塩基 量 も多 い といえ るが,両者 の関係 は林地 によ って異 な ってお り,本調査 の範 囲 内で は HEF を含 む高 海抜地 , TEF,斜面上部 な どで はその他 の もの に比 し 単位炭素量 あた りの塩基 量 に乏 しい といえそ うであ る。 図 7に示 され てい るよ うに, 置換 性 カル シウム量 は 0.2N 塩酸可溶 の もの とほぼ等 しい とみ9
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105 104 kg/ha 置 換性 Ca十十 図 9 置換性 カル シウムと炭素含有量 との関係(凡例 図 2に同 じ) -1
0
8-堤他 :タイ国の森林土壌 におけ る物質量 とその循環 られ るか ら, 日本 の各地 の林 地 で え た 0.2N塩 酸 可溶 の カル シ ウム量9,10,13,14,17)と比 較 す る と,
E
T本 で は100-4,000kg/ha・70cm で あ った の に対 し, タイ国 で は 700-25,000kg/ha・70cm,こ の うち石 灰岩 土壌 の特 例 を除 外 す る と700-4,500kg/ha・70cm とな る。 従 って, タイ国 の林 地 で 可 給 態 の カル ンウム に乏 し く, 日本 の それ よ り低 い とは い い きれ ない。 5-2) マ グ ネ シウム量 置換 性 マ グ ネ シウム量 につ いて は表 2, 図 8に示 した とお りで あ る。 カル シウムの場 合 と同様 , 同 じ種 類 の森林 で も場 所 に よ る違 いが大 きか った。 マ グ ネ シウムの土壌 中 に お け る行 動 は カル シ ウム とよ く似 て い る とされ て い るが, 量 的 にみ て も 図10に示 した よ うに カル シウム とマ グ ネ シ l ウム との関 係 は密接 で あ る。 た だ し, カル シウ ム量 の増 大 に と もな って Mg/Caは次第 に大 き くな る 傾 向 が あ る。 す なわ ち, カル シ ウムで 1,000kg/haの とき Mg/Caは1/5で あ るが, カ ル シ ウムが 5,000kg/haにな る と約1/2とな って い る。 また, 石 灰岩 土壌 で は Mg/Caは その他 の土壌 と異 な った量 的 関 係 に あ った。 タイで の マ グ ネ シウム量 は100-4,000kg/ha・ 十 十 B LJ 撃 准 岨 ▼▲J 0 105 104kg/ha 芦 凍 催 Ca十十 図10 置換性カルシウムに対する置換性マグ ネシウムの関係(凡例図2に同 じ) 70cm で, 日本 各 地 の林 地 で 100-2,000kg/ha・70cm で あ ったか ら, タイ国 の方 が 置換 性 マ グ ネ シ ウム に乏 しい とはい え ない よ うで あ る。 5-3) カ リウム量 表2, 図 8に示 され て い るよ うに, 70cm 深 まで の カ リウム量 と森林 の種 類 との問 に一 定 し た関係 はみ られ な い。Finckl)は Savannaの方 が森林 よ りもカ リウムが多 い との べ て い るが, 本 調査 で は DDF と他 の森林 との量 的 な差異 は み られ なか った。 本 調査 地 の うちで カ リウム量 の多 い もの は PTC6
,12,20,PKD6
,DCI,LPN地 区,TEF地 区 な どで あ る。 これ らは TEFの もの を除 いて, カル シウム に も富 ん で い たか ら,両 者 の量 的 関係 を示 す と図11の よ うで あ る。 石 灰岩 土壌 は カル シ ウムが とび抜 けて 多 く,花 属岩 土 壌(KCG地 区 な どの TEF)で は カ リウ ムが相対 的 に多 く含 まれ て い る こ とは前 にのべ た とお りで あ る。 従 って, これ らの地 区 の もの を除 いて主 に砂 岩 を 母材 とす る土壌 につ い て み る と, お お よそ カ リウム量 は カル シ ウム量 と正 の比例 関係 にあ って, カ リウムの多 い ところは カル シウム に も富 む とい え よ う。 ー 109- 911東 南 ア ジ ア 研 究 欝 4巻 第5号 KCG 地 区の TEF で カ リウムが 比較 的多 いの は多分花 園岩 を母 材 とす るこ とによ って い るので あろ う。 しか し, 同 じ く花 尚岩 を母 材 とす る CMI地 区の値 は と くに多 い とはい え ない よ うで あ る。 これ はおそ ら く,海抜高 地 の HEF で あ るため流亡 に よる損 失 が大 き か った ため と思 われ るが,塩基 相互 の量比 に おいて は KCG 地 区の もの と大 差 の ない こ と は前 に も説 明 した とお りで あ る。 また,地形 の影 響 は カル シウムの場合 と同 k9/ha 1000 + ゝこ 壁 繁 600 職 200 105 104kg/b 置 模
惟C
a
図11 置換性カルシウムに対する置換性 カ リウム の関係 (凡例 図2に同 じ) 様 に,斜 面上部 に あ るPTC3(DEF),PTC 7 (DEF) は斜 面下 部 の PTC 5,6 (DDF),PTC 12,20 (DEF) よ りカ リウム量 がす くない。 70cm 深 まで の カ リウム量 につ いて み ると,約300-1,100kg/ha で あ る。 この うち 500kg以 下 の もの は主 に東 北 タイ東 部 の各調査地 で あ って, ここで は カ リウム量 において も乏 しい とい え る。 日本 の各地 の林 地 にお け る0.2N 塩酸 可溶 の カ リウム量 は 100-600kg/ha・70cm で あ る か ら, カル シウムや マ グネ シウムの場合 と同様 に, タイ国 の林地 です くない とはいえ ないで あ ろ う。 5-4) ナ トリウム量 置換性 ナ トリウム は表2, 図 8に示 した よ うに, 表層土 の含有 率 で1-5mg/100g,70cm深
まで の総 量で50-500kg/ha で あ って, カル シウムに比 しず っとす くな く, カ リウム よ りもな おす くない。 その蓄 積 量 は図8に示 され て い るよ うに森林 の種 類 とは無 関係で あ る。 PTC 地 区の もの は概 して ナ トリウム に とみ,300kg/ha・70cm 以上で あ り, PKD 6,7 にお いて も多 か った。逆 に東 北 タイ東 部 のMKD,SNI地 区の もの はす くな く, 150kg/ba・70cm 以 下 で あ った。HEF や TEF の もの も少 なか った。 また, 石 灰岩 土壌 で と くに多 い とい うこ と は なか った。 なお,PTC地 区 内で は斜 面上 部 の もの は下 部 の もの に比 してす くないが,LPN地 区や KCG 地 区で は斜 面上部 の ものの方 が多 く,地 形 との関係 も不 明瞭 とな ってい る。 5-5)0.2N 塩 酸可溶 の リン量 0.2N 塩酸 で抽 出 され た リンを モ リブデ ン青法 に よ って測 定 した。 その結果 を表 3, 図12に 示 した。 表層土 にお け る リンの含有 率 は PTC 5,6 が 5mg/100g 以上 で とび抜 けて高 く, つ いで PKD 6 が大 き く約 4mg/100gに達 す るが ,一 般 には濃 度 はず っと低 く,1mg/100g以下 の も のが多 い。 912 - 110-堤他 :タイ国 の森 林 土壌 にお け る物 質 量 とそ の循 瑞 表 3 0.2N塩 酸可浴 の リンの含有率 と鼠 含 有 率 mg/100g Plot
PTC
3PTC
5PTC
6PTC
7PTC
llPTC
12PTC
20PKD
IPKD
6 深 さ cm 0-5 ㌻0.72 1 10120 ;0.12 20130 !0.05 30-50 0.06 5.03 5.73 5.12 0.65 5.84 0.10 7.93 0.05 7.07 0.04 4.87 0.03LPNI LPN3
0--5 0.19 0.40 5-10 0.09 0.40 10-20 0.09 0.15 20-30 0.07 0.10 30-50 0.05 0.09 50-70 0.04 0.06 0 2 0 9 5 5 8 6 3 0 0 0 2 1 0 0 0 0 6 7 2 8 0 9 0 2 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 2 1 0 5 5 7 4 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 8 3 3 8 4 5 3 2 1 0 1 nU nU 0 0 0 5 8 9 7 8 8 6 3 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0Tl
M
C
6N
P
L
0.35 3.14 0.23 1.57 0.15 1.06 0.08 0.72 0.08 0.23 0.04 0.17KCG2
KCG
4-2 0.84 0.33 0.48 0.14 0.19 0.03 0.07 0.03 0.04 0.02 0.04 0.02 3.88 2.21 1.50 3.80 24.0 28.19
"K・P
右
読
S
1 6 9 00 6 6 4 1 0 0 nU 0 0 nU 0 nU 0 0 5 8 3 5 5 6 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 1 4 8 8 6 5 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 含 有 量 mg/1000cc,0-70cm で は kg/haPTC
3PTC
5PTC
6PTC
7PTC
llPTC
12PTC
20PKD
1PKD
6 0-5 .7.31 62.9 59.9 19.8 15.2 7.18 8.061
5.8 45.6 5-10 :3.35 60.9 10-20 1.57 79.4 30-50 !0.74 101 50-70 ;0.34 75.2 0-70 9.69 604 0--5 5-10 10-20 20-30 30-50 50-70 7.61 4.39 5.34 4.70 2.65 13.7 26.8 1.31 0.96 2.07 2.70 1.49 3.44 17.0 0.71 0.78 1.17 1.34 1.06 1.2 6 53.2 0.49 0.68 0.52 0.71 1.29 0.77 282 0.40 0.41 0.28 0 .68 1 .1 5 0.82 59.3 37.6 16.0 15.1 12.8 12.8 22.6 789LPN1 LPN3 LPN6
8 4 8 7 8 4 3 6 1 4 2 8 5 5 2 1 1 0 8 5 2 7 9 1 2 1 2 9 6 5 2 1⊥ i 0 0 0 2G
C
K
I-⊥
M
C
?
_C
2G
STL PKD7 PKD9
4.04 14.1 10.0 3.80 7.41 2.75 8.64 5.95 1.58 7.10 1.82 5.80 2.47 0.38 2.90 1.18 4.10 0.93 0.39 1.98 1.14 1.41 0.49 0.24 1.02 0.61 1.01 0.53 0.26 0.89 9.90 26.1 13.4 4.46 16.0 17 87 22 02 82 75 ︼ 40 4 ・t l 1 0 (U " 8 9130-5cm潔 東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 50-70cm潔 800 x(28.1) kg/
h
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600 20●
モ今亨
!.今 o00
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0-70cm潔 X●
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○
●
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D M E H T D M E H T 〉 D M E H T 図12 0.2N塩酸可溶の リンの含有率 と量(凡例は図1に同じ) この含有 率 の大小 は森 林 の種類 や地 形 ,母材 の性 質 な ど と一 定 した関係 を もた ない よ うにみ え る。す なわ ち,PTC 5,6は斜面 下 部 の DDFで あ るが, 同 じ く斜 面下 部 にあ って塩基 量 の 多 い DEF (PTC 12,20)で は リンの含有 率 は小 さ く0.7,1.06mg/100gにす ぎない。 また, カ ル シウムの著 し く多 い石 灰岩 を母材 とす るPKD6ほ約 4mg/100gで含有 率 が高 いが,PKD9, LPN lで は と もに低 く, ともに 0.5mg/100g以下 で あ った。PKD 6で は下 層 土 におい て著 し く多量 とな り,70cm深 まで の総量 で 790kg/baで あ って著 し く多 く,特異 な例で あ る。 この ほか,PTC 5もまた下 層 で著 し く多 く,70:cm 深 まで の総 量 は604kg/haで , PKD6につ い で多 く, この2点 が とび抜 けて多 い。 これ ら以外 の もので は 20kg/ha・70cm にす ぎない。 HEFの2点 は表層 土 の含有 率 , 70cm 深 まで の総量 と もに他 の種類 の森 林 よ り高 か った。 HEFで は塩基 量 がす くなか ったか ら, リンが こ こで常 に多 いか ど うか につ いて は今 後 なお検 討 を要 す る問題 で あ るが,有 機 物量 が多 か った こと と何 らか の関係 が あ るか も知れ ない。 一 般 に熱帯 の土壌 で は可給態 リンは量 的 に少 な く,往 々に して欠 乏 しやす い物質 で あ る とさ れ て い るが, 日本各地 の林地 で の 0.2N塩酸可溶 の リン量 は>5-35kg/ha・70cm で あ ったか ら, タイ国 の林地 で と くに可給態 リンに乏 しい とはいえ ない よ うに思 われ る。 図12か ら推 定 され るよ うに, リン含有 率 の下層 土 にお け る差異 は極 めてす くな く,表 層土 に お け る差 が著 しい。 いいか え る と,70cm深 までの総量 の多少 は主 に表層土 にお ける含量 の大 小 で決 ま るとみ られ る。 この傾 向 は カル シウムや マ グネ シウムの場合 と同様 で あ る。 なお,本 分 析結果 の範 囲 内で は リン量 と炭素 , チ ツ菜 , カル シウムな どの量 との問 に一 定 し た きれ い な関係 を認 め るこ とはで きなか った。 914 - 112-毘 他 :タイ国 の森林土壌 にお け る物 質 量 とそ の循 瑞
6 PTC
地 区 にお け る森林 生 態 系 の物 質現存 量 につ いて PTC地 区 の斜面上 部 の DEF と DDF につ いて, その林 木地 上 部 の乾 物現 存 量 , 生 産構造
な どにつ いて の調 査 が本 調 査 とは別 に荻 野 らに よ って行 なわれ た。 この結 果 につ い て は現在 と りま とめ申
で あ るが, この と き採 取 され た樹 体部分 な どの試料 につ い て, 養分 諸元 素 の分析
を 行 ない, 熱帯 に お け る森 林生 態 系 の物質 現 存 壷 を推 定 した. 調 査林 分 は PTC 3 (DEF),PTC7 (DDF)にそれ ぞれ 隣接 して い るの で,A。層 ,土壌 につ い て の資料 は PTC 3,PTC 7を用 い, DEF と DDFの2つ の森林 につ いて その チ ッ素 , リ ン, カ リウム,カ ル シウム, マ グネ シウムの現 存 量 を求 め た。 それ ぞれ の林 分 で伐 倒 した供 試木 か ら,各 屯径 階 を含 む よ うに して DDFで は6本 ,DEFで は1
3
本 の個体 につ いて分 析用 試 料 を と った。 その葉 ,枝 ,幹 につ い て養 分諸 元 素 の 含有 率 を求 め た.T 層 植生 は各 林 分 ごとに一 括 して 葉 ,枝幹 ごとに分 析 した が,二軍本 類 は地 上 部 全 部 を ま とめ て分 析 に供 した。 各試 料 は湿 式灰 化 した後 , モ リブデ ン膏 法 で リンを ,EDTA 滴 定 法 でカ ル シウム, マ グ ネ シ ウムを,炎 光 分 析 で カ リウムを測 定 し, チ ッ素 は ケール ダ ール法 に よ った。 上層 木 につ いて ,各 部 分 に お け る含有 率 が 個体 の大 きさ と関係 が あ るか ど うか を み るた め,DBH
(胸高 直径c
m)
との関係 を図 化 す る と図1
3
の よ うで あ るO これ らの 森林 は多種 類 の樹 種 の混 交 した もので あ る故 , 種 に よ る養 分 含有 率 の差異 を考 慮 す る必 要 は あ るが,現 状 で は種 に よ る分離 が不 可 能 で あ る散 , これ を無 視 す る と,各 部 分 にお け る養 分 含有 率 は, す くな くと も同一 林 分 内 に おいて は, 個体 の大小 に無 関係 とみて差 しつか え ない もの の よ うに思 われ る。 同 じ傾 向が 日本 の スギ人工 林15), カ ラマ ツ人 工 林 8), ト ドマ ツ天 然生 林13'な どで もみ られ るか ら,各 部 分 ご とに養 分 含有 率 の平 均値 を用 いて林 分 の養 分 現 存 量 を求 めて も大 差 な い もの と考 え られ る。 た だ し,DBH
で5c
m
以下 の小 径 木 におい て一 部, 含有 率 の極 めて高 い もの が み られ るか ら,小 径 木 の供 試木 本 数 が多 い と きには平 均 含有 率 を高 め るよ うに 作用 す る こ とが考 え られ る。 この傾 向 は DDF にお いて著 しい。DDF で は一 般 に厚 い樹皮 を も って い る。 樹皮 は木 部 よ り 養 分 含有 率 が 高 いか ら, と くに小 径 木 で樹皮 の 占め る割 合が大 き くな る と,幹 に お け る養 分 含 有 率 が 高 め られ る可 能 性 が あ る。 各林 分で の地 上 部 各 部 の養 分 の平 均 含有 率 は表4の とお りで あ る。 な お,供 試 材 料 の採 取 時 期 は1
9
6
2
年1
1月 か ら1
2
月 にわ た る1
カ月 の間 で あ って,乾 季 の初期 に あ た って い た。 樹体 各 部 の養分 含有 率 を 2種 の森 林 につ い て比 較 す る と,葉 で は, チ ッ素 にお いて 差 が な く, リン, カ リウム, マ グ ネ シウムで は DDFの 万が 高 い値 を示 し, カル シウムで は逆 に DEFの方
が 高か った。一 般 に常緑 樹 は落 葉 樹 に比 し, チ ツ菜 , リン, カ リウム に乏 し く, カル シ ウム - 113- 915% , 2 cO 也 O ′b ( ∠ . 1 . 1 . 1 0 ∩ 卜一 〇 〇 〇 〇 % 2 0.2 0.b 東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 Phosphorus(Leaves)
●
●
●
●
●
00
0
00
00
●
o
O
0O
0
10 C∂1C山m (Leaves).
b
o+
oo●
●
o
o o 0●
●
o
20 DEm cm 50 0 10 NJ'trogen (Stems)0
●
o●
・.
・.o o: 0 0 0.
. 20 DBH cm 50 10 Calcium (Stems)●
●
●
●
P
0●
00
.800
●0
20 DEH cm 50 10 ● DDF O DEF 20 DEM cn 50 図13 樹体各部の養分含有率 と胸高直径(DBH)との関係 に とむ傾 向を もつ が, この場合 ,DDF
で は小径 木 が多 く, 含有 率 の高 い個体 が多 か った とい うこ との影 響 も大 きい もの とみ られ る。DDF
は一般 に疎林 で生産 力 の低 い森林 で あ る とされ , 土壌 条件 も劣悪 で あ るか ら,葉 の養 分 含有 率 , と くにチ ッ素 , リンな どにおいて も低 い こ とが予想 され るが,PTC
地 区 において ほ,PTC7(
DDF)
はPTC 3(
DEF)
に比 較 して土壌 の物理性 において劣 る と して も置換 性 塩基 や可 給態 リンの量 において著 しい差異 が な く,葉 の養分 含有率 において もDEF
よ り低 い とい うことはなか った。 また,DEF
の葉 の養分 含有 率 を 日本 の常 緑 広葉 樹林 17' (九 州 川内地方 , コジイを主 とす る 916 - 114-堤 他 :タイ国 の森林土壌 にお け る物 質 量 とそ の循 環 表 4 PTC地区樹体各部分の養分含有率 (絶乾基準%) DDF .上 層 木 葉 枝 幹 ・下 層 木 葉 枝 ・幹 t 下 草 DEF 上 層 木 葉 枝 幹 下 層 木 葉 ・ 幹 下 層 木 葉 i樹高1m以下 枝・幹 樹林 菓 枝 幹 チ ッ 素 リ ン 1.75 0.164 0.51 0.072 0.25 0.025 1.77 0.203 0.49 0.15 0.73 0.19 8 1 5 0 9 9 2 4 7 6 2 00 6 3 5 6 1 0 0 1 0 0 1 0 2 7 6 5 4 1 1 0 0 . 0-4 . 0-1 . 015 . 0-6 . 0-3 . 0-1 . 0-6 空 . 0-6 . 0-3 . 0 0 0 0 0 0 0 0 0 " 0 0 0 カ リウ ムウ ム カノレシ 0.96 0.86 0.45 0.82 0.27 0.54 0.56 0.69 0.37 0.47 0.79 0.30 4 5 8 3 1 2 0 1 8 3 1 3 4 2 0 4 0 0 (〓) 1 0 0 1 0 3 0 3 8 5 2 0 0 0 1.16 0.76 0.44 1.25 0.74 0.61 1.15 0.56 1.19 0.86 0.32 墨 は W= o ・ -。 o ・ -9 ㍑ 諭 o ・ 19 0 ・ -5 0 ・ -6 諾 o ・ -5 0 マ シ ; 9 0 5 nXU 3 1 . ・ 一 0 0 0 r 天 然 生 林 ) と比 較 す る と (表4), 川内の方 が チ ッ素 , リンにおいてやや低 く, マ グ ネ シウム におい て高 い が, お お よ そ大 差 はなか った とい え そ うで あ って ,PTC 地 区 の DEF の葉 の 養 分 含有 率 が と くに低 い とい うこ とはいえ な い よ うで あ る。 各林 分 の各 部乾 物 現 存 量 に平 均 の養分 含有 率 を乗 じて,林 分 あた りの養 分 量 を求 め た。 その 結 果 を表 5に示 した。 DDF は DEF に比 し地 上 部の乾 物 現存 量 がす くない。 この こ との影 響 を うけて林 分 と して の地 上 部 の養分 現 存量 も DDF の方 がず っ とす くな くな って い る0 各 養 分元 素 につ い て み る と,葉 で は チ ッ素 が最 も多 く,DDF で 23kg/ha,DEF で は 93kg /ha とな って い るが, カル シウム は幹 の 含有 率 が他 の物質 よ り高 いの で,幹 にお い て は カル シ ウムが最 も多 い。 この こ との た め に林 木 地 上 郡 全体 で み て もカル シ ウムが チ ッ素 を こえて最 も 多 くな って お り,DDF で 270kg/ha,DEF で 700kg/ha とな って い る。 下層 木 や下 草 は乾 物現 存 鼠 がす くない の で, そ こに含 まれ る養 分 嵐 も当然 す くな く, 系全体 の申で 占め る割 合 も小 さい。 土壌 中 の物質 量 を有 機 物 は炭 素 量 を1.72倍 した もの, チ ッ素 は全 チ ッ素,無 機 養 分 は
帯
換性
塩基 お よび 0.2N塩 酸 可溶 物 , 熟塩 酸可溶 物 と して求 め, これ に Ao層 ,地 上 部 の もの を 合計 して え た系全 体 の量 を 表 5に示 して あ るo Ao層 , 地 上 部 で は乾 物壷 を有 機 物 量 と して取 扱 っ た。 正 し くは灰 分 量 を差 し引
く必要 が あ るが,地 上 部乾 物現 存 蔓の うち大 きな部分 を 占め る幹 一一115- 917東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 帯5号 表 5 熱帯森 林生態系 の物質現存量
(
PTC
地 区) 上 層 木 葉 枝 幹 小 計 下 層 木 葉 枝 ・幹 小 計 下 草 地 上 部 合 計 Ao層 土壌70cm 探 a 〝 b 合 計 a 〝 b 莱 枝 幹 小 計 下層 木 葉 樹高1-4m 枝 幹 小 計 下 層 木 葉 樹高1m 以下枝 ・幹 小 計 地 上 部 合 計 Ao層 土壌70cm深 a 〝 b 合 計 a 〝 b 有機物 ton/ha チkgッ/ha素 8 9 3 6 4 0 4 1 2 6 3 3 4 2 7 3 3 0 0 2 ・1丁 へくJ 5 6 1 1 2 4 8 51 1 62 93.9 2783 5.2 26.5 99.3 131.0 0.52 0.67 3.40 4.6 0.49 9 6 4 0 1 2 5 1 2 6 4 6 3 3 4 2 2 8 3 9 4 3 7 7 2.05 13.1 2.5 20.5 138 550 4.3 51.5 68.5 5510 211 6112 918 リ ン kg/ha ・ 4 0 4 0 0 0 0 1 0 一 l 1 3 0 1 33 2 9 9 5 5 3 4 7 9 9 一 . 9 . 9 . 9 . 7 . 5 . 3 . 7 . 5 .4 . 7 . 1 . 3 . 9 . 7 . 9 土 壌 a:無機塩類 は置換性, リンは0.2N塩 酸可溶物 〝 b :無機養分 は熟塩酸可溶 の もの 合 計 a,b:それ ぞれ土壌部分 と してa,bを用 いた もの - 11 6-カ リウム kg/ba 5 4 9 5 8 3 7 5 2 1 9 4 1⊥ 1 3 3 1 1 8 4 1 7 1 4 8 14 15 65 07 81 22 3 3 43.7 92.8 179 316 6.9 2.7 7.5 17.1 4.9 8.4 3 6 3 6 1 7 2 5 0 1 4 1 7 5 3 1 3 6 8 0 2 2 1 3 カ ル シウ ム kg/ha マ グネ シウ ム ll.2 8.1 75.4 14.7 180 33.3 267 56.1 1.8 1.0 2.3 1.1 4.1 2.1 1.4 0.8 272 59.0 8.2 2.6 744 118 2656 1086 1024 180 2936 1148 5 4 9 5 7 1 2 5 5 0 8 4 2 1 3 8 2 2 2 5 4 2 2 3 7 7 4 7 6 6 9 0 3 3 1 0 7 6 3 3 2 1 5 5 1 1堤他 :タイ国 の森林 土壌 にお け る物 質 量 とそ の循 環 の灰 分 含 有 率 は一 般 に小 さい か ら, 大 きな 差 異 を ひ きお こす こ とは な い と思 われ る。 表 5に よれ ば有 機 物 が圧 倒 的 に多 く,DEF で は 210ton/ha で あ る。 これ につ い で チ ッ素 が 多 か った。 無 機 養 分 の中 で はカ ル シ ウ ム が最 も多 く,つ い で カ リウ ム, マ グ ネ シ ウ ム で あ り,リ ンは最 もす くな くて ,50kg/ha に達 して い な い 。 土 壌 中 の チ ッ素 の うち可 給 態 の もの はせ い ぜ い 数 パ ー セ ン トにす ぎな い と され て い るか ら, 可 給 態 の もの を対 象 とす れ ば チ ッ素 量 はず っ とす くな くな るで あ ろ う。 表 5に明 らか な よ うに系 の もつ 物 質 の か な りの 部 分 は土 壌[恒 こあ っ た。 各 物 質 に つ い て全 量 を100と して 各 部 の 含 有 量 の比 較 値 を求 め た もの が表 6で あ る。 土 壌 に含 まれ る割 合 は DDF の方 が DEF よ り各 物 質 と も多 か った。 土 壌中の 絶 対 量 に つ い て み る と DDF (PTC 7) の方 が有 機 物 , チ ツ菜 , マ グ ネ シ ウ ム に お い て す くな く, カ リウ ム, カル シ ウ ム は ほ ぼ 同 量 で あ って ,DEF (PTC 3) よ り多 か った の は リンだ け で あ っ た か ら, 割 蓑 6 熱帯森林生態系の各部での物質量比 (%) DDF 有 機 物 チ ッ 素 リ ン カ リウム 上 層 木 草 誓 i 下 地 土 1 9 5 6 0 0 0 0 7 1 1 3 4 4 5 葉 枝 幹 計 菓 幹 計 計 可 . ′し 小 枝 小 合 層 竺 DEF 上 層 木 幹 小 計 下 層 木 葉 樹高1-4m 枝 幹 小 計 ! 下 層 木 葉 ; 樹高1m以下 枝 ・幹 ! 小 計 地 上 部 合 計 ! Ao層 土 壌 (a) 1 4 6 6 3 8 7 0 5 2 1 3 1 9 3 8 0 1 3 5 0 0 0 0 5 0 93 ︼ 5 7 1 3 2 1 2 5 1 2 3 0 9 1 1 2 4 8 0 0 0 0
0
0 0 9 0 0 9 1 2 4 5 4 カ ノレ シウム 5.9 1.5 1.1 8.5 5.1 7.4 3.2 11.1 17.6 7.6 17.7 26.1 1.4 0.2 0.2 2.0 0.2 0.2 3.4 0.4 0.4 2.5 0.5 0.1 3.5 18.6 26,6 1.8 0.2 0.8 4.7 81.2 72.6 〇 3 2 6 1 0 1 3 0 1 2 2 6 1 1 2 3 6 7 2 , 1 3 3 6 2 0 3 5 7 3 7 7 5 8 3 5 1 4 4 97
0 0 0 0 1 0 0 1 3 「⊥
5 1 2 4 4 4 7 2 5 3 4 3 3 9 3 7 0 2 0 8 3 2 6 2 00
1 10
0 15
7 7 919 _1 ・ Lr 二ネ ム . 、 5 . 2 Lq 2 6 6 2 4 8 5 7 ニグ ウ 4 8 8 L o . 0 、 L o . 2 . L 5 . 二 マ シ 1 3 3 6 4 5 6 3 6 0 3 9 5 3 7 5 4 4 8 2 0 8 4 9 4 7 0 0 0 1 0 0 0 0 3 6東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 合 に して多 くな るこ とは DDF で地 上 部 に含 まれ る量 が DEF よ りず っとす くない とい うこ と によ って い る。 いいか え る と DDF で は DEF よ り土壌 中の無機 養分 の一 定量 に対 す る地 上部 量 がす くな い とい うこ とにな る。 物質 ごとに比較 す る と有機 物 は土壌 に含 まれ る割合 が比 較 的小 さ く, DEF で は 33% にす ぎ ない。 日本 の各地 で と った資料 の うち地 上部 乾物現存 量 が著 し く違 わない林 分 について,土壌 に含 まれ て い る有 機 物 の景 比 を求 め る と,三重県 の天 然生 ツバ キ林 で
4
2
-4
9
%
,長野県下 の ア カマ ツ林 で4
2
%,6
7
%
,北海道 サ ロベ ツの ト ドマ ツ林 で4
2
%
で あ って,PTC
地 区での結果 がや や小 さい値 を示 して い る。吉 良 た ち3) は地 上部乾 物現 存量 が ほぼ等 しい森林 につ いて比 較 し, 低緯 度地方 ほ ど土壌 に含 まれ る割 合 が小 さ くな る とのべて い る。 それ は土壌 中の有機 物量 が低 緯 度地 方 ほ ど少 なか った とい うことに よ って い る。上 に示 した例 で はPTC
地 区で の値 がやや 小 さい と して も, 日本 各地 で の値 に変 化 が大 き く,亜寒帯 の トドマ ツ林 で さえ4
2
%
程 度 にす ぎ なか った。前 に も述 べ た よ うに16),土壌 中の有 機 物量 自体 は タ イ国 と 日本 の林 地 とで著 しい違 いがみ られ なか ったか ら, タイ国 の DEF,MDF,HEF 地帯 の森林 で は 日本 の森林 よ り土壌 中 に含 まれ る割 合 が常 に小 さい とはいい きれ ないので はないか と思 われ る。 チ ッ素 は土壌 に9
0
%
以上 が含 まれ て お り,最 も土壌 に多 い物質 とな って い る。 これ は土壌 の 全 チ ッ素 を対象 と して い るか らで あ って,無機塩類 の場合 の よ うに, 可給態 の ものを対象 とす れ ば この値 はず っと小 さ くな る もの と思 われ る。 そのほかで は概 して カル シウム, カ リウムが土壌 中 に多 く, リンが最 もす くない傾 向が あ っ た。 A。層 の各 物質 の 占め る割 合 は DEF で1
0
%
を こえ る ものが な く,DDF で は2
% 以下 で あ っ て,系全体 の物質 量 の 中で 占め る量 的 な役割 は極 めて小 さい。 下層 木 ,下 草 も量 的 にす くな く, リンで約6%
に達 す るのが最 大 で, その他 の もので は5%
以下 にす ぎない。従 って地 上 部 の大部分 は上層 木 に よ って 占め られ て い るが, その中で も幹 の 占め る割合 が最 大 で あ った。幹 の物質 含有 率 は葉 や枝 に比 して小 さいが,幹 の乾 物量 が他 の部 分 に比 して圧 倒 的 に大 きい ため, 絶対 量 と して は葉 や枝 よ り多 く, DEF の リンで は全体 の33 % が幹 に蓄 積 され て い る とい う結 果 を示 した。幹 に含 まれ てい る割 合 は地上部 乾 物現 存量 の小 さい DDF で も, チ ッ素 を除 いて,1
0
%
を こえ, DEF で は2
0
%
ない しそれ以上 で あ るか ら, 皆伐 に よ って幹 材 のみが持 出 され た場合 で も,系全体 と して の損 失 の割合 は意外 に大 きい。 7 林 木 によ る糞分 の吸収 量 別 に計算 され た林分 の生長 量 の結果 を利 用 して林分 の1年 間 の養分 吸収 量 を計 算 した。幹 , 枝 につ いて は その現存量 の増 分 にそれ ぞれ の平 均 の含有 率 を乗 じて えた もの を,幹 ,枝 の生長 のた めに土壌 か ら吸収 され た養分 量 と した。葉 は DEF において も 1年 で全部落 葉 す る と仮 定9
2
0
- 118-堤 他 :タイ国 の森林土壌 にお け る物 質 量とそ の循環 して,葉 の乾 物現 存 量 を その年 に生産 され た葉 二量と し, それ に養 分 含有率 を乗 じて葉 の生産
o
)
た め に吸収 され た養分 量 と した。 な お, これ に下 層 木 の葉 ,下 草 も全部 1年 で交代 す る もの と ・仮定 し, それ ぞれ に含 まれ て い る養 分 量 は その年 に吸収 した もの と し, これ らの非 同 化部分 の 賀三島を無視 す る と,上 記 2林 分 が 1年 間 に土壌 か ら吸収 した と推 定 されLる養 分量 は表 7の よ う にな る。 表 7 林分生長量と養分吸収量 (PTC地 区) DDF f.n%㌘ 'kgフh禁 I)kg/hay "k呈/OhaL 上 層 木 葉 ; 1.3 1 合 計 5.30 DEF 上 層 木 計 木 層 合 下 菓 枝 幹 菓 5.2 0.90 2.13 1.01 9.24 2 4 一 . 8 . 6 . 9 . 0 ÷ 2 4 5 8 1 2 5 5 6 0 ¶ 2 ・ 1 0 ・ 7 0 ・ 6 1 ・ 4 竺 9 4 3 9 5 一 12.5 4.1 6.4 5.2 28.2 7 2 8 8 5 " 3 3 3 1 2 J 4 1 6 ′ ネ ム h a 1 .5 . 4 . 8 . 8 ㌶ 哩 8 . 1 2 1 1 ∴ ㍉ ∵ ∴ ∵ ︰ 6 1 8 0.3 25.5 6.8 1.7 9.4 5.3 2.1 5.1 8.6 37.6 葉 の現 存 量 は年 間 の落葉 量 あ るい は生 産 量 と必 ず しも一 致 しない。前 に土 壌有 機 物 の平 均分 解率 の計 算 に際 して は この こ とを考 慮 にいれ たが16), こ こで は修 正 しなか った。 それ は落葉 前 に葉 の養 分 の一 部 は樹 体 の 他の部 分へ 回収 され , 回収 され た養 分 は再 びつ ぎの生 長 に際 して使 われ る こ とが知 られ て い る。
従 って, この点 につ いて の 修j]二を行 なわれ な けれ ば表 7の値 は幾 分過 剰 にな るおそれ が あ る。 回収 の割 合 につ いて は い くつか の資料 が あ るが,熱帯 の林 木 の落 葉 にお い て も同 じで あ る とい う保 証 が ない た め, この点 につ いて の修 正 を行 な うこ とは困難 で あ る。 それ散 , 1年 間 につ くられ る薬 品 につ いて の み修 正を行 な うと, よ り過大 に推 定 す るお それ が大 きい と考 え られ るた め, と くに修 正 を行 なわ なか った ので あ る。乾 物 と して の生 長 量 は DEF で 8ton/ha,下層 木 の葉 を含 めて も 9ton/ha にす ぎない。 そ れ に含 まれ る養 分 は チ ッ素 で 120kg/ha, リンで 6.5kg/ha,カ リウムで 63kg/ha,カル シウム で 89kg/ha, マ グ ネ シウムで 38kg/ha で あ る。DDF の 吸収 量 はお よそ DEF の半 分以下 に す ぎない。
この値 を 日本 の スギ人工 林 で計 算 した値9)と比 べ る と, と くに多 い と も少 ない と もい え ない 。
しか し, 乾物屋 で スギ林 は 16-28ton/ha の値 を示 して お り,DEF の値 よ りず っ と大 きい。 森林 の 養 分 吸収 量 は一 方 で その乾 物生 長量 の多少 に関係 して い るか ら, この値 を乾 物 1ton/ha
東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 あた りの養分 吸収量 に計算 しなおす と表8の よ うになる。 表 8 乾物 1ton/haの生長に要する養分量 (kg/ton) DDF DEF チ ッ 素 リ ン カリウム 7.8 0.9 5.3 13.0 0.7 6.8 カ ル マ グ ネ シウム シウム 6.5 2.6 9.6 4.1 す なわち,DEF は リンを除 いて DDF よ り乾物 1ton/ha あた りの生長 に要す る養分量 が多 い。 これ は養分含有率 の低 い枝 や幹 の生長量 において両 林分 に違 いがす くないの に,養分含有 率 の高 い葉 の生産量 が DEF で著 し く多 いか らで あ る。 DEF よ り小 さい DDF の値 で さえ, スギや カラマ ツ人工 林での値 と比較す るとか な り高 い。 この傾 向か ら熱帯 の森林では同 じ量 の乾物を生産す るの によ り多 くの養分量 を要求 す ると考 え るのは誤 ってい るだろ う。 それ は これ らの林分 で は枝 や幹 の生長 がす くな く,乾物生長量 の う ちで養分含有率 の高 い葉 の 占める割合 が著 し く大 きい とい うことによってい るか らで あ る。 それ故, これ らの林分で は毎年 吸収 した養分 の うち葉 に含 まれ,やがて落莫 として再 び林地 にかえ され るものの割合 が スギや カ ラマツ林 に比 しず っと大 き くなる。す なわち, スギ林 で乾 物生長量 の うち葉 の 占め る割合 は20-30%, チ ツ菜, リンで70-80%, カ リウムで55-70%, カル シウムで50-70%, マグネ シウムで50-80%であ ったの に対 し, DEF では乾物で67%, チ ッ素 で91%, リン, カ リウムで89%, カル シウム,マグネ シウムで82% に達 して お り,毎年 吸収 され る養分 の うち葉 に含 まれ る割合 が大 きい ことがわか る。 これ は同化部分 に対 し非 同化 部分 の生長がす くない森林 で あれ ば 当然 お こ りうることで あ って,熱帯森林 の特長で あ るとは いい きれない と考 え る。
8
平 均 分 解 率 ,回 転 率 上層木,下層木 の葉 に含 まれていた もの は全部1年 間 に落莫 と して林地 にかえ され ると仮定 し,落枝量 は枝 の生長量 に等 しい と して還元量 を推定 し, これ を用 いて土壌 の諸 物質 の平 均分 解率 と物質 の回転率 を計算 した。 その結果 を表9に示 した。 多 くの推 定値 を含んでい るので確か さはす くないが, リンの平均分解率 ,回転率 が著 し く大 き く, これ らの林分 で土壌 中の可給態 リンの量 に乏 しい ことがわか る。 また,DEFは DDF よ り高 い平均分解率 ,回転率 を示 し, よ り活発 に物質 の循環 が行 なわれてい ることがわか る。 わが国各地 の森林 でえた値7,8,9,1日 3,14,17)と比較す ると,PTC
地 区の森林で と くに物質 の循環 が極 めて活発 で あ る とい うことはいえない よ うで あ る。 しか し,有機 物の分解 は気温 に比例 し て増大 してい るとみ られ る16)か ら,今後林木 による吸収量や林地-の還元量 な どにつ いての正 しい資料 を集 め ることによって,改 めて検討す る必要 があ る。 922 - 120-堤他 :タイ国の森林土壌 におけ る物質量 とその循環 表 9 平 均 分 解 率 と 回 転 率 素 [ チ 〝 機 . DDF; 落葉落枝による還元量 (a) ! 2.93 35.4 系全体の現存量 (C) 93.9 2783 平均分解率 a/b % . 6.0 1.4 回 転 率 a/C % 3.1 1.3 DEFr 落葉落枝による還元量 (a). 7.ll 115
Ao
・土壌の現存量(
b)
' 72.8 5562 リ ン カ リウ ム 4.2 21.8 16.6 660 35.7 811 25 3,3 12 2.7 6.2 58.7 12.6 689 系全体の現存量 (C).211 6112 45.9 1035 平均分解率 a/b % 9.8 2.0 49 8.5 回 転 率 a/C % 3.4 1.19 14 5.7 a,b,Cの各項 とも有機物は ton/ha,その他はkg/ha 2 3 3 裏 山 -1 -0 -. -吾 l 1 2 9 1 ⋮ 2 二 二 ∵ = ∵ 2 56 1 6 9 7 1 8 8 8 4 一9
ま と め 本 調 査 は タイ国 に分 布 す る各種 の森 林 とその土 壌 につ いて の予備 的 な もので あ って,資 料 は な お充分 で は ないが,前 に報 告 した もの16)とあわせ て, その概要 を と りま とめて お こ う。 タ イ国 の主 要 な森林 は主 に水 分 環境 の違 い に応 じて,最 も乾燥 した立 地 に DDF が, つ いで MDFが発 達 し, さ らに水 分 に恵 まれ る と DEF が発 達 す る。 海抜 が高 くな り,気 温 が低下 す るにつれ て HEF が発 達 し, と きにマ ツ類 の純林 が形 成 され る。半 島部南 部 で は乾季 がず っ と 短 か くな り, 降水量 に恵 まれ ,気 温 の変 化 に も乏 し くな って TEF が優勢 とな る。 す な わ ち, 水 分 環境 の系 列 に応 じて乾燥 した ものか ら DDF- MDF- DEF--TEF とい う系 列 が あ り, 気 温 の低下 に よ って HEF が 発達 す る といえ る。 この よ うな環 境 条件 の差異 は当然 その下 に発 達 す る土壌 の性 質 を も変 え て い る と考 えて 差 しつか え ないで あ ろ う。事 実 ,11月下 旬 か ら12月 に か けて の乾季 の初期 にお け る土壌 の採 取 時 の含水率 は この よ うな違 いを比 較 的 よ く反 映 して お り,DDF が最 も含水 率 が低 く, MDF,DEF が これ につ ぎ, HEF や TEF で は50% 以上 の高 い含水率 を示 した (前 報16)図 3)。 それ で も, 同一 種 類 の森林 で林 地 ご との違 いが あ った。 さ らに, 容積重 や最 大 容水 量 な どの物理 使 , 炭素 , チ ッ素 な どの化学組 成 につ い て は森 林 の種 類 ごとの違 い は もっと不 明瞭 とな り,局地 的 な違 いが大 き くな って くる。土壌 中の無機 養 分 につ い て み る と,森 林 の種類 との 問 にほ とん ど何 の関 係 も もた ない よ うに さえみ え る。 この よ うに,森林 の種 類 と土壌 の化学 組 成 との問 の関係 が不 明瞭 とな って しま うこ とにつ い て は,地 形 と母材料 の違 い によ る影 響 を あげ るこ とがで きる。 Khorat高 原 や北 タイ南 部 な どには平地 に発 達 した森 林 が あ る と して も, 主要 な森林 はお よ そ山地 にあ る とい って よいO そ して斜 面 上 の位 置 に よ る局 地 的 な土 壌 条件 の違 い が, と きには 森林 の種類 に よ る違 い を こえて大 きい場合 が あ るよ うに思 われ る。この傾 向 の1つ の例 はPTC - 121- 923東 南 ア ジ ア 研 究 第4巻 第5号 地 区 においてみ られ る。 ここで は DDF と DEF とが相接 してあ らわれ, しか も両 者 ともに斜 面下部 に も上部 に もあ らわれ てい る。斜面 上部 と下 部 とを比較す ると, それ が DDF であ ると DEF で あ るとに関係 な く, 概 して斜面上部 では表層土 の採取時含水率 が小 さ く, 容積重 が大 き く, 容水 量 は小 さ い。 また炭素 , チ ツ菜 ,無機養分 の蓄積量 もす くない傾 向がみ られ る。斜 面上部相互 , または 下部相互 で DDF と DEF とを比較す ると,幾分 DEF の方 が物理 的 な性質 に優 れ ,土壌 中の 物質量 の蓄積量 も多 い とい う傾 向がみ られ ると して も,斜 面上部 と下 部 の著 しい違 いを考慮す ると,土壌 の諸性質 に対 して は地形 ない しは斜 面上 の位 置が大 きな影 響 を もって お り,局地 的 にみ ると,森林 の種類 の違 い による影 響を打 ち消 して しま ってい るよ うに思 われ る。 一般 に DDF は滞悪 で浅 い土壌 に成立 す るもの とされ てい る。斜面上部 の DDF で は,た と えば NPN lで顕著 にあ らわれ てい るよ うに, 10-30cm 深 の浅 い層 に小 円裸 を含 む固結層 が あ らわれ,著 し く固 いので土壌 は生理 的 に極 めて浅 い といえ る。 さ らに化学組成 において もお よそ乏 しい傾 向があ る。 しか し, PTC 地 区の斜面下部 の DDF にみ られ るよ うに,斜面上部 の DEF よ り物理 性 もよ く,化学組 成 に も富む林地 も認 め られ るので あ る。 それ故 ,現在 DDF とな って い る林地 に も立地条件 としてい ろい ろな ものが含 まれてい ると 考 え られ る。同 じ DDF として 区別 され ,林相 として近似 していて も,PTC 5な どにみ られ る 斜 面下 部 の もの と, NPN l にみ られ るよ うな斜面上部 , 台地上 の もの とは土壌 の性質 におい て著 し く異 な って■お り,す くな くともこの両者 は区別 して考 えた方 が よい よ うに思 われ る。 この よ うに土壌 条件 の著 し く異 な るところに同 じよ うな林相 を もつ DDF が成立す ることの 原 因 として ほ人為 の干 渉 を あげ ることがで きる。 DDF の成立 に対 して は人為 の干 渉 , す なわ ち野火 が重要 な影響 を与 えてい ることは よ く知 られ た事実 であ る。乾季 には地表 の下草 は枯 死 し,乾燥 し,い っせ い に地表火 で焼 失 して しま う。 この よ うな地表火 はほ とん ど毎年繰 り返 さ れ るとい う。 このために,比 較 的 に火災 に強 い樹種 のみが生 き残 り,植生 の推 移 を とめて しま うことが,現在 の DDF を成立せ しめてい る最 も重要 な要 因で あろ う。 DDFは もともと乾煉 した漕悪 な立地 に成立 す るもの とされてい る。乾燥 や貧栄養 は DDFの 成立 のために必要 な条件で はあ るに して も,単 にそれのみで はな く,野火 の影 響 が著 しい もの の よ うで あ る。従 って , DDF にみ られ る土壌 は必ず しも一 定 していない し, 常 に最 も乾燥 し た滞悪 な立地 を反映 して い るもの とはい えない場合 があ る ものの よ うに思 われ る。 この ことが 森林 の種類 と土壌 の性質 との関係 を局地 的 に乱 して い ることの1つの原 因 と思 われ る。 なお,DDF で は地表 の有機 物 が毎年焼 かれて しまい, その うえ に疎林で あ るため, 乾季 の 間 はげ しい乾燥 に さ らされ ,雨季 には侵蝕 を うけやす く,土壌 の性質 が この よ うな条件下 で次 第 に変 って い くで あろ うとい うことは充分想 像 され うることで あ る。 従 って, DDF は もとも と土壌 が帝 悪 で あ ったか ら成立 した もののほか に, DDF が成立 してか ら後 に次第 に帝 悪 化 し 924 ー 12