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複数画像に基づく簡易な建築物形状モデラ -消失点に基づく視点位置決定の基礎検討-

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Academic year: 2021

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(1)グラフィクスとCAD 108−7 (2002. 8. 8). 複数画像に基づく簡易な建築物形状モデラ ‐消失点に基づく視点位置決定の基礎検討‐ 荒井 領太†. 斎藤 隆文‡. †. 東京農工大学大学院工学研究科. ‡. 東京農工大学大学院生物システム応用科学研究科. 本稿では,複数の実写画像から対象となる建築物の三次元形状を簡便に作成する手法を提案する.まず,平行 直線群を多く含む建築物を対象とした画像から直線群と消失点を抽出し,これを用いることにより直方体を基準 とした基本形状群を画像上に当てはめる.次に,複数画像における多視点の位置関係は,各画像において抽出し た平行直線群の対応付けを行うことにより決定する.画像から作成した三次元形状の面に対応したテクスチャを 取得することによりレンダリングを行う.本手法では,抽出した平行直線群の中から基本形状の稜線となる直線 を選択する操作により簡便で,精度良いモデリングを行うことが可能である.提案手法に基づくシステムを実装 し,様々な建築物に対して提案手法が適用可能であることを確認した.. A Simple Shape Modeler for Buildings Based on Multiple Images ‐Camera Position Calibration Calibration Based on Vanishing Points‐ Points‐ Ryota ARAI†. Takafumi SAITO‡. †. Graduate School of Technology, Tokyo University of Agriculture and Technology ‡. Graduate School of Bio-Applications and Systems Engineering, Tokyo University of Agriculture and Technology. In this paper, we propose a simple three-dimensional modeling method from multiple images for buildings. First, it extracts a straight line group and vanishing points from the images for the buildings which contains a lot of parallel straight line groups. It adapts the primitive bounding volume of a rectangular parallelepiped using these to the image. Second, it puts the parallel straight line group, extracted by each image, in correspondence and it fixes the position of the multiple viewpoints. It proved that it was effective with the various buildings with our method.. 1. はじめに. られる.これらの対話的測量による手法では,モデリング. 近年,コンピュータグラフィクスのモデリングコストを. の簡便性と形状の詳細度が排他的となることから,入力画. 削減する試みとして,イメージベースモデリングが盛んに. 像から幾何構造を取得する計算機による自動処理と,手動. 行われている.写実的な仮想空間構築を目的とした既存研. 処理とのバランス面で多分に研究の余地を残しており,互. 究として,入力画像と基本形状の稜線との対応付けにより. いの利点を有効活用することが望ましい.. 形状の再構築を行う研究[1]や,画像上に奥行き値を付与し. 我々は,直交する平行直線群を多く含む建築物を対象と. 構造的シーンの異なる景観を生成する研究[2]などが挙げ. した複数の画像から直線群と消失点を抽出し,この制約下. 1 −37−.

(2) 高さ. 奥行き 幅 位置. 図 1 当てはめに用いる直方体の制御点. (a) 直方体. において基本形状を画像上に当てはめることによる簡便な モデリング手法を提案している[3].しかし,この研究にお いて提案した複数画像における多視点の位置関係決定手法 では,入力画像と三次元形状の投影図における一致精度に 課題を残していた. 本稿では,抽出した直交する平行直線群の対応関係を指 定することにより,精度良い多視点の位置関係を決定する 簡便な手法を提案し,この手法を[3]に適用することによる. (b) 直方体・円柱. 個人環境下における簡便なモデリング手法を提案する.. 2. 図 2 基本形状の当てはめ. 3. 提案手法の概要 提案手法における入力画像は,直交する三方向の平行直. 一枚の画像におけるモデリング 複数の入力画像における多視点の位置関係を決定するた. 線群を多く含む建築物を対象とし,任意の位置,画角にお. めに,まず一枚の画像によるモデリングが前提となる.. いて撮影した実写画像を前提条件とする.. 3.1 消失点による光軸・視線方向・画角の決定. 提案手法によるモデリング手順を次に示す.. 入力画像のカメラパラメータを事前に取得し自由度を削 1.. 全画像において消失点と平行直線群を抽出し,光軸,. 減することで,より直観的なモデリングを行うことが可能. 視線方向,画角を決定する. となる.. 2.. 一枚目の画像において基本形状群を当てはめる. 3.. 全画像において主要な直線の対応付けを行い多視. 入力画像上における光軸の位置,三次元空間内における視. 点の位置関係を決定する. 線方向,画角の三つのカメラパラメータを取得する.消失. 二枚目以降の画像において追加すべき基本形状が. 点は,画像上で無限遠点もしくは有限でも極めて遠点に位. 存在すればそれを当てはめる. 置することもあり,統一的に扱い難い.そこで,消失点の. 4.. 本研究では,入力画像の消失点を抽出することにより,. 抽出手法として無限平面を有限円形領域へ変換し,半手動 なお,提案手法で用いる基本形状は直方体,三角柱,円 柱とする.. で抽出する松藤らの手法[4]を用いる. 画像内に直交三方向からなる平行直線群が存在する場合, 有限円形領域内に三個の消失点が現れる.これらを抽出す. 2 −38−.

(3) 図 3 基本形状の階層構造. 図 4 平行移動の自由度. ることにより,光軸の位置,視線方向,画角を決定できる.. 4. 複数画像における多視点の位置関係決定 複数画像における多視点の 位置関係決定 複数画像における多視点の位置関係は,消失点を用いる. 3.2 基本形状の当てはめ. だけでは決定できず,図 4 のように平行移動の自由度が生. 消失点を用いた幾何構造の自由度削減により,基本形状 が直方体の場合,画像上におけるすべての稜線が三消失点. じる.そこで,二枚目以降の各画像に対し一枚目の視点に 対する位置関係を決定する.. のいずれかを通る.したがって,位置,幅,高さ,奥行き の制御点を画像上で対話的に指定することにより対象とな. 4.1 当初の決定手法とその問題点. る建築物に当てはめることができる(図 1) .三角柱と円柱. 当初,我々は一枚目で作成した三次元座標が既知である. に関しては,外接する直方体の稜線が画像上に存在する場. 三次元形状の投影図と二枚目以降の画像の対応を取ること. 合に限り同様に当てはめることができる(図 2) .. により,視点の位置関係を決定していた.対応付けは,視. 抽出した三消失点を通る平行直線群を再抽出し,これら. 点座標系の三方向成分を補正するものであり,投影図にお. を直方体の稜線の候補とすることにより,そこから選択す. ける位置と奥行きを示す二つの制御点を手動で指定する.. るだけの簡便な操作で,基本形状を対象物に精度良く当て. [3]. はめることが可能である[5].従来のように,カーソル等を. この手法では,対応付けには多少なりとも位置誤差が生. 細かく移動させながら目視で画素単位の位置合わせを行う. じる.そのため,入力画像数の増加に伴い,個々の画像に. 必要は無い(一部の三角柱,円柱を除く) .. おける位置誤差が蓄積され,位置合わせができなくなる. これを防ぐためには,前の画像に戻って位置合わせをやり. 3.3 基本形状間の関係付けによる奥行き値決定 基本形状間の関係付けによる奥行き値決定. 直す,という試行錯誤が必要であり,モデリングの簡便性. 入力画像上に基本形状群を当てはめただけでは,奥行き. を著しく阻害していた.そこで,自動処理による各画像に. 方向の自由度が未定義であるため,位置関係が定まらない.. おける視点座標の誤差を最小とする視点の位置関係決定手. 建築物を直方体群の組み合わせで表現した場合,それらは. 法を次に示す.. 頂点や面を共有することから,この条件を基本形状間の関 係とし,この関係を指定することにより各基本形状の位置. 4.2 平行直線群の対応付けによる誤差最小法. 関係を決定する.これにより,基本形状の位置関係は上位. 各画像において抽出した平行直線群のうち主要な直線に. 層の奥行き値を参照する階層構造を形成し,全基本形状の. ついて,画像間での対応付けを手動で行うことにより,多. 奥行き値を決定することができる. (図 3). 視点の位置関係を決定する. 作成者は,まず一枚目と二枚目の画像上において共通に. 3 −39−.

(4) x. y. Screen. z. Screen Key Camera. Offset Camera. 図 5 y 軸平行直線の対応付けによる視点位置決定. 図 7 視点位置決定及び形状の修正・追加. 図 6 抽出した直線群の選択による対応付け. 存在する主要な直線を抽出直線群の中から選択し,対応付. 5. 線において三次元位置が未決定のものについて手. けを行う.三枚目以降については,それまでの画像で対応. 順 3 で決定した視点位置から三次元位置を決定する. 付けを行った直線が画像上に存在すれば対応付けを行う.. 以下,四枚目以降の画像において,手順 3,4 と同様の処. 他に主要な直線が存在する場合,新たに選択して前の画像. 理を繰り返す.. との対応付けを行うことができる.この操作を全画像につ いて行う.. これにより,多視点の位置関係は一枚目の画像の視点座. 視点位置の算出は,次の手順で処理を行う.. 標に対する変位をもって表現される. 対応付けに用いる直線は,すべて三次元空間における三. 1. 一枚目の画像において,選択された直線が当てはめ. 軸のいずれかに平行であることから,視点座標,画像上の. られた直方体群のいずれの稜線に対応するかを調. 抽出直線,空間直線の位置における関係は,空間での直線. べることにより,各直線の三次元位置を決定する. に直交する平面上で考えることができる.すなわち,図 5. 2. 手順 1 で決定した直線群について,一,二枚目の画. において各画像上における直線位置と空間における直線位. 像上における位置関係をもとに,投影の誤差を最小. 置が既知であるときに,各視点位置を求めることができる.. とするように二枚目の視点位置を決定する. このとき,自由度に比べて制約式が多くなるので最小自乗. 3. 手順 2 までに三次元位置が決定した直線群について, 同様にして三枚目の視点位置を決定する 4. 三枚目までの複数画像間で対応付けされている直. 法を用いて視点座標を決定する. 各画像における平行直線群の対応付けは,三消失点から 再抽出を行った直線群から選択するだけの簡便な操作で行. 4 −40−.

(5) うことが可能である.従来のように,特徴点等に対してカ. った.また,画像によっては対応付けに用いる主要な平行. ーソル等を細かく移動させながら目視で画素単位の指定を. 直線の抽出が不完全であるため,これを抽出することでよ. 行う必要は無い.また,一つの空間直線に対する対応付け. り簡便なモデリングが実現可能であると考えられる.. により視点座標の二自由度が決定可能であることから,各 画像における対応付けは異なる消失点を通る平行直線をそ. 7. おわりに. れぞれ一つ以上選択することが前提条件となる.したがっ. 本稿では,モデリング以前にカメラ校正を行うことによ. て,形状構築を目的とした対応付けのように多くの頂点,. り自由度を削減し,簡便で精度良い,より直観的なイメー. 稜線の対応付けを行う必要は無く,前提条件を満たす最低. ジベースモデリング手法を提案した.提案手法により,多. 限の対応付けを行うことにより,簡便に精度良く視点の位. 視点の位置関係決定に要するモデリングコストの削減を実. 置関係を決定することが可能である. (図 6). 現した.. 視点の位置関係を決定することにより,一枚目の画像で. 今後の課題として,入力画像と三次元形状の誤差を削減. 不可視である部位に対する修正,もしくは同様に基本形状. することを目的とした消失点抽出精度の向上を見込む歪曲. を当てはめることが可能である.また,一枚目では得られ. 収差校正を行う必要がある.また,対象物を基本形状群に. なかったテクスチャを取得できる. (図 7). より近似する本手法に適した,より写実的なレンダリング 手法の検討が必要である.. 5. テクスチャ作成 作成した三次元形状と入力画像から,各基本形状の面に. 対応したテクスチャを作成する.z バッファ法による隠面. 参考文献 [1] Paul E.Debevec, Camillo J.Taylor, Jitendra Malik,. 判定を行い,逆変換と共一次内挿法により作成する.複数. Modeling. 画像における接合は,画素値の単純平均を用いている.. Photographs: A hybrid geometry- and image-based. and. Rendering. Architecture. from. approach, Proceedings of SIGGRAPH 96, pp11-20,. 6. 結果と考察. 1996.. 提案手法を用いて建築物における外観と内観のモデリン. [2] Byong Mok Oh, Max Chen, Julie Dorsey, Fredo Durand,. グを行った結果を図 8 と図 9 に示す.なお,図 9 における. Image-Based. Modeling. and. Photo. Editing,. テクスチャは仮想視点における視線方向に最近隣の視線方. Proceedings of SIGGRAPH 2001, pp433-442, 2001.. 向を有する入力画像から作成したテクスチャをマッピング. [3] 荒井領太, 斎藤隆文, 複数画像に基づく簡易な建築物 形状モデラ, 情報処理学会第 64 回全国大会講演論文. している.. 集, Vol.4, pp831-832, 2002. 建築物を対象とした様々な景観に対し,提案手法が適用 可能であることを確認した.また,図 8 における多視点の. [4] 松藤和夫, 斎藤隆文, 無限平面内での消失点抽出, 情. 位置関係決定における手動処理において,当初の手法では. 報処理学会研究報告, Vol.99, No.70, pp25-30, 1999.. 三十分以上要したのに対し,提案手法では数分を要するの. [5] 松藤和夫, 須田聡子, 斎藤隆文, 消失点に基づくイメ ージベースモデリング, Visual Computing/グラフィク. みであり,より簡便に決定可能であることを確認した. 提案手法は,稜線単位でモデリングを行う[1]と比較して, カメラ校正済みの画像上において基本形状単位で操作を行 うことから,より直観的であるといえる.しかし,画像に よっては消失点抽出の誤差により,画像と三次元形状とが 完全に合致しないため,三次元形状の補正を行う必要があ. 5 −41−. スと CAD 合同シンポジウム 2001 予稿集, pp157-162, 2001..

(6) 図 8 建築物外観. 図 9 建築物内観. 6E 6 −42−.

(7)

参照

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