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自助協力:亜細亜学園学生に与う 創立四十周年記念

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Academic year: 2021

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助協

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  わ れ ら が 学 長 太 田 耕 造 先 生 は 、 夙 に 建 学 の 精 神 を ﹁ 自 助 協 力 ﹂ と 明 示 し 、 本 学 設 立 の 使 命 は ﹁ 日 本 お よ び 亜 細 亜 の 文 化 社 会 の 研 究 と 建 設 的 実 践 に 重 点 を 置 き 、 も っ て 亜 細 亜 融 合 に 新 機 軸 を 打 ち 出 す 人 材 を 育 成 す る ﹂ こ と に あ る と 宣 言 さ れ た の で あ る 。   爾 来 今 日 に 致 る ま で 、 こ の 精 神 と 使 命 を 高 く か か げ て 、 時 に 応 じ て 学 生 に 語 り 、 折 に ふ れ て 教 職 員 に 示 さ れ た も の は 、 格 調 高 き 憂 国 警 世 の 言 葉 で あ り 、 は た ま た ア ジ ア 融 合 へ の 情 熱 を こ め た 文 章 で あ っ た 。   先 生 は 、 昨 春 来 、 病 気 ご 療 養 中 で あ る が 、 病 床 に あ っ て も 、 た え ず 大 学 の こ と を ご 心 配 に な ら れ 、 日 々 我 々 に 語 り か け て お ら れ る よ う に 感 ず る 。   今 年 創 立 四 十 周 年 に 当 た り 、 そ の 記 念 事 業 の 一 つ と し て 、 先 生 の ご 講 説 に な ら れ た 数 多 く の 文 章 の 中 か ら 、 特 に 重 要 と 思 わ れ る も の を い く つ か 選 び 出 し て 、 年 代 順 に 編 集 し て 、 こ こ に 刊 行 す る し だ い で あ る 。   先 生 の 書 き 記 さ れ た も の を 繙 く こ と は 、 現 時 局 下 、 わ れ ら に 課 せ ら れ た 務 め か と 考 え る 。 こ い ね が わ く は 熟 読 さ れ ん こ と を 。   ( 昭 和 五 十 六 年 三 月 十 六 日 記 )   学 長 太 田 耕 造 先 生 講 説 集 編 集 委 員 会   委 員 長 ( 学 長 事 務 取 扱 ・ 理 事 )   武 部 啓

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刊 行 の 辞   3 亜 細 亜 大 学 学 則 第 一 条  15 亜 細 亜 学 園 設 立 趣 意 書   16 建 学 の 精 神   18 本 学 の 建 学 楕 神 に つ い て   20 学 問 の 登 山 み ち   23 回 顧 と 展 望   25 学 園 祭 に 憶 う   28 本 学 志 望 の 学 徒 に 寄 す   30 ア ジ ア の 広 場 に 立 つ   32 ポ ー ル ・ リ シ ヤ ル の こ と   35   ︱ ア ジ ア 祭 に 寄 せ て ︱

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新 春 に 希 望 の 光 を 見 る   37 す べ か ら く 自 助 の 人 た れ   40   ︱ 卒 業 生 に 与 う︱ わ れ ら の 建 学 精 神   43 静 和 の こ こ ろ を 思 う   45 ア ジ ア 祭 は 亜 細 亜 大 学 の 夢 の 祭 典   47 建 学 の 本 旨   49 日 本 再 興 の 偉 大 な る 使 徒 を 憶 う  51 う る わ し き 女 性 像   54 歴 史 の 真 実 を 見 究 め よ   58   ︱ 明 治 百 年 記 念 特 別 連 続 講 座 に つ い て︱ 一 姓 の 民 と 日 本 の 歴 史   61 明 治 維 新 の 革 新 原 理 を 憶 う   63 建 学 精 神 の 体 得 者 た れ   65 指 導 者 の 教 養 ︱ 経 史 の 学 ︱   79

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  次 代 を 背 負 う 若 人 た ち の 動 力   86   ︱ 亜 細 亜 学 園 の 建 学 精 神 に 思 う ︱   ﹁ 大 学 問 題 ﹂ に 関 す る 基 本 方 針   88   教 育 は 国 家 最 大 の 関 心 事   90   次 代 を 背 負 う 若 人 た ち の 動 力   心 田 を 拓 く 自 助 協 力 精 神   93   敢 て 諸 君 に 期 待 す る   96   新 時 代 の 先 駆 者 た れ   98   研 究 の こ こ ろ と 理 想 像   101   国 土 に 花 咲 い た 民 主 主 義 の 匂 り   103   教 育 と 情 報 社 会 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン   105   洋 上 大 学 の 壮 途 に 餞 す   107   現 代 に 体 育 の 重 大 性 を 憶 う  109   自 己 の 心 田 を 耕 作  112   ︱ 昭 和 四 十 六 年 度 入 学 式 訓 辞︱   70 年 代 に 当 面 す る 教 育 の 重 大 使 命  117

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戦 時 終 了 の 未 決 算 に 思 う  119   ︱ 諸 君 に 期 待 す る 、 独 立 日 本 の 柱 石 た れ ︱ 教 育 の 本 流 に 棹 さ し て 上 ら ん  121 教 育 と 環 境 と の 関 係 を 思 う  124 大 学 教 育 と 寮 生 活  126   ︱ 昭 和 四 十 七 年 度 学 寮 委 員 研 修 会 訓 話 ︱ 大 学 の 使 命 観 に 就 て 思 う  135 大 望 を 抱 く べ し  137   ︱ 昭 和 四 十 八 年 度 入 学 式 訓 辞 ︱ 自 助 協 力 し て わ れ ら の 進 路 を 拓 か ん  143 日 本 復 興 の 動 力 う ご く  145   ︱ 新 入 生 諸 君 に 期 待 す る こ と 大 な り︱ 学 園 に 活 く 郷 土 精 神  148 新 時 代 の 生 命 が 躍 動 す る  150 転 換 時 代 に 立 つ 大 学 の 使 命 を 思 う  152

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復 興 ア ジ ア の 黎 明 期 に 思 う  154 時 流 の 重 大 化 に 鑑 み 教 育 の 使 命 を 思 う  158 音 楽 は ﹁ ま こ と ﹂ の 表 現  160 第 五 回 学 術 文 化 連 合 祭 に 思 う  162 大 望 を 抱 く 青 年 た れ  163 ,   ︱ 昭 和 四 十 九 年 度 卒 業 式 訓 辞 ︱ 学 友 会 の 本 来 的 使 命 を 思 う  169 時 代 に 羽 撃 く 学 徒 の 夢 を 思 う  172 備 え あ れ ば 憂 い な し  174   ︱ 昭 和 五 十 二 年 度 入 学 式 訓 辞 ︱ 自 主 独 立 精 神 の 維 持 昂 揚  180   ︱ 昭 和 五 十 二 年 度 卒 業 式 訓 辞 ︱ 至 誠 篤 実 の 人 た れ  187   ︱ 昭 和 五 十 三 年 度 入 学 式 訓 辞 ︱ 国 運 進 展 の 活 路 を 憶 う  193

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太 田 耕 造 学 長 の 略 歴  196 終 戦 の 詔 書渙 発 に 際 し て (太 田 耕 造 文 部 大 臣 談 話 )  198 あ と が き  200

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  本 学 は 、 学 校 教 育 法 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 広 く 一 般 教 育 に 関 す る 知 識 を 授 け る と と も に 、 深 く 専 門 の 学 術 を 研 究 教 授 す る を も っ て 目 的 と し 、 特 に 、 日 本 お よ び 亜 細 亜 の 文 化 社 会 の 研 究 と 建 設 的 実 践 に 重 点 を 置 き 、 も っ て 亜 細 亜 融 合 に 新 機 軸 を 打 ち 出 す 人 材 を 育 成 す る を 、 そ の 使 命 と す る 。

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  昭 和 二 十 九 年 八 月 、 学 校 法 人 亜 細 亜 学 園 理 事 長 、 日 本 経 済 短 期 大 学 学 長 と し て 、 亜 細 亜 大 学 の 設   立 に 奔 走 さ れ 、 そ の 際 記 さ れ た も の で あ る 。 ︱ ﹃ 亜 細 亜 学 園 教 育 施 設 拡 充 基 金 募 集 趣 意 書 ﹄ よ り ︱   ア ジ ア の 黎 明 期 で あ る 。 ア ジ ア の 独 立 と 自 由 と 協 調 を 告 げ る 鐘 の 音 が 、 ア ジ ア の 全 域 に 鳴 り 渡 っ て い る 。 正 に 全 ア ジ ア は 、 門 戸 を 開 放 し 、 通 路 を 清 掃 し て 相 互 に 、 隣 人 交 歓 の 至 情 を 披瀝 す べ き 秋 で あ る 。   若 し 、 自 由 ア ジ ア が 誕 生 し て 、 全 ア ジ ア の 民 人 が 相 擁 し て 、 文 化 交 流 、 経 済 合 作 を 計 っ た な ら 、 ア ジ ア は 、 必 ず 勃 興 し よ う 。 日 本 も 必 ず 復 興 し よ う 。 而 し て 、 世 界 情 勢 は 必 ず 一 変 す る 。   既 に 、 計 画 の 端 緒 は 開 か れ て い る 。 即 ち 、 亜 細 亜 学 園 に 於 て は 、 本 年 一 月 以 来 、 ア ジ ア 各 地 域 に 在 住 す る 有 力 華 僑 の 子 弟 九 十 九 名 を 収 容 し て 、 文 化 交 流 を 計 っ て い る こ と で あ る 。 我 が 教 育 史 上 空 前 の こ と で 、 正 に 画 期 的 計 画 で あ る 。 尚 、 留 学 生 は 今 後 も 毎 年 収 容 さ れ る 予 定 で あ り 、 既 に 新 入 学 希 望 者 は 、 相 次 い で い る 。   亜 細 亜 学 園 は 、 そ の 建 学 精 神 に 基 づ き 、 日 本 及 び ア ジ ア の 文 化 経 済 の 研 究 と 実 践 に つ き 、 多 年 に 亘 り 多 少 の 貢 献 を 致 し て き た が 、 此 の 度 の 計 画 を 契 機 と し て 、 志 業 を 拡 げ 、 計 画 を 整 備 し よ う と 決 意 し た 。   一 、 亜 細 亜 学 園 経 営 に か か る 日 本 経 済 短 期 大 学 ( 旧 興 亜 専 門 学 校 ) の 大 学 教 育 を 更 に 向 上 充 実 せ し め て 、 亜 細 亜 大 学 を 建 設 し 、 そ の 特 色 、 使 命 を 強 く 発 揮 せ し め た い 。

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二 、 ア ジ ア 各 地 の 教 育 機 関 と 緊 密 の 連 絡 を 計 り 、 ア ジ ア 連 帯 、 ア ジ ア 協 同 体 制 へ の 基 礎 工 作 に 努 め た い 。 三 、 現 在 亜 細 亜 学 園 に 収 容 中 の 上 記 華 僑 子 弟 は 、 思 想 、 学 力 、 健 康 共 に 頗 る 優 秀 で 、 そ の 教 育 完 成 は 、 実 に ア ジ ア 融 合 の 中 核 を 作 る こ と に な る 。 教 育 の 責 務 重 大 で あ る 。 若 し 、 教 育 の 成 果 上 達 し 、 ア ジ ア 精 神 の 成 熟 も 期 し 得 た な ら 、 ア ジ ア 各 地 に 散 在 し て い る 有 力 父 兄 も 亦 、 そ の 子 弟 と 協 力 し て 、 平 和 的 経 済 力 を 動 員 し 、 以 て 黎 明 ア ジ ア の 建 設 に 、 巨 歩 を 進 め る こ と に な ろ う 。

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  昭 和 三 十 年 、 亜 細 亜 大 学 の 設 立 が 認 可 さ れ た 。 本 稿 は 、 太 田 先 生 の 建 学 精 神 に 関 す る 最 初 の 論 述 で あ る 。 ︱ 昭 和 三 十 年 度 ﹃ 大 学 案 内 ﹄ 所 載 ︱   本 学 は 塾 教 育 か ら 発 足 し 、 昭 和 三 十 年 四 月 を 迎 え て 十 六 年 の 歳 月 を 閲 し て い る 。 其 の 建 学 精 神 は ﹁ 自 助 協 力 ﹂ に あ り 、 前 身 を 興 亜 専 門 学 校 と 称 し 、 更 に 日 本 経 済 短 期 大 学 と 改 名 し た が 、 一 以 て 之 を 貫 き た る は 、 日 本 の 伝 統 と 全 ア ジ ア の 復 興 を 強 く 念 願 し て 、 之 を 建 学 精 神 に 裏 づ け て 教 育 し 来 っ た こ と に あ る 。 ﹁ 自 助 ﹂ は 独 立 に 通 ず 、 独 立 は 自 己 能 力 の 認 識 ま た 試 験 で 研 学 精 神 唯 一 の 拠 点 と な る 。 而 し て ﹁ 自 助 ﹂ の あ る と こ ろ に 真 理 映 ゆ 、 ﹁ 協 力 ﹂ の 生 ず る 所 以 で あ る 。   本 学 卒 業 生 多 数 は 、 日 本 再 建 の た め の 有 力 分 子 と し て 、 現 に 四 方 に 活 動 し つ つ あ る が 、 曾 て 其 の 諸 先 輩 は 、 ア ジ ア 大 陸 に ま た 南 方 諸 地 域 に 雄 図 を 抱 い て 馳 駆 奔 走 し た る 歴 史 を も ち 、 そ の 諸 先 輩 の 幾 多 勇 魂 を も 彼 方 に 留 め て い る 所 以 で あ る と 思 う 。   今 や竟 に ア ジ ア の 黎 明 期 が 来 た 。 ア ジ ア の 独 立 と 自 由 と 協 調 を 告 げ る 暁 の 鐘 は ア ジ ア の 全 域 に 鳴 り 渡 っ て い る 。 正 に 全 ア ジ ア は 其 の 響 に 応 じ て 門 戸 を 開 放 し 、 通 路 を 清 掃 し て 、 相 互 に 隣 人 交 歓 の 至 情 を 披瀝 す べ き 秋 で あ る 。   若 し 自 由 ア ジ ア が 誕 生 し て 、 全 ア ジ ア の 民 人 が 相 擁 し て 文 化 交 流 、 経 済 合 作 を 計 っ た な ら 、 ア ジ ア の 市 場 は 共

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通 と な り 、 生 産 は 協 力 化 さ れ 、 関 税 は 自 由 と な り 、 や が て ア ジ ア は 勃 興 し 、 日 本 も 復 興 し 、 而 し て 世 界 情 勢 は 必 ず 一 変 す る 。   亜 細 亜 大 学 は 以 上 の 認 識 と 情 勢 実 現 の た め 、 重 大 使 命 を 担 っ て 建 立 さ れ た も の で あ る が 、 所 謂 大 学 教 育 の 内 容 に つ い て は 、 特 に 留 意 し て 刷 新 充 実 し 、 転 換 時 代 の 教 養 に 対 し て は 万 全 の 努 力 を 払 う 所 存 で あ る 。 け だ し 学 生 の 視 野 を 拡 大 し 、 研 学 に 生 気 を 充 満 せ し む る こ と は 、 学 生 将 来 の た め に 計 っ て も 当 世 第 一 の 急 務 で あ る 。   本 学 に は 別 に 中 国 留 学 生 部 を 設 け て あ る が 、 既 に 多 数 の 優 秀 卒 業 生 を 出 し 、 そ の 後 続 の 留 学 生 を も 含 め て 現 に 〓 刺 た る 、 文 化 的 国 際 交 通 路 を 拓 い て い る 。 本 学 は 、 本 学 に 学 ぶ 学 生 諸 君 の 明 識 に 期 待 す る と 共 に 、 諸 君 の た め 最 善 を 尽 く し て 専 門 的 知 識 と 人 格 向 上 の 場 た る こ と を 深 く 期 し て い る 。

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  ︱ ﹃ 亜 細 亜 学 園 新 聞 ﹄ 第 二 号 (昭 和 三 十 一 年 六 月 三 十 日 付 ) 掲 載 ︱   本 学 の 建 学 精 神 は 入 学 案 内 に も 明 記 さ れ て い る が 、 ﹁ 自 助 協 力 ﹂ で あ る 。   ﹁ 自 助 ﹂ は 独 立 と 相 通 じ 、 自 己 能 力 の 認 識 と い う こ と か ら 出 発 す る も の で 、自 ら 自 ら を 助 け る こ と を 意 味 し 、 真 理 の 別 面 で も あ る 。   一 八 五 九 年 、 サ ム エ ル ・ ス マ イ ル ズ は ﹃ 自 助 論 ﹄ を 著 し て 、 正 直 と 勤 勉 が 立 身 出 世 の 根 本 で あ る こ と を 説 い た が 、 こ の 著 書 は 一 八 七 一 年 即 ち 明 治 四 年 に 我 が 国 で 中 村 正 直 と い う 学 者 が 、 ﹃ 西 国 立 志 編 ﹄ と 銘 打 っ て 翻 訳 出 版 し て い る 。   西 諺 に ﹁ 自 助 は 最 上 の 助 け ﹂ と あ る が 、 自 助 精 神 の な い と こ ろ に 独 立 な く 、 独 立 精 神 の な い と こ ろ に 学 問 研 究 の 精 神 は 湧 い て 来 な い 。   し か し ﹁ 自 助 ﹂ と い う こ と は 互 助 と い う こ と と 表 裏 す る も の で 、 互 助 あ っ て 自 助 も 生 き て 来 る 。 集 団 安 全 保 障 体 制 の 主 唱 者 と し て 有 名 で あ っ た ア メ リ カ 上 院 議 員 の ヴ ァ ン デ ン バ ー ク が 、 体 制 の 前 提 を ﹁ 互 助 と 自 助 ﹂ に 置 い た が 、 こ の こ と は 独 立 と い う こ と に も 適 用 さ れ る も の で 、 独 立 は 相 互 独 立 と い う こ と あ っ て 真 の 意 味 を 解 し 得 る 。   本 学 に 学 ぶ 学 徒 諸 君 は 、 よ く 本 学 の 建 学 精 神 を 了 解 し て 学 問 研 究 へ の 一 筋 道 を 直 進 す る と と も に 、 諸 君 相 互 間

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に 於 て も 自 助 に よ る 協 力 の 美 風 を 挙 げ て 、 学 生 生 活 の 楽 し い 思 い 出 を 作 り 出 さ れ る こ と を 切 望 し て や ま な い 。   本 学 は 、 外 観 、 設 備 に 欠 く る と こ ろ 多 く 、 未 完 成 ど こ ろ か 村 塾 の 昭 和 版 の 観 が あ っ て 、 学 徒 諸 君 に 対 し 気 の 毒 の 至 り と 思 っ て い る 。 し か し 、 本 学 は そ の 外 観 、 設 備 の 充 実 に 懸 命 の 努 力 を 払 っ て い る 一 方 、 学 徒 諸 君 の 協 力 を 得 て 、 学 問 の ﹁ 場 ﹂ の 何 た る か に つ い て 、 独 自 の ﹁ 学 風 ﹂ を 打 ち 立 て た い も の と 期 し て い る 。   イ ン ド ネ シ ア の ス カ ル ノ 大 統 領 は 五 月 十 八 日 、 ア メ リ カ 新 聞 記 者 ク ラ ブ の 招 待 席 上 で 、 西 欧 諸 国 が ア ジ ア 及 び ア フ リ カ の 民 族 主 義 を 了 解 す べ き 必 要 性 を 強 調 し 、 ま た ア ジ ア の 擾 乱 の 原 因 は 植 民 地 主 義 に あ り と 警 告 し て 、 内 外 の 注 目 を 惹 い た 。   彼 は 言 う 、 民 族 主 義 と 植 民 地 主 義 の 何 で あ る か 、 ア ジ ア に ﹁ 来 り 、 而 し て 見 よ ﹂ と 。 ア ジ ア に 於 け る 民 族 主 義 と 反 植 民 地 主 義 の 運 動 は 彼 も 指 摘 し て い る よ う に 、 全 人 類 が 渇 仰 し て や ま な い ﹁ 自 由 ﹂ に よ る 団 結 が 達 せ ら れ る 日 ま で 続 け ら る る こ と で あ ろ う 。 そ し て こ の 運 動 の 狙 い は 、 学 問 の 分 野 を も 含 め て の 一 切 の 唯 物 至 上 主 義 か ら の 解 放 に あ る 。   所 謂 西 欧 文 明 の 没 落 が 叫 ば れ て 来 た の も 久 し い 話 で あ る が 、 人 間 の 知 恵 も 案 外 に 浅 い ら し く 、 所 謂 高 度 文 明 の 内 部 疾 患 で 自 壊 自 滅 作 用 を 招 い て い る 事 実 に 対 し 、 ど う に も 制 し 得 な い 有 様 で あ る 。   五 月 十 九 日 に 閉 会 し た ア メ リ カ 及 び ア ジ ア 文 化 指 導 者 会 議 は 声 明 書 を 発 し ﹁ ア ジ ア 人 は ア ジ ア に 於 け る ア メ リ カ 人 の 技 術 援 助 は 歓 迎 す る が 、 ア メ リ カ 流 の 享 楽 追 求 は 希 望 し な い ﹂ と の 意 思 表 示 を し た 。 こ れ は 昨 今 流 行 の 機 械 化 時 代 の 経 済 が 産 ん だ 飲 酒 、 離 婚 、 少 年 犯 罪 、 性 生 活 の 腐 爛 な ど を 指 し た も の で あ っ た 。   道 徳 破 壊 か ら 来 る 社 会 現 象 に は い ろ い ろ あ る が 、 国 家 破 壊 を 意 図 す る 浸 透 作 戦 の 世 界 革 命 戦 略 も そ の 反 映 で あ る 。

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学 問 が 外 観 、 制 度 、 形 式 の 完 備 に の み 魂 を 奪 わ れ て 、 精 神 喪 失 の 危 機 に さ ら さ れ て い る の が 傾 向 の よ う で あ る 。

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  学 問 の 登 山 み ち   ︱ ﹃亜 細 亜 学 園 新 聞 ﹄ 第 五 号 (昭 和 三 十 二 年 六 月 十 七 日 付 ) 掲 載︱   中 国 の 一 学 者 は ﹁ 学 は 山 に 登 る が 如 し 、 登 り て 益 々 高 し ﹂ と 言 っ た 。 当 世 の 学 風 を 戒 め て い る 観 が あ る 。 学 問 と い う も の は 山 に 登 る よ う な も の で 、 進 め ば 進 む ほ ど 益 々 高 く な り 、 登 れ ば 登 る ほ ど 下 界 が 拡 ま っ て 視 野 が 雄 大 に な っ て く る こ と を 語 っ た も の で あ る 。   一 知 半 解 と い わ れ る も の が あ っ て 、 物 知 り 顔 を し て 世 の 中 を 通 っ て い る が 、 本 当 の 事 が 解 ら ず 、 と ん だ 恥 晒 し の 場 面 に ぶ つ か る こ と が 少 な く な い 。 高 山 に 登 る 快 味 は 忘 れ 難 い と 言 わ れ て い る 。 高 山 に 登 る に は 、 先 ず 謙 虚 な 心 持 ち と 周 到 な 準 備 が 必 要 で あ る が 、 学 問 の 道 に 志 す 人 も 先 ず へ り く だ る を 以 て 基 と す べ く ( 貝 原 益 軒 の 言 ) そ れ か ら 周 到 の 上 に も 周 到 の 研 究 、 準 備 を 積 む べ き で 、 雲 上 に 聳 ゆ る 高 山 に 登 る ほ ど の 人 な ら 、 果 て し な い 自 己 反 省 を 繰 り 返 し な が ら 精 進 の 道 を 辿 っ て 行 く 事 、 必 至 で あ る 。   学 問 の 道 は 孤 独 の 道 で も あ る 。 自 己 独 自 の 確 信 を 得 る た め の 道 で あ る か ら 無 批 判 的 、 盲 目 的 、 安 易 な 順 応 主 義 の 学 風 は 最 も 軽 蔑 さ る べ き 俗 習 で あ ろ う 。 そ れ に つ い て 近 頃 の 面 白 い 現 象 は 、 毛 沢 東 の 放 っ た 所 謂 ﹁ 百 花 斉 放 、 百 家 争 鳴 ﹂ の 騒 動 で あ る 。 毛 沢 東 は 本 年 二 月 二 十 七 日 と 三 月 十 二 日 の 二 回 に 亘 り 、 中 国 共 産 党 の 党 員 に 対 し 秘 密 演 説 を 行 っ て い る が 、 そ の 大 要 と 称 す る も の が 四 月 十 三 日 の 人 民 日 報 に 掲 げ ら れ た 。 そ の 骨 子 は こ う だ 。

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  社 会 主 義 社 会 の 発 展 過 程 に 於 て 、 い ろ い ろ な 矛 盾 が 起 こ る 。 人 民 大 衆 と そ の 指 導 者 間 の 矛 盾 も そ の 一 つ で あ る 。 そ れ で は 、 な ぜ 矛 盾 が 起 こ る か と 言 え ば 、 指 導 者 た ち は 人 民 の 不 平 に 耳 を 傾 け な い か ら だ 。 反 対 意 見 を 圧 迫 す る か ら だ 。 よ っ て 人 民 は 大 胆 に 自 己 の 意 見 を 発 表 す べ し 、 こ れ に よ っ て 処 罰 さ れ る べ き で は な い と い う の で あ る 。 毛 沢 東 の 戦 略 的 肚 裡 は と も か く と し て 、 も と も と レ ー ニ ン は マ ル ク ス 弁 証 論 に つ い て 事 物 の 本 質 内 に お け る 矛 盾 を 究 む べ し と 教 え て い る 。   し か し 、 そ の 所 謂 矛 盾 論 は 所 謂 資 本 主 義 、 民 主 主 義 社 会 に お け る 自 己 破 壊 の 原 理 と し て 高 唱 せ ら れ て 来 た も の で あ る か ら 、 共 産 主 義 社 会 に も こ の 矛 盾 論 が 適 用 さ れ る と 言 わ れ た の で 、 共 産 党 員 は 今 更 の よ う に ビ ッ ク リ 仰 天 し て し ま っ た わ け で 、 そ の 波 紋 は 底 知 れ ぬ 有 様 と な っ て 来 た 。 特 に そ の 影 響 は 東 欧 に 於 て 深 刻 化 し て い る よ う で あ る 。 毛 沢 東 の 演 説 大 要 は 、 四 月 十 五 日 に プ ラ ウ ダ に 掲 げ ら れ て い る と の こ と で あ る が 、 こ れ に つ い て ロ シ ア 側 か ら は 批 評 も 出 て い な い 。 事 実 モ ス コ ー 政 権 は 、 一 九 一 七 年 の ク ー デ タ ー の 成 功 以 来 、 共 産 国 家 に は 支 配 者 と 被 支 配 者 と の 間 に 矛 盾 な し と 公 言 し 来 っ た の で 、 毛 沢 東 演 説 に 対 し 、 今 後 ど う 対 処 す る か は 興 味 あ る 問 題 と な っ て い る 。   し か し 、 こ の 種 の 現 象 を 観 る こ と は 学 問 の 世 界 で は 当 然 の こ と で 、 敢 て 取 り あ げ る に 足 ち な い が 、 当 世 の 流 行 学 風 が 自 己 陣 営 の 形 勢 不 利 を 見 て 、 例 に よ り ﹁ 黙 殺 ﹂ 戦 術 に 出 て い る 方 が よ ほ ど の 珍 現 象 で あ る 。 真 理 に 矛 盾 な し 。 学 問 は 真 理 を 究 む る の が 目 的 で あ る が 、 そ の 方 法 と し て 自 助 と 協 力 が 大 切 だ と 思 う 。 亜 細 亜 大 学 の 建 学 精 神 が 特 に こ れ を 示 し て い る こ と に つ い て 、 学 生 諸 君 の 一 段 の 考 慮 を 煩 わ し た い 。

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  昭 和 三 十 二 年 六 月 、 中 国 留 学 生 部 (現 留 学 生 別 科 ) の 一 期 生 か ら 四 期 生 ま で の 百 四 十 四 名 が 日 本 語 ・ 中 国 語 の 文 集 を 発 行 し て 各 界 の 注 目 を 集 め 、 総 理 大 臣 、 文 部 大 臣 か ら も 祝 辞 が 寄 せ ら れ た 。︱ 中 国 留 学 生 部 学 友 会 編 ﹃ 来 日 三 年 ﹄ 所 載 ︱   ﹁ は じ め て 雪 と い う も の を 見 た ﹂ 一 期 生 の 先 発 グ ル ー プ は 、 あ の 日 の 大 雪 の 歓 迎 で 、 こ う 語 り 合 っ た と 思 う 。 一 九 五 四 年 一 月 二 十 五 日 、 元 気 な 九 十 九 の 顔 が 、 近 年 に 稀 な 大 雪 を 衝 い て 、 香 港 か ら 東 京 に や っ て 来 た 。 一 行 は 、 明 治 神 宮 外 苑 の 日 本 青 年 館 に 二 泊 し た 後 、 二 十 七 日 朝 、 東 京 の 郊 外 の 武 蔵 境 駅 に 到 着 、 駅 の 前 で 武 蔵 野 市 民 の 歓 迎 を 受 け て か ら 、 亜 細 亜 大 学 留 学 生 寮 に 入 っ た の で あ る 。   ピ チ ピ チ と 跳 ね 回 る 仔 犬 の よ う に 、 校 庭 を 駆 け 巡 っ た り 、 雪 合 戦 に 興 じ 合 っ た り し た の を 見 た の が 、 つ い 昨 日 の よ う に 思 わ れ る が 、 あ れ か ら す で に 三 年 が 、 夢 の よ う に 過 ぎ 去 っ た 。 光 陰 矢 の 如 し 、 と は よ く も 言 っ た も の で あ る 。 今 で は 、 日 本 語 も 上 達 、 専 攻 学 科 の 研 究 も 進 み 、 身 体 は 健 、 志 望 は 大 、 諸 君 の 学 生 生 活 の 発 達 を 見 て 、 私 は こ ん な 嬉 し い こ と は な い と 思 っ て い る 。   亜 細 亜 大 学 は 、 全 ア ジ ア の 抱 い て い る 共 通 の 夢 が 、 化 体 し て 出 来 上 が っ た も の で あ る 。 夢 と い う の は 、 教 育 を 通 し て 全 ア ジ ア 人 が 、 友 交 、 融 合 し あ っ て 、 よ り よ い 共 通 の 生 活 を な し 、 共 同 の 運 命 を 担 う こ と で あ る 。

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  ア ジ ア の 共 通 し た 特 徴 は 、 極 端 な 貧 乏 、 無 学 、 恐 る べ き 生 活 水 準 の 低 下 、 猛 烈 な 流 行 病 、 独 立 に 対 す る 強 烈 な 欲 求 で あ る と 言 わ れ て い る が 、 こ れ ら の ど の 一 つ を 取 っ て 見 て も 、 そ の 改 善 と 実 現 は 容 易 な 業 で は な い 。 し か し 、 こ の 難 事 業 を 克 服 し て 、 全 ア ジ ア 人 の 抱 い て い る 大 い な る 夢 を 実 現 せ し む る た め に は 、 全 ア ジ ア 人 が 、 割 拠 主 義 を 打 破 し て 、 虚 心 坦 懐 に な り 、 文 化 、 経 済 の 共 通 の 広 場 を 作 る 必 要 が あ る 。   欧 州 で は 、 多 年 の 宿 題 で あ っ た 欧 州 統 合 の 夢 が 、 着 々 と 実 現 し つ つ あ る 。 す な わ ち 、 共 通 の 市 場 を は じ め と し て 、 関 税 、 通 貨 、 資 源 を 共 通 に し よ う と い う 難 問 題 が 、 解 決 の 途 上 に あ る が 、 永 く 統 合 の 癌 で あ っ た イ ギ リ ス も 、 こ の 大 勢 に は 抗 し 難 く 、 昨 年 十 一 月 、 現 首 相 マ ク ミ ラ ン が 蔵 相 の 時 に 、 イ ギ リ ス と コ モ ン ウ エ ル ス と が 、 フ ラ ン ス 、 西 独 、 イ タ リ ー と ベ ネ ル ク ス 三 国 で 出 来 て い る 西 欧 六 国 と の 間 の 利 害 の 調 節 案 を 議 会 に 提 出 し て 、 大 綱 を 明 ら か に し た 。   現 代 は 、 原 子 経 済 時 代 と 言 わ れ て い る が 、 こ の 新 時 代 の 原 子 経 済 に は 、 各 国 の 協 力 が 必 要 条 件 で 、 共 通 の 市 場 を 有 つ こ と が 、 そ の 主 要 条 件 で あ る 。 ま た 、 オ ー ト メ ー シ ョ ン の 問 題 に つ い て も 、 同 じ こ と が 言 え る 。 オ ー ト メ ー シ ョ ン は 、 生 産 の 増 大 を 来 す の で 、 経 済 地 域 の 大 規 模 と い う こ と が 、 前 提 と な っ て 来 る 。 若 し 、 各 国 が 高 い 関 税 率 に よ る 保 護 政 策 を 取 っ て 、 市 場 の 制 限 を 行 う こ と に な っ た ち 、 オ ー ト メ ー シ ョ ン に よ る 生 産 の 増 大 は 、 不 可 能 と な ろ う 。   人 類 の 進 展 と い う 事 は 、 世 界 の 大 勢 に 逆 行 し て は 、 期 待 し 得 な い 。 ア ジ ア は 、 後 進 国 と し て 、 ま た 青 年 国 と し て 、 そ の 産 業 開 発 の た め 、 外 国 か ら の 長 期 の 借 款 、 技 術 援 助 、 専 門 家 の 訓 練 な ど 、 い ろ い ろ の 援 助 を 受 け る 必 要 が あ る が 、 こ れ ら 外 国 か ら の 援 助 は 、 政 治 的 ヒ モ つ き で な い こ と 、 慈 善 的 な 好 意 で な い こ と が 先 決 で 、 受 け る 側 に 於 て も 、 自 ら の 負 担 は 自 ら の 手 で 返 済 す べ き 覚 悟 が 要 る 。

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  欧 州 統 合 の 目 的 は 、 米 ソ の 二 大 ブ ロ ッ ク 陣 営 か ら の 圧 力 に 対 抗 す る た め の 自 衛 手 段 か ら 出 た も の で あ る が 、 世 界 の 平 衡 化 、 水 平 化 と い う 大 勢 に 動 か さ れ た 結 果 で も あ ろ う 。 ア ジ ア 人 の 自 覚 と擡 頭 も 、 世 界 の こ の 主 潮 に 乗 っ た も の で あ る が 、 そ の 進 路 を 、 正 し く 取 る べ き こ と の 責 任 の あ る こ と も 、 忘 れ て は な ら な い 。 全 ア ジ ア の 同 胞 に 、 こ の 道 標 を 明 示 し て 、 独 立 精 神 と と も に 、 相 互 に 協 力 を 惜 し ま な い 善 隣 友 好 の 渾 一 精 神 を 、 ア ジ ア の 各 地 に 浸 透 せ し む べ き 必 要 が あ る 。   こ の こ と は 、 政 治 、 外 交 に よ る 努 力 に 負 う こ と の 外 、 文 化 、 教 育 を 徹 底 す る こ と に よ っ て 、 ヨ リ 純 潔 に 、 ヨ リ 根 本 的 に 目 的 を 達 し 得 る よ う に 思 う 。 亜 細 亜 大 学 の 抱 い て い る 夢 は 諸 君 の 抱 い て い る 夢 で あ る 。

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  ︱ ﹃亜 細 亜 学 園 新 聞 ﹄ 第 十 二 号 (昭 和 三 十 四 年 十 月 二 十 一 日 付 ) 掲 載 ︱   秋 は 文 化 の 開 化 季 節 で あ る 。 学 園 祭 も シ ー ズ ン 期 に 行 わ れ る 学 生 行 事 の 一 つ で 、 学 生 の 創 意 工 夫 で 案 出 さ れ た い ろ い ろ の 催 物 が 多 彩 に 繰 り 広 げ ら れ る の を 見 る の は 楽 し い も の だ 。   漱 石 の ﹃ 三 四 郎 ﹄ に 出 て 来 る よ う な 運 動 会 風 景 は 今 で は 古 典 化 し た よ う だ が 、 そ れ で も 学 生 特 有 の ﹁ お 祭 り ﹂ 気 分 は 生 き 生 き と 発 散 し て お り 、 河 童 天 国 で は な い が 、 奇 智 縦 横 の 見 事 な 演 出 振 り を 見 せ て い る 。 ﹁ 学 園 ﹂ は 学 校 を 前 提 と し て い る が 、 学 校 よ り も っ と 広 い 内 容 を 持 つ も の の よ う に 思 う 。 学 校 よ り は 多 様 な 場 の 協 力 体 で あ る と い っ て も よ い 。   学 友 会 が 設 立 さ れ て い る の は そ の 好 例 で あ る が 、 運 動 部 と か 、 文 芸 部 と か 、 弁 論 部 と か の 活 動 が そ の 下 で 行 わ れ て い る こ と は 、 周 知 の と お り で あ る 。 学 生 は 学 園 生 活 を 通 し 、 広 い 文 化 的 、 社 会 的 協 力 者 と し て の 経 験 を 得 る 機 会 に 恵 ま れ る 訳 で あ る が 、 そ れ だ け に 学 生 生 活 の あ り 方 に つ い て も 深 い 反 省 が 必 要 で あ る と 思 う 。 運 動 競 技 に つ い て 見 て も 明 ら か だ が 、 上 古 ギ リ シ ャ の オ リ ン ピ ア に て の 開 催 目 的 は 、 単 に 物 見 遊 山 気 分 を 狙 っ た も の で な か っ た よ う で あ る 。 ギ リ シ ャ 諸 族 、 各 植 民 市 が こ れ に 参 加 し た の は 、 こ れ に よ っ て 民 族 の 統 一 と か 、 文 化 の 発 達 に 貢 献 し 得 た か ら で あ っ た 。 弁 論 討 論 し か り 、 文 芸 芸 術 し か り 、 こ れ ら の 競 演 公 開 も 、 ま た 、 民 族 精 神 の 作 興 を 計 り 、

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文 化 交 流 の 刺 激 を 与 え 得 た か ら で あ る 。   学 生 の 学 園 祭 も か つ て 見 ら れ た よ う な コ ミ ッ ク 、 ス ポ ー ツ 類 の 慰 み 本 位 の 一 辺 倒 に 走 る こ と な く 、 広 い 視 野 に 立 ち 、 高 い 教 養 を 偲 ば し む る も の に し た い も の で あ る 。 し か し こ れ は 学 園 祭 が 無 気 力 、 無 節 度 、 形 式 主 義 に 流 れ て よ い と い う こ と で は な い 。 学 生 時 代 は 人 生 行 路 の 中 で 夢 多 い 時 代 で あ る 。 多 感 純 情 は そ の 誇 り で あ る 。 こ の 時 代 に そ の 学 生 精 神 を 喪 失 し た 学 生 が あ っ た ら 、 そ の 学 生 は 塩 が そ の 味 を 失 っ た よ う な も の だ 。 何 の 価 値 も な い 、 何 の 権 威 も な い 、 か く て 世 は 彼 を 棄 て る だ ろ う 。 彼 も 自 ら 墓 穴 を 掘 る こ と に な る だ ろ う 。 エ マ ー ソ ン と 記 憶 す る が " 汝 の 夢 を 星 に 〓 げ よ " と い っ た 。   夢 と か 理 想 と か 、 希 望 と い う こ と は 高 い ほ ど 尊 い の で あ る 。 天 上 の 理 想 を 地 上 に 実 現 し よ う と す る 希 望 、 努 力 こ そ 大 い な る 夢 だ ろ う 。 こ の 夢 は 当 世 流 行 の 唯 物 主 義 者 の 夢 と は 違 う 。 唯 物 主 義 者 の 夢 は 、 唯 物 世 界 を 支 配 す る こ と が 精 一 杯 で あ る 。 こ の 種 の 夢 は 、 や が て 同 類 の 支 配 に よ っ て 破 ら れ 、 去 ら し め ら れ る こ と 必 定 だ 。 ま た 、 こ の 種 の 夢 の シ ー ソ ー ゲ ー ム は 動 物 世 界 へ の 逆 行 を も 意 味 し て い る 。 ま さ に 文 明 の 行 き 詰 ま り で 、 闘 争 哲 学 の 自 己 清 算 で も あ ろ う 。   新 時 代 の 出 現 と も い わ れ る 当 代 に お い て 、 こ ん な 低 理 想 で 真 の 新 時 代 が 来 る も の と は 思 わ れ な い 。   学 園 祭 に 際 し て 憶 う 。 学 生 諸 君 の 描 く 次 代 へ の 設 計 図 表 は ど ん な も の か 。

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  ︱ 昭 和 三 十 五 年 度 ﹃ 大 学 案 内 ﹄ 所 載︱   本 学 の 建 学 精 神 は ﹁ 自 助 協 力 ﹂ の 四 字 に 在 る 。 ﹁ 自 助 ﹂ は 自 主 独 立 の 動 力 で あ っ て 、 ﹁ 協 力 ﹂ は 相 互 援 助 と い う こ と で あ る 。 個 人 で も 国 家 で も 、 自 主 独 立 の 精 神 が あ っ て は じ め て 相 互 援 助 が あ り 、 自 主 独 立 の 主 体 性 確 立 と い う こ と が な い な ら ば 、 相 互 援 助 は あ り 得 な い 。 こ の こ と は 、 学 問 研 究 の 分 野 に つ い て も 言 わ れ 得 る も の と 思 う 。 学 問 に 志 す も の は 、 あ く ま で も 自 主 独 立 の 精 神 に 拠 る べ き も の で 、 い や し く も 時 流 に こ び た り 、 外 力 に 便 乗 し た り と い う こ と が あ っ て は 、 良 識 喪 失 の 好 例 と な る 。 こ れ で は 学 問 の 権 威 な く 、 学 問 の 自 由 交 流 、 相 互 援 助 も あ り 得 な い 。 ま た 、 人 格 形 成 と い う 大 事 は 、 全 く 期 待 し 得 な い だ ろ う 。 思 う に 、 こ の あ た り に 現 代 教 育 の 危 機 が 伏 在 し て い る か に 見 え る 。   本 学 に 学 ぶ 学 徒 は 、 こ の 建 学 精 神 を 身 に つ け て 、 一 念 万 年 、 以 て 国 家 有 用 の 材 と な る よ う 成 長 し て ほ し い 。 ま た 、 さ ら に こ の 精 神 を 拡 大 し て 、 日 本 お よ び ア ジ ア の 興 隆 に 寄 与 し て も ら い た い と 思 っ て い る 。 本 学 は 、 こ の 建 学 精 神 に の っ と っ て 広 く ア ジ ア 各 地 と の 経 済 的 、 文 化 的 交 流 を 計 る た め 、 青 年 学 徒 お よ び 教 授 の 相 互 交 流 に よ っ て 、 日 本 お よ び ア ジ ア の 新 情 勢 に 対 処 し 得 る 万 全 の 態 勢 を 進 め て い る 。 現 に 、 本 学 と 香 港 第 一 流 の 大 学 で あ る 新 亜 書 院 と の 間 に は 、 交 換 学 生 制 度 の 壮 挙 が 開 始 さ れ て お り 、 近 く ま た シ ン ガ ポ ー ル 、 マ ラ ヤ 、 中 近 東 各 地 と の 間

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に も 、 雄 大 活 発 な 計 画 が 進 め ら れ て い る 。   か く て 、 志 操 高 き 幾 多 の 堅 確 有 為 の 人 材 が 続 出 し 、 夢 を 星 に 〓 い で 内 外 に 活 躍 し 、 日 本 と ア ジ ア の 進 展 の た め の 偉 大 な 使 命 達 成 に 献 身 さ れ ん こ と を 期 待 し て や ま な い 。

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  こ の 文 は 、 亜 細 亜 大 学 新 聞 会 が 、 英 語 ・中 国 語 に 翻 訳 し て 同 時 に 発 表 し た 。 翻 訳 は 文 末 に 掲 載 し て あ る 。   ︱ ﹃ 亜 細 亜 大 学 新 聞 ﹄ 第 十 八 号 (昭 和 三 十 六 年 十 月 二 十 五 日 付 、 ﹃亜 細 亜 学 園 新 聞 ﹄ が 改 題 ) 掲 載 ︱   亜 細 亜 大 学 の 建 学 精 神 は ﹁ 自 助 協 力 ﹂ に あ る が 、 こ の 建 学 精 神 は 、 ま た 復 興 ア ジ ア の 建 国 精 神 に も 通 ず る も の が あ る と 思 う 。   大 東 亜 戦 争 で 日 本 は 敗 れ た が 、 戦 争 の 跡 か ら 、 ア ジ ア だ け で も 十 余 の 独 立 国 が 出 現 し た 。 そ し て こ れ ら 独 立 国 の 共 通 現 象 は 、 民 族 主 義 の澎湃 た る 勢 い で あ っ た が 、 こ の 現 象 は 、 今 日 も な お 支 配 的 で あ る 。 こ の 形 態 は 、 排 外 主 義 と 拝 外 主 義 と の 混 在 で あ る が 、 そ の い ず れ に 偏 し て も 、 純 正 な 民 族 主 義 の 発 展 を 妨 げ 、 そ の 混 在 も ま た 、 結 局 に お い て 民 族 主 義 を 冒 〓 す る こ と 明 ら か で あ る 。   西 欧 植 民 地 主 義 は ﹁ 分 割 統 治 ﹂ と ﹁間 接 統 治 ﹂ の 二 原 則 を 巧 み に 利 用 し て 、 植 民 地 支 配 に 徹 し た の で 、 い わ ゆ る 民 族 主 義 が 反 動 化 し て 来 た の も 無 理 は な い 。 ま た 、 植 民 地 経 済 は ﹁ 従 属 経 済 ﹂ で 、 支 配 本 国 の 経 済 目 的 に 従 属 し た 偏倚 生 産 が 、 土 着 民 に 強 い ら れ て 来 た 。 か く て 現 住 民 は 、 今 日 な お 底 知 れ ぬ 貧 窮 化 か ら 脱 し 切 れ な い 有 様 で あ る 。 い わ ゆ る 拝 外 主 義 、 他 力 主 義 に 走 る と い う こ と も 同 情 に た え な い 。   し か し な が ら 、 時 代 は 正 に 大 い な る 転 換 期 を 迎 え 、 ア ジ ア の 天 地 に も す で に 、 復 活 の 曙 光 が 射 し て い る 。 国 家

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創 造 と い う 大 業 は 、 民 族 精 神 の 躍 動 な く し て は 成 功 し 得 な い こ と 明 ら か だ 。 民 族 の ﹁ 自 助 ﹂ 精 神 が こ れ で あ る 。 而 し て 、 こ の ﹁ 自 助 ﹂ 精 神 が 民 族 に 充 満 し 、 民 族 相 互 に こ れ を 認 識 し 合 っ て 、 は じ め て ﹁ 協 力 ﹂ に よ る 共 通 の 広 場 が 生 ま れ る。 ﹁ ア ジ ア は 一 つ ﹂ の 実 現 も こ う し た こ と で 期 し 得 ら れ る も の と 思 う 。   ア ジ ア 祭 は 、 ア ジ ア の 祭 典 で あ る 。 友 情 と 善 意 の 広 場 に 立 っ て 、 心 ゆ く ば か り ア ジ ア の 融 合 渾 一 の た め の 前 途 を 祝 し 合 う べ き で あ る 。 こ の 心 は や が て ま た ﹁ 世 界 は 一 つ ﹂ へ の 通 路 で も あ る 。 亜細 亜大学新 聞 か ら

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て︱

  ︱ 昭 和 三 十 六 年 十 一 月 ﹃第 三 回 ア ジ ア 祭 プ ロ グ ラ ム ﹄ 所 載︱   亜 細 亜 大 学 が ア ジ ア 祭 を 行 う と い う こ と は 、 私 共 に と っ て 胸 の 高 鳴 る も の が あ る 。 大 東 亜 戦 争 で 日 本 は 敗 れ た が 、 世 界 は 大 き く 揺 れ て 戦 の 夢 の 跡 か ら 幾 十 と い う 新 興 独 立 国 が 出 現 し た 。 ア ジ ア に お い て も 、 十 カ 国 余 の 誕 生 児 を 迎 え た 。 か く し て 旧 植 民 地 住 民 は 、 大 い な る ﹁ 民 族 ﹂ の 誇 り を も っ て 世 界 の 檜 舞 台 に 躍 り あ が り 、 国 際 的 な 新 ら し い モ ラ ル を 創 造 し よ う と 大 童 の 活 躍 ぶ り で あ る 。   今 か ら 四 十 五 年 前 、 即 ち 大 正 五 年 の こ と で あ る が 、 日 本 及 び ア ジ ア の 黎 明 に 警 鐘 を 強 打 し た フ ラ ン ス の 哲 人 ポ ー ル ・ リ シ ヤ ル は 、 そ の 愛 好 の 国 で あ る 日 本 に 来 り 、 有 名 な る ﹃ 告 日 本 国 ﹄ を 草 し 、 朝 野 に 多 大 の 感 銘 を 与 え た が 、 日 本 人 の ア ジ ア 観 に 対 し こ う 告 げ て い る 。   ﹁ ア ジ ア は 、 誠 に 天 が 諸 君 に 与 え 給 え る 活 動 の 舞 台 で あ る 。 希 く は ア ジ ア の 自 由 な る 諸 国 を 召 集 し て 、 ア ジ ア 連 盟 の 実 現 に 努 め よ 。 ア ジ ア が 自 由 を 得 る べ き 日 は 近 づ き つ つ あ る 。 ア ジ ア の う ち に 奴 隷 の 国 あ る 間 は 、 他 の ア ジ ア 諸 国 も 決 し て 真 に 自 由 の 国 で な い 。 ア ジ ア の う ち に 軽 蔑 を 受 け る 国 が あ る 間 は 、 他 の ア ジ ア 諸 国 も 決 し て 尊

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敬 を 博 す る こ と が 出 来 な い 。 若 し 、 諸 君 に し て 真 に 世 界 の 尊 敬 を 博 せ ん と 欲 せ ば 、 他 の ア ジ ア 諸 国 を も 尊 敬 せ ら る べ き 国 と せ ね ば な ら ぬ 。 諸 君 は 、 ア ジ ア を 救 う こ と に よ っ て 自 ら を 救 い 、 且 、 世 界 を 救 う も の で あ る 。 ﹂   リ シ ヤ ル さ ん の こ の 予 言 は 、 見 事 に 的 中 し た が 、 そ の 日 本 及 び 日 本 人 に 対 す る 忠 告 は 、 今 も な お 躍 動 し 続 け て い る 。 か く て 、 日 本 及 び 日 本 人 の 使 命 は 、 一 段 と 重 大 さ を 加 え て 来 た 。 亜 細 亜 大 学 は 、 日 本 及 び ア ジ ア の 呼 吸 と 脈 搏 を そ の ま ま に 伝 え て 創 建 さ れ た も の で あ る 。 ア ジ ア 祭 は 、 自 由 ア ジ ア の 交 流 を 喜 び 祝 う 、 友 情 と 善 意 の 爆 発 で あ る と 思 う 。

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  ︱ ﹃ 亜 細 亜 大 学 新 聞 ﹄ 第 二 十 六 号 (昭 和 三 十 八 年 一 月 二 十 一 日 付 ) 掲 載︱   新 春 を 迎 え て 祖 国 を 憶 う 。 ま た 母 校 を 憶 う 。 さ ら に 学 友 を 憶 う 。 お 互 い に 身 体 強 健 に し て 精 神 剛 壮 、 以 て 本 年 の 門 出 に 際 し 、 か ね て の 決 意 ど お り に 修 養 研 究 に 一 段 の 精 神 工 夫 を 計 り 、 雄 図 実 現 に 万 全 の 準 備 工 作 に 努 め た い も の と 思 う 。 そ う で き た ら 素 晴 ら し い 年 と な る こ と 必 定 で あ る 。 繰 り 返 し て 言 う 。 お 互 い に 年 頭 に あ た っ て 、 上 記 の 覚 悟 を し っ か り と 吾 と 吾 が 心 に 極 め て お き た い も の で あ る 。   新 年 の 新 聞 や 雑 誌 を 賑 わ せ た 話 題 の 一 は 例 の 人 造 り 、 国 造 り の こ と で あ る 。 主 唱 者 は 人 的 資 源 の 開 発 な ど と い う 表 現 を し て 、 実 行 の 浅 薄 さ を 批 判 さ れ た こ と も あ っ た が 、 い ろ い ろ の 言 説 を 総 合 判 断 し て み て の 結 論 は 、 人 造 り と い う こ と は 人 間 形 成 あ る い は 品 性 造 り と い う こ と の よ う に 受 け 取 ら れ る 。   首 相 が 人 造 り 、 国 造 り と い う こ と を 事 新 し く 提 唱 し た 動 機 は 推 察 す る に 難 く な い 。 即 ち 戦 後 の 世 相 の 激 変 の 中 で 特 に 著 し い と 見 ら れ る の は 、 道 徳 の 退 廃 、 国 風 の 破 壊 で あ る か ら 、 こ れ に 対 し そ の 建 て 直 し を 計 ら ん と し て の 試 案 で あ る と 思 う 。 思 う に 人 造 り 、 国 造 り と い う 問 題 は 国 家 最 高 の 政 治 問 題 で あ り 、 ま た 人 間 最 高 の 倫 理 問 題 で も あ る 。 別 し て 戦 後 に お い て 然 り 。 同 時 に 国 家 興 亡 の 根 本 問 題 で あ り 、 個 人 盛 衰 の 根 本 問 題 で も あ る 。 国 民 の 指 導 的 地 位 に 座 す か ら に は 、 そ れ ぞ れ に 当 然 の 任 務 と し て 、 こ れ が 対 策 の 用 意 あ り 、 こ れ が 実 現 の 責 任 を 持 つ べ き

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こ と は 多 言 を 要 し な い こ と で あ る 。   一 外 字 新 聞 は そ の 新 年 号 で 世 界 に お け る 日 本 の 地 位 に つ い て 、 日 本 在 留 の 外 人 記 者 を 集 め 、 座 談 会 を 開 い て そ の 感 想 を 収 録 し た 。 か れ ら が お お よ そ 同 意 見 と し て 指 摘 し た こ と は 、 戦 後 日 本 の 急 速 な 発 展 が そ の 経 済 成 長 で あ る と し て い る こ と で 、 こ れ は 常 識 論 、 公 式 論 と し て 理 解 さ れ る 。   し か し な が ら こ の 日 本 経 済 の 急 騰 が 日 本 国 民 全 体 と し て の 勤 勉 努 力 と 科 学 技 術 者 の 輝 か し い 実 績 、 実 業 人 の 才 能 に 依 る も の と 断 じ 、 こ れ は 政 治 的 成 功 に あ ら ず と し て 経 済 的 成 功 で あ る と 評 し て い る の が 面 白 い 。 一 記 者 は こ れ を 解 説 し て 、 日 本 の 政 界 は 日 本 経 済 の よ う に 安 定 せ ず 、 ハ ッ キ リ せ ず 、 そ の 原 因 と し て 日 本 の 政 界 に は 指 導 者 た る の 資 格 を 持 つ 者 、 ま た は 経 世 家 た る の 資 格 を 持 つ 者 が 欠 け て い る た め で あ る と 評 し て い る 。   か く て 日 本 政 界 の こ の 姿 が 世 界 政 局 に 占 む る 日 本 の 地 位 を 薄 弱 な ら し め て い る 原 因 で あ る と 観 て い る の で あ る 。 以 上 の 言 説 に 関 連 し て 思 い 出 さ れ る こ と は 、 日 本 の 対 共 産 圏 貿 易 の 問 題 で あ る 。   ア メ リ カ な ど は 、 日 本 の 対 共 産 圏 貿 易 に 対 し 頗 る 神 経 過 敏 で あ る が 、 濠 州 ・ カ ナ ダ ・ 西 独 な ど の 対 共 産 圏 貿 易 に は 寛 大 で あ る 。 同 じ 自 由 主 義 陣 営 に あ り な が ら 、 何 故 こ う も 差 別 が 行 わ れ て い る の か 不 思 議 な 話 で あ る が 、 彼 等 の 側 か ら 観 れ ば 一 応 の 理 屈 が あ る よ う に も 思 う 。 即 ち こ れ ら の 国 々 が 共 産 主 義 国 に 対 す る 思 想 的 、 政 治 的 、 軍 事 的 立 場 は 、 ハ ッ キ リ し て お り 、 自 由 主 義 世 界 の 共 同 擁 護 に 徹 し て い る も の と 思 っ て い る か ら で あ ろ う 。   し か る に 彼 等 は 、 日 本 の 対 共 産 陣 営 に 対 す る 態 度 と 自 由 陣 営 に 対 す る 態 度 と の 二 つ に つ い て 、 二 つ と も 頗 る 曖 昧 で あ る と 観 て い る 。 か く て 日 本 は 、 そ の 表 白 ど お り に 、 政 治 と 経 済 と の 分 離 が 果 た し て 出 来 得 る か 。 共 産 圏 の 政 治 的 圧 力 で 日 本 の 貿 易 政 策 が 腰 く だ け と な ら な い か 、 こ の 点 、 自 由 主 義 陣 営 が 未 だ に 猜 疑 の 眼 を 以 て 日 本 を 見 て い る の が 現 実 で あ る 。 要 する に 問 題 は 、 貿 易 以 前 の も の に あ る と の 見 方 で あ る よ う に 思 う 。

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  英 国 の マ ク ミ ラ ン は 昨 年 の 夏 、 反 対 党 が 、 欧 州 共 同 市 場 に 加 入 す る 問 題 で 意 を た め ら っ て い る 態 度 を 昔 の 歌 詞 に 比 し 、 こ う 皮 肉 っ て い る 。 ﹁彼 女 は 然 り と い わ な い ﹂ 、 ﹁彼 女 は 否 と い わ な い ﹂ 、 ﹁ 彼 女 は 来 る と い わ な い 、 ま た 行 く と い わ な い ﹂ と 、 如 何 に も ユ ー モ ラ ス で は あ る が 、 厳 し い 切 り 込 み ぶ り だ 。   し か し 、 こ れ は 対 岸 の 現 象 と ば か り に 片 づ け ら れ な い 。 わ が 立 場 を 省 み て 歌 詞 に 恥 じ な い か を 自 ら 判 断 す べ き で あ る 。 い や し く も 自 由 主 義 陣 営 の 戦 士 な ら 、 そ の 戦 士 ら し く 、 先 ず 自 己 の 思 想 的 立 場 を 明 白 に し て こ れ が 実 績 を 示 す べ き で あ る と 思 う 。   亜 細 亜 大 学 は 、 世 界 大 転 換 時 代 に 処 す べ き ア ジ ア の 使 命 感 に 感 応 し て 設 立 さ れ た も の で 、 ア ジ ア の 文 化 、 思 想 を 復 活 強 化 し 、 こ の 立 脚 地 に 立 っ て 清 新〓 刺 た る 融 合 世 界 の 建 立 へ の 雄 図 を 描 い て い る 。 し か も こ れ が 実 現 に つ い て は 、 現 時 点 に 盛 名 を 馳 せ て い る 、 い わ ゆ る お 歴 々 に 多 く の 期 待 を か け て い な い 。 か れ ら の 立 場 は 複 雑 で 、 そ の 精 神 は 枯 死 し て い る 。 亜 細 亜 大 学 は 、 眼 を 挙 げ て 新 世 紀 創 造 の 大 望 に 燃 え る 青 年 学 徒 に 希 望 の 光 を 見 る も の で あ る 。 青 年 学 徒 諸 君 は 上 述 し た 言 説 の 意 味 を 汲 み 取 っ て ほ し い 。

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  ︱ 同 窓 会 の 機 関 紙 で あ る ﹃ 青 々 会 報 ﹄ 第 二 号 (昭 和 三 十 九 年 二 月 八 日 付 ) 掲 載 ︱   わ が 亜 細 亜 大 学 は 建 学 精 神 と し て ﹁ 自 助 協 力 ﹂ を 高 く 掲 げ て い る こ と は 諸 君 の 知 る と お り で あ る 。 こ の ﹁ 自 助 協 力 ﹂ の 精 神 は 諸 君 の 勉 学 研 究 の 道 標 で あ っ た が 、 い ま や こ の 精 神 は 諸 君 に 対 し 、 社 会 人 と し て の 処 世 訓 と も な る 。   自 己 の 進 路 の 開 拓 者 は 誰 れ で も な い 。 外 な ら ぬ 自 己 自 身 で あ る 。 流 行 語 の 開 拓 者 精 神 と い う の も 実 は 自 己 に 宿 る 精 神 力 と い う こ と で 、 徒 ち に 他 力 に 頼 っ て い て は 自 己 の 新 境 開 拓 は つ い に 期 待 し 得 な い 。 時 代 は 刻 々 と 新 局 面 を 創 造 し 、 寸 時 も 停 滞 し な い 。 か く て い わ ゆ る 新 境 開 拓 の 創 造 努 力 の 精 神 が 欠 け て い る な ら 当 然 落 伍 し 去 る こ と 明 ら か で あ る 。   開 拓 者 精 神 は 、 事 業 界 に も 要 求 さ れ て 来 た が 、 こ れ が 生 ず る 動 力 は 自 助 精 神 で あ る と 思 う 。 す な わ ち 、 自 助 あ る と こ ろ 開 拓 あ り 、 開 拓 は 自 助 の 現 わ れ で あ る 。   自 助 は 最 上 の 助 け で あ る と い う 諺 が あ る 。 ま さ に そ の と お り で 悔 の な い 処 世 は こ の 諺 の 実 行 で 実 現 し 得 る の で

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あ る か ら 、 し っ か り 心 に 留 め て お く べ き も の と 思 う 。 か く て 頼 も し い 人 間 が 出 来 る 。 お 互 い の つ き 合 い と い う も の が 出 来 る 。 は じ め て 協 力 が 出 来 る 。   協 力 と は 、 い わ ゆ る 呉 越 同 舟 と い う こ と で は な い 。 表 面 だ け の 助 け 合 い と い う こ と で も な い 。 お 互 の 精 神 力 が 共 鳴 し 、 同 調 同 歩 し 得 る 信 頼 感 が 交 響 し 得 て 実 現 す る も の で あ る 。   す な わ ち 協 力 の 先 駆 を な す も の は 自 助 で あ る こ と を 忘 れ て は な ら な い 。   こ の 頃 、 頻 り に 後 進 国 開 発 問 題 が 外 交 の 主 要 問 題 と な っ て い る が 、 好 例 を 示 し て い る 。   後 進 国 へ の 経 済 援 助 は 、 勿 論 重 要 問 題 で あ る が 、 被 援 助 側 が 自 助 精 神 に 欠 け て は 援 助 は 却 っ て 仇 と な る 。 か く て 経 済 援 助 が 所 期 の 目 的 を 達 す る こ と が で き な い ば か り で な く 、 被 援 助 側 の 腐 敗 無 能 を 助 長 し て 金 の 切 れ 目 が 縁 の 切 れ 目 と も な り 、 援 助 側 を 怨 む 結 果 と な る 。   後 進 国 開 発 に よ る 経 済 援 助 で 、 お 互 い の 関 係 を 協 力 水 準 に ま で 引 き あ げ よ う と す る の は 、 逆 効 果 を 産 む こ と に な っ て いる 。 そ の こ と は い わ ゆ る 大 国 外 交 の 破 綻 が 雄 弁 に 物 語 っ て い る 。   こ の こ と は 、 わ れ わ れ の 日 常 生 活 に も 教 訓 を 与 え て い る も の と 思 う 。 私 は 曾 て 欧 米 人 の 人 物 観 と い う も の を読 ん だ こ と が あ る 。   先 ず イ ギ リ ス で あ る が 、 イ ギ リ ス 人 は 紹 介 さ れ て 来 た 人 物 に 対 し て そ の 人 が 如 何 な る 人 で あ る か 、 す な わ ち 先 ず 人 格 を 問 題 に す る と い う 。 ド イ ツ 人 は 紹 介 さ れ た そ の 人 が ど ん な 知 識 を 持 っ て い る か 、 す な わ ち そ の 人 の 知 識 学 問 を 問 題 に す る 。 フ ラ ン ス 人 は ど ん な 試 験 を 通 過 し た の か 、 す な わ ち そ の 人 の 才 幹 、 能 力 を 問 題 に す る と い う の で あ る 。 勿 論 こ ん な 小 話 で そ れ ぞ れ の 国 民 性 を 批 評 す る こ と は 当 た ら な い が 、 こ の 小 話 で も 多 少 の 傾 向 は 打 診 出 来 る フ シ も あ る 。

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  し か ら ば 日 本 人 が 紹 介 を 受 け た ら 対 面 す る そ の 人 に 対 し 先 ず ど ん な 点 が 胸 に 浮 か ぶ と い う の か 、 ま さ か そ の 人 の 背 後 勢 力 、 す な わ ち 当 今 流 行 の コ ネ が 先 ず 浮 か ぶ と い う の で は な い だ ろ う 。 人 物 、 学 力 、 能 力 は そ れ ぞ れ に そ の 人 物 に 対 し て 威 力 が あ る 。 而 し て こ れ ら の 総 合 力 を 身 に つ け る こ と が 出 来 た ら 満 点 で あ る 。 し か も こ れ ら の 威 力 は い ず れ も ﹁ 自 助 ﹂ す な わ ち 自 力 で 開 拓 し 建 設 し 発 揮 し て ゆ く も の で 、 他 力 本 願 で は 身 に つ け 得 な い も の で あ る 。   い ま や 内 外 の 動 向 形 勢 を 見 る と さ な が ら 乱 世 乱 離 の 様 相 を 呈 し て い る 。 ま さ に 実 力 時 代 で あ る 。 こ の 動 乱 時 代 に 処 し て 甘 い コ ネ 、 情 実 に す が っ て 身 を 立 て よ う な ど 、 夢 想 し て は な ら ぬ こ と 言 を俟 た な い 。 正 々 堂 々 と 表 玄 関 か ら 名 乗 り を あ げ て 勝 負 を 決 す る 自 信 を 養 う べ き も の と 思 う 。 亜 細 亜 大 学 卒 業 生 諸 君 は 任 重 く 、 道 遠 き こと を 想 っ て 、 自 重 自 愛 し 将 来 の 大 成 を 期 す べ き で あ る 。   諸 君 の 前 途 を 慶 祝 し て 万 歳 を 叫 ぶ 。

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 ︱ 昭 和 四 十 年 度 ﹃ 学 友 会 誌 ﹄ (年 一 回 新 入 生 向 け に 発 行 さ れ る ) 所 載︱   ﹁ 青 年 よ 大 志 を 抱 け ﹂ と い う こ と ば は 、 耳 に た こ の 出 来 る ほ ど 聞 か さ れ て 来 た こ と と 思 う 。 こ の こ と ば の 意 味 は ﹁ 望 み を 高 く 抱 け ﹂ と い う こ と で 、 大 志 と い う の は 将 来 成 し 遂 げ よ う と す る 仕 事 を 、 心 の な か で し っ か り 決 め る 精 神 を い う の で あ る 。 永 い 人 生 航 路 の な か に は 、 い ろ い ろ と 苦 労 も 失 敗 も あ ろ う 。 し か し 、 自 ら の 心 の な か で 決 め た 仕 事 に 精 を 出 し て 、 一 路 前 進 し て 迷 う と こ ろ が な い な ら 、 遂 に は 成 功 の 彼 岸 に 達 し 得 よ う 。 こ れ に は 高 い 目 的 を 持 つ こ と が 必 要 で あ り 、 こ れ が 成 功 の 秘 訣 で あ る と 思 う 。 小 成 に 安 ん ず る と い う こ と は 、 目 的 が 低 い と い う こ と で 、 こ れ が 失 敗 の 原 因 と い う こ と に な る 。 か く し て 、 所 謂 堕 落 と い う こ と は 、 低 目 的 か ら 起 こ る 生 活 状 態 で あ る と も い わ れ 得 る 。 偉 人 は ﹁ 夢 見 る 者 ﹂ で あ る と い わ れ て い る 。 彼 は 、 常 に 胸 中 に 大 志 を 抱 き 、 そ の 仕 事 を 計 画 し 、 遂 に 之 を 成 し 遂 げ た 人 で あ る 。 か く い う と 、 青 年 は 偉 人 に 通 ず る も の が あ る と も い わ れ 得 よ う 。 か れ も 亦 、 つ ね に ﹁ 夢 見 る 者 ﹂ で あ る か ら だ 。 た だ し 、 こ こ に い う 偉 人 と い う の は 、 必 ず し も 大 事 を 為 す 所 謂 英 雄 豪 傑 と い う 人 た ち を 指 す の で は な く 、 寧 ろ 小 事 に 忠 実 な 人 を い う の で あ る 。 所 謂 小 事 に 対 す る 忠 実 が 、 積 り 積 っ て 大 事 と な る も の で あ る が 、 こ れ を 敢 て 成 し 遂 げ た 彼 こ そ 真 の 偉 人 と 称 し 得 よ う 。   か く て 小 人 は な ま け 者 、 虚 偽 者 、 世 間 を 誤 魔 化 し 通 す 者 と い う こ と に な る 。 偉 人 と な る の は 難 し い も の で は な

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い 。 自 ら 決 め た 仕 事 を 、 自 ら の 手 に よ っ て 全 力 を 尽 し て 成 し 遂 げ る そ の 人 が 偉 人 で あ る と の こ と で あ る 。 こ れ は 、 誠 実 を 以 て 事 に 当 た る と い う こ と で 、 そ の こ と 自 身 が 偉 大 な の で あ る 。   わ れ ら 亜 細 亜 学 園 の 建 学 精 神 は ﹁ 自 助 協 力 ﹂ と い う こ と で あ る が 、 こ れ は 学 生 諸 君 の 大 志 遂 行 の 道 標 と し て 役 立 つ も の と 思 う 。 自 己 の 運 命 は 自 己 み ず か ら 開 拓 す べ し 、 他 力 本 願 の 怠 け 者 に 堕 す る 勿 れ 、 自 己 の 頼 む と こ ろ の も の は 自 己 の み で あ る と い う の が ﹁ 自 助 ﹂ で あ る 。 ま た 、 ﹁ 自 助 ﹂ は 誠 実 と い う 背 骨 が 一 本 通 っ て い る こ と を 忘 れ て は な ら な い 。 而 し て 、 こ の ﹁ 自 助 ﹂ あ っ て は じ め て ﹁ 協 力 ﹂ が あ る 。 ﹁ 自 助 ﹂ な き ﹁ 協 力 ﹂ は 砂 上 の 楼 閣 で あ る 。 白 日 夢 で あ る 。 竟 に 人 を し て 乞 食 根 性 に 堕 し 去 ら し む る こ と 明 ら か で あ る 。 あ る ア メ リ カ の 宗 教 家 が 遺 し た 名 言 が あ る 。   上 を 見 よ 、 下 を 見 る 勿 れ   前 を 見 よ 、 後 を 見 る 勿 れ   外 を 見 よ 、 内 を 見 る 勿 れ   而 し て 人 に 手 を 貸 す べ し 希 望 で あ る 。 前 進 で あ る 。 こ れ は ﹁ 自 助 ﹂ の 功 徳 で あ る 。 而 し て 、 こ の 功 徳 あ っ て 人 に 手 を 貸 す こ と が 出 来 る 。 人 の 手 を 借 り る こ と も 出 来 る 。 す な わ ち 、 ﹁ 協 力 ﹂ し 合 う こ と が 出 来 る 。 わ れ ら の 学 園 は 、 か く て 同 志 の 学 園 と し て 発 足 し た の で あ る 。 ﹁ 自 助 協 力 ﹂ は 、 わ れ ら の 建 学 精 神 で あ る 。

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 ︱ 静 和 寮 (女 子 ) の 文 集 で あ る ﹃桑 梓 ﹄ 創 刊 号 (昭 和 四 十 年 度 ) 所 載︱   亜 細 亜 学 園 の 女 子 寮 か ら 、 同 人 雑 誌 が お 目 見 え す る と い う 。 お 互 い が 抱 い て い る 日 ご ろ の 感 想 と か 意 見 な ど を 発 表 し て 、 お 互 い の 生 活 内 容 を 充 実 し て 行 く こ と は 、 人 生 行 路 に お い て 意 義 あ る こ と と 思 う 。   寮 は 、 ﹁ 静 和 ﹂ と い う 。 ﹁ 静 ﹂ は ﹁ 閑 雅 ﹂ と い う こ と で 、 お 上 品 と で も 表 現 し た ら よ い か 。 ﹁ 静 ﹂ は ま た 、 ﹁ み さ お ・ 正 し き こ と ﹂ と い う 意 味 も 含 ま れ て い る 。 ﹁ 和 ﹂ は も ち ろ ん ﹁ や わ ら ぎ ﹂ で あ る 。 よ っ て ﹁静 和 ﹂ は 、 女 性 の 特 長 を 表 わ し た も の と し て 、 女 子 寮 に 名 づ け ら れ た も の で 、 皆 さ ん に 対 し 大 い な る 期 待 が か け ら れ て い る わ け で あ る 。   中 国 の 古 典 に 、 ﹁ 柔 能 く 剛 を 制 す ﹂ と い う 語 が あ る 。 剛 が 柔 に 制 せ ら れ る こ と は 、 歴 史 が 示 し て い る 事 実 で 、 一 時 的 な 現 象 で は 、 剛 が 柔 を 制 す る こ と が あ っ て も 、 結 局 に お い て 柔 に 制 せ ら れ る と い う こ と は 、 面 白 い 現 象 と 思 う 。 し か し 、 よ く 考 え る と 、 こ れ は 当 然 の こ と で 、 柔 を 守 る こ と は 、 勇 気 を 要 す る 。 ま た 、 見 識 を 要 す る こ と で あ る 。 現 代 の 大 勢 は 、 カ ネ づ く 、 腕 づ く 、 理 屈 づ く で 勝 を 制 し よ う と す る 処 世 観 が 流 行 す る か に 見 え る 。 一 方 、 こ の 主 潮 に 対 し 、 静 和 の 心 で 処 世 観 を 立 て る と い う こ と は 、 勇 者 な ら で は 出 来 な い こ と で あ る 。 ﹁ 柔 を 守 る を 強 と い う ﹂ と 言 わ れ た 先 賢 の 言 は 、 よ く 味 わ う べ き も の と 思 う 。 こ こ に い う 柔 の 徳 は 、 静 和 の 徳 で あ っ て 、 特 に 、 女

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性 に 見 ら れ る 特 色 で あ る 。 し か る に 、 昨 今 の 流 行 風 潮 を 見 る に 、 女 性 は 剛 強 に 感 染 し 、 男 性 は 柔 弱 に 伝 染 さ れ 、 こ れ が 新 時 代 の 新 現 象 で あ る か の 錯 覚 を 与 え て い る 向 き が あ る 。 恐 る べ き 傾 向 で あ る 。 こ の よ う な 人 生 の 転 倒 錯 覚 は 、 つ い に 人 生 を 暗 黒 化 せ し め 、 家 庭 を 破 壊 せ し め 、 自 ら 墓 穴 を 掘 っ て 、 自 ら そ の 中 に 埋 没 せ し む る 運 命 を 招 く こ と 必 定 で あ る 。 女 性 が 、 そ の 特 色 で あ る 柔 を 失 っ た な ら 、 絵 に 画 い た 花 で 、 香 り の な い 存 在 と な る こ と だ ろ う 。   わ れ わ れ 学 園 の 建 学 精 神 は 、 ﹁ 自 助 協 力 ﹂ で あ る 。 自 ら の 力 に 頼 り 、 自 ら の 境 地 ・徳 性 を 拓 き 、 こ の 開 拓 精 神 で 結 ば れ た お 互 い が 、 協 力 し て 行 く の が 、 最 善 の 人 生 行 路 で あ る と の こ と で あ る 。 皆 さ ん は 、 在 学 時 代 に こ の 建 学 精 神 を 身 に つ け 、 皆 さ ん の 胸 に 抱 か れ て い る 大 い な る 夢 の 実 現 に つ と め ち れ た い 。

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 ︱ ﹃第 七 回 ア ジ ア 祭 プ ロ グ ラ ム ﹄ (昭 和 四 十 年 度 ) 所 載︱   ア ジ ア 祭 が や っ て 来 た 。 今 年 の ア ジ ア 祭 は 、 去 年 の ア ジ ア 祭 よ り も 楽 し い 思 い 出 を 残 し て 終 わ り た い と 思 う 。 さ ら に 来 年 の ア ジ ア 祭 は 、 今 年 の ア ジ ア 祭 よ り も 楽 し い 思 い 出 を 作 り 出 し た い と 思 う 。 ア ジ ア 祭 は 、 亜 細 亜 大 学 の 夢 の 祭 典 で あ る 。 亜 細 亜 大 学 の 夢 は 刻 々 と 拡 げ ら れ て 行 く 。 こ こ に 学 ぶ 若 人 た ち の 夢 も 、 刻 々 と 拡 げ ら れ て 行 く 。 か く て 我 等 の 開 拓 者 精 神 も 拡 げ ら れ て 行 く こ と だ ろ う 。   亜 細 亜 大 学 の 建 学 精 神 は ﹁ 自 助 協 力 ﹂ で あ る 。 ﹁ 自 助 ﹂ は 人 間 形 成 の イ ロ ハ で あ る 。 自 身 の 前 途 は 自 身 で 開 拓 し て 行 く 、 他 力 本 願 を 排 す る こ と を 言 う 。 人 間 の 価 値 の い か ん は 、 自 助 精 神 の 強 弱 で 決 ま る 。 国 家 の 権 威 い か ん の 問 題 も 亦 然 り 。 自 助 精 神 の な い と こ ろ に 協 力 精 神 が な く 、 協 力 精 神 の な い と こ ろ に 夢 の 育 つ 素 地 は な い 。 我 等 は ﹁ 自 助 ﹂ を し っ か り 身 に つ け て 、 ﹁ 協 力 ﹂ の 友 情 を 深 め て 行 き た い と 思 う 。   私 は 、 ア メ リ カ の 前 大 統 領 ケ ネ デ ィ ー が 、 大 統 領 就 任 演 説 で 、 ア メ リ カ 人 民 に 警 告 を 発 し 、 諸 君 は 、 国 家 か ら 何 か を 求 め よ う と す る 考 え を や め て 、 国 家 に 何 を 尽 く す べ き か を 考 え る べ き だ 、 と い う 意 味 の こ と を 述 べ た の を 記 憶 し て い る 。 真 に 現 代 人 の 他 力 本 願 主 義 を 戒 め た 至 言 で あ る 。 何 人 で も 、 国 家 の 補 助 、 国 家 の 援 助 を 言 う 。 時 に は そ れ も よ ろ し い 。 し か し 、 か く て は 国 家 の よ っ て 立 つ 〓 刺 た る 民 族 精 神 が 、 む し ば ま れ て 行 く こ と に な る 。

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国 家 は 、 我 々 お 互 い の 国 家 で あ る 。 国 家 の た め 尽 く す べ き 分 野 に つ い て 、 お 互 い が 真 剣 に 語 り 合 う べ し 。   我 々 は 先 ず ﹁ 自 助 ﹂ で 自 立 し 、 以 て 国 家 を 自 立 せ し め 、 以 て ア ジ ア の 自 由 交 流 を 力 説 し 、 こ の 実 現 力 は 、 偏 に 学 徒 の 双 肩 に あ る べ き こ と を 指 摘 し て 発 足 し た 。   ア ジ ア 祭 に あ た り 、 亜 細 亜 大 学 の 夢 を 語 る 。 若 人 の 胸 に た ぎ る 力 強 い 鼓 動 が 聞 こ え て 来 る 。

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 ︱ 昭 和 四 十 一 年 度 ﹃ 大 学 案 内 ﹄ 所 載︱   亜 細 亜 大 学 の 建 学 精 神 は 、 ﹁ 自 助 協 力 ﹂ に あ る 。 而 し て 、 こ の 建 学 精 神 を ア ジ ア 復 興 の 動 力 に し よ う と す る の が 、 わ れ わ れ の 大 望 な の で あ る 。 亜 細 亜 大 学 は 、 そ の 発 足 に あ た っ て 、 次 の 如 く 宣 言 し て 、 そ の 所 信 を 天 下 に 告 げ た 。 ﹁ 今 や ア ジ ア の 黎 明 期 で あ る 。 ア ジ ア の 独 立 と 自 由 を 告 げ る 鐘 の 音 が 、 ア ジ ア の 全 域 に 鳴 り 渡 っ て お り 、 全 ア ジ ア は 、 正 に 門 戸 を 開 放 し 、 通 路 を 清 掃 し て 、 相 互 に 隣 人 交 歓 の 至 情 を 披瀝 す べ き 秋 で あ る 。 も し 、 自 由 ア ジ ア が 誕 生 し 、 全 ア ジ ア の 民 人 が 相 擁 し て 、 文 化 交 流 ・ 経 済 合 作 を 計 っ た な ら ば 、 ア ジ ア は 必 ず 勃 興 し よ う 。 而 し て 、 世 界 情 勢 も 必 ず 一 変 す る に ち が い な い 。 ﹂   爾 来 幾 星 霜 、 亜 細 亜 大 学 は 、 こ の 建 学 精 神 ・ 興 亜 精 神 を 体 し 、 こ の 大 望 実 現 に邁 進 し て 来 た 。 い ま や 国 内 は も と よ り 、 東 南 ア ジ ア 各 地 に お い て も 、 亜 細 亜 大 学 の 存 在 が 注 目 の 的 と な っ て 来 た 。 こ の 事 実 は 、 世 界 転 換 期 の 急 潮 に棹 さ し た 亜 細 亜 大 学 の 進 路 に 共 鳴 し 、 こ れ が 推 進 に 協 力 を 惜 し ま な い わ が 同 胞 と 、 ア ジ ア 諸 国 民 と の 共 感 と 好 意 と に 負 う も の で あ る 。   し か し な が ら 、 ア ジ ア の 前 途 は な お 多 難 で あ る 。 現 在 ア ジ ア の 当 面 す る 根 本 的 問 題 は 何 か と い え ば 、 全 ア ジ ア 人 の 心 田 開 拓 で あ る と 信 ず る 。 心 の 荒 地 開 拓 で あ る 。 歴 史 あ っ て こ の 方 、 こ の 開 拓 精 神 な く し て 国 家 民 族 の 勃 興

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が あ っ た た め し は な い 。 ア ジ ア に お い て も ア ジ ア 興 隆 の 動 力 は 、 先 ず こ れ を 自 ら の 心 田 開 拓 に 求 む べ き で あ る 。 こ れ が た め の ﹁ 自 助 ﹂ で あ り 、 こ の ﹁ 自 助 ﹂ あ っ て ﹁ 協 力 ﹂ あ り 、 而 し て 興 隆 が あ る 。   日 本 は 先 ず 自 ら の 心 田 を 開 拓 し 、 日 本 振 興 の 実 を 示 し 、 も っ て ア ジ ア 復 興 に 協 力 の 範 を 示 さ な け れ ば な ら ぬ 。 わ が 亜 細 亜 学 園 は 、 か く の 如 き 理 想 と 使 命 観 と に 徹 し た 有 為 な 人 材 を 育 成 す る こ と を 念 願 す る も の で あ る 。

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