もちづき けんいち(幼児教育学科) - 80 -
短 期 大 学 に お け る 目 的 別 英 語 教 育 ( 2 ):
食 物 栄 養 学 科 及 び 専 攻 科 食 物 栄 養 専 攻 の 英 語 科 目 の 授 業 計 画 と 運 営
English for Specific Purposes in College(2):
Planning and Conducting Class Activities in English Courses for
Food and Nutrition Major Students
望 月 健 一 MOCHIZUKI Ken-ichi ( 承 前 ) 1 . は じ め に : 専 門 教 育 と の 関 連 付 け に 留 意 し た 英 語 教 育 の 必 要 性 前 編( 1 )で は 、筆 者 が 勤 務 す る 富 山 短 期 大 学 幼 児 教 育 学 科 の「 英 語 Ⅰ ・ Ⅱ 」の 授 業 に お け る 実 践 を 紹 介 し た が 、 本 稿 で は 同 短 期 大 学 の 食 物 栄 養 学 科 「 英 語 Ⅰ ・ Ⅱ 」 及 び 専 攻 科 食 物 栄 養 専 攻 「 外 国 語 文 献 講 読 Ⅰ 」 の 授 業 を 採 り 上 げ る 。 こ こ で 、 筆 者 の 立 場 を 明 ら か に し て お く と 、 筆 者 は 幼 児 教 育 学 科 の 専 任 教 員 で あ り 、 食 物 栄 養 学 科 及 び 専 攻 科 食 物 栄 養 専 攻 の 兼 担 教 員 で あ る 。 従 っ て 、 前 者 の 会 議 に は 毎 週 出 席 す る が 、 後 者 の 会 議 に 参 加 す る 機 会 は な い 。 本 論 に 入 る 前 に 、 今 日 の 日 本 の 大 学 等 の 高 等 教 育 機 関 に お け る E S P (English for Specific Purposes)の 必 要 性 に つ い て 確 認 し て お き た い 。2008 年 12 月 、文 部 科 学 省 中 央 教 育 審 議 会 よ り『 学 士 課 程 教 育 の 構 築 に 向 け て 』と い う 答 申 が 出 さ れ た 。1 こ こ に は 「 専 門 分 野 を 学 ぶ た め に 必 要 な 語 学 力 の 取 得 」が 掲 げ ら れ 、「 英 語 等 の 外 国 語 教 育 に お い て 、バ ラ ン ス の と れ た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 を 重 視 す る と と も に 、 専 門 教 育 と の 関 連 付 け に 留 意 す る 。 」 と の 記 述 が な さ れ た ( 下 線 筆 者 )。 こ れ は 、 わ が 国 の 大 学 英 語 教 育 に お け る E S P の 必 要 性 が 、 初 め て 公 的 に 表 明 さ れ た こ と を 意 味 し て い る 。 2 2 . E S P の 区 分 : E O P と E A P
一 般 的 に 言 っ て 、 E S P は 、 E O P (English for Occupational Purposes)[ 職 業 目 的 の た め の 英 語 ]と E A P(English for Academic Purposes)[ 学 術 目 的 の た め の 英 語 ] に 二 分 さ れ る 。 さ ら に 、 E O P は 、 医 者 、 弁 護 士 、 エ ン ジ ニ ア な ど の 職 業 専 門 家 の た め の E P P (English for Professional Purpose)と 店 員 や 電 話 の オ ペ レ ー タ ー な ど の 一 般 の 職 業 人 の た め の E V P(English for Vocational Purposes)に 下 位 区 分 さ れ る 。一 方 、 E A P は 大 学 や 研 究 機 関 で 行 わ れ る も の で あ り 、 一 般 学 術 目 的 の た め の E G A P
(English for General Academic Purposes)と 特 定 学 術 目 的 の た め の E S A P( English for Specific Academic Purposes) に 下 位 区 分 さ れ る 。 3
81 -( 1 ) で 扱 っ た 保 育 士 ・ 幼 稚 園 教 諭 に 必 要 と さ れ る E S P の 分 野 は 、 主 に E O P の 中 の E P P で あ る 。 ま た 、 既 に 述 べ た よ う に 、 保 育 の 現 場 で 使 わ れ る 語 彙 ・ 表 現 に は 日 常 生 活 で 使 わ れ る も の が 多 い た め 4、 保 育 の E S P に は 、 自 ず と E G P (English for General Purposes)[ 一 般 的 な 目 的 の た め の 英 語 ] の 要 素 が 含 ま れ る 。 し か し 、 例 年 、 本 学 幼 児 教 育 学 科 の 学 生 の 約 95%は 入 学 当 初 よ り 職 業 専 門 家 を 目 指 し て お り 、E A P の ニ ー ズ は 極 め て 低 い 。 3 . 食 物 栄 養 学 の 分 野 の E S P 3.1 食 物 栄 養 学 の 分 野 の コ ー パ ス 食 物 栄 養 学 を 専 攻 す る 学 生 を 対 象 と す る E S P は 、 こ の 学 問 分 野 の 性 質 上 、 E O P と E A P の 両 方 に ま た が っ て い る 。 食 品 、 食 材 の 名 称 か ら 調 理 学 、 栄 養 学 、 化 学 、 医 学 に 至 る ま で 、 幅 広 い 分 野 の コ ー パ ス (corpus) 5 が 守 備 範 囲 と な る 。 ま た 、 食 品 に 関 す る ニ ュ ー ス や 広 告 、 料 理 の レ シ ピ ー 、 調 理 方 法 や 食 文 化 を 伝 達 す る た め の 会 話 、 講 演 、 学 術 論 文 な ど 多 様 な ジ ャ ン ル (genre) 6 に 接 す る 機 会 が あ る 。 こ れ ら の う ち 、 食 品 ・ 食 材 の 名 称 、 食 品 ニ ュ ー ス 、 レ シ ピ ー な ど は E O P や E G P の 範 疇 内 に あ り 、 大 学 ・ 短 大 の 1 , 2 年 時 に 学 習 し て お く こ と が 望 ま し い 。 し か し 、 四 年 制 大 学 の 高 学 年 や 大 学 院 で は 英 語 で 書 か れ た 学 術 論 文 を 読 む た め 、 E A P が 必 要 に な っ て く る 。 理 系 の 論 文 を 読 む た め に は 、 専 門 分 野 に 関 す る 知 識 以 前 に E G A P 、 例 え ば 、 グ ラ フ 、 表 、 デ ー タ を 理 解 す る 能 力 や 統 計 学 に 関 す る 知 識 が 欠 か せ な い 。 ま た 、 食 品 成 分 の 説 明 に は 化 学 結 合 や 化 学 式 が 使 用 さ れ る た め 化 学 の E S A P も 必 要 で あ る 。さ ら に は 、「 食 」と「 医 」は 切 っ て も 切 れ な い 関 係 に あ る た め 、 医 学 の E S A P に も 足 を 踏 み 入 れ る こ と に な る 。 特 に 、 学 会 で 研 究 発 表 を 行 っ た り 論 文 を 執 筆 し た り す る 学 生 は 、 専 門 家 の デ ィ ス コ ー ス ・ コ ミ ュ ニ テ ィ(discourse community)7 に 直 接 参 加 す る こ と に な る た め 、 ジ ャ ン ル 分 析 も 踏 ま え た 本 格 的 な E A P 学 習 が 必 要 で あ る 。 3. 2 ジ ャ ン ル を 総 合 的 に 理 解 す る こ と を 目 指 す E S P 教 育 し か し 、 E S P 教 育 の 使 命 は 、 特 定 の 専 門 分 野 の コ ー パ ス を 確 認 す る こ と に 留 ま ら な い 。 そ の 分 野 で 頻 繁 に 使 用 さ れ る 語 彙 や 慣 用 的 な 表 現 を 学 習 者 に 定 着 さ せ る こ と 、 そ れ ら を 前 後 関 係 の 中 で 理 解 し 、 か つ 運 用 す る 能 力 を 身 に つ け さ せ る こ と 、 ジ ャ ン ル の 典 型 的 な テ キ ス ト を 示 す こ と 、 そ の 分 野 に 特 有 の 形 式 や 構 成 に 注 意 を 喚 起 す る こ と 等 、 非 常 に 広 範 囲 に 渡 る 。 大 学 3 , 4 年 生 や 大 学 院 生 の 場 合 に は 、 英 語 の 学 術 雑 誌 を 紹 介 し 、 学 生 の 研 究 分 野 の 論 文 を 探 す 支 援 を 行 う こ と も 含 ま れ る 。 即 ち 、 英 語 を 媒 介 と し て 、 そ の 研 究 分 野 ・ ジ ャ ン ル を 総 合 的 に 理 解 す る こ と を 目 指 し て い る の が E S P 教 育 で あ る 。 し か し 、 E S P 教 員 の 本 分 は 、 専 門 教 育 を 行 う こ と で は な い 。 E S P 教 員 は 一 種 の フ ァ シ リ テ ー タ ー (facilitator) で あ り 、 そ の 使 命 は 学 習 者 の 専 門 分 野 に お け る 学 び を 支 援 す る こ と で あ る 。 た と え 、 同 じ 専 門 分 野 の 英 語 の 論 文 を 教 材 に 使 用 す る こ と が あ っ て も 、 専 門 教 員 と E S P 教 員 で は 教 材 へ の ア プ ロ ー チ が ま っ た く 異 な る 。 前 者 が 専 門 知 識
82 -の 提 供 や 研 究 指 導 -の た め に 論 文 を 使 う -の に 対 し て 、 後 者 は 専 門 分 野 に お け る 英 語 運 用 能 力 の 向 上 を は か る 手 段 と し て 論 文 を 使 用 す る か ら で あ る 。 3.3 未 開 拓 分 野 と し て の 食 物 栄 養 学 の E S P 食 物 栄 養 学 の E S P に 関 す る 事 例 研 究 は 、 工 学 、 医 学 、 ビ ジ ネ ス 等 の 分 野 に 比 べ て 極 め て 少 な い 。 筆 者 は 、2016 年 8 月 に 東 京 で 開 催 さ れ た 国 際 学 会 8th International
Conference on ESP in Asia & 3rd International Symposium on Innovative Teaching
and Research in ESP に 参 加 し た が 、 3 日 間 に 渡 っ て 行 わ れ た 大 会 の 中 で 特 定 の 分 野 を 扱 っ た 発 表 は 、「 科 学 技 術 」: 研 究 発 表 6 件 、フ ォ ー ラ ム 1 件( 発 表 者 4 名 )、基 調 講 演 1 件 、「 ビ ジ ネ ス 」: 研 究 発 表 5 件 、「 観 光 旅 行 業 (tourism)」: 研 究 発 表 3 件 、 フ ォ ー ラ ム 1 件( 発 表 者 3 名 )、「 法 廷 」: 研 究 発 表 3 件 、ワ ー ク シ ョ ッ プ 1 件 、「 文 学 」: 研 究 発 表 3 件( 英 米 文 学 、環 境 文 学 、中 国 古 典 )、「 軍 事 」: 研 究 発 表 2 件 、「 ス ポ ー ツ 」: 研 究 発 表 2 件 、 そ の 他 は 「 建 築 」、「 航 空 」、「 農 業 」、「 経 済 学 」、「 映 画 批 評 」 各 研 究 発 表 1 件 で 、 食 物 栄 養 学 に 関 す る も の は 0 件 で あ っ た 。 8 た だ し 、「 観 光 旅 行 業 」に お い て は 、「 食 」は 重 要 な 分 野 の 一 つ で あ る 。JACET の「 ESP 関 連 文 献 総 覧 デ ー タ ベ ー ス プ ロ ジ ェ ク ト ニ ー ズ 分 析 デ ー タ ベ ー ス 」 に は 2011 年 3 月 ま で の 日 本 に お け る E S P の 分 野 に お け る 94 件 の 研 究 業 績 が 集 め ら れ て い る が 、 食 物 栄 養 学 の E S P の 事 例 研 究 は 皆 無 で あ る 。 9 2009 年 に 至 る ま で 、日 本 の 大 学 英 語 教 育 に お い て 栄 養 士 向 け の E S P を 体 系 的 に 学 ぶ プ ロ グ ラ ム を 開 発 し て い る 例 は 顕 在 化 し て い な い 。1 0 食 物 栄 養 の 分 野 に お け る 最 も 本 格 的 な E S P 研 究 は 、 津 田 晶 子 (2013)『 日 本 の 栄 養 士 ・ 管 理 栄 養 士 養 成 校 に お け る 英 語 教 育 調 査 』報 告 書 で あ る 。 1 1 こ れ は 、全 国 の 栄 養 士 ・ 管 理 栄 養 士 養 成 施 設 300 校 の 英 語 担 当 教 員 、 教 務 や カ リ キ ュ ラ ム 担 当 の 専 門 教 員 ・ 職 員 を 対 象 に 、 栄 養 系 学 生 の 英 語 ニ ー ズ に 関 す る 意 識 調 査 を 行 っ た も の で あ る( 回 収 サ ン プ ル 数 139: 大 学 70、短 大・専 門 学 校 69)。 こ の 調 査 の 結 果 、 英 語 教 員 と 専 門 教 員 と で 栄 養 系 学 生 の 英 語 ニ ー ズ に 関 す る 意 識 が 異 な る こ と 、 即 ち 、 前 者 は 食 文 化 を 理 解 す る 能 力 、 後 者 は 論 文 が 読 め る 能 力 を 重 視 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た 、 こ の 研 究 の 「 研 究 成 果 報 告 書 」 で は 、 栄 養 学 の E S P 教 育 が 立 ち 遅 れ て い る 理 由 と し て 、 ① 厚 生 労 働 大 臣 か ら 指 定 認 可 さ れ た 栄 養 士 養 成 校 で は 専 門 教 育 に 対 す る 要 求 水 準 が 高 く 、語 学 教 育 ま で は 配 慮 が 行 き 届 か な い こ と 、 ② 多 く の 養 成 校 が 単 科 大 学 や 小 規 模 校 で あ り 、 学 科 専 属 の 英 語 教 員 が 配 置 さ れ て い な い こ と 、③ 専 門 教 員 と 英 語 教 員 間 で の 協 力 体 制 が な い こ と 、の 3 点 が 指 摘 さ れ て い る 。1 2 食 物 栄 養 の 分 野 の E S P の 先 進 的 な 実 践 例 の 一 つ と し て 、 福 岡 市 に あ る 中 村 学 園 大 学 ・ 短 期 大 学 食 物 栄 養 学 科 の 「 実 用 栄 養 英 語 」 が 挙 げ ら れ る 。 1 3 こ れ は 、 郷 土 料 理 の 英 語 の レ シ ピ ー を 作 成 す る こ と を 目 指 す 授 業 で 、 2 年 次 前 期 に 開 講 さ れ る 選 択 科 目 で あ る 。 コ ー ス の 前 半 で は 食 文 化 や 栄 養 関 係 の 英 字 新 聞 や 雑 誌 、 英 語 の レ シ ピ ー の 読 解 や リ ス ニ ン グ で 学 生 の 興 味 を 喚 起 し 、 後 半 で は グ ル ー プ で の 英 語 の リ サ ー チ & プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 行 い 、終 了 時 の 提 出 課 題 と し て 、外 国 人 に 紹 介 し た い「 和 食 の レ シ ピ ー の 英 訳 」
83 -を 課 す と い う も の で あ る 。 履 修 学 生 に は 栄 養 士 に な り た い と い う 明 確 な キ ャ リ ア 志 向 が あ り 、 そ の ほ と ん ど が 四 年 制 大 学 へ の 編 入 学 試 験 ( 試 験 科 目 は 、 専 門 科 目 と 英 語 ) の 受 験 を 希 望 す る 。 短 期 大 学 と し て は 、 か な り 高 度 な 授 業 内 容 で あ る が 、 学 生 の 英 語 力 は 英 検 準 2 級 ~ 2 級 程 度 、 ク ラ ス サ イ ズ は 25~ 30 人 と い う 適 正 な 人 数 、 編 入 学 試 験 に は 英 語 が 必 要 、 等 の 条 件 が 揃 っ て こ そ 可 能 な 授 業 内 容 と 言 え る で あ ろ う 。 4 . 栄 養 士 及 び 管 理 栄 養 士 の た め の E S P の ニ ー ズ 4.1 ニ ー ズ 分 析 ト ラ イ ア ン グ ル ニ ー ズ 分 析 は 、 本 研 究 の 目 的 で は な い 。 し か し 、 E S P 教 育 の 特 徴 は 、 ニ ー ズ を 正 確 に 把 握 す る こ と に よ っ て 明 確 な 目 標 を 設 定 し 、 適 切 な 教 材 、 タ ス ク 、 評 価 方 法 な ど を 考 慮 し な が ら 授 業 計 画 を 立 て る こ と に あ る の で 、 こ こ で は 日 本 あ る い は 富 山 に お け る 食 物 栄 養 学 の 分 野 の E S P の ニ ー ズ に つ い て 確 認 し て お き た い 。 こ こ で 、 ま ず 気 を つ け な け れ ば な ら な い の は 、 誰 が 認 識 す る ニ ー ズ な の か と い う こ と で あ る 。 職 業 未 経 験 者 と し て の 学 生 が 認 識 す る ニ ー ズ は 、 実 社 会 の ニ ー ズ と 合 致 し な い 場 合 が あ る 。興 味 を 示 す 学 生 が 少 な い か ら 社 会 の ニ ー ズ が な い と 考 え る の は 正 し く な い 。 ま た 、 す べ て の 専 門 教 員 が 社 会 の ニ ー ズ を 正 確 に 把 握 し て い る と は 限 ら な い 。 1980 年 代 の E S P の 分 野 に お け る 研 究 に お い て は 、し ば し ば「 ニ ー ズ 分 析 ト ラ イ ア ン グ ル 」(needs analysis triangle) が 採 り 上 げ ら れ て い る 。例 え ば 、ウ ェ ス ト( 1994)は 、 E S P 教 育 に お け る 3 つ の ニ ー ズ と し て 、 1 . 教 師 が 認 識 す る ニ ー ズ 、 2 . 学 習 者 が 認 識 す る ニ ー ズ 、 3 . 職 場 や ス ポ ン サ ー が 認 識 す る ニ ー ズ を 挙 げ て い る 。 1 4 そ こ で 、 こ こ で は 、 基 本 的 に こ れ ら の 3 つ の 観 点 か ら 富 山 、 日 本 、 そ し て 世 界 の 食 物 栄 養 学 の E S P の ニ ー ズ に つ い て 考 え て み た い 。 た だ し 、 3 の 「 職 場 や ス ポ ン サ ー が 認 識 す る ニ ー ズ 」は 、こ の ま ま ま で は 分 析 が 難 し い の で 、筆 者 は こ れ を「 職 場 や 社 会 に お け る ニ ー ズ 」 と 捉 え 直 し て 考 察 を 加 え る こ と に す る 。 4.2. 教 師 が 認 識 す る ニ ー ズ こ の カ テ ゴ リ ー に 関 し て は 、 国 内 に 本 格 的 な 先 行 研 究 が 存 在 す る 。 先 に 触 れ た 『 日 本 の 栄 養 士 ・ 管 理 栄 養 士 養 成 校 に お け る 英 語 教 育 調 査 』 報 告 書 に よ れ ば 、「 栄 養 士 の 10 年 後 の 英 語 の 必 要 性 」 に つ い て 、 専 門 教 員 の 回 答 は 「 今 よ り 一 層 必 要 」50.5%、「 今 よ り や や 必 要 」34.0%、「 ど ち ら と も い え な い 」 12.4%、「 必 要 で な い 」 2.1%で あ っ た 。 こ れ に 対 し て 、英 語 教 員 の 回 答 は「 今 よ り 一 層 必 要 」21.1%、「 今 よ り や や 必 要 」50.0%、「 ど ち ら と も い え な い 」23.7%、「 必 要 で な い 」5.3%で あ り 、専 門 教 員 の 方 が 英 語 教 員 よ り も 英 語 読 解 力 に つ い て 将 来 の ニ ー ズ が あ る と 考 え る 者 が 多 か っ た 。 1 5 「 今 よ り 一 層 必 要 」 と 「 今 よ り や や 必 要 」 の パ ー セ ン テ ー ジ を 合 計 す る と 、 専 門 教 員 は 80%強 、英 語 教 員 は 70%強 で あ り 、全 国 的 に 見 る と 、大 多 数 の 教 員 が「 栄 養 士 の 10 年 後 の 英 語 の 必 要 性 」を 認 識 し て い る こ と が 明 ら か で あ る 。
84 -筆 者 は 、 栄 養 士 養 成 課 程 ( 短 大 ・ 専 門 学 校 ) と 管 理 栄 養 士 養 成 課 程 ( 四 年 制 大 学 ・ 短 大 + 専 攻 科 ) は 別 に 考 え る 必 要 が あ る と 考 え る 。 給 食 提 供 が 主 で あ る 前 者 と 医 療 職 を 目 指 す 後 者 と で は 、 最 終 的 に 目 指 す 方 向 が 異 な っ て い る の で 、 英 語 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る 場 合 の コ ー パ ス の 領 域 も 異 な っ て い る は ず だ か ら で あ る 。 し か し 、 幸 い 、 こ の 研 究 で は 短 大 ・ 専 門 学 校(69 サ ン プ ル )の み の 回 答 の 集 計 結 果 も 示 さ れ て い る 。パ ー セ ン テ ー ジ の み 引 用 す る と 、「 今 よ り 一 層 必 要 」39.1%、「 今 よ り や や 必 要 」 37.7%、「 ど ち ら と も い え な い 」20.3%、「 必 要 で な い 」 1.4%で あ り 、「 今 よ り 一 層 必 要 」 と 「 今 よ り や や 必 要 」 の パ ー セ ン テ ー ジ の 合 計 は 75%強 に 達 し て い る 。全 国 の 短 大 ・ 専 門 学 校 教 員 の 約 3 / 4 が 、 栄 養 士 の 将 来 の 英 語 の 必 要 性 を 認 め て い る こ と に な る 。 4.3. 学 生 が 認 識 す る ニ ー ズ 日 本 全 国 の 食 物 栄 養 学 を 専 攻 す る 学 生 を 対 象 に ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 う こ と は 、 膨 大 な 時 間 と 手 間 暇 が か か る こ と が 推 測 さ れ る 。 こ こ で は 、 筆 者 が 担 当 す る 食 物 栄 養 学 科 及 び 専 攻 科 食 物 栄 養 専 攻 の 英 語 科 目 の 「 授 業 ア ン ケ ー ト 」 結 果 に 考 察 を 加 え る こ と に す る 。 本 学 で は 、 前 期 末 ( 7 月 ) と 後 期 末 ( 2 月 ) に 、Web シ ラ バ ス と 連 動 し た か た ち で 開 講 さ れ て い る 全 て の 授 業 科 目 の 「 授 業 ア ン ケ ー ト 」 を 実 施 し て い る 。 学 生 は 、 こ の 時 期 に パ ソ コ ン あ る い は ス マ ー ト フ ォ ン を 使 っ て 、 履 修 中 の 全 て の 科 目 に つ い て 「 授 業 ア ン ケ ー ト 」 に 回 答 す る 。 筆 者 は 、 食 物 栄 養 学 科 1 年 の 「 英 語 Ⅰ ・ Ⅱ 」 で は 食 物 栄 養 に 関 す る エ ッ セ イ 、 ニ ュ ー ス 、 レ シ ピ ー 等 の 教 材 を 使 っ て E S P の 授 業 を 行 っ て お り 、 後 期 の 「 英 語 Ⅱ 」 か ら は ネ イ テ ィ ヴ ・ ス ピ ー カ ー の 教 員 に も 参 加 し て い た だ い て い る 。 ま た 、 専 攻 科 で は 、 1 年 次 前 期 の 「 外 国 語 文 献 講 読 Ⅰ 」 を 担 当 し 、 食 物 栄 養 学 の 英 語 の 論 文 の 読 解 力 を 伸 ば す た め の 指 導 を 行 っ て い る 。 こ こ で は 、2015 年 度 に 実 施 し た「 英 語 Ⅱ 」と「 外 国 語 文 献 講 読 Ⅰ 」の「 授 業 ア ン ケ ー ト 」で 得 ら れ た 回 答 よ り 、問 4( 2 )「 授 業 の 内 容 ・ 方 法 は 、将 来 の 職 業 に 関 連 す る 知 識 や 技 能 ・ 技 術 を 獲 得 す る 上 で 役 立 っ た 。」及 び 、問 5「 あ な た に と っ て 、こ の 授 業 は 、総 合 的 に み て 良 か っ た と 思 い ま す か 。」の 2 つ の 設 問 に 絞 っ て 、回 答 の 集 計 結 果 を 分 析 す る 。 回 答 者 は 、 食 物 栄 養 学 科 1 年 生 53 名 、 専 攻 科 食 物 栄 養 専 攻 1 年 生 15 名 で あ る 。( 2016 年 度 「 授 業 ア ン ケ ー ト 」 は 、 本 稿 執 筆 の 時 点 で ま だ 後 期 の 分 が 実 施 さ れ て い な い 。) ま ず 、「 英 語 Ⅱ 」 で は 、 問 4 ( 2 ) の 集 計 結 果 は 、 A 「 大 変 役 立 っ た 」20.8%、 B「 い く ら か 役 立 っ た 」54.7%、C「 ど ち ら と も い え な い 」20.8%、D「 あ ま り 役 立 た な か っ た 」 3.8%、 E 「 ま っ た く 役 立 た な か っ た 」 0%、 問 5 の 集 計 結 果 は 、 A 「 大 い に 良 か っ た 」 26.4%、B「 い く ら か 良 か っ た 」56.6%、C 「 ど ち ら で も な い 」13.2%、D「 あ ま り 良 く な か っ た 」3.8%、 E 「 ま っ た く 良 く な か っ た 」 0% で あ っ た 。 こ れ に 対 し て 、「 外 国 語 文 献 講 読 Ⅰ 」 で は 、 問 4 ( 2 ) の 集 計 結 果 は 、 A 「 大 変 役 立 っ た 」0%、B「 い く ら か 役 立 っ た 」40.0%、C「 ど ち ら と も い え な い 」46.7%、D「 あ ま り 役 立 た な か っ た 」6.7%、 E 「 ま っ た く 役 立 た な か っ た 」6.7%、問 5 の 集 計 結 果 は 、A「 大 変 良 か っ た 」6.7%、B 「 良 か っ た 」26.7%、 C「 ど ち ら と も い え な い 」46.7%、D「 良 く な か っ た 」13.3%、E
85 -「 ま っ た く 良 く な か っ た 」6.7% で あ っ た 。 問 5 は 総 合 評 価 な の で 、 筆 者 の 授 業 の 至 ら ぬ 点 や 、 そ の 他 い ろ い ろ な 要 因 が 数 値 に 反 映 さ れ て い る と 考 え ら れ る 。 し か し 、 こ こ で 特 に 重 要 な の は 、問 4( 2 )の 集 計 結 果 で あ る 。両 者 を 比 較 す る と 、「 英 語 Ⅱ 」で は A「 大 変 役 立 っ た 」と B「 い く ら か 役 立 っ た 」の 合 計 が 75.5%で あ る の に 対 し て 、「 外 国 語 文 献 講 読 Ⅰ 」 で は A 「 大 変 役 立 っ た 」 と B 「 い く ら か 役 立 っ た 」 の 合 計 は 40% と 、 大 き な 差 が 見 ら れ る 。「 英 語 Ⅱ 」問 4( 2 )の 集 計 結 果 に 関 し て は 、履 修 者 の 大 部 分 が 専 門 職 に 就 く こ と を 目 指 し て い る た め 、 食 物 栄 養 学 の 分 野 の E S P の 英 語 の 授 業 が 将 来 あ る 程 度 役 に 立 つ と 考 え る 学 生 の パ ー セ ン テ ー ジ が 高 い と 考 え ら れ る 。こ れ に 対 し て 、「 外 国 語 文 献 講 読 Ⅰ 」 問 4 ( 2 ) の 集 計 結 果 は 、 管 理 栄 養 士 の 資 格 取 得 を 目 指 し て い る が 、 国 際 的 な レ ベ ル の 研 究 を 行 う こ と を 目 指 し て い な い 、 つ ま り 自 分 の 専 門 分 野 に 関 わ る 英 語 の 論 文 を 読 ん で 最 先 端 の 情 報 を 得 る 必 要 性 を 感 じ て い な い 学 生 の パ ー セ ン テ ー ジ が 高 い こ と を 裏 付 け る も の と 考 え ら れ る 。 こ こ に は 、 後 期 開 講 の 専 門 教 員 が 担 当 す る 「 外 国 語 文 献 講 読 Ⅱ 」 の デ ー タ は 含 ま れ て い な い 。 こ の 授 業 で は 、 学 生 が 自 分 の 研 究 分 野 の 英 語 の 論 文 を 探 し て き て 発 表 を 行 う 。 た だ し 、 こ こ で 扱 う の は 論 文 の Abstract( 抄 録 )の み で あ る 。筆 者 は 、こ の 授 業 を 見 学 さ せ て い た だ い た こ と が あ る が 、 日 本 語 訳 を 中 心 と し た 発 表 、 教 員 に よ る 専 門 的 知 識 の 確 認 、 日 本 語 に よ る デ ィ ベ ー ト 等 、 英 語 の 授 業 と い う よ り は む し ろ 、 日 本 語 で 行 わ れ る 専 門 科 目 に 近 い 内 容 で あ っ た 。 筆 者 も 一 時 期 、 こ の 発 表 ・ 輪 読 形 式 の 授 業 を 担 当 し た こ と が あ る が 、英 語 の 勉 強 に 労 力 を 費 や す こ と を 惜 し む 学 生 、自 分 が 指 導 を 受 け て い る「 特 別 研 究 」 教 員 の 研 究 分 野 か ら 少 し で も は ず れ る 英 語 の 論 文 は た と え 数 行 で あ っ て も 読 も う と し な い 学 生 が い て 、 そ の よ う な 学 生 の 学 習 の 動 機 づ け に 大 変 苦 労 し た 経 験 が あ る 。 以 上 、 筆 者 が 担 当 す る 英 語 科 目 の 集 計 結 果 か ら 判 断 す る 限 り に お い て は 、 本 学 学 生 の 場 合 に は 、 食 物 栄 養 の 分 野 に お け る E O P の ニ ー ズ は あ る 程 度 高 い が 、 E A P の ニ ー ズ は 低 い 。 そ の 原 因 と し て は 、 学 内 で の 研 究 指 導 や 発 表 会 が す べ て 日 本 語 で 行 わ れ て い る こ と 、 食 物 栄 養 学 の 分 野 で は 、 例 え ば 工 学 や 医 学 の 場 合 の よ う に 英 語 力 を 生 か し な が ら 大 学 院 に 進 学 す る こ と が 直 接 キ ャ リ ア に つ な が ら な い こ と が 挙 げ ら れ る と 考 え ら れ る 。 4.4. 職 場 や 社 会 に お け る ニ ー ズ デ ー タ と し て は 少 し 古 い が 、( 1 )で 触 れ た よ う に「 都 道 府 県 別 外 国 人 比 率 ラ ン キ ン グ 」 (2010 年 現 在 ) に よ れ ば 、 富 山 県 の 外 国 人 比 率 は 20 位 で 1.006% で あ る 。 市 区 町 村 別 に 見 れ ば 、 全 1,947 地 域 中 ( 各 都 道 府 県 全 体 の ラ ン キ ン グ も 含 む )、 富 山 県 の 最 上 位 は 337 位 の 入 善 町 で 1.435% 、 383 位 の 射 水 市 1.322% が こ れ に 続 き 、 富 山 市 は 565 位 で 1.017% で あ る 。 1 6 2016 年 1 月 現 在 、 富 山 県 内 で 外 国 人 比 率 ラ ン キ ン グ が 最 も 高 い の は 射 水 市 で 、2.01% で あ る 。 1 7 本 学 食 物 栄 養 学 科 卒 業 生 が 県 内 で 就 職 し た 場 合 、 必 要 に 迫 ら れ て 日 本 語 以 外 の 言 語 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を は か る 場 面 は 約 2%と い う こ と に な る 。 し か し 、 機 会 が 少 な い か ら ニ ー ズ が な い と 考 え る の は 誤 り で あ る 。 本 学 が 県 内 唯 一 の 栄 養 士 ・ 管 理 栄 養 士 養 成 校 で あ る こ と を 考 え る と 、 食 の 分 野 に お い て 日 本 語 を 理 解
86 -で き な い 外 国 人 に 専 門 的 な 知 識 を 提 供 す る 立 場 に あ る の は 、 通 訳 者 が 常 時 同 伴 す る の -で な い 限 り 、 本 学 食 物 栄 養 学 科 ・ 専 攻 科 食 物 栄 養 専 攻 学 生 ・ 卒 業 生 だ か ら で あ る 。 日 本 を 訪 れ る 外 国 人 が 増 え て い る 。 和 食 に 関 心 を 持 っ て 日 本 を 訪 れ る 外 国 人 も 多 い 。 1 8 2015 年 3 月 に 北 陸 新 幹 線 が 開 通 し 、 1 ヵ 月 後 に は 在 来 線 だ っ た 前 の 年 に 比 べ 乗 車 人 数 が 2.9 倍 に 増 加 、 1 9 富 山 県 を 訪 れ る 外 国 人 も 増 え て い る 。 富 山 駅 周 辺 に あ る 、 い つ も 行 列 が で き て い る 、 あ る 和 食 レ ス ト ラ ン の 店 長 の 話 に よ れ ば 、 客 の 2 ~ 3 割 は 外 国 人 で あ る と い う 。 ま た 、 別 の 店 に は 日 本 語 と 英 語 に よ る 二 か 国 語 の メ ニ ュ ー が 置 か れ て い る 。 短 期 間 あ る い は 一 時 富 山 を 訪 れ る 外 国 人 に 対 し て 、 和 食 や 富 山 の 郷 土 料 理 に つ い て の 確 か な 情 報 を 提 供 す る 立 場 に あ る の は 、 食 の ス ペ シ ャ リ ス ト で な け れ ば な ら な い 。 社 会 に お け る ニ ー ズ と は 、 職 場 で こ な さ な け れ ば な ら な い 必 要 最 低 限 の 事 柄 の み を 意 味 し て い る の で は な い 。 富 山 の 食 文 化 を 外 に 向 け て 発 信 す る こ と や 、地 域 社 会 の 一 員 と し て ボ ラ ン テ ィ ア そ の 他 の 交 流 の 場 に 参 加 す る こ と 等 も 当 然 含 ま れ て く る は ず で あ る 。 例 え ば 最 近 、 射 水 市 民 国 際 交 流 協 会 主 催 の 国 際 理 解 講 座 で は 、 ア メ リ カ 人 講 師 ( 射 水 市 国 際 交 流 員 ) に よ る 料 理 教 室 「 チ リ コ ン カ ル ネ と コ ー ン ブ レ ッ ド 」 が 開 か れ た (2015 年 7 月 )。本 学 学 生・卒 業 生 も 、こ の よ う な 場 に 積 極 的 に 参 加 す る 、あ る い は 県 外 の 人 や 外 国 人 を 対 象 に 和 食 や 富 山 の 郷 土 料 理 を 紹 介 す る 講 座 を 提 供 し て は ど う だ ろ う か 。 最 後 に 、食 の 分 野 に お け る 国 際 化 に 触 れ て お き た い 。国 際 栄 養 士 会 議(International Congress of Dietetics; ICD) は 、 世 界 各 国 の 栄 養 士 、 栄 養 学 者 が 集 ま っ て 、 栄 養 問 題 、 栄 養 政 策 、栄 養 教 育 、栄 養 士 活 動 に つ い て 研 究 発 表・意 見 交 換 を 行 う 国 際 会 議 で あ る が 、 そ の 第 15 回 会 議 が 2008 年 に 横 浜 で 開 催 さ れ た( 2021 年 に は 東 京 で 開 催 予 定 )。2 0 ま
た 、2014 年 に 台 北 で 、2015 年 に 横 浜 で ア ジ ア 栄 養 士 会 議( Asian Congress of Dietetics; ACD) が 開 催 さ れ た ( 2022 年 に は 横 浜 で 開 催 予 定 )。 当 然 の こ と な が ら 、 い ず れ の 会 議 も 使 用 言 語 は 英 語 で あ る 。 台 北 で の 会 議 に 出 席 し た 日 本 の 食 生 活 ジ ャ ー ナ リ ス ト 平 川 あ ず さ 氏 は 、「 ア ジ ア 栄 養 士 会 議 で 実 感 し た 日 本 の 立 ち 位 置 」と 題 す る 記 事 の 中 で 次 の よ う に 述 べ て い る 。 2 1 ・ ・ ・ さ ら に 、 日 本 人 の 平 均 寿 命 の 長 さ に 世 界 が 注 目 し て い る こ と か ら も 分 か る と お り 、 日 本 は 世 界 で も ト ッ プ ク ラ ス の 各 種 栄 養 活 動 を し て き た 長 寿 地 域 で あ る 。 し か し 、 そ の 割 に は 、 栄 養 や 健 康 に 関 す る 研 究 ・ 教 育 の 世 界 へ の 発 信 が 遅 れ て い る 。 こ の よ う な 場 に お い て 、 和 食 や 日 本 の 食 材 ・ 食 生 活 に 関 す る 研 究 成 果 を 発 表 す る 立 場 に あ る の は 、 こ れ ら の 分 野 に お け る 教 育 研 究 に 重 点 を 置 い て い る 日 本 の 大 学 ・ 短 大 で あ る 。 発 芽 玄 米 、 ホ タ ル イ カ 、 ブ リ 等 、 和 食 ・ 郷 土 料 理 に 関 す る 研 究 に 力 を 入 れ て い る 本 学 が こ こ に 含 ま れ て い る こ と は 言 う ま で も な い 。 ま た 、 富 山 は 東 ア ジ ア の 国 々 の い く つ か の 主 要 都 市 と 航 空 機 の 直 行 便 で 結 ば れ て お り 、 地 理 的 に 見 て も ア ジ ア 栄 養 士 会 議 を 開 催 す る に ふ さ わ し い 立 地 条 件 を 備 え て い る こ と を 付 け 加 え て お き た い 。
87 -5 . 食 物 栄 養 学 科 1 年 生 の 英 語 運 用 能 力 本 学 食 物 栄 養 学 科 は 、 富 山 県 内 に お け る 唯 一 の 栄 養 士 養 成 機 関 で あ り 、 毎 年 多 く の 受 験 者 を 集 め て い る 。 し か し 、 近 年 に お い て 入 学 者 の 学 力 に 大 き な 差 が 見 ら れ る よ う に な っ た 。そ こ で 、学 生 の 英 語 力 を 正 確 に 把 握 す る た め に 、( 1 )で 採 り 上 げ た 本 学 幼 児 教 育 学 科 の 場 合 と 同 様 に 、 1 年 次 に 英 検 準 2 級 一 次 試 験 問 題 を 使 っ て 英 語 実 力 診 断 テ ス ト を 行 っ た 。 [ 表 1 ]食 物 栄 養 学 科 1 年 生 の 英 語 実 力 診 断 テ ス ト 結 果( 受 験 者 数 82 名 ) 2016. 4. 短 文 空 所 補 充 会 話 文 作 文 長 文 筆 記 小 計 リ ス ニ ン グ 合 計 配 点 20 8 5 12 45 30 75 平 均 点 9.29 (46.45%) 3.29 (41.13%) 2.12 (42.40%) 5.66 (47.17%) 20.37 (45.27%) 13.96 (46.53%) 34.33 (45.77%) 最 高 点 18 8 5 12 40 26 62 最 低 点 3 0 0 1 9 4 16 ま ず 、総 点 の 平 均 は 34.33 点( 45.77% )で あ っ た 。こ の 問 題 の 合 格 点 は 44 点 な の で 、 82 名 中 13 名 、つ ま り 、全 体 の 15.9% が 英 検 準 2 級 一 次 試 験 の 合 格 圏 内 に 入 っ た こ と に な る 。 セ ク シ ョ ン 別 に 見 る と 、 筆 記 試 験 に お い て 得 点 に 大 き な ば ら つ き が 見 ら れ た 。 特 に 、3 の 作 文( 語 句 整 序 問 題 )の 正 答 率 が 低 く 、得 点 の 分 布 も 偏 っ て い る 。3 ~ 5 点( 満 点 )の 学 生 が わ ず か 32 名( 39.0% )で あ る の に 対 し て 0 ~ 2 点 の 学 生 は 50 名( 61.0% ) に も 達 し て お り 、 0 点 の 学 生 が 13 名 も い る 。4 ,5 の 長 文 問 題 は 、1 点 か ら 12 点( 満 点 ) ま で 、 大 き く 点 数 差 が 開 い て い る 。 リ ス ニ ン グ の 得 点 分 布 は 、 0 ( 4 ) ~10 点 が 17 名( 20.7% )、11~ 20 点 は 58 名( 70.7% )、21~ 30( 26)点 は 7 名( 8.54% )で あ り 、 得 点 が 極 端 に 低 い 学 生 は 少 な い 。 し か し 、30 問 中 20 問 以 上 正 解 の 学 生 は わ ず か 7 名 で あ り 、 英 語 を 聞 い て 大 体 理 解 で き る 学 生 は 極 め て 少 な い 。 こ の 英 語 実 力 診 断 テ ス ト の 結 果 、 今 年 度 の 学 生 の 中 に は 、 文 法 ( 特 に 文 構 造 の 把 握 ) や 長 文 読 解 が 苦 手 な 者 が 多 い こ と が 明 ら か に な っ た 。 そ こ で 対 策 と し て 、 ① リ ー デ ィ ン グ に お い て 、 文 中 の 指 示 代 名 詞 (it, they, she 等 ) が ど の 語 、 語 句 、 文 を 指 す か 確 認 し な が ら 授 業 を 進 め る こ と 、 ② 文 の 構 造 、 パ ラ グ ラ フ の 構 成 、 ま た 選 択 肢 形 式 の 設 問 に お け る 正 解 が 本 文 の ど の 部 分 を 言 い 換 え た も の か を 理 解 さ せ る こ と 、 ③ 同 義 語 、 反 対 語 、 よ く 使 わ れ る 類 似 し た 表 現 、 イ デ ィ オ ム 等 を 紹 介 し な が ら 、 英 語 の 語 彙 や 表 現 に 関 す る 知 識 を 増 や し て い く こ と 、 を 今 年 度 の 重 点 項 目 と し た 。
88 -6.1. 教 材 選 択 と 授 業 計 画 立 案 当 学 科 に お い て「 英 語 Ⅰ ・ Ⅱ 」( 演 習 科 目 )は 必 修 科 目 で あ り 、Ⅰ は 1 年 次 前 期 開 講 で 1 単 位 、 Ⅱ は 1 年 次 後 期 開 講 で 1 単 位 で あ る 。 授 業 は 週 1 回 2 時 間 ( 1 コ マ ) の み で 、 80~ 100 名 の 学 生 が ほ ぼ 全 員 受 講 し ( 入 学 前 に 他 大 学 で 取 得 し た 英 語 科 目 の 単 位 が 認 定 さ れ る 学 生 を 除 く )、 履 修 者 全 員 に と っ て こ の 授 業 が 在 学 中 唯 一 の 英 語 の 授 業 で あ る 。 「 英 語 Ⅰ 」 の 学 習 目 標 は 、「 総 合 的 な 英 語 力 の 向 上 を 目 指 す 。 主 に 食 物 、 栄 養 学 、 健 康 の 分 野 で 使 用 さ れ る 基 礎 的 な 表 現 を 学 ぶ 。」で あ る 。「 学 修 成 果 」( 学 生 が 獲 得 す る べ き 具 体 的 な 成 果 ) と し て は 、 次 の 3 項 目 を 掲 げ て い る :LO-1【 知 識 ・ 理 解 力 】食 物 、栄 養 学 、健 康 に 関 す る 英 語 の 語 彙 を 習 得 し て い る 。LO-4【 関 心・意 欲・態 度 】食 物 、栄 養 学 、 健 康 に 関 す る 英 語 の 語 彙 や 表 現 に 関 心 を 持 ち 、学 ぶ 意 欲 や 態 度 が 見 ら れ る 。LO-5【 社 会 的 能 力 ・ 感 性 】 英 語 の 話 し 言 葉 ・ 書 き 言 葉 を 理 解 し 、 伝 え た い こ と を 表 現 で き る 。 2 2 教 材 選 択 に あ た っ て は 、食 物 栄 養 学 科 の 教 育 目 標 5 項 目 す べ て に「 食 物 栄 養 」の キ ー ・ ワ ー ド が 入 っ て い る こ と 、学 生 の 90%以 上 が 卒 業 後 専 門 職 に 就 く こ と を 踏 ま え て 、食 物 栄 養 学 を 専 攻 す る 学 生 の た め に 作 成 さ れ た 総 合 教 材『 栄 養 系 学 生 の た め の 総 合 英 語 』2 3 を 前 年 度 よ り テ キ ス ト と し て 使 用 し て い る 。 ま た 、 特 に 本 学 で は 学 科 の 専 門 教 育 に お い て 和 食 が 占 め る 割 合 が 大 き く 、 学 生 の 和 食 に 対 す る 関 心 も 高 い た め 、 今 年 度 は 和 食 を テ ー マ に 扱 っ た 文 章 と し て 、ア ン ド リ ュ ー・ワ イ ル の『 最 良 の 健 康 状 態 を 保 つ た め の 食 事 』 2 4 及 び 日 本 の 文 化 を 会 話 体 で 紹 介 し た『 英 語 で 伝 え た い い つ も の 日 本 』2 5 か ら の 抜 粋 を 補 助 教 材 と し て 採 り 入 れ た 。 1 年 次 前 期 は 、 1 ク ラ ス 40~ 50 名 で 授 業 を 行 っ て い る 。 英 語 科 目 と し て 人 数 が 多 過 ぎ る 上 に 、 4 で 指 摘 し た よ う に 履 修 者 の 英 語 力 の 差 が 大 変 大 き い 。 対 策 と し て は 、 入 学 時 に プ レ イ ス メ ン ト テ ス ト を 実 施 し 、 1 年 次 前 期 か ら 1 ク ラ ス を レ ベ ル 別 の A , B ク ラ ス に 分 け て 授 業 を 行 う こ と が 考 え ら れ る 。 し か し 、 既 に 過 密 状 態 に あ る 時 間 割 に 入 れ る た め に は A , B ク ラ ス を 同 じ 時 間 帯 に 置 く 必 要 が あ り 、 そ の た め に は 2 名 の 教 員 が 必 要 に な る 。 こ の 点 に 関 し て は 、 学 科 の 理 解 が 得 ら れ て い な い 。 1 年 次 後 期 に は 、 1 ク ラ ス を さ ら に 2 つ の グ ル ー プ に 分 け 、 英 語 の ネ イ テ ィ ヴ ・ ス ピ ー カ ー の 非 常 勤 講 師 の 先 生 と 筆 者 の 2 名 で 2 つ の 教 室 に 分 か れ て 授 業 を 担 当 し 、 前 半 7 回 と 後 半 7 回 で 授 業 担 当 者 が 交 代 す る と い う か た ち で 授 業 を 運 営 し て い る 。 従 っ て 、 各 グ ル ー プ の 人 数 は 20~ 25 名 と い う 、 英 語 科 目 と し て は 適 正 な 人 数 に な る 。 そ れ で は 次 に 、 授 業 の 活 動 内 容 と そ れ に 対 す る 筆 者 の ア プ ロ ー チ の 仕 方 を 、 教 室 内 で の 学 生 の 反 応 や 「 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 」 へ の 回 答 を 交 え な が ら 紹 介 す る 。 6.2. 教 室 内 に お け る 活 動 (1) 語 彙 の 学 習 ・ 小 テ ス ト
テ キ ス ト の 各 Unit で 本 文 に は い る 前 に Key Words の セ ク シ ョ ン が 置 か れ て い て 、 食 物 栄 養 に 関 す る 基 本 的 な 語 彙 が 習 得 で き る よ う に な っ て い る 。 教 室 で は 、 一 つ 一 つ 説 明 を 加 え な が ら C D を 使 っ て ク ラ ス 全 体 で 発 音 練 習 を 行 っ て い る 。vitamin( ビ タ ミ ン )、
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-cholesterol( コ レ ス テ ロ ー ル )、 glycogen( グ リ コ ー ゲ ン ) 等 は 英 語 と 日 本 語 で 発 音 が 非 常 に 異 な る こ と 、diet は 、「 食 事 、食 生 活 」の 意 味 で よ く 使 わ れ る こ と 、nutrition( 栄 養 )と nutrients( 栄 養 素 )と で は 意 味 が 違 う こ と 、overweight( 太 り 過 ぎ の )と obese ( 肥 満 の ) は 、 は っ き り と 使 い 分 け ら れ る こ と 、ingredients に は 「 食 材 」、「 成 分 」 の 両 方 の 意 味 が あ る こ と 、vegetarian( 菜 食 主 義 者 )、vegan( 乳 製 品 を 食 べ な い 菜 食 主 義 者 ) に 加 え て lacto-vegetarian( 乳 製 品 を 食 べ る こ と を 認 め る 菜 食 主 義 者 ) と い う 表 現 が あ る こ と 等 、 説 明 を 要 す る 、 あ る い は 注 意 を 喚 起 す べ き 事 柄 は あ ま り に も 多 い 。 ク ラ ス サ イ ズ が 大 き く 、 一 人 一 人 の 教 室 外 で の 学 習 を 管 理 す る こ と が 困 難 で あ る た め 、 各 Unit の は じ め に 単 語 、語 句 の 小 テ ス ト を 行 う こ と に よ っ て 、予 習 状 況 の 確 認 を 行 っ て い る 。 答 案 回 収 後 、 直 ち に 答 え を 板 書 ・ 説 明 し 、 予 習 の 不 備 な 学 生 も 授 業 に つ い て い き や す い よ う に 配 慮 し て い る 。翌 週 答 案 を 一 人 一 人 に 返 却 す る 際 に「 よ く で き ま し た 」「 も っ と 勉 強 し て 」 等 、 声 を か け な が ら 返 却 し た と こ ろ 、 点 数 の 低 い 学 生 の 数 は 次 第 に 減 少 し て い っ た 。し か し 、「 授 業 ア ン ケ ー ト 」自 由 記 述 欄 に は 、「 小 テ ス ト ば か り し な い で 」等 、 否 定 的 な コ メ ン ト が 数 件 あ っ た 。 (2) リ ー デ ィ ン グ 筆 者 は 、 食 物 栄 養 学 科 の 英 語 の 授 業 で 最 も 重 要 な 活 動 は 、 リ ー デ ィ ン グ で あ る と 考 え て い る 。 食 に 関 す る ニ ュ ー ス 、 レ シ ピ ー 、 栄 養 学 の 論 文 等 か ら 最 新 の 情 報 を 得 る た め に は 、何 よ り も 正 確 な 読 解 力 が 必 要 だ か ら で あ る 。『 日 本 の 栄 養 士・管 理 栄 養 士 養 成 校 に お け る 英 語 教 育 調 査 』の ア ン ケ ー ト 質 問 項 目「 Q 3 栄 養 士・管 理 栄 養 士 は 専 門 職 と し て ど の よ う な 英 語 力 が 必 要 だ と 思 い ま す か 。」に 対 す る 回 答 で 一 番 多 か っ た の は「 栄 養・食 品・ 調 理 関 係 の 英 語 語 彙 」83.5%で あ り 、 二 番 目 に 多 か っ た 回 答 は 「 論 文 読 解 力 」 74.1% で あ っ た 。 2 6 こ の 調 査 結 果 に は 、 大 い に 納 得 さ せ ら れ る も の が あ る 。 リ ー デ ィ ン グ の 授 業 で 学 生 の 動 機 づ け を 高 め る た め に は 、 ま ず 、 ド ル ニ ェ イ (2001) の 言 う よ う に 「 教 育 課 程 と 教 材 を 、 学 習 者 に 関 連 深 い も の に す る 」 必 要 が あ る 。 2 7 英 文 は 少 々 難 し く て も 、 内 容 的 に 面 白 く 、 卒 業 後 も 心 に 残 る も の が よ い と 考 え て い る 。 易 し く て も あ ま り 中 味 が な い も の を 読 ん で い る と 、 自 分 の 意 見 を 持 ち 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 う 基 盤 を 築 く こ と が 難 し く な る 可 能 性 が あ る か ら で あ る 。 筆 者 は 、 テ キ ス ト に は い る 前 に 、 ま ず 和 食 や 日 本 の 食 文 化 を テ ー マ に 扱 っ た 英 文 を 新 入 生 に 読 ま せ て い る 。 本 学 食 物 栄 養 学 科 の 学 生 の 場 合 、 外 国 よ り も 日 本 の 料 理 や 食 文 化 に つ い て の 知 識 を 持 っ て い る 者 が 多 い か ら で あ る 。 授 業 の 最 初 に 採 り 上 げ る 教 材 は 、 ア ン ド リ ュ ー ・ ワ イ ル (2001)の『 最 高 の 健 康 状 態 を 保 つ た め の 食 事 』で あ る 。中 で も 伝 統 的 な 日 本 食 を 扱 っ た セ ク シ ョ ン は 、 食 物 栄 養 学 を 専 攻 す る 1 年 生 に ぜ ひ 読 ん で い た だ き た い と 思 う 。 こ の 著 書 の 中 で ワ イ ル 博 士 は 、 和 食 の 長 所 13 項 目 と 短 所 4 項 目 を 列 挙 し て い る が 、 紙 面 の 関 係 上 、 前 者 よ り 4 項 目 、 後 者 の す べ て を 引 用 す る 。 日 本 語 訳 は 、 す べ て 筆 者 に よ る 。 2 8
90 -< 和 食 の 長 所 >
・An unusually low percentage of total calories from fat- about 10 percent- for a cuisine that so many people find appetizing and interesting( 非 常 に 多 く の 人 々 の 食 欲 を そ そ り 、 興 味 を 引 く 料 理 に し て は 、 総 摂 取 カ ロ リ ー に 占 め る 脂 肪 の 割 合 が と て も 少 な く 、 お よ そ 10%で あ る )
・High omega-3 fatty acid intake as a result of emphasis on fish and sea vegetables ( 魚 や 海 藻 に 重 点 が 置 か れ て い る た め 、 オ メ ガ -3 脂 肪 酸 の 摂 取 量 が 多 い )
・An emphasis on aesthetics of food and food preparation that make it the most artistic cuisine in the world( 食 材 や 調 理 方 法 に お い て 美 的 な 要 素 を 強 調 す る こ と に よ っ て 、 世 界 で 最 も 芸 術 的 な 料 理 と な っ て い る )
・An emphasis on seasonality- eating foods in season and harmonizing qualities of dishes with the qualities of the season( 季 節 感 を 尊 重 し 、 旬 の も の を 食 べ る こ と に よ っ て 、 季 節 と 料 理 の 特 質 の 調 和 が は か ら れ て い る )
< 和 食 の 短 所 >
・Many ingredients and foods too strange for Western tastes( 多 く の 食 品 、食 材 は 、 西 洋 人 の 嗜 好 に な じ み に く い )
・The need for a great deal of time and work to prepare most dishes and meals ( ほ と ん ど の 料 理 は 、 準 備 の た め に 長 い 時 間 と 大 変 な 労 力 を 必 要 と す る )
・Very high salt content, related to use of shoyu(soy sauce), miso(fermented soybean paste), and pickled vegetables, all containing much added salt, and sea vegetables with naturally high sodium content- these foods present at every meal( 醤 油 、 味 噌 ( 醗 酵 し た 大 豆 の ペ ー ス ト )、 漬 物 の 野 菜 を 使 う 関 係 上 、 塩 分 の 摂 取 量 が 非 常 に 多 い 。 こ れ ら は す べ て 大 量 の 塩 分 が 追 加 さ れ 、 天 然 の ナ ト リ ウ ム を 多 く 含 む 海 藻 も 含 め 、 毎 回 の 食 事 に 出 さ れ る )
・Low content of the specific kind of fiber from bran as a result of preference for polished (white) rice( 精 白 米 が 好 ま れ る た め 、 ぬ か の 繊 維 質 の 消 費 量 が 少 な い ) ま ず 、 こ こ に は 伝 統 的 な 日 本 の 食 材 で あ る 「 精 白 米 」(polished white rice)、「 ぬ か 」 (bran)、「 味 噌 」 (fermented soybean paste)、「 醤 油 」 (soy sauce) 等 を 英 語 で ど う 表 現 す る か が 示 さ れ て い る 。 さ ら に は 、 季 節 感 を 尊 重 し て い る 、 美 的 観 点 か ら 見 て 世 界 的 に も 優 れ て い る 、 本 質 的 に は ス ロ ー ・ フ ー ド で あ る 、 塩 分 の 接 収 量 が 多 い の が 欠 点 で あ る 等 、 外 国 の 食 の 専 門 家 の 目 か ら 見 た 日 本 食 の 特 質 が 浮 き 彫 り に さ れ て い る 。 普 段 の 自 分 の 生 活 の 中 の 食 文 化 が 外 か ら ど の よ う に 分 析 ・ 評 価 さ れ て い る か を 知 る こ と は 、 食 物 栄 養 学 の 勉 強 を 進 め て い く 上 で 大 き な 刺 激 に な り 、 ま た 、 人 間 形 成 の 面 で も 大 い に プ ラ ス に な る も の と 考 え る 。 さ ら に 、 和 食 の 食 材 の 名 称 だ け で な く 、 普 段 よ く 食 べ て い る 食 べ 物 に つ い て も 、 あ る
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-程 度 、 英 語 で 説 明 で き る よ う に し て お き た い 。 し か し 、 そ の た め に は 、 英 文 の サ ン プ ル に 接 す る こ と が 必 要 で あ る 。2020 年 の 東 京 オ リ ン ピ ッ ク 開 催 に 向 け て 日 本 を 紹 介 す る 英 日 対 訳 形 式 の 教 材 が 多 く 出 版 さ れ て い る が 、 筆 者 が 選 ん だ の は 『 英 語 で 伝 え た い い つ も の 日 本 』 で あ る 。 こ の 本 の Topic 4: Eating & Drinking で は 、日 本 の 食 文 化 が 対 話 形 式 で 紹 介 さ れ て い る 。「 お に ぎ り ? お む す び ? 」の 一 部 を 引 用 す る( 日 本 語 訳 筆 者 )。 2 9
...the general image [of onigiri] is triangular for a portable lunch, cylindrical for ceremonious occasions, and round ones for home-made and as emergencies supplies in natural disasters. Convenience stores favor triangular ones for several reasons: they’re easy to form by machine; they look bigger than round ones; they can be packed with no space in between, which reduces
transportation costs; and it’s easier to wrap a triangle with a sheet of nori laver. ・・・[ お に ぎ り の ]一 般 的 な イ メ ー ジ は 、昼 ご 飯 用 の 携 帯 食 な ら 三 角 形 、ハ レ の 日
な ら 円 筒 形 、 自 家 製 や 自 然 災 害 の 時 の 非 常 食 な ら 丸 型 で す 。 コ ン ビ ニ で 三 角 形 の も の が 好 ま れ る の に は 、 い く つ か 理 由 が あ り ま す 。 機 械 で 形 を 作 り や す い こ と 、 丸 型 よ り も 大 き く 見 え る こ と 。 隙 間 な く ケ ー ス に 入 れ て 梱 包 で き る こ と 。そ れ に よ っ て 、 輸 送 コ ス ト が 削 減 で き ま す 。 そ れ に 、 三 角 形 の 方 が 海 苔 で 巻 き や す い の で す 。
こ の よ う な 英 文 に 接 し て お け ば 、 例 え ば 、Why are there so many kinds of onigiri? They are called “rice balls”, but they aren’t always round. Why?( ど う し て 、 こ ん な に い ろ い ろ な 種 類 の お に ぎ り が あ る の で す か ? お に ぎ り は “rice ball” と 呼 ば れ る け れ ど 、 常 に 丸 い と は 限 ら な い で す ね 。 ど う し て で す か ? ) 等 、 多 く の 外 国 人 が 抱 く と 想 定 さ れ る 疑 問 に 答 え る こ と が 可 能 に な る 。こ こ で 述 べ ら れ て い る こ と が 半 分 で も 言 え れ ば 、 充 分 に 相 手 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を は か る こ と が で き る で あ ろ う 。 リ ー デ ィ ン グ の 教 材 に 出 て こ な い 食 物 に 関 す る 表 現 も 、 授 業 の 合 間 に 採 り 上 げ る 。 例 え ば 、「 焼 き そ ば 」は 英 語 で 何 と い う か 問 い か け る と 、学 生 は 真 剣 に 考 え る 。少 し 考 え さ せ た 後 で 、”fried noodles” と 答 え を 言 う と 、 驚 き の 声 が あ が る 。 テ キ ス ト『 栄 養 系 学 生 の た め の 総 合 英 語 』で は 、前 期「 英 語 Ⅰ 」は 、五 大 栄 養 素(five major nutrients)に 関 す る 基 礎 知 識 を ま と め た Unit 1 ~ 4 、後 期「 英 語 Ⅱ 」は 食 事 の バ ラ ン ス を ト ピ ッ ク に 扱 っ た Unit 5 ~ 7 を 採 り 上 げ る 。 最 初 に 、 Unit 3
Carbohydrates か ら の パ ラ グ ラ フ を 引 用 す る ( 日 本 語 訳 筆 者 )。 3 0
Fats are a part of a larger family of nutrients called ① lipids , ② which include cholesterol and fatty acids as well as fats. Fats have more than twice as much energy as carbohydrates. Fats are made up of one glycerol molecule and
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-three fatty-acid molecules. There are two types of fatty acids. One type is unsaturated fatty acids and the other type is saturated fatty acids. ③ Some types of saturated fatty acids are made in the body. ④ Others can only be consumed . (Underline mine)
脂 肪 は 、脂 質 と 呼 ば れ る 大 き な 栄 養 素 グ ル ー プ の 中 の 1 つ で す 。こ れ に は 、脂 肪 の 他 、コ レ ス テ ロ ー ル 、脂 肪 酸 が 含 ま れ ま す 。脂 肪 の エ ネ ル ギ ー 量 は 炭 水 化 物 の 2 倍 で す 。脂 肪 は グ リ セ ロ ー ル 1 分 子 と 脂 肪 酸 3 分 子 で で き て い ま す 。脂 肪 酸 に は 2 種 類 あ り ま す 。1 つ は 不 飽 和 脂 肪 酸 で 、も う 1 つ は 飽 和 脂 肪 酸 で す 。飽 和 脂 肪 酸 に は 体 内 で 生 成 で き る も の と 、 消 費 さ れ る だ け の も の が あ り ま す 。 こ の 引 用 箇 所 で 、 不 完 全 な 辞 書 機 能 や ス マ ホ の 翻 訳 ア プ リ し か 使 わ な い 学 生 は 、 ① “ lipids ”「 脂 質 」 を 「 脂 肪 」 と 訳 す 可 能 性 が あ る 。( あ る い は 、 画 面 の 小 さ な 文 字 を 読 み 違 え る 可 能 性 も あ る 。)こ れ は 、非 常 に 問 題 が あ る 。何 故 な ら 、こ の 文 脈 か ら も 明 ら か な よ う に 、「 脂 質 」 と い う “a larger family”、 つ ま り 「 も っ と 大 き な グ ル ー プ 」 の 中 に 、 “cholesterol”「 コ レ ス テ ロ ー ル 」、 “fatty acids”「 脂 肪 酸 」、 そ し て “fats”「 脂 肪 」 が 含 ま れ る か ら で あ る 。 し か も 、 こ の 後 に 関 係 代 名 詞 ② “ which ” が 続 く の で 、 さ ら に 話 が 面 倒 に な る 。こ の 関 係 代 名 詞 の 先 行 詞 は “lipids” で あ る に も 関 わ ら ず 、誤 っ て “Fats” だ と 解 釈 す る 学 生 が い る か ら で あ る 。 次 に 、 下 線 部 ④ は 日 本 語 訳 だ け で は 理 解 で き な い 可 能 性 が あ る の で 、説 明 の 工 夫 が 必 要 で あ る 。即 ち 、“Others” は Other types of saturated fatty acids の 省 略 で あ り 、 ③ “ Some types of saturated fatty acids ” と 対 比 関 係 に あ る こ と に 気 づ か せ 、 そ の 上 で 、 下 線 部 ④ 全 体 の 意 味 は 「 も う 一 方 ( の 種 類 の 飽 和 脂 肪 酸 ) は ( 体 内 で 生 成 さ れ ず ) 消 費 さ れ る だ け で あ る 」 = 「 食 べ 物 を 食 べ て ( 体 外 か ら ) 摂 取 す る し か な い 」 と い う 意 味 に な る こ と を 、 時 間 を か け て 説 明 し な け れ ば な ら な い 。 次 に 、テ キ ス ト か ら も う 一 ヵ 所 、授 業 で 確 認 し て お き た い 個 所 の 例 を 挙 げ る 。Unit 4 Vitamins and Minerals よ り 引 用 す る ( 日 本 語 訳 筆 者 )。 3 1
There are two types of vitamins, those that dissolve in water and ① those that do not . The vitamins that do not dissolve in water, A, D, E, and K, are often stored in body fat. . . The vitamins that dissolve in water pass out of our body much more quickly than ② those stored in body fat, so we need to consume ③them more often. . . . (Underline Mine)
ビ タ ミ ン に は 2 種 類 あ り ま す 。 水 に 溶 け る も の と 、 そ う で な い も の で す 。 水 溶 性 で な い ビ タ ミ ン は 、A 、D 、E と K で 、通 常 、体 脂 肪 と し て 蓄 え ら れ ま す 。・・・ 水 に 溶 け る ビ タ ミ ン は 、 体 脂 肪 に 蓄 え ら れ る ビ タ ミ ン に 比 べ 、 非 常 に 早 く 体 外 に 排 出 さ れ る た め 、 よ り 頻 繁 に 摂 取 す る 必 要 が あ り ま す 。・ ・ ・
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-ま ず 、 ①those that do not の 後 に “dissolve in water” が 省 略 さ れ て い て 、「 そ う で ( 水 に 溶 け )な い も の( ビ タ ミ ン )」と い う 意 味 に な る こ と を 確 認 し て お き た い 。②those stored in body fat の “ those ” は the vitamins の 代 わ り に 使 用 さ れ た 代 名 詞 で あ り 、 下 線 部 ② の 意 味 は「 体 脂 肪 と し て 蓄 え ら れ る も の( ビ タ ミ ン )」と な る 。③them が 文 中 の 語 ま た は 語 句 で 何 を 指 す か 尋 ね る と 、 日 本 語 ( の 発 音 ) で 「 ビ タ ミ ン 」 と 答 え る 学 生 が い る 。 正 解 は 、“The vitamins that dissolve in water”(「 水 に 溶 け る ビ タ ミ ン 」)で あ る 。 こ こ で は 、「 水 に 溶 け な い ビ タ ミ ン 」 と 「 水 に 溶 け る ビ タ ミ ン 」 が 対 比 さ れ て い て 、 そ の ど ち ら を 指 す か が 問 題 な の で 、「 ビ タ ミ ン 」と い う 回 答 は 、ま っ た く 意 味 を 成 さ な い 。 最 近 、 文 中 の 指 示 代 名 詞 が 何 を 指 す か 尋 ね ら れ た 時 に 、 日 本 語 で 曖 昧 に 答 え る 学 生 が 多 い 。 こ の よ う な 習 慣 は 不 正 確 な 読 み を 誘 発 す る 危 険 性 が あ る の で 、 指 導 を 行 う 必 要 が あ る 。 特 に 理 系 で は 英 文 を 正 確 に 読 ん で 理 解 す る 能 力 が 必 要 な の で 、 教 室 で は 、 ゆ っ く り と 分 析 的 に 英 文 を 読 む よ う に し て い る 。 一 人 ず つ あ て な が ら 読 み 進 め て い く が 、 ま ず は 音 読 か ら 始 め る 。 次 に 、 小 テ ス ト で 出 題 し な か っ た 単 語 や 語 句 に 関 し て は 、 文 中 に お け る 意 味 を 確 認 す る 。 さ ら に 、 指 示 代 名 詞 (it, they 等 ) は 、 文 中 の ど の 語 ま た は 語 句 を 指 す か 、 長 い 文 の 場 合 に は 、 主 語 は ど こ か ら ど こ ま で か 、 主 語 に 対 す る 動 詞 は ど れ か 等 、 確 認 し な が ら 文 の 構 造 を 把 握 さ せ る 。 最 後 に 日 本 語 訳 ま た は 日 本 語 に よ る 内 容 説 明 に は い る が 、 長 い 文 の 場 合 に は 、 い く つ か の 部 分 に 分 け て 前 か ら 順 に 意 味 の 確 認 を 行 う 。 最 後 に 、 英 文 を 一 つ 読 み 終 え た 後 で 、 日 本 語 訳 プ リ ン ト を 配 布 す る 。 こ の 授 業 の 進 め 方 の 難 点 は 、 あ た っ た 人 だ け が 質 問 攻 め に さ れ て い る よ う に 受 け 取 ら れ が ち な 点 で あ る 。 し か し 、 ド ル ニ ェ イ (2001) の 言 う よ う に 、「 学 生 が 他 者 の 前 で 面 子 を 失 う 恐 れ の あ る こ と は 何 も し て は な ら な い 」 の で あ る 。( ス ト ラ テ ジ ー27:「 学 習 者 が 学 習 課 題 に 取 り 組 ん で い る 時 に 、 肯 定 的 な 社 会 的 心 象 を 保 持 す る こ と を 可 能 に す る 。 (Allow learners to maintain a positive social image while engaged in the learning tasks.)」) 3 2 対 応 が 非 常 に 難 し い の で あ る が 、 特 定 の 学 生 を あ て て い る 間 も 教 室 全 体 に 向 か っ て 説 明 を 行 う 等 、 極 力 、 全 員 の た め に 確 認 を 行 っ て い る こ と を 理 解 し て も ら え る よ う に 努 め る こ と が 大 切 で あ る 。 英 文 の 内 容 が よ く 理 解 で き る 学 生 は 常 に い る が 、 そ う で な い 学 生 も い る 。 英 文 を 2 行 以 上 続 け て 音 読 で き な い 、 自 分 で も 意 味 の わ か ら な い 日 本 語 訳 を 小 声 早 口 で 言 う 、 英 文 の 最 後 の 単 語 か ら 始 め て 最 初 の 単 語 で 終 わ る か た ち で 訳 す ( こ の や り 方 だ と 、 主 語 を 最 後 に 訳 す 、“A and B” を 「 B と A 」 と 訳 す 等 、 不 自 然 な 訳 に な る ) 等 、 正 し い 英 文 の 読 み 方 が 身 に つ い て い な い 学 生 達 に 配 慮 し な が ら 、 根 気 強 く 授 業 を 進 め て い る 。 2015 年 度 「 英 語 Ⅱ 」 の 「 授 業 ア ン ケ ー ト 」 の 自 由 記 述 か ら は 、「 一 気 に 訳 を 当 て て 黒 板 に 書 か せ れ ば よ い 」、「 英 文 を 翻 訳 す る 時 、 訳 を 言 う の が 早 す ぎ て よ く わ か り ま せ ん で し た 」、「 英 文 を 翻 訳 す る 時 、 長 い 文 の 時 は ホ ワ イ ト ボ ー ド に 書 い て く だ さ っ た の で 良 か っ た で す 」 等 、 英 語 の 勉 強 は 日 本 語 訳 す る こ と だ と 考 え て い る 学 生 が 多 い こ と が う か が
94 -え た 。 日 本 語 訳 以 外 に い ろ い ろ 説 明 し た り 活 動 を 行 っ た り し て も 、 日 本 語 訳 が 全 て で あ る と 思 い 込 ん で い る 学 生 に は 、そ れ 以 外 の こ と は 印 象 に 残 ら な い の か も し れ な い 。ま た 、 全 15 回 の 授 業 の う ち 7 回 は ネ イ テ ィ ヴ ・ ス ピ ー カ - の 教 員 が 英 語 で 行 う 授 業 で あ っ た に も 関 わ ら ず 、 そ の こ と に つ い て の コ メ ン ト は ほ と ん ど な か っ た 。 (3) イ デ ィ オ ム ・ 慣 用 表 現 E S P 教 育 の 守 備 範 囲 に は 、 特 定 の 分 野 の 語 彙 だ け で な く 、 そ の 分 野 で 頻 繁 に 使 用 さ れ る イ デ ィ オ ム 、 慣 用 表 現 、 コ ロ ケ ー シ ョ ン 、 文 法 、 構 文 、 表 現 上 の し き た り や 約 束 事 等 、 あ ら ゆ る 事 柄 が 含 ま れ る 。
テ キ ス ト の 各 Unit の D. Useful Expressions に は 、 短 文 空 所 補 充 問 題 の か た ち で 英 語 の イ デ ィ オ ム ・ 慣 用 表 現 の 知 識 ・ 応 用 能 力 を 問 う 問 題 が 置 か れ て い る 。 例 え ば 、Unit 4 D-3 の 問 題 で は 、 次 の 英 文 の ( ) 内 に 入 れ る の に 最 も 適 当 な 語 句 を 選 択 肢 か ら 選 ぶ よ う に な っ て い る :Dietitians are (looking into) the effects of various kinds of supplements on our bodies.[ 斜 体 字 、 下 線 筆 者 ]( 試 訳 : 栄 養 士 達 は 、 い ろ い ろ な 種 類 の サ プ リ メ ン ト が 私 達 の 体 に 与 え る 影 響 を 調 べ て い る 。) こ の 問 題 の ね ら い は 、look と い う 動 詞 は 様 々 な 前 置 詞 と 結 び つ く こ と に よ っ て 、 い ろ い ろ な 意 味 に な り 、 こ こ で は look into で 「 調 べ る 」 と い う 意 味 に な る こ と を 確 認 す る こ と で あ る 。 さ ら に は 、 こ こ に は the effect of A on B( A が B に 与 え る 影 響 )と い う 食 物 栄 養 学 の 論 文 の タ イ ト ル 等 で も 頻 出 す る 重 要 な 表 現 が 含 ま れ て い る こ と に も 学 生 の 注 意 を 喚 起 す る 必 要 が あ る 。 (4) 文 法 食 物 栄 養 学 の 分 野 で 必 要 な 文 法 知 識 の 一 つ に 、 可 算 名 詞 と 不 可 算 名 詞 の 区 別 、 及 び そ れ に 伴 う much と many の 使 い 分 け が あ る 。例 え ば 、テ キ ス ト の Unit 1 E. Structure に は 、 次 の よ う な 短 文 空 所 補 充 問 題 が あ る :Desserts like cakes and cookies usually contain (many) calories.( ケ ー キ や ク ッ キ ー な ど の デ ザ ー ト は 、通 常 多 く の カ ロ リ ー を 含 ん で い る 。)Calories are units for measuring how (much) energy foods contain.( カ ロ リ ー は 、 食 物 に ど れ だ け の 量 の エ ネ ル ギ ー が 含 ま れ て い る か を 計 る 単 位 で あ る 。)[ 斜 体 字 筆 者 ] こ れ ら の 問 題 で は 、calories が 可 算 名 詞 で あ る の に 対 し て energy は 不 可 算 名 詞 で あ る た め 、“many calories”, “much energy” が 正 し い 用 法 で あ る こ と を 確 認 し て お き た い 。
(5) 食 物 栄 養 学 に 関 す る ク イ ズ
テ キ ス ト の 各 Unit の 最 後 に Food Bite と い う ク イ ズ の セ ク シ ョ ン が 置 か れ て い る 。 特 に 学 生 に 好 評 だ っ た の は 、Unit 7 の 「 栄 養 に つ い て よ く 耳 に す る 情 報 」 が 正 し い か 、 あ る い は 間 違 っ て い る か を 回 答 す る も の で 、 全 員 に 挙 手 さ せ な が ら 順 次 答 え を 確 認 し て い っ た と こ ろ 、 授 業 が 大 い に 盛 り 上 が っ た 。 次 に 問 題 の 例 を 3 つ ば か り 紹 介 す る :1. Sugar causes diabetes.( 砂 糖 は 糖 尿 病 の 原 因 に な る 。) 2. Brown sugar is better for you than white sugar.( 黒 糖 は 白 砂 糖 よ り も 体 に 良 い 。) 3. The eyes of potatoes are poisonous and should be cut out. ( ジ ャ ガ イ モ の 芽 が 出 る 所 は 有 毒 な の で 切 り 取 る 必
95 -要 が あ る 。) こ の テ キ ス ト に 用 意 さ れ て い る 解 答 に よ れ ば 、 こ れ ら は す べ て 誤 り で あ る 。 3 は 、’sprouts’ で は な く ‘eyes’ と な っ て い る と こ ろ に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 こ の ク イ ズ を き っ か け に 、 教 室 の 外 で も 食 物 栄 養 学 科 の 学 生 と 話 を す る 機 会 が 増 え た 。 (6) 英 作 文 「 英 語 Ⅰ 」( 前 期 ) で は 、 リ ー デ ィ ン グ で 使 用 す る テ キ ス ト 、 そ の 他 の 教 材 の 英 文 に 合 わ せ て 英 問 英 答 の 設 問 を 用 意 し 、 授 業 中 に 回 答 さ せ る 、 あ る い は 宿 題 と し て 与 え 、 添 削 し 、 返 却 す る な ど の 方 法 で 作 文 力 の 向 上 を は か っ て い る 。 設 問 は 、 内 容 理 解 を 問 う も の と 自 分 の 考 え を 述 べ さ せ る も の の 両 方 を 作 成 し た 。 例 え ば 、Sushi に 関 す る 対 話 文 に は 、 次 の よ う な 設 問 を 用 意 し た 。 [ 内 容 理 解 を 問 う 設 問 と 学 生 の 回 答 例 ]
Give two reasons why Japan has many ‘open kitchens’ in sushi ships, izakaya, and other restaurants?( 日 本 に は 、 お 寿 司 屋 さ ん 、 居 酒 屋 な ど 、「 オ ー プ ン ・ キ ッ チ ン 」 式 の 飲 食 店 が た く さ ん あ り ま す が 、 そ の 理 由 を 二 つ 挙 げ て く だ さ い 。)
-One reason is to show that the staff and kitchen are clean. The other reason is showing how the food is prepared is part of ‘Omotenashi’ or good treatment in Japan.( 一 つ の 理 由 は 、ス タ ッ フ と 台 所 が 清 潔 で あ る こ と を 示 す た め で す 。も う 一 つ の 理 由 は 、 日 本 で は 料 理 を 作 っ て い る と こ ろ を 見 せ る こ と が 、 良 い お も て な し の 一 部 だ か ら で す 。)
[ 自 分 の 考 え を 述 べ る 設 問 と 学 生 の 回 答 例 ]
Do you think sushi should be made by hand and eaten by hand? Why or why not? ( お 寿 司 は 、 手 で 作 り 、 手 で 食 べ る べ き だ と 思 い ま す か 。 そ の 理 由 を 述 べ て く だ さ い 。)
-I think it should be made by hands, because it is the traditional and authentic way of making sushi. But I think it should be eaten using chopsticks, not by hands, because our hands are not always clean.( 手 で つ く る べ き だ と 思 い ま す 。 そ れ が 、 伝 統 的 で 本 格 的 な お 寿 司 の 作 り 方 だ か ら で す 。 で も 、 手 で は な く 、 箸 を 使 っ て 食 べ る べ き だ と 思 い ま す 。 な ぜ な ら 、 常 に 手 が 清 潔 だ と は 限 ら な い か ら で す 。) 前 者 は 、 テ キ ス ト の 本 文 か ら ア レ ン ジ し た 回 答 例 で あ る が 、 後 者 は 学 生 の オ リ ジ ナ ル の 回 答 で あ る 。 英 語 で 理 解 し た 内 容 を 英 語 で 表 現 す る 、 あ る い は 自 分 の 考 え を 英 語 で 述 べ る 練 習 を 行 う と と も に 、 後 期 「 英 語 Ⅱ 」 で プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 用 の ス ク リ プ ト を 作 成 し 、 自 分 の 意 見 を 述 べ る 能 力 を 育 て る こ と が 、 こ の 活 動 の 目 的 で あ る 。 (7) プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 1 年 間 に 渡 る 食 物 栄 養 学 に 関 す る 英 語 の 学 習 の ま と め ・ 応 用 と し て 、 後 期 「 英 語 Ⅱ 」 授 業 計 画 の 最 後 に 4 人 グ ル ー プ に よ る プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 機 会 を 設 け た 。 共 通 テ ー マ
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-は 、“Japanese Diet In the 21st Century”(「 21 世 紀 の 和 食 」) で あ る 。 タ イ ト ル と 内
容 は 自 由 で あ る が 、 こ の 活 動 は 、 学 生 が こ れ ま で に 学 習 し て き た 食 物 栄 養 の 分 野 の 英 語 の 語 彙 や 表 現 を 使 っ て 自 分 達 が 言 い た い こ と を 表 現 す る 機 会 を 提 供 す る も の で あ る 。 グ ル ー プ 分 け に あ た っ て は 、 4 月 に 実 施 し た 実 力 診 断 テ ス ト の 結 果 を 参 考 に 、 英 語 運 用 能 力 の 高 い 学 生 が 違 う グ ル ー プ に 分 散 す る よ う に 配 慮 し た 。 協 同 学 習 に お い て は 、 同 じ グ ル ー プ 内 で 、 あ る 程 度 学 力 に 差 が あ っ た 方 が お 互 い に 助 け 合 い 、 活 動 が 活 性 化 す る 場 合 が 多 い か ら で あ る 。 筆 者 が 前 半 に 担 当 し た グ ル ー プ の タ イ ト ル は 、 以 下 の 通 り で あ る 。 [ 表 2 ] 食 物 栄 養 学 科 「 英 語 Ⅱ 」 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン ( リ ハ ー サ ル ) タ イ ト ル 一 覧 英 語 タ イ ト ル 日 本 語 タ イ ト ル
1 The Changing Japanese Diet 変 化 す る 日 本 人 の 食 生 活
2 Washoku 和 食
3 Diet for Good Health 健 康 の た め の 食 事
4 Unbalanced Diet, which is increased by Westernization
西 洋 化 に よ っ て 増 え た バ ラ ン ス の と れ て い な い 食 事
5 For Healthy Diet 健 康 な 食 生 活 の た め に
6 Skipping Breakfast of Children 朝 食 を 抜 く 子 ど も た ち 7 The Difference between Japanese Food and
American Food
日 本 の 食 べ 物 と ア メ リ カ の 食 べ 物 の 違 い
8 The Causes and Measures of ‘Eating Alone’ 「 孤 食 」 の 原 因 と 対 策 9 Japanese Food in Foreign Countries 海 外 の 和 食
10 Food Self-Sufficiency Rate 食 糧 自 給 率
「 英 語 Ⅱ 」 で は 、 ネ イ テ ィ ヴ ・ ス ピ ー カ ー の 先 生 と 二 人 で 授 業 を 担 当 し て い る の で 、 筆 者 の 授 業 回 数 は 全 8 回 で あ る 。 第 1 回 の 授 業 で は 、 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 実 施 要 領 に 関 す る 説 明 を 行 う 。 そ し て 、 第 2 ~ 4 回 の 授 業 時 間 の 一 部 を 使 っ て 、 グ ル ー プ に 分 か れ て プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 内 容 に つ い て 話 し 合 い 、 原 稿 の 作 成 に 取 り 組 ん で も ら う 。 第 5 回 の 授 業 時 に 各 グ ル ー プ の 発 表 原 稿 を 集 め 、 添 削 ・ コ メ ン ト を 入 れ て 翌 週 返 却 す る 。 各 グ ル ー プ に お い て 、 さ ら に 内 容 の 検 討 が 行 わ れ 、 第 7 回 は 発 音 ・ イ ン ト ネ ー シ ョ ン 指 導 や 質 疑 応 答 も 交 え た リ ハ ー サ ル 、 最 終 回 は プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 本 番 で あ る 。 グ ル ー プ 単 位 で 行 う す べ て の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン が そ う で あ る よ う に 、 こ の 活 動 は ド ル ニ ェ イ (2001) の ス ト ラ テ ジ ー 28:「 学 習 者 間 の 協 力 を 促 進 す る こ と に よ り 、 生 徒 の 動 機 づ け を 高 め る 。」(Increase student motivation by promoting cooperation among the learners.)に 当 て は ま る も の で あ る 。 3 3 こ の ス ト ラ テ ジ ー に は 、以 下 の 3 つ の 細