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多文化保育におけるフィンラン ド乳幼児のアイデンティティの研究

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多文化保育におけるフィンラン ド乳幼児のアイデンティティの研究

三 井 真 紀

問 題 と 目 的

本 調査 は 、 多 文化 保 育状 況

Fに

お け る、 ポ ジ シ ョナ リテ ィ (位置性)と い う視 点 に よ り、 フ ィ ン ラン ド共和 国 に住 む乳幼 児 の アイデ ンテ ィテ ィ形 成 につ いて検 討す る こ とを 目的 と した研 究 で あ る。 調 査 対 象 は 、① 両親 また は両親 の どち らか が 日本 国籍 、 又 はF]本国籍 で あ った乳幼 児② 乳 幼 児 の 両親 ③ 乳幼 児 にか か わ る保 育者 で あ る。 本 稿 は 、

2009年 2月

に フ ィン ラ ン ド共 和 国 、ヘ ル シ ンキ市 で 実 施 され た 、研 究 の一 部 で あ る。 尚 、本論 文 にお いて は、上 記① の家族構成 下の乳幼 児 の こ とを以 降 「在 芥 日本 人 乳幼 児 」 と明 記す る こ と とす る。

在芥 日本 人 乳幼 児 の ケー スに よって 、 アイデ ンテ ィテ ィ形 成 の 問題 を検討 す る こ とは 、以 下の

3点にお い て有 効 で あ る と考 え る。

まず 、フ ィ ン ラ ン ド共 和 国 にお け る教 育 (保)の最 大 の特 色 が 、幼 少期 か らの 「自己決 定 力」

を重視 す る こ とに あ る (Talib and IIosOya、 2007)。 日本 の保 育現 場 で重視 され る もの は 、む しろ

「協調性 」や 「他者 へ の優 しさ」であ る傾 向が強 い (新倉 、2001)。 この 、一 見相反 す る保 育環境 の構成 下にお い て、日本 の教 育 を受 けた り、日本 人 に育 て られ た りしてい る経 験 を持 つ 乳幼 児 が 、 どの よ うに適 応 し、何 を選 択 して い くの か とい う実態 を観 察す る こ とは、現 在 の多 文化 保 育状 況 にお け る方 向性 を考 え る 上で 貴重 なモ デ ル とな るか らで あ る。

次 に 、2つの 国 の文化 (空)を所 有 す る乳幼 児へ の ̀周囲か らの期 待'を、具 体 的 に知 る こ とが で き るか らで あ る。 対象 とな る乳幼 児 は、多 くの場 合 、家庭 で は 日本 語 とフ ィン ラ ン ド語 で 生 活 し、保 育所 で は フ ィン ラ ン ド語 で過 ご し、 日本 人補 習校 で 日本語 を学 ぶ とい った 、 た いへ ん 過 酷 な状 況 ドで成 長 す る。 しか しこ うい った状 況 は 、生涯 にわた り 「自己決 定 力」 を重 要視 す る フ ィン ラ ン ドや 北欧 諸 国 (田代 、2004)にお い て 、 多 くの移 民や 滞 在 家族 が 、経験 して い る こ と な の で あ る。 フ ィン ラ ン ド社 会 の ^面が 、保 育現 場 にお い て も再現 され て い る可能性 が 高 く、 こ の 国のマ イ ノ リテ ィの ポ ジ シ ョナ リテ ィや 、移 民 へ の期待 を明確 にす るた めの ケー ス と して適 し て い る と思 われ る。 加 えて 、現 在 、移 民 が急増 す る フ ィン ラン ドと 日本 にお け る共通課 題 と して

も意義 が あ ろ う。

最 後 に、乳幼 児期 の社 会構 造 を観 察す る こ とで 、 フ ィン ラ ン ドの 「多文 化 主義 社会 」 を明 らか にで き る と考 え るか らで あ る。 フ ィン ラ ン ドは 、国家 と して 多 文化 主義 をか か げ、 高福 祉 と平等 を 自負す る (Paivi、

1999)cし

か しな が ら、そ の ^端に見 られ る、実質 的 な 「個 人 主義 社 会 」が 、 L幼児期 の 世界 に凝 縮 して表 現 され 、 フ ィン ラ ン ド独 自の 「多文化 主義 」 の 土台 にな って い る可 能性 が強 い。 つ ま り、乳幼 児 のお かれ た 多 文化保 育 の現状 を明 らか にす る こ とで、個 人 主義 に裏 づ け られ たユ ニー クな 「フ ィン ラ ン ドモ デ ル」 を模 索 で きる可能性 が あ る こ とが大変興 味深 い の で あ る。

(2)

168

多文化 保 育 にお け る乳幼 児の アイ デ ンテ ィテ ィ形 成 につ いて検 討 す るた め 、 フ ィン ラ ン ド共和 国 にお い て 、現 地 調 査 を実 施 した。

法 方

調 査 時 期 調 査場 所 対 象 者 手 続 き

2009年 2ナ

フ ィン ラ ン ド共和 国 (ヘル シ ンキ市)

在 芥 日本 ノ、乳幼 児 の 母親5人 (「

]本

国籍 を所 有 して い る又 は所 有 して い た)

2008年

度 の現 地調 査 にお け る協 力者 か らの紹 介 で乳幼 児 を持 つ5つの家 族 に新 た に研 究 につ い て説 明 し、協 力 を依 頼 したの そ の後 、 メー ル等 のや りと りに よつて 、具体 的 な 手続 きを説 明 し、 面接 調 査 の 了承 を得 たc尚、全 て の母親 は仕 事 を持 つて い た。 多 忙 な 中で の 調査 で あ り、「子 育 て 」 とい うプ ライベ ー トな 内容 に踏 み 込 む こ とを考 慮 し、事 前 に特 別 な準備 は い らな い こ とを伝 えたcその 上で 、 で き るだ け リラ ックス し た状 態 で 面接 当 日まで過 ご して い た だ くよ うに努 めた。

(2008)お よび 久 富 (2002)の実施 した 由i接調査 を参 考 に、

5名

の母 親 と、一 対 一 で 面接 調 査

(イ

ン タ ビュー)を実施 した。 面接 場所 は 、ヘ ル シ ンキ 市内 の静 か な カ フ ェ を選 び 、面接 時 間帯 は、平 日午 後 と した。 仕 事 の な い時 間 又 は勤務 終 了後 と し、 子 ど もや 家 族 とは 一緒 で なか つた。 調 査者 は 、面接 者 とはす で に メール で のや り取 りや 数 回 の面 識 が あ つた た め、雑 談 を しな が ら和や か な雰 囲 気 で面 談 をは じめ る こ とが 可 能 で あ った。 質 問 内容 につ い て は 、最 初 に属性 につ い て質 問 し、 そ の後 は 自由 に気 に な った項 日か ら話 して い た だ い て構 わ な い こ とを伝 えた。 使 用 言語 は 日本 語 と した。

話 がつ まった とき以 外 は 、 で き るだ け調 査者 か らは言 葉 を控 えた。 面接 者 との面接 時 間 は 、1時間 を予 定 して い た が 、平 均 面接 時 間 は 、 112分 で あ った。 尚 、 面接 調 査 に お い て は 、筆 者 の属性 や 過 去 の 前i接者 へ の か か わ りが 、少 な か らず 影 響 を与 えて い る こ とが予 測 で き る。 面接 終 了時 に は 、 面接 調 査 の意義 や研 究報 告 と して の 限界 につ い t)説明 した 上 、記録 を使 わせ て い た だ くこ とを承 諾 い た だ い た。

面接 場 面

結 果 と 考 察

5ギ

│の

母親 は、平均滞在 年数 が

6年

8ヶ 月、 フ ィンラン ドで 了

^ど

もを生 んだ経験 が ある家族 が

3人

であつた。それぞれ が フ ィンラン ドに住んだ経緯 が異な り、今後 の予定

(永

住す るか ど うか

)

t)様

々である。 又、夫の国籍 、イ 11事 、本人の仕 事や子 ど

(Dの

t)異

なっていた。今 回は、それ ぞ れ の内容 か ら、特 に重複 していたテーマ を 一つ と りあげ、母親 の 目を通 した言葉 か ら、 子どもに 観 られ るアイデ ンデ ィデ ィ形成 につ いて、その 一部 を探 る

c

(1)フ ィ ンラ ン ド人 ら しさの獲 得

面接 調 査 か らは 、「フ ィン ラ ン ド人や 社 会 は 、 日本 人 に好意 的 で あ る」 とい う言動 が 出 され た。

(3)

る とい う発言 を している。保育所 の家族 を支援す る全体的な方針や方向性 、保育者が 「よい とこ ろを褒 める」指導 を好意的 に受 け止 めてい ることもわかった。 さらに、 自分で決 めることを重視 す るフィンラン ドの多 くの子 どもは、 自己主張が強 く、時に 日本の子 どもが甘えん坊 に見えるこ

ともある とい う。

子育て を国が支 え、しょ うがいを持つ可能性 のある子 どもへの支援がたいへん多様 であるな ど、

手厚 い福祉制度 に満 足 してい る様 子 を語 つて くれ た。

 5人

4人

の母親 が、 フィンラン ドと日本 であれ ば、今後 の フィンラン ドでの子育てを望んでいた。 これ らの結果 は、アジア諸国か ら日本 に移住 し、子育てにかかわ る家族への調査結果 と、相反す るものである

(山

岡、

2001)。

一方、保 育現場の状況等 について、「日本では当た り前の ことが、教 え られ ていない」とい うテ ーマについて語 られ た ことが、第一の共通点であった。 それぞれ の 口調 には、乳幼児が保育現場 で混乱 し、時 には家族 に も不安が残 る様子が表現 され ている。

A:フ

ィンラ ン ドの子 どもは、享

L児

期か ら、両親以タトの ことは、名前で呼

rs iiこ

とが 自然なんです よ。つま り、呼び捨てです。呼び捨てだけな らいいんですけど…なんていうか。 …言葉が汚い

!

た とえば、先 日、

4歳

の息子の反達が遊びに来て、冷蔵庫か ら牛乳を取 つて欲 しいというん です。それが、あま りにも汚 い言葉でび っ

<り

しま した。日本語で言 った ら「おい、●●

(A

さんの名前

)、

<し

ろよ っ」てい う言葉なんです。そ ういう反達が、一人 じゃないんです。

それ に、他の大人 にもそ うい う しゃべ り力で接 しているんですよね …ウチの子が真似 して使 つた ときに叱 った ら「だ って …」 って言 っていま した。だか ら、全員を叱 りま した。 この中 で、遊 ばせて、大丈夫なのかな

?っ

て思 いますよ。大人になると、それな りにきちんと話せ ますが、子 どもの時には、相手 を尊敬する気持ちを言葉にも表 してほ し

<な

ります。そ うい うことを真似 してい

<の

が、 アイデ ンテ ィテ ィ獲得だ と した ら、残念 に感 じま した。

B:公

園や遊び場で、 おもち ゃを使 うとき、フ ィンラ ン ドでは、早い者勝ちです。奪い含います

(笑)年

上の子は、年下の子 に原則、貸 しません。もちろん、保育所でも、保育者は貸 して あ

│ず

る子 を褒めた り しません。私 と しては、 自宅では「仲良

<使

お うね」 って言 つて貸 し借 りできるの に、実はよそでは「早 い者勝ち」 って教わ っているので、混乱 してることがわか りま した。相談 しても、フ ィンラ ン ド人 には、わか ってもらえません。 日本人同士だと、 こ の ことは「 うん、うん、わかる」って思 って

<れ

るんです。ほん と、よ

<あ

ることなんです。

私たちが

100歩

譲 るほ うが いいので しょうか。ま ぁ、き っと、こうや って、た

<ま

<生

き て い つて

<れ

るので しょうが・ ・ ・。

C:フ

ィンラ ン ドでは、自分で食べたいものを選んで、自分の意闇で食べます。でも、これ って、

子 どもには とて も難 しい じゃないですか

?!上

の お兄ち ゃんは、 日本で保育所 に行 つた経験

があ ります。 もちろん、あれ を食べたい、 これ を食べたいとは言いますが、好き嫌いがない

んです。 いろいろ食べるよ うに、努力 している感 じも気が付きま した。 しか し…一番下の子

は、フ ィンラ ン ド生まれ、フ ィンラ ン ド育ちです。「墨油 ご飯が食べたい」って言 った ら、譲

らな いときもある

<ら

い、頑 固です。お反達 も、 フ ィンラン ドの子は、本当に好きなもの し

か食べない。それ を食文イ ヒとい うな らば、食文イ ヒは、完全 に保育所でフ ィンラ ン ド人 にな っ

(4)

170

糸己

て しま ったよ うです

(笑)こ

っちの保育者は、「何で も食べなさい」ではな

<「

食べ られ るか 判断 しなさい」 って言 いますよね。「

3歳

?」

って思 いません

?面

白いです。

D三

しょうが いのある子 どもの ことを理解することは、す ご

<い

い ことだ ろ うと思います。で も、

その子の情報が子 どもに伝わ つた とき、子 ども って、や っぱ り気になるんですよね。 うちの 子 は、 しょうが いのある近所の子の話を本当によ

<し

<れ

るんです。毎 日「あの子が、何 をで きるよ うにな った」 とか「あの子だけ、特別だ った」みたいな話です。ほん と、信 じら れな い

<ら

い、毎 日ですよ !う ちの子が、も しも特別な支援 を必要 と した ら、あんな

S、

うに、

毎 日どこかで話題にな るのかな

?!な

んて考 えます。開かれすぎて、少 しび っ

<り

する とき がある とい うのが本当の ところです。開かれる ことはいいんですが、「あの子は、しょうがい があるか ら」 って、あま りにもそ っけない態度 をする、そのあた りの優 しさ

?や

相手への配 慮みた いな ものが感 じられないのです。私は、タト国で過 ご した時期 も長 いですが、 この国は 特別 に感 じます。

E三 子 どもが 、「 お母 さん は、日本 人 で、僕 は フ ィンラ ン ド人?僕も 日本 人 が い い っ」と言 つた こ とが あ りま した。 少 し複 雑 な 気持 ち で した。 まだ 小 さ いの に、 多分、 母親 の フ ィンラ ン ド語 が そ ん な に うま<ない とか 、 お母 さ ん は、 ほか の 人 と顔 が違 うな とか、 子 どもな りに感 じて い るの か も しれ ませ ん 。私 も、い つ まで もちや ほや され る、「 日本 か らの お客 さん」で はな い 時 期 で す じ…。(中)こち らの 人 は、本 当 に、1人が 平 気な ん で す。だ か ら余 計 にな ん だ か

…取 り残 され て しま う って感 じる ときが あ ります。 気 を遣 って話 しか けて きた りは しません か ら。 私 は、 家 庭 の 中で もマ イ ノ リテ ィー にな って しま うん じゃな いか な、 と時 展 不安 にな ります。 日本 語 で 話 した い し、 日本 語 で 思 い切 り、 けん か した り、 保 育所 の先 生 に意 見 を言 つた り した いで す

!そ

れ に して も保 育所 で は、「 人 に優 し<しま しょう」とか は言 わ な いで す よね 。

以 上 の話 は 、乳幼 児 期 の 「フ ィン ラ ン ド人 ら しさ」 獲 得 に関連 す る ものか も しれ ない。 しか し なが ら、 こ こで は 「ら しさ」 の獲 得 が必、要 で あ るか な い かt)含め、 いず れ に して も強 い られ た も の で は な く、 子 ども 自身 が 自然 に見 につ けてい け る環境 で あ る こ とが期待 され る。

アイ デ ンテ ィテ ィの概 念 につ い て は 、エ リク ソン (Ericson、 1950)に よ り、社会 的 な次 元 で の 問題 が 注 目され 始 めた。 金 (2008)は、現在 ジェ ン ダーや 人種 、エ スニ シテ ィな どの さ ま ざ まな 領 域 にお い て議 論 され て い る こ とを前 提 に、「アイデ ンテ ィテ ィが 、人種 化 、階層 化 、ジェ ン ダー 化 され た もの で あ り、本質 的 な性 質 とい うよ りは 関係 的 、複 合 的 、かつ流動 的 な 立場 を指 すt)の で あ る」「自分 が ど う思 うか で は な く、他 の 人た ちが ど う思 うか とい う点 を見逃 して はな らず 、ア イ デ ンテ ィテ ィ とは反 射 され た

(reflcctod)ア

イデ ンテ ィテ ィ との 交渉 を避 け られ ず 、独 立 した 主 体 の意 思 だ けで獲 得 で き る もの で は ないJこ とを支持 し、多 文化 主義 との 関連性 につ い て も言 及 した。

(5)

人 的環 境 の構 造 につ いて 、萩原

(1998)は

バ ー ン ステ イ ン (Bernstein、 1975)の理念 を も とに 理 念 図 を掲 げ て い る。 表 1は

Cultural AccommodatiOnの

タイ プ をAと Bに区分 してお り、枠 付 けの強 さ・弱 さを あ らわ して い る。 こ こでの枠 付 け とは 、相 互 の 関係 にお いて他 者 を受 け入れ る 境 界 を示 して い る。 例 えば 、マイ ノ リテ ィの 文化 へ の受 け入れ に関 して 考 え る とすれ ば、表

1の

Aタイ プ の 人 間 が権威 的 主 従 関係 の構 造特性 を持 つ 一方 、Bタイ プ の 人 間 は 、意思 決 定 の 力は 平 等 に配 分 され る。 した が って 、Bタィ プ の構 造 をt)っ た環境 にお い て は 、枠 付 けが弱 い分 、マイ ノ リテ ィに対 して 、よ りよ く違 い を認 め合 う柔軟 な

Accommodationの

姿勢 を とる こ とに な る と予沢1

で き る。

グ リー ンマ ン (Greenman、 1989)も指 摘 す る よ うに 、 異 な る価 値観 や挑 戦 的場1白iに関 して は 、 特 に 「違 い を受 け入 れ る構 造 」 が大 変 重要 で あ る。

そ もそ も

Accommodationと

は 、an adjustment Or adaptati01l tO suit a special or different purpose(特 定 の 、また は異 な る 目的 に添 うよ うに調節 した り適 応 した りす る こ と)

とい う原 意 で 、バ ー ン ステ イ ンが 、文化 的 再 生産 の妨害 者 と しての学習理 論 の特性 を論ず る中で、

大人(保育者 )中 心 の「支配―

domination―

」の概 念 を、千ど も(幼児)中 心 の「適 応―

AccommodatiOn

― 」概 念 に代 え る とい う幼 児 期 の学 習理 論 の特 徴 を指 摘 した もの で あ る。

cultulヽ al accOmmodatiOn

(文化 的調 整)と い う概念 を和 訳す る と 「自分 を失 って相 手文化 に適応 した り,贋応 す るの で は な く、相 手 とのや り取 りを調 整 しな が ら うま くや って い く」 とい うこ とを意 味 してい る。

マジ ョリテ ィとマイノリティとの関係Ⅲ 園環境 の構造 醸 原.1996)

Aタ

イプ

)

閉 鎖 系 明 示 的 保 育 者

fl(蒼

撃墨

)

幼児 ゆ親 単 一 明確 な境界線的

半 〕 統

 

役割重視 和 明 示 的 供給、教示

分離主義

(構

造的特性

)

(主

従的関係

) (コ

ミュニケーション体系

)

(文

)

(二

者間命境界線

)

(集

団 対 個

)

(役

割 対 個性

)

(秩

序化の原理

)

(規

)

(援

助の方法

)

(基

本的原

lll)

Bタ

イプ〉

開 放 系 暗 示 的 保育者

  

幼児・親 適応的

(相

互調整的

) (ヨ

コ理勢

多 元 的 巾広 い境界線

=L〕

援 助 ・ 支 援

個性重視 調

 

暗 示 的 促進的援助

統合主義

日本 にお け る保 育 した対応 がみ られ た ら才λる (三 iり│、 2007

者 と園 児 のや りと りをみ る と、多 くの場 合、 ホ ス ト文化 で あ る[]本を 中心 と が 、そ の特 徴 と問題 は 、「本 人 た ちに まった く悪 気 が ない」とい う点 だ と考え

)。 実 際 に はそ の よ うな傾 向 は 、1司 じよ うに新 しい 文化 に

AccOmmodatiOnし

(6)

172

うとしてい るフィンラン ド移民や滞在家族 らに対 して も、 よく似 た状況が再現 され てい る と考 え られ る。 また、本調査全体 に照 らし合 わせ て上記 の関係性 を見 る限 り、フィンラン ドの保育環境 は、多文化主義 であ り、

Bタ

イ プの構造 を強 くもつ と考 え られ るが、 日本 の 目指す

Bタ

イプ には な りえない可能性 が示唆 され る。た とえば、「規範」の項 目は、現在 の 日本社会のほ うが、よ り暗 示 的な面が あ る点 も否 めない。今後 、 これ らの社会的な枠組みの整理 をす るため、慎重 に当事者 の声 を集 め、保育現場 に映 し出 された縮 図を読み解 くことを 目指す。

ま と め

多文 化 社 会 の様 相 が深 化 した フ ィン ラ ン ドで は 、 国 内 の少数 民族 や 少数 言語集 団 に対す る個 々 の配慮 まで見込 み 、教育 内容 を考 え る必 要性 が あ る (Pirjo、 1999)。 また 、 コ ミュニ ケー シ ョン 能 力 を養 うこ と、ユ ニー クな人材 を育成 して い く仕組 み も作 られ てい る。 そ の よ うな学校 文化/

保 育文 化 の 中で 、個 々の アイ デ ンテ ィテ ィ形 成 や ポ ジ シ ョナ リテ ィにつ い て は 当然 重 要視 され る べ きで あ り、今 、 日本 文化 を持 つ家族 がその構 造 の 中に生 きる状況 は、大 きな示唆 点 を与 えて く れ る。 また 、そ こで何 らか の違 和感 や 重 要性 に気 づ い て い るの で あれ ば、乳幼児 の姿 と家族 の声 を大切 に 、 日本 とフ ィン ラ ン ドの多 文化保 育 の課題 を見 出 し、丁寧 にか か わ って い くこ とを継 続 した い。 なぜ な ら、 この よ うな顕 在 化 され た状 況 は 、 よ り自由なアイデ ンテ ィテ ィ形 成 環境 の誕 生 につ な が る可能性 を示 す もの だ か らで あ り、マ ジ ョ リテ ィ文化 へ の多大 な影響 力 を持 つ もの で あ るか らで あ る。 これ らは 、京都 市 民 を対象 に した 「京者5市人権 問題 に関す る意識 調 査 」(世界 人 権 問題 研 究セ ン ター 、2002)にお い て 、「在 日韓 国

0朝

鮮 人 の友 人や 知 人が い る人 ほ ど人権 意識 が 高 い」と出て い る こ と、「多 文化 を知 る こ とに興 味 の あ る大 学 生 は、発達 障害や ジ ェ ンダー に対す る興 味 も高 い傾 向が あ る」 とい う結 果 (三井 、2007)、 さ らに はバ ー ンステ イ ンの示 す『 枠 付 け』

の強弱 に よって 「どん な他 者 に対 して も、柔軟 な姿勢 で 向かい合 え る」 とい う事 実 に裏 づ け され る もの で あ る。

現在 、 日本 各 地 に、外 国籍 や 異 な る文化 的背 景 を もつた児童 が在 園 してお り、 この状 況 に対応 で き る保 育者 の養 成 や 、問題 解 決 も重 要 で あ る (三井 、2004)。 しか し、根 本 的 な解 決 のた め には 、 保 育社 会構 造 の整 理 も同時 に必、要 で あ ろ う。多様 性

(Diversity)と

は 、人 々の間 に存在 す る差 異 の こ とで あ る

(Grant&Gloria、 1997)。

多 文化 保 育 の分 野 を担 う者 の 一 人 と して 、 人種 的 、 民族 的 、 ジ ェ ン ダー 、経 済的集 団 、言 語 、宗 教 、能 力、年齢 、性 的嗜 好性 な どの属性 につ い て も、多 様 性 とい う観 点 か ら記述 し、尊 重 す る視 点 を大切 に した い。 そ の上 で 、誰 もが 「生 きに く さ」 を 感 じる こ とな く、豊 か に教 育 を受 け る権利 を もて る こ とを前提 に、 どの よ うなモ デ ル の提 示 が可 能 か検 討 した い。

本研 究 は 、

2008年

度 九州 ル ー テル 学 院 大学 学 内研 究補 助 金助 成 を受 け実施 され た現 地 調査 の 部 です。 ご支援 くだ さい ま した大 学 関係 者 の皆様 に感 謝 申 し上 げ ます。 また 、本 調査 に あた り、

快 くご協 力 くだ さった 、 フ ィン ラ ン ド在 住 の皆様 に心 よ りお 礼 申 し上 げ ます。

(7)

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参照

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