蓄電半 白励誘導発電機 の運転特性 (
I)
溝 口 研 悟
Wor ki ng c har ac t e ri s t i c sofa Sel LExc i t ed T nduc t i on Ge ne r at orwi t h St at i cCapac i t or(Ⅰ)
By Ke n go MI ZOGUCHI
Abs t r ac t; Thi spape rc ons t i t ut e san addi t i onalone t o t he r e por ton t he wor ki ng c har ac t e r i s t i c soft hei nduc t i o nge ne r at o rf o rt hel ampl oadt heaut horonc ec o nt r i but e d t ot heBul l e t i noft heKyus hu l ns t i t ut eofTe c hnol o gyNo
4.Mar c h 1 955.
Thi spape rde s c r i be s
,bas e dupon t he r e s ul t s o bt ai ne d by t he aut hor′ s s t udy and e xpe r i me nt so nt hepr o bl e m s i nc ehi spr e vi ouspape rappe ar e d,how manyc apac i t i e sar e ne e de dt oc ompe ns at et hegi ve ni nduc t i vel oadandho w muc hr e as o nabl emagni t ude of i ti st he o r e t i c al l yne e de d.
The nt heaut hors howsho w manyc apac i t i e sne e dt obear r ange dwhe nt hei nduc t i ve l oad ( i nduc t i onmot orl oad)i ss wi t c he ds udde nl yi nt hel i ne .
Thos ewhoar ei nt e r e s t e di nt hi spape r ar e advi s e d t o l ook i nt o whatt he aut hor obs e r ve dont hepr o bl e m i n hi s pr e vi ous pape r f or t he be t t e r unde r s t andi ng of t he aut ho r′ st he or y.
I . 緒 言
蓄電器 自励誘導発電機 の抵抗負荷運転特性 につ いては, 表題の第 1報 として既 に九工大研究報 告第 4 号 に詳細報 告 した通 りであ るが, その後誘導負 荷主 として誘導電動機負荷の場合の該発電機 の運 転特性 について調べ得 た結果を ここに報 告す る。
この報告書 には誘導負荷の場合は蓄電器 自励誘 導発電機 の性質上負荷誘導 レアクタンス分 を打消 す為 の誘導補償容量の必要 な ること,又 その補償 容量 の算 出法 を述べ てあ る
。次 に誘導負荷主 として電動機負荷の印加起動 に ついて払 わねば な らない考慮 について述べ てあ り 終 りに負荷電動機の回転速度 について言及 してあ
る。
実験 に使用 した機器 の主 な る ものは次 の通 りで あ る。
( 1
) 発電機 三相誘導発電機 (カゴ型誘導電動機 を代用す) 3HP , 6 極 ,6 0 C / S
( 2) 蓄電器 三相 , 電力進相用蓄電器 20 0V , 1 個 の容量 30F L F
( 3
) 原動機 和働複巻直流電動機 5I i P 速度制 ( 御は電機子電流制御によ る) ( 4 ) 誘導負荷 三相誘導電動機
カゴ型 ,20 0V , 1 HP , 4 極 力ゴ型 ,20 0V , 3 HP , 4 極
2 . 誘導補償蓄電 器容量
一般 に誘導量 L と容量 C とは電気常数 としての
性質 は位相的 に見て互 に相反 してい る。 故 に蓄電
器 を励磁源 とす る蓄電器 自励誘導発電機 に於 て,
之に誘導負荷 をか けた ら負荷中の誘導 レアクタン
スが励磁蓄電器 の容量 レアクタンスの幾分か を打
消 し,励磁蓄電器 の容量が それだ け減少 した状態
8 ‑ 溝 口
で運転す るのではないか と輯像 され る
.然 し抵抗 負荷運転特性 に見 る如 く,発電機 の安定運転のた めには励磁蓄電器 の容量は成 るべ く大 きい方が よ い。 それで上述 のよ うに負荷の レアクタンス分に よって励磁蓄電器 の容量が減 じられ るとすれば, 誘導負荷の場合 には抵抗負荷の場合 よ り励磁蓄電 器 の容量 を増加 しなければ誘導発電機 の安定運転 は望 めない理 とな る。実験 によ るに この推理 は全
くその通 りで,誘導負荷の場合 には,は じめか ら その誘導量 を打消す丈 の容量 を負荷 に並 列に挿入 す るか又は励磁源蓄電器 に増加 しおかねば抵抗負 荷時に見 た安定運転 は出来 ない。然 らば負荷の誘 導量 を打消 し安定運転 を行 うには,抵抗負荷時に 比 し何程の容量増加量即 ち誘導補償容量 を必要 と す るか。
3 . 誘導発電機の端子電圧
誘導 レアクタンス補償容量算 出の方便 として誘 導発電機の獅子電圧 について考 え る。誘導負荷の 場合の運転状況が抵抗負荷時のそれに全 く同 じで あ るな らば,発電機端子電圧 は両者 に於 て等 し く なければな らない と考 えてよいで あろ う。 それ故
ここに発電機端子電圧 を求 め ることとす る ●
。Ea を三相誘導発電機 の 1 相星形誘起電圧 , r o
+j
xo を同 じく 1 相 の屋形 インピーダ ンス とす ると, 該発電機 の無負荷,抵抗負荷,及び誘導負荷時の ● ● ● 端 子電圧 t , o s r Vs1 , Vs 2 はそれぞれ次式で表 わす
ことが出来 る 。
E a
1
' w C t '
炉 T28 . ‑ k 鵡 + po )
V s 0 ‑‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑‑‑・ (
1)
但 し C は励磁蓄電器の星形 1 相 の容量
・O‑ tan‑1莞 , 蛸 角周波数 E a
r D '1 ・ / 云 ( 諒 j ; 6V t ' 坪l 2 o w ) T p ) 2 (
‑‑‑‑ ‑‑‑‑‑ ‑ ( 2) 但 し R は負荷 の屋形 1 相 の抵抗値
¢7 ‑t a n ‑1 d ) CR
V s ‑ ニ ー ‑
研 悟‑
V
s‑ 2
Hv ' ( 志) 2 +( w c 一意) 2 F ' r o 2
・頑但 し L は R と並 列に接続 され た誘導量
p2‑ t an‑
R(1w c j L )
4 . 誘導補償蓄電器容量
前述 のよ うに誘導負荷時の運転状態が抵抗負荷 時のそれに近づ くためには
● ● V s l ‑V s2
であることが望 ましい と考 えて,前記 ( 2) 式 と ( ; 3 ) 求 とよ り,負荷 の誘導員を打消すに必要 な励磁蓄電 器 の容量増加分即 ち誘導補償蓄電器容量 C L は, 吹 のよ うに して求 め ることが出来 る
。即 ち ( 2) 式中の
W2 C 2 と 3 ) ( 式中の ( wc一
意 )2 とを等置す るか , ( 2 ) 式中の ¢ l ‑t a n J wc R と 3) ( 式中の ¢2 ‑t a n ‑ 1 R ( 山 ) C
一志 )
とを等置す ることによ‑て求 め うる.今 誘導補償容量
CLを と り入れて式 をあ らわす と, 前者 よ りは
O2 C2 ‑( w c + WC L ‑ 主 ) 2 ‑‑・・‑・.・ ・・・ ・・ ・ ・ ( 4, 後者 よ りは
WCR‑R( w c ・ wC L ‑ よ
/) ‑‑ ・・・ ‑‑‑‑ ‑( 5, が得 られ る。 この ( 4) 及び ( 5 ) 式が満足 され るために は
WC L ‑去‑o即 ち w C L ‑ W I L ・ ・ ‑ ・ ・ ・ ・ ‑ ‑ ( 6 )
な ることが必要で ある。即 ち誘導負荷中の誘導量 を打消すべ き励磁蓄電器 の容量増加分即 ち誘導補 償容量 C L は ( 6 ) 式 によって求 め ることが出来 るO
●
5. VT s2 式 についての検討
前記 ( 3 ) 式 は純誘導量が抵抗負荷 と並列にあるも
の として負荷 回路構成 を模擬的 に考 えた ものであ
って, このよ うな考 え方をす ると補償蓄電器容量
の算 出が簡単 に出来 て誠 に都合 が よい。併 し実際
の回路 は例 えば電動機負荷 について見 るに,抵抗
と誘導量 との直列接続回路 に電灯負荷等が並列に
つなが って負荷 を構成 してい る 。 之を図示す ると 第 1 図の よ うで あ る 。
図中の R' は電灯負荷 を ,r ' +j wエ' は電動機負荷 を意味 し,何れ も平衡三相屋形‑相 の値を表 わ し てい る もの とす る 。 ●
この よ うに考 えると Vs 2 式 は次のよ うに表 わ さ ● れねばな らないO即 ち之 を V' S 2 で表 わす ことにす
ると
V /S 2‑ 第 1 図 実負荷
構成結線図
●
E a
1+ V'
示嘉折
( αC ‑ ′ L w
R′1 .'r′ 2 + r '
W2 L' 2
r′ 2 +
W 2 L ′ 2
但 しr' は 3 相負荷電動機 な どの屋形 1
相 の抵抗分 wL' は同 じ く星形 1 相 の レア
クタンス分 {1 , , ,
(m
i‑(,・.
・′ ' : ′ こ . . ・ ・ . ;, I : : )
.. I : , ・ ・
:, ( ・ ′ r′ 2 + 02 L′ 2 +
r
′ R ′ ( 7) 式 を見 ると之 と ( 2) 式 との比較に よっ
て補償容量 を簡単 に算 出す ることは困
難であ る。
よって筆者 は この困難 を切 り抜 ける
方便 として 前述の よ うに模擬 回路 を考 えた。即 ち
実回路第 1 図に代 るべ き等価 回路第 2 図 を考 えて之 と
お きか
● え ると ,( 3 ) 式で示 したよ うな Ⅴ 9 2 の式が
得 られて, 補償容量 の算 出が実 に簡単 に処
置 出来 る。
ここに第 1 図 と第 2 図 とを比較 して
等価 回路の R 及 び L を計算す ると,それ等の構成
は次式の よ うに表 わ されねばな らな
R= ( a ' L′ R ′) 2 +
lr′(r′い。 +R′) +W2 L′ 2 〉 2
l(r
′+R′) 2 + W2 L′ 2
〉ir′(r′+R′) + W2 L′ 2 ‡ (
i ) L = ( a ' L ′ R′) 2
+lr′(r ′ +R′)+a ' 2 9 L′ 2 〉 2 話 ' ‑i ( r ′ +R′) 2 + W
2 L′ 2 〉
・ ‑ ‑‑‑‑‑ ‑
‑ ・ ( 8) 第 2 図 模 擬
この よ うにして求 め得 た
CL を励磁蓄 回 路
電器 に附加 す るか又は負荷側 に並 列に挿入 す るか
すれば,請 導負荷運転特性 は抵抗負荷運転特性 に
帰せ しめ得 て運転が平静安定
とな る。
6. 負荷起動補償蓄電器 と起
動抵抗器 上述 によって静止誘導負荷又は負荷
電動機運転 中の即 ち定常状態の誘導補償蓄電器 の
容量 を算 出 し得 たが,更 に負荷電動機 を電 源に投
入起動す る 時 の過渡状況について考察せねば
な らない。
誘導電動機 は起動時 には周知の如 く
無負荷で も 極 めて大 きな遅れ電流 を とる 。 従 って
負荷電動機 を電 源 に直入すれば, この大電流 ( 越
流 )のた め に誘導発電機 は電圧生起機能を噂乱 さ
れ て発電不 能 に陥 る。 それで負荷電動機起動時 に
は この越流 を押 える工夫
を要す る。
その一法 として起動補 質用蓄電器 の
附加 を考 え る 。 これ まで考 えて来 た ところでは回
路 には発電 機 の励磁用蓄電器 と負荷電動機 の誘導
補償用蓄電 器 とを備 えたが, その他 に更 に起動時
のみに使 用 す る起動電流補償用蓄電器 を附加 し,
これ によっ て起動時の越流 に対す る励磁蓄電器 の
容量不足分 を補 わせ よ うとい うので あ る。結線図
を示 せば第 3 図の よ
うで あ る
。若 し起動電流が その電動機 の定格電
流 以 内で あ れば,誘導補償蓄電器 の外に更 に起動
補償用蓄電 器 の附加 は不要 と考 え られ るO起動電
流が定格電
流 以上 になれば励磁蓄電器 の容量が不
1 0 ‑ 溝 口
議晶積言笠㌘詣
竃響
畿 讐
鶴第 3 図
電源及負荷配置図 か ら,更 に起動補償蓄電器 を附加せ
ねばな らぬで あろ う 併 し実験 によれば ここに云 。
う起動補償電蓄器 を 附加 して も負荷電動機の起動
はなか なか困難で あ る。 そのわ けは越流 の無効分は誘
導補償蓄電器 に よって補償 され るわ けだが,その
有効分が発電機 の出力電流 としては余 りに大 きす
ぎて,附加 され た起動補償蓄電器 もその発電機 の附加励磁
源 とし て余 りに弱少で,電圧生起能力 を回復 し
得 ない と 見 るべ きで あろ
う。
尚誘導補
償蓄電器 の容量 CL は負荷のL が変 らな い限 り越流
の大 きさには関係 な くその無効分補償 能力を保持
す る。
それで負荷電動機 の起動 には起動電流 の 有効分 の抑圧 を考 えねば な らな この起動電
い 。流 の有効分 を小 さ くす る方法 として は,第 4 図に示す よ うな直列抵抗 を挿入 す ること を考 え, 之 によって起動 に成功す ることが出来 る
。起 動赦 免 各 /
占
・ G
順 貴荷電妙 痩
第 4 図 起 動 補 償 回 路
実験 によれば 2 . 3 KW ( 3HP) の誘導発電機 に於 て, その1 3 容量 の / 1HP の カゴ型誘導電動機 の
直 入起動 は困難 で あ る (この 際負荷電動機は無負荷
として).併 し起
動直列抵抗 5 ‑1 0 2を挿入す る J ことによって
,発電不能 に陥 ることな く負荷電動 機 の起動が出
来 る。 この際使用 した蓄電器 の容量 は全部で 1H
P 電動機では 4 2 0 p F , 3HP 電動機で は ,5
1 0pF で あって,之等 を分析す ると
C‑C e +C L +C s 研 で表わ され る。式中 悟 ‑
のC e は この場合の定常状態の 負荷電流の有効分 出力を安全 に出
し得 る為 に必要 な励磁蓄電器 の容量で同一抵抗負
荷の場合の励磁 蓄電器容量 , C L は同 じく定常状態の誘導負
荷電 流の無効分補償容量, Cs は起
動時に更 に附加せね ば な らぬ容量 を意味 してい る
。
これ等の実験値概数 は大略下表 のよ うである
雲
; 等 0 1 ‑ 豪 5 裂 壱 。
4 、 0 2
5
‑ノ ≧5 1 0 0 1 : I F e : 21 0 F 5 0… 1 L 15 0 三相 カ 誘導
ゴ 型電 動機 無負 上表 は負荷電動機無 荷起動
負荷起動 の場合であるが, 起動時に幾分 の荷 を負
うて起動せねばな らぬ とき は,その負荷 に相 当す
る発電機 出力を安全 に出 し 得 る Ce の値が必要で
ある故, その為の Ce の増加分 だ けは全容量 の増
加 を見 ることにな る 。 1 例を 1
HP 誘導電動機
に とり,無負荷の場合の起動抵抗
5 ‑l ob, C‑4 2 0 pF に比 して ,0 . 1 k g‑m の マ
サ ッ トル クに打勝 って加速出来 る為 には,起動抵
抗 5 ‑1 0 2 , J C‑5 1 0F L F を要 したo然 か
ば電動機 にかか る負荷が増加すれ ば回転数 は幾分 低下す る筈だか ら,総合すれば実際には電動機 に かか る負荷の増加 によって電動機 の速度低下 は あ ま りあ らわれ ない と見 てよい。併 し重負荷 になれ ば発電機 の安定の上か ら励磁容量C e の増加 を行 う 手段 を とれば,励磁容量増加 は発電機 の周波数低 下 をひ き起 し,之が ため電動機 回転数低下 を来す
ことはまぬがれ られ ない。
8. 結 盲
要す るに誘導負荷の場合は抵抗負荷の場合の励 磁容量 C e の夕吊こ適量の誘導補償容量 C Lを負荷 に 並 列 に附加せねばな らない。
又負荷印加 の場合 には注意 を要す る。特 に誘導 電動機 を負荷 として用 い る場合 は,その印加起動 には誘導補償容量 CL の外に起動補償容量 C s を附 加 し,更 に越流抑圧 の為 に直列抵抗挿入 な どによ
って起動電流 を極度 に押 える工夫 をして,発電機 電圧が生起不能 に陥 らないよ う注意を払 う必要が
あ る 。
負荷電動機 の起動 は無負荷起動 して起動後 に電 動機 に荷 を掛 けるよ う配慮せねばな らな い。
大体負荷電動機の速度変化 はあま りない と云 え るが ,重負荷の場合 は電動機の回転数低下が避 け られ ない。 この場合負荷電動機 の極数 を発電機極 数 よ り2 だけ少 い ものを選べ ば,発電機 の周波数 低下 を補 うことが出来 て,重負荷 によ る回転数低 下 を救済す ることが出来 る。
文 献
1.
溝 口 蓄電番 目助誘導発電機の運転特性 ( t)
昭和34 年電気 四学会九州支部連合講演会予稿
2 . 溝 口 蓄電半 白励誘導発電機の運転特性 (I) 九工大研究報告第 4 号
3. 溝 口 誘導発電機回路の電圧電流の位相について 九工大研究報告第 3 号
【訂正】
九工大研究報告 ( 工学)第 6 号昭和 31 年 3
月配電線の末端 につ なが る誘導発電機 の寄与
溝 口 研悟 正
司右側 1 3 行 目よ り1 9行 目までを次 の如 く訂
正す る。
よって線路長 dx 部分の電圧 降下 を dV とす ると dV ‑ v r JI x(r c o 5
+Jf完s i n O) dx
‑I,1(
r c o s O
・x ls i n
e)(I s 1 ‑ bl i 互 x)dx 今送端 よ りx だ け距 った点 までの電圧 降下 を VCと す ると
vD‑
守 仁 ‑ V d (rc o s o
・x‑s i n
Ol もF I I
〔 ( I A ) ( 2 ‑ 右
覧‑ ‑ ・ x ) ・ 2 ]・ 9, ′ (
よって線路長 Jの間の電圧 降下 帆 は次式の如 く表 わ され る 。 即 ち
V‑(l